JP2015109303A - 波長可変レーザ光源 - Google Patents

波長可変レーザ光源 Download PDF

Info

Publication number
JP2015109303A
JP2015109303A JP2013250170A JP2013250170A JP2015109303A JP 2015109303 A JP2015109303 A JP 2015109303A JP 2013250170 A JP2013250170 A JP 2013250170A JP 2013250170 A JP2013250170 A JP 2013250170A JP 2015109303 A JP2015109303 A JP 2015109303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
ring
bus
wavelength
bus waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013250170A
Other languages
English (en)
Inventor
藤澤 剛
Takeshi Fujisawa
剛 藤澤
石井 啓之
Hiroyuki Ishii
啓之 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2013250170A priority Critical patent/JP2015109303A/ja
Publication of JP2015109303A publication Critical patent/JP2015109303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電圧制御可能な低消費電力で、波長可変時に線幅が増大しない波長可変レーザを提供する。【解決手段】波長化変レーザは、第1のバス導波路121と、第1のバス導波路と平行に形成された第2のバス導波路123との間に形成された第1のリング導波路122と、第2のバス導波路と、第2のバス導波路と平行に形成された第3のバス導波路132との間に形成された第2のリング導波路131とを備える半導体基板上に形成された2重リング共振器を備え、第1のリング導波路及び第2のリング導波路は、半導体基板水平方向において、第1のバス導波路、第2のバス導波路及び第3のバス導波路の光の導波方向と直角をなす導波路部分を有し、直角をなす導波路部分は逆バイアスの電圧が印加される波長可変アームである。【選択図】図1

Description

本発明は、波長可変レーザ光源に関し、より詳細には、リング共振器を用いた波長可変レーザに関する。
現在、光通信の利用は爆発的な広がりを見せ、光通信における通信容量増加が求められている。光通信において、通信容量を増加するために、光変調方式において、従来の2値の振幅変移変調(ASK)に代わって、4位相変移変調(QPSK)や直角位相振幅変調(QAM)など、送信ビット数を増やした多値光変調信号への要求が高まっている。
光変調においては、レーザ光源から出射されるレーザ光のスペクトル線幅が高品質の信号を得る上で非常に重要であるが、多値光変調においてはスペクトル線幅の小さな半導体レーザが求められる。
また、通信容量を更に増加させるために、光変調方式を、従来の波長分割多重(WDM)技術と共に用いることを考えると、光源となる半導体レーザの波長は、可変であることが望ましい。
さらに、通信容量増加により、インターネットトラフィックが爆発的に増加し、必要となる光トランシーバの数は増加の一途をたどっているため、各トランシーバの消費電力を可能な限り小さくする必要がある。
つまり、将来の多値光変調を用いた大容量光通信システムにおいては、出射するレーザ光のスペクトル線幅ができるだけ小さく、消費電力の小さな波長可変レーザが必要となる。
従来、長距離光通信用の波長可変光源としては、複数の半導体レーザをアレイ上に並べて、各レーザの出力を光合波器により束ねた、波長可変レーザアレイ(TLA:Tunable laser array)が広く用いられてきた。TLAでは、アレイ上のひとつひとつのレーザを発振させ、各レーザ光に対して、温度調整により所望の波長を得て、光合波器により束ねるものである。しかし、複数の半導体レーザをアレイ上に配置し、また必要な電極の数も多いことからチップ面積が増大してしまい、さらに、温度調整により波長を変化させるものであるため、消費電力が非常に大きくなってしまうという問題点があった。
一方で、単一の構造で広い可変波長範囲を得ることのできる波長可変光源としては2重リング型波長可変光源がある。2重リング型波長可変光源では、縦列接続した、自由スペクトル領域(FSR)の異なる2つのリング共振器と、レーザ活性層とをつなげることにより、入力側の光導波路から入力されたレーザ活性層から発生した光の中から、2つのリング共振器の共振ピークが一致する波長のレーザ光のみ出力される。このとき、それぞれのリング共振器に電流を注入して、キャリアプラズマ効果によりリング共振器の屈折率を変化させ、2つのリング共振器の間で一致する共振ピーク波長を変化させることで発振されるレーザ光の波長を可変する機能を実現する。このキャリアプラズマ効果による屈折率の変化は10−2から10−3程度のオーダーとなる。
S. Matsuo and T. Segawa, "Microring-resonator-based widely tunable lasers," IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 15, pp.545-554, May/June 2009.
2重リング型波長可変光源は、単一のデバイス構造において50nmという非常に広い範囲での波長可変が実現できる。しかし、一般に、電流注入による波長可変光源では、以下の問題点がある。まず、共振器に電流注入を行うと、光が吸収されるため波長チューニングの際にスペクトル線幅が増大することが知られている。次に、共振器に電流が流れることにより、素子が発熱し、変化させた波長が安定するまでに時間が掛かる(サーマルドリフト)ことから波長チューニング速度が遅い。さらに、電流を注入することで活性層が劣化して経時変化するため、発振波長、発振条件が変化し、デバイスの長期信頼性が確保しにくい。したがって、上記の問題点から、電流注入による波長可変光源は、将来の多値光変調を用いた大容量光通信システム用光源としては適さない。
電流注入による波長可変光源の上記の問題を避けるために、電流制御ではなく、逆バイアスに電圧を印加する電圧制御による光変調が有効である。電圧制御では電気光学効果により屈折率を変化させるが、電気光学効果で屈折率を変化させた場合には光の吸収を生じないため、スペクトル線幅の増大は生じ得ない。また、電圧を逆バイアスに印加した場合、共振器に流れる電流は非常に小さいため、素子の発熱が小さくサーマルドリフトの効果は電流制御に比べはるかに小さい。さらに、電流がほとんど流れないことから消費電力も小さく、活性層の劣化も電流制御に比べて小さい。
ただし、電気光学効果による屈折率変化は、キャリアプラズマ効果による屈折率変化に比べて一桁以上小さいため、波長チューニングに必要な屈折率変化を現実的な電圧で実現することが難しい。したがって、現実のシステムに対応可能な電圧制御の波長可変レーザは現状実現できていない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、2重リング型波長可変光源に関して、そのリング共振器部に逆メサ方位に直線導波路を有するリング共振器を用いることで、電気光学効果と印加電圧に対する半導体の吸収スペクトル変化に伴う屈折率変化(フランツケルディッシュ効果、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE))を組み合わせ、電圧印可においても電流制御と同等の大きな屈折率変化を得る。
具体的には、本発明の波長化変レーザ光源の第1の態様は、第1のバス導波路と、前記第1のバス導波路と平行に形成された第2のバス導波路との間に形成された第1のリング導波路と、前記第2のバス導波路と、前記第2のバス導波路と平行に形成された第3のバス導波路との間に形成された第2のリング導波路とを備える半導体基板上に形成された2重リング共振器を含む波長化変レーザ光源であって、前記第1のリング導波路及び第2のリング導波路は、前記半導体基板水平方向において、前記第1のバス導波路、第2のバス導波路及び第3のバス導波路の光の導波方向と直角をなす導波路部分を有し、前記直角をなす導波路部分は逆バイアスの電圧が印加される波長化変アームであることを特徴とする。
本発明の波長化変レーザ光源の第2の態様は、前記2重リング共振器の前記第1のバス導波路及び前記第2のバス導波路と、前記第1のリング導波路との結合部と、前記第2のバス導波路及び前記第3のバス導波路と、前記第2のリング導波路との結合部は、方向性結合器により構成されることを特徴とする。
本発明の波長化変レーザ光源の第3の態様は、前記2重リング共振器の前記第1のリング導波路と、前記第2のリング導波路とは、自由スペクトル領域が異なることを特徴とする。
本発明の波長化変レーザ光源の第4の態様は、前記2重リング共振器の前記第1のバス導波路と、前記第2のバス導波路と、前記第3のバス導波路と、前記第1のリング導波路と、前記第2のリング導波路は、前記基板上のコア層と、前記コア層上に形成される上部クラッド層とを備えることを特徴とする。
本発明の波長化変レーザ光源の第5の態様は、前記2重リング共振器の前記第1のバス導波路のコア層と前記第1のリング導波路のコア層と、前記第2のバス導波路のコア層と前記第1のリング導波路のコア層と、前記第2のバス導波路のコア層と前記第2のリング導波路のコア層と、前記第3のバス導波路のコア層と前記第2のリング導波路のコア層とがそれぞれ一体に形成されることを特徴とする。
本発明を用いることにより、2重リング型波長可変光源の電圧制御が可能な低消費電力で、波長可変時にスペクトル線幅が増大しない波長可変レーザを構成することできる。コレにより、将来の光多値変調を用いた大容量光通信システム向けの低消費電力、狭線幅波長可変光源を実現することが可能となる。
本発明の1実施形態に係る2重リング共振器を用いた波長可変光源の構成を示す上面図である。 図1に記載のリング共振器のうちのひとつを示す上面図である。 従来構造のリング共振器の構成を示す上面図である。 図2に記載のリング共振器の断面図であり、図4(a)はリング導波路部、図4(b)は半導体レーザ部の断面図である。 図2に記載のリング共振器の光カプラの断面図であり、図5(a)は光カプラをハイメサ導波路で作成した場合、図6(b)は光カプラを擬リッジ構造カプラで作成した場合の断面図である。 本発明の1実施形態に係るInAlGaAs量子井戸の屈折率変化の印加電界依存性を示す図表である。
半導体レーザは、InP基板などの化合物半導体基板上に、量子井戸構造の活性層を結晶成長させ、エッチングによるメサ加工、埋め込み再成長、電極形成プロセスを経ることにより作成する。メサ加工の際、結晶の面方位によって、加工の容易さ、埋め込み再成長の容易さから、[100]基板を用いる場合([100]方向は基板の面に垂直な方向と定義)、[01−1]方向(逆メサ方位)にメサが作られることが多い。基板平面状において逆メサ方位に直行する方位[011]は順メサ方位と呼ばれる。
図1は、本発明の1実施形態に係る2重リング共振器型波長可変光源の構造を示す上面図である。図1の2重リング共振器型波長可変光源100は、逆メサ方位に形成されたレーザ活性層111と、レーザ活性層から出射されるレーザ光を導波する、逆メサ方位に形成された第1のバス導波路121と、第1のバス導波路121と方向性結合により結合するように形成された第1のリング導波路122と、第1のリング導波路122と方向性結合により結合するように形成された第2のバス導波路123と、第2のバス導波路123と方向性結合により結合するように形成された第2のリング導波路131と、第2のリング導波路131と方向性結合により結合するように形成された第3のバス導波路132とを基板101上に備える。
第1のバス導波路121と、第1のリング導波路122と、第2のバス導波路123とは、第1のリング共振器120を構成し、第2のバス導波路123と、第2のリング導波路131と、第3のバス導波路132とは、第2のリング共振器130を構成する。また、第1のリング共振器120と第2のリング共振器130とは、それぞれ自由スペクトル領域(FSR)が異なっており、また、逆メサ方位と基板平面状に置いて直角をなす順メサ方位に直線導波路を有する。
図2は、図1に記載のリング共振器のうちのひとつのリング共振器の構成を示す上面図である。図2のリング共振器200は、リング導波路210と、バス導波路220、230とから構成される。リング導波路210は、順メサ方位に形成された直線導波路部211、212と、逆メサ方位に形成された結合部213、214と、直線導波路部211、212と結合部213、214とをつなぐ曲がり導波路部215〜218とから構成される。
ここに、リング導波路210中の曲がり導波路部215〜218の曲げ半径をR、順メサ方位[011]の直線導波路部211、212の長さをLring、結合部の長さをL、結合部導波路間隔(結合部213とバス導波路220との距離)をDとする。
リング導波路中、順メサ方位の直線導波路部211及び212を、電圧を印加する波長可変用アームとする。本発明においては、リング共振器210中の波長可変用アームに電圧を逆バイアスに印加することで屈折率を変化させ、リング共振器の発振波長を変化させる。このとき、その屈折率変化は具体的に、電気光学効果、及び、印加電圧に対する半導体の吸収スペクトル変化に伴う屈折率変化(フランツケルディッシュ効果、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE))によって生じる。
ここで、波長化変用アームを順メサ方位([011])に作成した場合、逆バイアス電圧の印加に対して、電気光学効果とQCSEによる屈折率変化の符号が同じであるため、波長可変アームにおいて2つの物理効果を合わせた大きな屈折率変化を得ることができる。一方で、順メサ方位と直交する逆メサ方位([01−1])に波長化変アームを作成した場合では、電気光学効果による屈折率の変化とQCSEによる屈折率の変化の方向が逆となってしまうため、お互いの効果による屈折率変化を打ち消してしまう。したがって、効率的な屈折率変化を得ることができない。
図3(a)及び(b)は、従来のリング導波路の形状を示す図である。図3(a)に記載の従来のリング導波路は、完全に円形の導波路であり、直線導波路部分を有していない。したがって、順メサ方位に波長化変アームを作成することができず、大きな屈折率変化を得ることができない。
また、図3(b)に記載の導波路は、直線導波路部分を有しているが、直線導波路の方向は、逆メサ方位である。したがって、先に述べた電気光学効果とQCSEによる屈折率変化の符号の違いから、効率的な屈折率変化を得ることはできない。
一方で、本発明の順メサ方位の直線導波路に波長化変アームを有するリング共振器においては、電気光学効果とQCSEとの屈折率変化を打ち消しあうことなく、電気光学効果とQCSEを合わせた大きな屈折率変化を得ることができる。
図4は、図1に記載の2重リング共振器型波長可変光源の導波路の構造を示す、導波方向と垂直の断面図で、図4(a)は、リング導波路部401、図4(b)は半導体レーザ部402の構造を示す断面図である。
図4(a)のリング導波路401は、n型の[100]InP基板411と、InP基板411上に形成された厚さ0.3μmのコア層412と、コア層412上に形成されたp型のInP上部クラッド層413と、InP基板411上においてコア層412の両端に形成された有機物クラッド層414とから構成される。導波路構造はコア412の両端をInP基板411に届くまでエッチングしたハイメサ構造としている。コア層412はInAlGaAsで作られた量子井戸構造であり、室温でのフォトルミネッセンスピーク波長がそれぞれ1.39μm付近の光を発光するような組成となっている。図1に記載のバス導波路も同一の構造である。ただし、リング導波路及びバス導波路の結合部の構造は異なる。
図4(b)の半導体レーザ402は、n型の[100]InP基板411と、InP基板411上に形成された厚さ0.3μmの半導体レーザ活性層415と、コア層415上に形成されたp型のInP上部クラッド層413と、コア層415上において上部クラッド層413の両端に形成された有機物クラッド層414とから構成される。半導体レーザ410は上部クラッド413のみをエッチングしたリッジ型導波路であり、半導体レーザ活性層415はInAlGaAsで作られた量子井戸構造であり、室温でのフォトルミネッセンスピーク波長が1.55μm付近の光を発光するような組成となっている。
リング共振器を構成するためには、図2に示すように、バス導波路202及び203と、リング導波路210とを結合させる光カプラが必要となる。通常、この光カプラには、2つの光導波路を近接させることにより、光のパワーを分岐する光方向性結合器、又はマルチモード干渉導波路が用いられる。リング共振器の特性は、バス導波路からリング導波路に分岐する光の割合に応じて大きく変化するため、分岐比は可変であることが望ましく、そのためにはバス導波路とリング導波路との近接させる導波路の長さを変化させるだけで分岐比を変えることのできる、方向性結合器が望ましい。バス導波路からリング導波路にどの程度の光を分岐するかは、デバイス構造次第で変わるが、一般に鋭い共振特性を得たい場合には、バス導波路を伝播してくる光パワーの10〜40%程度をリング導波路に分岐する必要がある。一方で、マルチモード干渉導波路の場合、光の等分岐は比較的簡単に実現できるが、非対称分岐は一般に難しい。
図5は、図2に記載のリング共振器のリング導波路とバス導波路との結合部分を示す導波方向と垂直の方向の断面図である。まず、図5(a)にバス導波路510とリング導波路520の結合部をハイメサ導波路で形成した場合の断面図を示す。ハイメサ導波路はコア層511、512への光の閉じ込めが非常に強いため、導波路間隔D=2.5μmとしたとき、リング導波路520への分岐パワーが10%となるようにするには導波路の結合長(図2のL)は3.5mm程度にしなければならない。しかし結合長が3.5mmとなると、リング共振器の結合部分としては非常に長く現実的ではないといえる。そこで、本実施形態では、リング導波路510とバス導波路520との結合部分に、図5(b)に示すような構造(擬リッジ構造)の導波路を用いる。擬リッジ構造では、バス導波路及びリング導波路を形成する際、上部クラッド層は導波路部分を残したままエッチングし、コア層を形成する際、バス導波路とリング導波路、及びバス導波路とリング導波路との間の部分のコア層(513)はエッチングせずに残して、2つの導波路を一体に形成する。2つの導波路が一体となるため、2つの導波路間での光の結合を強くすることで結合長を短くすることができる。導波路間隔D=2.5μmのとき、リング導波路へ分岐する光パワーを10%となるようにするには、方向性結合器の結合長は40μm程度となり、ハイメサ導波路を用いた場合の約100分の1になる。また、結合長を変えることで他の分岐比の変更も容易となる。
次に、本実施形態に係る2重リング共振器型波長可変光源の製造方法を、再び図2及び図4を参照して説明する。まず、n型のInP基板411上に、半導体レーザ活性層415を成長させる。ウェットエッチングによって半導体レーザ活性層415の必要な部分以外をエッチングにより削り、コア層412をバットジョイント再成長し、さらに、コンタクト電極層を含む上部クラッド層413を成長させる。次に、半導体レーザ部402、および、リング導波路とバス導波路の間の結合部(図2の結合部213及び214の部分)に、図3(b)に示すようなリッジ構造を形成する。そして、リング導波路402(図2の結合部213及び214の部分を除く)において、ドライエッチングによりInP基板411まで図3(a)のようにエッチングをすることで、いわゆるハイメサ導波路構造を形成する。導波路メサの高さ(上部クラッドから下部クラッドまでの高さ)には任意性があるが、光が閉じ込められるように十分に深くエッチングする必要がある。導波路側壁を有機物、ここではベンゾシクロブテン(BCB)で埋め(有機クラッド層414)、半導体レーザ部402及び波長可変用アーム部(図2の直線導波路212、212)にp型の電極を形成する。InP基板411裏面(コアおよびクラッド層が形成されていない側の面)を研磨し、n型の電極を形成したのち、バー状態にへき開し、半導体レーザ402側の端面(へき開面)に無反射コーティング、半導体レーザ402の反対側の端面(へき開面)に高反射コーティングを施し、チップ状態にへき開をして完成となる。無反射コーティングを実現する方法はいくつかあるが、本実施形態においては、TiOとSIOの多層膜をへき開面に堆積する。高反射コーティングについては、SiとSIOの多層膜をへき開面に堆積する。
図6は、厚さ10nmのInAlGaAs井戸、InAlGaAsバリア量子井戸の屈折率変化の印加電界依存性の計算値を示す図表である。印加電界100,200kV/cmに対して10−3から10−2オーダーの、キャリアプラズマ効果と同程度の屈折率変化が得られることがわかる。コア層厚300nmに対してこれらの印加電界は電圧に換算して3.6Vとなり、通常の光半導体デバイスで用いられている程度の電圧となる。この屈折率変化に加えて、電気光学効果による屈折率変化が足しあわされることになり、電圧制御においても、電流印加と同程度の屈折率変化を得ることができることがわかる。このとき、リング共振器部の、電界を印加していないときのコア層の吸収端波長はレーザ活性部の吸収端波長に比べ十分短波側になるため、光の吸収は小さく、電流はほとんど流れない。リング共振器部の、電界を印加していないときのコア層の吸収端波長をよりレーザ活性部のそれに近づけることで、より大きな屈折率変化を得ることができるが、同時に光吸収も増加する。波長可変光源として必要な性能に応じてコア層の吸収短波長を決定すればよい。
本発明によるリング共振器を用いた波長可変光源は、低印加電圧で大きな屈折率変化を得られることが可能なため、素子の低消費電力化に有用であり、電圧印加に伴って流れる電流が小さいため、発熱が小さく、波長のスイッチングスピードが速い。したがって、電流印加構造に比べて、層構造の劣化を防ぐことができる。また、電圧印加のため、波長可変操作時のスペクトル線幅の増大を抑えることが可能であり、将来の多値光変調を用いた大容量光通信システム用光源として有用である。
なお、本明細書における実施形態においては、コア層の材料をInP基板上に成長したInGaAlAsとしたが、これが他の材料、例えば、InGaAsP、GaInNAs等を使用しても同じ効果を得ることができる。また、基板をInPとしているが、GaAs、サファイア基板、シリコン基板等、又は他の半導体基板を使用しても、同様な効果を得ることができる。さらに、基板はn型の基板の例を示しているが、これがp型でも絶縁性基板でも構わない。
また、本明細書では、素子が対象としている光の波長範囲が、1.55μm付近の光の例のみを示しているが、他の波長帯、例えば、1.3μm付近の光に対しても同様の効果を得ることができる。
また、本明細書では、導波路の構造をハイメサ導波路構造としているが、いわゆるリッジ構造や埋め込み構造でも構わない。
100 2重リング共新規型波長光源
111 レーザ活性層
120、130 リング共振器
121、123、132、202、203、510 バス導波路
122、131、210、401、520 リング導波路
211、212 直線導波路部
213、214 結合部
216〜218 曲がり導波路部
402 半導体レーザ
411 InP基板
412、511、521 コア層
413 InP上部クラッド層
414 有機クラッド層
415 活性層

Claims (5)

  1. 第1のバス導波路と、前記第1のバス導波路と平行に形成された第2のバス導波路との間に形成された第1のリング導波路と、
    前記第2のバス導波路と、前記第2のバス導波路と平行に形成された第3のバス導波路との間に形成された第2のリング導波路と
    を備える半導体基板上に形成された2重リング共振器を含む波長化変レーザ光源であって、
    前記第1のリング導波路及び第2のリング導波路は、前記半導体基板水平方向において、前記第1のバス導波路、第2のバス導波路及び第3のバス導波路の光の導波方向と直角をなす導波路部分を有し、
    前記直角をなす導波路部分は逆バイアスの電圧が印加される波長化変アームである
    ことを特徴とする波長化変レーザ光源。
  2. 前記第1のバス導波路及び前記第2のバス導波路と、前記第1のリング導波路との結合部と、前記第2のバス導波路及び前記第3のバス導波路と、前記第2のリング導波路との結合部は、方向性結合器により構成されることを特徴とする請求項1に記載の波長化変レーザ光源。
  3. 前記第1のリング導波路と、前記第2のリング導波路とは、自由スペクトル領域が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長化変レーザ光源。
  4. 前記第1のバス導波路と、前記第2のバス導波路と、前記第3のバス導波路と、前記第1のリング導波路と、前記第2のリング導波路は、前記基板上のコア層と、前記コア層上に形成される上部クラッド層とを備えることを特徴とする請求項1ないし3に記載の波長化変レーザ光源。
  5. 前記第1のバス導波路のコア層と前記第1のリング導波路のコア層と、
    前記第2のバス導波路のコア層と前記第1のリング導波路のコア層と、
    前記第2のバス導波路のコア層と前記第2のリング導波路のコア層と、
    前記第3のバス導波路のコア層と前記第2のリング導波路のコア層と
    がそれぞれ一体に形成されることを特徴とする請求項4に記載の波長化変レーザ光源。
JP2013250170A 2013-12-03 2013-12-03 波長可変レーザ光源 Pending JP2015109303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250170A JP2015109303A (ja) 2013-12-03 2013-12-03 波長可変レーザ光源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250170A JP2015109303A (ja) 2013-12-03 2013-12-03 波長可変レーザ光源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015109303A true JP2015109303A (ja) 2015-06-11

Family

ID=53439482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013250170A Pending JP2015109303A (ja) 2013-12-03 2013-12-03 波長可変レーザ光源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015109303A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019091780A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 日本電信電話株式会社 半導体光素子
US11495935B2 (en) 2018-11-02 2022-11-08 Denso Corporation Optical filter, and laser light source and optical transceiver using the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066318A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体波長可変レーザ
JP2009010197A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体レーザ素子
JP2013156288A (ja) * 2012-01-26 2013-08-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008066318A (ja) * 2006-09-04 2008-03-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体波長可変レーザ
JP2009010197A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体レーザ素子
JP2013156288A (ja) * 2012-01-26 2013-08-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019091780A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 日本電信電話株式会社 半導体光素子
US11495935B2 (en) 2018-11-02 2022-11-08 Denso Corporation Optical filter, and laser light source and optical transceiver using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10534131B2 (en) Semiconductor optical integrated device having buried hetero structure waveguide and deep ridge waveguide
US9941971B1 (en) Integrated interferometric optical transmitter
US9312663B2 (en) Laser device, light modulation device, and optical semiconductor device
US7873079B2 (en) Carrier-suppressed optical pulse train generation method and mode-locked semiconductor laser diode for realizing this method
JP5206187B2 (ja) 光半導体装置
JP5823920B2 (ja) 半導体光集積素子
US9728938B2 (en) Optical semiconductor device, optical semiconductor device array, and optical transmitter module
JP6425631B2 (ja) 半導体レーザおよびこれを備える光集積光源
US8787420B2 (en) Integrated semiconductor laser element
JP5212475B2 (ja) 波長可変光送信機
JP2008066318A (ja) 半導体波長可変レーザ
JP5545847B2 (ja) 光半導体装置
US20200052467A1 (en) Super Structure Grating and Tunable Laser
JP5189956B2 (ja) 光信号処理装置
US20110243175A1 (en) Segmented distributed feedback laser
JP2016152360A (ja) 光半導体装置
US11404846B2 (en) Laser device
KR20080052233A (ko) 광모드 크기 변환기가 집적된 레이저 소자
JP7277825B2 (ja) 半導体光素子
JP2015109303A (ja) 波長可変レーザ光源
JP6083644B2 (ja) 集積型半導体光源
JP7071646B2 (ja) 波長可変レーザ
JP2011258785A (ja) 光導波路およびそれを用いた光半導体装置
JP2013197502A (ja) 変調器集積半導体レーザ
WO2019198529A1 (ja) 半導体光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170307