JP2015109745A - 発電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力負荷Lとは別に消費電力を変更自在な模擬負荷22を備え、制御手段40が、発電時において、模擬負荷22を発電機32に投入すると共に、発電機32の発電電力がエンジン31を安定運転可能な所定の下限発電電力以上となるように、当該模擬負荷22の消費電力を制御する模擬負荷制御を実行する。
【選択図】図1
Description
前記エンジンを起動した状態で前記発電機の発電電力を電力負荷の少なくとも一部に供給する発電時において、前記エンジンの回転速度を所望の定格回転速度に設定する形態で当該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御を実行する制御手段とを備えた発電システムに関する。
このような発電システムとして、商用電力系統からの受電が停止する停電時において、商用電力系統から発電機を切り離した状態で、発電機を駆動するエンジンを起動させて発電機の自立運転を行い、発電機の発電電圧が確立し安定して発電が行えるようになった段階で、停電時の給電対象とする電力負荷の一部又は全部の特定負荷を発電機に投入して、特定負荷への給電を継続するように構成されたものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。
特に、停電時において投入される特定負荷については、全電力負荷のうちの一部の重要負荷に限定されており、更には、その重要負荷が必ずしも作動しているとは限らずに消費電力が極めて小さい場合があるために、そのような重要負荷が投入された発電機の発電電力が極めて小さいものとなって、エンジンの出力が例えば定格出力の半分以下というような極めて低い状態となる場合がある。
そして、エンジンが極めて低出力で運転されると、エンジンの運転状態が不安定となって、排ガス中のNOxが増加するなどの排気エミッションの増加やストール等の問題が生じる場合がある。
エンジンにより回転駆動されて発電を行う発電機と、
前記エンジンを起動した状態で前記発電機の発電電力を電力負荷の少なくとも一部に供給する発電時において、前記エンジンの回転速度を所望の定格回転速度に設定する形態で当該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御を実行する制御手段とを備えた発電システムであって、
その特徴構成は、
前記電力負荷とは別に消費電力を変更自在な模擬負荷を備え、
前記制御手段が、前記発電時において、前記模擬負荷を前記発電機に投入すると共に、前記発電機の発電電力が前記エンジンを安定運転可能な所定の下限発電電力以上となるように、当該模擬負荷の消費電力を制御する模擬負荷制御を実行する点にある。
詳しくは、発電機から発電電力の供給を受ける電力負荷の消費電力が、上記下限発電電力を下回る場合には、発電機に投入された模擬負荷の消費電力が、下限発電電力に対する電力負荷の消費電力の不足分以上に設定され、当該不足分が賄われることになる。よって、発電機の発電電力が常に下限発電電力以上に維持されて、エンジンの出力が比較的高いものに維持され、結果、エンジンの安定運転が実現されることになる。
従って、本発明により、エンジンにより発電機を回転駆動する発電システムにおいて、発電機に投入される電力負荷の消費電力が小さい場合でも、エンジンの運転状態を安定したものとして、排気エミッションの増加やストール等を抑制する技術を提供することができる。
前記制御手段が、前記模擬負荷制御において、前記発電機に対する前記模擬負荷の投入時期を、前記発電機に対する前記電力負荷の投入時期と同時又はその前に設定する点にある。
そこで、本特徴構成によれば、発電機に対する模擬負荷の投入時期を電力負荷の投入時期と同時又はその前とすることで、発電機に対して電力負荷が投入された時点及びそれ以降において、発電機の発電出力が下限発電電力以上に維持されて、エンジンの出力が比較的大きく保たれ、エンジンの安定運転が実現される。よって、電力負荷に対して安定して発電電力を供給することができる。
前記制御手段が、前記模擬負荷制御において、前記発電機の発電電力が前記下限発電電力以上に設定された目標発電電力に維持されるように、前記模擬負荷の消費電力を制御する点にある。
商用電力系統から前記電力負荷への給電が停止する停電を検出する停電検出手段を備え、
前記制御手段が、前記停電検出手段により停電が検出された停電時に、前記発電機から前記電力負荷を解列した状態で前記エンジンを起動させた後に、前記発電機に前記電力負荷の少なくとも一部の特定負荷を投入する停電制御を実行すると共に、当該特定負荷の投入後に前記模擬負荷制御を実行する点にある。
前記制御手段が、前記停電制御において、前記模擬負荷の消費電力が前記特定負荷よりも小さい状態で、前記発電機に前記特定負荷を投入する前に、前記発電機に前記模擬負荷を投入する点にある。
即ち、停電時において、発電機に対しては、特定負荷の投入前に、模擬負荷が投入されることになる。そして、この投入される模擬負荷は特定負荷に比べて消費電力が小さいことから、この模擬負荷の投入時において発電機に投入される電力負荷の消費電力の増加幅は、略無負荷状態から特定負荷を突然投入したときと比べて小さくなる。よって、発電機を駆動するエンジンの回転速度を安定したものに維持して、発電機による安定した発電を継続することができる。また、特定負荷の投入前に、発電機に対して模擬負荷が投入されることから、略無負荷状態で発電機を運転するときと比べて、エンジンに適度な負荷をかけて暖機を進行させることができ、より早い段階で模擬負荷に比べて大きい特定負荷を投入可能な状態とすることができる。
更に、特定負荷の投入時においては、適宜模擬負荷の消費電力を低下させることで、特定負荷の投入時における発電機の発電電力の変動を抑制することができるので、比較的大きな特定負荷を投入した場合でも、エンジンの回転速度を安定したものに維持して、発電機による安定した発電を継続することができる。
前記制御手段が、前記停電制御において、前記模擬負荷の消費電力を所定の最小消費電力に設定した状態で当該模擬負荷を前記発電機に投入し、その後、前記模擬負荷の消費電力を前記特定負荷よりも小さい所定の最大消費電力に漸次増加させた後に前記特定負荷を投入すると共に、当該特定負荷の投入後の前記模擬負荷制御において、前記発電機の発電電力が前記下限発電電力以上に設定された目標発電電力に維持されるように、前記模擬負荷の消費電力を制御し、
前記模擬負荷の最大消費電力及び前記発電機の目標発電電力が、前記特定負荷の投入時における前記発電機の発電電力の増加幅が前記重要負荷の消費電力と比べて小さくなるように設定されている点にある。
よって、特定負荷投入後において発電機を駆動するエンジンの回転速度を比較的早い段階で整定させて、発電機による安定した発電を継続することができる。
図1に示す発電システムは、商用電力系統1から受電した受電電力を消費する電力負荷Lを有する事業所などの施設に設けられて、当該商用電力系統1からの受電が停止する停電が発生したときに、電力負荷Lの少なくとも一部の特定負荷としての重要負荷11に対して、発電装置30で発電した発電電力を供給するシステムとして構成されている。
尚、商用電力系統1から受電した受電電力は、電力線3に供給され、当該電力線3に遮断器4を介して接続された一般負荷5に供給される。また、電力線3に供給された受電電力は継電器6を介して電力線9に供給され、当該電力線9に遮断器10を介して接続された重要負荷11に供給される。
尚、この重要負荷11としては、コンプレッサ、ポンプ、エレベータ、医療機器などの非常用設備の電気負荷などとされている。
上記発電装置30は、商用電力系統1の受電電力と同じ基準電圧(例えば6600V)及び基準周波数(例えば60Hz)の発電電力を電力負荷Lに供給可能なものとして構成されている。更に、発電装置30は、発電に伴って熱を発生するコージェネレーションシステムとして構成されている。
また、発電機32の発電電力の出力側には、当該発電機32で発電される発電電力を計測する発電電力計測器33が設けられている。
一方、制御装置40は、詳細については後述するが、停電検出手段Aにより停電が検出された停電時に、エンジン31を起動させた状態で、発電機32に対し重要負荷11を投入する停電制御を実行する。尚、この重要負荷11のように、エンジン31の起動後に発電機32に投入される電力負荷Lを初期負荷と呼ぶ場合もある。
具体的に、模擬負荷22は、電力線20に対して遮断器21を介して接続されており、この電力線20は、重要負荷11が接続された電力線9に対して継電器23を介して接続されている。
以下、このように発電システムが停電時において実行する停電制御及び模擬負荷制御の処理フローについて、図2及び図3を参照して説明する。
先ず、停電制御の詳細について説明する。
停電検出手段Aにより停電が検出された場合(図2のステップ#1のyes側、図3の時間T0)には、継電器6,23及び遮断器21、24が開状態(非通電状態)に切り替えて、発電機32から電力負荷Lを解列した状態で、蓄電電力によりセルモータを作動して、エンジン31を自立起動させる(図4のステップ#2)。
すると、図3における時間T0〜時間T1のエンジン回転速度の状態遷移に示すように、出力制御によりエンジン31の回転速度が上昇し、それに伴って、エンジン31により回転駆動される発電機32の発電電圧が上昇する。
次に、模擬負荷22の消費電力が重要負荷11に比べて小さい所定の最大消費電力E2に至るまで(図2のステップ#4−4のyes側)、所定時間毎に(図2のステップ#4−2)、模擬負荷22の消費電力が所定幅ずつ段階的に増加される(図2のステップ#4−3)。このことにより、エンジン31の運転状態は安定したものに維持されたまま、エンジン31に適度な負荷がかかり、結果、当該エンジン31の暖機が早期に進行することになる。
そして、この重要負荷投入処理が実行されて発電機32に重要負荷11が投入された後に、後述する模擬負荷制御が実行される(図2のステップ#6、図3の時間T2以降)。
次に、模擬負荷制御の詳細について説明する。
この模擬負荷制御では、発電電力計測器33で計測される発電機32の発電電力が、エンジン31を安定運転可能な目標発電電力Pに維持されるように、模擬負荷22の消費電力が制御される。
すると、発電機32への重要負荷11の投入時点では、模擬負荷22の消費電力の低下を伴って、図3の時間T2に示すように、発電機32の発電電力が、模擬負荷22の最大消費電力E2に相当する発電電力から、それよりも若干大きい目標発電電力Pに増加する。
このときの発電電力の増加幅は、発電機32に対して略無負荷状態から重要負荷11を突然投入したときと比べて小さくなるように、模擬負荷11の最大消費電力E2及び発電機32の目標発電電力Pが設定されている。よって、発電機32を駆動するエンジン31の回転速度は比較的早い段階で整定して、発電機32による安定した発電が継続されることになる。
そして、重要負荷11の投入時(図3の時間T2)以降においては、模擬負荷22の消費電力が、重要負荷11の消費電力の変動とは逆位相となるように調整され、発電機32の発電電力が目標発電電力Pに維持されることになる。
更に、発電機32に対して、重要負荷11に先立って模擬負荷22が投入されるので、発電機32に対して重要負荷11が投入された時点以降において、発電機32の発電出力に対応するエンジン31の出力が常に大きいものに保たれて、エンジン31の安定運転が実現されることになる。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
例えば、商用電力系統1に連系して発電機32により発電を行って、電力負荷Lに対して商用電力系統1からの受電電力と発電機32の発電電力とを供給している状態において、発電機32の発電電力が目標発電電力Pなどの下限発電電力以上に維持されるように、発電機32に対して投入された模擬負荷22の消費電力を制御することができる。
このことで、電力負荷Lの消費電力が小さい場合でも、発電機32の発電電力を比較的大きいものに維持できるので、エンジン31の安定運転を実現することができる。
11 :重要負荷(特定負荷)
22 :模擬負荷
31 :エンジン
32 :発電機
40 :制御装置(制御手段)
A :停電検出手段
L :電力負荷
P :目標発電電力
Claims (6)
- エンジンにより回転駆動されて発電を行う発電機と、
前記エンジンを起動した状態で前記発電機の発電電力を電力負荷の少なくとも一部に供給する発電時において、前記エンジンの回転速度を所望の定格回転速度に設定する形態で当該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御を実行する制御手段とを備えた発電システムであって、
前記電力負荷とは別に消費電力を変更自在な模擬負荷を備え、
前記制御手段が、前記発電時において、前記模擬負荷を前記発電機に投入すると共に、前記発電機の発電電力が前記エンジンを安定運転可能な所定の下限発電電力以上となるように、当該模擬負荷の消費電力を制御する模擬負荷制御を実行する発電システム。 - 前記制御手段が、前記模擬負荷制御において、前記発電機に対する前記模擬負荷の投入時期を、前記発電機に対する前記電力負荷の投入時期と同時又はその前に設定する請求項1に記載の発電システム。
- 前記制御手段が、前記模擬負荷制御において、前記発電機の発電電力が前記下限発電電力以上に設定された目標発電電力に維持されるように、前記模擬負荷の消費電力を制御する請求項1又は2に記載の発電システム。
- 商用電力系統から前記電力負荷への給電が停止する停電を検出する停電検出手段を備え、
前記制御手段が、前記停電検出手段により停電が検出された停電時に、前記発電機から前記電力負荷を解列した状態で前記エンジンを起動させた後に、前記発電機に前記電力負荷の少なくとも一部の特定負荷を投入する停電制御を実行すると共に、当該特定負荷の投入後に前記模擬負荷制御を実行する請求項1〜3の何れか1項に記載の発電システム。 - 前記制御手段が、前記停電制御において、前記模擬負荷の消費電力が前記特定負荷よりも小さい状態で、前記発電機に前記特定負荷を投入する前に、前記発電機に前記模擬負荷を投入する請求項4に記載の発電システム。
- 前記制御手段が、前記停電制御において、前記模擬負荷の消費電力を所定の最小消費電力に設定した状態で当該模擬負荷を前記発電機に投入し、その後、前記模擬負荷の消費電力を前記特定負荷よりも小さい所定の最大消費電力に漸次増加させた後に前記特定負荷を投入すると共に、当該特定負荷の投入後の前記模擬負荷制御において、前記発電機の発電電力が前記下限発電電力以上に設定された目標発電電力に維持されるように、前記模擬負荷の消費電力を制御し、
前記模擬負荷の最大消費電力及び前記発電機の目標発電電力が、前記特定負荷の投入時における前記発電機の発電電力の増加幅が前記重要負荷の消費電力と比べて小さくなるように設定されている請求項5に記載の発電システム。
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- 2013-12-04 JP JP2013251325A patent/JP2015109745A/ja active Pending
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