JPH06302475A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液

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JPH06302475A
JPH06302475A JP10763993A JP10763993A JPH06302475A JP H06302475 A JPH06302475 A JP H06302475A JP 10763993 A JP10763993 A JP 10763993A JP 10763993 A JP10763993 A JP 10763993A JP H06302475 A JPH06302475 A JP H06302475A
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JP
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acid
tertiary
electrolytic solution
polycarboxylic acid
general formula
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JP10763993A
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Takaaki Kishi
隆明 紀氏
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温中で使用した場合における電解液の比電
導度低下が小さく、かつ化成性も良好で、火花電圧、比
電導度がともに高い電解コンデンサ駆動用電解液を用い
ることにより、長寿命で信頼性の高い中高圧級電解コン
デンサを提供することを目的とする。 【構成】 エチレングリコールに、2,2,6,6−テ
トラメチルピメリン酸のアンモニウム塩と、2,2−ジ
メチルプロパン酸のアンモニウム塩とを溶解させたこと
を特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを
用いた電解コンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ駆動用
電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、特に中高圧級の電解液としてはエ
チレングリコール−ほう酸系のものが用いられている
が、この種の電解液はエチレングリコールとほう酸のエ
ステル化により水が生成するため100℃以上では蒸気
圧が高く、また電極であるアルミニウムと反応しやすく
高温での使用に適さなかった。このような欠点を改良す
るため溶質として、アゼライン酸、1,6−デカンジカ
ルボン酸(特開昭56−108229号公報)、第2級
および/または第3級のカルボキシル基を合計で2個以
上有する分子量260以上のポリカルボン酸の塩(特開
平1−103821号公報)、第3級ジカルボン酸(特
開平4−273421号公報)、第3級モノカルボン酸
(特開昭61−116815号公報)等を用いる電解液
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アゼラ
イン酸や1,6−デカンジカルボン酸等の1級カルボキ
シル基を有するカルボン酸を用いた電解液では、1級カ
ルボン酸が高温でエチレングリコールとエステル化反応
しやすく、高温での比電導度低下が大きい。この欠点を
改良するためエステル化しにくい3級カルボン酸を用い
る試みがなされている。しかしながら、一種の3級カル
ボン酸のみでは火花電圧、比電導度、化成性のいずれか
に問題がある。すなわち3級ポリカルボン酸は、火花電
圧、化成性は良好であるが、比電導度が不十分である。
また、分子量の小さな3級ポリカルボン酸を使用して高
比電導度を得ようとすれば、それに相反して火花電圧が
低くなる。また、安息香酸等の高比電導度を示す酸を添
加した場合も火花電圧が低くなる。このため火花電圧と
比電導度がともに高い電解液を得ることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、高温での比電導度低下が小さく、かつ
化成性も良好で、火花電圧と比電導度がともに高い電解
液を得るため鋭意検討した結果、3級ポリカルボン酸と
3級モノカルボン酸を混合した電解液が、高温での比電
導度低下が小さく、火花電圧と比電導度がともに高いこ
とを見いだして本発明に到達した。すなわち本発明は、
エチレングリコールを含む溶媒に、3級カルボキシル基
を2つ以上有する3級ポリカルボン酸(A)および/ま
たはその塩と、3級モノカルボン酸(B)および/また
はその塩を溶解したことを特徴とする電解コンデンサ駆
動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサである。
【0005】
【作用】本発明の電解液はエチレングリコールを含む溶
媒に、3級ポリカルボン酸(A)と3級モノカルボン酸
(B)の2種類を溶解させたことを特徴とする。3級カ
ルボン酸は高温での比電導度低下が小さい。しかし、3
級ポリカルボン酸(A)は火花電圧、化成性が良好であ
るが比電導度が低い。また、3級モノカルボン酸(B)
は比電導度、火花電圧を向上させる機能を持つが化成性
が悪い。この様な、機能の異なる2種類のカルボン酸を
混合して用いることにより、高温での比電導度低下が小
さく、化成性も良く、火花電圧と比電導度がともに高い
電解液を得ることができる。
【0006】また、3級ポリカルボン酸(A)と3級モ
ノカルボン酸(B)を一定範囲の混合比、すなわち3級
ポリカルボン酸(A)のカルボキシル基のモル濃度と3
級モノカルボン酸(B)のカルボキシル基のモル濃度の
比が(80:20)〜(30:70)の範囲で混合して
用いることで、火花電圧が高く、かつ化成性の良好な電
解液を得られる。これにより、本発明の電解液を用いた
電解コンデンサは、従来のものと比較して高温長寿命か
つ信頼性の高いものとなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明において使用する3級ポリカルボン酸(A)として
は3級ジカルボン酸、3価以上の3級ポリカルボン酸お
よびそれらの混合物が挙げられる。
【0008】これらの3級ポリカルボン酸(A)のう
ち、比電導度と火花電圧のバランスが良い点で3級ジカ
ルボン酸が好ましい。3級ジカルボン酸としては一般式
(1)および一般式(2)で表される総炭素数8〜20
の3級ジカルボン酸が挙げられる。 一般式 一般式 (両式中R1、R2、R3、R4、Xは直鎖または分枝
の炭化水素基を表し、これらのうちいずれか2つ以上が
結合して環状構造を形成してもよい。)
【0009】一般式(1)および一般式(2)における
R1、R2、R3、R4としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル等
のアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシ
クロアルキル基、フェニル、ベンジル等のアリール基等
が挙げられる。また、不飽和結合やヘテロ原子を含む置
換基またはR1、R2、R3、R4のいずれか2つ以上
が結合して環状構造を形成しているものが挙げられる。
Xとしてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のアルキレン基、(置換)シクロヘ
キシレン基、(置換)フェニレン基等が挙げられる。
【0010】一般式(2)および一般式(3)で表され
る3級ジカルボン酸の具体例としては2,2,3,3−
テトラメチルコハク酸、2,2,4,4−テトラメチル
グルタル酸、2,2,5,5−テトラメチルアジピン
酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、2,
2,7,7−テトラメチルスベリン酸、2,2,8,8
−テトラメチルアゼライン酸、2,2,9,9−テトラ
メチルセバシン酸,2,2,3,3−テトラエチルコハ
ク酸、2,2,5,5−テトラエチルアジピン酸、2,
2,9,9−テトラエチルセバシン酸、2,2,5,5
−テトラプロピルアジピン酸、2,2,9,9−テトラ
ブチルセバシン酸、2,2,5−トリメチル−5−エチ
ルアジピン酸、2,2,8−トリエチル−8−ブチルア
ゼライン酸、2,8−ジメチル−2,8−ジエチルアゼ
ライン酸、2−メチル−2−エチル−5−プロピル−5
−ブチルアジピン酸、2,2−テトラメチレン−4,4
−テトラメチレングルタル酸、2,2−テトラメチレン
−5,5−テトラメチレンアジピン酸、2,2−テトラ
メチレン−9,9−テトラメチレンセバシン酸、2,2
−テトラメチレン−4,4−ペンタメチレングルタル
酸、2,2−テトラメチレン−6,6−テトラメチレン
ピメリン酸、2,2−テトラメチレン−7,7−ペンタ
メチレンスベリン酸、2,2−テトラメチレン−8,8
−ペンタメチレンアゼライン酸、2,2−テトラメチレ
ン−9,9−ペンタメチレンセバシン酸、2,2−ペン
タメチレン−4,4−ペンタメチレングルタル酸、2,
2−ペンタメチレン−9,9−ペンタメチレンセバシン
酸等が挙げられる。これらのうち総炭素数10〜20の
ものが比電導度と火花電圧のバランスが良い点で好まし
い。
【0011】本発明において使用する3級モノカルボン
酸としては一般式(3)で表される総炭素数5〜20の
3級モノカルボン酸が挙げられる。 一般式 (式中R5、R6、R7は直鎖または分枝の炭化水素基
を表し、これらのうちいずれか2つ以上が結合して環状
構造を形成してもよい。)
【0012】一般式(3)におけるR5、R6、R7と
しては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシル、オクチル、デシル等のアルキル基、シクロペン
チル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニ
ル、ベンジル等のアリール基等が挙げられる。また、不
飽和結合やヘテロ原子を含む置換基またはR5、R6お
よびR7がそれぞれ結合して環状構造を形成しているも
のが挙げられる。
【0013】一般式(3)で表される3級モノカルボン
酸の具体例としては2,2−ジメチルプロパン酸、2,
2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、
2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘプタ
ン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2,2−ジメチル
ノナン酸、2,2−ジメチルデカン酸、2,2−ジメチ
ルウンデカン酸、2,2−ジメチルドデカン酸、2−メ
チル−2−エチルブタン酸、2−メチル−2−エチルペ
ンタン酸、2−メチル−2−エチルヘキサン酸、2−メ
チル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−エチル
オクタン酸、2−メチル−2−エチルノナン酸、2−メ
チル−2−エチルデカン酸、2−メチル−2−エチルウ
ンデカン酸、2−メチル−2−プロピルペンタン酸、2
−メチル−2−プロピルヘキサン酸、2−メチル−2−
プロピルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルオクタ
ン酸、2−メチル−2−プロピルノナン酸、2−メチル
−2−プロピルデカン酸、2,2−ジイソプロピルプロ
パン酸、2−メチル−2−ブチルヘキサン酸、2−メチ
ル−2−ブチルヘプタン酸、2−メチル−2−ブチルオ
クタン酸、2−メチル−2−ブチルノナン酸、2,2−
ジメチルシクロペンチル酢酸、2−メチル−2−エチル
シクロペンチル酢酸、2,2−ジメチルシクロヘキシル
酢酸、2,2,3,3−テトラメチルブタン酸、2,
2,4,4−テトラメチルペンタン酸、1−メチルシク
ロブタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1−メチ
ルシクロヘプタンカルボン酸、1−メチルシクロオクタ
ンカルボン酸、1−メチルシクロノナンカルボン酸、1
−メチルシクロデカンカルボン酸、1−メチルシクロウ
ンデカンカルボン酸、1−メチルシクロドデカンカルボ
ン酸、1−エチルシクロヘキサンカルボン酸、1−エチ
ルシクロヘプタンカルボン酸、1−エチルシクロオクタ
ンカルボン酸、1−プロピルシクロヘキサンカルボン
酸、1−プロピルシクロヘプタンカルボン酸、1−プロ
ピルシクロオクタンカルボン酸、1−ブチルシクロヘキ
サンカルボン酸、1−ブチルシクロヘプタンカルボン
酸、1−ブチルシクロオクタンカルボン酸、1−ペンチ
ルシクロヘキサンカルボン酸、1−ペンチルシクロヘプ
タンカルボン酸、1−ペンチルシクロオクタンカルボン
酸、1,4−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、1−
ベンジルシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。こ
れらのうち総炭素数5〜13のものが比電導度が高い点
で好ましい。
【0014】3級ポリカルボン酸(A)と3級モノカル
ボン酸(B)の混合比は、カルボキシル基のモル濃度の
比が、通常(80:20)〜(30:70)、好ましく
は(75:25)〜(45:55)である。3級モノカ
ルボン酸(B)のカルボキシル基のモル濃度の比が20
未満では火花電圧の改善が不十分であり、70を超える
場合は化成性が不十分となる。火花電圧の改善がなさ
れ、かつ化成性も良好である範囲として20〜70が好
ましい。
【0015】3級ポリカルボン酸(A)、3級モノカル
ボン酸(B)の分子量は希望の火花電圧、比電導度に対
応して適切な範囲のものを使用することが出来るが、4
00Vを超える火花電圧で、かつ比電導度も高い中高圧
級に適した電解液を得る上で、3級ポリカルボン酸
(A)、3級モノカルボン酸(B)ともに分子量102
〜500のものが好ましい。分子量が500を超えるも
のは、比電導度が低くなる。火花電圧と比電導度のバラ
ンスがよい点で、分子量102から300の範囲のもの
がさらに好ましい。
【0016】3級ポリカルボン酸(A)および3級モノ
カルボン酸(B)の塩としてはアンモニウム塩、アミン
塩および4級アンモニウム塩が挙げられる。アミン塩を
構成するアミンとしては1級アミン(メチルアミン、エ
チルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメ
チルアミン、ジエチルアミン等)、3級アミン(トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)が挙げられる。
これらのうちで好ましいものはアンモニウム塩およびア
ミン塩であり、特に好ましいものはアンモニウム塩であ
る。
【0017】塩を形成するカルボキシル基と塩基のモル
比は通常(1:2)〜(1:0.5)、好ましくは
(1:1.2)〜(1:0.8)である。
【0018】本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は溶
媒としてエチレングリコールとともに他の溶媒を併用で
きる。併用できる溶媒としては多価アルコール系溶剤
(プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4-ブタンジオール、グリセリン、ポリオキシアルキレ
ンポリオール等)、ラクトン系溶剤(γ-ブチロラクト
ン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、3-メチ
ル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、3-エチル-1,3-
オキサゾリジン-2-オン等)、アミド系溶剤(N-メチ
ルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メ
チルアセトアミド、N-メチルピロジリノン等)、エー
テル系溶剤(メチラール、1,2-ジメトキシエタン、1
-エトキシ-2-メトキシエタン、1,2-ジエトキシエタ
ン等)、ニトリル系溶剤(アセトニトリル、3-メトキ
シプロピオニトリル等)、フラン系溶剤(2,5-ジメト
キシテトラヒドロフラン等)、2-イミダゾリジノン類
(1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等)、ピロリド
ン類およびこれらの混合物等が挙げられる。溶媒中にお
けるエチレングリコールの含有量は溶媒の重量に基づい
て、通常60重量%以上、好ましくは80重量%以上で
ある。
【0019】本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は必
要により、水を含有させることができる。その含有量は
電解液の重量に基づいて通常5重量%以下、好ましくは
3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
【0020】本発明の電解コンデンサ駆動用電解液にお
けるカルボン酸とカルボン酸塩の合計含有量は、電解液
の重量に基づいて通常1〜70重量%、好ましくは5〜
40重量%である。
【0021】本発明の電解コンデンサ駆動用電解液に
は、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添
加剤を添加することができる。添加剤としては、リン酸
誘導体、ホウ酸誘導体およびニトロ化合物等を挙げるこ
とができる。また、必要に応じ、化成性のさらなる向上
や、比電導度の向上の目的で1級カルボキシル基を有す
るカルボン酸や、芳香族カルボキシル基を有するカルボ
ン酸等を小量混合したり、また3級ポリカルボン酸
(A)や3級モノカルボン酸(B)に1級カルボキシル
基や芳香族カルボキシル基を有させることもできる。混
合できるものとしては、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、1,6−デカンジカルボン酸、安息香酸等が
挙げられる。これらの混合量は3級ポリカルボン酸
(A)と3級モノカルボン酸(B)の合計量に基づい
て、通常5重量%以下である。
【0022】次に、本発明の具体的な実施例について説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。表
1は本発明の実施例1〜3の電解液および従来例1〜2
の電解液の30℃における比電導度、火花電圧、および
150℃で10時間保持後の比電導度低下率を示したも
のである。表1において、酸1は2,2,6,6−テト
ラメチルピメリン酸、酸2は2,2,9,9−テトラメ
チルアゼライン酸、酸3は2,2−ジメチルプロパン
酸、酸4は2,2−ジメチルヘプタン酸である。実施例
1〜3の2種の酸の混合物は、2種の酸のカルボキシル
基のモル濃度の比が(50:50)のものを用いた。実
施例1〜3、従来例1〜2ともに塩はアンモニウム塩で
アンモニア/カルボキシル基のモル比が0.9のもの、
溶媒はエチレングリコール、濃度はカルボキシル基のモ
ル濃度で1.1mol/kgである。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように本発明の実施例1
〜3の電解液は、従来例1の電解液と比較して比電導度
低下率が同等で、比電導度および火花電圧が高く、従来
例2の電解液と比較して比電導度は小さいものの、比電
導度低下率が小さく火花電圧が高い。すなわち、この3
性能から見れば実施例の電解液は最も実用性に富むもの
である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、発明の電解コンデンサ駆
動用電解液は、高温での比電導度低下が小さく、かつ火
花電圧と比電導度がともに高いため、この電解液を中高
圧級電解コンデンサに用いれば、その電解コンデンサの
長寿命化、高信頼化が可能となるもので、工業的価値の
大なるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレングリコールを含む溶媒に、3級
    カルボキシル基を2つ以上有する3級ポリカルボン酸
    (A)および/またはその塩と、3級モノカルボン酸
    (B)および/またはその塩を溶解したことを特徴とす
    る電解コンデンサ駆動用電解液。
  2. 【請求項2】 3級ポリカルボン酸(A)が3級ジカル
    ボン酸である請求項1に記載の電解液。
  3. 【請求項3】 3級ポリカルボン酸(A)が一般式
    (1)および/または一般式(2)で表される総炭素数
    8〜20の3級ジカルボン酸である請求項1または2に
    記載の電解液。 一般式 一般式 (両式中R1、R2、R3、R4、Xは直鎖または分枝
    の炭化水素基を表し、これらのうちいずれか2つ以上が
    結合して環状構造を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】 3級モノカルボン酸(B)が、一般式
    (3)で表される総炭素数5〜20の3級モノカルボン
    酸である請求項1〜3いずれか記載の電解液。 一般式 (式中R5、R6、R7は直鎖または分枝の炭化水素基
    を表し、これらのうちいずれか2つ以上が結合して環状
    構造を形成してもよい。)
  5. 【請求項5】 3級ポリカルボン酸(A)のカルボキシ
    ル基のモル濃度と3級モノカルボン酸(B)のカルボキ
    シル基のモル濃度の比が(80:20)〜(30:7
    0)の範囲である請求項1〜4いずれか記載の電解液。
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