JP2015107889A - 分散性が改良された窒化ホウ素及びそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

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泰弘 塚田
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Abstract

【課題】
樹脂成形体にて高い熱伝導性を発現し、成形体にした場合に優れた表面性を有するh−BN粉末を提供する。
【解決手段】
一次平均粒子径(D50)が20μm以下で、さらに一次粒子が面方向に連なった30μm×30μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理したことを特徴とする窒化ホウ素粉末。
このような窒化ホウ素は、第一工程にてホウ素含有物質と窒素含有物質とを1550℃未満で処理し、BN含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、第二工程にて該粗製窒化ホウ素をホウ素含有フラックス成分とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理して結晶成長させる連続的製造方法で得られる。
このような窒化ホウ素を含有する樹脂組成物は、特に、良好な表面性を有するフィルムの製造に適している。

【選択図】 なし

Description

本発明は、分散性が改良された窒化ホウ素粉末及びそれを用いた樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、ホウ素含有物質と窒素含有物質とを加熱処理し、BN含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、該粗製窒化ホウ素を所定量のホウ素を含むホウ素含有フラックス成分とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理して結晶成長させて得られる面方向に凝集した鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、粉砕機で粉砕処理して得られる窒化ホウ素粉末。更には、分散性が改良された窒化ホウ素粉末を含有し、良好な表面性、熱伝導性、電気絶縁性を示す樹脂組成物に関する。更には、分散性が改良された窒化ホウ素粉末を含有する射出成形体およびフィルムに関する。
六方晶窒化ホウ素粉末(以下、h−BN粉末と記す)は耐熱性、潤滑性、電気絶縁性、および熱伝導性などに優れた特性を持つことから、固体潤滑材、離型剤、化粧品原料、熱伝導性樹脂用フィラー、焼結体原料、などの多くの用途に使用されている。中でも高結晶性のh−BN粉末は、化粧品に混合したときの隠蔽効果に優れることや、熱伝導性が高いことから、化粧品原料や樹脂用フィラーとして特に有用である。
h−BN粉末は、黒鉛と類似した層状構造をしており、(1)熱伝導性が高く放熱性に優れる、(2)電気絶縁性が大きく、絶縁耐力に優れる、(3)誘電率がセラミックスの中で最も小さい等、電気材料として優れた特性を有している。例えば、h−BNを熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の樹脂材料に添加してなる熱伝導性及び絶縁性に優れた材料が注目されている。
このような用途にh−BN粉末を用いる場合、工業的に有利な製造法にて製造したh−BN粉末を用いて高熱伝導性樹脂成形体として要求特性を満足させることが望まれている。しかしながら、従来のh−BN粉末は、粒径を大きく、結晶性の高い結晶性六方晶窒化ホウ素を得ることを目的にホウ素含有フラックス成分やアルカリ土類金属などを多量に添加しており、炉の常時汚染問題や後処理工程において酸洗浄工程を必要とすることから排水処理が必要であることなど工業的負荷が大きかった。
これらh−BN粉末の工業的な製造方法としては、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂等のホウ素含有物質と、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、アンモニア、窒素等の窒素含有物質とを加熱雰囲気下に反応させる方法が挙げられる。
これら製造方法の中でも、特許文献1には、ホウ素含有物質と窒素含有物質とを900〜1300℃程度の温度で加熱処理して一旦粗製h−BN粉末を合成した後、該粗製h−BN粉末を水洗して不純物を除去して、再度1500〜1800℃程度の高温で処理することにより、高結晶性のh−BN粉末が効率良く製造可能であることが示されている。
また特許文献2には、ホウ酸等のホウ素含有物質とメラミン等の窒素含有物質を含む混合物に対し、カルシウム含有物質を添加してから1800℃〜2200℃の高温で焼成・結晶化することにより、高結晶性のh−BN粉末が製造できることが示されている。同様に特許文献3には結晶性のh−BN粉末の製造時に、炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウムが好適であることが示されている。さらに、特許文献6には、粗製窒化ホウ素粉末を、60℃以下で1週間養生させて、再加熱する方法が示されている。
特許文献4には、還元剤となる炭素化合物とホウ酸等のホウ素含有物質とを、窒素ガス雰囲気中窒化触媒存在下に1650℃〜2300℃の高温で還元窒化することを特徴とする、h−BNの連続的製造方法が記載されている。また特許文献5には、h−BNの還元窒化に適した高温連続反応炉が記載されている。
以上のように、結晶性h−BNの製造には2000℃前後の高温処理が必要である。しかしながら特許文献1〜3及び6のようなバッチ炉による製法では、生産の度に2000℃前後までの昇温と取り出し可能な温度までの降温を繰り返す必要があり、加熱冷却に多大なエネルギーロスが生じるという問題があった。
また特許文献2〜3のように粗製BN粉末を一旦取り出すことなく一気に2000℃付近の高温で処理を行う製法では、結晶性h−BN生産時に、原料となる窒素化合物やホウ素化合物から大量の分解物が発生する。したがってこのような製法を連続反応炉による連続生産方式に適用しようとすると、高温炉内が常時汚染されることとなるため、炉内の掃除に多大な手間を要する。
特許文献4〜5のようなh−BN生産が連続的に可能となる製法では、還元剤として用いられる炭素化合物が高温でホウ素化合物を還元することによりCOあるいはCOガスとして揮発する。そのため、仕込んだ原料の量に対して得られるh−BNの収率が低くなり、高価でかつメンテナンスも容易ではない高温炉の稼働率が低下して設備コストが増大し、結晶性h−BN粉末がコストアップするという問題があった。また特許文献1〜4及び6は酸洗浄工程を経ており排水処理過程での環境負荷が懸念される。
以上のように従来技術では、熱伝導性などの必要特性を発現するh−BNを高効率かつ低コストにて、かつ炉内の汚染を少なくして生産するのは困難であった。
我々は、上記現状に鑑み、樹脂成形体にて比較的に高い熱伝導性を発現するh−BN粉末を、高効率、低コストで連続的にかつ炉の汚染を少なく、酸洗浄工程を必要としない方法で生産するという課題を実現させるべく、鋭意検討を行った結果、ホウ素含有物質と窒素含有物質とを1550℃未満で処理し、BN含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、該粗製窒化ホウ素を最少量のホウ素含有フラックス成分及び最少量のアルカリ土類金属とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理することにより面方向に凝集した結晶性h−BN粉末を連続的に製造可能であることを見出すと共に、この結晶性h−BN粉末を含有した高熱伝導性樹脂成形体が高い熱伝導性を発現可能であることを見出し、既に特許出願を行なっている。
特開昭61−72604号公報 特開平11−29307号公報 特開平11−79720号公報 特開昭60−155507号公報 特開昭62−102080号公報 特開2010−37123号公報
本発明では、効率が良く、安価な方法で製造された窒化ホウ素粉末の分散性を改良することを課題として掲げた。更に詳しくは、連続的かつ炉の汚染を少ない方法で製造された窒化ホウ素粉末の分散性を改良することで、該窒化ホウ素を含有し、良好な表面性と熱伝導性、電気絶縁性を示す樹脂組成物を提供することを目的とした。
すなわち本発明の第1は、一次平均粒子径(D50)が20μm以下で、さらに一次粒子が面方向に連なった30μm×30μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕したことを特徴とする窒化ホウ素粉末である。
本発明の第2は、一次粒子が面方向に連なった部分を持つ二次粒子が50μm×50μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする、本発明の第1に記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕したことを特徴とする窒化ホウ素粉末である。
本発明の第3は、一次粒子が面方向に連なった部分を持つ二次粒子が100μm×100μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする、本発明の第1に記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕したことを特徴とする窒化ホウ素粉末である。
本発明の第4は、100μm×100μmの正方形の視野の中に三次元形状に凝集した二次粒子が含まれていないことを特徴とする、本発明の第1に記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕したことを特徴とする窒化ホウ素粉末である。
本発明の第5は、前記粉体の×線回折法による黒鉛化指数(GI)が2.5以下であることを特徴とする、本発明の第1から本発明の第4のいずれかに記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕したことを特徴とする窒化ホウ素粉末である。
本発明の第6は、第一工程にてホウ素含有物質と窒素含有物質とを加熱処理して窒化ホウ素含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、第二工程にて該粗製窒化ホウ素を、下記(1)を満足する量のホウ素含有フラックス成分とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理して結晶成長させて製造された窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕して得られた窒化ホウ素粉末である。
式(1):ホウ素含有フラックス成分の仕込み量/全原料の仕込み量≦0.05
本発明の第7は、粉砕機がボールミルであることを特徴とする、本発明の第1から本発明の第6のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末である。
本発明の第8は、本発明の第1から本発明の第7のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
本発明の第9は、樹脂がポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、本発明の第8に記載の樹脂組成物である。
本発明の第10は、本発明の第8または本発明の第9に記載の樹脂組成物を用いて作成された射出成形体である。
本発明の第11は、本発明の第8または本発明の第9に記載の樹脂組成物を用いて作成されたフィルムである。
上記のごとく、効率が良く、安価な方法で製造された窒化ホウ素粉末の分散性を改良することが可能となった。更に詳しくは、連続的かつ炉の汚染を少ない方法で製造された窒化ホウ素粉末の分散性を改良し、該窒化ホウ素を含有し、良好な表面性と熱伝導性、電気絶縁性を示す樹脂組成物を提供することが可能となった。
製造例1に示したh−BNのSEM像 実施例2に示したフィルム中のh−BNのSEM像 実施例3に示したフィルム中のh−BNのSEM像 比較例4に示したフィルム中のh−BNのSEM像 比較例5に示したフィルム中のh−BNのSEM像
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明の粉砕処理前の結晶性六方晶窒化ホウ素粉末において、形状等を前記の範囲に限定した理由について説明する。
「一次平均粒子径(D50)が20μm以下」:
一次平均粒子径が大きすぎると面方向への凝集度合の低下が起こると共に、粒子肥大にはフラックス量を増やす必要があり焼成後に酸洗浄が必要となる。なお、フラックス添加量が少ない際は酸洗浄を実施しても排水汚染は軽微であり、酸洗浄の省略は必須ではない。
「一次粒子が面方向に連なった30μm×30μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含む」:
一次粒子が面方向に連なった100μm×100μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むh−BN、好ましくは50μmX50μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むh−BN、更に好ましくは30μm×30μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むh−BNを用いた樹脂成形体では、樹脂内に緻密に充填されるためにフォノンの分散を抑制可能であり高い熱伝導性の発現が可能となる。
このような二次粒子を含まないh−BNを用いた樹脂成形体では、樹脂内に緻密に充填されない為に、効率良く熱伝導性を発現させることは困難である。
「100μm×100μm正方形の視野の中に三次元形状に凝集した二次粒子が含まれていない」:
一次粒子を三次元形状に凝集させたh−BNは既知になっているが(例えば特許文献8)、本発明は三次元形状の凝集体ではなく面方向に連なっていることを特徴とし、このことにより樹脂内に緻密に充填される。
「黒鉛化指数(GI)が2.5以下」:
h−BN粉末の結晶性の評価については、粉末X線回折法による黒鉛化指数(G I=Graphitization Index)が用いられる。GIは、X線回折図の(100)、(101)及び(102)線の積分強度比すなわち面積比を次式によって算出することによって求めることができ、この値が小さいほど結晶性が高い。
GI=〔面積{(100)+(101)}〕/〔面積(102)〕
上記のように、GIはh−BN粉末の結晶性の指標であり、結晶性が高いほどこの値が小さくなり完全に結晶化(黒鉛化)したものではGI=1.60になるとされている。しかし、高結晶性でかつ粒子が十分に成長したh−BN粉末の場合、粉末が配向しやすいためGIは更に小さくなる。本発明のh−BN粉末は完全に結晶化する必要はないが、GI値が3以上では十分な熱伝導性を発現せず、GIの上限値は2.5である。それ以下であれば特に制限されることはない。
次に、本発明における粉砕処理前の結晶性六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法について説明する。
本発明の粉砕処理前の結晶性六方晶窒化ホウ素粉末は、ホウ素含有物質と窒素含有物質とを加熱処理して粗製窒化ホウ素を得る第一工程と、該粗製窒化ホウ素と所定量のホウ素を含むホウ素含有フラックス成分とを不活性ガス雰囲気下の連続反応炉で再加熱処理して結晶成長させる第二工程を含むことを特徴とする。第一工程では、窒化ホウ素を結晶成長させるための粗製窒化ホウ素を調整する。第二工程では、該粗製窒化ホウ素と低減された量のホウ素とを反応させて、さらに窒化ホウ素を結晶成長させる。
1.第一工程
ホウ素含有物質としては、ホウ酸、酸化ホウ素、無機又は有機化合物のホウ酸塩、ハロゲン化ホウ素、ボラジン、ボロシロキサン等の様々な化合物が使用可能であるが、経済性や反応性等の観点から、ホウ酸、酸化ホウ素を始めとするアルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩(例えば、ホウ砂)等のホウ素化合物を好適に用いることが可能である。ホウ酸及び酸化ホウ素としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、テトラホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)など、一般式(B)・(HO)x 〔但し、x=0〜3〕で示される化合物の1種又は2種以上が好適である。
窒素含有物質としては、分子中に窒素原子を含有する物質であればよく、有機窒素化合物、無機窒素化合物、窒素単体およびこれらの混合物などが使用可能である。
窒素含有物質のうち有機窒素化合物としては様々な物質が使用可能であるが、窒素含有量、経済性、反応性等の観点から、メラミン、尿素等のNH基を有する有機化合物、有機アンモニウム塩、アミド化合物、N≡C−基を有する有機化合物等が好適である。これらの中でも、メラミン、尿素が特に好ましく用いられる。窒素含有物質のうち、無機窒素化合物としては、アンモニアガス、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアンモニウム塩等を例示することができる。また窒素単体としては、窒素ガス、液体窒素等を例示することができる。
これらホウ素含有物質及び窒素含有物質を適温で反応させて粗製BN粉末を得る第一工程においては、後述のように所定のBN含有量となる限り、予めホウ素含有物質と窒素含有物質とを反応させておいても良いし、未反応のまま炉に仕込んでそのまま焼成してもよい。また窒素含有物質がアンモニアガスや窒素ガスなどの気体である場合には、ホウ素含有物質のみを炉内に仕込んだ後、炉内を上記ガスに置換し、そのまま加熱すれば良い。あるいはホウ素含有物質及び窒素含有物質を炉内に仕込んだ後、雰囲気をアンモニアガスや窒素ガスなどの気体で置換することにより、より効率よく窒素を導入することが可能であるが、雰囲気はこれらに限定されるものではなく、一般的な不活性ガス雰囲気下でも可能である。さらには少量の水分や酸素が混入していてもかまわない。
第一工程において、上記成分は、従来公知の方法を使用して混合してもよく、例えば、ヘンシェルミキサーなどの高速撹拌装置を使用して混合してもよい。
第一工程における炉の最高温度は、特に制限は無いが、炉の設備コストや加熱に要するユーティリティーのコストを考慮すると、例えば1550℃未満、好ましくは1500℃未満、より好ましくは1460℃未満、さらに好ましくは1400℃未満、最も好ましくは1350℃未満であり、好ましくは800℃以上、より好ましくは850℃以上、更に好ましくは900℃以上である。炉の最高温度が高くなり過ぎると、第一工程の炉にも特殊な耐熱素材や高価な断熱材が必要となり設備コストアップになるほか、加熱に要するユーティリティーのコストも高額となってしまい、得られるh−BN粉末がコストアップする原因となる。また1550℃以上で加熱するとBN粉末の結晶化が中途半端に進行してしまうため、一旦取り出した後再度加熱した際に結晶化が進行しづらくなる傾向が強くなる。昇温速度、降温速度、最高温度での処理時間等には特に制限は無い。
第一工程で得られた粗製窒化ホウ素粉末は、窒化ホウ素含有率が80重量%以上である必要がある。窒化ホウ素含有率が80重量%未満の場合には、第二工程で1550〜2400℃にて連続的に再加熱処理する際に、揮発物や不純物が多く発生するため、連続反応炉内を汚染してしまったり、連続反応炉での結晶性h−BN粉末の収率が低下してしまったりする。第一工程で得られた粗製窒化ホウ素粉末の窒化ホウ素含有率は、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
第一工程で得られた粗製窒化ホウ素粉末は、一旦冷却して大気雰囲気中に取り出し、60℃以下の温度にて一週間以上養生させてもよいし、一旦冷却させること無くそのまま第二工程の高温連続反応炉に仕込んでも良い。養生させると、高結晶化を促進することができる。
2.第二工程
こうして得られた粗製窒化ホウ素粉末を、窒素ガス雰囲気下にて1550〜2400℃で再加熱処理し結晶成長させることで、粒径が大きくかつ結晶性に優れたh−BN粉末を生産することができる。本発明は、後述する様に、本第二工程でホウ素含有フラックス成分の使用量を抑制する点に特徴を有する点にあり、ホウ素含有フラックス成分を全く加えないと、高結晶化は最高レベルまで到達しないことがあるが、結晶性h−BN粉末使用用途に応じて適宜使い分ければよく、ホウ素含有フラックス成分を含まないで再加熱処理させてもよい。耐熱容器に、粗製窒化ホウ素とともにホウ素含有フラックス成分を仕込む場合において、ホウ素含有フラックス成分と、全原料(粗製窒化ホウ素及びホウ素含有フラックス成分など)の仕込み量の重量比率は、下記式(1)を満足するものであることが好ましい。
式(1):ホウ素含有フラックス成分の仕込み量/全原料の仕込み量≦0.05
すなわち本発明の窒化ホウ素粉末は、第一工程にてホウ素含有物質と窒素含有物質とを加熱処理して窒化ホウ素含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、第二工程にて該粗製窒化ホウ素を、下記式(1)を満足する量のホウ素含有フラックス成分とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理して結晶成長させたものを、更に、粉砕機で粉砕して得られる窒化ホウ素粉末であることが好ましい。
式(1):ホウ素含有フラックス成分の仕込み量/全原料の仕込み量≦0.05
上記式(1)の「ホウ素含有フラックス成分の仕込み量/全原料の仕込み量」の数値は、0.00001以上、0.05以下であることが好ましく、0.0001以上、0.04以下であることがより好ましく、0.001以上、0.03以下であることがさらに好ましい。
再加熱時の最高温度は1550〜2400℃の範囲であるが、より高結晶性のh−BN粉末を得るためには最高温度が高いほうが好ましく、炉の管理コストや維持費を低減させるためには最高温度を低く抑えるほうが好ましい。以上の兼ね合いから、最高温度は好ましくは1600〜2300℃、より好ましくは1700〜2250℃、さらに好ましくは1750〜2200℃、最も好ましくは1800〜2150℃である。より高結晶性のh−BN粉末を得るためには最高温度での処理時間は長いほうが好ましく、生産性やユーティリティー費用を低減させるためには最高温度での処理時間は短いほうが好ましい。好ましい最高温度での処理時間は、10分〜10時間であり、より好ましくは20分〜6時間であり、最も好ましくは30分〜5時間である。再加熱時の雰囲気は窒素ガス雰囲気下で実施する必要がある。
第一工程で得られる粗製窒化ホウ素粉末は、GI値を2.5以上とすることが好ましく、第二工程で再加熱処理し結晶成長させた後の結晶性h−BN粉末はGIを2.5以下とすることが好ましい。第一工程で得られる粗製窒化ホウ素粉末のGI値を2.5未満とすると、第二工程での結晶成長が困難となる場合がある。第一工程でのGI値はより好ましくは2.6以上、さらに好ましくは2.8以上、最も好ましくは3.0以上である。第二工程でのGI値が2.5を超えると、最終製品として用いるには結晶化が不十分である場合が多い。第二工程でのGI値はより好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.6以下、最も好ましくは1.4以下である。
h−BN粉末の一次平均粒子径(D50)は、界面活性剤を含む水溶液にh−BN粉末を凝集しないよう投入し、超音波分散器で1分間分散させた後、レーザー散乱式粒度測定装置にて測定した値である。
第一工程で得られる窒化ホウ素粉末は、一次平均粒子径(D50)が9μm以下とすることが好ましく、第二工程で結晶成長させた後の結晶性h−BN粉末は一次平均粒子径(D50)を9μm以上とすることが好ましい。第一工程で得られる粗製窒化ホウ素粉末の一次平均粒子径(D50)が9μmを超えると、第二工程での結晶成長が困難となる場合がある。第一工程での一次平均粒子径(D50)はより好ましくは8μm以下、さらに好ましくは7μm以下、最も好ましくは6μm以下である。第二工程での一次平均粒子径(D50)が9μm以下であると、最終製品として用いるには結晶化が不十分である場合が多い。第二工程での一次平均粒子径(D50)は好ましくは10μm以上、より好ましくは12μm以上である。
第二工程の1550〜2400℃で再加熱処理し結晶成長させる際には、ホウ素含有フラックス成分を添加する必要がある。但し第二工程においてホウ素含有フラックス成分を積極的に添加することが好ましいが、第一工程の反応性をうまく制御することで、また、第一工程にて製造される粗製窒化ホウ素粉末中に適度な遊離のホウ素成分を残留させることで、この遊離のホウ素成分を第二工程におけるホウ素含有フラックス成分としてそのまま用いることも可能である。1550℃未満で反応させて生成した粗製BN粉末中に含まれる遊離のホウ素成分が少ない場合には、別途第二工程においてホウ素含有フラックス成分を追加で添加する必要がある。第二工程において、上記成分は、従来公知の方法を使用して混合してもよく、例えばヘンシェルミキサーなどの高速撹拌装置を用いて混合してもよい。
ホウ素含有フラックス成分としては、窒化ホウ素を除くホウ素化合物が用いられる。具体的には、ホウ酸、酸化ホウ素、無機又は有機化合物のホウ酸塩、ハロゲン化ホウ素、ボラジン、ボロシロキサン、等さまざまな化合物が使用可能であるが、経済性や反応性等の観点から、ホウ酸カルシウム・ホウ酸マグネシウム・ホウ砂を始めとするアルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩、ホウ酸、酸化ホウ素、等のホウ素化合物を好適に用いることが可能である。アルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩類としては、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、などのアルカリ土類金属のホウ酸塩が好適である。これらの中でもホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸カルシウムが特に好ましい。
ホウ素含有フラックス成分としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩類を用いることが好ましいが、原料としてホウ酸塩類を添加する必要は無い。即ちアルカリ金属含有物質・アルカリ土類金属含有物質と、ホウ素含有物質とが存在していれば、高温にて反応してアルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩類が系内で生じ、h−BN粉末の結晶化を促進する。さらにはアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属以外の成分が残存しないあるいは揮発しやすい物質を選択することで、得られるh−BN粉末の純度を向上させることも可能である。
アルカリ金属含有物質・アルカリ土類金属含有物質のうち、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等が、アルカリ土類金属としてはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が好ましく用いられる。これらの金属を含有する炭酸塩、酸化物、過酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アセチルアセトナート化合物等の有機金属化合物が好適に用いられる。アルカリ金属含有物質・アルカリ土類金属含有物質は特に高純度である必要はなく、通常市販の工業用の品質のものが好適に使用される。
ホウ酸及び酸化ホウ素としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、テトラホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)など、一般式(B)・(HO)x 〔但し、x=0〜3〕で示される化合物の1種又は2種以上が好適である。
アルカリ金属・アルカリ土類金属(M)とホウ素(B)との元素モル比は適宜設定可能であるが、通常はM/B=1/4〜4/1程度、好ましくはM/B=1/3〜3/1程度で使用すればよい。
第二工程の1550〜2400℃で再加熱処理し結晶成長させる際に添加されるホウ素含有フラックス成分の添加量は、粗製窒化ホウ素粉末100重量部に対し20重量部以下で添加するのが好ましい。添加剤の量が粗製BN粉末に対して20重量部を超えると、同じ炉で生産した際に一度に焼成可能な結晶性h−BN粉末の量が減ってしまうため、生産効率が低下してしまう上、フラックス成分の揮発により炉内を汚染させる原因となる場合がある。また得られる結晶性h−BN粉末に添加物が残存してしまうため、結晶性h−BN粉末の純度が低下してしまう。粗製BN粉末100重量部に対するホウ素含有フラックス成分の添加量は、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、最も好ましくは5重量部以下であり、使用用途によれば無添加でも構わない。
第二工程で添加されたホウ素含有フラックス成分は、フラックスの添加量や種類によっては、第二工程の連続反応炉から取り出した際に、h−BN粉末中に残存している場合がある。その場合には、取り出し後にh−BN粉末を酸性水溶液などで水洗することで、フラックス成分を洗浄しても構わないが、本製法で製造された結晶性h−BN粉末はホウ素含有フラックス成分の残存量が僅かであり、洗浄工程を経ずに使用可能である。酸性水溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の汎用的な無機強酸水溶液が用いられる。
第二工程で1550〜2400℃にて再加熱処理する際には、連続反応炉が用いられる。連続反応炉とは、一般的なバッチ式反応炉のような炉の昇温降温動作によりサンプルを熱処理する方法とは異なり、再加熱処理したい温度に予め保たれた炉内を、処理するサンプルが通過していくことにより、サンプルの熱処理を連続的に行う反応炉のことを示す。このような連続反応炉を用いることにより、2000℃にも及ぶ炉の昇温降温動作が不要となるため、熱処理に要するエネルギーコストを大幅に低減できる。また連続反応炉による連続的な処理を行うことにより、原料が高温ゾーンを通過する前後でも、原料が連続的に熱履歴を受けることとなるため、高温ゾーンに保たれた処理時間が同じ場合には、バッチ式の炉で処理した場合と比べて大粒径で結晶性が高くなり、高品質のh−BN粉末が得られることとなる。
連続反応炉としては、一般的に用いられる反応炉を広く適用することが出来る。ここで言う「連続」とは、常時サンプルが移動している方式のみを指すのでは無く、一定時間おきに一定距離をサンプルが移動する方式であれば良い。一般的には第一工程で得られた粗製窒化ホウ素とホウ素含有フラックス成分とを耐熱容器に仕込んだ後、原料の入った耐熱容器を数分〜数時間毎に移動させる方法により、連続反応炉内の1550〜2400℃に保たれた高温領域をサンプルが一定時間かけて通過する方式が採用される。
第二工程で1550〜2400℃にて再加熱処理する際に用いられる耐熱容器は、グラファイト製または窒化ホウ素製であることが好ましい。これら以外の耐熱容器では、高温で粗製窒化ホウ素粉末やホウ素含有フラックス成分との反応性を有することがあるうえ、容器にかかるコストも高くなることがある。さらに連続反応炉としてのプッシャー炉に、グラファイト製または窒化ホウ素製容器を用いた場合に、炉内で容器と炉内壁との間に生じる摩擦力が低減でき、連続反応炉の寿命を延ばすことが可能となる。グラファイト製容器を用いる場合には、粗製BN粉末やホウ素含有フラックス成分と、容器との反応性を低下させるため、容器表面または内面を窒化ホウ素でコーティングした容器を用いるのが好ましい。
第二工程で用いられる連続反応炉は、プッシャー式トンネル炉であることが好ましい。即ち第一工程で得られた粗製BNとホウ素含有フラックス成分とを、耐熱容器に仕込んだ後、原料の入った耐熱容器を1550〜2400℃に保たれたプッシャー式トンネル炉内に連続的に供給することで、プッシャー式トンネルの温度を昇降温することなく、1550〜2400℃に保たれた空間内を原料が連続的に通過していくことで、結晶性h−BN粉末が連続的に生産されることとなる。
1550〜2400℃にまで再加熱可能なプッシャー式トンネル炉としては、グラファイト製ヒーターを備えた炉内に、グラファイトや窒化ホウ素などの耐熱素材で作られたトンネルを設置した構造の炉を例示することが出来る。 このようなトンネル炉の入り口付近にプッシャーを設置し、原料が充填された耐熱容器をプッシャーにより間隔を開けて押し進めて行くことで、順次原料が高温エリアに送られ、高温エリアでの結晶化が進行する。この際、原料から発生する少量の揮発物を炉外に排出するため、プッシャー式トンネル炉内には常に窒素気流を流しておくことが好ましい。また窒素気流下で処理されることにより、窒化ホウ素結晶内部の欠陥が修復され、h−BNの結晶化が進行することとなる。またグラファイトや窒化ホウ素などの耐熱素材でトンネルが構成されていることにより、原料から少量の揮発物等が発生した場合であっても、揮発物がヒーターを汚染することが無いため、炉を長期間連続的に運転させることが可能となる。
上記の方法により得られた結晶性のh−BN粉末は、面方向に連なっている凝集構造を含むことから、樹脂に充填した際に緻密に充填可能であり、樹脂とh−BNの接触面における熱抵抗を低減できることから、樹脂用熱伝導性フィラーとして有用である。熱伝導性フィラーとして用いる際の樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、いずれにも効果的に使用可能であるが、特に熱可塑性樹脂用途として高い熱伝導性を可能である。
しかしながら、得られた結晶性のh−BN粉末を、そのまま樹脂に添加した場合、樹脂中でのh−BN粉末の分散が十分ではなく、結果として、得られた成形体の表面性が低下してしまうとの問題があった。特に、h−BN粉末を含む樹脂組成物の混練が不十分な場合や、h-BN粉末を含有する樹脂溶液から、溶剤コーティング法によりフィルムを作成する際に、フィルムの表面性が大幅に低下するとの問題がある。
このような問題を解決するためには、粉砕機で粉砕処理することが有効である。
粉砕の方法としては、h−BN粉末を単独で粉砕してもよいし、h−BN粉末を含む樹脂組成物を粉砕しても良いし、h−BN粉末を含む樹脂溶液を粉砕してもかまわない。ただし、粉砕の効率や、粉砕時の発熱による溶剤の揮発を考慮すると、h−BN粉末を単独で粉砕することが望ましい。
粉砕装置としては、(1)圧力や打撃力により粉砕する装置:例えばジョークラッシャー、ジャイレトリクラシャー、ロールクラッシャー、ロールミル等、(2)高速回転するローター周辺に打撃板が固定され、ローターと打撃板とによるせん断力等によって処理物を粉砕する装置:例えばハンマーミル、インパクトクラッシャー、ピンミル等、(3)リング上にロール又はボールが押しつけられつつ回転し、その間で処理物をすりつぶして粉砕する装置:例えばリングローラーミル、リングボールミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル等、(4)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室の中に粉媒体としてボールやロッドを入れて回転もしくは振動させることにより処理物を粉砕する粉砕装置:例えばボールミル、振動ミル、遊星ボールミル等、(5)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室にボール又はビーズ等の粉砕媒体を入れ、この媒体に挿入したディスク型やアニュラー型の攪拌機構による、せん断、摩擦作用によって処理物を粉砕する装置:例えばタワーミル、アトライター、サンドミル等が挙げられる。
これらの中で、ボールミルが好適に使用できる。
粉砕の程度としては、用途に合わせて好適な程度を選択できるが、分散性の観点からは、一次粒子径15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。但し、一次粒子系を小さくすると熱伝導性が低下する場合があるので、熱伝導性とのバランスを考慮して決定することが好ましい。
本発明で得られた窒化ホウ素は、樹脂中での分散性が良好であり、樹脂添加用のh−BNとして好適に使用できる。
例えば、本発明のh−BN粉末を含む樹脂組成物は、混練が容易であり、簡便な混練条件でも、表面性が良好な成形体が得られる。特に、h-BN粉末を含有する樹脂溶液から、溶剤コーティング法によりフィルムを作成する際にも、簡便な攪拌条件で表面性が良好なフィルムが得られる。
本発明のh−BN粉末を充填させる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、各種ゴム、エラストマー等、いずれも好適に使用できる。これらの中で、特に、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの樹脂に好適に使用できる。
熱可塑性ポリエステル系樹脂の具体例としては、非晶性脂肪族ポリエステル、非晶性半芳香族ポリエステル、非晶性全芳香族ポリエステルなどの非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、結晶性脂肪族ポリエステル、結晶性半芳香族ポリエステル、結晶性全芳香族ポリエステルなどの結晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、液晶性脂肪族ポリエステル、液晶性半芳香族ポリエステル、液晶性全芳香族ポリエステルなどの液晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、などを用いることができる。
熱可塑性ポリエステル系樹脂のうち、液晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂として好ましい構造の具体例は、
−O−Ph−CO− 構造単位(I)、
−O−R−O− 構造単位(II)、
−O−CHCH−O− 構造単位(III)および
−CO−R−CO− 構造単位(IV)
の構造単位からなる液晶性ポリエステルが挙げられる。
(ただし式中のR
から選ばれた1種以上の基を示し、R
から選ばれた1種以上の基を示す(ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す)。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。
これらのなかでも、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステルを特に好ましく用いることができる。
熱可塑性ポリエステル系樹脂のうち、結晶性熱可塑性ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの結晶性共重合ポリエステル等が挙げられる。
これら結晶性ポリエステルの中でも、入手が容易であるという点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、等を用いることが好ましい。これらの中でも、結晶化速度が最適である点などから、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリアルキレンテレフタレート熱可塑性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されず、化学構造、分子量、結晶形態、などが異なる2種以上の成分を任意に組み合わせることができる。
本発明におけるポリカーボネート系樹脂としては、従来の各種方法により製造されたものを用いることができる。例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法(界面重縮合法)又は溶融法(エステル交換法)により製造されたもの、すなわち、末端停止剤の存在下に、二価フェノールとホスゲンを反応させる界面重縮合法、又は末端停止剤の存在下に、二価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換法などにより反応させて製造されたものを用いることができる。
二価フェノールとしては、様々なものを挙げることができるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド及びビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。この他、ハイドロキノン、レゾルシン及びカテコール等を挙げることもできる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系のものが好ましく、特にビスフェノールAが好適である。
一方、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的にはホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等である。
本発明において、ポリカーボネート系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されず、化学構造、分子量、相対粘度などが異なる2種以上の成分を任意に組み合わせることができる。
本発明における熱可塑性ポリアミド系樹脂とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を含み加熱溶融できる重合体である。具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド等が挙げられる。
中でも、入手のし易さ、取扱性等の点から、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン9T、ナイロンMXD6、及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドが好ましい。また、強度、弾性率、コスト等の点から、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロンMXD6がより好ましく、低吸水性や耐熱性などの点ではナイロン9Tがより好ましい。
上記ポリアミド樹脂の分子量は、特に制限はないが、通常、25℃の濃硫酸中で測定した相対粘度が0.5〜5.0の範囲のものが好ましく用いられる。
上記ポリアミド樹脂は、例えば、一般的なポリアミドの重合法等により製造することができる。
本発明において、ポリアミド系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されず、化学構造、分子量、相対粘度などが異なる2種以上の成分を任意に組み合わせることができる。
本発明の樹脂組成物には、その他、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。
その他の熱可塑性樹脂としては、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニルなどの塩素系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のポリメタアクリル酸エステル系樹脂やポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンや環状ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂及びこれらの誘導体樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂やポリアクリル酸系樹脂及びこれらの金属塩系樹脂、ポリ共役ジエン系樹脂、マレイン酸やフマル酸及びこれらの誘導体を重合して得られるポリマー、マレイミド系化合物を重合して得られるポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアルキレンオキシド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、フェノキシ系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、及びこれら例示されたポリマーのランダム・ブロック・グラフト共重合体、などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上の複数を組み合わせて用いることができる。2種以上の樹脂を組み合わせて用いる場合には、必要に応じて相溶化剤などを添加して用いることもできる。
これらの熱可塑性樹脂を、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂に添加して使用しても構わない。
また、更に弾性を有する樹脂を添加することで、樹脂組成物の衝撃強度を改善することもできる。これら弾性樹脂は、得られる樹脂組成物の衝撃強度改良効果に優れていることから、その少なくとも1つのガラス転移点が0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−20℃以下である。
この弾性樹脂として特に限定されず、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴム;アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、シロキサンゴム等のゴム状重合体;ジエン系ゴム及び/又はゴム状重合体10〜90重量部に対して、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー10〜90重量部、並びに、これらと共重合可能な他のビニル系化合物10重量部以下を重合してなるゴム状共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種ポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、などのエチレン−αオレフィン共重合体;プロピレン−ブテン共重合体、等のオレフィン共重合体;エチレン−エチルアクリレート共重合体等の、各種共重合成分により変性された共重合ポリオレフィン系樹脂;エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−ブテン−グリシジルメタクリレート共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、等の、各種官能成分により変性された変性ポリオレフィン系樹脂;スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブテン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、等のスチレン系熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。
弾性樹脂を添加する場合、その添加量は、樹脂(A)の合計100重量部に対して、通常150重量部以下であり、好ましくは0.1〜100重量部であり、より好ましくは0.2〜50重量部である。150重量部を超えると、剛性、耐熱性、熱伝導性、等が低下する傾向がある。
本発明の結晶性のh−BN粉末を樹脂に充填して得られた樹脂組成物を、成形体の体積の一部または全部が厚み1.3mm以下となるように射出成形することにより、樹脂中に充填された窒化ホウ素粉末の大部分を成形体の面方向に配向させることができる。
本発明の樹脂組成物において、樹脂と本発明で得られた窒化ホウ素粉末との比率は、体積比が90/10〜30/70となるよう含有することが好ましい。樹脂の使用量が多いほど、得られる成形体の耐衝撃性、表面性、成形加工性が向上し、溶融混練時の樹脂との混練が容易になる傾向がある、という観点、及び窒化ホウ素が多いほど熱伝導率が向上する傾向があり好ましいという観点から、体積比は好ましくは85/15〜33/67、より好ましくは80/20〜35/65、さらに好ましくは75/25〜40/60、最も好ましくは70/30〜45/55である。
本発明の高熱伝導性樹脂成形体に用いられる樹脂組成物には、樹脂組成物の耐熱性や機械的強度をより高めるため、本発明の特徴を損なわない範囲で上記以外の無機化合物を更に添加することができる。このような無機化合物としては特に限定ない。但しこれら無機化合物を添加すると、熱伝導率に影響をおよぼす場合があるため、添加量などには注意が必要である。これら無機化合物も表面処理がなされていてもよい。これらを使用する場合、その添加量は、樹脂(A)100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましい。添加量が100重量部を超えると、耐衝撃性や成形加工性が低下する場合がある。好ましくは50重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下である。また、これら無機化合物の添加量が増加するとともに、成形体の表面性や寸法安定性が悪化する傾向が見られるため、これらの特性が重視される場合には、無機化合物の添加量をできるだけ少なくすることが好ましい。
また、本発明の高熱伝導性樹脂成形体をより高性能なものにするため、フェノール系安定剤、イオウ系安定剤、リン系安定剤等の熱安定剤等を、単独又は2種類以上を組み合わせて添加することが好ましい。更に必要に応じて、一般に良く知られている、安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、リン系以外の難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤等を、単独又は2種類以上を組み合わせて添加してもよい。
本発明のる樹脂組成物の製造方法としては特に限定されるものではない。例えば、上述した成分や添加剤等を乾燥させた後、単軸、2軸等の押出機のような溶融混練機にて溶融混練することにより製造することができる。また、配合成分が液体である場合は、液体供給ポンプ等を用いて溶融混練機に途中添加して製造することもできる。
本発明の樹脂組成物においては、必要に応じ造核剤などの結晶化促進剤を添加することにより、成形性をさらに改善することができる。
本発明において用いられる結晶化促進剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、ソルビトール系化合物、高級脂肪酸塩、芳香族脂肪酸塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。なかでも結晶化促進剤としての効果が高いことから、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、ソルビトール系化合物が好ましい。
上記高級脂肪酸アミドとしては、例えば、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−ステアリルベヘン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、エチレンジアミンとステアリン酸とセバシン酸の重縮合物等が挙げられ、特にベヘン酸アミドが好ましい。
上記尿素誘導体としては、ビス(ステアリルウレイド)ヘキサン、4,4’−ビス(3−メチルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−シクロヘキシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−シクロヘキシルウレイド)ジシクロヘキシルメタン、4,4’−ビス(3−フェニルウレイド)ジシクロヘキシルメタン、ビス(3−メチルシクロヘキシルウレイド)ヘキサン、4,4’−ビス(3−デシルウレイド)ジフェニルメタン、N−オクチル−N’−フェニルウレア、N,N’−ジフェニルウレア、N−トリル−N’−シクロヘキシルウレア、N,N’−ジシクロヘキシルウレア、N−フェニル−N’−トリブロモフェニルウレア、N−フェニル−N’−トリルウレア、N−シクロヘキシル−N’−フェニルウレア等が例示され、特にビス(ステアリルウレイド)ヘキサンが好ましい。
上記ソルビトール系化合物としては、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール 、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール 、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール 、1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、及び1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトール 等が挙げられる。これらの中で、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトールが好ましい。
本発明の樹脂組成物に結晶化促進剤を添加する場合の使用量は、成形性の点からは、樹脂(A)100重量部に対し、0.01重量部以上が好ましく、0.03重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらに好ましい。0.01重量部未満では、結晶化促進剤としての効果が不足する可能性がある。一方、使用量の上限は、好ましくは5重量部以下、より好ましくは4重量部以下、特に好ましくは3重量部以下、最も好ましくは1重量部以下である。5重量部を超えると、効果が飽和する可能性があることから経済的に好ましくなく、また外観や物性が損なわれる可能性がある。通常、鱗片形状六方晶窒化ホウ素粉末以外の高熱伝導性フィラーを用いた樹脂組成物では、熱伝導性を高めるためにフィラーの充填量を増やすと成形性が大幅に損なわれ、大量の結晶化促進剤を要する傾向がある。本発明では熱可塑性ポリエステル系樹脂及び/又は熱可塑性ポリアミド系樹脂と結晶性のh−BN粉末を併用することにより、添加する結晶化促進剤が5重量部以下という少量でも高い熱伝導性と良好な成形性とを両立することができる。
本発明の樹脂成形体は、成形体の体積の一部または全部が厚み1.3mm以下となるように成形された成形体であることが必要である。成形体の広い範囲が厚み1.3mm以下となるような形状の成形体とすることにより、本発明の結晶性のh−BN粉末の配向性が向上して成形体の面方向への熱伝導性を付与することができるうえ、携帯機器の薄肉軽量化にも貢献させることができる。成形体の厚み1.3mm以下の箇所とそれ以外の箇所の割合は、成形体の強度や意匠性などを考慮して適宜設定すれば良いが、好ましくは成形体の体積の50%以上、より好ましくは成形体の体積の55%以上、さらに好ましくは成形体の体積の60%以上、最も好ましくは成形体の体積の70%以上が厚み1.3mm以下となるように成形された成形体である。また好ましくは成形体の体積の50%以上が厚み1.28mm以下、より好ましくは1.2mm以下、さらに好ましくは1.1mm以下、最も好ましくは1.0mm以下である。一方で成形体の厚みが薄すぎると成形加工が困難となる場合や、成形体が衝撃に対して弱くなる場合がある。成形体厚みの下限は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.55mm以上、最も好ましくは0.6mm以上である。なお、成形体の厚みは全体が均一な厚みであっても良く、部分的に厚い部分と薄い部分を有していても良い。
成形体の厚み1.3mm以下の面における面方向の熱伝導度測定は、例えば平面状サンプルにてフラッシュ式熱拡散率測定装置を用いて、表面からレーザーや光で加熱し、加熱部分の裏面及び加熱部分と少し面方向に離れた箇所における裏面での昇温変化を測定する方法により算出することが可能である。成形体の面方向で測定された熱伝導度は3W/mK以上であることが必要である。成形体の面方向で測定された熱拡散率は、好ましくは5W/mK以上、さらに好ましくは6W/mK以上である。
このような厚みを有する成形体は、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、など種々の熱可塑性樹脂成形法により成形することが可能であるが、成形時に樹脂組成物が受ける剪断速度が速く成形体に容易に熱拡散異方性を付与することができること、成形サイクルが短く生産性に優れること、などから、射出成形法により成形された成形体であることが好ましい。射出成形法とは、射出成形機に金型を取り付け、成形機にて溶融可塑化された樹脂組成物を高速で金型内に注入し、樹脂組成物を冷却固化させて取り出す成形方法である。この際用いられる成形機や金型には特に制限は無いが、得られる成形体の体積の一部または全部が厚み1.3mm以下となるように設計された金型を用いることが好ましい。厚み1.3mm以下の箇所の割合は適宜設定すれば良いが、好ましくは得られる成形体の体積の50%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは70%以上が厚み1.3mm以下となるように設計された金型が好ましい。
本発明の樹脂組成物のフィルムへの成形方法としては、特に制限はなく、例えば下記に例示の公知の製膜方法等の各種の方法を適宜採用することができる。
すなわち、フィルムへの成形には、例えば、熱プレス成形などのプレス成形、熱ロール等による圧延法、各種押し出し法(キャストロール法、インフレーション法、チュブラー法など)、ポリマー溶液をベルト、樹脂フィルム等の基板の面上に流延あるいは塗布し、溶媒を蒸発除去し、薄膜体や厚膜体へフィルム化する方法、あるいはポリマー溶液を直接、所定の物品に塗布した後、溶媒を除去する溶剤コーティング法など多種多様な方法を利用することができる。
なお、溶媒を用いる製膜法において樹脂組成物含有塗工液の調製には各種の溶剤を使用することができるが、この溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル類、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。これらは、1種単独で、あるいは、2種以上を混合するなどして併用することができ、更には、必要に応じて、各種の添加剤を添加して使用することができる。
以上のようにして、成形されたフィルムは、必要に応じて更に、従来慣用されている延伸法(例えば、テンダー法、チュブラー法、多段延伸法、一軸延伸法、二軸延伸法等)などによって所望の延伸率に延伸してもよく、また、必要に応じて熱処理などの後処理を施して製品に仕上げてもよい。
本発明のフィルムの厚さについては、特に制限はなく、所望の任意の厚さにすることができるが、通常、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲に選定するのが好適である。
このようにして得られた成形体は、樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂成形体などさまざまな形態で、電子材料、磁性材料、触媒材料、構造体材料、光学材料、医療材料、自動車材料、建築材料、等の各種の用途に幅広く用いることが可能である。本発明で得られた高熱伝導性熱可塑性樹脂成形体は、現在広く用いられている一般的なプラスチック用射出成形機が使用可能であるため、複雑な形状を有する成形体の取得も容易である。特に優れた成形加工性、高熱伝導性、という優れた特性を併せ持つことから、発熱源を内部に有する携帯電話、ディスプレー、コンピューターなどの筐体用樹脂として、非常に有用である。
本発明の樹脂成形体は、家電、OA機器部品、AV機器部品、自動車内外装部品、等の射出成形体等に好適に使用することができる。特に多くの熱を発する家電製品やOA機器において、外装材料として好適に用いることができる。
さらには発熱源を内部に有するがファン等による強制冷却が困難な電子機器において、内部で発生する熱を外部へ放熱するために、これらの機器の外装材として好適に用いられる。これらの中でも好ましい装置として、ノートパソコンなどの携帯型コンピューター、PDA、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯型音楽プレーヤー、携帯型TV/ビデオ機器、携帯型ビデオカメラ、等の小型あるいは携帯型電子機器類の筐体、ハウジング、外装材用樹脂として非常に有用である。また自動車や電車等におけるバッテリー周辺用樹脂、家電機器の携帯バッテリー用樹脂、ブレーカー等の配電部品用樹脂、モーター等の封止用材料、としても非常に有用に用いることができる。
本発明の樹脂成形体は従来良く知られている成形体に比べて、耐衝撃性、表面性が良好であり、上記の用途における部品あるいは筐体用として有用な特性を有するものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
・黒鉛化指数(GI)測定:スペクトリス(株)製PANalytical X‘Pert Pro XRD測定装置を用い、Cu・KαのX線にて、広角X線回折測定を行った。得られた測定値から、2θ=41°付近、44°付近、50°付近に見られる(100)(101)(102)の面積を測定し、下記式に基づいて黒鉛化指数(GI)を算出した。
GI=〔面積{(100)+(101)}〕/〔面積(102)〕
・一次平均粒子径(D50):100mlビーカーにヘキサメタリン酸ナトリウム20重量%水溶液1mlを入れ、この水溶液にh−BN粉末20mgを投入し、超音波分散器で3分間分散処理した。得られた分散液にて、日機装(株)製レーザー回折式粒度分布測定器MT3300EXIIを用い、一次平均粒子径(D50)を測定した。
・熱伝導率:厚み1.1mm×25.4mmφの円板状サンプルにて、京都電子工業製ホットディスク法熱伝導率測定装置で4φのセンサーを用い、熱伝導率を算出した。
・密度:厚み1.1mm×25.4mmφの円板状サンプルを用いて、水中置換法にて密度を測定した。
製造例1
オルトホウ酸55kg、メラミン45kgをヘンシェルミキサーで混合した後、窒素フロー下でバッチ式の管状電気炉にて1100℃に加熱し2時間処理後冷却することで、粗製窒化ホウ素粉末を得た。この粗製窒化ホウ素粉末を一旦取り出し、23℃50%RH条件にて10日間静置し、養生した。次いで、粗製窒化ホウ素粉末18kg、酸化カルシウム90g、オルトホウ酸180g、をヘンシェルミキサーで混合した後、容器1個につき混合物を3kgずつ、外寸230mm角四方、内寸210mm角四方の立方体形状グラファイト製耐熱容器に仕込む作業を繰り返すことで、原料混合物が充填された容器を6個準備した。グラファイト製ヒーターとグラファイト製マッフル型トンネルとを有したプッシャー式トンネル炉の中心部分を2050℃に保ち、内部に高純度窒素を充満させた。この状態のプッシャー式トンネル炉にさらに内部に高純度窒素気流を流しながら、原料が充填された耐熱容器を30分に1回の頻度で容器一個分ずつ炉内へ送ることにより、2050℃に保たれたゾーンを120分間かけて通過させ、粗製窒化ホウ素粉末を結晶化させて耐熱容器1個あたり2.69kgの結晶性h−BN粉末を得た。
得られたh-BN粉末の特性は下記の通りである。
粗製窒化ホウ素粉末:黒鉛化指数4.74、一次平均粒子径(D50)0.95μm。
結晶性h−BN粉末:黒鉛化指数1.33、一次平均粒子径(D50)12.7μm。結晶性h−BNには、50μm×50μmの面方向に凝集した二次結晶が観察された。
得られたh−BNのSEM像を図1に示す。
実施例1
80℃にて4時間乾燥させたポリエチレンテレフタレート樹脂((株)ベルポリエステルプロダクツ製ベルペットPBK−2)と、製造例1で得た結晶性h−BNを、体積比が7:3の比率にて混合した後、二軸押出機(株式会社テクノベル社製KZW15−45)にて270℃、7g/分の条件で溶融混合し、評価用樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を射出成形機にて厚み1.1mm×25.4mmφの円板状サンプルに成形し、熱伝導率及び密度を測定したところ、面方向への熱伝導率は6.93W/mK、密度1.63g/cmであった。
比較例1
電気化学工業株式会社製h−BN粉末(品名:SGP 黒鉛化指数0.92、一次平均粒子径(D50)21.2μm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価用樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を射出成形機にて厚み1.1mm×25.4mmφの円板状サンプルに成形し、熱伝導率及び密度を測定したところ、面方向への熱伝導率は4.73W/mK、密度1.66g/cmであった。
比較例2
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製h−BN粉末(品名:PT110 黒鉛化指数0.87、一次平均粒子径(D50)41.6μm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価用樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を射出成形機にて厚み1.1mm×25.4mmφの円板状サンプルに成形し、熱伝導率及び密度を測定したところ、面方向への熱伝導率は5.38W/mK、密度1.63g/cmであった。
以上から製造例1に示した結晶性h−BN粉末は、樹脂用熱伝導性フィラーとして有用であることが分かる。
実施例2
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ユーピロンH−4000)15g、製造例1で得られた窒化ホウ素4.5gに塩化メチレン85gを添加し、樹脂溶液を作成した。
得られた樹脂溶液を、フリッチュ社製pulverisetteシリーズ遊星型ボールミルP−6を用い、ボール径5mmのボールを使用し、500rpmで15分間処理した。
処理した樹脂溶液を用い、RKプリントコート社製K303マルチコーターを使用し、溶剤を含んだ樹脂フィルムを得た。このフィルムをオーブンで乾燥させることにより、厚さ約80μmの窒化ホウ素含有ポリカーボネートフィルムを得た。
得られたフィルムの表面性の評価結果を表1に示す。
得られたフィルム断面のSEM像を図2に示す。
実施例3
製造例1で得られた窒化ホウ素を、フリッチュ社製pulverisetteシリーズ遊星型ボールミルP−6を用い、ボール径5mmのボールを使用し、500rpmで20分間処理した。
得られた窒化ホウ素を用いた以外は、実施例2と同様にポリカーボネート樹脂溶液を作成し、得られた樹脂溶液を、更にフリッチュ社製pulverisetteシリーズ遊星型ボールミルP−6を用い、ボール径5mmのボールを使用し、500rpmで5分間処理した。
処理した樹脂溶液を用い、実施例2と同様にして、厚さ約80μmの窒化ホウ素含有ポリカーボネートフィルムを得た。
得られたフィルムの表面性の評価結果を表1に示す。
得られたフィルム断面のSEM像を図3に示す。
比較例3
実施例2と同様にポリカーボネート樹脂溶液を作成し、ボールミルで処理をせずに実施例2と同様にして、厚さ約80μmの窒化ホウ素含有ポリカーボネートフィルムを得た。
得られたフィルムの表面性の評価結果を表1に示す。
比較例4
窒化ホウ素として、電気化学工業株式会社製h−BN粉末(品名:SGP)を用いた以外は、実施例2と同様に樹脂溶液を作成し、得られた樹脂溶液から、実施例2と同様にして、厚さ約80μmの窒化ホウ素含有ポリカーボネートフィルムを得た。
得られたフィルムの表面性の評価結果を表1に示す。
得られたフィルム断面のSEM像を図4に示す。
比較例5
窒化ホウ素として、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製h−BN粉末(品名:PT110)を用いた以外は、実施例2と同様に樹脂溶液を作成し、得られた樹脂溶液から、実施例2と同様にして、厚さ約80μmの窒化ホウ素含有ポリカーボネートフィルムを得た。
得られたフィルムの表面性の評価結果を表1に示す。
得られたフィルム断面のSEM像を図5に示す。
以上から本発明の結晶性h−BN粉末に粉砕処理を施すことで、優れた表面性のフィルムが得られることが分かる。

Claims (10)

  1. 一次平均粒子径(D50)が20μm以下で、さらに一次粒子が面方向に連なった30μm×30μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理したことを特徴とする窒化ホウ素粉末。
  2. 前記、一次粒子が面方向に連なった部分を持つ二次粒子が、50μm×50μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理したことを特徴とする窒化ホウ素粉末。
  3. 前記、一次粒子が面方向に連なった部分を持つ二次粒子が、100μm×100μmの正方形よりも大きな部分を持つ二次粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理したことを特徴とする窒化ホウ素粉末。
  4. 100μm×100μmの正方形の視野の中に三次元形状に凝集した二次粒子が含まれていないことを特徴とする請求項1に記載の鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理したことを特徴とする窒化ホウ素粉末。
  5. 鱗片状結晶性六方晶窒化ホウ素粉末が、第一工程にてホウ素含有物質と窒素含有物質とを加熱処理してBN含有率が80重量%以上の粗製窒化ホウ素を得た後、第二工程にて該粗製窒化ホウ素を、下記(1)を満足する量のホウ素含有フラックス成分とともに耐熱容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下連続反応炉で1550〜2400℃にて再加熱処理して結晶成長させて製造された請求項1に記載の窒化ホウ素粉末を、更に、粉砕機で粉砕処理して得られたものであることを特徴とする窒化ホウ素粉末。
    式(1):ホウ素含有フラックス成分の仕込み量/全原料の仕込み量≦0.05
  6. 粉砕機がボールミルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  8. 樹脂がポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項7または8に記載の樹脂組成物を用いて作成された射出成形体。
  10. 請求項7または8に記載の樹脂組成物を用いて作成されたフィルム。
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