JP4859068B2 - アルミ電解コンデンサ用電解液及びアルミ電解コンデンサ - Google Patents

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本発明は、電解質としてホウ素錯体塩を含有させてなるアルミ電解コンデンサ用電解液及びアルミ電解コンデンサに関する。
従来、アルミ電解コンデンサ用電解液としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウムと、マレイン酸、シトラコン酸、フタル酸等のジカルボン酸との塩からなる電解質を、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール等の溶媒に溶解させたものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
上記電解液中には、常温以上で高電導度を示すものがあり、該電解液を用いたアルミ電解コンデンサは、インピーダンスが低く優れた特性を示す。しかし、これら従来技術では、電気化学的作用によりコンデンサ陰極部で強アルカリ成分が生成し、封口ゴムを腐食または変形させ、コンデンサから液漏れが発生する恐れがあった。
そこで上記課題を解決するために、第四級イミダゾリウムと、マレイン酸、フタル酸、蟻酸等のカルボン酸とからなる塩を、電解質として用いた電解液が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
上記第四級イミダゾリウム系電解液は、他の第四級アンモニウム系電解液よりはコンデンサからの液漏れを発生させにくいものの、長期間経過後は液漏れが起こる可能性があるという欠点があった。
そこで近年、第三級アミンと、ヒドロキシカルボン酸ホウ素錯体との塩を電解質として用いた電解液が開発された(例えば、特許文献4乃至6参照)。これらの電解液では非常に液漏れしにくく安定性にも優れている。
特開昭62−145713号公報 特開昭62−145715号公報 特開平8−321439号公報 特開2004−134458号公報 特開2006−012983号公報 特開2006−245041号公報
しかしながら特許文献4乃至6記載の電解液では、電解質イオンの移動度が不足しており、近年のアルミ電解コンデンサの低インピーダンス化の要求に対しては特性が不足する。また、本発明者らが追試を行ったところ、電解質が常温溶融塩であるために精製ができず、電解質の純度の向上にも限界がある。電解質の純度の向上は、電極箔の再化成性向上、アルミ電解コンデンサの長期信頼性改善、漏れ電流値の抑制に寄与すると考えられる。
本発明の目的は、高い電導度を与えることができかつ再結晶により高純度化を図ることができるホウ素錯体塩からなる電解質を用いたアルミ電解コンデンサ用電解液およびその電解液を有するアルミ電解コンデンサを提供することである。こういった電解質を提供すれば、高純度化の程度を調節することにより、高電導度と高安定性とを両立するアルミ電解コンデンサの製造に資するものと期待される。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、一般式[1]で表されるホウ素錯体塩が電解質として高い電導度を与え、有機溶媒で再結晶精製を行うことができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式[1]
Figure 0004859068
で示されるホウ素錯体塩が溶解した状態で含まれるアルミ電解コンデンサ用電解液に関する。ここで、式[1]中、Rはメチル基またはエチル基を表す。
好ましくは、上記式[1]で示されるホウ素錯体塩(電解質)は、有機溶媒で再結晶することによって、合成時の未反応原料であるホウ酸の含有量が低減される。
本発明においては、電解液の特性を損なわない範囲においてリン酸(以下、「P」と略記する。)、リン酸エステル(以下、「PE」と略記する。)、アルミノシリケート(以下、「AS」と略記する。)などの各種添加剤が添加されていても構わない。
本発明によれば、上述のアルミ電解コンデンサ用電解液を含むアルミ電解コンデンサも提供される。
本発明によれば、高い電導性をあたえるとともに再結晶により純度を高めることができるホウ素錯体塩を含有するアルミ電解コンデンサ用電解液が提供され、必要に応じて再結晶することにより、高電導度、高安定性及び高耐液漏れ性が期待される。
また、上記電解液を用いて作製した本発明のアルミ電解コンデンサは、インピーダンスおよび漏れ電流値が低く、また再結晶品を用いた場合には長期間にわたって使用してもコンデンサ特性の劣化や封口ゴムの劣化に由来する液漏れを引き起こしにくく、優れた特性を示す。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のアルミ電解コンデンサ用電解液には、電解質として上述の一般式[1]で表されるホウ素錯体塩が、溶解した状態で、含まれている。
一般式[1]で表されるホウ素錯体塩の電解液中での濃度は、好ましくは5重量%以上、70重量%以下であり、より好ましくは、10重量%以上、50重量%以下である。5重量%以上であれば高い電導度を得ることができ、また、70重量%以下であれば、インピーダンス特性の低下の懸念が抑制されるとともに経済性にも優れる。
本発明では、アルミ電解コンデンサ用電解液の溶媒は特に限定なく、従来公知のものを適宜用いることができる。この溶媒は好ましくはγ−ブチロラクトンである。電解液の特性を損なわない範囲において溶媒にエチレングリコールなどのプロトン性非水溶媒が併用されていても良い。
本発明によれば、アルミ電解コンデンサ用電解液にはリン酸が含まれていてもよい。火花電圧をより高くするという観点から、アルミ電解コンデンサ用電解液中のリン酸の含有量は好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜2重量%である。
本発明によれば、アルミ電解コンデンサ用電解液にはリン酸エステルが含まれていてもよい。火花電圧をより高くするという観点から、アルミ電解コンデンサ用電解液中のリン酸エステルの含有量は好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜2重量%である。リン酸エステルはリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルのいずれであってもよい。リン酸エステルのエステル部分の有機基は、好ましくは炭素数1〜16、より好ましくは炭素数2〜6のアルキル基である。
本発明によれば、アルミ電解コンデンサ用電解液にはアルミノシリケートが含まれていてもよい。火花電圧をより高くするという観点から、アルミ電解コンデンサ用電解液中のアルミノシリケートの含有量は好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜2重量%である。
一般式[1]で表されるホウ素錯体塩の製造法を説明する。
一般式[1]で表されるホウ素錯体塩は、ホウ酸、グリコール酸およびN−アルキルピロリジン(前記アルキルはメチルまたはエチルである。)を水中で反応させることにより得られる。ホウ酸、グリコール酸およびN−アルキルピロリジンの使用量は、好ましくは反応等量であり、これらの添加順序は特に限定はない。各反応物質の添加時の温度は特に限定無く、例えば−20℃〜+30℃であってもよい。その後の反応条件としては、好ましくは−20℃〜+90℃、より好ましくは70〜90℃にて、好ましくは0.5〜3.0時間攪拌することなどが挙げられる。反応溶媒は、好ましくは水であり、水に、アセトニトリル、エチルメチルケトンなどがさらに含まれていてもよい。反応溶媒は好ましくは50重量%以上が水であり、より好ましくは全て水である。反応液の濃度に関しては、反応液1リットルあたり、ホウ酸が好ましくは0.5〜8.0mol、より好ましくは1.5〜6.0mol含まれるような条件が採られる。このようにして反応させた後の反応液を濃縮することにより、一般式[1]で表されるホウ素錯体塩の粗結晶を得ることができる。
好ましくは、一般式[1]で表されるホウ素錯体塩の粗結晶を有機溶媒で再結晶することによりその純度を向上させる。再結晶を行うことによって、粗結晶中に残留する未反応原料である遊離ホウ酸を除去することができる。その結果、再結晶により精製した一般式[1]で表されるホウ素錯体塩を電解質とする電解液の長期安定性が著しく向上することを本発明者らは初めて見出した。このような観点から、電解液中の遊離ホウ酸残留濃度は低いほどよく、好ましくは1重量%未満であり、より好ましくは0.3重量%未満である。
再結晶溶媒は有機溶媒であれば特に限定されず、メチルエチルケトン及び/またはイソプロピルアルコールが好ましく、特にメチルエチルケトンが好ましい。再結晶は、溶媒1000gあたりに粗結晶を好ましくは500〜2000g、より好ましくは750〜1500gを加えて、溶媒の沸点近くにまで加熱することで粗結晶を溶解せしめ、次いで、溶液を室温にまで冷却することによって行われる。
本発明に係るアルミ電解コンデンサは、上記電解液を用いて作製されてなることを特徴とする。以下、本発明のアルミ電解コンデンサについて説明する。以下の記載は例示であって、本発明のアルミ電解コンデンサを限定するものではない。
まず、アルミニウム箔の表面に誘電体酸化皮膜を形成させた陽極箔及びアルミニウム陰極箔に、それぞれ陽極リード及び陰極リードを接合し、続いて、該箔をセパレータを介して巻回させた後、本発明の電解液を含浸させてアルミ電解コンデンサ素子を得る。
ついで、該素子を金属製の円筒型容器内に載置し、封口ゴムに陽陰極リードを貫通させ
て、開口部を密封し、本発明のアルミ電解コンデンサを得る。
以下、本発明を実施するための形態を、実施例及び比較例に基づき説明する。実施例中
の「%」は「重量%」を表す。なお、本発明は、実施例によりなんら限定されない。以下の記載および表1、2では次のような略号を用いる。
BG・・・ボロジグリコール酸
MP・・・N−メチルピロリジン
EP・・・N−エチルピロリジン
MP−BG・・・ボロジグリコール酸N−メチルピロリジン
EP−BG・・・ボロジグリコール酸N−エチルピロリジン
TMI−PA・・・フタル酸水素トリメチルイミダゾリウム
EDMA−BG・・・ボロジグリコール酸エチルジメチルアミン
DEMA−BG・・・ボロジグリコール酸ジエチルメチルアミン
TEA−BG・・・ボロジグリコール酸トリエチルアミン
DTP−BG・・・ボロジグリコール酸1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
DBU−BG・・・ボロジグリコール酸1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン
実施例1
(ボロジグリコール酸N−メチルピロリジンの合成)
水1000g中にて、ホウ酸289g(4.67mol)、グリコール酸710.6g(9.34mol)およびMP397.8g(4.67mol)を20℃にて反応させ、80℃にて1時間反応させた後、該溶液を減圧濃縮して、MP−BGの粗結晶を得た。
(MP−BGの再結晶)
上記方法にて得られたMP−BGの粗結晶1000gに再結晶溶媒であるエチルメチルケトン1000gを加え、該溶媒の沸点近くの温度にて1時間攪拌して溶解させた後、室温に冷却するという再結晶操作を行った。次いで、濾過によって溶媒を除去した後に乾燥を行って精製結晶を得た。精製結晶の融点は78.2℃、NMRスペクトルは、(1H-NMR, 300MHz, CD3OD, 298K) 2.18-2.24(m, 4H)、3.50-3.57(m, 4H)、 3.27(s, 3H)、 4.21(s, 4H)。
(残留遊離ホウ酸濃度の測定)
該精製結晶を水分が10ppm未満であるメタノールに溶解させ、該溶液を減圧濃縮して得られたメタノール中に含まれるホウ素濃度を原子吸光光度法にて定量することで遊離ホウ酸濃度を測定した。結果を表1に示す。
(電解液での評価)
得られた精製結晶を乾燥後、30%の濃度となるようにγ−ブチロラクトン溶媒に溶解して、アルミ電解コンデンサ用電解液を調製した後、該電解液の電導度、火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。
(アルミ電解コンデンサでの評価)
得られた電解液を使用してアルミ電解コンデンサ(定格電圧10V、静電容量1000μF、サイズ;φ10mm×L20mm)を作製した。なお、コンデンサの封止ゴムには、加硫ブチルゴムを使用した。
得られたアルミ電解コンデンサに定格電圧を印加して、温度105℃の恒温槽中に保持し、1000時間経過後のコンデンサ特性、液漏れの有無について調べた。結果を表2に示す。
実施例2
MPにかえて、EP462.3g(4.67mol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてEP−BGの粗結晶を得た。この粗結晶を実施例1と同様の方法にて精製して再結晶を得た。実施例1と同様にして残留ホウ酸濃度を定量し、得られた精製結晶を用いてなる電解液について、電導度および火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成して長期信頼性評価を行った。結果を表2に示す。精製結晶の融点は88.3℃、NMRスペクトルは、(1H-NMR, 300MHz, CD3OD, 298K) 2.16-2.21(m, 4H)、3.46-3.53(m, 4H)、 2.21(t, 3H)、 3.25(m, 2H)、 4.29(s, 4H)。
実施例3
MP−BGの濃度を10%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例4
EP−BGの濃度を10%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例5
MP−BGの濃度を60%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例6
EP−BGの濃度を60%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例7
残留ホウ酸濃度を0.7重量%とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。残留ホウ酸濃度の調整は、再結晶精製時に用いる溶媒の量を実施例1の4分の3にして生成効率を若干低下させることで行った。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例8
残留ホウ酸濃度を0.6重量%とした以外は実施例2と同様にして電解液を得た。残留ホウ酸濃度の調整は実施例7の場合と同様とした。実施例2と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例9
添加剤としてリン酸を電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例10
添加剤としてリン酸エステル(具体的にはリン酸ジブチル)を電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例11
添加剤としてアルミノシリケートを電解液に1重量%加えた以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
比較例1
特許文献3を参考にして、電解質をフタル酸水素トリメチルイミダゾリウム(TMI−PA)とした以外は実施例1と同様にして電解液を得た。実施例1と同様の評価を行い、表1および表2に記載の結果を得た。
比較例2
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸エチルジメチルアミン(EDMA−BG)を合成した。EDMA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため粗生成物をそのまま電解質としてγ−ブチロラクトン溶媒を用いた30%の濃度の電解液を得た。該電解液の電導度及び火花電圧、常温での電解質の形態を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成して長期信頼性評価を行った。結果を表2に示す。
比較例3
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸ジエチルメチルアミン(DEMA−BG)を合成した。DEMA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
比較例4
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸トリエチルアミン(TEA−BG)を合成した。TEA−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
比較例5
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン(DTP−BG)を合成した。DTP−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
比較例6
特許文献4を参考にして、電解質としてボロジグリコール酸1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU−BG)を合成した。DBU−BGは常温溶融塩であったため再結晶精製を行えなかった。そのため比較例2と同様の処理により電解液を得て評価を行って、表1および表2に記載の結果を得た。
実施例12
メチルエチルケトンによる再結晶精製を行わなかったほかは実施例1と同様にしてMP−BGを合成し、該電解質とγ−ブチロラクトンを用いた30%濃度の電解液を得た。この電解液のホウ酸濃度は1.8%であり、電導度は12.1mS/cmであった。また、実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成したところ初期特性として、Capが1078μF、tanδが0.040、Lcが38μAという結果を得た。
実施例13
メチルエチルケトンによる再結晶精製を行わなかったほかは実施例2と同様にしてEP−BGを合成し、該電解質とγ−ブチロラクトンを用いた30%濃度の電解液を得た。この電解液のホウ酸濃度は1.7%であり、電導度は11.8mS/cmであった。また、実施例2と同様にしてアルミ電解コンデンサを作成したところ初期特性として、Capが1070μF、tanδが0.046、Lcが36μAという結果を得た。
Figure 0004859068
Figure 0004859068
表1から、全ての実施例および比較例で高い電導度が認められ、とりわけ、実施例1、2、5、6、7、8、9、10、11、比較例1、2、3、5、6が特に高い電導度を有することが分かる。全ての実施例は電解質を構成する塩が室温で固体であるので、再結晶による高純度化を行うことができる。これらのことから、高い電導度を与え、再結晶可能性を併せ持つ塩を含む電解液は、全ての実施例であることが分かる。実際、BGを陰イオンに有していてかつ再結晶精製を行って残留ホウ酸濃度を低減した実施例1〜11では、火花電圧値が特に高く、電極箔の再化成性にも優れることが分かる。また、BGを陰イオンとして使用する際は、再結晶による精製を行うことが好ましく、そのためには常温での塩の形態が固体塩であることが重要であることも分かる。
表2から、実施例1〜11では、長期にわたって使用してもインピーダンスおよび漏れ電流値が低く抑えられ、また、コンデンサの封止ゴムの劣化による液漏れも起きないことが分かる。比較例1は緩慢にではあるが封止ゴムの劣化を引き起こしてコンデンサからの液漏れを誘発するが、そのほかの電解液では液漏れが起こらない。しかしながら、再結晶による電解質の精製を行っていない比較例2〜6では長期信頼性に難がある。
本発明によれば、電導性を損なうことなく、再結晶により容易に高純度化することができる電解質を用いたアルミ電解コンデンサ用電解液を提供することができる。好適態様では、電極箔への安定性した再化成性を有し、実施例に示すように、105℃の高温下においても長期にわたって安定した特性の維持が可能なアルミ電解コンデンサも提供される。このように、本発明はアルミ電解コンデンサの性能向上に大きく寄与するものである。

Claims (4)

  1. 下記式[1]
    Figure 0004859068
    (式中、Rはメチル基またはエチル基を表す。)
    で示されるホウ素錯体塩が溶解した状態で含まれるアルミ電解コンデンサ用電解液。
  2. 上記式[1]で示されるホウ素錯体塩が溶解前に有機溶媒で再結晶精製されたものである、請求項1記載のアルミ電解コンデンサ用電解液。
  3. 上記式[1]で示されるホウ素錯体塩が5〜70重量%含まれる、請求項1または2記載のアルミ電解コンデンサ用電解液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用電解液を含むアルミ電解コンデンサ。
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