JP2015109381A - 洗浄装置および切削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄流体のミストの発生を抑制することができる洗浄装置および切削装置を提供すること。
【解決手段】環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wの洗浄装置であって、粘着テープTを介して被加工物Wを吸引保持する保持面21aと、保持面21aの外周でフレームFを支持するフレーム支持部22と、を備えた洗浄テーブル20と、洗浄テーブル20に保持された被加工物Wに洗浄流体を供給する洗浄ノズルと、を有し、洗浄テーブル20の保持面21aは、凸状の湾曲面に形成され、洗浄テーブル20のフレーム支持部22は、支持するフレームFの上面Fa側が隣接する保持面21aの外周部21bより低い位置に位置づけられる。
【選択図】図2
【解決手段】環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wの洗浄装置であって、粘着テープTを介して被加工物Wを吸引保持する保持面21aと、保持面21aの外周でフレームFを支持するフレーム支持部22と、を備えた洗浄テーブル20と、洗浄テーブル20に保持された被加工物Wに洗浄流体を供給する洗浄ノズルと、を有し、洗浄テーブル20の保持面21aは、凸状の湾曲面に形成され、洗浄テーブル20のフレーム支持部22は、支持するフレームFの上面Fa側が隣接する保持面21aの外周部21bより低い位置に位置づけられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、洗浄装置および切削装置に関する。
半導体ウェーハやパッケージデバイス基板等の被加工物を粘着テープで環状のフレームに固定した後、切削ブレードで被加工物を個々のデバイスに分割する技術が知られている。切削ブレードで被加工物を個々のデバイスに分割する技術では、被加工物に対する切削加工により、大量の切削屑が発生するため、切削加工後、洗浄装置により被加工物が洗浄される。このような洗浄装置として、被加工物を保持する保持面とフレームを挟持するフレーム押さえ手段とを有する洗浄テーブルと、保持面に保持された被加工物に洗浄流体を吹きつける洗浄ノズルと、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
洗浄テーブルと洗浄ノズルとを備える洗浄装置では、被加工物の表面に付着した切削屑は、洗浄流体を被加工物に吹きつけることにより容易に除去されるが、切削溝内に付着した切削屑は、洗浄流体との接触が不十分となる虞があるため、切削溝内に残留する場合がある。また、切削溝内に切削屑が残留した場合、ピックアップ工程等の後工程において、切削屑がデバイスに不良を発生させる原因となる虞がある。
また、洗浄テーブルと洗浄ノズルとを備える洗浄装置では、吹きつけられた洗浄流体は、被加工物に衝突すると、切削屑を含むミストとなって洗浄装置内に滞留するため、洗浄後に被加工物の表面にミストが再付着する虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、洗浄流体のミストの発生を抑制することができる洗浄装置および切削装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、環状のフレームの開口に粘着テープを介して支持された板状の被加工物の洗浄装置であって、粘着テープを介して被加工物を吸引保持する保持面と、保持面の外周でフレームを支持するフレーム支持部と、を備えた洗浄テーブルと、洗浄テーブルに保持された被加工物に洗浄流体を供給する洗浄ノズルと、を有し、洗浄テーブルの保持面は、凸状の湾曲面に形成され、洗浄テーブルのフレーム支持部は、支持するフレームの上面側が隣接する保持面の外周部より低い位置に位置づけられることを特徴とする。
また、上記洗浄装置において、フレーム支持部は、フレームの下面側を吸着して保持するフレーム吸着手段を有し、フレーム吸着手段は、磁力によってフレームを吸着することが好ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、環状のフレームの開口に粘着テープを介して支持された板状の被加工物を分割する切削装置であって、被加工物を粘着テープを介して保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物を切削して分割する切削手段と、分割された被加工物をフレームに保持されたまま洗浄する洗浄手段と、を少なくとも有し、洗浄手段は、上記の洗浄装置であることを特徴とする。
本発明によれば、洗浄テーブルの保持面が凸状の湾曲面に形成されていることから、保持面上に保持される被加工物の表面が凸状の湾曲面となり、被加工物の切削溝の間隔が裏面側から表面側に向かって広がるので、被加工物の表面に衝突した洗浄流体が切削溝の裏面側に入り込みやすくなる。また、被加工物の表面が凸状の湾曲面となり、切削溝の間隔が広がるので、被加工物の表面に衝突した洗浄流体が外周に向かって流れやすくなる。また、フレームの上面側が保持面の外周部より低い位置に位置づけられるので、洗浄テーブルの外周に向かって流れる洗浄流体が、フレームと粘着テープとの段差部分に衝突することを抑制することができる。したがって、ミストの発生を抑制することができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る洗浄装置の構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係る洗浄装置の洗浄テーブルを示す断面図である。
図1は、実施形態1に係る洗浄装置の構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係る洗浄装置の洗浄テーブルを示す断面図である。
図1に示す洗浄装置1−1は、図2に示す環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wを洗浄する洗浄装置である。洗浄装置1−1は、図1に示すように、本体部10と、洗浄テーブル20と、洗浄ノズル30と、を含んで構成されている。
ここで、被加工物Wは、特に限定されないが、例えば、円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ、円板状のパッケージデバイス基板、円板状の無機材料基板、円板状の樹脂等の延性材料等、円板状の各種加工材料である。被加工物Wは、表面Waに格子状に分割予定ライン(ストリート)が形成され、このストリートにより格子状に区画された複数の領域にIC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成されている。また、被加工物Wは、デバイスが形成されていない裏面Wbに粘着テープTが貼着されており、粘着テープTの外周がフレームFに貼着されることで、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持されている。本実施形態では、被加工物Wは、例えば切削加工等により、ストリートに沿ってフルカットされており、格子状に切削溝Wcが形成されている。なお、被加工物Wは、裏面Wbに貼着された粘着テープT上に保持され、円板状の形態が保たれている。
なお、本実施形態では、被加工物Wがフルカットされているとは、切削加工等によって、粘着テープTの鉛直方向の厚みの途中まで切削され、被加工物Wから粘着テープTにわたって切削溝Wcが形成されている状態をいう。つまり、本実施形態では、切削溝Wcは、被加工物Wから粘着テープTまで到達する溝である。このため、切削溝Wcの底は、粘着テープTの溝の底である。
粘着テープTは、伸縮性を有するいわゆるダイシングテープであり、被加工物Wの外径よりも大きい円形シート状に形成されている。フレームFは、中央に被加工物Wの外径よりも大きく、かつ粘着テープTの外径よりも小さい開口を有する環状の円板状に形成されている。フレームFの外径は、粘着テープTの外径よりも大きい。フレームFは、粘着テープTが下面Fbに貼着される。フレームFは、例えば、フェライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等の強磁性体で構成されている。
本体部10は、フレームFの外径よりも大きい内径の開口を有する円筒状に形成されている。本体部10は、鉛直方向上方に延びる壁部11と、本体部10の開口内に設けられた底部12と、を備えている。本体部10は、壁部11と底部12とにより、有底筒状の洗浄室を形成している。壁部11は、本体部10と一体に形成されており、内周面11aにより洗浄テーブル20と洗浄ノズル30とを囲繞している。底部12は、内周面11aに対応する円板状に形成されている。底部12には、洗浄流体を洗浄装置1−1外へ排出するためのドレインパイプと連通する図示しない排液穴が形成されている。
洗浄テーブル20は、被加工物Wを保持するものであり、回転可能なものである。洗浄テーブル20は、内周面11a側、すなわち洗浄室内に配設されている。洗浄テーブル20は、円盤状に形成されている。洗浄テーブル20は、ウェーハ保持部21と、フレーム支持部22と、軸部23と、を備えている。
ウェーハ保持部21は、ポーラスセラミック等で構成され、円板状に形成されている。ウェーハ保持部21は、洗浄テーブル20の中心軸に対して同心円状に配置され、フレーム支持部22上に固定されている。ウェーハ保持部21は、保持面21aを有している。つまり、洗浄テーブル20は、保持面21aを有している。
保持面21aは、被加工物Wに対応する大きさであり、粘着テープTを介して被加工物Wを吸引保持する。保持面21aは、洗浄テーブル20の中心軸から外周に向けて同心円状に連続して鉛直方向下方に湾曲する曲面状に形成されている。本実施形態では、保持面21aは、洗浄テーブル20の中心軸を通る鉛直方向断面が、例えば曲率半径が1〜10mとなる円弧状となる球面形状に形成されている。つまり、保持面21aは、鉛直方向上方に向かう凸状の湾曲面に形成されている。なお、本実施形態では、保持面21aのうち、外周縁を含む外周部分を外周部21bとする。
フレーム支持部22は、フレームFの外径に対応する円板状に形成されている。フレーム支持部22は、平坦部22aと、傾斜部22bと、フレーム吸着手段22cと、連通穴22dと、を備えている。
平坦部22aは、粘着テープTを介して、フレームFを支持する。平坦部22aは、フレームFの外径よりも大きい外径かつフレームFの開口の径よりも小さい内径で形成され、水平方向に平行かつ平坦に形成されている。つまり、平坦部22aは、フレームFを載置することができるように、半径方向の幅が設定されている。平坦部22aは、保持面21aよりも鉛直方向下方に位置している。平坦部22aは、粘着テープTを介してフレームFを挟持する際、フレームFの上面Faが外周部21bよりも鉛直方向下方に位置づけられるように形成されている。本実施形態では、平坦部22aは、外周部21bよりも鉛直方向下方に配設され、ウェーハ保持部21の下面21cよりも鉛直方向下方に配設されている。
傾斜部22bは、平坦部22aの半径方向内周側に設けられ、平坦部22aに対して鉛直方向上方に突出して環状に形成されている。傾斜部22bは、洗浄テーブル20の中心軸に対して、同心円状に配設されている。傾斜部22bは、半径方向外周側がウェーハ保持部21の外径よりも大きく形成されており、半径方向内周側がウェーハ保持部21の外径よりも小さく形成されている。傾斜部22bは、鉛直方向上端部側でウェーハ保持部21を支持している。傾斜部22bは、鉛直方向上端部が、外周部21b側から平坦部22a側に向かって、鉛直方向の高さが低くなる円錐状に形成されている。傾斜部22bは、粘着テープTを介してフレームFが平坦部22aに保持された際に、粘着テープTが開口を下面Fb側から上面Fa側に通って、粘着テープTの上面TaとフレームFの上面Faとの鉛直方向の段差が解消されるように形成されている。傾斜部22bは、平坦部22aと外周部21bとに挟まれている。つまり、平坦部22aは、傾斜部22bを挟んで外周部21bと隣接している。このため、フレーム支持部22は、粘着テープTを介してフレームFを支持すると、支持するフレームFの上面Fa側が隣接する保持面21aの外周部21bより低い位置に上面Faを位置づける。なお、本実施形態では、フレームFの上面Fa側が外周部21bに隣接するとは、傾斜部22bを挟んで外周部21bに隣接する平坦部22a上にフレームFが保持された状態であることをいう。
フレーム吸着手段22cは、フレームFの下面Fb側を吸着して保持するものである。フレーム吸着手段22cは、磁力によってフレームFを吸着する磁石である。本実施形態では、フレーム吸着手段22cは、いわゆる永久磁石である。フレーム吸着手段22cは、平坦部22aに設けられている。つまり、フレーム支持部22は、フレーム吸着手段22cを有している。フレーム吸着手段22cは、周方向に等間隔をおいて4つ配設されている。フレーム吸着手段22cは、平坦部22aと面一となるように、平坦部22aに固定されている。
連通穴22dは、フレーム支持部22を中心軸に沿って鉛直方向に貫通する貫通穴である。連通穴22dは、図示しない真空吸引源と連通する。
軸部23は、中心軸周りに洗浄テーブル20を水平面内で回転させ、中心軸に沿って鉛直方向に洗浄テーブル20を昇降させるものである。軸部23は、図示しないモータ等の回転駆動手段により回転駆動され、図示しないアクチュエータ等の伸縮手段により鉛直方向に昇降駆動される。軸部23には、連通穴22dと真空吸引源とに連通する図示しない真空吸引路が形成されている。
洗浄ノズル30は、洗浄テーブル20に保持された被加工物Wに洗浄流体を供給するノズルである。ここで、本実施形態では、洗浄流体は、例えば純水等の洗浄液である。洗浄ノズル30は、支柱30aと、洗浄液噴射ノズル31と、エアー噴射ノズル32と、を備えている。支柱30aは、内周面11aと洗浄テーブル20との間の底部12に設けられ、底部12から鉛直方向上方に延びる円柱状に形成されている。支柱30aは、図示しないモータ等の回動手段により、軸周りに回動自在(往復動自在)である。洗浄液噴射ノズル31とエアー噴射ノズル32とは、支柱30aの鉛直方向上端部に設けられ、鉛直方向に並んで設けられている。洗浄液噴射ノズル31とエアー噴射ノズル32とは、支柱30aの鉛直方向上端部から水平方向に延在され、支柱30aとは反対側の先端部側が鉛直方向に沿う下方に延びて形成されている。洗浄液噴射ノズル31には、図示しない洗浄液供給源から洗浄液が供給される。エアー噴射ノズル32には、図示しないエアー供給源から高圧エアーが供給される。
ここで、図1および図2を参照して、洗浄装置1−1による被加工物Wの洗浄について説明する。なお、ここでは、切削加工等によって予めフルカットされて切削溝Wcが形成された被加工物Wを、洗浄装置1−1を用いて洗浄する場合について説明する。
洗浄装置1−1は、軸部23の鉛直方向上方への上昇駆動により、保持面21aを壁部11の鉛直方向上端部よりも上方に位置づけた後、図示しない搬出入手段により、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された被加工物Wを、洗浄テーブル20に載置する。
次に、洗浄装置1−1は、搬出入手段によりフレームFを平坦部22aに向けて押下し、フレームFをフレーム吸着手段22cにより平坦部22a上に吸着して保持する。ここで、粘着テープTが保持面21aの凸状の湾曲面に沿って密着するため、保持面21a上で粘着テープTに保持された被加工物Wの切削溝Wcの間隔が鉛直方向上方に向かって広がる。また、粘着テープTに保持された被加工物Wは、その表面Waが保持面21aに対応する湾曲面状となる。また、フレームFの下面Fb側から上面Fa側へ粘着テープTがフレームFの開口を通り、粘着テープTの上面TaとフレームFの上面Faとの鉛直方向の段差が解消される。
次に、洗浄装置1−1は、軸部23の鉛直方向下方への下降駆動により、洗浄テーブル20を底部12側に位置づけた後、真空吸引源により粘着テープTを介して被加工物Wを吸引保持しつつ、回転駆動手段により洗浄テーブル20を高速で回転させ、洗浄液噴射ノズル31から被加工物Wの表面Waに向けて洗浄液を噴射する。ここで、被加工物Wと衝突した洗浄液は、間隔が広がった切削溝Wcに入り込んで切削屑を押し流し、湾曲面状となった表面Waに沿って流れて切削屑を押し流す。また、切削溝Wcに入り込んだり、表面Waに沿って流れたりする洗浄液は、洗浄テーブル20の回転による遠心力で外周部21bに向かって流れ、外周部21bよりも鉛直方向下方に位置するフレームFの上方を通って流れる。
次に、洗浄装置1−1は、洗浄液の供給を停止した後、エアー噴射ノズル32から高圧エアーを被加工物Wに向けて噴射する。ここで、被加工物Wに噴射された高圧エアーは、間隔が広がった切削溝Wcに入り込んで洗浄液を吹き飛ばし、湾曲面状となった表面Waに沿って流れて洗浄液を吹き飛ばす。
次に、洗浄装置1−1は、高圧エアーの供給を停止し、洗浄テーブル20の回転を停止させた後、真空吸引源による吸引保持を解除し、軸部23の鉛直方向上方への上昇駆動により、保持面21aを壁部11の鉛直方向上端部よりも上方に位置づける。次に、洗浄装置1−1は、搬出入手段により、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された被加工物Wを、洗浄テーブル20から取り外す。
以上のように、実施形態1に係る洗浄装置1−1によれば、洗浄テーブル20の保持面21aが鉛直方向上方に向かう凸状の湾曲面に形成されているので、切削加工等によるフルカットで切削溝Wcが形成され、粘着テープTを介して支持された被加工物Wを保持面21aで吸引保持すると、切削溝Wcの間隔が粘着テープT側から表面Wa側に向かって広がり、被加工物Wの表面Waが凸状の湾曲面状となる。このため、洗浄装置1−1によれば、被加工物Wに向けて噴射された洗浄液が切削溝Wc内に入り込みやすくなるとともに、被加工物Wに向けて噴射された洗浄液が表面Waに沿って流れやすくなる。また、洗浄装置1−1によれば、フレームFの上面Faを外周部21bよりも鉛直方向下方に位置づけて平坦部22a上に保持するので、洗浄テーブル20の遠心力により外周に向かって流れる洗浄液がフレームFと衝突することを抑制することができる。また、洗浄装置1−1によれば、平坦部22aと面一のフレーム吸着手段22cによりフレームFを吸着するので、洗浄テーブル20の外周に向かって流れる洗浄液を、フレームF上で衝突することなく流すことができる。つまり、洗浄装置1−1によれば、被加工物Wに向けて噴射された洗浄液は、切削溝Wc内に入り込みやすく、かつ表面Waに沿って流れやすくなり、洗浄テーブル20の外周に向かって流れる洗浄液は、フレームFとの衝突が抑制され、フレーム吸着手段22cとは衝突しない。このため、洗浄装置1−1によれば、被加工物Wに向けて噴射された洗浄液からミストが発生することを抑制することができ、洗浄テーブル20の外周に向かって流れる洗浄液からミストが発生することを抑制することができる。したがって、洗浄装置1−1によれば、洗浄液のミストの発生を抑制することができるという効果を奏する。
また、洗浄装置1−1によれば、鉛直方向上方に向かう凸状の湾曲面に形成された保持面21aによって、切削加工等によるフルカットで切削溝Wcが形成され、粘着テープTを介して支持された被加工物Wを吸引保持するので、切削溝Wcの間隔を鉛直方向上方に向かって広げることができる。このため、洗浄装置1−1によれば、洗浄液が切削溝Wc内に入り込みやすくなり、切削屑を洗い流しやすくなる。また、洗浄装置1−1によれば、保持面21aに吸引保持された粘着テープTが凸状の湾曲面状となるので、切削溝Wc内の洗浄液が流れやすくなる。また、洗浄装置1−1によれば、切削溝Wcの間隔を鉛直方向上方に向かって広げることで、被加工物Wの表面Waが凸状の湾曲面状となるので、表面Wa上の洗浄液が流れやすくなり、切削屑を洗い流しやすくなる。つまり、洗浄装置1−1によれば、切削溝Wcの底(粘着テープTの上面Taの溝の底)が露出しやすくなり、切削溝Wc中の切削屑に洗浄液がおよびやすくなり、切削溝Wc内の洗浄液が流れやすくなるので、切削溝Wc中の切削屑の除去能力を向上することができるという効果を奏する。
また、洗浄装置1−1によれば、被加工物Wの表面Waおよび粘着テープTを凸状の湾曲面状とすることができるので、洗浄液を湾曲に沿って円滑に流すことができる。したがって、洗浄装置1−1によれば、洗浄効果を高めることができるという効果を奏する。
〔実施形態2〕
次に、図3および図4を参照して、実施形態2に係る切削装置100について説明する。図3は、実施形態2に係る切削装置の構成例を示す斜視図である。図4は、実施形態2に係る切削装置による切削加工を説明するための側面図である。
次に、図3および図4を参照して、実施形態2に係る切削装置100について説明する。図3は、実施形態2に係る切削装置の構成例を示す斜視図である。図4は、実施形態2に係る切削装置による切削加工を説明するための側面図である。
図3に示す切削装置100は、環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wを分割する加工装置である。切削装置100は、カセットエレベータ110と、カセット120と、チャックテーブル130と、二つの切削手段140と、撮像手段150と、移動手段160と、洗浄手段170と、を含んで構成されている。つまり、切削装置100は、チャックテーブル130と、切削手段140と、洗浄手段170と、を少なくとも有している。
カセットエレベータ110は、装置本体101に対して鉛直方向において昇降自在にカセット120を支持する。カセット120は、環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wを鉛直方向に複数収納する。
チャックテーブル130は、粘着テープTを介して被加工物Wを保持するものであり、回転可能なものである。チャックテーブル130は、テーブル本体131と、クランプ132と、基台133と、を備えている。テーブル本体131は、円盤状に形成されている。テーブル本体131は、図示しないモータ等の回転駆動手段により、その中心軸周りに水平面内で回転する。テーブル本体131は、その上面が、ポーラスセラミックで構成されており、水平面に対して平行で平坦な保持面131aとなっている。保持面131aは、被加工物Wに対応する大きさに形成されており、図示しない真空吸引源により被加工物Wを吸引保持する。クランプ132は、フレームFを挟持する。基台133は、テーブル本体131を中心軸周りに水平面内で回転自在に支持する。
二つの切削手段140は、切削ブレード141と、スピンドル142と、ハウジング143と、切削水ノズル144と、を備えており、スピンドル142同士が対向配置された、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削手段である。切削ブレード141は、高速回転することでチャックテーブル130に保持された被加工物Wを切削する極薄のリング形状の切削砥石である。撮像手段150は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを用いたカメラ等である。撮像手段150は、被加工物Wに対する二つの切削手段140のアライメント調整用の画像データを生成する。
移動手段160は、基台133を装置本体101に対して加工送り方向(後述するスピンドル142同士の対向方向および鉛直方向の双方に対して直交する方向)に相対移動させる加工送り手段161と、二つの切削手段140のそれぞれを装置本体101に対して割り出し送り方向(スピンドル142同士の対向方向に対して平行な方向)に相対移動させる割り出し送り手段162と、二つの切削手段140のそれぞれを装置本体101に対して切り込み送り方向(鉛直方向に対して平行な方向)に相対移動させる切り込み送り手段163と、を備えている。
洗浄手段170は、分割された被加工物WをフレームFに保持されたまま洗浄する洗浄装置である。つまり、洗浄手段170は、上記の切削手段140によりフルカットされて切削溝Wcが形成され、環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wを洗浄するものである。洗浄手段170は、チャックテーブル130を挟んでカセットエレベータ110とは反対側に配設されている。本実施形態では、洗浄手段170は、上記の実施形態1に係る洗浄装置1−1である。
ここで、図3および図4を参照して、切削装置100による被加工物Wの切削加工について説明する。
切削装置100は、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された切削加工前の被加工物Wを図示しない搬出入手段によりカセット120から取り出し、チャックテーブル130の保持面131aに載置した後、粘着テープTを介して被加工物Wを保持面131a上に真空吸引源により吸引保持し、フレームFをクランプ132で挟持する。次に、切削装置100は、チャックテーブル130に保持された被加工物Wのストリートを撮像手段150により撮像後、撮像された画像データに基づいて、被加工物Wに対する二つの切削手段140のアライメントを調整する。次に、切削装置100は、切削水ノズル144から純水等の切削水を噴射し、切削ブレード141を高速で回転させつつ、チャックテーブル130に保持された被加工物Wに対して切削手段140を切り込み送り手段163によって相対的に切り込み送りさせ、切削手段140に対してチャックテーブル130を加工送り手段161によって相対的に加工送りさせることで、図4に示すように、切削ブレード141を粘着テープTの鉛直方向の途中まで切り込みながらストリートに沿って被加工物Wをフルカットし、切削溝Wcを形成する。
次に、切削装置100は、同一方向のすべてのストリートについて切削加工を施した後、回転駆動手段によりチャックテーブル130を中心軸周りに90度回転させ、切削手段140により同様の切削加工を繰り返すことで、格子状に形成されたストリートに沿って被加工物Wをフルカットし、複数のデバイスに分割する。
次に、切削装置100は、真空吸引源による保持面131aの吸引保持を解除し、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された切削加工後の被加工物Wを搬出入手段によりチャックテーブル130から取り外して洗浄手段170、すなわち洗浄装置1−1の洗浄テーブル20に載置した後、フレーム吸着手段22cによりフレームFをフレーム支持部22(平坦部22a)で支持し、真空吸引源により被加工物Wを保持面21a上に吸引保持する。
次に、切削装置100は、洗浄ノズル30(図1参照)により、洗浄液で被加工物Wの表面Waおよび切削溝Wc内を洗浄後、高圧エアーで表面Waおよび切削溝Wc内の洗浄液を吹き飛ばし、被加工物Wを乾燥させる。次に、切削装置100は、洗浄テーブル20による被加工物Wの吸引保持を解除した後、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された洗浄・乾燥後の被加工物Wを、搬出入手段により、洗浄テーブル20から取り外し、カセット120に収納する。
以上のように、実施形態2に係る切削装置100によれば、チャックテーブル130と、切削手段140と、洗浄手段170と、を有しており、洗浄手段170が洗浄装置1−1であるので、上記の実施形態1に係る洗浄装置1−1と同様に、ミストの発生を抑制し、切削溝Wc中の切削屑の除去能力を向上させ、洗浄効果を高めることができるという効果を奏する。
〔実施形態3〕
次に、図5から図7を参照して、実施形態3に係る洗浄装置1−2について説明する。図5は、実施形態3に係る洗浄装置の構成例を示す斜視図である。図6は、実施形態3に係る洗浄装置の離脱手段を示す断面図である。図7は、実施形態3に係る洗浄装置の離脱手段の動作を説明するための断面図である。なお、実施形態3に係る洗浄装置1−2の基本構成のうち、実施形態1に係る洗浄装置1−1と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図5から図7を参照して、実施形態3に係る洗浄装置1−2について説明する。図5は、実施形態3に係る洗浄装置の構成例を示す斜視図である。図6は、実施形態3に係る洗浄装置の離脱手段を示す断面図である。図7は、実施形態3に係る洗浄装置の離脱手段の動作を説明するための断面図である。なお、実施形態3に係る洗浄装置1−2の基本構成のうち、実施形態1に係る洗浄装置1−1と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示す洗浄装置1−2は、実施形態1に係る洗浄装置1−1と同様に、切削加工等によりフルカットされて切削溝Wcが形成され、環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wの洗浄装置である。洗浄装置1−2は、離脱手段40を含んで構成されている点が、実施形態1に係る洗浄装置1−1と異なる。つまり、洗浄装置1−2の基本構成のうち、本体部10、洗浄テーブル20、洗浄ノズル30については、実施形態1に係る洗浄装置1−1と同様の基本構成である。
離脱手段40は、フレーム吸着手段22cにより平坦部22a上に保持されたフレームFを、平坦部22aから取り外すためのものである。離脱手段40は、突き上げ部41と、押さえ部42と、を備えている。
突き上げ部41は、平坦部22aに設けられている。突き上げ部41は、平坦部22aの周方向に等間隔をおいて4つ配設されており、フレーム吸着手段22cに対しても周方向に等間隔をおいて配設されている。突き上げ部41は、板状に形成されている。突き上げ部41は、突出部41aと、支点部41bと、起倒部41cと、当接部41dと、を一体に有している。突き上げ部41は、支点部41bを支点として、回動可能に平坦部22aに取り付けられている。
突出部41aは、平坦部22aから内周面11aに向かって水平方向に延びて形成されている。支点部41bは、回動自在に平坦部22aに支持されている。起倒部41cは、支点部41bから外周部21bに向かって水平方向に交差する方向に延びて形成されている。当接部41dは、粘着テープTの下面Tbと接触しつつスライド可能な円柱状に形成されている。当接部41dは、平坦部22aよりも鉛直方向下方に配設されている。
押さえ部42は、内周面11aに設けられている。押さえ部42は、突出部41aの延長線が交差する内周面11aの鉛直方向上端部から、突出部41aに向かって水平方向に平行に延びて形成されている。押さえ部42は、鉛直方向において、突出部41aと重なり、かつ平坦部22aとは重ならない長さに形成されている。
ここで、図5から図7を参照して、洗浄装置1−2による被加工物Wの洗浄について説明する。なお、ここでは、切削加工等によって予めフルカットされて切削溝Wcが形成され、環状のフレームFの開口に粘着テープTを介して支持された板状の被加工物Wを、洗浄装置1−2を用いて洗浄する場合について説明する。
洗浄装置1−2は、突き上げ部41と押さえ部42とが接触しない高さ(搬入高さ)にまで洗浄テーブル20を鉛直方向上方へ上昇させた後、図7に示すフレームFを吸引保持するバキュームパッド201が設けられた搬出入手段200により、フレームFの開口に粘着テープTを介して支持された被加工物Wを洗浄テーブル20に載置し、フレームFを搬出入手段200により平坦部22aに向けて押下し、フレームFをフレーム吸着手段22cにより平坦部22a上に吸着する。
次に、洗浄装置1−2は、洗浄テーブル20を鉛直方向下方へ下降させ、洗浄テーブル20を底部12側に位置づけた後、被加工物Wを吸引保持しつつ、洗浄テーブル20を高速で回転させ、洗浄液で被加工物Wの表面Waおよび切削溝Wc内を洗浄後、高圧エアーで表面Waおよび切削溝Wc内の洗浄液を吹き飛ばして被加工物Wを乾燥させ、洗浄テーブル20の回転を停止し、吸引保持を解除する。ここで、洗浄装置1−2は、図6および図7に示すように、突き上げ部41と押さえ部42とが鉛直方向において重なるように、洗浄テーブル20の回転を停止させる。
次に、洗浄装置1−2は、突き上げ部41と押さえ部42とが接触する高さ(搬出高さ)にまで洗浄テーブル20を鉛直方向上方へ上昇させる。ここで、図7に示すように、突き上げ部41の突出部41aが押さえ部42の先端部と当接し、突出部41aが支点部41bを支点として鉛直方向下方に押し下げられる。一方、支点部41bを支点として起倒部41cが鉛直方向上方に押し上げられ、当接部41dが粘着テープTの下面Tbを突き上げる。このため、フレーム吸着手段22cによるフレームFの吸着が解除される。
次に、洗浄装置1−2は、フレームFの上面Faを搬出入手段200のバキュームパッド201に吸引保持させ、搬出入手段200を鉛直方向上方に上昇させることで、被加工物Wを洗浄テーブル20から取り外す。
以上のように、実施形態3に係る洗浄装置1−2によれば、突き上げ部41と押さえ部42とが鉛直方向において重なるように位置づけた状態で、洗浄テーブル20を上昇させると、突き上げ部41がフレームFを鉛直方向上方に突き上げて、フレーム吸着手段22cによるフレームFの吸着を解除するので、搬出入手段200を用いて洗浄テーブル20から被加工物Wを取り外して搬送することができるという効果を奏する。
なお、上記の実施形態1から実施形態3においては、フレーム吸着手段22cは、永久磁石であったが、これに限定されず、例えば電磁石等であってもよい。フレーム吸着手段22cとして電磁石を用いた場合、電磁石への通電のON/OFFを切り替えることで、フレームFの吸着と吸着解除とを切り替えることができる。
また、上記の実施形態2においては、スピンドル142同士を対向配置させたフェイシングデュアルタイプの切削手段140について説明したが、スピンドル142同士を平行に並べた、いわゆるパラレルデュアルタイプの切削手段であってもよく、一つの切削手段を有する切削装置であってもよい。
また、上記の実施形態3においては、洗浄装置1−2は、搬入高さにまで洗浄テーブル20を鉛直方向上方へ上昇させ、被加工物Wを洗浄テーブル20に載置していたが、これに限定されず、例えば、突き上げ部41と押さえ部42とが鉛直方向において重ならないように回転させた洗浄テーブル20を鉛直方向上方へ上昇させ、被加工物Wを洗浄テーブル20に載置してもよい。これにより、被加工物Wを洗浄テーブル20に載置させる際に、洗浄テーブル20を搬入高さよりも鉛直方向上方へ上昇させることができる。
1−1、1−2 洗浄装置
20 洗浄テーブル
21a 保持面
21b 外周部
22 フレーム支持部
22c フレーム吸着手段
30 洗浄ノズル
100 切削装置
130 チャックテーブル
140 切削手段
170 洗浄手段
F フレーム
Fa 上面
Fb 下面
T 粘着テープ
W 被加工物
20 洗浄テーブル
21a 保持面
21b 外周部
22 フレーム支持部
22c フレーム吸着手段
30 洗浄ノズル
100 切削装置
130 チャックテーブル
140 切削手段
170 洗浄手段
F フレーム
Fa 上面
Fb 下面
T 粘着テープ
W 被加工物
Claims (3)
- 環状のフレームの開口に粘着テープを介して支持された板状の被加工物の洗浄装置であって、
前記粘着テープを介して被加工物を吸引保持する保持面と、前記保持面の外周でフレームを支持するフレーム支持部と、を備えた洗浄テーブルと、
前記洗浄テーブルに保持された被加工物に洗浄流体を供給する洗浄ノズルと、を有し、
前記洗浄テーブルの前記保持面は、凸状の湾曲面に形成され、
前記洗浄テーブルの前記フレーム支持部は、支持するフレームの上面側が隣接する前記保持面の外周部より低い位置に位置づけられる洗浄装置。 - 前記フレーム支持部は、
前記フレームの下面側を吸着して保持するフレーム吸着手段を有し、
前記フレーム吸着手段は、磁力によって前記フレームを吸着する請求項1記載の洗浄装置。 - 環状のフレームの開口に粘着テープを介して支持された板状の被加工物を分割する切削装置であって、
前記被加工物を前記粘着テープを介して保持するチャックテーブルと、
前記チャックテーブルに保持された前記被加工物を切削して分割する切削手段と、
分割された被加工物を前記フレームに保持されたまま洗浄する洗浄手段と、を少なくとも有し、
前記洗浄手段は、請求項1または2記載の洗浄装置である切削装置。
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- 2013-12-05 JP JP2013252208A patent/JP2015109381A/ja active Pending
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