JP2006166551A - 発電機からの発電電力供給方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定格出力と同程度の負荷値の負荷に発電電力を供給しても、発電機が急速に停止することを防止することができる発電機からの発電電力供給方法を提供すること。
【解決手段】
発電機2と負荷装置3とを接続して発電機2の発電電力を負荷装置3に供給し、この負荷装置3の負荷値を次第に大きくすることで発電機2の発電出力を徐々に上昇させしめ、この発電出力が実負荷10へ電力供給可能となる出力に達したとき、負荷装置3から実負荷10へと送電先を切り替えて発電機2の発電電力を10実負荷に供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】
発電機2と負荷装置3とを接続して発電機2の発電電力を負荷装置3に供給し、この負荷装置3の負荷値を次第に大きくすることで発電機2の発電出力を徐々に上昇させしめ、この発電出力が実負荷10へ電力供給可能となる出力に達したとき、負荷装置3から実負荷10へと送電先を切り替えて発電機2の発電電力を10実負荷に供給する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発電機の定格出力と同程度の負荷値の負荷に発電電力を供給することができる発電機からの発電電力供給方法及びその装置に関する発明である。
一般に発電機の発電出力は、原動機の回転速度をガバナー(調速機)で検知し、燃料供給量を調節して原動機の回転速度を変化させることによって制御されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、発電機には定格出力が決まっており、発電機はこの定格出力と同程度の発電出力で長時間発電することが可能となっている。
特開2001−028900号公報
ところで、上述の発電機においては、負荷に発電電力を供給することによって急激に発電機にかかる負荷が増加すると、発電機の発電出力がこの負荷の増加に追従できないということが生じていた。そしてこのため、発電機を駆動する原動機の回転速度が低下し、急速に停止することがあった。これを負荷投入失敗という。
そして、この負荷投入失敗は、ガバナーの燃料供給量の増加速度が遅れたり、発電機内の燃焼室温度の上昇が遅れたり、過給機付き発電機の過給機による給気圧力の増加速度が遅れたりすること等によって引き起こされていた。
しかも、定格出力と同程度の負荷値の負荷に発電電力を供給すると、ほぼ確実に負荷投入失敗が生じていた。
そのため、従来の発電機では、定格出力の約70%程度の負荷値の負荷にしか電力供給できないという問題が生じていた。
さらに、これにより、負荷に実際に供給する電力よりも大きな電力を供給することができる発電機を使用しなければならないという問題も生じていた。
そこで、この発明は、定格出力と同程度の負荷値の負荷に発電電力を供給しても、発電機が急速に停止することを防止することができる発電機からの発電電力供給方法及びその装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、この発明は、発電機と負荷装置とを接続して前記発電機の発電電力を前記負荷装置に供給し、該負荷装置の負荷値を次第に大きくすることで前記発電機の発電出力を徐々に上昇させしめ、この発電出力が実負荷へ電力供給可能となる出力に達したとき、前記負荷装置から前記実負荷へと送電先を切り替えて前記発電機の発電電力を前記実負荷に供給することを特徴としている。
この発明によれば、次第に負荷値が大きくなる負荷装置に発電機の発電電力を供給することにより、この発電機の発電電力を徐々に上昇させることができる。そして、徐々に上昇させた発電電力が実負荷へ電力供給可能となる出力に達したときに実負荷へと送電するので、実負荷に発電電力を供給する際に生じる発電出力の急激な上昇を抑制することができる。
これにより、原動機の回転速度が瞬間的に大きく低下することを防止し、定格出力と同程度の負荷に発電電力を供給しても、発電機が急速に停止することを防止することができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の発電機からの発電電力供給方法及びその装置を説明する。
図1に記載の発電電力供給装置(以下、発電装置という)1は、発電機2と、負荷装置3と、遮断機4と、切替器(回路切替手段)5と、制御部6とを備えている。
また、実負荷10は、発電装置1に適宜接続されて電力を供給される負荷であり、例えばモータや電球等である。この実負荷10は、発電装置1に設けられた実負荷接続ポート1aを介して接続されている。なお、実負荷10の負荷値(以下、実負荷値という)は、ここでは、発電機2の定格出力とほぼ同程度となっている。
発電機2は、図示しない原動機、燃焼室、ガバナー、過給機等を有しており、駆動スイッチ2aをONすると原動機が回転駆動して発電するようになっている。
なお、この発電機2はガソリン等の燃料を燃焼室内で燃焼して原動機を回転させ、その動力によって駆動されるものである。また、ガバナーは原動機の回転速度を検知して燃料室への燃料供給量を調節するものであり、過給機は燃焼室へ吹き込む空気を圧縮して原動機出力の増加を図るものである。
そして、この発電機2では、図2に示すように、負荷に発電電力を供給する場合、供給開始とほぼ同時に発電出力は安定するが、発電周波数は一定時間(図2におけるT)変動するようになっている。なお、以下、この発電周波数の変動が十分小さくなって定格電圧を発生できるようになるまでの一定時間Tを変動収束時間という。
負荷装置3は、任意の負荷値を設定可能であると共に、発電機2が発電する発電電力を吸収することができるものである。この負荷装置3は、例えば、ニクロム線の接続本数を変更して負荷値を変更するヒーターや、電極を水槽内で上下動させて浸水面積を変動させることにより負荷値を変更する水抵抗器である。
遮断機4は、閉じたときに発電機2から供給される発電電力を負荷装置3や実負荷10へ送電し、開いたときに送電を停止するものである。
切替器5は、負荷装置3又は実負荷10のどちらか一方に選択的に接続するものであり、いわゆるダブルスロー(双投形開閉器)である。この切替器5によって、発電機2と負荷装置3又は実負荷10のどちらか一方とが接続されるようになっている。
制御部6は、負荷装置3の負荷値を適宜変更させると共に、発電機2の発電出力が実負荷10へ電力供給可能となる出力に達したときに切替器5を制御して発電機2の送電先を変更するものである。この制御部6は、図1に示すように、SW制御部6aと、切替器制御部6bと、負荷値制御部6cとを有している。
SW制御部6aは、発電機2の駆動スイッチ2aのON/OFF動作に伴って、遮断機4を開閉制御するものである。
このSW制御部6aは、駆動スイッチ2aからON信号が入力されると、予め発電機2の特性に応じて設定された変動収束時間をカウントし、この変動収束時間経過後に遮断機4を閉じる閉信号を出力する。また、このSW制御部6aは、駆動スイッチ2aからOFF信号が入力されると遮断機4を開く開信号を出力する。
切替器制御部6bは、発電機2の発電出力の変化に伴って、切替器5の接続先を変更させる変更制御をするものである。
この切替器制御部6bは、SW制御部6aから遮断機4を開く開信号が入力されると切替器5を負荷装置3に接続する。また、この切替器制御部6bは、負荷値制御部6cから負荷装置3の負荷値を変更する変更信号が入力されると、この変更信号の入力から負荷装置3の負荷値の上昇が停止したと判断可能になるまでの予め設定された所定時間をカウントし、この所定時間経過後に切替器5を実負荷10に接続する。
負荷値制御部6cは、負荷装置3の負荷値を任意の値に設定する負荷値制御を行うものである。
この負荷値制御部6cは、SW制御部6aから遮断機4を開く開信号が入力されると、負荷装置3の負荷値を0に設定する。
また、この負荷値制御部6cは、SW制御部6aから遮断機4を閉じる閉信号が入力されると、変動収束時間をカウントし、この変動収束時間経過後に負荷装置3の負荷値を、実負荷値の約30%程度となる負荷値に設定する。また、このとき、負荷値制御部6cから切替器制御部6bに変更信号が出力される。
その後、この負荷値制御部6cは、さらに変動収束時間をカウントして負荷装置3の負荷値を、実負荷値の約50%の負荷値に設定変更する。このとき、この負荷値制御部6cから切替器制御部6bに再び変更信号が出力される。
そして、この負荷値制御部6cは、再び変動収束時間をカウントして負荷装置3の負荷値を、実負荷値の約70%の負荷値に設定変更する。このとき、負荷値制御部6cから切替器制御部6bにさらに変更信号が出力される。
このように、負荷装置3の負荷値は、負荷値制御部6cによって段階的に上昇することとなる。
なお、この実負荷値の約30%程度の負荷値、50%程度の負荷値、70%程度の負荷値はそれぞれ予め任意に決められおり、この負荷値制御部6cに記憶されている。
次に、この発明の発電装置1の作用について説明する。
この発電装置1を使用するには、まず、実負荷接続ポート1aを介して発電装置1と実負荷10とを接続する。
また、このとき駆動スイッチ2aはOFFされているので、SW制御部6aにはOFF信号が入力されており、これにより遮断機4は開く。一方、切替器制御部6bにもOFF信号が入力されているので、切替器5は負荷装置3に接続されている。
そして、この状態で駆動スイッチ2aをONし、発電機2を駆動する(図3におけるt1)。これにより、駆動スイッチ2aからSW制御部6aへON信号が入力される。
ON信号が入力されたSW制御部6aは、発電機2の特性に応じて予め設定された変動収束時間をカウントし、この所定時間経過後に遮断機4を閉じる閉信号を出力する(図3におけるt2)。
SW制御部6aから出力された閉信号は、遮断機4と負荷値制御部6cとにそれぞれ入力される。
閉信号が入力された遮断機4は閉じられ(ONされ)、発電機2からの発電電力が流れるようになる。このとき、切替器5は負荷装置3に接続されているので、この発電電力は負荷装置3に供給されることとなる。
また、閉信号が入力された負荷値制御部6cは、予め設定されて記憶された変動収縮時間をカウントし始める。そして、この変動収縮時間経過後に、負荷値制御部6cは、負荷装置3の負荷値が実負荷値の約30%程度となるように設定変更する第一変更信号を出力する。
そして、負荷値制御部6cから出力された第一変更信号は、負荷装置3と切替器制御部6bとに入力する。これにより、負荷装置3の負荷値は変更され(図3におけるt3)、切替器制御部6bは次の変更信号入力までの時間をカウントし始める。
負荷値制御部6cは、第一変更信号を出力すると、再び変動収縮時間をカウントし始める。そして、この変動収縮時間経過後に、負荷値制御部6cは、負荷装置3の負荷値が実負荷値の約50%程度となるように設定変更する第二変更信号を出力する。
そして、負荷値制御部6cから出力された第二変更信号は、負荷装置3と切替器制御部6bとに入力する。これにより、負荷装置3の負荷値は変更され(図3におけるt4)、切替器制御部6bは次の変更信号入力までの時間を再びカウントし始める。
さらに、この負荷値制御部6cは、第二変更信号を出力すると、再び変動収縮時間をカウントし始め、この変動収縮時間経過後に、負荷装置3の負荷値が実負荷値の約70%程度となるように設定変更する第三変更信号を出力する。
そして、負荷値制御部6cから出力された第三変更信号は、再び負荷装置3と切替器制御部6bとに入力する。これにより、負荷装置3の負荷値は変更され(図3におけるt5)、切替器制御部6bは次の変更信号入力までの時間を再びカウントし始める。
そして、切替器制御部6bに次の変更信号が入力されないまま所定時間経過すると、この切替器制御部6bは、負荷装置3の負荷値の上昇が停止したと判断する。これにより、切替器制御部6bは切替器5の接続先を変更し、この切替器5を実負荷10に接続する。
このとき、切替器5はいわゆるダブルスローであるので、負荷装置3に供給されていた発電電力は、切替器5を切替えると同時に実負荷10に供給されることとなる(図3におけるt6)。
このように、発電機2は、次第に負荷値が変更される負荷装置3に発電電力を供給することで、発電出力を徐々に増大することができる。
そして、負荷装置3の負荷値が実負荷値の約70%程度になり、発電機2の発電出力が実負荷10へ電力供給可能となる出力に達したとき、発電機2からの送電先を切り替えて実負荷10に発電電力を供給している。そのため、実負荷10に発電電力を供給する際に生じる発電出力の上昇を抑制することができる。そして、発電出力が急激に上昇することがなくなり、実負荷値の増加に発電出力を十分追従させることができる。
これにより、原動機の回転速度が瞬間的に大きく低下することを防止し、定格出力と同程度の負荷値の実負荷10に発電電力を供給しても、発電機2が急速に停止することを防止することができる。
また、上述の実負荷値は、発電機2の定格出力とほぼ同程度となっているため、発電機2の定格出力をほぼ100%活用することができる。これにより、従来の発電機のように実負荷に供給する電力よりも大きい電力を供給することができる発電機を使用する必要がなくなる。そして、発電機2のコストや設置スペース等を減少することができる。
さらに、発電機2を燃費が良好な定格出力に近い発電出力で使用することができるので、効率よく発電することが可能となる。
以上、この発明にかかる実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
例えば、上述の回路切替手段としての切替器5はいわゆるダブルスローであるが、図4に示す発電装置20の切替器21のようであってもよい。
この切替器21は、発電機2と負荷装置3とを接続する回路を開閉する第一開閉器22と、発電機2と実負荷10とを接続する回路を開閉する第二開閉器23とを有している。
この第一、第二開閉器22,23は、図示しないシーケンスによって制御されており、一方が開くとほぼ同時に他方が閉じるようになっている。なお、この「ほぼ同時」とは、開閉のタイミングのずれが発電機2の運転に支障を生じない程度に小さいことをいう。
また、上述の実施の形態では、負荷装置3の負荷値が、実負荷値の30%程度、50%程度、70%程度となるように段階的に設定変更されているが、実負荷値の50%程度の負荷値から実負荷10に接続してもよい。
そして、設定変更される負荷装置3の負荷値の程度は、適宜決定されるものであり、段階的に変更されてもよいし、無段階に変更されてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、定格電圧を発生できるようになるまでの一定時間Tである変動収束時間を予め設定しておき、この変動収束時間をカウントして変更信号等を出力しているが、発電機2の発電周波数をそのつど監視してもよい。
これにより、発電周波数の変動を確実に把握できるので、発電機2の発電出力の急激な上昇を確実に防止することができる。
さらに、この変動収束時間内であっても、発電周波数が上昇過程にあって且つこの発電周波数が定格周波数とほぼ一致したとき(図2におけるP点)等に、変更信号等を出力してもよい。
このようにすることで、発電周波数の変動の収束を待たずに負荷装置3の負荷値を変更する等できる。そのため、変動収束時間に関わらず変更信号等を短時間で出力することができ、実負荷10への電力供給を短時間に行うことが可能となる。
また、切替器5、21の切替や負荷装置3の負荷値の変更は、自動制御によって行ってもよいし、使用者が発電周波数の変動をメータ等によって監視して手動で切替えてもよい。
そして、上述の負荷装置3は、発電機2の発電出力を徐々に上昇させるために使用するだけでなく、発電機2の発電出力を試験する際の負荷試験装置として使用することもできる。
さらに、発電機2の駆動スイッチ2aに遠隔操作装置を取り付け、発電機2の運転を遠隔地から操作してもよい。なお、この遠隔操作装置は、PHS等の電話回線を使用して操作するもの等である。
2 発電機
3 負荷装置
5 切替器(回路切替手段)
10 実負荷
3 負荷装置
5 切替器(回路切替手段)
10 実負荷
Claims (2)
- 発電機と負荷装置とを接続して前記発電機の発電電力を前記負荷装置に供給し、該負荷装置の負荷値を次第に大きくすることで前記発電機の発電出力を徐々に上昇させしめ、この発電出力が実負荷へ電力供給可能となる出力に達したとき、前記負荷装置から前記実負荷へと送電先を切り替えて前記発電機の発電電力を前記実負荷に供給することを特徴とする発電機からの発電電力供給方法。
- 発電機と、該発電機が発電する発電電力を供給可能な負荷装置と、該負荷装置を制御して負荷値を適宜変更させる制御部と、前記負荷装置と実負荷とを切り替えて前記発電機に接続させる回路切替手段とを備え、
前記制御部は、前記発電機の発電出力が前記実負荷へ電力供給可能となる出力に達したときに前記回路切替手段を制御して前記発電機の送電先を変更することを特徴とする発電機からの発電電力供給装置。
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JP2004352672A JP2006166551A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 発電機からの発電電力供給方法及びその装置 |
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Cited By (5)
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RU2448035C1 (ru) * | 2010-10-14 | 2012-04-20 | Министерство Промышленности И Торговли Российской Федерации | Устройство для электропривода судовых крановых механизмов |
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2004
- 2004-12-06 JP JP2004352672A patent/JP2006166551A/ja active Pending
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