JP2015110694A - シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

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寛史 鳥越
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收 田中
善照 宮脇
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善照 宮脇
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Abstract

【課題】オプトデバイスの封止材に適した光透過性に優れ、かつ硫化ガスを通過させない樹脂硬化物を形成することが可能な、シリコーン樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)式(1)で示される化合物、並びに(D)反応触媒を含有するシリコーン樹脂組成物。[R1はアルケニル基を有する有機基;R2及びR3は同一又は異って各々アルケニル基を有する有機基、C1〜4のアルキル基等で置換されたC1〜4のアルキル基又はエポキシ基を持つシクロへキシル基]【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(Light Emitting Diode 、LED)やPhoto Diode(PD)等のオプトデバイスにおけるパッケージ成型に使用される封止材として特に適した、シリコーン樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、今までのLED用封止材や接着剤として一般に使用されている。しかし、近年、白色LEDが注目される中で、これまで問題とされなかった熱や紫外線によるエポキシ樹脂の黄変やクラックが問題となっており、また、成形物の耐衝撃性が低く脆いという欠点がある。
一方、熱硬化性プラスチックの中でもシリコーン樹脂は、耐熱性、耐候性、及び耐水性の点で優れているため、上記エポキシ樹脂の問題点を解決する期待が現在のところ最も高い材料である。例えば、シリコーン樹脂を、LED発光素子のモールド部材等に用いること(特許文献1、2)が提案されている。
特開平10-228249号公報 特開平10-242513号公報
しかしながら、これらの一般のシリコーン樹脂を使用した場合、当該樹脂の硬化物は、硫化ガス雰囲気下では、当該硫化ガスを通過させてしまうという問題がある。そのため、リードフレームに施されている銀メッキが当該硫化ガスを腐食してしまい、結果として光学特性へ悪影響を及ぼす(LEDの場合、輝度の低下等)という問題がある。
従って、本発明の目的は、光透過性に優れ、かつ硫化ガスを通過させない樹脂硬化物を形成することが可能な、シリコーン樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、特定の成分を組み合わせて含有するシリコーン樹脂組成物によれば、光透過性に優れ、かつ硫化ガスを通過させない樹脂硬化物を形成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記の構成を備えたシリコーン樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を使用した光半導体電子部品に係る。
1. 以下の(A)〜(D):
(A) 1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B) 1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C) 下記式(1):
Figure 2015110694
[式中、R1は、アルケニル基を有する有機基を示し、
R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
Figure 2015110694
で示される基、
である。]
で示される化合物、並びに
(D) 反応触媒
を含有する、シリコーン樹脂組成物。
2. 前記R1が、
Figure 2015110694
であり、
前記R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ、
(i)
Figure 2015110694
(ii)炭素1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
Figure 2015110694
で示される基、
である、
上記項1に記載のシリコーン樹脂組成物。
3. 前記(A)に含まれる前記アルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数と前記(C)成分に含まれる前記アルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数との合計モル数に対する前記(B)成分中の前記ケイ素原子に結合した水素原子の合計モル数の比が、0.3〜4.0である、上記項1又は2に記載のシリコーン樹脂組成物。
4. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部である、上記項1〜3のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物。
5. 発光素子封止用である、上記項1〜4のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物。
6. 発光素子が上記項1〜5のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物によって封止された、光半導体電子部品。
以下、本発明について詳細に説明する。
≪シリコーン樹脂組成物≫
本発明のシリコーン樹脂組成物は、以下の(A)〜(D):
(A) 1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
(B) 1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C) 下記式(1):
Figure 2015110694
[式中、R1は、アルケニル基を有する有機基を示し、
R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
Figure 2015110694
で示される基、である。]
で示される化合物、並びに
(D) 反応触媒
を含有する。当該シリコーン樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を組み合わせて使用するため、上記シリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物(以下、単に「硬化物」ともいう)は、光の透過性に優れ、かつ硫化ガスが通過することが抑制されている。さらに、当該硬化物は、高温下(例:150℃以上)に曝された後においても、光の透過性に優れる。そのため、当該シリコーン樹脂組成物は、特に、発光素子封止用として好適に使用される。
本発明のシリコーン樹脂組成物全体の23℃における粘度は、10〜110Pa・sが好ましい。また、本発明のシリコーン樹脂組成物全体のチクソトロピック性は、特に限定されないが、1.0〜5.5が好ましい。なお、本発明のシリコーン樹脂組成物の粘度は、サンプルであるシリコーン樹脂組成物をガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を23℃のウォーターバスに1時間ほど放置し、その後、B型回転粘度計にて2rpmと20rpmの時の粘度により確認した値である。また、上記チクソトロピック性は、上記2rpm時の粘度と20rpm時の粘度の比を算出して、数値化することにより得られる。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を含有する。上記(A)〜(D)成分及びその他の成分の各成分については、以下に詳細に説明する。
(A) オルガノポリシロキサン
本発明のシリコーン樹脂組成物は、(A)オルガノポリシロキサンを含有する。当該(A)オルガノポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する。本明細書において、(A)オルガノポリシロキサンを、単にオルガノポリシロキサン、又は(A)成分ともいう。
(A)成分は、本発明のシリコーン樹脂組成物の主剤(ベースポリマー)であって、液状又は固体状のオルガノポリシロキサン樹脂(レジン)である。(A)成分の分子構造は、直鎖状、分岐状又は三次元網状構造のいずれであってもよい。なお、(A)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分中のアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的なアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、イソプロペニル基、1−プロペニル基、ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、ペテニル基、へキセニル基、オクテニル基、シクロへキセニル基等が挙げられる。中でも、アルケニル基は、ビニル基であることが好ましい。
(A)成分中の前記アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基としては、(1)置換されているか若しくは非置換である一価炭化水素基、(2)アルコキシ基、(3)ヒドロキシル基(水酸基)などが挙げられる。
(1)の非置換の一価炭化水素基としては、通常、炭素数1〜12、好ましくは1〜8程度のものが挙げられる。具体的には、
・メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;
・フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;
・ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;
などが挙げられる。
(1)の置換されている一価炭化水素基としては、上述の非置換の一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換した一価炭化水素基が挙げられる。例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基;などが挙げられる。
(2)アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4程度)のアルコキシ基が挙げられる。
(A)成分中のアルケニル基の含有量は、ケイ素原子と結合した全有機基中、0.002〜1.0モル%が好ましい。なお、前述及び後述の「ケイ素原子と結合した全有機基」は、前記アルケニル基を包含する。
(A)成分中には、高屈折率を得るために、ケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含むことが好ましい。(A)成分中にケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含む場合、ケイ素原子と結合した全有機基中、20〜80モル%のフェニル基を有することが好ましい。
(A)オルガノポリシロキサンにおけるシロキサン単位の具体的な種類としては、モノビニルシロキサン、モノメチルシロキサン、モノエチルシロキサン、モノフェニルシロキサン、ジビニルシロキサン、フェニルビニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン、トリビニルシロキサン、ジビニルメチルシロキサン、ジビニルフェニルシロキサン、ビニルジメチルシロキサン、ビニルフェニルメチルシロキサン、トリメチルシロキサン、ジメチルフェニルシロキサン、メチルジフェニルシロキサン、トリフェニルシロキサンなど、及びこれらのシロキサンの有機基の水素原子がハロゲン等で置換されたシロキサンなどが例示される。
(A)オルガノポリシロキサンとしては、液状又は固体状であるものをベースポリマーとして使用する。当該(A)成分の粘度は、23℃で0.01Pa・s以上が好ましく、0.03〜10000Pa・sがより好ましく、0.05〜1000Pa・sが更に好ましい。
(B) オルガノハイドロジェンポリシロキサン
本発明のシリコーン樹脂組成物は、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有する。当該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する。本明細書において、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを、単にオルガノハイドロジェンポリシロキサン、又は(B)成分ともいう。
(B)成分は、(A)成分と付加反応(ヒドロシリル化反応)する。具体的には、当該(B)成分のSi-H基(結合)と、(A)成分のアルケニル基が反応し、シロキサン鎖を架橋させる。これにより、シリコーン樹脂組成物は硬化する。即ち、本発明のシリコーン樹脂組成物において、当該(B)成分は、架橋剤として作用する成分である。
(B)成分中の上記水素原子以外のケイ素原子結合有機基としては、置換されているか若しくは非置換である一価炭化水素基が挙げられる。当該一価炭化水素基としては、上記(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基の説明で例示された一価炭化水素基と同様のものを挙げることができ、また、置換されている場合についても上記と同様のものを挙げることができる。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、フェニルメチルハイドロジェンポリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。好ましくはフェニルメチルハイドロジェンポリシロキサンである。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は3〜1000が好ましく、特に3〜300程度のものがより好ましい。
(B)成分の粘度は、23℃で10Pa・s以下が好ましく、0.0001〜5.0Pa・sがより好ましい。
(A)成分がフェニル基を有する場合、(B)成分もフェニル基を有することが、透明性の確保、保存中の分離防止等の観点から好ましい。(B)成分中にケイ素原子結合有機基としてフェニル基を含む場合、ケイ素原子と結合した全有機基中、20〜80モル%のフェニル基を有することが好ましい。
前記(A)成分中に含まれるアルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合(-C=C-)のモル数と後述する(C)成分に含まれるアルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合(-C=C-)のモル数との合計モル数に対する前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、Si−H基)の(合計)モル数の比は、0.3〜4.0であることが好ましい。即ち、前記(A)成分中に含まれるアルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数と後述する(C)成分に含まれるアルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数との合計モル数を1モルとしたときに、前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計モル数は、0.3〜4.0モルであることが好ましい。当該水素原子のモル数(又はモル数の比)が上記範囲内であることにより、(A)成分と(B)成分が構成する架橋構造中に、(C)成分中のイソシアヌル環が効率良く存在するため、硬化物は硫化ガスをより遮断し(通過させず)、且つ、高温下に曝された後の光の透過率の減少がより抑制される。
(B)成分の含有量(配合量)は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して1〜1000質量部が好ましく、20〜500質量部がより好ましい。
(C) 式(1)で示される化合物(イソシアヌル酸誘導体)
本発明のシリコーン樹脂組成物は、(C)成分として、下記式(1):
Figure 2015110694
[式中、R1は、アルケニル基を有する有機基を示し、
R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
(i)アルケニル基を有する有機基、
(ii)炭素数1〜4のアルキル基、
(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
Figure 2015110694
で示される基、である。]
で示される化合物を含有する。本明細書において、当該化合物を、イソシアヌル酸誘導体、又は(C)成分ともいう。
イソシアヌル酸誘導体は、上記(B)成分とヒドロシリル化反応する。具体的には、当該(C)イソシアヌル酸誘導体のアルケニル基を有する有機基と、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSi-H基が反応する。これにより、(C)イソシアヌル酸誘導体は、(A)成分及び(B)成分とともに架橋構造を構成する。本発明のシリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、(C)イソシアヌル酸誘導体が結合した上記架橋構造を有するため、硫化ガスの通過が抑制され、且つ、高温下に曝された後の透過率の減少が抑制される。特に、上記硬化物が硫化ガスの通過を抑制する理由は、上記架橋構造中にイソシアヌル環を有するためと考えられている。
ここで、前記アルケニル基を有する有機基とは、二重結合を有する脂肪族炭化水素から水素1原子が失われて生ずる1価の基を分子構造中に含む有機基である。具体的なアルケニル基を有する有機基としては、(I)アルケニル基、(II)アラルキル基中の芳香族炭化水素の環に結合する水素原子の1つをアルケニル基で置換した有機基、(III)エステル結合(-COO-)にアルケニル基が結合した有機基、などが挙げられる。なお、上記アラルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルケニル基を有する有機基中のアルケニル基および上記(I)におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的なアルケニル基としては、上述の(A)成分中のアルケニル基で例示されたアルケニル基と同様のものが挙げられる。
上記(II)アラルキル基中の芳香族炭化水素の環に結合する水素原子の1つをアルケニル基で置換した有機基としては、例えば、以下の有機基(a)〜(f):
Figure 2015110694
等が挙げられる。
(III)エステル結合(-COO-)にアルケニル基が結合した有機基としては、以下の有機基(g)〜(l):
Figure 2015110694
等が挙げられる。
(C)成分としては、前記R1が、脂肪族炭素−炭素二重結合が末端にあるアルケニル基を有する有機基であり、且つ、前記R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ、(i)脂肪族炭素−炭素二重結合が末端にあるアルケニル基を有する有機基、(ii)炭素数1〜4のアルキル基、(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
(iv)
Figure 2015110694
で示される基、である(C)成分が好ましく、
前記R1
Figure 2015110694
であり、且つ、前記R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ、
(i)
Figure 2015110694
(ii)炭素1〜4のアルキル基、(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、(iv)
Figure 2015110694
で示される基、である(C)成分がより好ましい。つまり、前記アルケニル基を有する有機基としては、
Figure 2015110694
がより好ましい。前記R1〜R3がそれぞれ上記基であることにより、効率的に(C)成分が(B)成分と反応することができる。
(ii)の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
前記(iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基とは、炭素数1〜4のアルキル基の水素原子の一部又は全部をヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換して得られる基をいう。当該炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、上記(ii)で例示されたアルキル基と同様である。
(iii)のヒドロキシル基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、−CH2−OH、−CH2−CH2−OH等が挙げられる。
(iii)のカルボキシル基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、−CH2−COOH、−CH2−CH2−COOH等が挙げられる。
(iii)のエポキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基としては、
Figure 2015110694
等が挙げられる。
(iii)の前記アシルオキシ基(RCOO−)としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。中でも、アセトキシ基(CH3COO-)又はプロピオニルオキシ基(C2H5COO-)が好ましい。
(iii)の前記アシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基の中でも、
Figure 2015110694
で示される基が好ましい。
(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であることにより、(A)成分と(B)成分が構成する架橋構造中に、(C)成分中のイソシアヌル環が効率良く存在するため、さらに硫化ガスの通過、及び、加熱による透過率の減少が抑制される。
(D) 反応触媒
本発明のシリコーン樹脂組成物は、(D)反応触媒を含有する。当該(D)反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のSi-H基とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒(付加反応触媒)である。
(D)反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒;ロジウム系触媒;などの白金族金属触媒が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易であり、少量の添加で目的を達することができる白金系触媒が好ましい。
反応触媒の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計質量に対して白金族金属換算質量で0.1〜2000ppm(即ち、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.00001〜0.2質量部)となるように反応触媒を使用することが好ましく、上記合計質量に対して白金族金属換算質量で1〜1000ppm(即ち、上記合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.0001〜0.1質量部)となるように反応触媒を使用することがより好ましく、上記合計質量に対して白金族金属換算質量で2〜700ppm(即ち、上記合計100質量部に対して白金族金属換算質量で0.0002〜0.07質量部)となるように反応触媒を使用することがさらに好ましい。
その他の成分
本発明のシリコーン樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(D)成分以外の成分を含有してもよい。上記(A)〜(D)成分以外の成分としては、例えば、シリカ、付加反応制御剤、硬度(又は粘度)調節剤、接着付与剤、波長調整剤、染料、顔料、難燃剤、耐熱剤、耐酸化劣化剤等が挙げられる。
シリカは、シリコーン樹脂組成物の粘度を上昇させる。そのため、例えば、ポッティング方式によって本発明のシリコーン樹脂組成物で発光素子を封止する場合には、シリコーン樹脂組成物をレンズ形状に成形することが容易になる。
シリコーン樹脂組成物中にシリカを含有する場合、その平均粒子径は、1〜30nmが好ましい。当該平均粒子径が1〜30nmの微細なシリカを使用することにより、シリコーン樹脂組成物の粘度がLED等に対する封入樹脂成型に適した粘度となる。シリカのより好ましい平均粒子径は、1〜15nmである。
シリカは、沈降シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、これらのシリカをシラン化合物で疎水化処理したものであってもよい。シリカの中でも、シラン化合物で疎水化処理されたシリカが好ましく、シラン化合物で疎水化処理されたヒュームドリカがより好ましい。疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、例えばモノメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン等を挙げることができる。これらのシリカは市販されており、例えば、日本アエロジル社の「アエロジル」を挙げることができる。
シリコーン樹脂組成物中にシリカを含有する場合、その含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の総量に対して5〜25質量%(即ち、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して5〜25質量部)が好ましく、(A)、(B)及び(C)成分の総量に対して7〜15質量%(即ち、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して7〜15質量部)がより好ましい。
シリコーン樹脂組成物の粘度を調整する粘度調整剤(又は、シリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の硬度を調整する硬度調整剤)としては、1)分子鎖末端のケイ素原子、分子鎖途中のケイ素原子あるいは分子鎖末端及び分子鎖途中のケイ素原子に結合したアルケニル基(例えばビニル基)を含有し、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたフェニル基含有あるいは非含有の直鎖状のジオルガノポリシロキサン、2)直鎖状の非反応性オルガノポリシロキサン、ケイ素原子数が2〜10個程度の直鎖状又は環状の低分子オルガノポリシロキサン等を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物における接着付与剤としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、透明性に影響を与えない範囲で、必要に応じて波長調整剤、染料、顔料、難燃剤、耐熱剤、耐酸化劣化剤等を含有してもよい。
≪シリコーン樹脂組成物の封止≫
本発明のシリコーン樹脂組成物は、発光素子封止用として好適に使用することができる。具体的には、前記シリコーン樹脂組成物は、発光素子を封止するための封入樹脂やレンズ等の原料として好適に使用することができる。
発光素子としては、主に、InGaN、SiC、AlGaInP、GaP、GaAlAs、InGaAs、GaAs等の化合物半導体素材を用いたものが、発光ダイオード(LED)用として使用される。また、発光素子により発せられる波長は、可視光を始め、近視外光、近赤外光の光で、300nm〜1200nmの領域を対称とする。
封止方法
発光素子を本発明のシリコーン樹脂組成物によって封止する方法としては、特に限定されず、一般的に適用される封止方法を採用することができる。例えば、ポッティング方式(ディスペンスによるポッティング方式、真空印刷機によるポッティング方式等)、金型成型(形)方式(トランスファー成型、インジェクション成型、コンプレッション成型等)などの成型方法又は塗布方法により、前記発光素子が外気に触れないように前記シリコーン樹脂組成物を成型又は塗布した後、前記シリコーン樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。
発光素子が外気に触れないように前記発光素子を本発明のシリコーン樹脂組成物で塗布した後は、当該シリコーン樹脂組成物を硬化させる。シリコーン樹脂組成物の硬化は、一般的には加熱によって行われる。加熱条件は、特に制限はないが、温度条件は120〜180℃で、時間は30〜180分が好ましい。
≪光半導体電子部品≫
発光素子が本発明のシリコーン樹脂組成物によって封止されて形成される、本発明における光半導体電子部品としては、主に発光ダイオード(LED)が挙げられる。また、前記光半導体電子部品としては、レンズ形状を構成する他の電子部品、例えば、フォトダイオード(PD)、ホトカプラ、面発光型半導体レーザー(VCSEL)、レーザーダイオード(LD)等にも応用可能である。
具体的なLEDとしては、砲弾型LED、表面実装型(SMD)LEDが挙げられる。砲弾型LEDは、リードフレームと一体形成したカップ内にチップを実装し、カップ内に蛍光体を分散させた本発明の樹脂組成物を封入して、その周りを砲弾型に別の樹脂組成物でモールドした構造をとるか、又は、上述の構造において砲弾型に本発明の樹脂組成物でモールドした構造をとることができる。表面実装型LEDは、セラミックや樹脂などで成型したキャビティの中にLEDチップを実装し、キャビティに蛍光体を分散させた本発明の樹脂組成物を封入する構造をとることが挙げられる。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を組み合わせて使用するため、シリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、光の透過性に優れ、かつ硫化ガスが通過することが抑制されている。さらに、当該硬化物は、高温下に曝された後においても、光の透過性に優れる。そのため、当該シリコーン樹脂組成物は、特に、発光素子封止用として好適に使用される。
実施例1のシリコーン樹脂組成物に対して硫化試験を行った後のSMD(Surface Mount Device)硬化物の外観写真である。 実施例2のシリコーン樹脂組成物に対して硫化試験を行った後のSMD硬化物の外観写真である。 比較例1のシリコーン樹脂組成物に対して硫化試験を行った後のSMD硬化物の外観写真である。 比較例2のシリコーン樹脂組成物に対して硫化試験を行った後のSMD硬化物の外観写真である。 比較例3のシリコーン樹脂組成物に対して硫化試験を行った後のSMD硬化物の外観写真である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
メチルポリシロキサン100gに対して、メチルハイドロジェンポリシロキサン13gを混合した。
次いで、当該混合物に対して、付加反応触媒として、白金0.08gを添加した。さらに、接着付与剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM-403)1gを添加した、これにより、配合物を調製した。
さらに、当該配合物に対して、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成株式会社製 MA-DGIC)5gを添加した。これにより、実施例1のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、使用したメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン及びモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸の詳細は、以下の通りである。
≪(A)成分:メチルポリシロキサンの詳細≫
1分子中にケイ素原子に結合したビニル基を2個以上有し、ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が0.485mmol/gであり、23℃で粘度が5.1Pa・sである、メチルポリシロキサン(樹脂)。
≪(B)成分:メチルハイドロジェンポリシロキサンの詳細≫
1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有し、Si-H(ヒドロシリル)基量が7.7mmol/gであり、23℃で粘度0.065Pa・sである、メチルハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)。
≪(C)成分:モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸の詳細≫
ビニル基量(炭素−炭素二重結合量)が3.555mmol/gであるモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸。
実施例2
メチルフェニルポリシロキサン100gに対して、メチルフェニルハイドロジェンポリシロキサン30gを混合した。
次いで、当該混合物に対して、付加反応触媒として、白金0.08gを添加した。さらに、接着付与剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM-403)1gを添加した、これにより、配合物を調製した。
さらに、当該配合物に対して、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成株式会社製 MA-DGIC)5gを添加した。これにより、実施例2のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、使用したメチルフェニルポリシロキサン及びメチルフェニルハイドロジェンポリシロキサンの詳細は、以下の通りである。
≪(A)成分:メチルフェニルポリシロキサンの詳細≫
1分子中にケイ素原子に結合したビニル基を2個以上有し、ビニル基量が1.15mmol/gであり、23℃で粘度が5.5Pa・sであり、メチル基とフェニル基のモル比が1:1である、メチルフェニルポリシロキサン(樹脂)。
≪(B)成分:メチルフェニルハイドロジェンポリシロキサンの詳細≫
1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有し、SiH(ヒドロシリル)基量が3.9mmol/gであり、23℃で粘度1.3Pa・sであり、メチル基とフェニル基のモル比が1:1である、メチルフェニルハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)。
比較例1
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸に代えて、オリゴマーエステル(K-pure CDR-3320、KING Industries社製)を使用する以外は、実施例1と同様にして、比較例1のシリコーン樹脂組成物を得た。
比較例2
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例2のシリコーン樹脂組成物を得た。
比較例3
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸を添加しない以外は、実施例2と同様にして、比較例3のシリコーン樹脂組成物を得た。
<硫化試験>
上記各シリコーン樹脂組成物を、表面が銀めっき処理されたSMD(Surface Mount Device)ケース材の中に注型した。次に、当該シリコーン樹脂組成物が注型されたケース材を、100℃で1時間加熱した後、さらに150℃で3時間加熱した。これにより、(硬化した)各SMD硬化物を得た。
次いで、各々500mlの容積のガラス瓶を用意し、当該ガラス瓶に約5g程度の硫黄粉末、及び上記各SMD硬化物を入れた。ガラス瓶は、上記硫黄粉末によって生じるガスが漏れないように、密栓環境下でシールを施した。次に、当該各ガラス瓶を、80℃のオーブン乾燥機に3日間入れた。この後(硫化試験後)の各SMD硬化物内の外観状態を顕微鏡で確認した。外観状態の評価については、以下の通りとした。なお、○のみを製品として合格とした。
○:硫化試験前と比較して変化がないことが確認された。
△:SMD硬化物に茶色の斑点が確認された。
×:SMD硬化物が黒色に変色されていることが確認された。
<熱エージング試験>
上記各シリコーン樹脂組成物を成型及び硬化させることにより、縦70mm、横15mm、厚さ1mm程度の板状の試験片を作製した。次いで、当該試験片の透過率、及び150℃で加熱した後の試験片の透過率を測定した(熱エージング試験による測定)。これにより、加熱による透過率の経時変化を測定した。なお、透過率については、分光光度計(V−650、日本分光株式会社製)を使用して、波長450nmの可視光線の透過率を測定した。また、上記加熱時間は、168時間、300時間、500時間、1000時間とした。熱エージング試験の評価については、以下の通りとした。
○:加熱前における透過率(初期値透過率)をTbefore(%)、1000時間加熱後における透過率をTafter(%)とした時に、関係式:Tbefore−Tafter≦10を満たす。
×: Tbefore−Tafter>10を満たす。
なお、各実施例及び比較例のシリコーン樹脂組成物(液体状態)の屈折率についても測定した。屈折率は、アッベ式屈折率計(DU型新型アッべ屈折率計、株式会社日本光器製)を使用して測定した。また、屈折率は、特定波長589nm(d線)における液状屈折率であり、上記各シリコーン樹脂組成物の温度は25℃とした。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2015110694
実施例1及び2のシリコーン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は、前記シリコーン樹脂組成物中にイソシアヌル酸誘導体が含まれているため、硫化ガスを通過させず、且つ、加熱による透過率の減少が抑制されていることがわかった。

Claims (6)

  1. 以下の(A)〜(D):
    (A) 1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する、オルガノポリシロキサン、
    (B) 1分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C) 下記式(1):
    Figure 2015110694
    [式中、R1は、アルケニル基を有する有機基を示し、
    R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ、
    (i)アルケニル基を有する有機基、
    (ii)炭素数1〜4のアルキル基、
    (iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
    (iv)
    Figure 2015110694
    で示される基、
    である。]
    で示される化合物、並びに
    (D) 反応触媒
    を含有する、シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記R1が、
    Figure 2015110694
    であり、
    前記R2及びR3が、同一又は異なって、それぞれ、
    (i)
    Figure 2015110694
    (ii)炭素1〜4のアルキル基、
    (iii)ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、若しくはアシルオキシ基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基、又は、
    (iv)
    Figure 2015110694
    で示される基、
    である、
    請求項1に記載のシリコーン樹脂組成物。
  3. 前記(A)に含まれる前記アルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数と前記(C)成分に含まれる前記アルケニル基中の脂肪族炭素−炭素二重結合のモル数との合計モル数に対する前記(B)成分中の前記ケイ素原子に結合した水素原子の合計モル数の比が、0.3〜4.0である、請求項1又は2に記載のシリコーン樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物。
  5. 発光素子封止用である、請求項1〜4のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物。
  6. 発光素子が請求項1〜5のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物によって封止された、光半導体電子部品。
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