JP2015111656A - 蓄電モジュール、蓄電装置および蓄電モジュールの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電モジュール、蓄電装置および蓄電モジュールの制御方法を提供すること。【解決手段】蓄電モジュール1は、正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える第1蓄電セル10−1および第2蓄電セル10−2と、第1蓄電セル10−1および第2蓄電セル10−2を制御する第1制御部60と、を有し、第1蓄電セル10−1の負極端子19−1と、第2蓄電セル10−2の正極端子18−2とは、電気的に接続されており、第1制御部60は、第1蓄電セル10−1および第2蓄電セル10−2の少なくとも一方に対して、第4電極の電位を基準として、正極または負極の電位を測定する測定処理と、測定処理で測定された正極または負極の電位に基づいて、正極および負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、を行う。【選択図】図8
Description
本発明は、蓄電モジュール、蓄電装置および蓄電モジュールの制御方法に関する。
近年、電子機器、移動体、定置用の駆動用電源として、高電圧、高エネルギー密度を有する蓄電セルが要求されている。特にリチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタは、高電圧、高エネルギー密度を有する蓄電セルとして期待されている。
このような高電圧・高エネルギー密度を有する蓄電セルにおいては、さらに高電圧環境下での充放電が繰り返されるため、電荷の偏りが経時的に起こり蓄電セルの劣化が生じやすく、長期安定性が懸念されている。
例えば、特許文献1の請求項17および請求項18には、蓄電セルを使用してから特性が劣化した後に、外部回路を通じて、プレドープ用に使用していたリチウム極を参照極として兼用し、リチウム極と負極および/または正極との間に電流を流してリチウムを供給して蓄電セルの内部抵抗の改善と容量の再生を行う事ができる旨が開示されている。
しかしながら、プレドープ用のリチウム極(金属リチウム)を補充電用電極として兼用し、完全にプレドープせずに蓄電デバイス内に配置したまま充放電を繰り返すと、金属リチウムの周辺にデンドライトが生じ、短絡による発熱や発火など安全性の面が懸念される。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電モジュール、蓄電装置および蓄電モジュールの制御方法を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができるが、特に限定されるものではない。
[適用例1]
本適用例に係る蓄電モジュールは、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える蓄電セルと、
前記蓄電セルを制御する第1制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュールである。
本適用例に係る蓄電モジュールは、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える蓄電セルと、
前記蓄電セルを制御する第1制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュールである。
[適用例2]
本適用例に係る蓄電モジュールは、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルと、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルを制御する第1制御部と、
を有し、
前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とは、電気的に接続されており、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュールである。
本適用例に係る蓄電モジュールは、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルと、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルを制御する第1制御部と、
を有し、
前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とは、電気的に接続されており、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュールである。
[適用例3]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記測定処理において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定してもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記測定処理において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定してもよい。
[適用例4]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げてもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げてもよい。
[適用例5]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げてもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げてもよい。
[適用例6]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧と、前記第2蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧とが近づくように、前記調整処理を行ってもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧と、前記第2蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧とが近づくように、前記調整処理を行ってもよい。
[適用例7]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、前記正極および前記負極と離間して配置されていてもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、前記正極および前記負極と離間して配置されていてもよい。
[適用例8]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、
内部に収容部を有する外装容器をさらに備え、
前記収容部に、前記正極と前記負極とが絶縁されて交互に積層された電極ユニットと、前記電解液または前記電解質と、前記第4電極の一部と、前記負極または前記正極に対向して配置された前記リチウムイオン供給源と、が収容され、
前記第4電極の他の一部は、前記外装容器から突出して設けられ、
前記正極は、貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質を含有する正極電極層を有し、
前記負極は、貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質を含有する負極電極層を有し、
前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、前記負極または前記正極にリチウムイオンがドープされていてもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、
内部に収容部を有する外装容器をさらに備え、
前記収容部に、前記正極と前記負極とが絶縁されて交互に積層された電極ユニットと、前記電解液または前記電解質と、前記第4電極の一部と、前記負極または前記正極に対向して配置された前記リチウムイオン供給源と、が収容され、
前記第4電極の他の一部は、前記外装容器から突出して設けられ、
前記正極は、貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質を含有する正極電極層を有し、
前記負極は、貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質を含有する負極電極層を有し、
前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、前記負極または前記正極にリチウムイオンがドープされていてもよい。
[適用例9]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有していてもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有していてもよい。
[適用例10]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に放電状態にある材料、または、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に充電状態にある材料の少なくとも1種であってもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に放電状態にある材料、または、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に充電状態にある材料の少なくとも1種であってもよい。
[適用例11]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、リチウム金属酸化物、ポリアニオン系材料、共役系高分子、遷移金属酸化物、炭素材、シリコン合金または錫合金から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、リチウム金属酸化物、ポリアニオン系材料、共役系高分子、遷移金属酸化物、炭素材、シリコン合金または錫合金から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
[適用例12]
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、リチウムイオンキャパシタであってもよい。
上述の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、リチウムイオンキャパシタであってもよい。
[適用例13]
本適用例に係る蓄電装置は、
上述の複数の蓄電モジュールと、
前記蓄電モジュールのそれぞれが有する前記第1制御部を制御する第2制御部と、
を有している、蓄電装置である。
本適用例に係る蓄電装置は、
上述の複数の蓄電モジュールと、
前記蓄電モジュールのそれぞれが有する前記第1制御部を制御する第2制御部と、
を有している、蓄電装置である。
[適用例14]
上述の蓄電装置において、
前記第1制御部および前記第2制御部は、デイジーチェーン接続されていてもよい。
上述の蓄電装置において、
前記第1制御部および前記第2制御部は、デイジーチェーン接続されていてもよい。
[適用例15]
上述の蓄電装置において、
絶縁しつつ信号を伝送する絶縁伝送部をさらに有し、
前記第2制御部は、前記絶縁伝送部を介して前記第1制御部を制御してもよい。
上述の蓄電装置において、
絶縁しつつ信号を伝送する絶縁伝送部をさらに有し、
前記第2制御部は、前記絶縁伝送部を介して前記第1制御部を制御してもよい。
[適用例16]
上述の蓄電装置において、
前記複数の蓄電モジュールは、電気的に直列に接続されていてもよい。
上述の蓄電装置において、
前記複数の蓄電モジュールは、電気的に直列に接続されていてもよい。
[適用例17]
本適用例に係る蓄電モジュールの制御方法は、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える蓄電セルを有する蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法である。
本適用例に係る蓄電モジュールの制御方法は、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える蓄電セルを有する蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法である。
[適用例18]
本適用例に係る蓄電モジュールの制御方法は、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルを有し、前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とが電気的に接続されている蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法である。
本適用例に係る蓄電モジュールの制御方法は、
正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルを有し、前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とが電気的に接続されている蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法である。
[適用例19]
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定してもよい。
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定してもよい。
[適用例20]
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げてもよい。
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げてもよい。
[適用例21]
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げてもよい。
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げてもよい。
[適用例22]
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有する、蓄電モジュールの制御方法。
上述の蓄電モジュールの制御方法において、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有する、蓄電モジュールの制御方法。
蓄電セルの例であるリチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池を長期使用した場合、蓄電セル内における正極および負極の電位は変化する場合がある。蓄電セル内における正極および負極の電位が上昇した場合には、このまま充放電サイクルを繰り返すと正極の電位は益々上昇するので、電解液が酸化分解してガスが発生し、蓄電セルの容量が低下して使用できなくなる可能性がある。また、蓄電セル内における正極および負極の電位が下降した場合には、正極の劣化や、負極電位が0Vに近づくことによるリチウムの析出が生じる可能性がある。したがって、蓄電セルの寿命を延ばすためには、状況に応じて正極または負極の電位を調整する必要がある。本発明によれば、第4電極から外部回路を通じて、正極および/または負極に電流を流す(正極および/または負極から第4電極に電流を流す)ことで蓄電セル内における正極および/または負極の電位を調整することができる。すなわち、リチウムイオン供給源ではなく、基材上にリチウム金属以外の材料を有する第4電極と正極および/または負極との電位差を測定して、正極および/または負極の調整する事で劣化を抑制する事ができる。なお、正極および/または負極の電位は、少しでも調整できれば劣化抑制効果が得られるが、初期状態(蓄電セルの組み立て時の状態)に戻すことが好ましい。
例えば、第4電極にリチウム金属酸化物を用いた蓄電セルを用いる場合には、充電時の第4電極と正極および負極との電位差が、初期充電時の電位差から変化が生じた場合に、第4電極と正極および負極の少なくとも一方との間に電流を流して初期充電時(初期状態)の正極と負極との電位差になるように調整することで劣化を抑制することができる。
また例えば、第4電極にコバルト酸リチウムを用いたリチウムイオンキャパシタ(蓄電セル)を用いる場合には、初期充電時に第4電極と正極とを短絡した状態で充電し、充電完了後に第4電極と正極の短絡を解除する。この時、第4電極と正極との電位は等しくなる。このリチウムイオンキャパシタが充放電サイクルを繰り返した場合には、蓄電セル内における正極の電位は上昇し、第4電極の電位よりも高くなる。この場合にも上述のように、第4電極から正極に電子を流すが、この場合には第4電極よりも正極の電位が高くなっているので、第4電極と正極とを抵抗を介して短絡することで、簡便に正極の電位をもとの第4電極と同じ電位に戻すことができる。その結果、充放電サイクルを繰り返したとしても、蓄電セルの長寿命化を図ることができる。さらに、第4電極に金属リチウムを使用していないため、デンドライトが発生しないので、短絡による発熱や発火などの不具合の発生を抑制する事ができる。
また、複数のリチウムイオンキャパシタを直列接続した蓄電モジュールを長期間使用すると、各リチウムイオンキャパシタの間で電圧のバラつきが生じる。例えば、1つのリチウムイオンキャパシタが劣化して正極および/または負極の電位が上昇したまま使用し続けると、劣化したリチウムイオンキャパシタが使用できなくなり、この1つのリチウムイオンキャパシタのために蓄電モジュール全体が使用できなくなる。そのため、一般的には均等化回路が設けられ、1つのリチウムイオンキャパシタが劣化して正極および/または負極の電位が高くなっても、そのリチウムイオンキャパシタに対して抵抗を介して放電させることで一時的に劣化を抑制し、蓄電モジュールの寿命を延ばしているのが現状である。しかしながら、リチウムイオンキャパシタ内部で正極および/または負極の電位が上昇した場合は、一般的な蓄電モジュールの均等化回路でリチウムイオンキャパシタの正極と負極との間のセル電圧を均等化しても、蓄電セル内部の正極および/負極の電位は上昇した状態(例えば正極は初期状態の3.9Vから0.1V上昇した4.0Vの高電位状態が維持され、負極は初期状態の0.1Vから0.1V上昇した0.2Vの高電位状態が維持された状態)であり、抵抗を使用して一時的にセル電圧(正極電位と負極電位の差分の電圧)を他のセル電圧と均等になるように下げた状態にしても、正極および/負極の電位の電位が初期状態に戻るものではないので、セルの劣化を抑制することはできなかった。本
発明では、蓄電セルの内部を第4電極にて監視することで初期充電時からの正極および/または負極の電位変化を抑制することにより、長期信頼性および安全性の高い蓄電モジュールが提供できる。
発明では、蓄電セルの内部を第4電極にて監視することで初期充電時からの正極および/または負極の電位変化を抑制することにより、長期信頼性および安全性の高い蓄電モジュールが提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.蓄電モジュール
1−1.蓄電セルの全体構成
図1は、本実施形態に係る蓄電セル10の一例を示す平面図である。また、図2は、図1に示す蓄電セル10におけるX−X断面を示す説明用断面図である。また、図3は、図1に示す蓄電セル10におけるY−Y断面を示す説明用断面図である。
1−1.蓄電セルの全体構成
図1は、本実施形態に係る蓄電セル10の一例を示す平面図である。また、図2は、図1に示す蓄電セル10におけるX−X断面を示す説明用断面図である。また、図3は、図1に示す蓄電セル10におけるY−Y断面を示す説明用断面図である。
本実施形態に係る蓄電セル10は、正極21と、負極24と、リチウムイオン供給源29と、電解液または電解質と、第4電極35と、を備える。
以下では、蓄電セル10がリチウムイオンキャパシタである場合を具体例に挙げて説明する。
図1〜3に示される例では、蓄電セル10は、内部に収容部を有する外装容器11を備え、収容部に、正極21と負極24とが絶縁されて交互に積層された電極ユニット20と、電解液と、第4電極35の一部と、負極24または正極21に対向して配置されたリチウムイオン供給源29と、が収容されている。第4電極35の他の一部は、外装容器11から突出して設けられている。正極21は、貫通孔を有する正極集電体22上に正極活物質を含有する正極電極層23を有している。負極24は、貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質を含有する負極電極層26を有している。負極24または正極21には、リチウムイオン供給源29との電気化学的接触によって、リチウムイオンがドープされる。
図1〜3に示される例では、蓄電セル10は、正極21および負極24と離間して配置されている(接触しないように配置されている)第4電極35を有する。
図1に示される例では、外装容器11における一端および他端には、正極端子18および負極端子19が設けられている。具体的には、正極端子18および負極端子19の各々は、外装フィルム12および外装フィルム13の接合部14において挟持された状態で、一端部が外装容器11内に位置し、他端部が当該外装容器11の外部に突出するよう設けられている。そして、第4電極端子36が正極21および負極24と絶縁された状態で接合部14から外部に突出するように配置されている。外装容器11は、円筒型、角型、ラミネート型等を適宜使用することができ、特に限定されない。
図1〜3に示される例では、正極21と負極24とが交互に積層されることによって、電極ユニット20が構成されている。この電極ユニット20は、外装容器11の収容部に、電解液等と共に収容されている。電極ユニット20は、正極21と負極24との積層体が捲回されて構成されていてもよい。
本実施形態に係る蓄電セル10において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
本実施形態に係る蓄電セル10において、正極21の正極電極層23には、正極活物質が含有され、負極24の負極電極層26には、負極活物質が含有されている。また、正極電極層23または負極電極層26には、リチウムイオンおよびアニオンが予めドープされている。本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入をも意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいは、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出をも意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
正極21および負極24の少なくとも一方にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等を備えるリチウムイオン供給源29をリチウム極として外装容器11の収容部に配置し、正極21および負極24の少なくとも一方とリチウムイオン供給源29との電気化学的接触によって、リチウムイオンをドープさせる方法が用いられる。
なお、リチウムイオン供給源29を外装容器11の収容部に局所的に配置して電気化学的接触させることによっても、正極21および負極24の少なくとも一方にリチウムイオンを均一にドープすることができる。このように構成することによって、正極21および負極24が積層された、またはさらに捲回された大容量の電極ユニット20を構成する場合にも、正極21および負極24の少なくとも一方に円滑にかつ均一にリチウムイオンをドープすることができる。
1−2.電極ユニット
電極ユニット20は、複数の正極21と複数の負極24とがセパレータSを介して互いに対向するよう交互に積層されることによって構成されている。正極21の各々は、正極集電体22と、この正極集電体22の両面の各々に形成された正極電極層23とにより構成されている。また、負極24の各々は負極集電体25と、この負極集電体25の一面または両面に形成された負極電極層26とにより構成されている。
電極ユニット20は、複数の正極21と複数の負極24とがセパレータSを介して互いに対向するよう交互に積層されることによって構成されている。正極21の各々は、正極集電体22と、この正極集電体22の両面の各々に形成された正極電極層23とにより構成されている。また、負極24の各々は負極集電体25と、この負極集電体25の一面または両面に形成された負極電極層26とにより構成されている。
正極21の各々における正極集電体22は、金属製のシート状の正極リード部材31を
介して正極端子18に電気的に接続されている。図2に示される例では、正極端子18における外装容器11内に位置する一端部に、正極リード部材31における端子接合用端部31aの各々が、束ねられた状態で溶接などによって固定されている。また、負極24の各々における負極集電体25は、それぞれ金属製のシート状の負極リード部材32を介して負極端子19に電気的に接続されている。図2に示される例では、負極端子19における外装容器11内に位置する一端部に、負極リード部材32における端子接合用端部32aの各々が、束ねられた状態で溶接などによって固定されている。
介して正極端子18に電気的に接続されている。図2に示される例では、正極端子18における外装容器11内に位置する一端部に、正極リード部材31における端子接合用端部31aの各々が、束ねられた状態で溶接などによって固定されている。また、負極24の各々における負極集電体25は、それぞれ金属製のシート状の負極リード部材32を介して負極端子19に電気的に接続されている。図2に示される例では、負極端子19における外装容器11内に位置する一端部に、負極リード部材32における端子接合用端部32aの各々が、束ねられた状態で溶接などによって固定されている。
電極ユニット20において、最上層の正極21の上面には、セパレータSを介してリチウムイオン供給源29が配置されている。また、最下層の負極24の下面には、セパレータSを介してリチウムイオン供給源29が配置されている。このリチウムイオン供給源29は、リチウム箔27がリチウム極集電体28に形成されて構成されている。そして、リチウムイオン供給源29の各々は、リチウム箔27がセパレータSを介して正極電極層23または負極電極層26に対向するよう配置されている。また、そして、リチウム極集電体28は、負極端子19に電気的に接続されている。図2に示される例では、負極端子19における外装容器11内に位置する一端部に、リチウム極集電体28の一端の各々が、負極リード部材32と共に束ねられた状態で溶接などによって固定されている。このように、負極24とリチウムイオン供給源29とを電気的に接続することによって、負極電極層26の各々にリチウムイオンを均一にドープすることができる。
1−3.集電体
正極21および負極24における正極集電体22および負極集電体25(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)としては、金属箔を用いることができる。また、電極集電体としては、リチウムイオン供給源29から放出されるリチウムイオンを負極電極層26または正極電極層23にドーピングするために、表裏面を貫通する複数の貫通孔を有する多孔材を用いることが好ましい。多孔材の具体的な形態としては、パンチングメタル、発泡体、あるいはエッチング若しくは電解エッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔などが挙げられる。電極集電体の貫通孔の形状は、円形、矩形等の多角形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
正極21および負極24における正極集電体22および負極集電体25(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)としては、金属箔を用いることができる。また、電極集電体としては、リチウムイオン供給源29から放出されるリチウムイオンを負極電極層26または正極電極層23にドーピングするために、表裏面を貫通する複数の貫通孔を有する多孔材を用いることが好ましい。多孔材の具体的な形態としては、パンチングメタル、発泡体、あるいはエッチング若しくは電解エッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔などが挙げられる。電極集電体の貫通孔の形状は、円形、矩形等の多角形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
電極集電体においては、複数の貫通孔の平均孔径が300μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上100μm以下である。電極集電体における貫通孔の平均孔径が過大である場合には、正極電極層23または負極電極層26に対して、リチウムイオンを均一にドーピングすることが困難となることがある。また、正極電極層23および負極電極層26におけるイオン濃度に偏りが生じることに起因して、耐久性が低下する場合がある。
また、電極集電体の気孔率は5%以上70%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30%以上60%以下である。ここで、気孔率は、下記数式(1)によって算出されるものである。
数式(1):
気孔率(%)=[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100
気孔率(%)=[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100
正極集電体22を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレスなどを用いることができる。また、負極集電体25を構成する材料としては、ステンレス、銅、ニッケルなどを用いることができる。
このような特定の多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源29から放出されるリチウムイオンを、電極集電体の貫通孔を通って、表側面から裏側面へと自由に移動させることができる。このため、リチウムイオン供給源29によって負極電極層26または正極電極層23に対して均一にリチウムイオンをドーピングすることができる。また、全ての電極集電体として多孔材を使用した場合には、リチウムイオンは各電極間を自由に移動するため、より均一にドーピングすることができるので、より好ましい。
1−4.電極層
正極21における正極電極層23には、正極活物質が含有されている。正極活物質としては、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持する(ドープおよび脱ドープする)ことが可能な物質を用いることができる。
正極21における正極電極層23には、正極活物質が含有されている。正極活物質としては、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持する(ドープおよび脱ドープする)ことが可能な物質を用いることができる。
負極24における負極電極層26には、負極活物質が含有されている。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持する(ドープおよび脱ドープする)ことが可能な物質を用いることができる。
正極電極層23の厚みは、得られる蓄電セル10に十分なエネルギー密度が確保されるよう、負極電極層26の厚みとのバランスを考慮して設計される。具体的には、得られる蓄電セル10の出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、正極集電体22の一面に形成される場合では、正極電極層23の厚みは、通常、15μm以上300μm以下、好ましくは20μm以上200μm以下である。また、正極電極層23を形成する際には、正極集電体22の表面に予め下地層を塗布してもよい。下地層は抵抗が高くならない程度の厚みであればよいが、通常、10μm以上60μm以下である。
負極電極層26の厚みは、得られる蓄電セル10に十分なエネルギー密度が確保されるよう、正極電極層23の厚みとのバランスを考慮して設計される。具体的には、得られる蓄電セル10の出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、負極集電体25の一面に形成される場合では、負極電極層26の厚みは、通常、15μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上100μm以下である。
1−5.正極活物質
正極電極層23に含有される正極活物質としては、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持することが可能な物質を用いることができる。
正極電極層23に含有される正極活物質としては、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持することが可能な物質を用いることができる。
このような正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子および芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)などを用いることができるが、出力の観点から活性炭が好ましい。正極活物質の比表面積は1000m2 /g以上3000m2 /g以下であり、好ましくは1500m2 /g以上2800m2 /g以下である。また、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等の遷移金属酸化物やLiMnPO4、Li2MnSiO4等のポリアニオン系材料も用いることができる。
1−6.負極活物質
負極電極層26に含有される負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持する(ドープおよび脱ドープする)ことが可能な物質を用いることができる。
負極電極層26に含有される負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持する(ドープおよび脱ドープする)ことが可能な物質を用いることができる。
このような負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化炭素、天然黒鉛よりなる芯粒子の表面がタールもしくはピッチ由来の黒鉛化物質によって被覆されてなる黒鉛系複合粒子、並びに、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子および炭素原子の原子数比(水素原子/炭素原子)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)から選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
ここで、芳香族系縮合ポリマーとは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物をいう。芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられ、また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。
1−7.第4電極
第4電極集電体33には第4電極活物質を含有する第4電極層34が積層されて構成された第4電極35がセパレータSを介して正極電極層23または負極電極層26に電気的に接触しないように、絶縁された状態で外装容器11内の最外層に配置されている。そして、第4電極集電体33と第4電極端子36とが電気的に接続されており、接合部14から突出するように外部に第4電極端子36が配置されている。そして、第4電極端子36は、正極端子18と負極端子19と接触しないように外部に突出して形成されている。なお、第4電極35は電極ユニット20の最外層でもよく、内部に配置されていてもよいが、製造工程で簡便に作成するには最外層に配置されていることが好ましい。また、配置枚数は1枚でもよいが、設計により適宜枚数を調節することができる。また、蓄電セル10の中に配置する第4電極活物質の仕込み量は、蓄電セル10の寿命を設計によって適宜決められる。
第4電極集電体33には第4電極活物質を含有する第4電極層34が積層されて構成された第4電極35がセパレータSを介して正極電極層23または負極電極層26に電気的に接触しないように、絶縁された状態で外装容器11内の最外層に配置されている。そして、第4電極集電体33と第4電極端子36とが電気的に接続されており、接合部14から突出するように外部に第4電極端子36が配置されている。そして、第4電極端子36は、正極端子18と負極端子19と接触しないように外部に突出して形成されている。なお、第4電極35は電極ユニット20の最外層でもよく、内部に配置されていてもよいが、製造工程で簡便に作成するには最外層に配置されていることが好ましい。また、配置枚数は1枚でもよいが、設計により適宜枚数を調節することができる。また、蓄電セル10の中に配置する第4電極活物質の仕込み量は、蓄電セル10の寿命を設計によって適宜決められる。
第4電極35を配置することによって、充放電を繰り返して正極21および負極24の少なくとも一方の電位がシフトした場合、下記の方法で電位をもとに戻すことができる。
正極21の場合は、第4電極35との電位差を測定して、初期充電時の値と異なり正極21が高電位にシフトしている(正極21が劣化している)場合には、第4電極端子36から外部回路を介して正極端子18に電子を流して正極21の電位を低下させる。この際、正極21の電位の方が第4電極35の電位よりも高い場合は、抵抗など用いて短絡することによって、蓄電セル10内における正極21の電位を第4電極35の電位まで簡便に下げることができる。これによって、正極21の電位のシフト(高電位シフト)を抑制することができる。また、上述の操作によって蓄電セル10内における正極21の電位を下げた場合、蓄電セル10を充電することによって、蓄電セル10内における負極24の電位も低下することになる。
負極24の場合は、第4電極35との電位差を測定して、初期充電時の値と異なり負極24が高電位にシフトしている(負極24が劣化している)場合には、第4電極端子36から外部回路を介してと負極端子19に電子を流すことによって、第4電極35の第4電極活物質(第4電極層34)からリチウムイオンを負極活物質(負極電極層26)にドープすることができる。これによって、負極24の電位のシフト(高電位シフト)を抑制することができる。また、上述の操作によって蓄電セル10内における負極24の電位を下げた場合、蓄電セル10を充電することによって、蓄電セル10内における正極21の電位も低下することになる。
上述した操作を行うことで、正極21および負極24の劣化を抑制でき、蓄電セル10としての長寿命化を図る事ができる。
なお、上述の蓄電セル10の制御方法については、「2.蓄電モジュールおよび蓄電モ
ジュールの制御方法」の項で詳述される。
ジュールの制御方法」の項で詳述される。
1−8.第4電極集電体
第4電極35を構成する第4電極集電体33としては、電極集電体と同様の金属箔を用いることができる。
第4電極35を構成する第4電極集電体33としては、電極集電体と同様の金属箔を用いることができる。
1−9.第4電極活物質
第4電極35を構成する第4電極層34は、第4電極活物質を含有する。第4電極層34に含有される第4電極活物質としては、リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な(吸蔵・放出できる)材料(但し金属リチウムを除く)を用いることができる。
第4電極35を構成する第4電極層34は、第4電極活物質を含有する。第4電極層34に含有される第4電極活物質としては、リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な(吸蔵・放出できる)材料(但し金属リチウムを除く)を用いることができる。
上述のリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、例えば、蓄電セル10の組立時に放電状態にある材料または蓄電セル10の組立時に充電状態にある材料の少なくとも1種であってもよい。ここで、放電状態とは、その材料の充放電可能な電位範囲の中で最も低い電位状態であり、充電状態とは、その材料の充放電可能な電位範囲の中で最も高い電位状態であること意味している。
また、リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、リチウム金属酸化物、ポリアニオン系材料、共役系高分子、遷移金属酸化物、炭素材、シリコン合金または錫合金から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
蓄電セル10の組立時に放電状態にある材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム金属酸化物;LiMnPO4、Li2MnSiO4等のポリアニオン系材料;ポリアニリン、ポリチオフェン等の共役系高分子が挙げられる。
蓄電セル10の組立時に充電状態にある材料としては、例えば、チタン酸リチウム、二酸化マンガン、五酸化バナジウム等の遷移金属酸化物;黒鉛、ハードカーボン等の炭素材;シリコン合金、錫合金等が挙げられる。
1−10.電極層の形成方法
本実施形態における蓄電セル10において、正極21における正極電極層23は、上記の正極活物質を含有した材料を用いて正極集電体22上に形成される。正極電極層23の形成方法は、特定されず公知の方法を利用することができる。
本実施形態における蓄電セル10において、正極21における正極電極層23は、上記の正極活物質を含有した材料を用いて正極集電体22上に形成される。正極電極層23の形成方法は、特定されず公知の方法を利用することができる。
具体的な方法の一例を挙げると、以下の通りである。
先ず、正極活物質粉末、バインダおよび必要に応じて用いられる導電性粉末が水系媒体または有機溶媒中に分散されたスラリーを調製する。そして、このスラリーを正極集電体22の表面(一面または両面)に塗布して乾燥することによって、正極電極層23を形成することができる。或いは、上記スラリーを予めシート状に成形し、得られる成形体を正極集電体22の表面(一面または両面)に貼り付けることによって、正極電極層23を形成することができる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダとしては、例えばSBR等のゴム系バンダー、ポリ四フッ化エチレンおよびポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリプロピレンおよびポリエチレン等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、必要に応じて用いられる導電性粉末としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末などが挙げられる。
また、正極集電体22上にスラリーを塗布することによって正極電極層23形成する場合においては、直接正極集電体22上にスラリーを塗布してもよく、正極集電体22にスラリーを塗布する前に、正極集電体22における少なくとも一部の貫通孔を脱落しにくい導電性材料を用いて閉塞してもよい。
このように、少なくとも一部を閉塞した状態の正極集電体22に正極電極層23を形成することにより、電極の生産性を向上させることができると共に、正極集電体22から正極電極層23が脱落することによって生じる蓄電セル10の信頼性の低下を防止または抑制することができる。
負極24における負極電極層26は、正極活物質の代わりに上記の負極活物質を含有した材料を用いることを除き、正極21における正極電極層23と同様の方法によって形成することができる。
また、第4電極35における第4電極層34は、正極活物質の代わりに上記の第4電極活物質を含有した材料を用いることを除き、正極21における正極電極層23と同様の方法によって形成することができる。
1−11.セパレータ
セパレータSとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1sec以上200sec以下の範囲内にある材料を用いることができ、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜等の中から適宜選択して用いることができ、特にポリエチレン、ポリプロピレンまたはセルロース/レーヨン製の不織布を用いることが好ましい。
セパレータSとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1sec以上200sec以下の範囲内にある材料を用いることができ、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜等の中から適宜選択して用いることができ、特にポリエチレン、ポリプロピレンまたはセルロース/レーヨン製の不織布を用いることが好ましい。
セパレータSの厚みは、例えば1μm以上100μm以下であり、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
1−12.リチウムイオン供給源(第3電極)
リチウムイオン供給源29におけるリチウム箔27の厚みは、1μm以上30μm未満であることが好ましく、より好ましくは1μm以上15μm未満である。リチウム箔27の厚みが1μm未満である場合には、負極24の負極電極層26に充分な量のリチウムイオンがドーピングされず、高容量のキャパシタを得ることが困難となる。一方、リチウム箔27の厚みが30μm以上である場合には、全てのリチウム箔27がイオン化されず、リチウム金属として残存することがある。この場合には、得られるキャパシタの容量が低下したり、残存したリチウム金属によって正極21および負極24が短絡したりするおそれがある。リチウム箔27の具体的な厚みは、負極24にドーピングされるリチウムイオンの量や、負極24の負極電極層26の表面の面積を考慮して適宜定められる。
リチウムイオン供給源29におけるリチウム箔27の厚みは、1μm以上30μm未満であることが好ましく、より好ましくは1μm以上15μm未満である。リチウム箔27の厚みが1μm未満である場合には、負極24の負極電極層26に充分な量のリチウムイオンがドーピングされず、高容量のキャパシタを得ることが困難となる。一方、リチウム箔27の厚みが30μm以上である場合には、全てのリチウム箔27がイオン化されず、リチウム金属として残存することがある。この場合には、得られるキャパシタの容量が低下したり、残存したリチウム金属によって正極21および負極24が短絡したりするおそれがある。リチウム箔27の具体的な厚みは、負極24にドーピングされるリチウムイオンの量や、負極24の負極電極層26の表面の面積を考慮して適宜定められる。
リチウムイオン供給源29におけるリチウム箔27の量は、正極21と負極24とが短絡した場合における正極21の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定されることが好ましい。
リチウム極集電体28は、前述した負極集電体25と同等の材料を用いることができる。
また、リチウムイオン供給源29が最外層とはならない場合には、第4電極35と正極21または負極24との電位差をより正確に測定できるようにするために、表裏面を貫通
する複数の貫通孔を有する多孔材を用いることが好ましい。多孔材の具体的な形態としては、パンチングメタル、発泡体、あるいはエッチング若しくは電解エッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔などが挙げられる。
する複数の貫通孔を有する多孔材を用いることが好ましい。多孔材の具体的な形態としては、パンチングメタル、発泡体、あるいはエッチング若しくは電解エッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔などが挙げられる。
1−13.正極端子および負極端子
正極端子18を構成する材料としては、例えばアルミニウム、ステンレスなどを用いることができる。
正極端子18を構成する材料としては、例えばアルミニウム、ステンレスなどを用いることができる。
また、負極端子19を構成する材料としては、例えば銅、ニッケル、スンテレスなどを用いることができる。
1−14.外装容器
外装容器11は、それぞれ矩形のラミネートフィルムよりなる一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13が、互いに重ね合わせた状態で、それぞれの外周縁部の全周にわたって形成された接合部14において相互に気密に接合されて構成されている。外装容器11の内部には、電極ユニット20を収容すると共に電解液を充填するための収容空間が形成されている。
外装容器11は、それぞれ矩形のラミネートフィルムよりなる一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13が、互いに重ね合わせた状態で、それぞれの外周縁部の全周にわたって形成された接合部14において相互に気密に接合されて構成されている。外装容器11の内部には、電極ユニット20を収容すると共に電解液を充填するための収容空間が形成されている。
図1〜3に示される例では、一方の外装フィルム13における中央部分に絞り加工が施されており、これにより、外装容器11の内部に収容空間となる収容部が形成されている。
一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13を構成するラミネートフィルムとしては、例えば内側からポリプロピレン(以下、「PP」という。)層、アルミニウム層およびナイロン層がこの順で積層されてなる三層構造を有するものを用いることができる。
一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13の縦横の寸法は、収容される電極ユニット20の寸法に応じて適宜選択されるが、例えば縦方向の寸法が40mm以上200mm以下、横方向の寸法が60mm以上300mm以下である。
1−15.電解液
電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を用いることができる。
電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を用いることができる。
リチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよい。リチウム塩の具体例としては、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、Li(C2F5SO2)2Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
1−16.固体電解質・ゲル電解質
蓄電セル10において、電解液に代えて、電解質として固体電解質またはゲル電解質を用いることができる。
蓄電セル10において、電解液に代えて、電解質として固体電解質またはゲル電解質を用いることができる。
固体電解質の具体例としては、例えば無機固体電解質材料や硫化物固体電解質材料、固
体ポリマー系材料等が挙げられる。このような固体電解質においては、さらに上述した電解液を膨潤させることもできる。
体ポリマー系材料等が挙げられる。このような固体電解質においては、さらに上述した電解液を膨潤させることもできる。
無機固体電解質材料としては、LiPON等のリン酸リチウム系、Li2S−P2S5、thio−LISICON等の硫化リチウム系、LiNbO3とLiTaO3等の複合酸化物、が挙げられる。
また、硫化物固体電解質材料としては、伝導するイオンとなる金属元素(M)と、硫黄(S)とを含有する。上記Mとしては、例えばLi、Na、K、Mg、Ca等を挙げることができ、中でもLiが好ましい。特に、硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、Al、Bからなる群から選択される少なくとも一種である)、Sを含有することが好ましい。さらに、上記AはP(リン)であることが好ましい。さらに、硫化物固体電解質材料は、Cl、Br、I等のハロゲンを含有していても良い。ハロゲンを含有することにより、イオン伝導性が向上するからである。また、硫化物固体電解質材料はOを含有していてもよい。
Liイオン伝導性を有する硫化物固体電解質材料としては、例えば、Li2S−P2S5、Li2S−P2S5−LiI、Li2S−P2S5−Li2O、Li2S−P2S5−Li2O−LiI、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−LiBr、Li2S−SiS2−LiCl、Li2S−SiS2−B2S3−LiI、Li2S−SiS2−P2S5−LiI、Li2S−B2S3、Li2S−P2S5−ZmSn(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、Li2S−GeS2、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−LixMOy(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等を挙げることができる。
ゲル電解質の具体例としては、とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。
・ポリエチレンオキシド(PEO)などの全固体高分子電解質に、通常のリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだもの。
・ポリふっ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたもの。
・ゲル電解質を構成するポリマー(ホストポリマーないしポリマーマトリックスとも称する。)と電解液の比率は幅広く、ポリマー100質量%を全固体高分子電解質、電解液100質量%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質にあたる。
・ポリエチレンオキシド(PEO)などの全固体高分子電解質に、通常のリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだもの。
・ポリふっ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたもの。
・ゲル電解質を構成するポリマー(ホストポリマーないしポリマーマトリックスとも称する。)と電解液の比率は幅広く、ポリマー100質量%を全固体高分子電解質、電解液100質量%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質にあたる。
上記ゲル電解質の、ホストポリマーとしては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が挙げられる。
溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が望ましい。このようなゲル電解質においては、可塑剤として有機溶剤を添加してその硬さを調整したり、さらに上述した電解液を膨潤させたりすることもできる。
1−17.蓄電セルの製造方法
上述の蓄電セル10は、例えば以下のようにして製造することができる。
上述の蓄電セル10は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、他方の外装フィルム13上における中央部分に、上面および下面にリチウムイオン供給源29が設けられた電極ユニット20を配置する。また、電極ユニット20における正極集電体22および負極集電体25を正極リード部材31および負極リード部材32を介して正極端子18および負極端子19に電気的に接続する。次いで、第4電極35を正極21および負極24と対向して絶縁された状態で任意の位置(例えば最外層)に配置し、第4電極35と第4電極端子36を電気的に接続する。そして、正極端子18および負極端子19が電気的に接続された電極ユニット20上に一方の外装フィルム12を重ね合わせる。この状態で、一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13の外周縁部における3辺を熱融着した後、一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13の間に電解液を注入する。その後、一方の外装フィルム12および他方の外装フィルム13の外周縁部における未融着の1辺を熱融着することによって外装容器11が形成され、蓄電セル10が得られる。
得られた蓄電セル10においては、適宜の時間放置されることにより、負極24とリチウムイオン供給源29との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源29から放出されたリチウムイオンが、負極24にドーピングされる。
本実施形態に係る蓄電セル10によれば、第4電極35を備えているので、正極21および負極24の少なくとも一方の劣化状況を確認することができる。そして、劣化が確認された電極が正極21の場合は、第4電極端子36から外部回路を介して正極端子18に電子を流すことによって、正極21の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。また、劣化が確認された電極が負極24の場合は、負極端子19から外部回路を介して第4電極端子36に電子を流すことによって、負極24の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。
これによって、正極21および負極24の少なくとも一方の劣化を抑制しできるので、蓄電セル10の長寿命化を図れ、かつ、短絡を防止して安全性を高めた蓄電セル10を提供することができる。
以上、蓄電セル10がリチウムイオンキャパシタである場合の一例について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えばリチウムイオン供給源29は、矩形状のものに限定されず、円形状、多角形状、その他の形状を有するものであってもよい。
また、電極ユニット20は、図2に示すような積層型の構造ものに限定されず、捲回型の構造のものであっても、その他の構造のものであってもよい。
また、本発明の蓄電セル10は、リチウムイオンキャパシタに限定されず、リチウムイオン二次電池にも好適に適用することができる。
2.蓄電モジュールおよび蓄電モジュールの制御方法
2−1.第1実施形態
図4は、本実施形態に係る蓄電デバイス10を有する蓄電モジュールの制御方法を示すフローチャートである。
2−1.第1実施形態
図4は、本実施形態に係る蓄電デバイス10を有する蓄電モジュールの制御方法を示すフローチャートである。
本実施形態に係る蓄電デバイス10の制御方法は、第4電極35の電位を基準として、正極21または負極24の電位を測定する測定工程(ステップS100)と、測定工程で測定された正極21または負極24の電位に基づいて、正極21および負極24の少なくとも一方の電位を調整する調整工程(ステップS102)と、を含む。
測定工程(ステップS100)においては、正極21または負極24と、第4電極35との電位の差を測定することによって、正極21または負極24の電位を測定してもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を測定できるので、蓄電デバイス10内における正極21または負極24の電位を適切に測定できる。
測定工程(ステップS100)において、第4電極35を基準として、正極21または負極24の電位の上昇が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、正極21または負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21または負極24の電位を下げてもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を下げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、正極21または負極24の電位が基準値を上回った場合に、正極21または負極24の電位の上昇が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
測定工程(ステップS100)において、第4電極35を基準として、正極21または負極24の電位の下降が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、正極21または負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21または負極24の電位を上げてもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を上げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、正極21または負極24の電位が基準値を下回った場合に、正極21または負極24の電位の下降が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
図5は、本実施形態に係る蓄電モジュール1000の構成例を示す回路図である。
本実施形態に係る蓄電モジュール1000は、蓄電セル10と、蓄電セル10を制御する第1制御部1100と、を備え、第1制御部1100は、第4電極35の電位を基準として、正極21または負極24の電位を測定する測定処理と、測定処理で測定された正極21または負極24の電位に基づいて、正極21および負極24の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、を行う。
図5に示される例では、第1制御部1100は、測定部1110、調整制御部1120、スイッチSW及び電源Eを含んで構成されている。第1制御部1100は、一部または全部が半導体回路装置で構成されていてもよい。また、第1制御部1100は、上述の処理の一部をマイクロコンピューターで実行されるプログラムを用いて実現されてもよい。
測定部1110は、第4電極35の電位に基づいて、正極21または負極24の電位を測定する測定処理を行う。図5に示される例では、測定部1110は、第4電極35の電位に基づいて、正極21の電位を測定する。測定部1110は、例えば、初期充電時の正極21の電位に関する情報を記憶しておき、測定された正極21の電位と比較することによって、正極21の電位変化を測定してもよい。測定部1110は、定期的なタイミングで測定処理を行ってもよいし、蓄電セル10の充電が完了するタイミングで測定処理を行ってもよい。測定部1110は、測定した電位に関する情報を調整制御部1120に出力する。
調整制御部1120は、測定部1110が出力する電位に関する情報に基づいて、スイッチSWを制御する。
スイッチSWと電源Eとは、直列に接続されている。スイッチSWは、例えば、バイポーラトランジスターやFET(Field effect transistor)であってもよい。電源Eは、発電機または電池であってもよいし、発電機または電池の出力電圧を昇圧する昇圧回路や
、発電機または電池の出力電圧を降圧する降圧回路、SEPIC(Single Ended PrimaryInductor Converter)、双方向DC−DCコンバータなどを含んで構成されていてもよい。
、発電機または電池の出力電圧を降圧する降圧回路、SEPIC(Single Ended PrimaryInductor Converter)、双方向DC−DCコンバータなどを含んで構成されていてもよい。
また、図5に示される例では、電源Eの高電位側はスイッチSWを介して第4電極端子36と接続され、電源Eの低電位側は正極電極端子18と接続されている。スイッチSWがON状態とされることによって、第4電極端子36に接続されている第4電極35を基準として、正極電極端子18に接続されている正極21の電位を下げることができる。なお、電源Eの極性を逆にすれば、スイッチSWがON状態とされることによって、第4電極端子36に接続されている第4電極35を基準として、正極電極端子18に接続されている正極21の電位を上げることができる。
第1制御部1100は、測定処理において、正極21または負極24と、第4電極35との電位の差を測定することによって、正極21または負極24の電位を測定してもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を測定できるので、蓄電セル10内における正極21または負極24の電位を適切に測定できる。
第1制御部1100は、測定処理において、第4電極35を基準として、正極21または負極24の電位の上昇が測定された場合には、調整処理において、正極21または負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21または負極24の電位を下げてもよい。例えば、第1制御部1100は、測定処理において、正極21または負極24の電位が基準値を上回った場合に、調整制御部1120は、正極21または負極24の電位の上昇が測定されたものと判定してもよい。また、調整処理においては、正極21または負極24の電位を初期状態(蓄電セル10の組み立て時の状態)まで下げることが好ましい。
これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を下げられる。図5に示される例では、調整制御部1120がスイッチSWをON状態とすることによって、正極21からスイッチSW及び電源Eを介して第4電極35に電流を流すことによって、正極21の電位を下げている。
第1制御部1100は、測定処理において、第4電極35を基準として、正極21または負極24の電位の下降が測定された場合には、調整処理において、正極21または負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21または負極24の電位を上げてもよい。例えば、第1制御部1100は、測定処理において、正極21または負極24の電位が基準値を下回った場合に、調整制御部1120は、正極21または負極24の電位の下降が測定されたものと判定してもよい。また、調整処理においては、正極21または負極24の電位を初期状態(蓄電セル10の組み立て時の状態)まで上げることが好ましい。
これによって、第4電極35を基準として正極21または負極24の電位を上げられる。例えば、図5の電源Eの極性を逆にすれば、調整制御部1120がスイッチSWをON状態とすることによって、第4電極35からスイッチSW及び電源Eを介して正極21に電流を流すことによって、正極21の電位を上げられる。
図6は、蓄電モジュール1000の変形例である蓄電モジュール1000aを示す回路図である。図6に示される蓄電モジュール1000aは、図5に示される蓄電モジュール1000の第1制御部1100を第1制御部1100aに置き換えた構成であり、より具体的には、電源Eを抵抗Rに置き換えた構成である。
蓄電セル10内における第4電極35の電位が、劣化状態の正極21の電位よりも低くなるように調整されている場合には、スイッチSWをON状態として第4電極35と正極21とを短絡させることによって、蓄電セル10内における正極21の電位を下げることができる。なお、抵抗Rを省略することも可能である。
図7は、蓄電モジュール1000の他の変形例である蓄電モジュール1000bを示す回路図である。図7に示される蓄電モジュール1000bは、図5に示される蓄電モジュール1000の第1制御部1100を第1制御部1100bに置き換えた構成であり、第1制御部1100bが調整処理において負極24の電位を調整する例である。
第1制御部1100bの測定部1110は、第4電極35の電位に基づいて、負極24の電位を測定する。測定部1110は、例えば、初期充電時の負極24の電位に関する情報を記憶しておき、測定された負極24の電位と比較することによって、負極24の電位変化を測定してもよい。測定部1110は、測定した電位に関する情報を調整制御部1120に出力する。
スイッチSWと電源Eとは、直列に接続されている。また、図7に示される例では、電源Eの高電位側はスイッチSWを介して第4電極端子36と接続され、電源Eの低電位側は負極電極端子19と接続されている。スイッチSWがON状態とされることによって、第4電極端子36に接続されている第4電極35を基準として、負極電極端子19に接続されている負極24の電位を下げることができる。なお、電源Eの極性を逆にすれば、スイッチSWがON状態とされることによって、第4電極端子36に接続されている第4電極35を基準として、負極電極端子19に接続されている正極21の電位を上げることができる。
本実施形態に係る蓄電モジュール1000、蓄電モジュール1000aおよび蓄電モジュール1000bによれば、第4電極35を備えているので、正極21および負極24の少なくとも一方の劣化状況を確認することができる。そして、劣化が確認された電極が正極21の場合は、第4電極端子36から外部回路を介して正極電極端子18に電子を流すことによって、正極21の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。また、劣化が確認された電極が負極24の場合は、負極電極端子19から外部回路を介して第4電極端子36に電子を流すことによって、負極24の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。
これによって、正極21および負極24の少なくとも一方の劣化を抑制しできるので、蓄電セル10の長寿命化を図れ、かつ、リチウムデンドライトによる短絡を防止して安全性を高めた蓄電モジュール1000、蓄電モジュール1000aおよび蓄電モジュール1000bを提供することができる。
2−2.第2実施形態
図8は、第2実施形態に係る蓄電モジュール1の構成を示す回路図である。
図8は、第2実施形態に係る蓄電モジュール1の構成を示す回路図である。
本実施形態に係る蓄電モジュール1は、上述の蓄電セル10と同一の構成のn個(nは2以上の整数)の蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、…、第n蓄電セル10−n)と、上述の蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、…、第n蓄電セル10−n)を制御する第1制御部60と、を有している。
第1蓄電セル10−1の負極端子19−1と、第2蓄電セル10−2の正極端子18−2とは、電気的に接続されている。図8に示される例では、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、…、第n蓄電セル10−nは、電気的に直列に接続されている。
第1制御部60は、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの少なくともいずれかに対して、第4電極(第4電極端子36−1、第4電極端子36−2、第4電極端子36−n)の電位を基準として、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)または負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の電位を測定する測定処理と、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)または負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の電位に基づいて、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)および負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、を行う。
図8に示される例では、第1制御部60は、各蓄電セルに対応するn個の差動増幅器(差動増幅器61−1、差動増幅器61−2、…、差動増幅器61−n)と、マルチプレクサ62と、コントローラ63と、各蓄電セルに対応するn個の調整部(調整部64−1、調整部64−2、…、調整部64−n)を有している。第1制御部60は、一部または全部が半導体回路装置で構成されていてもよい。また、第1制御部60は、上述の処理の一部をマイクロコンピューターで実行されるプログラムを用いて実現されてもよく、専用ICやFPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いてもよい。
n個の差動増幅器(差動増幅器61−1、差動増幅器61−2、…、差動増幅器61−n)は、それぞれ対応する蓄電セルの正極端子と第4極端子との間の電圧に応じた電圧信号を出力する。
マルチプレクサ62は、コントローラ63が出力する制御信号Cmに基づいて、n個の差動増幅器(差動増幅器61−1、差動増幅器61−2、…、差動増幅器61−n)の出力信号のいずれかを選択して、信号Vxとしてコントローラ63に出力する。
調整部64−1は、第1蓄電セル10−1の正極端子18−1と第4電極端子36−1との間の電気的な接続状態を切り替える。図8に示される例では、調整部64−1は、第1スイッチSW1−1と抵抗器R1とを有し、これらが直列に接続されている。
調整部64−2は、第2蓄電セル10−2の正極端子18−2と第4電極端子36−2との間の電気的な接続状態を切り替える。図8に示される例では、調整部64−2は、第1スイッチSW1−2と抵抗器R2とを有し、これらが直列に接続されている。
調整部64−nは、第n蓄電セル10−nの正極端子18−nと第4電極端子36−nとの間の電気的な接続状態を切り替える。図8に示される例では、調整部64−nは、第1スイッチSW1−nと抵抗器Rnとを有し、これらが直列に接続されている。
コントローラ63は、第1スイッチSW1−1、第1スイッチSW1−2および第1スイッチSW1−nに制御信号Csを出力することによって、各スイッチを制御する。コントローラ63は、第2制御部(後述)からの種々のコマンドによりマルチプレクサ62から選択された電圧をA/Dコンバータによりデジタル変換し、デジタル変換されたデータは一度ラッチされる。次に外部クロックに同期し、ラッチされたデータはパラレルデータからシリアルデータに変換を行い、外部コマンドに応じた内容により出力端子Doに出力される。コントローラ63は、各蓄電セルのセル電圧に関する情報を受け取り、受け取った情報に基づいて各スイッチを制御する。コントローラ63は、外部からの制御信号を受け付ける入力端子Di、クロック信号を受け付ける入力端子CLKi、外部へ信号を出力する出力端子Doおよび外部へクロック信号を出力する出力端子CLKoを有していてもよい。
図8に示される例では、第1制御部60は、各蓄電セルに対応するn個の差動増幅器(差動増幅器65−1、差動増幅器65−2、…、差動増幅器65−n)をさらに有している。差動増幅器(差動増幅器65−1、差動増幅器65−2、…、差動増幅器65−n)は、それぞれ対応する蓄電セルの負極端子と第4極端子との間の電圧に応じた電圧信号を出力する。コントローラ63は、差動増幅器(差動増幅器61−1、差動増幅器61−2、…、差動増幅器61−n)の出力信号と差動増幅器(差動増幅器65−1、差動増幅器65−2、…、差動増幅器65−n)の出力信号とに基づいて、各蓄電セルのセル電圧を把握することができる。
1つのコントローラ63では、例えば、4から16個程度の蓄電セルが接続されていてもよい。なお、16個以上の蓄電セルが接続されてもよい。
本実施形態における蓄電モジュール1の制御方法を、図4に示されるフローチャートを用いて説明する。
本実施形態に係る蓄電モジュール1の制御方法は、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの少なくともいずれかに対して、第4電極の電位を基準として、正極または負極の電位を測定する測定工程(ステップS100)と、測定工程で測定された正極または負極の電位に基づいて、正極および負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程(ステップS102)と、を含む。
本実施形態においては、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの全てに対して測定工程(ステップS100)を行う。図8に示される蓄電モジュール1においては、第1制御部60が、各蓄電セルに対して、第4電極の電位を基準として、正極電位を測定する測定処理を行う。より具体的には、第1制御部60は、差動増幅器61−1〜61−nの出力信号から、測定処理の対象となる蓄電セルに対応する信号をマルチプレクサ62で選択し、コントローラ63でA/D変換することで電圧の測定処理を行う。
本実施形態においては、ステップS100の後に、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの全てに対して調整工程(ステップS102)を行う。図8に示される蓄電モジュール1においては、第1制御部60が、各蓄電セルに対して、測定工程で測定された正極の電位に基づいて、正極の電位を調整する調整処理を行う。例えば、第1制御部60は、測定工程で測定された正極の電位に基づいて、各第1スイッチ(第1スイッチSW1−1、第1スイッチSW1−2、第1スイッチSW1−n)をON状態とする時間の長さを制御してもよい。
測定工程(ステップS100)においては、第1制御部60は、各蓄電セルに対して、正極21と、第4電極35との電位の差を測定することによって、正極21の電位を測定してもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21の電位を測定できるので、蓄電セル内における正極21の電位を適切に測定できる。
測定工程(ステップS100)において、第1制御部60は、各蓄電セルに対して、第4電極35を基準として、正極21の電位の上昇が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、正極21と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21の電位を下げてもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21の電位を下げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、正極21の電位が基準値を上回った場合に、正極21の電位の上昇が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
測定工程(ステップS100)において、第1制御部60は、各蓄電セルに対して、第4電極35を基準として、正極21の電位の下降が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、正極21と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21の電位を上げてもよい。これによって、第4電極35を基準として正極21の電位を上げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、正極21の電位が基準値を下回った場合に、正極21の電位の下降が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
なお、正極21と負極24との間の電圧が、充電終止電圧や放電終止電圧にならなくとも、第4電極35と正極21との間、および、第4電極35と負極24との間の各々データテーブルを用い両極の電圧差が一定電圧以上になったときに調整工程を行ってもよい。
本実施形態に係る蓄電モジュール1の制御方法によれば、蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、…、第n蓄電セル10−n)がそれぞれ第4電極35を備えているので、正極21の劣化状況を確認することができる。そして、第4電極端子(第4電極端子36−1、第4電極端子36−2、第4電極端子36−n)から外部回路(調整部64−1、調整部64−2、…、調整部64−n)を介して正極端子(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)に電流を流すことによって、正極21の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。
これによって、正極21の劣化を抑制できるので、蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、…、第n蓄電セル10−n)の長寿命化を図れ、かつ、リチウムデンドライトによる短絡を防止して安全性を高めた蓄電モジュール1および蓄電モジュール1の制御方法を提供することができる。
第1制御部60は、各蓄電セルの正極21と負極24との間の電圧(セル電圧)が近づくように、上述の調整処理を行ってもよい。例えば、正極21の電位を下げることによって、セル電圧を小さくできる。これによって、蓄電セルごとの電圧のばらつきを小さくできる。上述の調整処理において、例えば、電源66の電源Bに蓄えられたエネルギーを用いてもよい。
2−3.第3実施形態
図9は、第3実施形態に係る蓄電モジュール1aの構成を示す回路図である。なお、第2実施形態に係る蓄電モジュール1と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9は、第3実施形態に係る蓄電モジュール1aの構成を示す回路図である。なお、第2実施形態に係る蓄電モジュール1と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る蓄電モジュール1aは、第1制御部60aと、電源66と、第3スイッチSW3と、を有している。第1制御部60aは、各蓄電セルに対応するn個の調整部(調整部64a−1、調整部64a−2、調整部64a−n)を有している。第3スイッチSW3は、コントローラ63が出力する制御信号Csによって制御される。
調整部64a−1は、第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1とを有している。第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1とは、同期して制御される。調整部64a−1は、第1蓄電セル10−1の正極端子18−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。図5に示される例では、調整部64a−1は、電源66および第3スイッチSW3を介して正極端子18−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。
調整部64a−2は、第1スイッチSW1−2と第2スイッチSW2−2を有している。第1スイッチSW1−2と第2スイッチSW2−2とは、同期して制御される。調整部
64a−2は、第2蓄電セル10−2の正極端子18−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。図5に示される例では、調整部64a−2は、電源66および第3スイッチSW3を介して正極端子18−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。
64a−2は、第2蓄電セル10−2の正極端子18−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。図5に示される例では、調整部64a−2は、電源66および第3スイッチSW3を介して正極端子18−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。
調整部64a−nは、第1スイッチSW1−nと第2スイッチSW2−nを有している。第1スイッチSW1−nと第2スイッチSW2−nとは、同期して制御される。調整部64a−nは、第n蓄電セル10−nの正極端子18−nと第4電極端子36−nとの間の導通状態を切り替える。図5に示される例では、調整部64a−nは、電源66および第3スイッチSW3を介して正極端子18−nと第4電極端子36−nとの間の導通状態を切り替える。
図10(A)および図10(B)は、電源66の構成例を示す回路図である。
電源66は、端子Pと端子Nとの間に電流を生成する。図10(A)では、電源66は、電源Bを有している。電源Bとしては、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層コンデンサなど、種々の公知の電圧源を採用することができる。図10(B)では、電源66は、電源Bに加えて、DC−DCコンバータ660を有している。DC−DCコンバータ660を有することによって、所望の電流を生成することが容易となる。DC−DCコンバータ660は、コントローラ63が出力する制御信号Cvによって制御されてもよい。
第1制御部60aは、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの少なくともいずれかに対して、第4電極(第4電極端子36−1、第4電極端子36−2、第4電極端子36−n)の電位を基準として、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)または負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の電位を測定する測定処理と、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)または負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の電位に基づいて、正極(正極端子18−1、正極端子18−2、正極端子18−n)および負極(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、を行う。
本実施形態に係る蓄電モジュール1aによれば、各蓄電セルの正極の電位を第4電極の電位を基準として下げることができる。なお、電源Bの極性を逆にすれば、各蓄電セルの第4電極の電位を基準として正極の電位を上げることができる。
本実施形態に係る蓄電モジュール1aにおいても、第2実施形態に係る蓄電モジュール1と同様の理由により同様の効果を奏する。
2−4.第4実施形態
図11は、第4実施形態に係る蓄電モジュール1bの構成を示す回路図である。なお、第3実施形態に係る蓄電モジュール1aと同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11は、第4実施形態に係る蓄電モジュール1bの構成を示す回路図である。なお、第3実施形態に係る蓄電モジュール1aと同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る蓄電モジュール1bは、第1制御部60bを有している。第1制御部60bは、各蓄電セルに対応するn個の調整部(調整部64b−1、調整部64b−2、調整部64b−n)を有している。
調整部64b−1は、第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1とを有している。第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1とは、同期して制御される。調整
部64b−1は、第1蓄電セル10−1の負極端子19−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。図11に示される例では、調整部64b−1は、電源66および第3スイッチSW3を介して負極端子19−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。
部64b−1は、第1蓄電セル10−1の負極端子19−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。図11に示される例では、調整部64b−1は、電源66および第3スイッチSW3を介して負極端子19−1と第4電極端子36−1との間の導通状態を切り替える。
調整部64b−2は、第1スイッチSW1−2と第2スイッチSW2−2を有している。第1スイッチSW1−2と第2スイッチSW2−2とは、同期して制御される。調整部64b−2は、第2蓄電セル10−2の負極端子19−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。図11に示される例では、調整部64b−2は、電源66および第3スイッチSW3を介して負極端子19−2と第4電極端子36−2との間の導通状態を切り替える。
調整部64b−nは、第1スイッチSW1−nと第2スイッチSW2−nを有している。第1スイッチSW1−nと第2スイッチSW2−nとは、同期して制御される。調整部64b−nは、第n蓄電セル10−nの正極端子18−nと第4電極端子36−nとの間の導通状態を切り替える。図11に示される例では、調整部64b−nは、電源66および第3スイッチSW3を介して正極端子18−nと第4電極端子36−nとの間の導通状態を切り替える。
図11に示される蓄電モジュール1bにおいては、第1制御部60bが、各蓄電セルに対して、第4電極の電位を基準として、負極電位を測定する測定処理を行う。より具体的には、第1制御部60bは、差動増幅器65−1〜65−nの出力信号から、測定処理の対象となる蓄電セルに対応する信号をマルチプレクサ62で選択し、コントローラ63でA/D変換することで測定処理を行う。
本実施形態においては、図5におけるステップS100の後に、第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2および第n蓄電セル10−nの全てに対して調整工程(ステップS102)を行う。図11に示される蓄電モジュール1bにおいては、第1制御部60bが、各蓄電セルに対して、測定工程で測定された負極の電位に基づいて、負極の電位を調整する調整処理を行う。例えば、第1制御部60bは、測定工程で測定された負極の電位に基づいて、各第1スイッチ(第1スイッチSW1−1、第1スイッチSW1−2、第1スイッチSW1−n)、各第2スイッチ(第2スイッチSW2−1、第2スイッチSW2−2、第2スイッチSW2−n)および第3スイッチSW3をON状態とする時間の長さを制御してもよい。
測定工程(ステップS100)においては、第1制御部60bは、各蓄電セルに対して、負極24と、第4電極35との電位の差を測定することによって、負極24の電位を測定してもよい。これによって、第4電極35を基準として負極24の電位を測定できるので、蓄電セル内における負極24の電位を適切に測定できる。
測定工程(ステップS100)において、第1制御部60bは、各蓄電セルに対して、第4電極35を基準として、負極24の電位の上昇が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、第4電極35の第4電極層34から負極24の負極電極層26にリチウムイオンをドープして負極24の電位を下げてもよい。これによって、第4電極35を基準として負極24の電位を下げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、負極24の電位が基準値を上回った場合に、負極24の電位の上昇が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
測定工程(ステップS100)において、第1制御部60bは、各蓄電セルに対して、
第4電極35を基準として、負極24の電位の下降が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21の電位を上げてもよい。これによって、第4電極35を基準として負極24の電位を上げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、負極24の電位が基準値を下回った場合に、負極24の電位の下降が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
第4電極35を基準として、負極24の電位の下降が測定された場合には、調整工程(ステップS102)において、負極24と第4電極35との間に電流を通じさせることによって、正極21の電位を上げてもよい。これによって、第4電極35を基準として負極24の電位を上げられる。例えば、測定工程(ステップS100)において、負極24の電位が基準値を下回った場合に、負極24の電位の下降が測定されたものとして調整工程(ステップS102)を行ってもよい。
本実施形態に係る蓄電モジュール1bの制御方法によれば、蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、第n蓄電セル10−n)がそれぞれ第4電極35を備えているので、負極24の劣化状況を確認することができる。そして、第4電極端子(第4電極端子36−1、第4電極端子36−2、第4電極端子36−n)から外部回路(調整部64b−1、調整部64b−2、調整部64b−n)を介して負極端子(負極端子19−1、負極端子19−2、負極端子19−n)に電流を流すことによって、負極24の電位を初期値に近づけて劣化を抑制できる。
これによって、負極24の劣化を抑制しできるので、蓄電セル(第1蓄電セル10−1、第2蓄電セル10−2、第n蓄電セル10−n)の長寿命化を図れ、かつ、短絡を防止して安全性を高めた蓄電モジュール1bおよび蓄電モジュール1bの制御方法を提供することができる。
本実施形態に係る蓄電モジュール1bにおいても、第2実施形態に係る蓄電モジュール1および第3実施形態に係る蓄電モジュール1aと同様の理由により同様の効果を奏する。
3.蓄電装置
3−1.第1実施形態
図12は、第1実施形態に係る蓄電装置100の構成を示す回路図である。
3−1.第1実施形態
図12は、第1実施形態に係る蓄電装置100の構成を示す回路図である。
本実施形態に係る蓄電装置100は、複数の蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)と、蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)のそれぞれが有する第1制御部60を制御する第2制御部110と、を有する。
図12に示される例では、蓄電装置100は、m個(mは2以上の整数)の蓄電モジュールを有している。蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2および蓄電モジュール1−mの構成は、第1実施形態に係る蓄電モジュール1と同様である。なお、蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2および蓄電モジュール1−mとして、第3実施形態に係る蓄電モジュール1aまたは第4実施形態に係る蓄電モジュール1bを採用することもできる。
第2制御部110は、例えば、マイコンや外部とのインターフェース回路を含んで構成される。第2制御部110は、蓄電モジュールごとに独立して制御を行ってもよい。
本実施形態においては、複数の蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)は、電気的に直列に接続されている。これによって、出力電圧(端子Vop1と端子Von1との間の電圧)を高めることができる。
本実施形態においては、蓄電装置100は、絶縁しつつ信号を伝送する(絶縁伝送する)絶縁伝送部120をさらに有し、第2制御部110は、絶縁伝送部120を介して第1制御部60を制御する。絶縁伝送部120としては、パルストランスやフォトカプラなど
、種々の公知の絶縁伝送回路を採用することができる。絶縁伝送部120を有することによって、蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)と第2制御部とを異なる電圧で動作させることが容易となる。
、種々の公知の絶縁伝送回路を採用することができる。絶縁伝送部120を有することによって、蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)と第2制御部とを異なる電圧で動作させることが容易となる。
本実施形態においては、第1制御部60および第2制御部110は、デイジーチェーン接続されている。図12に示される例では、第2制御部110が出力する制御信号Dinは、絶縁伝送部120を介して蓄電モジュール1−1の入力端子Diに入力される。第2制御部110が出力するクロック信号CLKは、絶縁伝送部120を介して蓄電モジュール1−1の入力端子CLKiに入力される。蓄電モジュール1−1は、制御信号とデータとを合わせて出力端子Doから出力し、出力信号は蓄電モジュール1−2の入力端子Diに入力される。また、蓄電モジュール1−1は、クロック信号を出力端子CLKoから出力し、出力信号は蓄電モジュール1−2の入力端子CLKiに入力される。以下同様に蓄電モジュールは動作し、最終段となる蓄電モジュール1−mは、制御信号とデータとを合わせて出力端子Doから出力し、出力信号は絶縁伝送部120を介して第2制御部110に信号Doutとして入力される。第1制御部60と第2制御部110との間の通信インターフェースとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)やI2C(Inter-Integrated Circuit)など、種々の公知のインターフェースを採用できる。
第1制御部60および第2制御部110がデイジーチェーン接続での通信が可能となる。この場合、第1制御部60および第2制御部110の入出力回路(図示せず)はシングルエンドよりもディファレンシャルの方が、データ伝送時のデータ信頼性を考慮すると安定的にデータ伝送を行える。
第1制御部60が出力するデータの最後には、PEC(Packet Error Code)などのエラーチェックコードを付与してもよい。
また、数個直列に接続された第1制御部60がデイジーチェーン接続された場合には、第2制御部110からのコマンドに応じて、それぞれの第1制御部60が個別に出力端子Doに信号を出力してもよい。
また、第2制御部110によって一斉に各蓄電モジュールのデータを読込む場合、それぞれの第1制御部60に識別コードを持たせ、それぞれの第1制御部60のデータを1つのデータとして出力端子Doに信号を出力してもよい。
さらに、図12に示される例では、各第1制御部60からのデータを最もモジュール電圧が低い最下位第1制御部の方から出力端子Doにモジュール電圧データを出力し、次にモジュール電圧の高い第1制御部のDiに入力する。その信号を受け取った第1制御部は最下位第1制御部からのデータにモジュール電圧データをさら付与し、出力端子Doに電圧データを出力する。出力された電圧データは、次にモジュール電圧の高い第1制御部のDiに入力される。最終的には、モジュール電圧が一番高い最上位の第1制御部のデータを付与し、PECを算出し、出力端子Doにデータを出力する。そして、出力されたデータは第2制御部110へ入力もしくは出力される。なお、電圧が最も高い第1制御部から低い第1制御部に順に出力端子Doに順番に出力してもよい。
第1制御部60が多段に信号が出力されるときには、PECなどのエラーチェックコードをデータの最後に付与したり、データを第2制御部110で数回読込むなどしたりして、データ信頼性を確保することが好ましい。データにエラーが生じた場合には、第2制御部110は外部ホスト(不図示)に異常通知を行ってもよい。
各蓄電モジュール間の伝送路は、フォトカプラなどによって絶縁されていてもよい。こ
れによって、1つの蓄電モジュールで生じた電圧異常が他の蓄電モジュールに影響することを抑制できる。
れによって、1つの蓄電モジュールで生じた電圧異常が他の蓄電モジュールに影響することを抑制できる。
第1制御部60および第2制御部110がデイジーチェーン接続されていることによって、マルチドロップ方式に比べて短時間での通信が可能となる。
本実施形態に係る蓄電装置100によれば、長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)を有しているので、長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電装置100を実現できる。
上述の調整処理は、全ての蓄電モジュールに対して同時に行ってもよいし、蓄電モジュール単位で行ってもよい。
第2制御部110は、第1制御部60にスリープ命令を送信して第1制御部60をスリープさせてもよい。これによって、蓄電モジュールの消費電力を低減できる。
3−2.第2実施形態
図13は、第2実施形態に係る蓄電装置100aの構成を示す回路図である。なお、第1実施形態に係る蓄電装置100と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13は、第2実施形態に係る蓄電装置100aの構成を示す回路図である。なお、第1実施形態に係る蓄電装置100と同様の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、第1制御部60および第2制御部110は、マルチドロップ方式で接続されている。図13に示される例では、第2制御部110が出力する制御信号Dinは、絶縁伝送部120を介して蓄電モジュール1−1〜1−mのそれぞれの入力端子Diに入力される。第2制御部110が出力するクロック信号CLKは、絶縁伝送部120を介して蓄電モジュール1−1〜1−mのそれぞれの入力端子CLKiに入力される。蓄電モジュール1−1〜1−mは、データをそれぞれの出力端子Doから出力し、出力信号は絶縁伝送部120を介して第2制御部110aに信号Doutとして入力される。なお、クロック信号CLKを用いない構成も可能である。
本実施形態に係る蓄電装置100aによれば、長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電モジュール(蓄電モジュール1−1、蓄電モジュール1−2、蓄電モジュール1−m)を有しているので、長寿命、かつ、高い安全性が得られる蓄電装置100aを実現できる。
以下では、リチウムイオンキャパシタを例に、蓄電セルの実施例について説明する。
〈実施例1〉
(1)正極の製造:
比表面積が1950m2/gの活性炭粉末100質量部、アセチレンブラック10質量部、アクリル系バインダ7質量部、およびカルボキシメチルセルロース4質量部を、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
(1)正極の製造:
比表面積が1950m2/gの活性炭粉末100質量部、アセチレンブラック10質量部、アクリル系バインダ7質量部、およびカルボキシメチルセルロース4質量部を、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
一方、厚みが35μmで気孔率が50%のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体材の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)を、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥することにより、縦横の寸法が60mm×80mmの下地層を形成した。正極集電体材とその両面に形成された下地層との合計の厚みは、52μmであり、正極集電体材の孔は、下地層によって閉塞されていた。
次いで、調製した正極用スラリーを、正極集電体材に形成された下地層の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥した。得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、総厚み(正極集電体+下地層+正極電極層)が230μm、縦横の寸法が60mm×80mmの正極電極層を形成した。導電層および正極電極層が形成された正極集電体材を、導電層および正極電極層が形成された部分(正極用部分)が60mm×80mm、導電層および正極電極層が形成されてない部分(リード部材用部分)が60mm×15mmになるように、60mm×95mmの大きさに切断した。このようにして、表裏面に導電層および正極電極層が形成された正極集電体の一端に、正極リード部材が一体に形成された正極を作製した。
(2)負極の製造:
PAS粉体100質量部、およびポリフッ化ビニリデン粉末10質量部を、N−メチルピロリドン80質量部に添加して溶解・分散することにより、負極用スラリーを調製した。この負極用スラリーを、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製のエキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の負極集電体材の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥した。得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、総厚み(負極集電体+負極電極層)が100μm、縦横の寸法が65mm×85mmの負極電極層を形成した。そして、負極電極層が形成された負極集電体材を、負極電極層が形成された部分(負極用部分)が65mm×85mm、負極電極層が形成されてない部分(リード部材用部分)が縦横の寸法が65mm×15mmになるように、65mm×100mmの大きさに切断した。このようにして、表裏面に負極電極層が形成された負極集電体の一端に、負極リード部材が一体に形成された負極を作製した。
PAS粉体100質量部、およびポリフッ化ビニリデン粉末10質量部を、N−メチルピロリドン80質量部に添加して溶解・分散することにより、負極用スラリーを調製した。この負極用スラリーを、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製のエキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の負極集電体材の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥した。得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、総厚み(負極集電体+負極電極層)が100μm、縦横の寸法が65mm×85mmの負極電極層を形成した。そして、負極電極層が形成された負極集電体材を、負極電極層が形成された部分(負極用部分)が65mm×85mm、負極電極層が形成されてない部分(リード部材用部分)が縦横の寸法が65mm×15mmになるように、65mm×100mmの大きさに切断した。このようにして、表裏面に負極電極層が形成された負極集電体の一端に、負極リード部材が一体に形成された負極を作製した。
(3)リチウムイオン供給源の作製:
厚みが110μmのリチウム箔を切断し、厚みが30μmの銅製のエキスパンドメタルに圧着することにより、リチウム極集電体上に縦横の寸法が65mm×85mmのリチウム箔が圧着されたリチウムイオン供給源を作製した。
厚みが110μmのリチウム箔を切断し、厚みが30μmの銅製のエキスパンドメタルに圧着することにより、リチウム極集電体上に縦横の寸法が65mm×85mmのリチウム箔が圧着されたリチウムイオン供給源を作製した。
(4)第4電極の作製:
コバルト酸リチウム(LiCoO2)100質量部、黒鉛粉末5質量部およびポリフッ化ビニリデン粉末3.5質量部を、N−メチルピロリドン50質量部に添加して溶解・分散することにより、第4電極用スラリーを調製した。この第4電極用スラリーを上記(1)正極の製造で用いた正極集電体材に形成された下地層の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥した。得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、縦横の寸法が60mm×80mmの第4電極層を形成した。導電層および第4電極層が形成された正極集電体材を、導電層および第4電極層が形成された部分(第4電極用部分)が60mm×80mm、導電層および第4電極層が形成されてない部分(リード部材用部分)が60mm×15mmになるように、60mm×95mmの大きさに切断した。このようにして、表裏面に導電層および第4電極層が形成された正極集電体の一端に、第4電極リード部材が一体に形成された第4電極を作製した。第4電極の総厚み(正極集電体+下地層+コバルト酸リチウム層)は200μmだった。
コバルト酸リチウム(LiCoO2)100質量部、黒鉛粉末5質量部およびポリフッ化ビニリデン粉末3.5質量部を、N−メチルピロリドン50質量部に添加して溶解・分散することにより、第4電極用スラリーを調製した。この第4電極用スラリーを上記(1)正極の製造で用いた正極集電体材に形成された下地層の両面に、ダイコーターによって間欠塗工して乾燥した。得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、縦横の寸法が60mm×80mmの第4電極層を形成した。導電層および第4電極層が形成された正極集電体材を、導電層および第4電極層が形成された部分(第4電極用部分)が60mm×80mm、導電層および第4電極層が形成されてない部分(リード部材用部分)が60mm×15mmになるように、60mm×95mmの大きさに切断した。このようにして、表裏面に導電層および第4電極層が形成された正極集電体の一端に、第4電極リード部材が一体に形成された第4電極を作製した。第4電極の総厚み(正極集電体+下地層+コバルト酸リチウム層)は200μmだった。
(5)電極ユニットの作製:
まず、正極9枚、負極10枚、セパレータ20枚を用意し、正極と負極とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層ユニットを作製した。次いで、リチウムイオン供給源を電極積層ユニットの上側に負極と対向するよう配置した。次いで、第4電極を正極と負極と絶縁性を保つようにセパレータを介して最外層のリチウムイオン供給源と反対側の最外層に配置した。
まず、正極9枚、負極10枚、セパレータ20枚を用意し、正極と負極とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層ユニットを作製した。次いで、リチウムイオン供給源を電極積層ユニットの上側に負極と対向するよう配置した。次いで、第4電極を正極と負極と絶縁性を保つようにセパレータを介して最外層のリチウムイオン供給源と反対側の最外層に配置した。
そして、作製した電極積層ユニットの9枚の正極の各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、厚さ0.15mmのアルミニウム製の正極用電源タブを重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの10枚の負極の各々の未塗工部およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極用電源タブを重ねて溶接した。次いで、第4電極の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極用電源タブを重ねて溶接した。これにより、リチウムイオンキャパシタ要素(以下、「キャパシタ要素」という。)を得た。
(6)リチウムイオンキャパシタの製造:
まず、寸法が90mm(縦幅)×117mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、中央部分に、70mm(縦幅)×97mm(横幅)×4.5mm(絞深さ)の絞り加工が施された一方の外装フィルム(接合部となる外周縁部の幅が10mm)と、寸法が90mm(縦幅)×117mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
まず、寸法が90mm(縦幅)×117mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、中央部分に、70mm(縦幅)×97mm(横幅)×4.5mm(絞深さ)の絞り加工が施された一方の外装フィルム(接合部となる外周縁部の幅が10mm)と、寸法が90mm(縦幅)×117mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムとを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における中央位置に、上述のキャパシタ要素を、正極電極端子、負極電極端子および第4電極端子の各々の他端が他方の外装フィルムの端部から外方に突出すると共に、当該正極電極端子、負極電極端子および第4電極端子の一端に接続された各リード部材が他方の外装フィルムの端部の内方側に位置するよう配置した。その後、電極ユニットに一方の外装フィルムを重ね合わせ、他方の外装フィルムおよび一方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子、負極電極端子および第4電極端子が突出する3辺を含む)を熱融着し、幅10mmの接合部を形成した。
次いで、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、非プロトン性有機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネート(体積比で3:1:4)の混合溶媒を用い、濃度1.2mol/LのLiPF6を含む電解液(以下、「電解液A」という。)を注入した。その後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残りの一辺を熱融着することにより、幅10mmの接合部を形成し、以て、リチウムイオンキャパシタS1を製造した。
このリチウムイオンキャパシタについて、リチウムイオン供給源を構成するリチウム箔の有無を経時的に分析したところ、120時間でリチウム箔が消失していることが確認された。
〔リチウムイオンキャパシタS1:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタS1の正極端子と第4電極端子を接続させた状態にて、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、正極端子と第4電極端子の接続を開放した後、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で充電状態での正極電位と第4電極電位は等しい。
上述のリチウムイオンキャパシタS1の正極端子と第4電極端子を接続させた状態にて、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、正極端子と第4電極端子の接続を開放した後、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で充電状態での正極電位と第4電極電位は等しい。
〔リチウムイオンキャパシタS1:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタS1に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図8に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、正極電位が第4電極電位を超えていた場合、第4電極と正極を24時間短絡させて正極電位を低下させた後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間
が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタS1に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図8に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、正極電位が第4電極電位を超えていた場合、第4電極と正極を24時間短絡させて正極電位を低下させた後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間
が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈比較例1〉
第4電極を配置しないこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタC1を製造した。
第4電極を配置しないこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタC1を製造した。
〔リチウムイオンキャパシタC1:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタC1に対し、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。
上述のリチウムイオンキャパシタC1に対し、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。
〔リチウムイオンキャパシタC1:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタC1に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させ、1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタC1に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させ、1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈実施例2〉
実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS2を製造した。
実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS2を製造した。
〔リチウムイオンキャパシタS2:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタS2の正極端子と第4電極端子を接続させた状態にて、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、正極端子と第4電極端子の接続を開放した後、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極電位は充電状態の正極電位とは等しいが、負極電位より高い。
上述のリチウムイオンキャパシタS2の正極端子と第4電極端子を接続させた状態にて、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、正極端子と第4電極端子の接続を開放した後、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極電位は充電状態の正極電位とは等しいが、負極電位より高い。
〔リチウムイオンキャパシタS2:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタS2に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図11に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と負極との電位差を確認し、その電位差がフロート試験開始直後(0時間)と比較して小さくなっていた場合、充放電試験機を用いて第4電極と負極間に電流を通じ、負極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタS2に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図11に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と負極との電位差を確認し、その電位差がフロート試験開始直後(0時間)と比較して小さくなっていた場合、充放電試験機を用いて第4電極と負極間に電流を通じ、負極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈比較例2〉
第4電極として厚さ110μmのリチウム金属箔を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタC2を製造した。この際、第4電極の集電体には負極集電体と同様の銅製のエキスパンドメタルを使用した。
第4電極として厚さ110μmのリチウム金属箔を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタC2を製造した。この際、第4電極の集電体には負極集電体と同様の銅製のエキスパンドメタルを使用した。
〔リチウムイオンキャパシタC2:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタC2に対し、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。
上述のリチウムイオンキャパシタC2に対し、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。
〔リチウムイオンキャパシタC2:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタC2に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して大きくなっていた場合、充放電試験機を用いて正極と第4電極との間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタC2に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して大きくなっていた場合、充放電試験機を用いて正極と第4電極との間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈実施例3〉
第4電極としてリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS3を製造した。
第4電極としてリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS3を製造した。
〔リチウムイオンキャパシタS3:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタS3の第4電極と負極間の電位差が4.2Vになるように、充放電試験機にて定電圧充電を12時間行った後、正極、負極間にて1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極の電位は充電状態の正極電位よりも高い。
上述のリチウムイオンキャパシタS3の第4電極と負極間の電位差が4.2Vになるように、充放電試験機にて定電圧充電を12時間行った後、正極、負極間にて1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極の電位は充電状態の正極電位よりも高い。
〔リチウムイオンキャパシタS3:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタS3に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して小さくなっていた場合、充放電試験機を用いて第4電極と正極間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタS3に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に第4電極と正極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して小さくなっていた場合、充放電試験機を用いて第4電極と正極間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈実施例4〉
第4電極としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS4を製造した。
第4電極としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタS4を製造した。
〔リチウムイオンキャパシタS4:静電容量測定および内部抵抗測定〕
上述のリチウムイオンキャパシタS4の第4電極と負極間の電位差が1.4Vになるように、充放電試験機にて定電圧放電を12時間行った後、正極、負極間にて1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャ
パシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極の電位は充電状態の正極電位よりも低く、負極電位よりも高い。
上述のリチウムイオンキャパシタS4の第4電極と負極間の電位差が1.4Vになるように、充放電試験機にて定電圧放電を12時間行った後、正極、負極間にて1CAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、1CAの定電流によってキャ
パシタの電圧が2.2Vになるまで放電した結果、静電容量(F)および内部抵抗[DC−IR](mΩ)を測定した。なお、この時点で第4電極の電位は充電状態の正極電位よりも低く、負極電位よりも高い。
〔リチウムイオンキャパシタS4:70℃フロート試験〕
上述のリチウムイオンキャパシタS4に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に正極と第4電極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して大きくなっていた場合、充放電試験機を用いて正極と第4電極間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
上述のリチウムイオンキャパシタS4に対し、70℃において3.8V印加試験を行った。なお、図9に示される回路構成を用いて、印加時間100時間毎に正極と第4電極との電位差を確認し、その電位差が初期と比較して大きくなっていた場合、充放電試験機を用いて正極と第4電極間に電流を通じ、正極電位を低下させてフロート試験開始直後(0時間)の電位差に戻した後、3.8V電圧印加試験を継続させ、電圧印加時間が1000時間に達した時点で試験を終了させた。1サイクル目の容量に対する1000時間後の容量の比率を容量保持率(%)として求めた結果および1サイクル目の抵抗値に対する1000時間後の抵抗値の比率を内部抵抗保持率(%)として求めた結果を表1に示す。
〈まとめ〉
第4電極にてフロート試験の途中で正極または負極の電位を下げたことにより、静電容量および内部抵抗の保持率は高い結果となった。また、第4電極を有していても、比較例2のように第4電極としてリチウム金属を使用した場合、フロート試験終了後の容量保持率が小さい結果となっていた。また、比較例2のリチウムイオンキャパシタC2を分解したところ、第4電極のリチウム金属の表面にデンドライドが析出していることが確認された。このデンドライトによって、フロート試験中に微細な短絡が起こったものと考えられる。
第4電極にてフロート試験の途中で正極または負極の電位を下げたことにより、静電容量および内部抵抗の保持率は高い結果となった。また、第4電極を有していても、比較例2のように第4電極としてリチウム金属を使用した場合、フロート試験終了後の容量保持率が小さい結果となっていた。また、比較例2のリチウムイオンキャパシタC2を分解したところ、第4電極のリチウム金属の表面にデンドライドが析出していることが確認された。このデンドライトによって、フロート試験中に微細な短絡が起こったものと考えられる。
各リチウムイオンキャパシタのフロート試験開始直後(0時間)の静電容量およびフロート試験開始直後(0時間)の内部抵抗は以下の通りであり、これらの結果をリファレンスとして(フロート試験開始直後(0時間)を100%として)、フロート試験後の容量維持率(%)および内部抵抗保持率(%)を確認した。
フロート試験開始直後(0時間)の静電容量:404F
フロート試験開始直後(0時間)の内部抵抗:6.0mΩ
フロート試験開始直後(0時間)の静電容量:404F
フロート試験開始直後(0時間)の内部抵抗:6.0mΩ
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,1a,1b…蓄電モジュール、10…蓄電セル、11…外装容器、12…一方の外装フィルム、13…他方の外装フィルム、14…接合部、18…正極端子、19…負極端子、20…電極ユニット、21…正極、22…正極集電体、23…正極電極層、24…負極、25…負極集電体、26…負極電極層、27…リチウム箔、28…リチウム極集電体、29…リチウムイオン供給源、31…正極リード部材、32…負極リード部材、31a,32a…端子接合用端部、33…第4電極集電体、34…第4電極層、35…第4電極、36…第4電極端子、60,60a,60b…第1制御部、61−1,61−2,61−n…差動増幅器、62…マルチプレクサ、63…コントローラ、64−1,64−2,64−n,64a−1,64a−2,64a−n,64b−1,64b−2,64b−n…調整部、65−1,65−2,65−n…差動増幅器、66…電源、100,100a…蓄電装置、110,110a…第2制御部、120…絶縁伝送部、660…DC−DCコンバータ、1000,1000a,1000b…蓄電モジュール、1100,1100a,1100b…第1制御部、1110…測定部、1120…調整制御部、B…電源、E…電源、N…端子、P…端子、R1,R2,Rn…抵抗器、S…セパレータ、SW…スイッチ、SW1−1,SW1−2,SW1−n…第1スイッチ、SW2−1,SW2−2,SW2−n…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ
Claims (22)
- 正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える蓄電セルと、
前記蓄電セルを制御する第1制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュール。 - 正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、電解液または電解質と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルと、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルを制御する第1制御部と、
を有し、
前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とは、電気的に接続されており、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定処理と、
前記測定処理で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整処理と、
を行う、蓄電モジュール。 - 請求項1または2に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記測定処理において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定する、蓄電モジュール。 - 請求項1または3に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げる、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、
前記測定処理において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整処理において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げる、蓄電モジュール。 - 請求項2ないし5のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1制御部は、前記第1蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧と、前記第2蓄電セルの前記正極と前記負極との間の電圧とが近づくように、前記調整処理を行う、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、前記正極および前記負極と離間して配置されている、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、
内部に収容部を有する外装容器をさらに備え、
前記収容部に、前記正極と前記負極とが絶縁されて交互に積層された電極ユニットと、前記電解液または前記電解質と、前記第4電極の一部と、前記負極または前記正極に対向して配置された前記リチウムイオン供給源と、が収容され、
前記第4電極の他の一部は、前記外装容器から突出して設けられ、
前記正極は、貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質を含有する正極電極層を有し、
前記負極は、貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質を含有する負極電極層を有し、
前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、前記負極または前記正極にリチウムイオンがドープされる、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有する、蓄電モジュール。 - 請求項9に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に放電状態にある材料、または、前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの組立時に充電状態にある材料の少なくとも1種である、蓄電モジュール。 - 請求項9または10に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記リチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料は、リチウム金属酸化物、ポリアニオン系材料、共役系高分子、遷移金属酸化物、炭素材、シリコン合金または錫合金から選ばれる少なくとも1種である、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルは、リチウムイオンキャパシタである、蓄電モジュール。 - 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の複数の蓄電モジュールと、
前記蓄電モジュールのそれぞれが有する前記第1制御部を制御する第2制御部と、
を有する、蓄電装置。 - 請求項13に記載の蓄電装置において、
前記第1制御部および前記第2制御部は、デイジーチェーン接続されている、蓄電装置。 - 請求項13または14に記載の蓄電装置において、
絶縁しつつ信号を伝送する絶縁伝送部をさらに有し、
前記第2制御部は、前記絶縁伝送部を介して前記第1制御部を制御する、蓄電装置。 - 請求項13ないし15のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記複数の蓄電モジュールは、電気的に直列に接続されている、蓄電装置。 - 正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える蓄電セルを有する蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法。 - 正極と、負極と、リチウムイオン供給源と、第4電極と、を備える第1蓄電セルおよび第2蓄電セルを有し、前記第1蓄電セルの前記負極と、前記第2蓄電セルの前記正極とが電気的に接続されている蓄電モジュールの制御方法であって、
前記第1蓄電セルおよび前記第2蓄電セルの少なくとも一方に対して、
前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記正極または前記負極の電位に基づいて、前記正極および前記負極の少なくとも一方の電位を調整する調整工程と、
を含む、蓄電モジュールの制御方法。 - 請求項17または18に記載の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、
前記正極または前記負極と、前記第4電極との電位の差を測定することによって、前記正極または前記負極の電位を測定する、蓄電モジュールの制御方法。 - 請求項17ないし19のいずれか1項に記載の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の上昇が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を下げる、蓄電モジュールの制御方法。 - 請求項17ないし20のいずれか1項に記載の蓄電モジュールの制御方法において、
前記測定工程において、前記第4電極の電位を基準として、前記正極または前記負極の電位の下降が測定された場合には、
前記調整工程において、前記正極または前記負極と前記第4電極との間に電流を通じさせることによって、前記正極または前記負極の電位を上げる、蓄電モジュールの制御方法。 - 請求項17ないし21のいずれか1項に記載の蓄電モジュールの制御方法において、
前記第4電極は、基材上にリチウムイオンおよび/またはアニオンを担持可能な材料(但し金属リチウムを除く)を有する、蓄電モジュールの制御方法。
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