JP6190093B2 - ガスタービンの始動を制御するためのシステム及び方法 - Google Patents

Description

本発明の実施形態は、一般的に云えば、ガスタービンに関し、より具体的には、ガスタービンの始動を制御することに関するものである。

旋回失速(rotating stall)は、ガスタービンの圧縮機のような軸流機械内に機械的応力及び損傷を生じさせることのある現象である。タービンの始動の際、旋回失速は、圧縮機の標準運転状態から外れた圧縮機の運転に起因して圧縮機に生じる虞がある。羽根からの流れの剥離が、圧縮機内で広い速度範囲にわたって屡々存続することがある。状況によっては、旋回失速に関連する周波数は、圧縮機羽根の固有共振周波数と同じであることがあり、これによって圧縮機内に共振を引き起こし、機械的応力を比較的高くし、損傷の危険性を大きくすることがある。

従来のタービン制御システムにおいては、始動シーケンスは、典型的には、圧縮機に比較的大きなガス流量を供給し、同時にタービンの燃焼器に比較的大きな燃料流量を供給することを含む。換言すると、このような従来のシステムは、圧縮機への空気流量及び燃焼器への燃料流量を最大にすることによって、タービンを定常動作状態に持ってくるようにしている。しかしながら、前に述べたように、このような従来のシステムは、圧縮機の標準運転状態から外れた運転、並びに旋回失速に起因した機械的応力を生じる虞がある。従って、ガスタービンの始動を制御するための改善されたシステム及び方法が望ましい。

米国特許第６３２８５２６号

上記の要望及び／又は問題の幾つか又は全てを本発明の様々な実施形態で取り扱うことができる。本発明の様々な実施形態には、ガスタービンの始動を制御するためのシステム及び方法を含むことができる。本発明の一実施形態によれば、ガスタービンの始動を制御するためのシステムが開示される。本システムは、ガス吐出し構成要素(component) と、燃料制御構成要素と、駆動装置構成要素と、少なくとも１つの制御装置とを含むことができる。前記ガス吐出し構成要素は、ガスタービンに関連した圧縮機構成要素からガスを吐き出すように構成することができる。前記燃料制御構成要素は、ガスタービンに関連した燃焼器構成要素に供給される燃料流量を制御するように構成することができる。前記駆動装置構成要素は、ガスタービンに関連したシャフトに回転力を供給するように構成することができる。少なくとも１つの制御装置は、（イ）前記圧縮機構成要素からガスを吐き出すように前記ガス吐出し構成要素に指令し、（ロ）前記圧縮機構成要素についての低減された運転ライン(operating line)に関連した値に燃料流量を調節するように燃料制御構成要素に指令し、また（ハ）シャフトを回転させるように前記駆動装置構成要素に指令する構成にすることができる。

本発明の別の実施形態によれば、ガスタービンの始動を制御するための方法が開示される。ガスタービンに関連した圧縮機構成要素から空気のようなガスを吐き出すように指令することができる。更に、燃料流量が圧縮機構成要素についての低減された運転ラインに関連した値に調節されるように、ガスタービンに関連した燃焼器構成要素に供給される燃料流量の調節を指令することができる。更に、ガスタービンに関連したシャフトに回転力を供給するように駆動装置構成要素に指令することができる。実施形態によっては、本方法の操作は、１つ以上の制御装置に関連した１つ以上のコンピュータ装置によって遂行することができる。

追加のシステム、方法、装置、特徴及び側面は、本発明の様々な実施形態の技術により実現される。本発明の他の実施形態及び側面は本書に詳しく説明されており、且つ特許請求の範囲に記載の発明の一部と見なされる。他の実施形態及び側面は本明細書及び図面を参照することにより理解することができる。

本発明を一般的な用語で記述したが、以下、必ずしも縮尺通りに描いていない添付の図面を参照して説明する。

図１は、本発明の事例的実施形態に従った、ガスタービンの始動を制御するために利用することのできる模範的なシステムのブロック図である。 図２は、本発明の事例的実施形態に従った、ガスタービンの始動を制御するための模範的な方法の流れ図である。

以下に、添付の図面を参照して、本発明の事例的実施形態について一層詳しく説明する。図面には、本発明の全ての実施形態ではなく、その幾分かを示す。実際に、本発明は多数の異なる形態で具現化することができ、本書で述べる実施形態に制限されると見なすべきではない。むしろ、それらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供されている。明細書及び図面を通じて、同様な要素を同様な参照数字で表す。

ガスタービンの始動を制御するためのシステム及び方法が開示される。本発明の模範的な実施形態によれば、ガスタービン制御装置により、ガスタービン内での旋回失速を低減するために圧縮機質量流量及び／又は燃焼器燃料流量を操作することができる。例えば、ガスタービンに関連した圧縮機構成要素の運転ラインを、ガスタービンの始動シーケンスの少なくとも一部分中にシフトすることができる。本開示の目的のために、用語「運転ライン」とは、圧縮機内での様々な回転速度にわたる圧縮機圧力比（ＣＰＲ）を表す。運転ラインをシフトする結果として、圧縮機に関連した旋回失速を、様々な圧縮機構成要素の固有周波数と一致しない周波数を持つ速度又は速度範囲まで低減させ及び／又はシフトすなわち移動させることができる。例えば、圧縮機へ供給されたガスは、適当なガス吐出し構成要素によって圧縮機から吐き出させることができる。この代わりの形態では、低減した量のガスを圧縮機構成要素へ供給することができる。また、燃焼器構成要素へ供給される燃料流量は、タービン始動のための通常の燃料流量から、圧縮機構成要素についての低減された運転ラインに関連した燃料流量へと調節し又は低減させることができる。この代わりの形態では、燃料流量は、通常のタービン始動のための燃料流量又は他の所定の値よりも低い燃料流量に設定することができる。この代わりの別の形態では、燃料流量は最小にすることができる。始動中に圧縮機構成要素の運転ラインをシフトし及び／又は最小にする結果として、圧縮機羽根にかかる応力のような圧縮機構成要素内の機械的応力を最小にし及び／又は低減することができ、これによって保守コストを下げるのに役立つ。

更に、本発明の実施形態によっては、少なくとも１つの駆動装置構成要素を利用することにより、ガスタービンに関連したシャフトに回転力又はトルクを供給することができる。これに関連して、ガス吐出し及び／又は燃料流量の低減又は最小化の結果として生じるトルクの減少を、タービン始動中に少なくとも部分的に補償することができる。負荷転流式インバータを介して電力を受け取る電動機又は発電機のような、様々な異なる種類の駆動装置構成要素を、本発明の様々な実施形態において要望される通りに利用することができる。

本発明の一面によれば、少なくとも１つの制御装置が、ガスの吐出し、燃料流量の低減、及び／又は駆動装置構成要素によるシャフトへの回転力の印加を指令するように構成される。例えば、制御装置は、固定の始動スケジュールに基づいてガスタービンの始動を制御するように構成することができる。別の例として、制御装置は、圧縮機構成要素についての所望の運転ラインを特定し、該所望の運転ラインに基づいてガスタービンの始動を制御するように構成することができる。更に別の例として、制御装置は、吐き出されるガスの量及び／又は燃焼器に供給される燃料流量のような、ガスタービンに関連した様々な始動状態を動的に監視するように構成することができる。そうする際に、この制御装置は、任意の数の適当なセンサ及び／又は測定装置と通信して、それらから測定データを受け取ることができる。始動状態及びパラメータの監視及び／又は決定に基づいて、この制御装置は駆動装置構成要素によって供給すべき所望のトルクを決定又は計算することができる。

本発明の様々な実施形態では、ガスタービンの始動の制御を容易にするような１つ以上の専用コンピュータ、システム及び／又は特定の機械を含むことができる。専用コンピュータ又は特定の機械は、様々な実施形態において要望される通りに多種多様な異なるソフトウエア・モジュール及び／又はアプリケーションを含むことができる。以下により詳しく説明するように、実施形態によっては、これらの様々なソフトウエア構成要素を利用することにより、旋回失速の影響を低減するようにガスタービンの始動シーケンスを開始し及び／又は制御することができる。

本書に記載する本発明の特定の実施形態は、ガスタービンの始動を容易にする技術的効果を持つ。また、本発明の特定の実施形態は、ガスタービンの始動中に圧縮機の運転ライン及び／又は圧縮機の旋回失速窓（window）をシフトする技術的効果を持つ。これに関連して、圧縮機羽根のような圧縮機の構成要素にかかる機械的応力を低減し及び／又は最小にすることができる。

図１は、本発明の事例的実施形態に従った、ガスタービンの始動を制御するために利用することのできる模範的なシステム１００のブロック図である。システム１００は、適当なガスタービン１０５、及びそのガスタービン１０５の始動を制御するように構成された１つ以上の制御装置又は制御ユニット１１０を含むことができる。ガスタービン１０５はその構成要素(component) として、圧縮機構成要素１１５（「圧縮機」）、燃焼器構成要素１２０（「燃焼器」）及びタービン構成要素１２５を含むことができる。希望により、タービン構成要素１２５はタービン１２５と呼ぶことができる。

圧縮機１１５は、接線方向モーメントによりエネルギを加えることによって、空気のようなガスの圧力を増大させる適当な装置であってよい。特定の実施形態では、圧縮機１１５は軸流圧縮機とすることができるが、様々な実施形態において要望される通りに他の種類の圧縮機を利用することができる。更に、特定の実施形態では、圧縮機１１５は多段圧縮機とすることができる。運転時には、圧縮機１１５はガス（例えば、空気）を圧縮することができ、また圧縮機１１５は圧縮ガス（圧縮されたガス）を燃焼器１２０へ供給することができる。燃焼器１２０は圧縮機１１５から比較的高い圧力の圧縮ガスを受け取って、該ガスを、燃料流パイプのような任意の数の適当な燃料流路１２４を介して任意の数の燃料供給装置１２２から受け取った燃料と混合することができる。このように混合されたガス及び燃料は燃焼器１２０によって点火することができ、それによる膨張する高温ガスは任意の数の適当なノズルを介してタービン構成要素１２５に関連した任意の数の段へ供給することができる。これに関連して、膨張する高温ガスはタービン構成要素１２５を駆動装置することができる。図示のように、圧縮機構成要素１１５及びタービン構成要素１２５は共通の回転シャフト１２８上で運転することができ、このシャフト１２８はまたタービン１２５の下流の発電機１３０に接続することができる。タービン構成要素１２５による回転シャフト１２８の回転の結果、発電機１３０により電力を発生することができる。希望により、発生された電力は、発電機１３０から任意の適当な変圧器及び／又は他の電力装置を介して適当な電力線路及び／又は電力網へ供給することができる。

図１について説明を続けると、入口抽気熱システム１４０のような少なくとも１つのガス吐出し構成要素を設けることができる。ガス吐出し構成要素は圧縮機１１５からのガスの吐出しを容易にすることができ、これによって燃焼器１２０に供給されるガスの容積を増大させる。例えば、入口抽気熱システム１４０は、圧縮機１１５に関連した任意の数の段から圧縮ガスを抽出するように構成することができる。これに関連して、燃焼器１１５から圧縮機１１５にかかる背圧を低下させることができる。更に、圧縮機質量ガス流量を効果的に低下又は低減させることができる。背圧の低減は、圧縮機１１５に関連した運転ラインのシフト又は低下を容易にすることができる。また、背圧の低減は、圧縮機の旋回失速窓を望ましくない範囲から安全な又は望ましい範囲へシフトさせるのを容易にすることができる。

更に、システム１００に関連して１つ以上の燃料制御構成要素を設けることができる。燃料制御構成要素は、燃焼器１２０へ供給される燃料流量を制御するように構成することができる。閉位置、開位置、及び／又は部分的開位置に位置決めできる１つ以上の弁１４５のような様々な異なる種類の燃料制御構成要素を、様々な実施形態において要望されるように利用することができる。特定の実施形態では、弁１４５の位置決めは１つ以上の制御ユニット１１０によって制御することができる。ガスタービン１０５の始動の際、燃料制御構成要素は、燃焼器への燃料流量を、圧縮機１１５に関連した低減された運転ラインに関連した燃料流量へ調節するように、位置決めし又は構成することができる。例えば、燃料制御構成要素は、燃焼器１２０へ低減した又は比較的低減した燃料流量を供給するように位置決めすることができる。一例として、燃料流量は、従来のガスタービン始動手法に関連した燃料流量と比べて低減させることができる。別の例として、燃料流量は、従来のガスタービン始動手法に関連した燃料流量のような所定の値又は期待値より相対的に低い値に設定することができる。燃料流量の低減、調節又は設定は、圧縮機吐出し圧力を低減することができ、また更に圧縮機１１５に関連した運転ライン及び／又は旋回失速窓のシフトに寄与することができる。特定の実施形態では、燃料流量は、希薄ブローアウトに対して充分なマージンを維持するように低減又は設定することができる。要望により、そのマージンは、任意の数の試験手順、モデル、及び／又は監視手順を利用して決定することができる。更に、特定の実施形態では、燃料流量は、ガスタービン１０５の始動を依然として可能にする比較的低い燃料流量へ最小化することができる。

前に述べたように、タービンの始動中、燃焼器１２０から圧縮機１１５にかかる背圧を低減することによって及び／又は燃焼器１２０へ供給される燃料流量を調節することによって、圧縮機１１５の運転ラインを低下させることができ及び／又は圧縮機１１５の旋回失速窓をシフトさせることができる。運転ラインの低下又は低減の結果として圧縮機吐出し圧力が低減し、その結果、シャフト１２８のトルクが減少することがある。この低減を補償し且つ始動中のタービン構成要素１２５の加速を維持するために、１つ以上の駆動装置構成要素及び／又は駆動装置機構を利用することにより、始動中にシャフト１２８を駆動装置することができる。例えば、駆動装置構成要素は、タービン構成要素１２５の始動中にシャフトを回転させるためにシャフト１２８に回転力及び／又はトルクを供給することができる。様々な異なる種類の駆動装置構成要素１３０を、本発明の様々な実施形態において要望されるとおりに利用することができる。例えば、少なくとも１つの電動機をシャフト１２８に接続して、該シャフトに回転力を供給するように構成することができる。様々な適当な種類の電動機、例えば、任意の適当な交流（ＡＣ）及び／又は直流（ＤＣ）電動機を利用することができる。希望により、電動機は、電力網１３５のような適当な電源から電力を受け取って、該受け取った電力を利用してシャフト１２８を回転させ又は駆動装置することができる。

適当な駆動装置機構の別の例は発電機／電動機１３０であり、これは、適当な負荷転流式インバータ（ＬＣＩ）のような任意の数の適当な電力用電子装置１４７を介して、電力網１３５のような電源から電力を受け取る。ガスタービン１０５の正規運転中、発電機／電動機１３０は、電力網１３５に供給される電力を発生するように利用することができる。しかしながら、タービンの始動中、電力用電子装置１４７は電力網１３５から発電機／電動機１３０への電力の供給を容易にすることができ、また発電機／電動機１３０はシャフト１２８へ回転力及び／又はトルクを供給して、タービン１２５の始動及び加速を助けることができる。

更に、本発明の特定の実施形態では、任意の数のセンサ、検知装置及び／又は測定値装置を設けることができる。センサは、ガスタービン１０５に関連した様々な運転状態及び／又は運転パラメータを監視し及び／又は測定するように構成することができる。それらの測定値は、ガスタービン１０５の始動中に制御ユニット１１０に供給して、制御ユニット１１０によって利用することができる。例えば、様々なセンサにより、燃焼器１２０へ供給される燃料流量、シャフト１２８の回転速度、圧縮機１１５内の圧力、圧縮機１１５から吐き出されるガスの１つ以上の流量、及び／又は任意の他の数のパラメータを測定することができる。制御ユニット１１０は、始動中の所望のガス吐出し、所望の燃料流量、及び／又はシャフト１２８に供給すべき所望の回転力の大きさの内の１つ以上を決定するために、様々な測定値を利用することができる。特定の実施形態では、制御ユニット１１０は始動中の様々な運転パラメータを動的に監視して、ガスタービン１０５の始動を動的に制御することができる。

図１について説明を続けると、システム１００は１つ以上の制御ユニット１１０又は制御装置を含むことができる。特定の実施形態では、制御ユニット１１０は発電所及び／又は発電システムに関連した中央制御装置であってよい。適当な制御装置の幾つかの例を挙げると、ゼネラル・エレクトリック・カンパニイによって生産されているマーク（Ｍａｒｋ；登録商標）ＶＩ型制御システム及びマークＶＩｅ型制御システムである。本発明の一面によれば、制御ユニット１１０は、ガスタービン１０５の始動、ガスタービン１０５の監視、及び／又はガスタービン１０５の運転を制御するように構成することができる。特定の実施形態では、制御ユニット１１０はシステム１００の他の構成要素の動作を制御することができる。例えば、制御ユニット１１０は、圧縮機１１５からガスを吐き出すように入口抽気熱システム１４０又は他のガス吐出し構成要素に指令することができ、また制御ユニット１１０は、弁１４５の位置を制御し、及び／又は燃焼器１２０へ供給される燃料流量を調節し、低減し及び／又は最小にするように燃料制御構成要素に指令することができ、更に、制御ユニット１１０は、シャフト１２８に回転力を供給するように駆動装置構成要素（例えば、発電機１３０、電動機など）に指令することができる。希望により、システム１００の様々な構成要素の制御を、幾つかの制御ユニットに分散させることができる。例えば、第１の制御ユニットがガスタービン１０５の始動を監視し及び／又は制御することができ、また第２の制御ユニットが発電機１３０に関連したＬＣＩ構成要素及び／又は電力用電子装置１４７の動作を制御することができる。希望により、複数の制御ユニットは、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、セルラー・ネットワーク、無線ネットワークなどのような任意の数の適当なネットワークを介して、互いと通信関係にすることができる。

制御ユニット１１０は任意の数の適当なプロセッサ駆動型装置を含むことができる。例えば、制御ユニット１１０は、任意の数の専用コンピュータ又は特定の機械、特定用途向け回路、プログラム可能な論理制御装置（ＰＬＣ）、マイクロコントローラ、パーソナル・コンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、スーパーコンピュータなどを含むことができる。特定の実施形態では、制御ユニット１１０の動作は、制御ユニット１１０に関連した１つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータ実行型又はコンピュータ実現型命令によって制御することができる。これらの命令は、本発明の様々な実施形態において要望される通りに１つ以上のソフトウエア構成要素で具現化することができる。命令の実行は、ガスタービン１０５の始動を制御するように動作可能である専用コンピュータ又は特定の機械で行うことができる。制御ユニット１１０の動作を制御する１つ以上のプロセッサを、制御ユニット１１０内に組み入れ、及び／又は１つ以上の適当なネットワークを介して制御ユニット１１０と通信関係にすることができる。

制御ユニット１１０は、１つ以上のプロセッサ１５０、１つ以上のメモリ装置１５２、１つ以上の入出力（Ｉ／Ｏ）インターフェース１５４、及び／又は１つ以上のネットワーク・インターフェース装置１５６を含むことができる。１つ以上のメモリ装置１５２は、例えば、キャッシュ、読出し専用メモリ装置、ランダム・アクセス・メモリ装置、磁気記憶装置などのような、任意の適当なメモリ装置であってよい。１つ以上のメモリ装置１５２は、制御ユニット１１０によって利用されるデータ、実行可能な命令及び／又は様々なプログラム・モジュールを記憶することができ、例えば、システム１００のガスタービン１０５及び／又は他の構成要素の動作に関連したデータ・ファイル１５８、オペレーティング・システム（ＯＳ）１６０、始動モジュール１６２、及びシャフト駆動モジュール１６４を記憶することができる。データ・ファイル１５８は、ガスタービン１０５の運転及び／又は始動に関連した任意の適当なデータを含むことができ、例えば、システム１００のガスタービン１０５及び／又は他の構成要素に関連した様々な測定値データ、ガスタービン１０５の始動に関連した１つ以上のパラメータ及び／又は状態、圧縮機１１５に関連した所望の運転ライン、始動スケジュールに関連した情報などを含むことができる。ＯＳ１６０は、制御ユニット１１０の一般的な動作を容易にし及び／又は制御する実行可能な命令及び／又はプログラム・モジュールを含むことができる。例えば、ＯＳ１６０は、プロセッサ１５０による他のソフトウエア・プログラム及び／又はプログラム・モジュールの実行を容易にすることができる。

始動モジュール１６２は、ガスタービン１０５の始動又は始動シーケンスを制御するように構成することができる。本発明の一面によれば、始動モジュール１６２は、圧縮機１１５の運転ラインを低下させて、これにより圧縮機１１５に関連した旋回失速窓をシフトさせるように、始動を制御することができる。旋回失速窓のシフトの結果として、圧縮機１１５の構成要素（例えば、圧縮機羽根）に加えられる機械的応力を低減することができ、その結果として、圧縮機構成要素の摩耗が低減され且つ寿命サイクルが改善される。圧縮機１１５の運転ラインを低下させるために、始動モジュール１６２は、圧縮機１１５からガスを吐き出すように吐出し構成要素（例えば、入口抽気熱システム１４０）に指令することができ、並びに／又は始動モジュール１６２は、燃焼器１２０へ供給される燃料流量を調節し、低減し、設定し及び／又は最小にするように燃料制御構成要素（例えば、弁１４５）に指令することができる。更に、特定の実施形態では、始動モジュール１６２は、始動中に圧縮機１１５の運転ラインの低下を補償するためにシャフト１２８に回転力を供給するように駆動装置構成要素に指令することができる。

様々な適当な技術及び／又はアルゴリズムを始動モジュール１６２によって要望される通りに利用することにより、ガスタービン１０５の始動を制御することができる。例えば、特定の実施形態では、始動モジュール１６２は固定の始動スケジュールに従ってガスタービン１０５の始動を制御することができる。固定のスケジュールは、所望の燃料流量、所望のガス質量流量及び／又はガス吐出し、駆動装置構成要素によって供給すべき所望の回転力、ガスタービン１０５の始動に関連したタイミング、及び／又はタービン構成要素１２５の所望の加速速度のような、１つ以上の始動パラメータを指定することができる。その際に、固定のスケジュールは、その結果として、タービン１０５の始動シーケンスの少なくとも一部分中に圧縮機１１５の運転ラインを低下させることができる。更に、固定のスケジュールは、その結果として、タービン１０５の始動シーケンスの少なくとも一部分中に圧縮機１１５の旋回失速窓をシフトさせることができる。特定の実施形態では、旋回失速窓はタービン１０５の始動シーケンス全体の間にシフトさせることができる。他の実施形態では、旋回失速窓は、典型的には圧縮機構成要素に比較的高い機械的応力及び／又は損傷を生じさせる虞のある始動シーケンスの一部分のような、始動シーケンスの少なくとも一部分の間にシフトさせることができる。始動モジュール１６２は、固定のスケジュールをメモリ１５２から及び／又は外部のシステムやデータ源から得ることができ、また始動モジュール１６２は、タービン１０５の始動を制御するために該固定のスケジュールを利用することができる。

タービン１０５の始動を制御するための別の模範的な手法は、圧縮機１１５についての所望の運転ラインを求める始動モジュール１６２を必要とする。特定の実施形態では、運転ラインは、ガスタービン１０５の運転をモデル化する適当なモデル化構成要素を利用して決定することができ、また運転ラインは始動モジュール１６２へ供給することができる。希望により、運転ラインはタービン１０５の始動中の圧縮機１１５についての最小の運転ラインを表すことができるが、他の所望の運転ラインを利用することができる。いったん始動モジュール１６２が所望の運転ラインを求めると、始動モジュール１６２は該所望の運転ラインを利用して、燃焼器１２０への所望の燃料流量、圧縮機１１５内の所望のガス質量流量、圧縮機１１５からの所望のガス吐出し、及び／又は駆動装置構成要素によってシャフト１２８へ供給すべき所望の回転力のような、ガスタービンについての様々な始動条件を計算し及び／又は決定することができる。始動モジュール１６２は、次いで、所望の運転ライン及び／又は該所望の運転ラインを利用して決定された始動条件に部分的に基づいて、タービン１０５の始動を制御することができる。

タービン１０５の始動を制御するための更に別の模範的な手法は、タービン１０５に関連した１つ以上の始動状態を動的に監視し且つ燃焼器１２０へ供給すべき所望のガス質量流量、圧縮機１１５からの所望のガス吐出し量、及び／又はシャフト１２８へ供給すべき所望の回転力の内の１つ以上を動的に計算する始動モジュール１６２を必要とする。例えば、始動モジュール１６２は、圧縮機１１５内のガス質量流量及び／又は燃焼器１２０へ供給すべき燃料流量に関連した測定値データを受け取ることができる。始動モジュール１６２は、次いで、受け取った測定値に基づいて燃料流量の調節及び／又は圧縮機１１５からのガスの吐出しを動的に指令することができる。これに関連して、始動モジュール１６２は所望の運転状態及び／又は圧縮機１１５に関連した所望の運転ラインを維持することができる。更に、始動モジュール１６２は、始動中にタービン構成要素１２５の最小の又は所望の加速度を達成するために駆動装置構成要素によってシャフト１２８へ供給する必要のある回転力の所望の大きさを動的に計算及び／又は決定することができる。始動モジュール１６２は次いで、計算値に基づいて駆動装置構成要素及び／又は駆動装置構成要素制御装置を指令することができる。

本発明の特定の実施形態では、始動モジュール１６２は更に、ガスタービン１０５に関連した他の制御モジュールを変更及び／又は抑圧するように構成することができる。例えば、始動モジュール１６２は、始動シーケンス中にタービン構成要素への空気及び燃料の流量を最大にしようと試みることのできるスケジュールのために、従来の加速スケジュールを変更及び／又は抑圧することができる。これに関連して、始動モジュール１６２は、圧縮機１１５についての比較的高い運転ラインに増大させ又は駆動しようと試みることのできるタービン制御システムの他の構成要素を変更及び／又は抑圧することができる。

シャフト駆動モジュール１６４は、駆動装置構成要素の動作を制御するように構成することができる。希望により、特定の実施形態では、シャフト駆動モジュール１６４は始動モジュール１６２の中に組み込むことができ、或いは別個の制御ユニットによって実行することができる。シャフト１２８を駆動するために発電機１３０を利用する本発明の実施形態では、シャフト駆動モジュール１６４は、適当なＬＣＩ装置のような任意の数の適当な電力用電子装置１４７を介して電力網１３５又は別電源から発電機１３０へ電力を供給するのを制御するように構成された適当なＬＣＩスケジュール化構成要素を含むことができる。電動機又は他の適当な駆動装置構成要素への電力の供給を制御するために同様な動作をシャフト駆動モジュール１６４によって利用することができる。これに関連して、シャフト駆動モジュール１６４は、タービン１０５の始動中にシャフト１２８へ回転力及び／又はトルクを加えるように駆動装置構成要素に指令することができる。駆動装置構成要素によって供給される付加的なトルクは、圧縮機１１５の運転ラインを低くしたことに起因する損失の少なくとも一部分を補償することができる。

図１について説明を続けると、ネットワーク・インターフェース装置１５６は、制御ユニット１１０を、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、インターネット、無線周波（ＲＦ）ネットワーク、ブルートゥース（Bluetooth ；登録商標）使用可能なネットワーク、任意の適当な有線ネットワーク、任意の適当な無線ネットワーク、或いは有線及び無線ネットワークの任意の適当な組合せのような、任意の数の適当なネットワークへ接続するのを容易にすることができる。これに関連して、制御ユニット１１０は、システム１００の他の構成要素と及び／又は外部の装置やシステムと通信することができる。Ｉ／Ｏインターフェース１５４は、制御ユニット１１０と、１つ以上の入出力装置、例えば、ユーザーと制御ユニット１１０との相互作用を容易にする１つ以上のユーザー・インターフェース装置（表示装置、キーパッド、制御パネル、タッチ・スクリーン表示装置、遠隔制御器、マイクロフォンなど）との亜ＩＤなお通信を容易にすることができる。

希望により、本発明の実施形態は、図１に示したものよりも多い又は少ない構成要素を持つシステム１００を含むことができる。図１のシステム１００は、ほんの一例として示したに過ぎない。

図２は、図１に例示したガスタービン１０５のようなガスタービンの始動を制御するための模範的な方法２００の流れ図である。方法２００は、図１に例示した制御ユニット１１０のような、ガスタービン１０５に関連した適当な制御ユニットによって遂行することができる。方法２００はブロック２０５で開始することができる。

ブロック２０５で、ガスタービン１０５の始動に関連した１つ以上のパラメータを特定し及び／又は求めることができる。様々な始動パラメータを、本発明の様々な実施形態において要望される通りに特定することができる。例えば、特定の実施形態では、始動シーケンスの少なくとも一部分中にタービン１０５の運転ラインを低下させ及び／又は旋回失速窓をシフトさせるように機能するガスタービン１０５についての固定の始動スケジュールを特定することができる。他の実施形態では、始動中の圧縮機１１５についての所望の運転ラインを特定することができる。更に他の実施形態では、様々なタイミング・パラメータ（例えば、時間窓）及び／又は旋回失速窓をシフトすべき回転速度パラメータを特定することができる。例えば、ガスタービンの始動中に旋回失速窓をシフトすべきである窓を特定するパラメータが特定される。更に他の実施形態では、最小加速度、燃焼器１２０についての所望の燃料対ガス比などのような、始動シーケンス中のガスタービン１０５の所望の最小及び／又は最大運転パラメータを特定することができる。希望により、特定された１つ以上のパラメータは、ガスタービン１０５の始動を制御するために利用することができる。

ブロック２１０で、圧縮機１１５からのガスの吐出しを指令することができる。例えば、入口抽気熱システム又は他の適当なガス吐出し構成要素に、ガスタービン１０５に関連した圧縮機１１５からガスを吐き出すように指令することができる。更に、ブロック２１５で、燃焼器１２０へ供給される燃料流量の低減又は最小化を指令することができる。例えば、図１に示された弁１４５のような１つ以上の弁の位置を調節することにより、燃焼器１２０へ供給される燃料流量を調節し、設定し、低減し及び／又は最小にすることができる。結果として、ガスタービン１０５の始動シーケンスの少なくとも一部分中に圧縮機１１５の運転ラインを低下させることができる。更に、ガスの吐出し且つ燃料流量の調節又は最小化は、結果として、始動シーケンスの少なくとも一部分中に圧縮機１１５の旋回失速窓をシフトさせることができる。希望により、ガス吐出しの指令、及び燃料流量の調節、低減又は最小化の指令は、ブロック２０５において特定されたパラメータの１つ以上に少なくとも部分的に基づいて行うことができる。例えば、固定の始動スケジュールは、ガス吐出し及び／又は燃料流量の調節又は最小化を指令するために参考にし利用することができる。別の例として、所望の運転ラインは所望の燃料流量及び／又はガス質量流量を決定するために利用することができ、またガス吐出し及び／又は燃料流量の調節又は最小化の指令は、判定に少なくとも部分的に基づいて行うことができる。更に別の例として、ガス質量流量及び／又は燃料流量は監視し且つ動的に調節することができる。

ブロック２２０で、図１に例示したシャフト１２８のような、ガスタービン１０５に関連したシャフトを駆動し又は回転させるように、駆動装置構成要素に指令することができる。本発明の様々な実施形態において要望される通りに、ＬＣＩから給電される電動機及び／又は発電機のような駆動装置構成要素として様々な装置を利用することができる。駆動装置構成要素は、圧縮機１１５の運転ラインの低下を少なくとも部分的に補償するためにシャフト１２８に回転力及び／又はトルクを供給することができる。これに関連して、ガスタービン１０５のタービン構成要素１２５の最小始動加速のような所望の加速を達成し及び／又は維持することができる。希望により、駆動装置構成要素についての指令は、固定の始動スケジュールのような、ブロック２０５で特定されたパラメータの１つ以上に少なくとも部分的に基づいて行うことができる。更に、特定の実施形態では、所望のシャフト１２８の回転速度及び／又は駆動装置構成要素によって加えるべき所望のトルクは、ガスタービン１０５に関連した様々な測定値データに基づいて、或いは燃料流量及び／又はガス質量流量に基づいて計算又は決定することができる。特定の実施形態では、所望の回転速度はガスタービン１０５の始動中に動的に決定することができる。駆動装置構成要素には、計算又は決定された回転速度に基づいて指令することができる。

ブロック２２５では、これは本発明の特定の実施形態ではオプションとすることができるが、ガスタービン１０５の始動中にガスタービン制御システムの１つ以上の他の構成要素の動作を変更及び／又は抑圧することができる。これに関連して、本書で述べる方法２００とは独立に動作することのできる制御システムの構成要素は、圧縮機１１５の運転ラインを増大させることができない。様々な他の構成要素は、本発明の様々な実施形態において要望される通りに変更及び／又は抑圧することができる。例えば、ガスタービン始動に関連した加速スケジュールを変更することができる。

方法２００はブロック２２５の後に終了することができる。

図２の方法２００に述べられた動作は、必ずしも図２に記載された順序で遂行する必要はなく、その代わりに任意の適当な順序で遂行することができる。更に、本発明の特定の実施形態では、図２に記載された要素又は動作の全てよりも多く又はそれらの一部を遂行することができる。

以上、本発明を、その模範的な実施形態に従ったシステム、方法、装置、及び／又はコンピュータ・プログラム製品のブロック図及び流れ図に関して説明した。ブロック図及び流れ図の１つ以上のブロック、並びにブロック図及び流れ図の中のブロックの組合せは、コンピュータ実行可能なプログラム命令によって具現化できることが理解されよう。同様に、ブロック図及び流れ図の内の幾つかのブロックは、本発明の実施形態によっては、必ずしも呈示された順序で遂行する必要はなく、或いは必ずしも全てを遂行する必要はない。

このようなコンピュータ実行可能なプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、又は特定の機械を作るための他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることにより、コンピュータ、プロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理装置で実行する命令が、流れ図の１つ又は複数のブロックに指定された１つ以上の機能を具現化するための手段を形成するようにすることができる。このようなコンピュータ・プログラム命令はまた、特定の態様で機能するようにコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に指令することができるコンピュータ読取り可能なメモリに記憶させて、該コンピュータ読取り可能なメモリに記憶された命令が、流れ図の１つ又は複数のブロックに指定された１つ以上の機能を具現化する命令手段を含む製品を生成するようにすることができる。一例として、本発明の実施形態は、コンピュータ読取り可能なプログラム・コード又はプログラム命令を埋め込んだコンピュータ使用可能な媒体を有するコンピュータ・プログラム製品を提供することができ、前記コンピュータ読取り可能なプログラム・コードは、流れ図の１つ又は複数のブロックに指定された１つ以上の機能を具現化するために実行されるように構成されている。コンピュータ・プログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることにより、一連の演算要素又はステップをコンピュータ又は他のプログラム可能な装置で遂行させて、該コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行する命令が、流れ図の１つ又は複数のブロックに指定された１つ以上の機能を具現化するための要素又はステップを構成するように、コンピュータ具現化プロセスを生成することができる。

従って、ブロック図及び流れ図の様々なブロックから、指定された機能を遂行するための組合せ、指定された機能を遂行するための要素及びステップの組合せ、及び指定された機能を遂行するためのプログラム命令手段が考えられる。また、ブロック図及び流れ図の各ブロック、並びにブロック図及び流れ図の中のブロックの組合せは、指定された機能、要素又はステップ、或いは専用ハードウエア及びコンピュータ命令の組合せを遂行する専用のハードウエア利用のコンピュータ・システムによって、具現化できることが理解されよう。

本発明について最も実用的であると現在考えられる様々な実施形態に関して説明したが、本発明が開示した実施形態に制限されないこと、またそれよりむしろ、本発明が「特許請求の範囲」に記載の範囲内に含まれる様々な修正及び等価な構成を包含するものであることを理解されたい。

本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施することができるようにするために、幾つかの例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。

１００ システム
１０５ ガスタービン
１１０ 制御ユニット
１２４ 燃料流路
１２８ シャフト
１４５ 弁
１６０ オペレーティング・システム
２００ 方法

Claims (9)

1. ガスタービン（１０５）の始動を制御するためのシステム（１００）であって、
   前記ガスタービン（１０５）に関連した圧縮機構成要素（１１５）からガスを吐き出すように構成されたガス吐出し構成要素（１４０）と、
   前記ガスタービン（１０５）に関連した燃焼器構成要素（１２０）に供給される燃料流量を制御するように構成された燃料制御構成要素（１４５）と、
   前記ガスタービン（１０５）に関連したシャフト（１２８）に回転力を供給するように構成された駆動装置構成要素と、
   （イ）前記圧縮機構成要素（１１５）からガスを吐き出して、前記圧縮機構成要素（１１５）の圧縮機圧力比を低減するように前記ガス吐出し構成要素（１４０）に指令し、
   （ロ）圧縮機圧力比が低減された前記圧縮機構成要素（１１５）に関連した値に燃料流量を調節するように前記燃料制御構成要素（１４５）に指令し、
   （ハ）前記燃料流の点火後に、前記ガス吐出し構成要素（１４０）によって引き起こされた圧縮機圧力比の低減に応じて、少なくとも１つの電動機が回転力を前記シャフト（１２８）に供給するように動的に指令する
   ように構成された少なくとも１つの制御装置（１１０）と、
   を有する、システム（１００）。
2. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は、前記ガスタービン（１０５）の始動に関連した固定のスケジュールに基づいて、前記ガス吐出し構成要素（１４０）、前記燃料制御構成要素（１４５）および前記駆動装置構成要素に指令する、請求項１に記載のシステム（１００）。
3. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は更に、前記圧縮機構成要素（１１５）に関連した所望の運転ラインを特定するように構成されており、
   前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は、前記特定された所望の運転ラインに基づいて、前記ガス吐出し構成要素（１４０）、前記燃料制御構成要素（１４５）および前記駆動装置構成要素に指令する、
   請求項１または２に記載のシステム（１００）。
4. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は更に、（イ）前記ガス吐出し構成要素（１４５）によって吐き出されるガスの量、および（ロ）前記燃焼器構成要素（１２０）に供給される燃料流量に少なくとも基づいて、前記駆動装置構成要素によって供給される所望のトルクを計算するように構成されており、
   前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は、前記所望のトルクの計算に基づいて前記駆動装置構成要素に指令する、
   請求項１から３のいずれかに記載のシステム（１００）。
5. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は更に、前記ガスタービン（１０５）の始動に関連した１つ以上のパラメータを特定するように構成されており、
   前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は、前記特定された１つ以上のパラメータに基づいて、前記ガス吐出し構成要素（１４０）、前記燃料制御構成要素（１４５）および前記駆動装置構成要素に指令し、
   前記１つ以上のパラメータは、（イ）前記ガスタービン（１０５）の始動中の、前記圧縮機構成要素（１１５）の回転失速域をシフトすべき時点、（ロ）前記ガスタービン（１０５）の始動中の、前記圧縮機構成要素（１１５）の前記回転失速域をシフトすべき前記シャフト（１２８）の回転速度、および（ハ）前記燃焼器構成要素（１２０）についての所望の燃料対空気比を含む、
   請求項１から４のいずれかに記載のシステム（１００）。
6. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は、前記ガスタービン（１０５）についての始動シーケンスの一部分中に前記ガス吐出し構成要素（１４０）、前記燃料制御構成要素（１４５）および前記駆動装置構成要素に指令する、請求項１から５のいずれかに記載のシステム（１００）。
7. 前記ガスの吐出し及び前記燃料流量の調節は、前記圧縮機構成要素（１１５）に関連した回転失速域をシフトすることによる、請求項１から６のいずれかに記載のシステム（１００）。
8. 前記少なくとも１つの制御装置（１１０）は更に、前記ガスタービン（１０５）の始動に関連した加速スケジュールを変更するように構成されている、請求項１から７のいずれかに記載のシステム（１００）。
9. 前記駆動装置構成要素は、負荷転流式インバータを介して電力を受け取る電動機又は発電機（１３０）の一方を有している、請求項１から８のいずれかに記載のシステム（１００）。