JP2016170708A - 道路状態判定装置および道路状態判定方法 - Google Patents

道路状態判定装置および道路状態判定方法 Download PDF

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勝大 堀江
Katsuhiro Horie
勝大 堀江
佐藤 俊雄
Toshio Sato
俊雄 佐藤
横井 謙太朗
Kentaro Yokoi
謙太朗 横井
鈴木 美彦
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
青木 泰浩
Yasuhiro Aoki
泰浩 青木
健二 君山
Kenji Kimiyama
健二 君山
雄介 高橋
Yusuke Takahashi
雄介 高橋
上野 秀樹
Hideki Ueno
秀樹 上野
中村 順一
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Abstract

【課題】車線境界線の状態を精度よく判定することができる道路状態判定装置を得る。【解決手段】実施形態の道路状態判定装置は、画像取得部と、境界線検出部と、領域決定部と、状態判定部と、を備える。前記画像取得部は、道路が撮像された画像を取得する。前記境界線検出部は、前記画像中の車線境界線を検出する。前記領域決定部は、前記境界線検出部によって検出された前記車線境界線に基づいて、前記道路の車線境界線に対応する前記画像の領域を決定する。前記状態判定部は、前記画像のうち前記領域に基づいて、前記車線境界線の状態を判定する。【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、道路状態判定装置および道路状態判定方法に関する。
道路上に設けられた白線等の車線境界線は、車両の通行や除雪作業、自然劣化等によって剥離が生じることがあり、剥離が発生した車線境界線は、塗り直しが必要となる。そこで、例えば、車線境界線の状態を判定する装置が提案されている。
実用新案登録第3135105号公報 特許第2560702号公報 特許第3429167号公報 特許第3260503号公報 特開2008−164506号公報 特開2010−175756号公報
この種の装置では、車線境界線の状態をより精度よく判定することができれば有意義である。
実施形態の道路状態判定装置は、画像取得部と、境界線検出部と、領域決定部と、状態判定部と、を備える。前記画像取得部は、道路が撮像された画像を取得する。前記境界線検出部は、前記画像中の車線境界線を検出する。前記領域決定部は、前記境界線検出部によって検出された前記車線境界線に基づいて、前記道路の車線境界線に対応する前記画像の領域を決定する。前記状態判定部は、前記画像のうち前記領域に基づいて、前記車線境界線の状態を判定する。
図1は、実施形態の道路状態判定システムが設けられた車両を模式的に示す図である。 図2は、実施形態の道路状態判定システムの構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態の処理部の構成を示すブロック図である。 図4は、実施形態の画像の一例を示す図である。 図5は、実施形態の画像の一例を示す図である。 図6は、実施形態の画像の一例を示す図である。 図7は、実施形態の処理部が行う処理の一例を説明するための説明図である。 図8は、実施形態の処理部が行う処理の一例を説明するための説明図である。 図9は、実施形態の処理部が行う処理の一例を説明するための説明図である。 図10は、実施形態の前回の状態判定処理での領域の画像の一部を示す図である。 図11は、実施形態の今回の状態判定処理での領域の画像の一部を示す図である。 図12は、実施形態の道路状態判定処理の手順を示すフローチャートである。 図13は、実施形態の第1の変形例の処理部が行う処理の一例を説明するための説明図である。 図14は、実施形態の第2の変形例の処理部が行う処理の一例を説明するための説明図である。
以下の例示的な実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。
<実施形態>
図1に示すように、本実施形態の道路状態判定システム1は、車両100に設けられている。道路状態判定システム1は、道路200上の車線境界線201の状態を判定する状態判定処理を実行する。すなわち、道路状態判定システム1は、車線境界線201を検査する。
車線境界線201は、道路200の車線202の幅方向の端部に設けられ、車線202に沿って延びている。車線境界線201としては、車線202の左側の端部に設けられた車線境界線201(図4参照)と、車線202の右側の端部に設けられた車線境界線201(図4参照)と、がある。各車線境界線201は、車線202の幅方向に沿って規定の幅を有する。また、車線境界線201には、複数の種類がある。例えば、車線境界線201の形状としては、連続線状(実線状)や破線状がある。破線状の車線境界線201は、車線202の延び方向に互いに間隔を空けて配置された複数の帯状部201a(図5参照)を有する。また、車線境界線201の色としては、白色や黄色がある。車線境界線201は、例えば、道路200上に塗られた塗料によって構成されている。車線境界線201は、車線区画線とも称され得る。
図2に示すように、道路状態判定システム1は、撮像装置10と、表示装置20と、記憶装置30と、道路状態判定装置40と、を備える。
撮像装置10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を有するデジタルカメラである。本実施形態では、一例として、撮像装置10は、車両100の車室内に設けられている(図1参照)。撮像装置10は、フロントガラスとルームミラーとの間に配置されうる。撮像装置10は、車両100の前方の道路200を含む車両100の周辺の外部環境を逐次撮像する。撮像装置10は、道路200を撮像して得た画像300(画像データ、図4〜7参照)を、フレーム単位で出力する。なお、撮像装置10の設置は、車線境界線201を撮像できる位置であればよい。例えば、撮像装置10を、車両100の前部のナンバープレート付近に設置してもよいし、車両100の前部のライト付近に設置してもよいし、サイドミラーに取り付けてもよい。
表示装置20は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electroluminescent Display)等である。表示装置20は、例えば、車両100の車室に居る乗員が目視可能な位置に配置されている。
記憶装置30は、データベース30aを記憶している。データベース30aは、基準画像や状態判定処理での判定結果(検査結果)を含む。基準画像は、車線境界線201が正常な状態の道路200の画像である。判定結果は、過去に状態が判定された車線境界線の判定結果についての情報である。記憶装置30は、記憶部の一例である。
図2に示すように、道路状態判定装置40は、処理部41を有する。処理部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、記憶部と、を有する。図3に示すように、処理部41内には、画像取得部41a、領域決定部41b、状態判定部41c、および結果出力部41dが実現される。図3に示す処理部41内の各構成は、処理部41のCPUが記憶部に記憶されたプログラムを実行することで実現される。すなわち、プログラムには、図3に示される処理部41の各ブロックに対応したモジュールが含まれる。なお、これらの各部をハードウェアで実現するように構成してもよい。処理部41は、車線境界線201の状態判定処理を実行する。状態判定処理は、車線境界線201の状態の判定を行う処理である。
画像取得部41aは、道路200が撮像された画像300を撮像装置10から取得する。ここで、図4〜6のそれぞれには、画像300の一例が示されている。図4〜6の各画像300には、道路200に設けられた車線境界線201が含まれている。図4では、左右の車線境界線201が連続線状である道路200の画像300が示され、図5では、左側の車線境界線201が連続線状であり且つ右側の車線境界線201が破線状である道路200の画像300が示されている。また、図6では、車線境界線201を、駐車車両203や水溜まり204が覆った状態の道路200の画像300が示されている。駐車車両203や水溜まり204は、車線境界線201を覆った覆体の一例である。また、画像取得部41aは、取得した画像300を、記憶装置30に送信してデータベース30aに記憶させる。
領域決定部41bは、実際の道路200の車線境界線201に対応する、画像300の領域302(図7参照)を決定する。領域決定部41bは、境界線検出部41eと、決定部41fと、を有する。
境界線検出部41eは、画像300中の車線境界線201の検出を行う(検出処理)。車線境界線201は、画像300中のエッジ情報を算出し、算出したエッジ情報に直線や曲線を当てはめることにより検出してもよいし、予め用意してあるテンプレート画像と画像300とのパターンマッチング処理を行って検出してもよい。また、パターンマッチング処理で車線境界線201を検出する場合、車線境界線201の確信度を算出してもよい。なお、車線境界線201の検出方法は、上記方法に限定されるものではなく、他の公知の方法であってもよい。本実施形態では、画像300中の車線境界線201の検出において、例えば、図7に示すように、画像300中の各車線境界線201のエッジ線301を検出する。エッジ線301は、例えば、車線境界線201のうち車線202の中央部に近い端部(内側の端部)に位置し、車線境界線201に沿って延びる線である。左側の車線境界線201のエッジ線301は、画像300中の座標位置P1と座標位置P2とに亘り、右側の車線境界線201のエッジ線301は、座標位置P3と座標位置P4とに亘っている。また、境界線検出部41eは、車線境界線201の直線の傾きや曲線の曲率、座標、正常部303(ペイント部、図10参照)の幅と、車線境界線201の確からしさを表す信頼度を検出(算出)してもよい。信頼度は、画像300中のエッジ情報から数値として出力され得る。
また、境界線検出部41eは、車線境界線201の種類を判別する。ここで、例えば、実際の車線境界線201が破線状となっている場合、剥離や汚れ等の異常によって直線状の車線境界線201が破線状となっているのか、正常な形状が破線状なのかは、画像300中の情報だけで正確に判別することが困難な場合がある。そこで、本実施形態では、境界線検出部41eは、画像300に対応する道路200の基準画像に基づいて、車線境界線201の種類(形状の種類)を判別する。基準画像は、データベース30aに記憶されている。境界線検出部41eは、画像300に対応する道路200の基準画像中の車線境界線201が連続線状の場合、検出した車線境界線201は連続線状であると判別する。一方、境界線検出部41eは、画像300に対応する道路200の基準画像中の車線境界線201が破線状の場合、検出した車線境界線201は破線状であると判別する。なお、画像300と当該画像300の基礎画像とは、例えば、それらに付与された位置情報(撮像位置情報)によって対応付けすることができる。位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて算出された位置情報であってもよいし、車両100に設けられた車輪速センサの出力値を用いて算出されたものであってもよい。車輪速センサは、車両100の車輪の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサである。車輪速センサを用いる場合、例えば、検査対象の道路200上の位置は、基準位置からの距離を車輪速センサの出力値に基づいて算出し、算出した距離に基づいて特定することができる。
境界線検出部41eは、上記の各種情報を含む検出結果を決定部41fに出力するとともに、当該検出結果を記憶装置30に出力して、当該検出結果をデータベース30aに蓄積させる。
図7に示すように、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出された車線境界線201に基づいて、領域302を決定する。詳細には、決定部41fは、検出されたエッジ線301に基づいて、領域302を決定する。領域302は、例えば矩形状であり、図7において太線で囲まれた部分である。決定部41fは、エッジ線301から車線202の外側方向に規定の幅を有した部分を領域302とする。具体的には、決定部41fは、エッジ線301と、当該エッジ線301を車線202の外側方向に平行移動させた線と、に囲まれた矩形の部分を、領域302とする。エッジ線301と直交する領域302の幅は、実際の正常な車線境界線201の幅と略同じである。なお、エッジ線301と直交する領域302の幅は、実際の正常な車線境界線201の幅よりも広くてもよい。決定部41fは、境界線検出部41eによる判別結果が連続線状の車線境界線201の場合、エッジ線301に対して一つの領域302を決定する(図7参照)。一方、決定部41fは、境界線検出部41eによる判別結果が破線状の車線境界線201の場合、エッジ線301に対して複数の領域302を決定する(図8参照)。この場合、決定部41fは、基礎画像中の帯状部201aの延び方向での当該帯状部201aの端部の位置を取得し、当該取得した位置に対応する画像300中の位置から、領域302がエッジ線301に沿って延びるようにする。以上のように、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出された一本の車線境界線201の全体、すなわち一本のエッジ線301の全体を領域302に含ませてもよいし、境界線検出部41eによって検出された一本の車線境界線201の一部、すなわち一本のエッジ線301の一部だけを領域302に含ませてもよい。また、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出された一本の車線境界線201、すなわち一本のエッジ線301に対して一つまたは複数の領域302を決定することができる。
また、図9に示すように、決定部41fは、境界線検出部41eによって車線境界線201が検出されない場合、画像300中の規定の位置を領域302に決定する。この処理は、例えば、車線境界線201上に駐車車両203や水溜まり204等の覆物が存在している場合(図6参照)や撮像時の天候不良の場合等によって、境界線検出部41eによる車線境界線201の検出ができないときに行われる。画像300中の規定の位置は、一例として、車両100の左右の側方に車線境界線201があると仮定した場合の位置である。また、画像300中の規定の位置は、基礎画像中の車線境界線201に対応する画像300中の位置であってもよい。
決定部41fは、決定した領域302の座標情報を状態判定部41cに出力する。
状態判定部41cは、画像300のうち領域302に基づいて、車線境界線201の状態を判定する。状態判定部41cは、情報取得部41gと、判定部41hと、を有する。
情報取得部41gは、領域302についての情報を取得する。情報取得部41gは、領域302の色についての情報である色情報、領域302の大きさについての情報である大きさ情報、領域302の明るさについての情報である明るさ情報、および領域302の模様についての情報である模様情報のうち少なくとも一つを取得する。本実施形態では、情報取得部41gは、上記の全ての情報を取得する。
情報取得部41gは、上記の情報を得る場合、前処理として、画像300に対して、アフィン変換や、輝度補正、ブロック分割を行う。これらの前処理は、必須ではなく必要に応じて行われる。そして、情報取得部41gは、色情報としての領域302の色相を、領域302において色変換を行って取得する。また、情報取得部41gは、大きさ情報としての領域302の正常部303(ペイント部分)の面積を、領域302において輝度値が規定の値以上の画素の数を計数し当該画素数に基づいて算出する。また、情報取得部41gは、明るさ情報としての領域302の輝度平均値を、領域302に対して輝度平均処理を行って算出する。また、情報取得部41gは、明るさ情報としての領域302の輝度分散値を、画像300に対して輝度分散処理を行って算出する。また、情報取得部41gは、模様情報としての領域302中の輝度値による領域分割数を、領域302にラベリングを行って算出する。ここで、領域302中の領域分割数は、領域302を二値化した場合に領域302中に輝度値の違いによって生じる領域の数である。また、情報取得部41gは、模様情報として領域302のスペクトルを、領域302に対して高速フーリエ変換(FFT)を行って算出する。また、情報取得部41gは、前処理の大きさや取得した情報に基づいて、上記の各情報の順位を計測量信頼度として各情報に付加してもよい。
判定部41hは、情報取得部41gによって取得された情報に基づいて車線境界線201の状態を判定する。例えば、判定部41hは、車線境界線201の異常率を算出する。すなわち、判定部41hは、車線境界線201の異常率がいくつであるかを判定する。車線境界線201の異常率は、領域302中の剥離や汚れ等の異常部304(図10,11参照)の割合である。異常率は、一例として、領域302の総面積に対する情報取得部41gによって取得された領域302の正常部303の面積以外の面積の割合で算出される。また、異常率は、情報取得部41gによって取得された領域302の領域分割数を用いて算出されてもよい。なお、異常率の代わりに、領域302中の正常部303の割合を示す正常率を算出してもよい。また、判定部41hは、当該判定部41hによる車線境界線201の状態の今回の判定結果と、記憶装置30に記憶された車線境界線201の状態の前回の判定結果と、に基づいて、車線境界線201の状態の劣化の進行度(進行状態)を算出する。すなわち、判定部41hは、車線境界線201の状態の劣化の進行度がいくつであるかを判定する。詳細には、判定部41hは、領域302の今回の判定の異常率と、当該領域302の記憶装置30に記憶された前回の判定の異常率との差分を、車線境界線201の状態の劣化の進行度として算出する。ここで、図10には、領域302の前回の道路状態判定処理における状態が示され、図11には、当該領域302の今回の道路状態判定処理における状態が示されている。図10,11中の領域302のそれぞれには、正常部303と複数の異常部304とがある。図10,11では、正常部303に、ハッチングが施されている。そして、図11は、図10に対して異常部304Aが生じた状態となっている。この異常部304Aの有無の違いが異常率の差分、すなわち車線境界線201の状態の劣化の進行度として現れる。
また、判定部41hは、境界線検出部41eによる車線境界線201の検出がされない場合、画像300に基づいて、車線境界線201の状態の判定の可否を判断する。一例として、判定部41hは、画像300と、当該画像300に対応する判定可否判断用画像と、に基づいて、車線境界線201の状態の判定の可否を判断する。判定可否判断用画像は、例えば、画像300に対応する画像であって前回の判定に用いられデータベース30aに記憶された画像や、画像300の基準画像である。ここで、道路200全体の色情報に規定以上の差が有る場合、車線境界線201が検出されない原因は、例えば天候不良や車線境界線201上の覆物等によるものと推測でき、道路200全体の色情報に規定以上の差が無い場合、車線境界線201が検出されない原因は、車線境界線201の異常によるものと推測できる。よって、本実施形態では、判定部41hは、画像300と判定可否判断用画像との色情報の差分をとり、道路200全体の色情報に規定以上の差が有る場合には、車線境界線201の状態の判定は不可であると判断し、道路200全体の色情報に規定以上の差が無い場合には、車線境界線201の状態の判定は可能であると判定する。
また、判定部41hは、画像300のうち領域302に基づいて、当該領域302中の車線境界線201の種類を判別する。本実施形態では、判定部41hは、車線境界線201の色の種類を判別する。判定部41hは、情報取得部41gによって取得された領域302の色相によって、車線境界線201の色を判別する。例えば、判定部41hは、白色の色相が領域302の正常部303に全体的に存在する場合は白色の車線境界線201と判定し、黄色(追い越し禁止を示す色)の色情報が領域302の正常部303に全体的に存在している場合は黄色(追い越し禁止)の車線境界線201であると判別する。
判定部41hは、上記の判定結果および判別結果を結果出力部41dに出力するとともに、当該判定結果および判別結果を記憶装置30に出力して、当該判定結果をデータベース30aに蓄積させる。すなわち、判定部41hは、車線境界線の状態を記憶する記憶装置30に、判定した車線境界線201の状態を記憶させる。
結果出力部41dは、画像取得部41aによって取得された画像300と、境界線検出部41eによって検出された車線境界線201と、状態判定部41cの判定結果(判別結果)と、を表示装置20に表示させる。
また、本実施形態では、状態判定処理によって取得された各種情報は、データベース30aに蓄積され、当該蓄積された情報が次回の状態判定処理時に参照されて状態判定の精度の向上が図られている。また、処理部41は、状態判定処理における算出値(検出値)のばらつきを統計的に処理したり、駐車車両203によって車線202の状態を把握できなかったときの情報を過去情報から補間して作成することにより、データベース30aを強化してもよい。
次に、以上のように構成された処理部41による道路状態判定処理の手順を図12のフローチャートを参照して説明する。まず、画像取得部41aは、画像300を取得する(S1)。
次に、境界線検出部41eは、車線境界線201の検出処理を行う(S2)。境界線検出部41eによって画像300中に車線境界線201のエッジ線301が検出された場合(S3:Yes)、決定部41fは、検出結果としてのエッジ線301に基づいて領域302を決定する(S4)。
次に、情報取得部41gは、領域302の情報として、色情報、大きさ情報、明るさ情報、および模様情報を取得する(S5)。次に、判定部41hは、情報取得部41gによって取得された情報に基づいて車線境界線201の状態を判定する(S6)。次に、結果出力部41dは、判定部41hの判定結果を出力する(S7)。具体的には、判定部41hは、判定部41hの判定結果を表示装置20に表示させる。
また、境界線検出部41eによって画像300中に車線境界線201のエッジ線301が検出されない場合(S3:No)、決定部41fは、画像300と、画像300に対応する判定可否判断用画像と、に基づいて、車線境界線201の状態の判定(点検)が可能かを判断する(S8)。決定部41fは、車線境界線201の状態の判定は可能であると判断した場合(S8:Yes)、画像300中の規定の位置を領域302に決定する(S9)。この場合、処理部41は、S5に進み、S5以降の処理を行う。
一方、決定部41fが車線境界線201の状態の判定は可能でないと判断した場合(S8:No)、処理部41は、S7に進み、S7の処理を行う。この場合、S7で、結果出力部41dは、車線境界線201の状態の判定(点検)が可能でない旨を、表示装置20に表示させる。
以上、説明したように、本実施形態では、画像取得部41aが、道路200が撮像された画像300を取得し、領域決定部41bが、道路200の車線境界線201に対応する画像300の領域302を決定し、状態判定部41cが、画像300のうち領域302に基づいて、車線境界線201の状態を判定する。よって、領域決定部41bが、道路200の車線境界線201に対応する画像300の領域302を決定するので、例えば、剥離や汚れ等の異常によって車線境界線201の幅が正規の幅でない場合でも、判定対象部をより正確に特定することができる。したがって、車線境界線201の状態をより精度よく判定することができる。
また、本実施形態では、画像300に対する画像処理によって車線境界線を検出し、領域302での異常率を算出することで、車線境界線201の異常を全自動で定量的に算出することができる。また、領域302の複数の情報を取得して当該情報に基づいて領域302の状態を判定するので、外乱に強く安定した判定を行うことができる。
なお、境界線検出部41eは、車線境界線201と一緒に、横断歩道や速度などの路面標示、停止線等を検出してもよい。横断歩道や停止線は、例えば、道路面を二値化して、白色の領域が一定の割合存在する領域として検出することができる。路面標示は、道路上に限定して公知の方法を用いた文字認識によって検出することができる。そして、これらの路面標示および停止線に対しても、状態の判定を行ってもよい。これにより、車線境界線201だけでなく、道路200全体の劣化診断が可能となる。
<第1の変形例>
本変形例では、図13に示すように、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出された一本の車線境界線201に対して、車線境界線201の形状に関係無く、複数の領域302を決定する。複数の領域302は、車線境界線201(エッジ線301)の延び方向に沿って並べられる。本実施形態では、各車線境界線201に対して二つの領域302が設けられる。
また、状態判定部41cは、一本の車線境界線201の二つの領域302のうち車両100の進行方向で前方(図13で上側)に位置する領域302に対しては、色情報や明るさ情報に基づいて領域302の状態を判定する。これにより、二つの領域302のうち車両100の進行方向で前方に位置し撮像距離が長くなる領域302、すなわち画素数が少なくなる領域302に対しては、汚れの状態を判定することができる。一方、状態判定部41cは、一本の車線境界線201の二つの領域302のうち車両100の進行方向で後方(図13で下側)に位置する領域302に対しては、大きさ上方や模様上方に基づいて領域302の状態を判定する。これにより、二つの領域302のうち車両100の進行方向で後方に位置し撮像距離が短くなる領域302、すなわち画素数が多くなる領域302に対しては、ひび割れ状態を判定することができる。なお、ある画像300(フレーム)で二つの領域302のうち車両100の進行方向で前方(図13で上側)に位置する領域302が、次に画像300(フレーム)で二つの領域302のうち車両100の進行方向で後方に位置するように、撮像を行ってもよい。これにより、一つの領域302に対する状態の判定を、互いに異なる情報を用いて複数回(二回)行うことができる。
<第2の変形例>
本変形例では、図14に示すように、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出された車線境界線201、すなわちエッジ線301の長さよりも領域302の長さを長くする。まず、決定部41fは、境界線検出部41eによって検出されそれぞれ座標位置P1,P3と座標位置P2,P4とに亘る二つのエッジ線301を、線形補間する。詳細には、決定部41fは、エッジ線301をそれぞれ座標位置P1,P3から座標位置P2,P4と反対側の座標位置P5,P6まで延長して、エッジ線301Aを得る。次に、決定部41fは、各エッジ線301Aに対して領域302を決定する。このときの領域302の決定方法は、エッジ線301の場合と同様である。これにより、境界線検出部41eによって検出された車線境界線201(エッジ線301)の長さよりも長い領域302で状態の判定を行うことができる。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、これら実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、表示装置20と、記憶装置30と、道路状態判定装置40とは、車両100以外に設置されてもよい。
30…記憶装置、40…道路状態判定装置、41a…画像取得部、41b…領域決定部、41c…状態判定部、41d…結果出力部、41e…境界線検出部、41f…決定部、41g…情報取得部、41h…判定部、100…車両、200…道路、201…車線境界線、300…画像、301…エッジ線、302…領域。

Claims (14)

  1. 道路が撮像された画像を取得する画像取得部と、
    前記画像中の車線境界線を検出する境界線検出部と、
    前記境界線検出部によって検出された前記車線境界線に基づいて、前記道路の車線境界線に対応する前記画像の領域を決定する領域決定部と、
    前記画像のうち前記領域に基づいて、前記車線境界線の状態を判定する状態判定部と、
    を備えた道路状態判定装置。
  2. 前記領域決定部は、前記境界線検出部によって検出された前記車線境界線の長さよりも前記領域の長さを長くする、請求項1に記載の道路状態判定装置。
  3. 前記領域決定部は、前記境界線検出部によって検出された前記車線境界線の全体を前記領域に含ませる、請求項1に記載の道路状態判定装置。
  4. 前記領域決定部は、前記境界線検出部によって検出された一本の前記車線境界線に対して複数の前記領域を決定する、請求項1に記載の道路状態判定装置。
  5. 前記領域決定部は、前記画像に対応する前記道路の基準画像に基づいて前記車線境界線の種類を判別する、請求項1に記載の道路状態判定装置。
  6. 前記状態判定部は、
    前記領域の色についての情報、前記領域の大きさについての情報、前記領域の明るさについての情報、および前記領域の模様についての情報のうち少なくとも一つを取得する情報取得部と、
    前記情報取得部によって取得された情報に基づいて前記車線境界線の状態を判定する判定部と、
    を有した請求項1に記載の道路状態判定装置。
  7. 前記状態判定部は、前記車線境界線の状態の今回の判定結果と、記憶部に記憶された前記車線境界線の状態の前回の判定結果と、に基づいて、前記車線境界線の状態の劣化の進行度を算出する、請求項1に記載の道路状態判定装置。
  8. 道路が撮像された画像を取得し、前記画像中の車線境界線を検出し、検出された前記車線境界線に基づいて、前記道路の車線境界線に対応する前記画像の領域を決定し、前記画像のうち前記領域に基づいて、前記車線境界線の状態を判定する、道路状態判定方法。
  9. 検出された前記車線境界線の長さよりも前記領域の長さを長くする、請求項8に記載の道路状態判定方法。
  10. 検出された前記車線境界線の全体を前記領域に含ませる、請求項8に記載の道路状態判定方法。
  11. 検出された一本の前記車線境界線に対して複数の前記領域を決定する、請求項8に記載の道路状態判定方法。
  12. 前記画像に対応する前記道路の基準画像に基づいて前記車線境界線の種類を判別する、請求項8に記載の道路状態判定方法。
  13. 前記領域の色についての情報、前記領域の大きさについての情報、前記領域の明るさについての情報、および前記領域の模様についての情報のうち少なくとも一つを取得し、取得された情報に基づいて前記車線境界線の状態を判定する、請求項8に記載の道路状態判定方法。
  14. 前記車線境界線の状態の今回の判定結果と、記憶部に記憶された前記車線境界線の状態の前回の判定結果と、に基づいて、前記車線境界線の状態の劣化の進行度を算出する、請求項8に記載の道路状態判定方法。
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