JP2015108563A - 列車速度計測方法および列車位置特定方法並びにそれらの装置 - Google Patents

列車速度計測方法および列車位置特定方法並びにそれらの装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車載カメラにより安定して得られる画像データを用いて、車輪の空転・滑走の影響を受けず、かつ、計測装置を組み込んだ特別な車両を必要としない列車速度計測方法および列車位置特定方法並びにそれらの装置を提供する。【解決手段】カメラで列車進行方向前方を撮影してフレーム画像を格納するステップP1と、フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理するステップP3と、前後のフレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出するステップP4と、算出された画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を求めるステップP5とを含む。【選択図】図3A

Description

本発明は、列車速度計測方法および列車位置特定方法並びにそれらの装置に関する。
従来の列車速度計測方法は、列車の駆動軸に取り付けた速度発電機により行うものが主流であった。特許文献1に、改良された列車速度検出方法が記載されている。この改良された列車速度検出方法は、速度発電機とは別にモータの駆動制御で使用している速度情報を用いることによりモータの回転数から列車の速度を検出するものである。
上記のように、従来の列車速度計測方法は、駆動軸に取り付けられた速度発電機からの速度情報やモータの駆動制御で使用している速度情報を用いて、列車の対地速度を計測するものである。速度発電機やモータと直結した車軸、すなわち車輪がスリップすることなくレールと接触しているならば、速度発電機やモータからの情報は正しく対地速度を示すことになるが、急加速や急制動時に車輪が空転・滑走した場合は、正確な対地速度が得られないという問題がある。
上記問題を解決するため、車上に取り付けたカメラを使用して線路の映像を取得し、その前後の映像をマッチング処理することにより、通常走行時はもとより、車輪の空転・滑走時にも正確な対地速度を計測することができる列車速度計測システムが特許文献2に開示された。
特許文献2に記載された列車速度計測システムは、線路に設けられた基準マークを撮影するカメラと、そのカメラにより取得した画像をマッチング処理して基準マークを抽出する画像処理部と、その画像処理部により抽出した基準マークに基づき得られる距離情報およびカメラによる撮影フレームの時間情報により列車速度を演算する演算部とを備えたものである。これにより、車輪の空転・滑走時にも、より正確な対地速度を計測することができるという効果が得られる。
特開2008−182808号公報 特開2011−209026号公報
しかしながら、特許文献2に記載の列車速度計測システムは、線路に基準マークを設けること、具体的にはレールの下に敷かれる枕木に、列車進行方向に平行な線、進行方向に対して垂直な線および数字からなる基準マークを設けることが必要であるが、枕木に基準マークを設けることは、枕木の数が膨大であるので、非現実的である。また、基準マークを真上から撮影するために、列車の床下にカメラを取り付けるとしていることから車両改造が必要となり、速度を計測できる列車は当該改造工事を施した車両に限定されるという不都合がある。
そこで、本発明は、車輪の空転・滑走の影響も、使用できる列車の制限も受けない列車速度計測方法および列車位置特定方法並びにそれらの装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の列車速度計測方法は、(a1)カメラで列車進行方向前方を撮影してフレーム画像を格納するステップと、(b1)フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理するステップと、(c1)前後のフレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出するステップと、(d1)算出された画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を求めるステップとを含むことを特徴とする。なお、レール間の基準距離とは、左右のレールの間隔、いわゆる軌間が狭軌であれば1067mm、標準軌であれば1435mmであるという鉄道固有の知識を利用して、当該寸法を撮影画像から抽出した左右レールの間隔に相当する画素数で除することにより、画像中の1画素あたりの長さが算出できるので、スケールとして利用することができることを意味する。
本発明に係る第2の列車速度計測方法は、(a2)カメラで列車進行方向前方を撮影してフレーム画像を格納するステップと、(b2)フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中からレールを抽出するステップと、(c2)レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理するステップと、(d2)前後のフレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出するステップと、(e2)算出された画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を求めるステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る列車位置特定方法は、上記列車速度計測方法における(d1)または(e2)の算出された画素移動量とフレーム時間から列車速度を求めるステップに引き続き、各フレーム時間にそのフレーム時間における列車速度を乗じた積を累計するステップを含むことを特徴とする。
上記第1の列車速度計測方法を使用する列車速度計測装置は、(a1)車内に設けられ、線路上を走行する列車の進行方向前方を撮影するカメラと、(b1)カメラで撮影された画像を処理する画像処理装置と、(c1)各種データを記憶する記憶部とを有し、画像処理装置は、(b11)記憶部に対するデータの記憶及び記憶部からのデータの読み出しを制御する記録・読出制御部と、(b12)記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部と、(b13)真俯瞰化処理をされた前後のフレーム画像の相関から画素移動量を算出するとともに、 画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を算出する演算部とを有し、記憶部は、画像処理装置の演算部による演算結果を記憶する速度情報記憶部を含むことを特徴とする。
上記第2の列車速度計測方法を使用する列車速度計測装置は、上記第1の列車速度計測方法を使用する列車速度計測装置における画像処理部が、記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中からレールを抽出するとともに、レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理することを特徴とする。
そして、本発明に係る列車位置特定方法を実現する列車位置特定装置は、(a1)車内に設けられ、線路上を走行する列車の進行方向前方を撮影するカメラと、(b1)カメラで撮影された画像を処理する画像処理装置と、(c1)各種データを記憶する記憶部とを有し、画像処理装置は、(b11)記憶部に対するデータの記憶及び記憶部からのデータの読み出しを制御する記録・読出制御部と、(b12)記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部、または記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中からレールを抽出するとともに、レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部と、(b13)真俯瞰化処理をされた前後のフレーム画像の相関から画素移動量を算出するとともに、画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を算出し、続いて、各フレーム時間にそのフレーム時間における列車速度を乗じた積を累計して、列車の位置を特定する演算部とを有し、記憶部は、画像処理装置の演算部による演算結果を記憶する位置情報記憶部を含むことを特徴とする。
本発明においては、車上に設けたカメラで撮影する画像を処理して速度を計測するものであり、撮影画像の品質と車輪の回転状態とは無関係である。したがって、車輪の空転・滑走の影響を受けることなく、正確な列車速度の計測が可能となる。
また、本発明においては、フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中からレールを抽出した後、レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理して、前後のフレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出する。斜めから撮影された台形画像は、画像の手前が大きく、奥は小さく映っている。つまり、画素解像度が画面内の位置により異なる、歪んだ画像となっているため、画素移動量から移動量を算出する際に一定のスケールで計算することができない。それに対し、真俯瞰化処理された画像は、その位置によらず一定の解像度となるため、矩形画像のすべての領域を使って相関の計算を行うことができる。これの利点は、ある領域での相関計算で極端な外れ値が出力されたとしても、その他の領域で正しい結果が得られることが期待できるので、より正確な画素移動量、つまり、より正確な列車速度の計測が可能となる。
さらに、本発明においては、車輪の空転・滑走の影響を受けず、かつ、床下にカメラを設置するための車両改造を必要としないので、列車を限定することなく、列車の位置の特定が可能である。
本発明の実施の形態に係る列車速度計測装置を搭載した列車の概念図である。 図1の列車速度計測装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の一つの実施の形態に係る列車速度計測方法の動作の流れを説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る列車速度計測方法の動作の流れを説明するフローチャートである。 フレーム画像の相関から画素移動量を得る作用を説明する図である。 フレーム画像の台形と台形が真俯瞰化された矩形との関係を示す図である。 真俯瞰化された前後2つのフレーム画像と画素移動量との関係を示す図である。 カメラのフレームと速度・距離の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態におけるカメラ座標系、イメージ座標系およびワールド座標系の相互の関係を示す図である。 図8のカメラにより撮影された線路画像の一例を示す図である。 線路パターンの定義の方法の一例を示す図である。 各種の線路パターンの例を示す図である。 図10の線路パターンの中心線を示す図である。
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る列車速度計測装置Aは、図1および図2に例示するように、列車(または車両。本明細書において、同じ。)Tの中に搭載され、列車Tの進行方向前方を撮影するためのカメラ1と、カメラ1の撮影により得られる画像を処理する画像処理装置2と、プログラムおよび各種データを記憶する記憶部3と、画像処理装置2に対して指令を入力するための入力部4と、画像処理装置2による処理結果を表示するためのモニタ5とを有する。
カメラ1は、列車Tの進行方向前方の線路Rを撮影できる位置、例えば、先頭窓の内側上部に設けられ、一定の時間、一例として30分の1秒の間隔で撮影できるデジタルビデオカメラがよい。デジタルビデオカメラの場合は、一定の時間間隔で撮影された静止画をデジタル画像データで出力可能であるので、その出力信号をそのまま(AD変換を要することなく)画像処理装置2に入力することができるからである。カメラ1の画像データがアナログ形式で出力される場合は、そのカメラの出力信号をAD変換機(図示せず)によりAD変換した後、画像処理装置2に入力すればよい。
画像処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、入力部4から入力される指令に基づき、カメラ1から逐次出力される画像データ(フレーム画像)を記憶部3の所定領域に記憶させ、かつ、記憶された画像データを読み出す記録・読出制御部21と、読み出された画像データに対して所定の画像処理を行う画像処理部22と、所定の画像に基づいて所定の演算を行う演算部23とを有する。
記憶部3は、目的を実現するためのプログラムを記憶しているプログラム記憶部31と、カメラ1で撮影され、画像処理装置2の記録・読出制御部21の機能に応じて画像データを記憶する画像データ記憶部32と、その画像データを画像処理して得られる速度情報および位置情報を記憶する速度情報記憶部33と、位置情報記憶部34とを含む。
入力部4は、例えば、カメラ1に対する撮影開始もしくはカメラ1からの画像データの取り込み開始またはカメラの撮影終了もしくはカメラからの画像データ取り込み終了を指令するための第1スイッチSW1と、画像データ記憶部32からの画像データの読出し開始または読出し終了を指令するための第2スイッチSW2とを有する。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2は、乗務員が操作するようにしてもよいが、好ましい実施の形態として、列車の走行を検知する走行センサ(図示せず)の出力を入力部4に入力することにより、列車Tが走行を開始すると同時に自動的にカメラ1に対して撮影開始指令が入力され、列車が走行を停止すると同時にカメラ1に対して撮影終了指令が入力されるように構成することができる。
以上の構成による列車速度計測装置Aの作用の一例を図3Aのフローチャートに基づいて説明する。
列車Tが線路R上を走行すると、カメラ1が撮影を開始し(p1)、図4(a)(b)に示すように、そのカメラ1が逐次出力するフレーム画像FA1,FA2,…が画像処理装置2を介して記憶部3の画像データ記憶部32に格納される(p2)。画像処理装置2の画像処理部22は、その格納されたフレーム画像FA1,FA2,…を順次読み出して、図4に破線で示すように、フレーム画像FA1,FA2,…の中の台形の注目領域fA1,fA2を切り出し、その切り出した台形画像fA1,fA2を図5に一つの台形画像fAについて示すように、真俯瞰化処理により矩形の画像fBに変形する(p3)。
次に、図6に示すように、画像処理部22は、時間的に前後する二つの矩形画像fB1,fB2のパターンマッチングまたはテンプレートマッチングにより、撮影タイミングがt,t+1と前後する二つの矩形画像fB1,fB2の相関から画素移動量dを算出する(p4)。
そして、画像処理装置2の演算部23は、カメラ1のフレーム時間〔(t+1)- t〕、画素移動量dに含まれる画素数と、真俯瞰化処理により得られたレール幅wに対応する画素数と、実際のレール幅Wとに基づいて、1フレーム時間における列車Tの走行速度Vを算出する(p5)。
例えば、カメラ1のフレーム時間が30分の1秒、画素移動量dに含まれる画素数がN1ピクセル、フレーム画像上のレール幅wに対応する画素数がN2ピクセル、実際のレール幅Wが例えば、1067mmまたは1435mmであるとすると、1フレーム時間〔(t+1)- t〕における列車の走行速度V(時速)は、次の計算式の演算により求められる。
V=N1×(1067mmまたは1435mm)/(N2×1/30)×3600
そして、画像処理装置2の演算部23は、さらに、カメラ1の撮影時間、すなわち、撮影した全フレーム時間(t1〜tn)分を積算することにより、出発地点からその撮影地点までの距離、すなわち、列車の位置を特定することができる(p6)。
図7は、カメラ1のフレームと速度・距離の関係を示すグラフである。
列車速度計測装置Aは、通常、列車Tに常設されるが、カメラ1以外の構成要素、すなわち、画像処理装置2と記憶部3と入力部4とモニタ5は、常に結合された状態で保線区管理事務所などに据え置かれてもよい。その場合は、撮影を終えたカメラ1が列車Tから取外されて画像処理装置2にケーブルなどで接続される。しかし、列車に取り付けられているカメラ1に送信機(図示せず)を備えて、その送信機からカメラの画像データを画像処理装置2に接続されている受信機(図示せず)で受信するようにしてもよい。
上記の実施の形態は、カメラ1により得られたフレーム画像を一旦記憶部3に格納し、その後、フレーム画像を呼び出して真俯瞰化処理を行うようにした例であるが、カメラ1より得られるフレーム画像を直ちに真俯瞰化処理を行うように構成することもできる。
続いて、車両前方の映像の真俯瞰化処理について説明する。図8は本実施の形態におけるカメラ座標系、イメージ座標系、およびワールド座標系の相互の関係を示す図である。そして、図9は図8のカメラ1により撮影した画面を示す図である。
本実施の形態は、幅W=|Xl−Xr|のレールR上を走行する列車Tに搭載された焦点距離f、高さH、俯角θのカメラ1で進行方向前方の場面を撮影したイメージ座標系の画像をコンピュータで画像処理し、列車の走行速度と移動距離を計測する方法の一例であって、パラメータf、H、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合の列車の走行速度と移動距離を計測する方法であり、下記の3つのステップで構成されている。
すなわち、ワールド座標系における線路上の対向するN対の点を含む前方の場面をカメラ1で撮影し、N対の点に対応するN対の点をイメージ座標系上に特定するステップと、線路幅Wは一定であるという事実及びワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用してコンピュータで処理し、N個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、ワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、列車の移動距離Z’をコンピュータにより算出するステップで構成されている。
図8に示すように、カメラ1は焦点距離f、高さH、俯角θの3つのパラメータを有する。高さHは、レールR上を走行する列車Tに搭載されているカメラ1の地上からの高さであり、図8のワールド座標系原点O’とカメラ座標系原点O(カメラ1の設置位置)との距離である。また、俯角θは、図8においてカメラ1と線路R上の点Pを結ぶ線と、高さHの水平線との間の角度であり、図8のカメラ座標系のZ軸とカメラ座標系原点Oからワールド座標系のZ’軸上の点Pとを結ぶ線との間の角度である。
図8の撮影中心線が線路の中間点と交差する座標値(Xn,Yn,Zn)は、次の式で表される。
Figure 2015108563
上の式より、左レール上側(xlt,ylt)、下側(xlb,ylb)、右レール上側(xrt,yrt)、下側(xrb,yrb)に対応する点のワールド座標における座標位置は、次の式(1)〜(6)のように表される。
Figure 2015108563
ところで、線路知識 (狭軌レールの場合)より、
|Xlt−Xrt|=1067mm
|Xlb−Xrb|=1067mm
であるから、式(7)、(8)が成立する。
Figure 2015108563
Figure 2015108563
式(7)、(8)より、座標値と俯角θを既知とすれば、カメラ高さHと焦点距離fが求まる。座標値とカメラ高さHを既知とすれば、俯角θと焦点距離fが求まる。座標値と焦点距離fを既知とすれば、カメラ高さHが求まる。この結果を(1)〜(4)式に戻して計算すれば、Xlt,Xrt,Xlb,Xrbが求まる。この結果を(5)(6)式に代入すれば、Zt,Zbが求まる。
最終的に求めたいのは、元画像の台形が、俯瞰画像の矩形に変形する際の拡大比r(r=haft/hbef)である。|Zt−Zb|が2点間の延長方向の実距離になるので、図5のように底面をレール幅Wに合わせるなら、拡大比r=|Zt−Zb|/1067となる。
上記のようにして1フレームの台形の画像fAが矩形の画像fBに真俯瞰化され、図6に示すように、前後隣接する2つの真俯瞰化された矩形の画像fB1,fB2から2画像間の画素移動量dが正しく得られる。その画素移動量dと線路幅W(例えば、1067mmまたは1435mm)またはフレーム時間に基づいて列車の各撮影時点における移動速度を算出することができる。また、1フレーム撮影のたびに移動距離を正確に計測することができる。図7に、1路線の撮影によるフレーム(時間)と速度・距離の関係を例示する。したがって、起点から各地点までの精度の高い位置情報、すなわち、各撮影地点の位置情報を取得することができる。
撮影された線路の画像中の注目領域fAには、レールの他、枕木や地上子、その他の機器が存在する場合があり、それらによって注目領域fAのパターンマッチングの精度および速度が左右され易い。したがって、注目領域fAのパターンマッチングを確実かつ迅速にするため、線路画像からレールを抽出して、枕木や締結装置を確実に捉えられるようにする、すなわちパターンマッチングを適用する領域の絞り込みを行うことが有効である。レール抽出技術については、後に説明する。
図3Bは、レール抽出技術を用いる本発明の他の実施の形態を示すフローチャートである。p1,P2,p4,p5,p6は、図3Aにおけるp1,P2,p4,p5,p6と同じである。他の実施の形態においては、記憶部3からフレーム画像を読み出すたびに、そのフレーム画像から、すなわち、図4の注目領域fAからレールRを抽出する画像処理を行う(p31)。
レール抽出技術は、フレーム画像FA1,FA2,…の中の台形の注目領域fAを切り出し、その切り出した台形画像fAを図5に示すように矩形画像fBに変形する際に、台形の傾きや幅等を正確に得るために使用される。レール抽出により台形を求める方が、固定値で決め打ちの大径で補正するよりも、精度が上がる利点がある。レール抽出技術は、フレーム画像FAからレールRを抽出し、予め登録してある線路パターンと照合(パターンマッチング)する。線路パターンは、図12のように左右のレールの上端、中央部分、下端の位置を表す6つの数値データXLtop,XRtop,XLmid,XRmid,XLbottom,XRbottom によって表現することができる。これらのデータから各線路パターンの曲率を読み取って類似関係を算出し、現在の線路パターンから次に選択できる線路パターンの制約条件を図11に示すように、カーブ曲率の類似度で次の線路パターン選択を制限する(すなわち、図11の隣の類似する線路パターンに制限する)ことによって各時点で照合対象となる線路パターンの選択肢を少なくすることができる。これにより、画像処理速度の向上が期待され、また、処理速度が予め用意しておく線路パターンの数に影響されることが少なくなる。
線路パターンの曲率を用いて線路パターン同士の類似度を定義する方法について検討する。レール中心線の上端、中間位置、下端は、線路パターンデータのtop,mid,bottomの左右の値を平均することで、
Figure 2015108563
Figure 2015108563
Figure 2015108563

と求められる。中心線についてのデータを図12に示す。
データの数は3つであり、この点を2次方程式で近似する。垂直方向をy軸とするとき、下端のy=0でのレールはほぼ垂直であることから、X’(0)=0である。この条件を考慮するとレール中心線は、
Figure 2015108563

と表現できる。このときのcの値が画面上のレールの見かけ上の曲率を表す指標となる。この値を用いて類似度を定義することとする。cの値が0の場合は直線であり、正の値は右カーブ、負の値は左カーブであり、値が大きいほどカーブが急であることを表す。
上記のようにして、レールの抽出とパターンマッチングにより、車上のカメラで撮影した画像から列車の走行速度を計測し、位置情報を取得する画像処理速度の向上が期待される。また、計測精度の向上が期待される。

Claims (6)

  1. カメラで列車進行方向前方を撮影してフレーム画像を格納するステップと、前記フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理するステップと、前後の前記フレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出するステップと、算出された前記画素移動量と前記レール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を求めるステップとを含むことを特徴とする列車速度計測方法。
  2. カメラで列車進行方向前方を撮影してフレーム画像を格納するステップと、前記フレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中から前記レールを抽出するステップと、前記レールを抽出した前記台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理するステップと、前後の前記フレーム画像の真俯瞰化処理された矩形画像の相関から画素移動量を算出するステップと、算出された前記画素移動量と前記レール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を求めるステップとを含むことを特徴とする列車速度計測方法。
  3. 請求項1または2に記載の列車速度計測方法における、算出された画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とから列車速度を求めるステップまたは算出された画素移動量とレール間の基準距離とフレーム時間とから列車速度を求めるステップに引き続き、各フレーム時間にそのフレーム時間における列車速度を乗じた積を累計するステップを含むことを特徴とする列車位置特定方法。
  4. 車内に設けられ、線路上を走行する列車の進行方向前方を撮影するカメラと、そのカメラで撮影された画像を処理する画像処理装置と、各種データを記憶する記憶部とを有し、
    前記画像処理装置は、前記記憶部に対するデータの記憶および前記記憶部からのデータの読み出しを制御する記録・読出制御部と、前記記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部と、真俯瞰化処理された前後の前記フレーム画像の相関から画素移動量を算出するとともに、前記画素移動量と前記レール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を算出する演算部とを有し、
    前記記憶部は、前記画像処理装置の前記演算部による演算結果を記憶する速度情報記憶部を含むことを特徴とする列車速度計測装置。
  5. 請求項4に記載の列車速度計測装置において、前記画像処理部は前記記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中から前記レールを抽出するとともに、前記レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理することを特徴とする列車速度計測装置。
  6. 車内に設けられ、線路上を走行する列車の進行方向前方を撮影するカメラと、カメラで撮影された画像を処理する画像処理装置と、各種データを記憶する記憶部を有し、
    前記画像処理装置は、前記記憶部に対するデータの記憶および前記記憶部からのデータの読み出しを制御する記録・読出制御部と、前記記憶部から読み出されたフレーム画像の中のレールが含まれる台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部、または前記記憶部から読み出された前記フレーム画像の中の前記レールが含まれる台形画像を切り出し、その台形画像の中から前記レールを抽出するとともに、前記レールを抽出した台形画像を矩形画像に真俯瞰化処理する画像処理部と、真俯瞰化処理をされた前後の前記フレーム画像の相関から画素移動量を算出するとともに、前記画素移動量と前記レール間の基準距離とフレーム時間とに基づいて列車速度を算出し、続いて、各フレーム時間にそのフレーム時間における列車速度を乗じた積を累計して、列車の位置を特定する演算部とを有し、
    前記記憶部は、前記画像処理装置の前記演算部による演算結果を記憶する位置情報記憶部を含むことを特徴とする列車位置特定装置。
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