JP2015113603A - 防水扉装置 - Google Patents

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【課題】止水板が浮上する際のシール性を維持しつつ、止水板の円滑な浮上を実現可能とする。【解決手段】防水扉装置1において、集水ピット2の内面に、下限位置からの止水板3の浮上をガイドするガイド体(上ガイドレール17B、下ガイドレール18B)を設けると共に、上ガイドレール17Bと下ガイドレール18Bとの厚みの変更により、浮上中の止水板3を鉛直方向から傾斜させるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の入口等に設けられ、集中豪雨等の出水時には水の浮力によって床面から止水板を突出させて室内側への浸水を防止する防水扉装置に関する。
防水扉装置は、床面より下部に形成した集水ピット内に、止水板を上下動可能に設け、出水時に集水ピット内へ水が浸入すると、浮力により止水板を集水ピットの開口から上方に突出させて室内側への浸水を防水する(例えば特許文献1,2参照)。
この防水扉装置においては、止水板と集水ピット(止水板の上下動をガイドするために集水ピットから上方へ突設されたガイド部材も含む)との間にシール部材を設けて、止水板と集水ピットとの間のシールを図っている。特に特許文献1では、ガイド部材における止水板との対向面をテーパ面として、止水板が浮上するに従ってテーパ面によってシール部材の方に押圧することで、高いシール性を得るようにしている。
特開平7−197751号公報 特開2000−345537号公報
しかし、止水板の押圧力が強くなると摺動抵抗が増加して止水板の浮上が円滑に行われない場合がある。かといって押圧力を弱めると浮上中のシール性が低下し、室内側へ浸水させるおそれが生じてしまう。
そこで、本発明は、止水板が浮上する際のシール性を維持しつつ、止水板の円滑な浮上を実現可能とする防水扉装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、床面より下方に形成されて床面に開口し、左右両側に床面より上方に突出する一対のガイド枠を有する集水ピットと、その集水ピット内に収容されてガイド枠に沿って上下動可能で、外面に集水ピットの内面に当接するシール部材を有する止水板とを備え、集水ピット内への水の浸入により、ガイド枠の間に止水板を浮上させてシール部材によってガイド枠の間を密閉する防水扉装置であって、集水ピットの内面に、下限位置からの止水板の浮上をガイドするガイド体を設けると共に、ガイド体の厚みの変更により、浮上中の止水板を鉛直方向から傾斜させることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、止水板の両側で上下位置に転動部材を、平面視で重ならないように左右方向に位置をずらしてそれぞれ設け、ガイド体を、上側の転動部材に対応する上側ガイド体と、下側の転動部材に対応する下側ガイド体とに分割して設けて、上側の転動部材が上側ガイド体に沿って、下側の転動部材が下側ガイド体に沿ってそれぞれ転動することで、止水板の浮上をガイドすると共に、上側ガイド体と下側ガイド体との厚みを変更することで、浮上中の止水板を傾斜させることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、上側ガイド体の厚みを下側ガイド体の厚みよりも大きくすることで、浮上中の止水板を、下端が上端よりも集水ピットの内面に近づく姿勢に傾斜させることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、浮上中の止水板を鉛直方向から傾斜させるようにしたことで、止水板が浮上する際のシール性を維持しつつ、止水板の円滑な浮上を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、左右方向に位置をずらした転動部材を上下に分割したガイド体に沿って転動させるようにしたことで、止水板の上下ストロークにかかわらず浮上中の傾斜姿勢を簡単に設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、シール部材の下側の押し付け量を上側より多くして安定したシール性を確保することができる。
防水扉装置の分解斜視図である。 防水扉装置の平面図である。 図2のX−X線断面図である(止水板は下限位置)。 図2のX−X線断面図である(止水板は上限位置)。 図3のY−Y線断面図である。 (a)は図3のZ−Z線断面図、(b)は図3のW−W線断面図である。 防水扉装置の作動を示す断面説明図で、(a)は止水板の下限位置、(b)は止水板の浮上途中、(c)は止水板の上限位置をそれぞれ示す。 (a)は図7のA部及びB部拡大図、(b)は図7のC部及びD部拡大図、(c)は図7のE部及びF部拡大図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、防水扉装置の一例を示す分解斜視図である。この防水扉装置1は、建物の出入口の床面Gに出入口を横断する方向で埋設された集水ピット2と、その集水ピット2内に収容された止水板3とを有する。集水ピット2は、上面のみを開口した横長の箱状で、開口を床面Gに一致させて床面Gより下方に埋設されている。集水ピット2の長手方向の両端には、互いに対向する平面視コ字状のガイド枠4,4が、開口よりも上方へ突出するように一体に連設されている。このガイド枠4は、図2に示すように、出入口の両側に位置する建物の壁W内に埋め込まれて、出入口内に突出しないようになっている。
なお、図1における集水ピット2の右上側、図2における集水ピット2の下側がそれぞれ建物の外側となり、図1における集水ピット2の左下側、図2における集水ピット2の上側がそれぞれ建物の内側となる。本形態では外側を前方、内側を後方として説明する。
集水ピット2の前方には、集水ピット2よりも左右幅の小さい一次ピット5が隣接して形成されて、集水ピット2の開口際に設けた連通孔6,6・・により、集水ピット2と一次ピット5とが連通している。7は、一次ピット5の開口を閉塞するグレーチングで、一次ピット5の底面には、図示しない排水溝に接続される排水管8(図5)が接続されている。
止水板3は、集水ピット2の開口よりも一回り小さいサイズで六面を金属板で形成したパネル状で、内部に発泡ウレタン等の比重の小さい浮力材が充填されている。止水板3の上面には、後述する上下ガイドレールを除いて集水ピット2の開口を略閉塞するカバー板9が取り付けられている。
一方、集水ピット2の底面には、止水板3の底面を受ける下ストッパ10,10が設けられている。この下ストッパ10へ当接する止水板3の下限位置では、図3に示すように、止水板3は床面Gより下方に位置してカバー板9の上面が床面Gと一致する。ガイド枠4,4の上端には、蓋部材11,11がそれぞれ取り付けられて、各蓋部材11の下面には、止水板3のカバー板9を受ける上ストッパ12が設けられている。この上ストッパ12,12へ当接する止水板3の上限位置では、図4に示すように、止水板3は床面Gから突出してガイド枠4,4の間に位置するものとなる。
止水板3の左右幅は、図3に示すように集水ピット2のガイド枠4,4の内法よりも大きくなっており、後面には、左右及び下側の周縁に沿って倒コ字状のシール部材13が設けられている。このシール部材13は、止水板3の下限位置では、同図に示すように床面Gよりも下側で集水ピット2の後方側の内面に当接し、止水板3の上限位置では、図4に示すように鉛直方向の両端部がガイド枠4,4の後方側の内面に、水平方向の基端部が床面Gよりも下側で集水ピット2の後方側の内面にそれぞれ当接することで、集水ピット2と止水板3との間をシールするものである。
また、止水板3の左右の側面には、上転動部材としての上ローラ14,14と、下転動部材としての下ローラ15,15とがそれぞれ回転可能に設けられている。ここでは上ローラ14の支持軸16が下ローラ15の図示しない支持軸よりも長く形成されることで、平面視で上ローラ14が左右方向の外側、下ローラ15がその内側に位置して、上下ローラ14,15が平面視で重ならない配置となっている。
そして、集水ピット2の前後の内面で左右両側には、上ガイドレール17A,17Bと、下ガイドレール18A,18Bとが設けられている。上ガイドレール17A,17Bは、止水板3の上ローラ14の前後に位置してガイド枠4に沿って設けられ、止水板3の下限位置では上ローラ14が上ガイドレール17A,17Bの下端間に位置し、止水板3の上限位置では上ローラ14が上ガイドレール17A,17Bの上端間に位置するようになっている。また、下ガイドレール18A,18Bは、下ローラ15の前後に位置して止水板3の左右側面に沿って設けられ、止水板3の下限位置では下ローラ15が下ガイドレール18A,18Bの下端間に位置し、止水板3の上限位置では下ローラ15が下ガイドレール18A,18Bの上端間に位置するようになっている。
ここで、後方(内側)に位置する上側ガイド体としての上ガイドレール17Bは、図5に示すように、下側ガイド体としての後方の下ガイドレール18Bよりも前後方向の厚みが大きく形成されている。但し、上ガイドレール17Bの下端部と下ガイドレール18Bの下端部とは、それぞれ前方への突出量が最大となる同じ厚さの最厚部19、20となっている。また、上ガイドレール17Bの上端部は、最厚部20を除く下ガイドレール18Bと同じ厚さの最薄部21となっている。なお、上ガイドレール17Bの中間部と最厚部19及び最薄部21と、下ガイドレール18Bの中間部と最厚部20とはそれぞれ傾斜面で連続している。一方、前方(外側)に位置する上ガイドレール17A及び下ガイドレール18Aは、共に下ガイドレール18Bの中間部と同じ厚さとなっている。
以上の如く構成された防水扉装置1においては、止水板3の下限位置では、前述のように止水板3は集水ピット2内に没入してカバー板9を開口面に露出させる。このとき上ローラ14は、図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように、前後の上ガイドレール17A,17Bの下端間に位置して後方の上ガイドレール17Bの最厚部19に当接し、下ローラ15は、図6(b)、図7(a)、図8(a)に示すように、前後の下ガイドレール18A,18Bの下端間に位置して後方の下ガイドレール18Bの最厚部20に当接する。前述のように上ガイドレール17Bの最厚部19の厚み(図7のD1)と下ガイドレール18Bの最厚部20(図7のD2)とは同じであるため、止水板3は鉛直姿勢となる。
この状態で外側に雨等が降ると、通常は床面Gから一次ピット5に水が浸入しても排水管8を介して排水溝に流れるため、集水ピット2には水は浸入しない。
しかし、集中豪雨等により排水溝の水位が上がって排水能力を超えると、一次ピット5に浸入した水が連通孔6を介して集水ピット2に流れ込み、集水ピット2に水が溜まり始める。そして、集水ピット2内の水位が上がると、それに応じて止水板3が浮上し始める。止水板3は外側からの水圧によって集水ピット2の後方内面に押し付けられるため、図7(b)、図8(b)に示すように、上ローラ14は後方の上ガイドレール17Bの最厚部19より上方の中間部に沿って、下ローラ15は後方の下ガイドレール18Bの最厚部20より上方の中間部に沿ってそれぞれ転動することになるが、ここでは上ガイドレール17Bの中間部の方が下ガイドレール18Bの中間部よりも肉厚であるため、止水板3は鉛直方向から上端が外側へ傾く傾斜姿勢のまま上昇する。このとき図8(b)に示すように、上ローラ14と前方の上ガイドレール17Aとの間には隙間D3が生じ、下ローラ15と前方の下ガイドレール18Aとの間には、隙間D3より大きい隙間D4が生じる。
従って、シール部材16は、下側が強く集水ピット2の内面に押し付けられるが、上側は押し量が小さいので、摺動抵抗はさほど大きくならず、止水板3はシール性を保ったまま円滑に浮上できる。
そして、カバー板9が上ストッパ12に当接して止水板3が上限位置に達すると、図7(c)、図8(c)に示すように、上ローラ14は上ガイドレール17A,17Bの上端に達し、下ローラ15は下ガイドレール18A,18Bの上端に達する。すなわち、上ローラ14は内側の上ガイドレール17Bの最薄部21に当接し、下ローラ15は最薄部21と同じ厚みの下ガイドレール18Bの上端に当接することになるため、止水板3は再び鉛直姿勢となる。このとき上ローラ14と前方の上ガイドレール17Aとの間の隙間D5と、下ローラ15と前方の下ガイドレール18Aとの間の隙間D6とは等しくなる。
なお、水位が下がる際は、浮上時と逆に上下ローラ14,15が上ガイドレール17A,17B間から下ガイドレール18A,18B間を転動することで、止水板3は上限位置から下がる際には傾斜姿勢となり、下限位置で鉛直姿勢に復帰することになる。
このように、上記形態の防水扉装置1によれば、集水ピット2の内面に、下限位置からの止水板3の浮上をガイドするガイド体(上ガイドレール17B、下ガイドレール18B)を設けると共に、上ガイドレール17Bと下ガイドレール18Bとの厚みの変更により、浮上中の止水板3を鉛直方向から傾斜させるようにしたことで、止水板3が浮上する際のシール性を維持しつつ、止水板3の円滑な浮上を実現することができる。
特にここでは、止水板3の両側で上下位置に上ローラ14及び下ローラ15を、平面視で重ならないように左右方向に位置をずらしてそれぞれ設け、ガイド体を、上ローラ14に対応する上ガイドレール17Bと、下ローラ15に対応する下ガイドレール18Bとに分割して設けて、上ローラ14が上ガイドレール17Bに沿って、下ローラ15が下ガイドレール18Bに沿ってそれぞれ転動することで、止水板3の浮上をガイドすると共に、上ガイドレール17Bと下ガイドレール18Bとの厚みを変更することで、浮上中の止水板3を傾斜させるようにしているので、止水板3の上下ストロークにかかわらず浮上中の傾斜姿勢を簡単に設定することができる。
そして、上ガイドレール17Bの厚みを下ガイドレール18Bの厚みよりも大きくすることで、浮上中の止水板3を、下端が上端よりも集水ピット2の内面に近づく姿勢に傾斜させるようにしているので、シール部材13の下側の押し付け量を上側より多くして安定したシール性を確保することができる。
なお、上記形態では、上ローラを左右方向の外側、下ローラをその内側にそれぞれ配置しているが、これと逆に上ローラを左右方向の内側、下ローラをその外側に配置してもよい。また、ローラは左右2個ずつに限らず、3個以上設けることもできる。但し、これらの転動部材を省略して、止水板の両側縁等に、ガイド体に摺接する円弧状の突起等を一体に設けることもできる。
また、上下ガイドレールは、別体のものを集水ピットの内面に固着する構造の他、集水ピットの内面へ一体に形成することもできるし、外側の上下ガイドレールを省略して内側の上下ガイドレールのみ設けてもよい。
さらに、ガイド体は、上ガイドレールと下ガイドレールとに分割する構造に限らず、止水板の上下ストロークが小さければ上下方向へ連続状に設けることも可能である。
1・・防水扉装置、2・・集水ピット、3・・止水板、4・・ガイド枠、5・・一次ピット、9・・カバー板、13・・シール部材、14・・上ローラ、15・・下ローラ、17A,17B・・上ガイドレール、18A,18B・・下ガイドレール、19,20・・最厚部、21・・最薄部、G・・床面、W・・壁。

Claims (3)

  1. 床面より下方に形成されて前記床面に開口し、左右両側に前記床面より上方に突出する一対のガイド枠を有する集水ピットと、その集水ピット内に収容されて前記ガイド枠に沿って上下動可能で、外面に前記集水ピットの内面に当接するシール部材を有する止水板とを備え、前記集水ピット内への水の浸入により、前記ガイド枠の間に前記止水板を浮上させて前記シール部材によって前記ガイド枠の間を密閉する防水扉装置であって、
    前記集水ピットの内面に、下限位置からの前記止水板の浮上をガイドするガイド体を設けると共に、前記ガイド体の厚みの変更により、浮上中の前記止水板を鉛直方向から傾斜させることを特徴とする防水扉装置。
  2. 前記止水板の両側で上下位置に転動部材を、平面視で重ならないように左右方向に位置をずらしてそれぞれ設け、前記ガイド体を、上側の前記転動部材に対応する上側ガイド体と、下側の前記転動部材に対応する下側ガイド体とに分割して設けて、上側の前記転動部材が前記上側ガイド体に沿って、下側の前記転動部材が前記下側ガイド体に沿ってそれぞれ転動することで、前記止水板の浮上をガイドすると共に、前記上側ガイド体と前記下側ガイド体との厚みを変更することで、浮上中の前記止水板を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の防水扉装置。
  3. 前記上側ガイド体の厚みを前記下側ガイド体の厚みよりも大きくすることで、浮上中の前記止水板を、下端が上端よりも前記集水ピットの内面に近づく姿勢に傾斜させることを特徴とする請求項2に記載の防水扉装置。
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