JP3373884B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサInfo
- Publication number
- JP3373884B2 JP3373884B2 JP08558393A JP8558393A JP3373884B2 JP 3373884 B2 JP3373884 B2 JP 3373884B2 JP 08558393 A JP08558393 A JP 08558393A JP 8558393 A JP8558393 A JP 8558393A JP 3373884 B2 JP3373884 B2 JP 3373884B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- general formula
- carboxylic acid
- tertiary
- electrolytic solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関するもの
である。
チレングリコール−ほう酸系のものが用いられている
が、この種の電解液はエチレングリコールとほう酸のエ
ステル化により水が生成するため100゜C以上では蒸
気圧が高く、また電極であるアルミニウムと反応しやす
く高温での使用に適さなかった。このような欠点を改良
するため溶質として、アゼライン酸、1,6−デカンジ
カルボン酸(特開昭56−108229号公報)、側鎖
を有する第2級モノカルボン酸(特公平4−19691
号公報)、5,6−デカンジカルボン酸(特公昭63−
15738号公報)、第3級モノカルボン酸(特開昭6
1−116815号公報)、第2級および/または第3
級のカルボキシル基を合計で2個以上有する分子量26
0以上のポリカルボン酸の塩(特開平1−103821
号公報)、第3級ジカルボン酸(特開平4−27342
1号公報)等を用いる電解液が知られている。
イン酸や1,6−デカンジカルボン酸等の1級カルボキ
シル基を有するカルボン酸を用いた電解液では、1級カ
ルボン酸が高温でエチレングリコールとエステル化反応
しやすく、高温での比電導度低下が大きい。この欠点を
改良するためエステル化しにくい2級カルボン酸や3級
カルボン酸を用いる試みがなされている。しかしなが
ら、2級カルボン酸では比電導度低下の改善が不十分で
ある。また3級モノカルボン酸を使用した電解液は比電
導度低下は十分な改善がなされるものの化成性が悪く、
エージングに長時間を要する欠点や、アルミ酸化皮膜が
破損した際の修復性が悪いため、コンデンサの信頼性を
落とす欠点がある。この欠点は、特に高圧級コンデンサ
用に火花電圧が400V以上を得ようとして、分子量の
大きな酸を使用した電解液で顕著である。さらに3級ジ
カルボン酸では、比電導度の高い低分子量のもので火花
電圧が低くなる欠点があり、比電導度と火花電圧のとも
に高い電解液を得ることが困難である。また、単一のカ
ルボン酸を使用して高火花電圧を得るための方法(分子
量の大きなカルボン酸の使用、カルボン酸濃度の希薄
化、高粘度溶媒(グリセリン等)の使用等では、火花電
圧と相反して比電導度が低くなるため、比電導度と火花
電圧をともに高めることができない。
を解決するため、高温での比電導度低下が小さく、かつ
化成性も良好な電解液を得るため鋭意検討した結果、3
級カルボン酸と2級カルボン酸を一定範囲の混合比で混
合した電解液が化成性に優れ、かつ比電導度低下も小さ
いこと、および比電導度と火花電圧がともに高いことを
見いだして本発明に到達した。すなわち本発明は、エチ
レングリコールを含む溶媒に、3級カルボキシル基を有
するカルボン酸(A)および/またはその塩と、2級カ
ルボキシル基を有するカルボン酸(B)および/または
その塩とを溶解させたことを特徴とする電解コンデンサ
駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサであ
る。
媒に、3級カルボキシル基を有するカルボン酸(A)と
2級カルボキシル基を有するカルボン酸(B)の2種類
を溶解させたことを特徴とする。カルボン酸(A)はエ
チレングリコールとのエステル化が非常に起こりにく
く、電解液の高温での比電導度の低下を小さく保つ機能
を持つ。しかしカルボン酸(A)のみでは、化成性が非
常に悪くなる。また、カルボン酸(B)は化成性が良
く、かつ良好な化成性を維持させる機能を持つが、高温
放置時にエステル化する傾向があるため、高温での比電
導度低下が不十分である。この様な、機能の異なる2種
類のカルボン酸を混合して用いることにより、比電導度
低下が小さく、化成性も良好で、かつ化成性の良好さの
持続する電解液を得ることができる。
(B)を一定範囲の混合比、すなわち3級カルボキシル
基のモル濃度と2級カルボキシル基のモル濃度の比が
(90:10)〜(40:60)の範囲で混合して用い
ることで、比電導度と火花電圧がともに高い電解液を得
られる。これにより、高温での比電導度低下が小さく、
エージング時間が短縮され、アルミ酸化皮膜破損時の修
復性も良くなり、比電導度、火花電圧ともに高いため、
本発明の電解液を用いた電解コンデンサは、従来のもの
と比較して高温長寿命かつ信頼性の高いものとなる。
発明において使用するカルボン酸(A)としては3級モ
ノカルボン酸、3級ジカルボン酸、3価以上の3級ポリ
カルボン酸およびそれらの混合物が挙げられる。3級モ
ノカルボン酸としては一般式(1)で表される総炭素数
5〜20の3級モノカルボン酸が挙げられる。一般式 (式中R1、R2、R3は直鎖または分枝の炭化水素基
を表し、これらのうちいずれか2つ以上が結合して環状
構造を形成してもよい。)
しては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシル、オクチル、デシル等のアルキル基、シクロペン
チル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニ
ル、ベンジル等のアリール基等が挙げられる。また、不
飽和結合やヘテロ原子を含む置換基またはR1、R2お
よびR3がそれぞれ結合して環状構造を形成しているも
のが挙げられる。
酸の具体例としては2,2−ジメチルプロパン酸、2,
2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、
2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘプタ
ン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2,2−ジメチル
ノナン酸、2,2−ジメチルデカン酸、2,2−ジメチ
ルウンデカン酸、2,2−ジメチルドデカン酸、2−メ
チル−2−エチルブタン酸、2−メチル−2−エチルペ
ンタン酸、2−メチル−2−エチルヘキサン酸、2−メ
チル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−エチル
オクタン酸、2−メチル−2−エチルノナン酸、2−メ
チル−2−エチルデカン酸、2−メチル−2−エチルウ
ンデカン酸、2−メチル−2−プロピルペンタン酸、2
−メチル−2−プロピルヘキサン酸、2−メチル−2−
プロピルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルオクタ
ン酸、2−メチル−2−プロピルノナン酸、2−メチル
−2−プロピルデカン酸、2,2−ジイソプロピルプロ
パン酸、2−メチル−2−ブチルヘキサン酸、2−メチ
ル−2−ブチルヘプタン酸、2−メチル−2−ブチルオ
クタン酸、2−メチル−2−ブチルノナン酸、2,2−
ジメチルシクロペンチル酢酸、2−メチル−2−エチル
シクロペンチル酢酸、2,2−ジメチルシクロヘキシル
酢酸、2,2,3,3−テトラメチルブタン酸、2,
2,4,4−テトラメチルペンタン酸、1−メチルシク
ロブタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1−メチ
ルシクロヘプタンカルボン酸、1−メチルシクロオクタ
ンカルボン酸、1−メチルシクロノナンカルボン酸、1
−メチルシクロデカンカルボン酸、1−メチルシクロウ
ンデカンカルボン酸、1−メチルシクロドデカンカルボ
ン酸、1−エチルシクロヘキサンカルボン酸、1−エチ
ルシクロヘプタンカルボン酸、1−エチルシクロオクタ
ンカルボン酸、1−プロピルシクロヘキサンカルボン
酸、1−プロピルシクロヘプタンカルボン酸、1−プロ
ピルシクロオクタンカルボン酸、1−ブチルシクロヘキ
サンカルボン酸、1−ブチルシクロヘプタンカルボン
酸、1−ブチルシクロオクタンカルボン酸、1−ペンチ
ルシクロヘキサンカルボン酸、1−ペンチルシクロヘプ
タンカルボン酸、1−ペンチルシクロオクタンカルボン
酸、1,4−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、1−
ベンジルシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。こ
れらのうち総炭素数5〜9のものが比電導度が高い点で
好ましい。
よび一般式(3)で表される総炭素数6〜30の3級ジ
カルボン酸が挙げられる。一般式 一般式 (両式中R4、R5、R6、R7、Xは直鎖または分枝
の炭化水素基を表し、これらのうちいずれか2つ以上が
結合して環状構造を形成してもよい。)
R4、R5、R6、R7としては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル等
のアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシ
クロアルキル基、フェニル、ベンジル等のアリール基等
が挙げられる。また、不飽和結合やヘテロ原子を含む置
換基またはR4、R5、R6、R7のいずれか2つ以上
が結合して環状構造を形成しているものが挙げられる。
Xとしてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のアルキレン基、(置換)シクロヘ
キシレン基、(置換)フェニレン基等が挙げられる。
る3級ジカルボン酸の具体例としては2,2,3,3−
テトラメチルコハク酸、2,2,4,4−テトラメチル
グルタル酸、2,2,5,5−テトラメチルアジピン
酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、2,
2,7,7−テトラメチルスベリン酸、2,2,8,8
−テトラメチルアゼライン酸、2,2,9,9−テトラ
メチルセバシン酸,2,2,3,3−テトラエチルコハ
ク酸、2,2,5,5−テトラエチルアジピン酸、2,
2,9,9−テトラエチルセバシン酸、2,2,5,5
−テトラプロピルアジピン酸、2,2,9,9−テトラ
ブチルセバシン酸、2,2,5−トリメチル−5−エチ
ルアジピン酸、2,2,8−トリエチル−8−ブチルア
ゼライン酸、2,8−ジメチル−2,8−ジエチルアゼ
ライン酸、2−メチル−2−エチル−5−プロピル−5
−ブチルアジピン酸、2,2−テトラメチレン−4,4
−テトラメチレングルタル酸、2,2−テトラメチレン
−5,5−テトラメチレンアジピン酸、2,2−テトラ
メチレン−9,9−テトラメチレンセバシン酸、2,2
−テトラメチレン−4,4−ペンタメチレングルタル
酸、2,2−テトラメチレン−6,6−テトラメチレン
ピメリン酸、2,2−テトラメチレン−7,7−ペンタ
メチレンスベリン酸、2,2−テトラメチレン−8,8
−ペンタメチレンアゼライン酸、2,2−テトラメチレ
ン−9,9−ペンタメチレンセバシン酸、2,2−ペン
タメチレン−4,4−ペンタメチレングルタル酸、2,
2−ペンタメチレン−9,9−ペンタメチレンセバシン
酸等が挙げられる。これらのうち総炭素数10〜20の
ものが比電導度と火花電圧のバランスが良い点で好まし
い。
を高くできる点で3級モノカルボン酸、3級ジカルボン
酸が好ましく、より比電導度を高くできる点で3級モノ
カルボン酸がさらに好ましい。
としては2級モノカルボン酸、2級ジカルボン酸、3価
以上の2級ポリカルボン酸およびこれらの混合物が挙げ
られる。2級モノカルボン酸としては、一般式(4)で
表される総炭素数4〜15の2級モノカルボン酸が挙げ
られる。一般式 (式中R8は直鎖または分枝の鎖状炭化水素基を表
す。)
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オク
チル、デシル等のアルキル基、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル等のシクロアルキル基、フェニル、ベンジル等
のアリール基等が挙げられる。
酸の具体例としては2−メチルプロパン酸、2−メチル
ブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン
酸、2−メチルヘプタン酸、2−メチルオクタン酸、2
−シクロヘキシルプロパン酸、2−フェニルプロパン酸
等が挙げられる。これらのうちアルキル基のみを有する
ものが好ましく、総炭素数4〜6のものがさらに好まし
い。
または一般式(6)で表される総炭素数6〜30の2級
ジカルボン酸が挙げられる。一般式 一般式 (両式中R9、R10、Yは直鎖または分枝の炭化水素
基を表す。)
R9、R10としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル等のアルキル
基、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキ
ル基、フェニル、ベンジル等のアリール基等が挙げられ
る。また、不飽和結合やヘテロ原子を含む置換基または
R9、R10が結合して環状構造を形成しているものが
挙げられる。Yとしてはメチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン、ペンタメチレン、ヘキサ
メチレン、デカメチレン等のアルキレン基、(置換)シ
クロヘキシレン基、(置換)フェニレン基等が挙げられ
る。
る2級ジカルボン酸の具体例としては、2,3−ジメチ
ルコハク酸、2,5−ジメチルアジピン酸、2,8−ジ
メチルアゼライン酸、2,9−ジメチルセバシン酸、2
−メチル−5−エチルアジピン酸、2−メチル−9−エ
チルセバシン酸、2,3−ジエチルコハク酸、2,5−
ジエチルアジピン酸、2,9−ジエチルセバシン酸、2
−エチル−8−ブチルアゼライン酸、5,6−デカンジ
カルボン酸、1,2−または1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等が挙げられる。これらのうちカルボキシル
基のα位の炭素上の置換基としてメチル基を1つ以上有
するもの、およびコハク酸のアルキル置換体が好まし
い。
が高い点で2級モノカルボン酸、2級ジカルボン酸が好
ましく、化成性の向上効果が高い点で2級ジカルボン酸
がさらに好ましい。
合せの中で好ましいものは、3級モノカルボン酸と2級
ジカルボン酸、3級モノカルボン酸と2級モノカルボン
酸の組合せであり、耐熱性の不十分な2級カルボン酸の
混合比を小さく抑えられ、比電導度も高くできる点で3
級モノカルボン酸と2級ジカルボン酸の混合物がさらに
好ましい。
シル基を同一分子内に有する化合物(2,2−ジメチル
−5−メチルアジピン酸、2,2−ジメチル−9−メチ
ルセバシン酸等。)も本発明に含まれる。
合比は、3級カルボキシル基のモル濃度と2級カルボキ
シル基のモル濃度の比が、通常(90:10)〜(4
0:60)、好ましくは(80:20)〜(50:5
0)である。2級カルボキシル基のモル濃度の比が10
未満では化成性の向上効果が不十分であり、60を超え
る場合は高温での比電導度低下が大きくなる。化成性の
良好さが持続し、かつ高温での比電導度低下も小さい範
囲として20〜50が好ましい。
子量は希望の火花電圧、比電導度に対応して適切な範囲
のものを使用することが出来るが、比電導度が高く、か
つ火花電圧も400V以上となる中高圧級に適した電解
液を得る上で、カルボン酸(A)、カルボン酸(B)と
もに分子量88〜500のものが好ましい。分子量が5
00を越えるものは、比電導度が低くなる。比電導度と
火花電圧のバランスがよい点で、分子量88から300
の範囲のものがさらに好ましい。
の塩としてはアンモニウム塩、アミン塩および4級アン
モニウム塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンと
しては1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、エチ
レンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエ
チルアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
−ウンデセン−7等)が挙げられる。これらのうちで好
ましいものはアンモニウム塩およびアミン塩であり、特
に好ましいものはアンモニウム塩である。
比は通常(1:2)〜(1:0.5)、好ましくは
(1:1.2)〜(1:0.8)である。
コールとともに他の溶媒を併用できる。併用できる溶媒
としては多価アルコール系溶剤(プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、グ
リセリン、ポリオキシアルキレンポリオール等)、ラク
トン系溶剤(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、
δ-バレロラクトン、3-メチル-1,3-オキサゾリジン-
2-オン、3-エチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン
等)、アミド系溶剤(N-メチルホルムアミド、N,N-
ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メ
チルピロジリノン等)、エーテル系溶剤(メチラール、
1,2-ジメトキシエタン、1-エトキシ-2-メトキシエ
タン、1,2-ジエトキシエタン等)、ニトリル系溶剤
(アセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル
等)、フラン系溶剤(2,5-ジメトキシテトラヒドロフ
ラン等)、2-イミダゾリジノン類(1,3-ジメチル-2
-イミダゾリジノン等)、ピロリドン類およびこれらの
混合物等が挙げられる。溶媒中におけるエチレングリコ
ールの含有量は溶媒の重量に基づいて、通常60重量%
以上、好ましくは80重量%以上である。
せることができる。その含有量は電解液の重量に基づい
て通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に好
ましくは1重量%以下である。
ボン酸塩の合計含有量は、電解液の重量に基づいて通常
1〜70重量%、好ましくは5〜40重量%である。
は、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添
加剤を添加することができる。添加剤としては、リン酸
誘導体、ホウ酸誘導体およびニトロ化合物等を挙げるこ
とができる。また、必要に応じ、化成性のさらなる向上
や、比電導度の向上の目的で1級カルボキシル基を有す
るカルボン酸や、芳香族カルボキシル基を有するカルボ
ン酸等を必要量混合したり、またカルボン酸(A)やカ
ルボン酸(B)に1級カルボキシル基や芳香族カルボキ
シル基を有させることもできる。混合できるものとして
はアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デ
カンジカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。電解液中
におけるこれらの含有量はカルボン酸(A)およびカル
ボン酸(B)の合計量に基づいて、通常10重量%以下
である。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。表
1は本発明の実施例1〜6の電解液のカルボン酸(A)
とカルボン酸(B)の名称および混合比(3級カルボキ
シル基のモル濃度と2級カルボキシル基のモル濃度の
比)、および従来例1〜6の電解液のカルボン酸の名称
を示したものであり、塩はアンモニウム塩でアンモニア
/カルボキシル基のモル比が0.9のもの、溶媒はエチ
レングリコール、濃度はカルボキシル基のモル濃度で
1.1mol/kgである。表2は、実施例1〜6およ
び従来例1〜6の電解液の30℃における比電導度、ア
ルミ化成箔を用い2mA/10cm2の電流密度で定電
流再化成した際の火花電圧と電圧400Vまでの到達時
間、および150℃で10時間保持後の比電導度低下率
を示したものである。
〜6の電解液は、従来例1〜3の1級、2級のカルボン
酸を用いた電解液と比較して比電導度低下率が約1/2
に改善されるとともに、比電導度を同レベルに維持した
まま火花電圧を高めている。また従来例4〜5の3級カ
ルボン酸を用いた電解液との比較では比電導度低下率を
同レベルに小さく維持したまま電圧400Vまでの到達
時間を短縮し化成性、酸化皮膜修復能力を向上させてい
る。さらに比電導度を同レベルに維持したまま火花電圧
を高めている。また従来例1〜6の電解液は比電導度低
下率、化成性(400Vまでの到達時間)、火花電圧の
いずれかに欠点を有するが、実施例1〜6の電解液はこ
れといった欠点を有さず、非常に性能のバランスが良好
な電解液である。
動用電解液は、高温での比電導度低下が小さく、かつ化
成性も良く、比電導度、火花電圧がともに高い。この電
解液を中高圧級電解コンデンサに用いれば、その電解コ
ンデンサの長寿命化、高信頼化が可能となるもので、工
業的価値の大なるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 エチレングリコールを含む溶媒に、3級
カルボキシル基を有するカルボン酸(A)および/また
はその塩と、2級カルボキシル基を有するカルボン酸
(B)および/またはその塩とを溶解させたことを特徴
とする電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項2】 カルボン酸(A)が、3級モノカルボン
酸および/または3級ジカルボン酸である請求項1記載
の電解液。 - 【請求項3】 カルボン酸(A)が、一般式(1)で表
される総炭素数5〜20の3級モノカルボン酸、一般式
(2)または一般式(3)で表される総炭素数8〜30
の3級ジカルボン酸である請求項1または2に記載の電
解液。一般式 (式中R1、R2、R3は直鎖または分枝の炭化水素基
を表し、これらのうちいずれか2つ以上が結合して環状
構造を形成してもよい。) 一般式 一般式 (両式中R4、R5、R6、R7、Xは直鎖または分枝
の炭化水素基を表し、これらのうちいずれか2つ以上が
結合して環状構造を形成してもよい。) - 【請求項4】 カルボン酸(B)が、2級モノカルボン
酸および/または2級ジカルボン酸である請求項1〜3
いずれか記載の電解液。 - 【請求項5】 カルボン酸(B)が、一般式(4)で表
される総炭素数4〜15の2級モノカルボン酸、一般式
(5)または一般式(6)で表される総炭素数6〜30
の2級ジカルボン酸である請求項1〜4いずれか記載の
電解液。一般式 (式中R8は直鎖または分枝の鎖状炭化水素基を表
す。) 一般式 一般式 (両式中R9、R10、Yは直鎖または分枝の炭化水素
基を表す。) - 【請求項6】 3級カルボキシル基のモル濃度と2級カ
ルボキシル基のモル濃度の比が(90:10)〜(4
0:60)の範囲である請求項1〜5いずれか記載の電
解液。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の電解液を用
いた電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08558393A JP3373884B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08558393A JP3373884B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06275472A JPH06275472A (ja) | 1994-09-30 |
JP3373884B2 true JP3373884B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=13862840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08558393A Expired - Lifetime JP3373884B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3373884B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4019230B2 (ja) * | 1997-05-19 | 2007-12-12 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ用電解液 |
BRPI0214846B1 (pt) | 2001-12-11 | 2016-01-26 | Okamura Oil Mill Ltd | composição para solução eletrolítica e processo para a produção da mesma |
JP4619820B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2011-01-26 | 三洋化成工業株式会社 | 電解液 |
CN101572186B (zh) * | 2008-04-30 | 2011-09-21 | 深圳新宙邦科技股份有限公司 | 一种铝电解电容器的电解液及其溶质的制备方法 |
CN101521117B (zh) * | 2009-03-27 | 2011-06-29 | 深圳新宙邦科技股份有限公司 | 一种铝电解电容器电解液用α位含支链的二元羧酸的制备方法 |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP08558393A patent/JP3373884B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06275472A (ja) | 1994-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3373884B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ | |
JP2018191007A (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JP3373889B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ | |
JPH06302475A (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
KR100922706B1 (ko) | 전해액용 조성물 및 이의 제조방법 | |
JP6131136B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ | |
JP4637685B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2921363B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JP2998850B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JP2998849B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JPH0770444B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JP4307093B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP3172204B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JPS62254415A (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
JP3175330B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JPH0684705A (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ | |
JP2002270472A (ja) | 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ | |
JP2004128275A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液及び電解コンデンサ | |
JP4404761B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP2015117193A (ja) | 環状アルキレン基を有するジカルボン酸 | |
JP4641458B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液 | |
JP4612430B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用電解液 | |
JP4555158B2 (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液および電解コンデンサ | |
JP2021086870A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ | |
JP2012009653A (ja) | 電解コンデンサの駆動用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122 Year of fee payment: 11 |