JP4325193B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ用電解液、すなわち、電解コンデンサの駆動用電解液に関し、特に中高圧アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液として有利に用いることができる電解液組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液としては、比較的高い火花電圧が得られる(すなわち、使用耐電圧が高い)ことから、少量の水を含むエチレングリコールからなる含水有機溶媒に、硼酸または硼酸アンモニウムを溶質として溶解した電解液が広く用いられてきた。しかしながら、このような組成の電解液については、電導性が低く、更にエチレングリコールと硼酸のエステル化により多量の水が生成するため、この水分が電極であるアルミニウム酸化皮膜と反応して、該膜劣化させたり、100℃以上の高温下では水の蒸発が起こり、内圧が上昇するという問題を発生するため、高温での使用に難があった。
【0003】
上記問題を解決する電解液として、硼酸または硼酸アンモニウムの代わりに、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸などの有機ジカルボン酸またはこれらの塩が用いる電解液が提案され、これも実際に使用されてきた。しかし、有機ジカルボン酸は、含水有機溶媒に対する溶解度が低いため、低温において結晶が析出しやすく、コンデンサの低温特性を劣化させるという問題を発生するため、低温での使用に難があった。
【0004】
特許文献1には、ブチルオクタン二酸(すなわち、1,6−デカンジカルボン酸)またはその塩を溶質として添加した電解コンデンサ用電解液が記載されている。該公報には、1,6−デカンジカルボン酸またはその塩を含有する電解液は、火花電圧および電導度が高く、しかも、溶解度が高いので、低温における結晶析出の問題も解消される旨の記載がある。
【0005】
特許文献2には、ピバル酸(すなわち、ピバリン酸)などの第三級モノカルボン酸もしくはその塩を溶質として添加した電解コンデンサ用電解液が記載されている。該公報には、第三級モノカルボン酸もしくはその塩の使用により、電解コンデンサの内部抵抗の低減、使用耐電圧の向上、使用温度範囲の拡大が実現する旨の記載がある。
【0006】
特許文献3には、エチレングリコールを含む溶液に、溶質として、イソ酪酸やピバリン酸などの総炭素数が4乃至8で側鎖にアルキル基を有する一塩基酸もしくはその塩を溶解した温度特性のよい電解コンデンサ用電解液が記載されている。
【0007】
特許文献4には、エチレングリコールを含む溶液に、ピバリン酸のような第3級モノカルボン酸と2,9−ジメチルセバシン酸のような第2級ジカルボン酸とを組み合わせて添加した電解液が、火花電圧および電導度が高く、しかも化成性が良好であることが記載されている。
【0008】
特許文献5には、エチレングリコールを含む溶液に、ピバリン酸のような第3級モノカルボン酸もしくはその塩と2,9−ジメチルセバシン酸のような第2級ポリカルボン酸もしくはその塩とを組み合わせて添加して調製した電解液が、火花電圧および電導度が高く、しかも化成性が良好であることが記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特公昭60−13293号公報
【特許文献2】
特開昭61−116815号公報
【特許文献3】
特開昭62−241322号公報
【特許文献4】
特開平6−275472号公報
【特許文献5】
特開平6−302475号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、スイッチング電源を使用した各種の電子機器が一般家庭で汎用されるようになったため、そのような電子機器に用いる電解コンデンサのより高度の安全性に対する要求が強くなっている。電解コンデンサの安全性を向上させるためには、電解コンデンサ用電解液の火花電圧(使用耐電圧)をさらに向上させることが必要であるが、これまで知られている電解コンデンサの耐電圧特性は充分満足できるものとはいえない。
【0011】
従って、本発明は、電導度と化成性(電解コンデンサの陽極として用いるアルミニウム箔などの金属材料の表面に絶縁性酸化被膜を形成して誘電体とする作業性のよさ)において実用的に充分満足できるレベルにあり、さらに従来の電解コンデンサ用電解液で得られているレベルの火花電圧(使用耐電圧)に比べて、さらに高い使用耐電圧を示す電解コンデンサ用電解液を提供することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水とエチレングリコールを含む水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒中に1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩が溶解されてなり、さらに、1〜20重量%のピバリン酸もしくはその塩、0.01〜50重量%の炭素原子数2〜18個のアルキレン基を有するジエステル化合物、0.1〜50重量%のアルキル基を有するラクトン化合物、0.01〜50重量%のシアノアルカン酸エステル化合物、0.1〜50重量%の炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩、1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩との合計量として1〜20重量%の炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩、および1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩との合計量として1〜20重量%の環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩よりなる群より選ばれる一以上の添加成分を含有することを特徴とする電解コンデンサ用の電解液にある。
【0013】
本発明はまた、水とエチレングリコールを含む水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒中に1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩が溶解されてなり、さらに、ジニトリル化合物を0.1〜50重量%にて含有することを特徴とする電解コンデンサ用の電解液にある。
【0016】
本発明はさらに、密閉容器中に、表面に酸化膜が形成された金属材料と電解液とを含む電解コンデンサであって、該電解液として、上記のいずれかの電解液を用いることを特徴とする電解コンデンサにもある。金属材料としてはアルミニウム箔が好ましく用いることができる。
【0017】
本発明の電解液を用いた電解コンデンサは、従来の同種の電解コンデンサに比較して、同レベルの化成性と電導度を示し、一方、その火花電圧(耐電圧)は、470V以上と高く、さらに電解液の添加成分の選択と組合せを変えることによって、480V以上、さらには490V以上となり、また500V以上の火花電圧をも達成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の電解液は、水とエチレングリコールを含む水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒中に、第一の添加成分として1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩が溶解され、さらに第二の添加成分が一種もしくは二種以上溶解されていることを特徴としている。
【0019】
まず、本発明の電解液の有機溶媒として用いる水に相溶性を示す有機溶媒について説明する。電解コンデンサの電解液は、従来より、水と水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒(含水有機溶媒)を溶媒として用いており、本発明で用いる水に相溶性を示す有機溶媒としては、この用途において公知とされている各種の有機溶媒を用いることができる。そのような、有機溶媒としては、多価アルコール類やモノアルコール類などのアルコール類、ジエステル類、シアノアルカン酸エステル類、ラクトン類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適に挙げられる。なお、有機溶媒は、二以上の有機溶媒の混合物でもよく、また混合物として、水との相溶性を示す限り、水に相溶性を示さない有機溶媒が混合されていてもよい。
【0020】
多価アルコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ピナコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、マンニトール、ソルビトール、ズリシトール、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0021】
モノアルコール類としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノールなどを挙げることができる。
【0022】
ラクトン類としては、γ−ブチロカクロン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどを挙げることができる。
【0024】
含水有機溶媒中の水の含有量は、電解液全体に対する量として、通常5重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以上、4重量%以下である。
【0025】
本発明の電解液の第一の添加成分として用いるのは、1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩(例、アンモニウム塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、四級アンモニウム塩などの有機塩基との塩)である。なお、本発明の電解液のpHは5〜7の範囲にあることが好ましく、特に6付近になるように、1,6−デカンジカルボン酸とその塩を、それらの比率を調整して組合せて用いるか、あるいは1,6−デカンジカルボン酸を単独で塩として用いることが好ましい。
【0026】
なお、本発明者の研究により、通常入手できる1,6−デカンジカルボン酸およびその塩には、その製造方法に由来する1,10−デカンジカルボン酸および/またはその塩が不純物として混在することが判明した。1,10−デカンジカルボン酸は、その融点が130℃と比較的高い(1,6−デカンジカルボン酸の融点は65℃)ので、これが不純物として多量含まれている場合には、低温において析出しやすく、低温でのコンデンサ特性を低下させ、また、電解液中のエチレングリコールとエステル交換を起こしやすく、高温での導電性劣化おこすなどコンデンサ特性を劣化させやすい。従って、1,6−デカンジカルボン酸またはその塩中における1,10−デカンジカルボン酸および/またはその塩の混在量は、1,6−デカンジカルボン酸またはその塩の重量に対して3重量%以下とすることが好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。
【0027】
なお、市販の1,6−デカンジカルボン酸またはその塩中に不純物として含まれる1,10−デカンジカルボン酸および/またはその塩を精製工程において完全に除去することは難しく、通常晶析法により精製したような場合には、1,6−デカンジカルボン酸またはその塩中に1,10−デカンジカルボン酸および/またはその塩が5〜8重量%程度混在している。
【0028】
1,6−デカンジカルボン酸またはその塩中に不純物として含まれる1,10−デカンジカルボン酸および/またはその塩の混在量を低減する方法としては、下記のような精製方法を行うことが好ましい。
【0029】
1,6−デカンジカルボン酸中の不純物として含有される1,10−デカンジカルボン酸をエステル化した後、蒸留によって1,6−デカンジカルボン酸エステルを分離し、そのまま加水分解して、再びカルボン酸にする方法(以下、蒸留法)が好ましい。蒸留条件は、還流比率0.01〜100が好ましい。更に好ましくは0.1〜30である。理論段数は2〜90段が好ましく、更に好ましくは5〜50段である。蒸留は、減圧蒸留でも、常圧蒸留でも特に限定されないが、好ましくは0.1〜200mmHg、特に好ましくは0.5〜30mmHgで蒸留する。エステルの種類は特に限定されないが、メチルエステル、エチルエステル、直鎖または分枝のプロピルエステル、直鎖または分枝のブチルエステルなどが挙げられる。この蒸留法は、1,6−デカンジカルボン酸中に通常不純物として含有されている低分子量(低沸点)のカルボン酸である酪酸やヘキサン酸なども同時に除去できる利点がある。
【0030】
電解液中の1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩の含有量は、良好な電導性と耐電圧を得るために、0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。さらに良好な特性を得るためには、好ましくは1〜40重量%の範囲の量がよく、特に1〜20重量%(なかでも、1〜15重量%、さらに3〜10重量%)の範囲の量であることが好ましい。
【0031】
なお、本発明の第二の添加成分として、ジニトリル化合物、ジエステル化合物、アルキル基を有するラクトン化合物、あるいはシアノアルカン酸エステル化合物を用いる場合には、第一の添加成分として、1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩の代わりに、電解コンデンサ用電解液の添加成分として公知のカルボン酸もしくはその塩を用いることもできる。そのようなカルボン酸およびその塩としては、下記のカルボン酸及びその塩を用いることもできる。
【0032】
5,6−デカンジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、3−ドデシルアジピン酸、2,9−セバシン酸、アゼライン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、安息香酸、3,3−ジメチルブタン酸、2,2−ジイソプロピルプロパン酸、2−メチルノナン二酸、2,4−ジメチル−4−メトキシカルボニルウンデカン二酸、2,4,6−トリメチル−4,6−ジメトキシカルボニルトリデカン二酸、8,9−ジメチル−8,9−ジメトキシカルボニルヘキサデカン二酸、11−シアノウンデカン酸、7−シアノウンデカン酸、2−ブチル−7−シアノヘプタン酸;これらのカルボン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、四級アンモニウム塩などの有機塩基との塩。
【0033】
電解液中のこれらのカルボン酸もしくはその塩の含有量も、良好な電導性と耐電圧を得るために、0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。さらに良好な特性を得るためには、好ましくは1〜40重量%の範囲の量がよく、特に1〜20重量%(なかでも1〜15重量%)の範囲の量が好ましい。
【0034】
本発明の電解液に、第二の添加成分として添加されるのは、下記の添加成分のうちのいずれかであり、これらの添加成分は電解液に、一種もしくは二種以上溶解される。
【0035】
ジニトリル化合物、ピバリン酸もしくはその塩、ジエステル化合物、アルキル基を有するラクトン化合物、シアノアルカン酸エステル化合物、炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩、炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩、環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩。
【0036】
次に、これらの第二の添加成分について詳しく説明する。
【0037】
[ジニトリル化合物]
ジニトリル化合物としては、炭素原子数1〜12個のアルキレン鎖に二個のニトリル基が付いたジニトリル化合物が好ましい。アルキレン鎖は、直鎖状、分枝状のいずれであっても良い。ジニトリル化合物の具体例としては、直鎖状のジニトリルとして、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,5−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,7−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,12−ジシアノドデカンが挙げられる。分枝状のジニトリルとしては、テトラメチルスクシノニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2,4−ジメチルグルタロニトリル、2,2,4,4−テトラメチルグルタロニトリル、1,4−ジシアノペンタン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジカルボニトリル、2,6−ジシアノヘプタン、2,7−ジシアノオクタン、2,8−ジシアノノナン、1,6−ジシアノデカンが挙げられる。特に好ましいのはアジポニトリルである。
【0038】
電解液へのニトリル化合物の添加量(含有量)は、電解液の全体量に対して、通常は、0.1〜50重量%の範囲、好ましくは1〜40重量%の範囲、更に好ましくは1〜20重量%とする。
【0039】
[ピバリン酸もしくはその塩]
ピバリン酸はトリメチル酢酸とも呼ばれ、(CH33COOHの化学式で表わされる化合物である。その塩(ピバリン酸塩)としては、ピバリン酸と前記の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0040】
電解液の、ピバリン酸もしくはその塩の含有量は、電解液の全体量に対して、ピバリン酸もしくはその塩が1〜20重量%の範囲の量であることが好ましく、さらに好ましいのは3〜15重量%の範囲の量である。
【0041】
また、第一の添加成分の1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩に対する量としては、ピバリン酸もしくはその塩:1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩の表示で表わす重量比として、25:75乃至90:10の範囲にある量とすることが好ましい。また、ピバリン酸もしくはその塩と1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩との合計量として、電解液全体の2〜30重量%の範囲、特に6〜25重量%の範囲とすることが好ましい。
【0042】
なお、ピバリン酸もしくはその塩は、上記のニトリル化合物と共に電解液に含有させることがこのましい。
【0043】
[ジエステル化合物]
ジエステル化合物は、炭素原子数が2〜18(特に4〜12)のアルキレン基を有するジエステル化合物であることが好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分枝状のいずれであっても良い。ジエステル化合物の具体例として、直鎖状のコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、1,9−デカンジカルボン酸ジメチル、1,10−デカンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。また、分枝状のテトラメチルコハク酸ジメチル、2−メチルグルタル酸ジメチル、2,4−ジメチルグルタル酸ジメチル、2,2,4,4−テトラメチル4−ジメチルグルタル酸ジメチル、1,6−デカンジカルボン酸ジメチルなども用いることができる。なお、ジエステル化合物は、これらの分子鎖の両末端にメチル基を有するメチルエステルに限定されるものではなく、エチルエステル、プロピルエステル、フェニルエステルであっても構わない。これらのジエステル化合物の電解液全体量に対する添加量(含有量)は、通常は、0.01〜50重量%の範囲の量であり、好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜20重量%の量である。
【0044】
電解液に上記のジエステル化合物を添加する場合、さらに、ピバリン酸もしくはその塩を1〜20重量%にて含有させることが好ましい。
【0045】
[アルキル基を有するラクトン化合物]
アルキル基を有するラクトン化合物としては、1つ以上のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの炭素数1〜12までのアルキル基を有するラクトン化合物が好ましい。アルキル基は、イソプロピル基やイソブチル基のように、分枝したアルキル基であってもよい。これらラクトン化合物のうち、特に、炭素数が4〜8までのアルキル鎖を有するラクトン化合物が好ましい。
【0046】
好ましいラクトン化合物の具体例としては、一つの直鎖状のペンチル基を持つγ−ノナノラクトン、一つの直鎖状のヘプチル基を持つγ−ウンデカノラクトンなどが挙げられる。アルキル基を有するδ−ラクトン化合物やε−ラクトン化合物であってもよい。ラクトン化合物の含有量は、電解液の全体量に対して、通常は、0.1〜50重量%であり、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%の範囲の量である。
【0047】
[シアノアルカン酸エステル化合物]
シアノアルカン酸エステル化合物は、炭素原子数が2〜18(特に4〜12)のアルキレン基を持つことが好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分枝状のいずれであっても良い。シアノアルカン酸エステル誘導体の具体例としては、直鎖状の3−シアノプロパン酸メチル、4−シアノブタン酸メチル、5−シアノペンタン酸メチル、6−シアノヘキサン酸メチル、7−シアノヘプタン酸ジメチルメチル、8−シアノオクタン酸メチル、9−シアノノナン酸メチル、10−シアノデカン酸メチル、11−シアノウンデカン酸メチル、12−シアノドデカン酸メチルなどが挙げられる。また、分枝状の7−シアノウンデカン酸メチル、2−ブチル−7−シアノヘプタン酸メチルなどが挙げられる。ただし、上記メチルエステルに限定されるものではなく、エチルエステル、プロピルエステル、フェニルエステルであっても構わない。シアノアルカン酸エステル誘導体の含有量は、電解液の全体量に対して、通常は、0.01〜50重量%の範囲の量であり、好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜20重量%の範囲の量である。
【0048】
[炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩]
このモノカルボン酸は、式:(R1)(R2)(R3)CH2COOH[R1、R2、そしてR3のそれぞれは独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす]で表わされる化合物である。
【0049】
上記式で表わされるモノカルボン酸のR1、R2、R3は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基を示す。メチル基あるいはエチル基が好ましい。
【0050】
上記式のモノカルボン酸の具体例としては、3,3−ジメチルブタン酸(R1=R2=R3=メチル基)、3,3−ジメチルペンタン酸(R1=R2=メチル基、R3=エチル基)、3,3−ジエチルブタン酸(R1=R2=エチル基、R3=メチル基)、3,3−ジエチルペンタン酸(R1=R2=R3=エチル基)、3,3,4−トリメチルペンタン酸(R1=R2=メチル基、R3=イソプロピル基)などを挙げることができる。上記モノカルボン酸の塩としては、該モノカルボン酸と前記の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0051】
上記のモノカルボン酸もしくはその塩の含有量は、電解液の全体量を基準として、通常は、0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは1〜20重量%の範囲の量とする。
【0052】
[炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩]
このモノカルボン酸の具体例としては、2−エチルブタン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、および2−エチルヘプタン酸などを挙げることができる。これらのモノカルボン酸の塩としては、該モノカルボン酸と前記の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0053】
このモノカルボン酸の含有量は、電解液の全体量を基準として、通常、0.1〜50重量%の範囲の量とし、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは1〜20重量%の範囲の量である。
【0054】
[環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩]
このモノカルボン酸の具体例としては、シクロペンタンカルボン酸およびシクロヘキサンカルボン酸などを挙げることができる。これらのモノカルボン酸の塩としては、該モノカルボン酸と前記の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0055】
このモノカルボン酸の含有量は、電解液の全体量を基準として、通常、0.1〜50重量%の範囲の量とし、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは1〜20重量%の範囲の量である。
【0056】
[任意に添加することができる他の添加成分]
本発明の電解コンデンサ用の電解液では、コンデンサを長期間保存した際に発生する陽極酸化皮膜の水和劣化を抑制し、コンデンサの漏れ電流の上昇を抑制できる酸性アルキル燐酸エステル類、燐酸、亜燐酸のうち一種もしくは二種以上を添加しても良い。酸性アルキル燐酸エステル類、燐酸、あるいは亜燐酸の添加量は、電解液の全体量を基準として、0.02〜4重量%の範囲の量であることが好ましい。
【0057】
また、コンデンサ内部に発生した水素ガスによる内部圧力の上昇を抑制する機能を持つ、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノンなどの芳香族ニトロ化合物のうち一種もしくは二種以上を添加しても良い。芳香族ニトロ化合物の添加量は、電解液の全体量を基準として0.02〜6重量%の範囲の量であることが好ましい。
【0058】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例では、エチレングリコール(あるいはエチレングリコールとγ−ブチロラクトンとの組合せ)と水とからなる含水有機溶媒に、一もしくは二以上の添加成分を添加溶解させた電解液を調製した。そして、この電解液にアルミニウム箔を浸漬して、10mA/cm2の電流密度にて定電流で化成した際の火花電圧(V)、電圧400Vまでの到達時間(化成時間:分)および20℃における電導度(比電導度:mS/cm)を測定した。それらの測定値も併せて記載した。
【0059】
また、公知の代表的な配合の電解液についても、同様な測定を実施し、それらの測定値も併せて記載した。
【0060】
[比較例1]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(15重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:430V、化成時間:4.8分、電導度:2.1mS/cm
【0061】
[比較例2]
ピバリン酸アンモニウム(15重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:440V、化成時間:5.6分、電導度:2.2mS/cm
【0062】
[実施例1]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:475V、化成時間:5.4分、電導度:1.7mS/cm
【0063】
[実施例2]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(52重量%)
アジポニトリル(30重量%)
水(3重量%)
火花電圧:520V、化成時間:5.6分、電導度:1.6mS/cm
【0064】
[実施例3]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(81重量%)
アジポニトリル(1重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:5.2分、電導度:1.7mS/cm
【0065】
[実施例4]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(72重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:5.4分、電導度:1.7mS/cm
【0066】
[実施例5]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(7.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(72重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:495V、化成時間:5.1分、電導度:1.7mS/cm
【0067】
[実施例6]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
ピバリン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(72重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:4.8分、電導度:1.7mS/cm
【0068】
[実施例7]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(60重量%)
1,5−ペンタンジオール(12重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:5.6分、電導度:1.4mS/cm
【0069】
[実施例8]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(60重量%)
1,2,4−ブタントリオール(12重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:5.4分、電導度:1.3mS/cm
【0070】
[実施例9]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(60重量%)
1,2−ブタンジオール(12重量%)
1,6−ジシアノデカン(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:495V、化成時間:5.5分、電導度:1.5mS/cm
【0071】
[実施例10]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(60重量%)
ジエチレングリコール(12重量%)
1,6−ジシアノデカン(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:5.4分、電導度:1.3mS/cm
【0072】
[実施例11]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(60重量%)
ピナコール(12重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:515V、化成時間:6.2分、電導度:1.1mS/cm
【0073】
[実施例12]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(70重量%)
アジポニトリル(17重量%)
水(3重量%)
火花電圧:560V、化成時間:6.1分、電導度:0.8mS/cm
【0074】
[実施例13]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(22重量%)
γ−ブチロラクトン(50重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(3重量%)
火花電圧:560V、化成時間:6.0分、電導度:0.9mS/cm
【0075】
[実施例14]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(73重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(2重量%)
火花電圧:500V、化成時間:4.6分、電導度:1.4mS/cm
【0076】
[実施例15]
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(73重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(2重量%)
火花電圧:510V、化成時間:5.4分、電導度:2.0mS/cm
【0077】
実施例1〜15の結果と比較例1〜2との結果を比較すると、本発明に従い、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(またはピバリン酸アンモニウム)とニトリル化合物とを添加成分として加えた電解液は、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムのみを添加した電解液に対して、化成時間と電導度については大きな変動はないが、火花電圧が明らかに高くなっていることが分る。また、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムと共にピバリン酸アンモニウムを添加した電解液についても同様である。
【0078】
次に、添加成分の1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムとして、通常の工業製品の1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(不純物として、1,10−デカンジカルボン酸アンモニウムを6重量%含有)を用いた場合と、高純度1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(1,10−デカンジカルボン酸アンモニウムの混在量:0.1重量%)との電解液としての性能の相違を示す実施例を示す。なお、高純度1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムの1,6−デカンジカルボン酸は、下記の方法で得た。
【0079】
「高純度1,6−デカンジカルボン酸の製法」
工業製品として入手した、1,6−デカンジカルボン酸(不純物として、1,10−デカンジカルボン酸を6重量%含有)をメチルエステル化した後、還流比1、理論段数20段で精密蒸留することにより、1,6−デカンジカルボン酸メチルエステル(沸点:156℃/10mmHg)から1,10−デカンジカルボン酸メチルエステル(沸点:165℃/10mmHg)を分離した。そののち、1,6−デカンジカルボン酸メチルエステルを加水分解し、高純度1,6−デカンジカルボン酸(1,10−デカンジカルボン酸の混在量:0.1重量%)を得た。
【0080】
なお、下記実施例では、エチレングリコールと水とからなる含水有機溶媒に、一もしくは二以上の添加成分を添加溶解させた電解液を調製し、この電解液にアルミニウム箔を浸漬して、10mA/cm2の電流密度にて定電流で化成した際の火花電圧(V)、電圧400Vまでの到達時間(化成時間:分)、20℃における電導度(比電導度:mS/cm)、そして更に電解液を105℃で720時間保持した後の電導度低下率(%)を測定した。それらの測定値も併せて記載した。
【0081】
[比較例3]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(工業用:15重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:430V、化成時間:4.8分、電導度:2.1mS/cm、
電導度低下率:31%
【0082】
[実施例16]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(工業用:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:475V、化成時間:5.4分、電導度:1.7mS/cm、
電導度低下率:18%
【0083】
[実施例17]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:5.3分、電導度:1.7mS/cm、
電導度低下率:17%
【0084】
[実施例18]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(工業用:7.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:5.0分、電導度:1.8mS/cm、
電導度低下率:21%
【0085】
[実施例19]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:7.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:485V、化成時間:4.9分、電導度:1.8mS/cm、
電導度低下率:19%
【0086】
[実施例20]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(工業用:10重量%)
ピバリン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:470V、化成時間:4.7分、電導度:1.7mS/cm、
電導度低下率:26%
【0087】
[実施例21]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:10重量%)
ピバリン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(82重量%)
水(3重量%)
火花電圧:475V、化成時間:4.6分、電導度:1.8mS/cm、
電導度低下率:22%
【0088】
[実施例22]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(70重量%)
1,5−ペンタンジオール(12重量%)
水(3重量%)
火花電圧:475V、化成時間:5.3分、電導度:1.4mS/cm、
電導度低下率:17%
【0089】
[実施例23]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(70重量%)
1,2,4−ブタントリオール(12重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:4.8分、電導度:1.3mS/cm、
電導度低下率:16%
【0090】
[実施例24]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(70重量%)
1,2−ブタンジオール(12重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:5.2分、電導度:1.5mS/cm、
電導度低下率:16%
【0091】
[実施例25]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(70重量%)
ジエチレングリコール(12重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:4.7分、電導度:1.5mS/cm、
電導度低下率:16%
【0092】
[実施例26]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(高純度:5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(70重量%)
ピナコール(12重量%)
水(3重量%)
火花電圧:485V、化成時間:5.9分、電導度:1.1mS/cm、
電導度低下率:14%
【0093】
比較例3、及び実施例16〜26の結果から、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムとして、通常の工業製品を精製して1,10−デカンジカルボン酸アンモニウムの混在量を低減させた高純度の1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムを用いることにより、より高い火花電圧と、より少ない電導率低下率が達成できることが分る。
【0094】
次に、エチレングリコールと水とからなる含水有機溶媒に、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムに加え、ジエステル化合物、アルキル基を有するラクトン化合物、あるいはシアノアルカン化合物を添加溶解させた電解液を調製し、この電解液にアルミニウム箔を浸漬して、10mA/cm2の電流密度にて定電流で化成した際の火花電圧(V)、電圧400Vまでの到達時間(化成時間:分)、そして20℃における電導度(比電導度:mS/cm)を測定した。それらの測定値も併せて記載した。
【0095】
[比較例4]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:440V、化成時間:5.4分、電導度:1.4mS/cm
【0096】
[実施例27]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(77重量%)
アジピン酸ジメチル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:470V、化成時間:4.6分、電導度:1.4mS/cm
【0097】
[実施例28]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(84重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:4.5分、電導度:1.4mS/cm
【0098】
[実施例29]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(77重量%)
11−シアノウンデカン酸メチル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:475V、化成時間:4.7分、電導度:1.3mS/cm
【0099】
[実施例30]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(82重量%)
γ−ノナノラクトン(5重量%)
水(3重量%)
火花電圧:465V、化成時間:4.7分、電導度:1.4mS/cm
【0100】
[実施例31]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(74重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:4.7分、電導度:1.3mS/cm
【0101】
[実施例32]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
11−シアノウンデカン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(84重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:8.8分、電導度:1.4mS/cm
【0102】
[実施例33]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
ピバリン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(79重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:485V、化成時間:4.8分、電導度:1.6mS/cm
【0103】
[実施例34]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(7.5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(79重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:5.1分、電導度:1.7mS/cm
【0104】
[実施例35]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(79重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:505V、化成時間:5.2分、電導度:1.7mS/cm
【0105】
[実施例36]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(54重量%)
γ−ブチロラクトン(25重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:505V、化成時間:4.9分、電導度:1.7mS/cm
【0106】
[実施例37]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(69重量%)
11−シアノウンデカン酸メチル(10重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:495V、化成時間:4.9分、電導度:1.6mS/cm
【0107】
[実施例38]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
ピバリン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(69重量%)
アジポニトリル(10重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:5.0分、電導度:1.7mS/cm
【0108】
[実施例39]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
2,2−ジイソプロピルプロパン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(39重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
γ−ブチロラクトン(25重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:4.9分、電導度:1.8mS/cm
【0109】
実施例27〜39の結果と比較例4との結果を比較すると、本発明に従って、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムとジエステル化合物、アルキル基を有するラクトン化合物、あるいはシアノアルカン化合物(所望により、さらにニトリル化合物)とを添加成分として加えた電解液は、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムのみを添加した電解液に対して、化成時間と電導度とは大きな変動はないが、火花電圧が明らかに高くなっていることが分る。
【0110】
次に、エチレングリコール(または、エチレングリコールとγ−ブチロラクトン)と水とからなる含水有機溶媒に、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムに加え、炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩を添加溶解させた電解液を調製し、この電解液にアルミニウム箔を浸漬して、10mA/cm2の電流密度にて定電流で化成した際の火花電圧(V)、電圧400Vまでの到達時間(化成時間:分)、そして20℃における比電導度(mS/cm)を測定した。それらの測定値も併せて記載した。
【0111】
[実施例40]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(7.5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(2.5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:5.7分、電導度:1.5mS/cm
【0112】
[実施例41]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:500V、化成時間:6.0分、電導度:1.5mS/cm
【0113】
[実施例42]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:6.2分、電導度:1.6mS/cm
【0114】
[実施例43]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(70重量%)
アジポニトリル(17重量%)
水(3重量%)
火花電圧:550V、化成時間:6.1分、電導度:1.4mS/cm
【0115】
[実施例44]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(22重量%)
γ−ブチロラクトン(50重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(3重量%)
火花電圧:560V、化成時間:5.8分、電導度:1.5mS/cm
【0116】
[実施例45]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(2.5重量%)
3,3−ジメチルブタン酸アンモニウム(7.5重量%)
エチレングリコール(17重量%)
γ−ブチロラクトン(50重量%)
γ−ウンデカノラクトン(5重量%)
アジポニトリル(15重量%)
水(3重量%)
火花電圧:560V、化成時間:5.3分、電導度:1.5mS/cm
【0117】
実施例40〜45の結果と比較例4との結果を比較すると、本発明に従って、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムと炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩(場合により、さらにニトリル化合物)とを添加成分として加えた電解液は、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムのみを添加した電解液に対して、化成時間と電導度とは大きな変動はないが、火花電圧が明らかに高くなっていることが分る。
【0118】
次に、エチレングリコールと水とからなる含水有機溶媒に、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムに加え、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩、あるいは環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩を添加溶解させた電解液を調製し、この電解液にアルミニウム箔を浸漬して、10mA/cm2の電流密度にて定電流で化成した際の火花電圧(V)、火花電圧までの到達時間(化成時間:分)、そして20℃における比電導度(mS/cm)を測定した。それらの測定値も併せて記載した。
【0119】
[比較例5]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:440V、化成時間:5.7分、電導度:1.4mS/cm
【0120】
[比較例6]
2−エチルブタン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:330V、化成時間:9.2分、電導度:1.6mS/cm
【0121】
[比較例7]
2−エチルヘキサン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:355V、化成時間:12.2分、電導度:1.0mS/cm
【0122】
[比較例8]
シクロペンタン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:405V、化成時間:13.2分、電導度:1.6mS/cm
【0123】
[比較例9]
シクロヘキサン酸アンモニウム(10重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:480V、化成時間:18.9分、電導度:1.5mS/cm
【0124】
[実施例46]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
2−エチルブタン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:490V、化成時間:5.6分、電導度:1.4mS/cm
【0125】
[実施例47]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
2−エチルヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:520V、化成時間:6.5分、電導度:1.3mS/cm
【0126】
[実施例48]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
シクロペンタン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:495V、化成時間:6.2分、電導度:1.5mS/cm
【0127】
[実施例49]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
シクロヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(87重量%)
水(3重量%)
火花電圧:495V、化成時間:6.0分、電導度:1.4mS/cm
【0128】
[実施例50]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
2−エチルヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(77重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:520V、化成時間:5.9分、電導度:1.5mS/cm
【0129】
[実施例51]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
2−エチルヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(74重量%)
アジポニトリル(10重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:530V、化成時間:5.9分、電導度:1.5mS/cm
【0130】
[実施例52]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
シクロヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(77重量%)
アジポニトリル(10重量%)
水(3重量%)
火花電圧:510V、化成時間:5.9分、電導度:1.6mS/cm
【0131】
[実施例53]
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム(5重量%)
シクロヘキサン酸アンモニウム(5重量%)
エチレングリコール(74重量%)
アジポニトリル(10重量%)
γ−ウンデカノラクトン(3重量%)
水(3重量%)
火花電圧:520V、化成時間:5.9分、電導度:1.6mS/cm
【0132】
実施例46〜53の結果と比較例4〜9との結果を比較すると、本発明に従って、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムとカルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩、あるいは環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩(場合により、さらにニトリル化合物)とを添加成分として加えた電解液は、1,6−デカンジカルボン酸アンモニウムのみを添加した電解液に対して、化成時間と電導度とは大きな変動はないが、火花電圧が明らかに高くなっていることが分る。
【0133】
【発明の効果】
本発明の電解液および電解コンデンサは、エアーコンディッショナ、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、照明機器、エレベータ、ロボット、NC工作機、電車、さらには太陽光発電、ハイブリッド車、電気自動車などの駆動電源として有利に使用することができる。

Claims (12)

  1. 水とエチレングリコールを含む水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒中に1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩が溶解されてなり、さらに、1〜20重量%のピバリン酸もしくはその塩、0.01〜50重量%の炭素原子数2〜18個のアルキレン基を有するジエステル化合物、0.1〜50重量%のアルキル基を有するラクトン化合物、0.01〜50重量%のシアノアルカン酸エステル化合物、0.1〜50重量%の炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩、1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩との合計量として1〜20重量%の炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩、および1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩との合計量として1〜20重量%の環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸もしくはその塩よりなる群より選ばれる一以上の添加成分を含有することを特徴とする電解コンデンサ用の電解液。
  2. 添加成分がピバリン酸もしくはその塩を含み、そのピバリン酸もしくはその塩の含有量が、ピバリン酸もしくはその塩:1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩の表示で表わす重量比として25:75乃至90:10の範囲にある請求項1に記載の電解液。
  3. 添加成分が炭素原子数2〜18個のアルキレン基を有するジエステル化合物を含み、さらに、ピバリン酸もしくはその塩を1〜20重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  4. 添加成分が炭素原子数1〜12個のアルキル基を一以上有するラクトン化合物を含み、さらに、ピバリン酸もしくはその塩を1〜20重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  5. 添加成分が炭素原子数2〜18個のアルキレン基を有するシアノアルカン酸エステル化合物を含み、さらに、ピバリン酸もしくはその塩を1〜20重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  6. 添加成分が炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のβ位に炭素原子数1〜4個のアルキル基を二個有するモノカルボン酸もしくはその塩を含み、さらに、ジニトリル化合物を0.1〜50重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  7. 添加成分が、炭素原子数が3〜7個のアルキル鎖を有し、カルボキシル基のα位にエチル基を一個有するモノカルボン酸もしくはその塩を含み、さらに、ジニトリル化合物を0.1〜50重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  8. 添加成分が、環形成炭素原子数が5もしくは6個の環状飽和化合物モノカルボン酸を含み、さらに、ジニトリル化合物を0.1〜50重量%にて含有する請求項1に記載の電解液。
  9. 密閉容器中に、表面に酸化膜が形成された金属材料と電解液とを含む電解コンデンサであって、該電解液として請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載の電解液を用いることを特徴とする電解コンデンサ。
  10. 水とエチレングリコールを含む水に相溶性を示す有機溶媒とからなる水性有機溶媒中に1,6−デカンジカルボン酸もしくはその塩が溶解されてなり、さらに、ジニトリル化合物を0.1〜50重量%にて含有することを特徴とする電解コンデンサ用の電解液。
  11. ジニトリル化合物が、炭素原子数1〜12個のアルキレン鎖に二個のニトリル基が付いたジニトリル化合物である請求項10に記載の電解液。
  12. 密閉容器中に、表面に酸化膜が形成された金属材料と電解液とを含む電解コンデンサであって、該電解液として請求項10もしくは11に記載の電解液を用いることを特徴とする電解コンデンサ。
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