JP4859068B2 - アルミ電解コンデンサ用電解液及びアルミ電解コンデンサ - Google Patents
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本発明のアルミ電解コンデンサ用電解液には、電解質として上述の一般式[1]で表されるホウ素錯体塩が、溶解した状態で、含まれている。
一般式[1]で表されるホウ素錯体塩は、ホウ酸、グリコール酸およびN−アルキルピロリジン(前記アルキルはメチルまたはエチルである。)を水中で反応させることにより得られる。ホウ酸、グリコール酸およびN−アルキルピロリジンの使用量は、好ましくは反応等量であり、これらの添加順序は特に限定はない。各反応物質の添加時の温度は特に限定無く、例えば−20℃〜+30℃であってもよい。その後の反応条件としては、好ましくは−20℃〜+90℃、より好ましくは70〜90℃にて、好ましくは0.5〜3.0時間攪拌することなどが挙げられる。反応溶媒は、好ましくは水であり、水に、アセトニトリル、エチルメチルケトンなどがさらに含まれていてもよい。反応溶媒は好ましくは50重量%以上が水であり、より好ましくは全て水である。反応液の濃度に関しては、反応液1リットルあたり、ホウ酸が好ましくは0.5〜8.0mol、より好ましくは1.5〜6.0mol含まれるような条件が採られる。このようにして反応させた後の反応液を濃縮することにより、一般式[1]で表されるホウ素錯体塩の粗結晶を得ることができる。
て、開口部を密封し、本発明のアルミ電解コンデンサを得る。
の「%」は「重量%」を表す。なお、本発明は、実施例によりなんら限定されない。以下の記載および表1、2では次のような略号を用いる。
BG・・・ボロジグリコール酸
MP・・・N−メチルピロリジン
EP・・・N−エチルピロリジン
MP−BG・・・ボロジグリコール酸N−メチルピロリジン
EP−BG・・・ボロジグリコール酸N−エチルピロリジン
TMI−PA・・・フタル酸水素トリメチルイミダゾリウム
EDMA−BG・・・ボロジグリコール酸エチルジメチルアミン
DEMA−BG・・・ボロジグリコール酸ジエチルメチルアミン
TEA−BG・・・ボロジグリコール酸トリエチルアミン
DTP−BG・・・ボロジグリコール酸1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
DBU−BG・・・ボロジグリコール酸1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン
(ボロジグリコール酸N−メチルピロリジンの合成)
水1000g中にて、ホウ酸289g(4.67mol)、グリコール酸710.6g(9.34mol)およびMP397.8g(4.67mol)を20℃にて反応させ、80℃にて1時間反応させた後、該溶液を減圧濃縮して、MP−BGの粗結晶を得た。
上記方法にて得られたMP−BGの粗結晶1000gに再結晶溶媒であるエチルメチルケトン1000gを加え、該溶媒の沸点近くの温度にて1時間攪拌して溶解させた後、室温に冷却するという再結晶操作を行った。次いで、濾過によって溶媒を除去した後に乾燥を行って精製結晶を得た。精製結晶の融点は78.2℃、NMRスペクトルは、(1H-NMR, 300MHz, CD3OD, 298K) 2.18-2.24(m, 4H)、3.50-3.57(m, 4H)、 3.27(s, 3H)、 4.21(s, 4H)。
該精製結晶を水分が10ppm未満であるメタノールに溶解させ、該溶液を減圧濃縮して得られたメタノール中に含まれるホウ素濃度を原子吸光光度法にて定量することで遊離ホウ酸濃度を測定した。結果を表1に示す。
得られた精製結晶を乾燥後、30%の濃度となるようにγ−ブチロラクトン溶媒に溶解して、アルミ電解コンデンサ用電解液を調製した後、該電解液の電導度、火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。
得られた電解液を使用してアルミ電解コンデンサ(定格電圧10V、静電容量1000μF、サイズ;φ10mm×L20mm)を作製した。なお、コンデンサの封止ゴムには、加硫ブチルゴムを使用した。
MPにかえて、EP462.3g(4.67mol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてEP−BGの粗結晶を得た。この粗結晶を実施例1と同様の方法にて精製して再結晶を得た。実施例1と同様にして残留ホウ酸濃度を定量し、得られた精製結晶を用いてなる電解液について、電導度および火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成して長期信頼性評価を行った。結果を表2に示す。精製結晶の融点は88.3℃、NMRスペクトルは、(1H-NMR, 300MHz, CD3OD, 298K) 2.16-2.21(m, 4H)、3.46-3.53(m, 4H)、 2.21(t, 3H)、 3.25(m, 2H)、 4.29(s, 4H)。
MP−BGの濃度を10%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
EP−BGの濃度を10%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
MP−BGの濃度を60%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
EP−BGの濃度を60%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
残留ホウ酸濃度を0.7重量%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。残留ホウ酸濃度の調整は、再結晶精製時に用いる溶媒の量を実施例1の4分の3にして生成効率を若干低下させることで行った。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
残留ホウ酸濃度を0.6重量%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。残留ホウ酸濃度の調整は実施例7の場合と同様とした。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
添加剤としてリン酸を電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
添加剤としてリン酸エステル(具体的にはリン酸ジブチル)を電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
添加剤としてアルミノシリケートを電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
特許文献3を参考にして、電解質をフタル酸水素トリメチルイミダゾリウム(TMI−PA)とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸エチルジメチルアミン(EDMA−BG)を合成した。EDMA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため粗生成物をそのまま電解質としてγ−ブチロラクトン溶媒を用いた30%の濃度の電解液を得た。該電解液の電導度及び火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成して長期信頼性評価を行った。結果を表2に示す。
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸ジエチルメチルアミン(DEMA−BG)を合成した。DEMA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸トリエチルアミン(TEA−BG)を合成した。TEA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン(DTP−BG)を合成した。DTP−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU−BG)を合成した。DBU−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
メチルエチルケトンによる再結晶精製を行わなかったほかは実施例1と同様にしてMP−BGを合成し、該電解質とγ−ブチロラクトンを用いた30%濃度の電解液を得た。この電解液のホウ酸濃度は1.8%であり、電導度は12.1mS/cmであった。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成したところ初期特性として、Capが1078μF、tanδが0.040、Lcが38μAという結果を得た。
メチルエチルケトンによる再結晶精製を行わなかったほかは実施例2と同様にしてEP−BGを合成し、該電解質とγ−ブチロラクトンを用いた30%濃度の電解液を得た。この電解液のホウ酸濃度は1.7%であり、電導度は11.8mS/cmであった。また、実施例2と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成したところ初期特性として、Capが1070μF、tanδが0.046、Lcが36μAという結果を得た。
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