JP2012004203A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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和徳 吉田
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Abstract

【課題】比電導度を高く維持しつつ、かつ高温条件下でも電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液を提供する。
【解決手段】ジアザビシクロアルケンとカルボン酸とからなら塩であるジアザビシクロアルケニウム塩(A)、3級モノアミンとカルボン酸とからなる3級モノアンモニウム塩(B)および有機溶媒(C)を含有する電解液であって、(A)と(B)の合計重量に対して(A)の重量比率が50〜91重量%であるアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、薄型テレビなどデジタル家電の薄型化・省エネルギー化に伴い、電解液の比電導度が高く、かつ耐久性の高い電解液が要望されてきている。しかしながら、電解液の比電導度を高くするために、水やエチレングリコール等の水酸基を有する溶媒を使用する場合、電解コンデンサの耐久性が良くないという問題点がある。そこで、高い比電導度を有する電解液でありながら高い耐久性を有する電解コンデンサを得る試みとして、新規な電解質組成が検討されている。
例えば、溶媒をスルホラン化合物とアミド化合物との混合溶媒に変更したり(例えば特許文献1参照)、カチオンを1,2−ジメチルアジリジンイオンに変更したり(例えば特許文献2参照)、あるいはジアザビシクロアルケン類に変更したり(例えば特許文献3参照)することにより、電解液の比電導度が高く耐久性を向上させることが提案されている。
特開平8−31699号公報 特開2007−95871号公報 特開昭62−9618号公報
しかし、このスルホラン化合物とアミド化合物との混合溶媒は、アミド化合物が人体への危険性が高いため、実質的に使用できず、また、1,2−ジメチルアジリジンイオンは工業的な入手が困難であり現実的でない。さらにカチオンをジアザビシクロアルケン類とする場合においては電解液の耐久性は向上するものの、高温条件下では電解液中に含まれる少量の水の電気分解により発生した水酸化物イオンによりカチオンの分解が生じ、経時的に比電導度が低下するため、まだ不十分であるという課題があった。
本発明の課題は、比電導度を高く維持しつつ、かつ高温条件下でも電解液の耐久性が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)、一般式(2)で表される3級モノアンモニウム塩(B)および有機溶媒(C)を含有する電解液であって、(A)と(B)の合計重量に対して(A)の重量比率(以下xと記載することがある。)が50〜91重量%であるアルミニウム電解コンデンサ用電解液;該電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサである。
Figure 2012004203
[mは2〜6の整数、nは2〜3の整数、対アニオンXは炭素数1〜20のカルボキシレートアニオンである。]
Figure 2012004203
[式中、R1、R2およびR3は、水酸基、シアノ基、カルボニル基、フォルミル基、エステル結合を有する基、又はエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数が1以上3以下の炭化水素基である。対アニオンXは一般式(1)と同じ。]
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、初期比電導度が高く、かつ高温条件下でも、電解液の比電導度の経時的な低下が少ない。すなわち電解液の耐久性を向上させることができる。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、ジアザビシクロアルケニウム塩(A)の重量比率xが50〜91重量%、好ましくは73〜87重量%であることを特徴とする。xが50重量%未満の場合は電解液中に塩が析出することがある。xが91重量%を超える場合は経時的に比電導度の低下が生じる。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、初期比電導度が高く、かつ耐久性に優れるが、この効果はジアザビシクロアルケニウム(A)の解離度が高いことに起因するものであり、さらに電気分解により発生した水酸化物イオンを3級モノアミン塩(B)がトラップし、ジアザビシクロアルケニウム塩(A)の分解を抑制することができるためと推定される。
xは液体クロマトグラフィーの測定により、(A)と(B)との面積ピーク値から算出することができる。
以下に本特許の構成成分について詳細に記載する。
<ジアザビシクロアルケニウム塩(A)>
本発明のジアザビシクロアルケニウム塩(A)はジアザビシクロアルケン(a1)とカルボン酸(a2)とからなる塩である。
ジアザビシクロアルケン(a1)としては、以下が挙げられる。以下の(m,n)は一般式(1)の値である。
1,4−ジアザビシクロ[3,2,0]−4−ヘプタン(m=2,n=2)
1,4−ジアザビシクロ[3,3,0]−4−オクテン(m=3,n=2)、
1,7−ジアザビシクロ[4,3,0]−6−ノネン(m=4,n=2)、
1,8−ジアザビシクロ[5,3,0]−7−デセン(m=5,n=2)、
1,9−ジアザビシクロ[6,3,0]−8−ウンデセン(m=6,n=2)、
1,5−ジアザビシクロ[4,2,0]−5−オクテン(m=2,n=3)、
1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(m=3,n=3)、
1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−5−デセン(m=4,n=3)、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(m=5,n=3)、
1,9−ジアザビシクロ[6,4,0]−8−ドデセン(m=6,n=3)。
上記のジアザビシクロアルケン(a1)のうち好ましいものは、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(m=3,n=3)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(m=5,n=3)である。
本発明のカルボン酸(a2)は炭素数1〜20のカルボン酸であり、具体例としては以下に挙げたカルボン酸が挙げられる。
炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、2−ブチルオクタン二酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など]。
炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒酪酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];
炭素数1〜20のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など]
これらの内、フタル酸、マレイン酸、安息香酸が好ましい。
ジアザビシクロアルケン(a1)とカルボン酸(a2)のモル比(a1):(a2)は好ましくは(a1):(a2)=1:1〜1:1.05であり、さらに好ましくは(a1):(a2)=1:01〜1.04である。(a2)/(a1)=1.05以下であると電解液中に塩が析出することもなく好ましい。一方(a2)/(a1)=1以上であると比電導度の劣化が少ない。(a2)/(a1)の値はHNMRの測定により、(a1)および(a2)のプロトン一個当たりの積分値から算出することができる。
<3級モノアンモニウム塩(B)>
本発明の3級モノアンモニウム塩(B)は3級モノアミン(b1)とカルボン酸(a2)とからなる塩である。(b1)と(a2)のモル比は通常(b1):(a2)=1:1である。
3級モノアミン(b1)としては、以下が挙げられる。
(1)R1、R2およびR3が炭化水素基であるもの
トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N,N−メチルエチルプロピルアミン、N,N,N−メチルエチルイソプロピルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジイソプロピルメチルアミンなど。
(2)R1、R2およびR3の少なくとも1つがホルミル基を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルホルミルメチルアミン、N,N−ジメチルホルミルエチルアミン、N,N−ジエチルホルミルメチルアミン、N,N−ジエチルホルミルエチルアミンなど。
(3)R1、R2およびR3の少なくとも1つがエステル結合を有する基を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルメトキシカルボニルメチルアミン、N,N−ジエチルメトキシカルボニルメチルアミンなど。
(4)R1、R2およびR3の少なくとも1つがシアノ基を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルシアノメチルアミン、N,N−ジメチルシアノエチルアミン、N,N−
ジエチルシアノメチルアミン、N,N−ジエチルシアノエチルアミンなど。
(5)R1、R2およびR3の少なくとも1つがエーテル結合を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルメトキシメチルアミン、N,N−ジメチルメトキシエチルアミン、N,
N−ジエチルメトキシメチルアミン、N,N−ジエチルメトキシエチルアミンなど。
(6)R1、R2およびR3の少なくとも1つがカルボニル基を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルアセチルメチルアミン、N,N−ジエチルアセチルメチルアミンなど。
(7)R1、R2およびR3の少なくとも1つが水酸基を有する炭化水素基であるもの
N,N−ジメチルヒドロキシメチルアミン、N,N−ジメチルヒドロキシエチルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシメチルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシエチルアミンな
ど。
これらのうち好ましくは、N,N−トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−メチルジエチルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジイソプロピルメチルアミンであり、更に好ましくは、N,N−トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−メチルジエチルアミンであり、特に好ましくは、N,N−トリエチルアミンである。
<有機溶媒(C)>
有機溶媒(C)としては、(1)アルコール、(2)エーテル、(3)アミド、(4)オキサゾリジノン、(5)ラクトン、(6)ニトリル、(7)カーボネート、(8)スルホン及び(9)その他の有機溶媒が含まれる。
(1)アルコール
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
(2)エーテル
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など。
(3)アミド
ホルムアミド(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
(4)オキサゾリジノン
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
(5)ラクトン
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
(6)ニトリル
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど。
(7)カーボネート
エチレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
(8)スルホン
スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、ジメチルスルホンなど。
(9)その他の有機溶媒
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、芳香族溶媒(トルエン、キシレンなど)パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など。
有機溶媒は、上記の溶媒の二種以上を併用してもよい。これらのうち、ラクトン、アルコール及びスルホンが好ましく、さらに好ましくはγ−ブチロラクトン、エチレングリコール、スルホランである。より好ましくはγ−ブチロラクトン、エチレングリコール、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの混合溶媒、最も好ましくはγ−ブチロラクトンである。該γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの混合溶媒中の重量比率はγ−ブチロラクトン:エチレングリコール=90:10〜70:30が好ましい。
本発明の電解コンデンサ用電解液において、ジアザビシクロアルケニウム塩(A)および3級モノアンモニウム塩(B)の合計含量は、(A)、(B)及び有機溶媒(C)の合計重量に対して、比電導度と電解液溶剤への溶解度の観点から、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、リン酸誘導体(例えば、リン酸、リン酸エステルなど)、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液溶剤への溶解度の観点から、電解質(A)に対して好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であり、好ましくは0.1重量%
以上、さらに好ましくは1重量%以上である。
本発明における電解液において、電解液の水分は、加水分解によるガス発生が著しくコンデンサの膨れ等の不具合を起こすという理由から1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量%以下であり、陽極酸化皮膜の修復能も考慮すれば好ましくは0.0001重量%以上、さらに好ましくは0.01重量%以上である。
本発明における電解液は、電解コンデンサに用いられる。電解コンデンサとしては特に限定されず、例えば、表面に酸化アルミニウム箔と陰極アルミニウム箔をその間にセパレータを介在させて捲回し、これに本発明の電解液を含浸させ有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口剤で密閉することにより構成された巻き取り形のアルミ電解コンデンサ等が好ましい。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、%は重量%を示す。
<実施例1>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸125部を加え、撹拌下に1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(以下DBNと略記する。)[商品名;DBN(サンアプロ株式会社製)]84部を30分掛けて滴下した。続けてジエチルメチルアミン4部を15分掛けて滴下し、電解液1を得た。ジアザビシクロアルケン(a1)とカルボン酸(a2)のモル比(a1):(a2)モル比は1:1.03である。以下の実施例、比較例においても同様である。
<実施例2>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にエチレングリコール787部、およびマレイン酸125部を加え、撹拌下に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(以下DBUと略記する。)[商品名;DBU(サンアプロ株式会社製)]138部を30分掛けて滴下した。続けてトリエチルアミン16部を15分掛けて滴下し、電解液2を得た。
<実施例3>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸125部を加え、;DBN70部を30分掛けて滴下した。続けてトリエチルアミン19部を15分掛けて滴下し、電解液3を得た。
<実施例4>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびマレイン酸125部を加え、;DBN99部を30分掛けて滴下した。続けてジエチルメチルアミン23部を15分掛けて滴下し、電解液4を得た。
<実施例5>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン630部、エチレングリコール157部、およびフタル酸125部を加え、;DBU57部を30分掛けて滴下した。続けてトリエチルアミン4部を15分掛けて滴下し、電解液5を得た。
<比較例1>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸97部を加え、撹拌下にDBN70部を30分掛けて滴下し比較電解液1を得た。
<比較例2>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸125部を加え、;DBN88部を30分掛けて滴下した。続けてトリエチルアミン4部を15分掛けて滴下し、比較電解液2を得た。
<比較例3>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸125部を加え、;DBN23部を30分掛けて滴下した。続けてトリエチルアミン57部を15分掛けて滴下し、比較電解液3を得た。
<比較例4>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製容器にγ−ブチロラクトン787部、およびフタル酸97部を加え、撹拌下にトリエチルアミン57部を30分掛けて滴下し比較電解液4を得た。
実施例1〜5、比較例1〜4において、下記の方法で初期の比電導度、耐久性試験後の比電導度を測定し、その結果を表1に記載した。
Figure 2012004203
表1中、ジアザビシクロアルケン(a1)のDBUは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、DBNは1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネンを表すものとする。
比電導度:東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。
初期比電導度は、製造後常温保管で3日以内に測定した。
耐久性試験後の比電導度は、以下の手順により電解コンデンサを作成して行い、125℃の下で放置し、3000時間経過後に電解コンデンサ内から電解液を抜き取り、比電導度を測定した。
<電解コンデンサの作成方法>
本発明の実施例1〜5および比較例1〜4の電解液を使用して巻き取り形のアルミニウム電解コンデンサ(定格電圧6.3V−静電容量220μF、サイズ;φ6.5mm×L4.5mm)を作成した。封口ゴムには過酸化物加硫のブチルゴムを使用した。
表1の実施例1〜5と比較例1〜4との比較により、電解質にジアザビシクロアルケニウム塩(A)、と3級モノアンモニウム塩(B)を組み合わせて使用することで、初期の比電導度を高く維持しつつ、かつ125℃の高温下3000時間という長時間の耐久性試験後においても比電導度の変化が極めて小さな電解液を得ることができることが明らかとなった。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、高温下で非常に高い耐久性を有するため、長期間高性能を発揮でき、小型化・薄型化の進む液晶テレビ等の電子機器用ならびに電装化の進む自動車用の電子部品として使用するのに有用である。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表されるジアザビシクロアルケニウム塩(A)、一般式(2)で表される3級モノアンモニウム塩(B)および有機溶媒(C)を含有する電解液であって、(A)と(B)の合計重量に対して(A)の重量比率が50〜91重量%であるアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2012004203
    [mは2〜6の整数、nは2〜3の整数、対アニオンXは炭素数1〜20のカルボキシレートアニオンである。]
    Figure 2012004203
    [式中、R1、R2およびR3は、水酸基、シアノ基、カルボニル基、フォルミル基、エステル結合を有する基、又はエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数が1以上3以下の炭化水素基である。対アニオンXは一般式(1)と同じ。]
  2. ジアザビシクロアルケニウム塩(A)のカチオンが、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムカチオン、及び/又は1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムカチオンである請求項1に記載の電解液。
  3. ジアザビシクロアルケニウム塩(A)および3級モノアンモニウム塩(B)のアニオンが、フタル酸アニオン、安息香酸アニオン、及びマレイン酸アニオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 3級モノアンモニウム塩(B)のカチオンが、N,N,N−トリエチルアンモニウム、N,N,N−ジメチルエチルアンモニウム、N,N,N−ジメチルプロピルアンモニウム、N,N,N−ジメチルイソプロピルアンモニウム、N,N,N−ジエチルメチルアンモニウムからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 有機溶媒(C)が、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、又はその混合溶媒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. ジアザビシクロアルケニウム塩(A)がジアザビシクロアルケン(a1)とカルボン酸(a2)からなる塩であって、(a1)と(a2)のモル比が1:1〜1:1.05である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。
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