JP2011091282A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】比電導度を高く維持しつつ、かつ電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供する。
【解決手段】ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とカルボキシレートアニオン(a2)とからなる特定の式で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)と有機溶媒(B)を含有する電解液において、一般式(2)

で表される物質(C)を(A)と(B)の合計の重量に対して5重量ppm以下含有することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、薄型テレビなどデジタル家電の薄型化・省エネルギー化に伴い、電解液の比電導度が高く、かつ耐久性の高い電解液が要望されてきている。しかしながら、電解液の比電導度を高くするために、水やエチレングリコール等の水酸基を有する溶媒を使用する場合、電解コンデンサの耐久性が良くないという問題点がある。そこで、高い比電導度を有する電解液でありながら高い耐久性を有する電解コンデンサを得る試みとして、新規な電解質組成が検討されている。
例えば、溶媒をスルホラン化合物とアミド化合物との混合溶媒に変更したり(例えば特許文献1参照)、カチオンを1,2−ジメチルアジリジンイオンに変更したり(例えば特許文献2参照)、あるいはジアザビシクロアルケン類に変更したり(例えば特許文献3参照)することにより、電解液の比電導度が高く耐久性を向上させることが提案されている。
特開平8−31699号公報 特開2007−95871号公報 特開昭62−9618号公報
しかし、このスルホラン化合物とアミド化合物との混合溶媒は、アミド化合物が人体への危険性が高いため、実質的に使用できず、また、1,2−ジメチルアジリジンイオンは工業的な入手が困難であり現実的でない。さらに、カチオンをジアザビシクロアルケン類とする場合においては、電解液の耐久性は向上するものの、まだ不十分であるという課題があった。
本発明の課題は、比電導度を高く維持しつつ、かつ電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ジアザビシクロアルケニウムカチオンを用いた場合において、特定の不純物を低減させる工程を実施することにより、耐久性を向上できることを付き止め、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とカルボキシレートアニオン(a2)とからなる一般式(1)で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)と有機溶媒(B)を含有する電解液において、一般式(2)で表される物質(C)を(A)と(B)の合計の重量に対して5重量ppm以下含有することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液;および該電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサである。
[一般式(1)において、mは2〜6の整数、nは2〜3の整数、対アニオンXは炭素数1〜20のカルボキシレートアニオンである。]
[一般式(2)において、mは、一般式(1)と同じである。]
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、初期比電導度が高く、かつ電解液の比電導度の経時的な低下が少ない、すなわち電解液の耐久性を向上させることができる。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とカルボキシレートアニオン(a2)とからなる一般式(1)で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)と有機溶媒(B)を含有する電解液において、一般式(2)で表される物質(C)を(A)と(B)の合計の重量に対して5重量ppm以下含有することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液である。
以下に本特許の構成成分について詳細に記載する。
<ジアザビシクロアルケニウム塩(A)>
ジアザビシクロアルケニウム塩(A)はジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とカルボキシレートアニオン(a2)とからなる。
ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)としては、以下が挙げられる。以下の(m,n)は一般式(1)の値である。
1,4−ジアザビシクロ[3,2,0]−4−ヘプタニウム(m=2,n=2)
1,4−ジアザビシクロ[3,3,0]−4−オクテニウム(m=3,n=2)、
1,7−ジアザビシクロ[4,3,0]−6−ノネニウム(m=4,n=2)、
1,8−ジアザビシクロ[5,3,0]−7−デセニウム(m=5,n=2)、
1,9−ジアザビシクロ[6,3,0]−8−ウンデセニウム(m=6,n=2)、
1,5−ジアザビシクロ[4,2,0]−5−オクテニウム(m=2,n=3)、
1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム(m=3,n=3)、
1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−5−デセニウム(m=4,n=3)、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム(m=5,n=3)、
1,9−ジアザビシクロ[6,4,0]−8−ドデセニウム(m=6,n=3)。
上記のジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)のうち好ましいものは、
1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム(m=3,n=3)、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム(m=5,n=3)である。
本発明のカルボキシレートアニオン(a2)は炭素数1〜20のカルボキシレートアニオンであり、具体例としては以下に挙げたカルボン酸のモノカルボキシレートアニオン等が挙げられる。ポリカルボキシレートアニオンにおいては、アニオンとカチオンを等モル反応させることにより、1分子中に複数存在するカルボキシル基の内の1つとジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とがイオン結合した1価のアニオンとなることが好ましい。
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、2−ブチルオクタン二酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など]。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];
炭素数1〜20のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など]
これらの内、フタル酸、マレイン酸、安息香酸が好ましい。
<有機溶媒(B)>
有機溶媒(B)としては、(1)アルコール、(2)エーテル、(3)アミド、(4)オキサゾリジノン、(5)ラクトン、(6)ニトリル、(7)カーボネート、(8)スルホン及び(9)その他の有機溶媒が含まれる。
(1)アルコール
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
(2)エーテル
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
(3)アミド
ホルムアミド(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
(4)オキサゾリジノン
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
(5)ラクトン
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
(6)ニトリル
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど。
(7)カーボネート
エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
(8)スルホン
スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホンなど。
(9)その他の有機溶媒
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレンなど)パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など。
有機溶媒は、一種または二種以上を併用してもよい。これらのうち、ラクトン及びスルホンが好ましく、さらに好ましくはγ−ブチロラクトン、スルホランである。最も好ましくはγ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトンを含有する混合溶媒である。該混合溶媒中のγ−ブチロラクトン以外の溶媒としてはスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、その重量比率はγ−ブチロラクトン:γ−ブチロラクトン以外の溶媒=50:50〜95:5が好ましい。
本発明におけるアルミニウム電解コンデンサ用電解液においては、一般式(2)で表される物質(C)の含有量は、ジアザビシクロアルケニウム塩(A)と有機溶媒(B)の合計の重量に基づいて5重量ppm以下である。(C)の含有量としては、4重量ppm以下であることがさらに好ましく、3重量ppm以下であることが最も好ましい。含有量が5重量ppmを超えると高温において経時で電導度が低下し、コンデンサとしての耐久性が悪化する。
いっぽう、製造方法、精製方法の観点から、(A)と(B)の合計の重量に基づいた(C)の含有量を、1ppm以上とすることは工業的に行うことができる。
(C)の含有量はガスクロマトグラフィーで測定することができる。
物質(C)は、主としてジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)を製造する際の原料由来の不純物として含有される。
例えば、ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)が1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムカチオンの場合、(C)はε−カプロラクタムであり、(a1)が1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムカチオンの場合、(C)は2−ピロリドンである。
ジアザビシクロアルケニウム塩(A)は、ジアザビシクロアルケンとカルボキシレートアニオン(a2)に対応する(ポリ)カルボン酸との反応から得られる。ここで、ジアザビシクロアルケンと(ポリ)カルボン酸はモル比で1:0.96〜1:1.07で中和反応を行わせることが好ましい。ジアザビシクロアルケンは物質(C)を出発物質としていくつかの工程を経て製造されるが、最終的に合成されたジアザビシクロアルケンの反応混合物中には未反応の(C)が残存する。
通常、ジアザビシクロアルケンは前駆体のアミノアルキル化ラクタム類を加熱環化反応して生成したジアザビシクロアルケン反応混合物を蒸留することにより精製されるが、残存する(C)も一部蒸留で除去されずにジアザビシクロアルケン中に含有される。通常、ジアザビシクロアルケン中には(C)は10〜5000ppm含有される。
一般式(2)で表される物質(C)の含有量を低減させるため、精製工程を実施する。精製の方法としては、従来の精製方法であれば特に限定されることは無いが、ジアザビシクロアルケンをジアザビシクロアルケニウム塩(A)とした後、減圧し(C)を留去する除去方法が好ましい。
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサ用として好適である。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<物質(C)の含有量>
ガスクロマトグラフィー法により以下の測定条件で測定した。
装置:GC−17A、株式会社島津製作所製
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
カラム:キャピラリーカラムDBWAX(LENGTH30m、ID0.53mm、FILM1.5μm)、J & W Scientific社製
キャリアガス:ヘリウム
圧力:49kPa
カラム温度:50℃〜220℃(昇温速度10℃/min.)インジェクション温度:210℃
ディテクション温度:230℃
<実施例1>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にメタノール450部、およびフタル酸125部を加え、撹拌下に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(以下DBUと略記する。)[商品名;DBU(サンアプロ株式会社製)]129部を30分掛けて滴下し、DBUフタル酸塩(A−1)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよびε−カプロラクタム(C−1)を留去した。減圧、留去は(C−1)が電解液中の含有量換算で5ppmに低下するまで行った。得られた(A−1)254部をγ−ブチロラクトン746部に溶解し、電解液1を得た。
<実施例2>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にメタノール450部、およびフタル酸120部を加え、撹拌下に1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(以下DBNと略記する。)[商品名;DBN(サンアプロ株式会社製)]100部を30分掛けて滴下し、DBNフタル酸塩(A−2)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよび2−ピロリドン(C−2)を留去した。減圧、留去は(C−2)が電解液中の含有量換算で5ppmに低下するまで行った。得られた(A−2)220部をγ−ブチロラクトン780部に溶解し、電解液2を得た。
<実施例3>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にメタノール450部、および安息香酸92部を加え、撹拌下にDBU129部を30分掛けて滴下し、DBU安息香酸塩(A−3)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよびε−カプロラクタム(C−1)を留去した。減圧、留去は(C−1)が電解液中の含有量換算で3ppmに低下するまで行った。得られた(A−3)220部をγ−ブチロラクトン780部に溶解し、電解液3を得た。
<実施例4>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にメタノール450部、および安息香酸88部を加え、撹拌下にDBN100部を30分掛けて滴下し、DBN安息香酸塩(A−4)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよび2−ピロリドン(C−2)を留去した。減圧、留去は(C−2)が電解液中の含有量換算で3ppmに低下するまで行った。得られた(A−4)188部をγ−ブチロラクトン812部に溶解し、電解液4を得た。
<実施例5>
メタノール溶液とするまでは実施例1と同様にして、DBUフタル酸塩(A−5)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよびε−カプロラクタム(C−1)を留去した。減圧、留去は(C−1)が電解液中の含有量換算で1ppmに低下するまで行った。得られた(A−5)254部をγ−ブチロラクトン373部とスルホラン373部の混合溶液に溶解し、電解液5を得た。
<実施例6>
メタノール溶液とするまでは実施例2と同様にして、DBNフタル酸塩(A−6)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよび2−ピロリドン(C−2)を留去した。減圧、留去は(C−2)が電解液中の含有量換算で1ppmに低下するまで行った。得られた(A−6)220部をγ−ブチロラクトン390部とスルホラン390部の混合溶液に溶解し、電解液6を得た。
<比較例1>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン746部、およびフタル酸125部を加え、撹拌下にDBU129部を30分掛けて滴下し、DBUフタル酸塩(A−1)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。この溶液をエバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持することにより、ε−カプロラクタム(C−1)を留去し、(C−1)が電解液中の含有量換算で8ppmになるまで行い、比較電解液1を得た。
<比較例2>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン780部、およびフタル酸120部を加え、撹拌下にDBN100部を30分掛けて滴下し、DBNフタル酸塩(A−2)のDBNフタル酸塩のγ−ブチロラクトン溶液である比較電解液2を得た。
<比較例3>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン780部、および安息香酸92部を加え、撹拌下にDBU129部を30分掛けて滴下し、DBU安息香酸塩(A−3)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してε−カプロラクタム(C−1)を留去し、(C−1)が電解液中の含有量換算で9ppmになるまで行い、比較電解液3を得た。
<比較例4>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン812部、および安息香酸88部を加え、撹拌下にDBN100部を30分掛けて滴下し、DBN安息香酸塩(A−4)のメタノール溶液を得た。エバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持してメタノールおよび2−ピロリドン(C−2)を留去し、(C−2)が電解液中の含有量換算で8ppmになるまで行い、比較電解液4を得た。
<比較例5>
比較例1において、γ−ブチロラクトン746部をγ−ブチロラクトン373部とスルホラン373部の混合溶液とした以外は同様にして、DBUフタル酸塩(A−5)のγ−ブチロラクトン/スルホラン混合溶液を得た。この溶液をエバポレーターにより60℃で減圧し、圧力0.5kPa以下に保持することにより、ε−カプロラクタム(C−1)を留去し、(C−1)が電解液中の含有量換算で10ppmになるまで行い、比較電解液5を得た。
<比較例6>
比較例2において、γ−ブチロラクトン780部をγ−ブチロラクトン390部とスルホラン390部の混合溶液とした以外は同様にして、DBNフタル酸塩(A−6)のDBNフタル酸塩のγ−ブチロラクトン/スルホラン混合溶液である比較電解液6を得た。
実施例1〜6、比較例1〜6において、物質(C)の含有量をガスクロマトグラフィーにて測定した。物質(C)の含有量は(A)と(B)の合計の重量(電解液の重量)に対する値である。また、下記の方法で初期の比電導度、耐久性試験後の比電導度を測定し、その結果を表1に記載した。
表1中、カチオン(a1)のDBUは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、DBNは1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムを表すものとする。また、アニオン(a2)のフタル酸はフタル酸モノアニオン、安息香酸は安息香酸アニオンを表すものとする。
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
初期比電導度は、製造後常温保管で3日以内に測定した。
耐久性試験後の比電導度は、以下の手順により電解コンデンサを作成して行い、105℃の下で放置し、3000時間経過後に電解コンデンサ内から電解液を抜き取り、比電導度を測定した。
<電解コンデンサの作成方法>
本発明の実施例1〜6および比較例1〜6の電解液を使用して巻き取り形のアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧6.3V−静電容量220μF、サイズ;φ6.5mm×L4.5mm)を作成した。封口ゴムには過酸化物加硫のブチルゴムを使用した。
表1の実施例1〜6と比較例1〜6との比較により、物質(C)を精製により除去することで、初期の比電導度を高く維持しつつ、かつ3000時間という長時間の耐久性試験後においても比電導度の変化が極めて小さな電解液を得ることができることが明らかとなった。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、高温下で非常に高い耐久性を有するため、長期間高性能を発揮でき、小型化・薄型化の進む液晶テレビ等の電子機器用ならびに電装化の進む自動車用の電子部品として使用するのに有用である。


Claims (5)

  1. ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)とカルボキシレートアニオン(a2)とからなる一般式(1)で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)と有機溶媒(B)を含有する電解液において、一般式(2)で表される物質(C)を(A)と(B)の合計の重量に対して5重量ppm以下含有することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
    [一般式(1)において、mは2〜6の整数、nは2〜3の整数、対アニオンXは炭素数1〜20のカルボキシレートアニオンである。]
    [一般式(2)において、mは、一般式(1)と同じである。]
  2. ジアザビシクロアルケニウムカチオン(a1)が1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムカチオン、及び/又は1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムカチオンである請求項1に記載の電解液。
  3. カルボキシレートアニオン(a2)が、フタル酸アニオン及び/又は安息香酸アニオンである請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 有機溶媒(B)が、γ−ブチロラクトン又はγ−ブチロラクトンを含有する混合溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。
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