JP2019085056A - 軌道周辺の環境変化検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物までの距離を精度よく把握し撮影した画像データに基づく環境変化の検出を容易に行うことができる環境変化検出方法を提供する。【解決手段】車両に搭載されたカメラにより走行中に車両側方の風景を含む画像を所定時間間隔で撮影し位置情報および時間情報と共に記憶装置に記憶する画像データ取得工程と、画像データを読み出して所定範囲の画像データを切り出す画像切出し工程と、対象物を異なる位置から撮影した複数の画像データを用いて、ステレオ解析によって画像内の対象物の深度を算出する深度算出工程と、連続する複数の画像データから所定ピクセル数の幅を有する画像データを切り出して上下方向のオルソ補正を行う画像補正工程と、補正後の連続画像の特徴量を算出する画像特徴量算出工程と、異なる時期に撮影された画像データからそれぞれ生成された連続画像に基づいて特徴量の差分を算出する特徴量差分算出工程とを含むようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理を利用した軌道周辺の環境変化検出方法、さらには鉄道の軌道上を走行する列車に搭載されたカメラで撮影された軌道側方の画像を処理して軌道周辺の時系列的な環境の変化を検出する環境変化検出方法に関する。
鉄道において、列車が走行する軌道の周辺の時系列的な環境の変化を検出することは、列車の走行に支障をきたすおそれのある横風に影響を及ぼす建造物や植生などの支障物を早期に発見する上で重要である。
従来、軌道周辺の時系列的な環境変化を検出する方法としては、現地での人手による調査、航空写真や電子地図による推定を基に軌道周辺の環境を確認した後に、一定の期間(数か月〜数年)経過した時点で、現地に人が訪れるか再度取り直した航空写真や最新の電子地図を用いて環境の変化を精査する方法が一般的であった。
しかし、上記のような方法は、多くの人手や時間を要するとともに、コストが非常に高いという課題があった。そこで、列車を走行させながら列車に設置したビデオカメラにより軌道の周辺を撮影して記録し、同一路線で異なる日時に撮影されたビデオ画像を比較して環境変化を判定するようにした発明が提案されている(特許文献1参照)。
なお、異なる日時に撮影されたこれらのビデオ画像を比較する場合、比較されるビデオ画像のフレームは同一地点で撮影されたものである必要があり、そのためには、列車の走行位置を正確に把握する必要がある。
従来、列車の走行位置を検出する技術として、列車に搭載された速度発電機からの信号に基づいて算出された列車の走行距離と経路情報とから列車の位置を把握するとともに、軌道上に設置された地上子からの情報を用いて列車の位置を補正するようにした技術がある。
また、特許文献1には、列車に搭載されたビデオカメラにより進行方向前方の空間を動画撮影することにより収録されたリファレンスビデオ画像の指定されたフレーム画像のSURF(Speed-Up Robust Features)特徴と、画像特徴データベースに格納されたベースビデオ画像の各フレーム画像のSURF特徴とをフレームマッチング処理により比較することによって求められる類似度に基づいて列車の走行位置を検出する技術が記載されている。
特開2017−1638号公報
特許文献1に記載されている環境変化検出方法は、先頭車両の前面にビデオカメラを設置し、車両を走行させながらビデオカメラにより進行方向前方の空間を撮影し、軌道上の互いに異なる位置であってベースビデオ動画の各フレーム画像に対応付けられた速度情報を用いて計算されるそれらの間の距離が選択された距離になる位置で撮影された2枚のフレーム画像を比較することにより軌道の周辺の時系列的な環境の変化を検出するというものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の環境変化検出方法は、進行方向前方に向けたビデオで撮影した、主に線路直角方向に広がる風景画像から周辺環境の変化を捉えようとしているため、対象物(横風に影響を及ぼす支障物)を正対して捉えておらず対象物までの距離の正確な把握が困難であるので、撮影画像に基づく環境変化の検出精度が低い。また、ビデオ画像の各フレーム画像から抽出されたSURF特徴を用いてフレームマッチング処理により求められる類似度に基づいて対象画像を検出、すなわちベクトル処理により得られる2次元画像データに基づいて環境変化を検出するというものであるため、対象物と空とを明確に区別することができず、検出精度が低いという課題がある。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたもので、軌道から対象物までの距離を精度よく把握することができ、それによって撮影した画像データに基づく環境変化の検出を容易に行うことができる軌道周辺の環境変化検出方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ステレオ解析による3次元情報を用いた判定を行うことで、撮影した画像内の対象物と空とを明確に区別することができ、それによって撮影した画像データに基づく環境変化の検出を容易に行うことができる環境変化検出方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、データの同期精度が高く、それによって撮影した画像データに基づいて環境変化を高精度で検出することができる環境変化検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、
異なる時期に撮影された軌道周辺の同一箇所の画像データを比較することによって環境変化を検出する軌道周辺の環境変化検出方法において、
車両に搭載されたカメラにより走行中に車両側方の風景を含む画像を所定時間間隔で撮影し、撮影した画像データを位置情報および時間情報と共に記憶装置に記憶する画像データ取得工程と、
記憶されている画像データを読み出して、所定範囲の画像データを切り出す画像切出し工程と、
同一対象物を異なる位置から撮影した複数の画像データを用いて、ステレオ解析によって画像内の当該対象物の深度を算出する深度算出工程と、
連続する複数の画像データから所定ピクセル数の幅を有する画像データを切り出して、上下方向のオルソ補正を行う画像補正工程と、
補正後の所定ピクセル数の幅を有する画像データを接合して生成した連続画像に対して、少なくとも画像内において空の占める割合を画像特徴量として算出する画像特徴量算出工程と、
軌道周辺の同一箇所に関し異なる時期に撮影された画像データからそれぞれ生成された前記連続画像に基づいて前記画像特徴量の差分を算出する特徴量差分算出工程と、
を含むようにしたものである。
上記のような工程を含む環境変化検出方法によれば、画像内の対象物の深度を算出する深度算出工程を備えているため、画像内の空とそれ以外の建造物等を明確に区別することができ、それによって環境変化の検出を精度よく行うことができる。また、画像内における空の占める割合を画像特徴量として算出する画像特徴量算出工程と、同一箇所に関し異なる時期に撮影された画像データに基づいて画像特徴量の差分を算出する特徴量差分算出工程とを備えているため、環境に変化があった場合にそれを容易に検出することができる。
ここで、望ましくは、前記画像特徴量算出工程においては、前記深度算出工程により算出された画像内の対象物の深度を用いて対象物と空とを区別して前記画像特徴量を算出するようにする。
かかる画像特徴量の算出を行うことにより、同一箇所に関し異なる時期に撮影された画像の特徴量の差分を大きくすることができ、画像が変化したことすなわち環境が変化したことを容易に検出することができる。
また、望ましくは、前記画像特徴量算出工程においては、前記深度算出工程により算出された画像内の対象物の深度を用いて、カメラからの距離範囲ごとに対象物の画像の占める深度別割合を他の画像特徴量として算出するようにする。
このように深度別割合を画像特徴量として算出することにより、走行する車両の走行に支障をきたすおそれのある風の強さに大きく影響する範囲の環境の変化を容易に検出することができる。
さらに、望ましくは、前記画像特徴量算出工程においては、線路平行方向の所定距離範囲の画像データ内のピクセルの色情報である色相、彩度および輝度に関しそれぞれの平均値を他の画像特徴量として算出するようにする。
画像の色相、彩度、輝度それぞれの平均値を画像特徴量として算出することにより、例えば走行する車両の走行に支障をきたすおそれのある風の強さに影響する植栽率の変化の検出を精度良く行うことができる。
また、望ましくは、前記画像補正工程による補正後の画像データを接合した連続画像であって異なる時期に撮影された同一位置の2つの連続画像情報を比較して、画像データの差分の最も少ない位置を求めて画像の位置合わせを行い、位置合わせ後の位置情報を対応する画像データが記憶されているデータファイルに格納し直す画像位置合わせ工程を備えるようにする。
かかる画像位置合わせ工程を備えることにより、走行速度が異なる状況で撮影された画像同士を比較する際にデータの同期精度を高め、それによって速度の影響を排除して環境変化の検出を精度良く行うことができる。
本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法によれば、軌道から対象物までの距離を精度よく把握することができる。また、撮影した画像内の対象物と空とを明確に区別することができ、それによって撮影した画像データに基づく環境変化の検出を容易に行うことができる。さらに、データの同期精度が高くそれによって撮影した画像データに基づいて軌道周辺の環境変化を高精度で検出することができるという効果がある。
本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法において使用する画像データを取得するカメラの取付け位置の一例を示す車両の側面図である。 本発明に係る環境変化検出方法において使用する画像データを取得するパノラマカメラの一例を示す斜視図である。 本発明に係る環境変化検出方法を実施するためのシステムの一構成例を示すブロック図である。 本発明に係る環境変化検出方法の手順の一例を示すフローチャートである。 距離別の画像割合に基づく深度画像の例を示す図である。 複数の画像フレームから切り出された画像を繋ぎあわせた連続画像の例を示す図である。 オルソ補正によりフレーム境界の接合部の画像が改善された事例を示すもので、(A)は補正前の画像、(B)は補正後の画像の図である。 天空率を考慮して補正した連続画像を示すもので、(A)は考慮前の画像、(B)は考慮後の画像の図である。 SQL検索による検索結果のうち、色相、天空率、深度の顕著な差分結果の一例を示す図である。 図9の差分結果が得られた箇所の新旧のパノラマ画像を示すもので、(A)は変化前の画像(旧画像)、(B)は変化後の画像(新画像)の図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法は、例えば軌道上を走行しながら線路のゆがみ具合や架線の状態、信号電流の状況などを測定する検測車等の車両にデジタルカメラを搭載して、特に列車の走行に影響のある軌道の側方の風景を撮影して蓄積し、撮影時期の異なる画像を比較して軌道周辺の環境(風の流れを変化させるような建造物、植栽、地形)に変化が生じていないか検出する技術に関するものである。
軌道周辺の環境変化をより正確に検出することを可能にする画像データを取集するため、本発明では、軌道上を走行する車両に対して、線路と直交する向きを視野とするデジタルスチールカメラを搭載して、特に列車の走行に支障をきたすおそれのある横風に影響を及ぼす軌道の側方の風景を連続して撮影し画像データ蓄積することを基本とする。ただし、既存の検測車の中には、土木構造物等の管理のために、図1に示すように、先頭車両10Aの前面に、車両の前方から側方を含む範囲を撮影可能なパノラマカメラ11を据え付けて、定期的にパノラマ画像を撮影して記録しているものがある。そこで、上記検測車のパノラマカメラ11で撮影された画像データから車両側方の画像を切り出して繋ぎあわせたものを利用して環境の変化を検出するようにしても良い。以下、パノラマカメラ11で撮影された画像データから環境の変化を検出する場合を例にとって本発明方法の具体例について説明する。
本発明の実施例で使用される画像データを撮影するパノラマカメラは、例えば図2に示されているように、上面視五角形をなす筐体11Aと、筐体11Aの上面および5つの側壁に固定され上方、前方、左右両側方前寄りおよび左右両側方後寄りの計6方向をそれぞれ撮影する6台のピクセルカメラCMR1,CMR2……を備えており、これらのカメラで撮影した画像を連続するように接合することで車両の前方から側方および後方を含む360度の範囲の撮影画像を出力可能な構成されたパノラマカメラである。
なお、図2においては、6台のピクセルカメラCMR1,CMR2……のうち左右両側方後寄りの方向を撮影する2台のピクセルカメラは見えていない。各ピクセルカメラは、例えば2448×2048(5M)のような解像度を有し、10fps(フレーム/秒)の速度で画像を撮影する性能を備えている。従って、このカメラを搭載した車両が例えば時速72kmで走行しながら撮影した場合には2mごとに、また時速210kmで走行しながら撮影した場合には約6mごとにフレーム画像を取得することができる。
また、撮影した画像のデータを記憶する記憶装置においては、取得した各画像データに対応して、ユーザが任意の情報を書き込むことができるフリースペースが用意されており、このフリースペースには、路線名や線別(上り線/下り線/単線/側線等)、撮影時の車両位置(キロ程)、撮影年月日、時刻等の撮影条件データが格納可能に構成されている。
なお、本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法において使用する画像データを取得するカメラはパノラマカメラに限定されず、2台のデジタルスチールカメラを、それぞれ左側方と右側方を向けて車両に据え付けるようにしても良い。
次に、本発明に係る軌道周辺の環境変化検出方法の手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4のフローチャートに従った処理は、図3に示すような機能ブロックからなるシステムを利用して実行することができる。
図3に示すシステムは、一般的なコンピュータシステムにより実現することができるもので、マイクロプロセッサ(MPU)のようなプログラム方式の演算処理装置21およびROM(読出し専用メモリ)22やRAM(随時読出し書込み可能なメモリ)23のような記憶手段を備えた環境変化検出部20と、環境変化の検出に必要なデータ(車載のパノラマカメラにより撮影された画像データ等)を記憶した記憶装置31と、ユーザインタフェース(ユーザI/F)32と、キーボードやマウスなどの入力装置33と、液晶表示パネルのような表示装置34と、を備えている。
環境変化の検出に必要なプログラムおよび各種計算式は環境変化検出部20のROM22に記憶されており、マイクロプロセッサ(MPU)21が当該プログラムおよび式に従って画像処理や分析処理および環境変化の検出に必要な演算処理を実行する。
環境変化検出部20のマイクロプロセッサ(MPU)21は、図4に示すように、先ずパノラマカメラにより撮影された画像データを記憶装置31から読み出す(ステップS1)。
次に、読み出された画像データが撮影された列車位置(キロ程)を推定する(ステップS2)。具体的には、検測車で得られるキロ程は、先頭車両等の床下に設置されている車上子の位置を基準として、速度発電機からの信号に基づいて算出される走行距離から算定され、本線1km毎に設置されているデータデポ(登録商標)と呼ばれる地上子を通過することにより位置が修正される。
なお、記憶装置31には、撮影した画像データと共に、車上子の位置とカメラの取付け位置の差を補正したキロ程が、フリースペースの列車位置データ欄に記憶される。なお、時速36km以上の速度で走行しながら10fpsの間隔で撮影した場合には、同一のキロ程が列車位置データ欄に記憶される画像は存在しない。
ただし、パノラマカメラの画像データの撮影時の位置がメートル単位で保存されていると、10fpsでの撮影間隔では誤差が大きくなる場合がある。特に低速走行時には、異なる画像フレームに対して同じキロ程データが記憶されることがある。そこで、より正確なキロ程を推定するため、ステップS2では、画像解析を行う前に、各画像フレームの概算キロ程を推定する。具体的には、10フレーム毎に基準のキロ程を定め、その間を線形補間し、各フレームの概算キロ程(概算の積算移動距離)を推定し、その値を例えばCSVファイルに書き出す。
続いて、ステップS1で読み出された車両前方風景を含むパノラマ画像データから、車両左右方向の画像データを切り出す(ステップS3)。なお、パノラマカメラの画像フレームのデータがJPEG形式もしくはJPEGをベースとする所定形式(例えばPGRの拡張子を有するファイル)のデータとして格納されている場合には、これらの形式の画像フレームデータを、画像データ処理に適したPNG形式に変換するようにしてもよい。また、ステップS2では、車両の左右の画像フレームデータから、それぞれ例えば横幅500ピクセル、縦画角100度(カメラ水平位置を0度として上下に±50度)の短冊状領域の画像を切り出す。
次に、ステップS3で切り出された画像データのうち連続する2枚の画像に対して、前記ステップS2で推定された概算キロ程を基準にして撮影位置の差を移動距離として求め、その長さを底辺とするステレオ解析(三角測量法)により、カメラと対象物との距離(深度)を求める(ステップS4)。そして、この距離を用いて距離別の画像割合を求める処理や後述のオルソ補正が行われる。
図5には、ステップS4で得られた距離別の画像割合に基づく深度画像の例が示されている。なお、図5の画像は、軌道から80m離れた位置よりも手前の風景の画像である。また、得られた深度データにはノイズが多いため、図5の画像に関しては、メディアンフィルタ(局所領域における濃淡レベルの中央値(メディアン)を出力するフィルタ)を用いたノイズ処理が行われている。
図5の画像には線路側方に立設しているビルや電柱がはっきりと表示されており、これらの建造物に変化があれば、比較的容易に検出できることが予想される。軌道から数10m以内の範囲にある建造物や植栽等の変化は、走行する車両に影響を与える風の強さの変化に大きくかかわるので、この範囲の環境変化を検出することは重要である。
上記ステップS4の次は、ステップS3で切り出した短冊状の画像フレームを記憶装置から読み出して、さらに長さ1m当たり30ピクセルとなるように各フレームから必要ピクセル数の短冊画像を切り出し、それらを繋ぎあわせて連続画像を作成する(ステップS5)。つまり、各フレームの距離データから移動速度を推定し、速度が速い場合には1フレームから多くのピクセル数を、遅い場合には少ないピクセル数の画像を選定し結合する。これにより、速度の違いによる画像のずれを補正した線路平行方向に連続した画像を作成することができる。
図6には、ステップS5の処理で作成された連続画像の例が示されている。図6より、複数の画像フレームから切り出された画像を繋ぎあわせて生成された連続画像は、歪みの少ない1枚の撮影画像に近い画像となることが分かる。
ただし、カメラから撮影対象までの距離の違いにより、前後のフレーム間で同一の物体が映り込んでいる場合が多くあり、単純にそのまま結合すると短冊毎の画像がつながらない場合がある。そこで、切り出した短冊画像に対し、上下方向のみオルソ補正(中心投影を正射投影に変換する処理)を実施する(ステップS6)。
具体的には、ステップS4の処理で求めた深度データ(カメラと対象物との距離)を用いて、軌道から遠い対象物の画像に関しては領域を上下方向に拡大し、近い画像に関しては領域を上下方向に縮小するといった処理を行う。このようなオルソ補正を行うことで、撮影位置により不連続性が生じていたフレーム境界の画像をよりなめらかに接合することが出来る。
上記オルソ補正処理により、フレーム境界の接合部の画像が改善された事例を図7に示す。図7において、(A)は補正前の画像、(B)は補正後の画像である。図7より、補正前の画像では建物の輪郭線(特に画像中心部の斜めの線)がギザギザであったものが、補正後の画像では滑らかな直線に近くなっていることが見てとれる。
ステップS6に続くステップS7においては、ステップS6で作成した連続画像に対し、キロ程1m毎に特徴量の抽出処理を行い、当該画像の特徴量として、天空率、深度別割合、HSV平均値を算出する。ここで、「天空率」とは画像中における空の部分の割合を、「深度別割合」とは、画像中における所定距離範囲ごとに存在する対象物の割合(面積比)を意味する。ステップS7では、例えばカメラから0m以上20m未満、20m以上40m未満、40m以上80m未満、80m以上の距離範囲ごとの物体の画像上で占める割合をそれぞれ求める。また、「HSV」はピクセルの色を色相、彩度、輝度で表わした情報であり、「HSV平均値」は、キロ程1m分の画像データの色相、彩度、輝度のそれぞれの平均値を意味する。
天空率の算出処理においては、ステップS4で求めた深度データを基に、無限遠と判定した場合に「空」と判断する。なお、白い建物なども「空」と判定してしまうおそれがあるので、一定数以上のピクセルが連続して無限遠とならなければ、「空」ではないと判断する。また、黒い場合も無限遠となる場合があるので、輝度値も一定ピクセル数以上連続してない場合には「空」ではないと判断する。図8に天空率を考慮して色情報(色相、彩度または輝度)を補正した連続画像を示す。図8において、(A)は補正前の画像、(B)は補正後の画像である。図8より、例えば中央付近にある白いビルが、天空率を考慮することにより、よりはっきりと「空」と区別できていることが分かる。
ステップS7に続くステップS8では、ステップS7で求めた特徴量を、画像を撮影した位置としてのキロ程や撮影日などのデータとともに、表1に示すようなデータフォーマットにまとめたものを、データベースに保存する。なお、画像データは、保存されている画像データを読み出してすぐにモニタに表示できるように、HSV−RGB変換を行なってRGBデータとしてデータベースに保存するのが良い。
また、本実施形態においては、色相30±5以上且つ彩度100以上の画像の割合を画像植栽率として求めて保存するようにしている。軌道沿線の環境のうち樹木は季節によって頻繁に変化するので、植栽率を求めて保存しておくことで、環境変化が樹木によるものか建造物、地形等によるものか判別し易くなる。
ステップS8の次は、ステップS9へ進んで、ステップS8で保存したデータベースから、撮影区間が同じで撮影時期が異なる2枚の画像データを読み出して、詳細な位置合わせを実施し、同位置の画像データの差分を求める。
ステップS8のデータベース作成時には、各画像フレームの概算キロ程を求め、1m毎のキロ程を基準としている。ただし、実際に検測車で取得できるキロ程が1m単位である場合でも、そのキロ程には誤差が含まれている。そのため、検測車で取得したキロ程を基に10フレーム毎に決めた基準キロ程から線形補間をして求めたキロ程を位置情報としているので、実際の位置との誤差が生じている。そこで、ステップS9では、異なる時期に撮影された連続画像を比較し、パターンマッチングを行うことにより、より詳細な位置合わせを行うこととした。
具体的には、先ず、データベースから読み出された色相だけのRGBデータを、色相、彩度、輝度を含むHSVデータに変換する。次に、キロ程毎のデータファイルの同じキロ程位置を初期オフセットとし、HSVデータを少しずつずらしながら、その値の差分を確認する。この作業を繰り返すことで、最も差分が少ない位置を見つける。そして、最も差分が少ない位置を基準とし、撮影時期の異なる2つの画像データを比較できるよう、位置合わせ後の同一キロ程(1m単位)のデータファイルにHSVデータを格納し直す。最後に、求めたHSVデータの差分値のうち、色相データの差分値をRGBデータとして再構築する。
次に、上記のようにして再構築されたデータベースに対してSQL(Structured Query Language)検索を実施し、新旧の画像データに大きな差が生じているものを検索する。図9に、その検索結果のうち、色相、天空率、深度に顕著な差分が生じていた結果の一例を示す。図9において、符号Aは色相差、符号Bは天空率の差、符号Cは深度差の変化を表わしている。なお、図9の差分結果は、図10(A),(B)に示すような新旧のパノラマ画像が得られた箇所に関するものである。図10(A)は変化前の画像(旧画像)、図10(B)は変化後の画像(新画像)である。
図9および図10から、周辺環境に変化がある事例では、色相、天空率、深度それぞれにおいて、大きな差が生じていることが分かる。
これより、上記の手法を適用することによって、車両に搭載したカメラにより走行中に撮影した画像から、特徴量として天空率、深度別割合、HSV平均値を算出することによって、周辺環境変化を確実にとらえることが可能であることが分かる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、検測車にパノラマカメラ11を搭載して軌道周辺を撮影しているが、通常の営業列車にパノラマカメラ11あるいは側方を向けたデジタスチールルカメラやビデオカメラを搭載して撮影画像を収集するようにしてもよい。また、カメラを搭載する車両は先頭車両に限定されず、最後尾あるいは中間の車両であっても良い。
また、上記実施形態では、撮影時の列車位置情報を、列車が有するキロ程情報から取得しているが、列車にGPS装置を搭載してGPS情報を取得し列車位置情報としても良い。
さらに、上記実施形態の環境変化検出処理においては、ステップS5で、連続する2枚の画像データから対象物までの距離を算出しているが、連続する2枚の画像に限定されず離れた移動位置から撮影した2枚の画像データを用いて対象物までの距離を算出するようにしても良い。また、上記実施形態では、ステップS5で必要ピクセル数の画像を切り出してからステップS6でオルソ補正を行なっているが、オルソ補正を行なってから必要ピクセル数の画像を切り出すようにしても良い。
10A,10B,10C 車両
11 パノラマカメラ
20 環境変化検出部
31 記憶装置(データベース)
CMR1〜CMR4 ピクセルカメラ

Claims (5)

  1. 異なる時期に撮影された軌道周辺の同一箇所の画像データを比較することによって環境変化を検出する軌道周辺の環境変化検出方法であって、
    車両に搭載されたカメラにより走行中に車両側方の風景を含む画像を所定時間間隔で撮影し、撮影した画像データを位置情報および時間情報と共に記憶装置に記憶する画像データ取得工程と、
    記憶されている画像データを読み出して、所定範囲の画像データを切り出す画像切出し工程と、
    同一対象物を異なる位置から撮影した複数の画像データを用いて、ステレオ解析によって画像内の当該対象物の深度を算出する深度算出工程と、
    連続する複数の画像データから所定ピクセル数の幅を有する画像データを切り出して、上下方向のオルソ補正を行う画像補正工程と、
    補正後の所定ピクセル数の幅を有する画像データを接合して生成した連続画像に対して、少なくとも画像内において空の占める割合を画像特徴量として算出する画像特徴量算出工程と、
    軌道周辺の同一箇所に関し異なる時期に撮影された画像データからそれぞれ生成された前記連続画像に基づいて前記画像特徴量の差分を算出する特徴量差分算出工程と、
    を含むことを特徴とする軌道周辺の環境変化検出方法。
  2. 前記画像特徴量算出工程においては、前記深度算出工程により算出された画像内の対象物の深度を用いて対象物と空とを区別して前記画像特徴量を算出することを特徴とする請求項1に記載の軌道周辺の環境変化検出方法。
  3. 前記画像特徴量算出工程においては、前記深度算出工程により算出された画像内の対象物の深度を用いて、カメラからの距離範囲ごとに対象物の画像の占める深度別割合を他の画像特徴量として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道周辺の環境変化検出方法。
  4. 前記画像特徴量算出工程においては、線路平行方向の所定距離範囲の画像データ内のピクセルの色情報である色相、彩度および輝度に関しそれぞれの平均値を他の画像特徴量として算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軌道周辺の環境変化検出方法。
  5. 前記画像補正工程による補正後の画像データを接合した連続画像であって異なる時期に撮影された同一位置の2つの連続画像情報を比較して、画像データの差分の最も少ない位置を求めて画像の位置合わせを行い、位置合わせ後の位置情報を対応する画像データが記憶されているデータファイルに格納し直す画像位置合わせ工程を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軌道周辺の環境変化検出方法。
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