JP5981759B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
このような課題を解決するため、高熱伝導性無機化合物を大量に熱可塑性樹脂中に配合することで、高熱伝導性樹脂組成物を得ようとする試みが広くなされている。高熱伝導性無機化合物としては、グラファイト、炭素繊維、低融点金属、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等が用いられ、通常は30体積%以上、更には50体積%以上もの高含有量で樹脂中に配合されている。
また、特許文献4は、シリンダ内のスクリュ先端とダイス間に板状プレートを設置し、流路を分けることで、滞留抑制し表面性良好なストランドが得られる方法を開示している。
しかしながら、この方法を用いても、無機フィラー及び補強用長繊維の両者を熱可塑性樹脂に混練する場合には、樹脂滞留部が無いことで混練不足となり、成形品の物性低下を招くこととなる。
しかしながら、本文献には、無機フィラーと補強繊維を同時に充填する方法については開示されていない。
そのため、ストランドを得た際に、その表面が羽毛状となるなど外観不良となったり、ストランド切れ等が発生したりすることがあり、このような樹脂組成物を用いて成形体を得た場合、その成形体は機械的特性に劣るものであった。
上記無機化合物(B)の含有量が、樹脂組成物全量に対して10〜60体積%である熱可塑性樹脂組成物を押出機により製造する方法であって、
上記押出機が備えるシリンダの先端付近から上記強化材(C)をサイドフィードし、かつ、上記押出機のダイス部樹脂圧力を50kgf/cm2以上とすることを特徴とする。
そのため、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を作製することにより、機械的特性に優れた成形体を得ることができ、例えば、無機化合物(B)として高熱伝導性無機化合物を用いた場合には、熱伝導性に優れた成形体を得ることができる。
以下、まず、熱可塑性樹脂組成物の原料(各含有成分)について説明する。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)としては、例えば、非晶性脂肪族ポリエステル、非晶性半芳香族ポリエステル、非晶性全芳香族ポリエステルなどの非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、結晶性脂肪族ポリエステル、結晶性半芳香族ポリエステル、結晶性全芳香族ポリエステルなどの結晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、液晶性脂肪族ポリエステル、液晶性半芳香族ポリエステル、液晶性全芳香族ポリエステルなどの液晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂、などを用いることができる。
−O−Ph−CO− 構造単位(I)、
−O−R3−O− 構造単位(II)、
−O−CH2CH2−O− 構造単位(III)
−CO−R4−CO− 構造単位(IV)および
−O−R5−CO− 構造単位(V)
のうちの一種以上の構造単位からなる液晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂が挙げられる。
(ただし式中のR3は
また、結晶化速度が最適である点などからは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリアルキレンテレフタレート熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
2種以上を組み合わせて使用する場合には、その組み合わせは特に限定されず、化学構造、分子量、結晶形態、などが異なる2種以上の成分を任意に組み合わせることができる。
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(以下、単に(A)以外の熱可塑性樹脂ともいう)は、合成樹脂であっても自然界に存在する樹脂であっても良い。
上記(A)以外の熱可塑性樹脂を用いる場合、その使用量は、成形性と機械的特性とのバランスを考慮すると、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、0重量部を超え100重量部以下であることが好ましく、0重量部を超え50重量部以下であることがより好ましい。
これら(A)以外の熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の樹脂を組み合わせて用いる場合には、必要に応じて相溶化剤などを添加して用いることもできる。これら(A)以外の熱可塑性樹脂は、目的に応じて適宜使い分ければよい。
これら結晶性あるいは液晶性を有する熱可塑性樹脂は、樹脂全体が結晶性であっても、ブロックあるいはグラフト共重合体樹脂の分子中における特定ブロックのみが結晶性や液晶性であるなど樹脂の一部のみが結晶性あるいは液晶性であっても良い。樹脂の結晶化度には特に制限はない。
また上記(A)以外の熱可塑性樹脂として、非晶性樹脂と結晶性あるいは液晶性樹脂とのポリマーアロイを用いることもできる。この場合も樹脂の結晶化度には特に制限はない。
上記弾性樹脂としては、得られる樹脂組成物の衝撃強度改良効果に優れていることから、その少なくとも1つのガラス転移点が0℃以下であるものが好ましく、−20℃以下であるものがより好ましい。
上記無機化合物(B)としては特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物に配合しうる公知の無機化合物であればよいが、本発明で製造する熱可塑性樹脂組成物が、高熱伝導率の成形品を得るための樹脂組成物である場合には、上記無機化合物(B)は、高熱伝導性無機化合物であることが好ましい。
なお、本発明において、無機化合物(B)とは、単体での熱伝導率が1.5W/m・Kよりも大きいものをいう。
具体的には、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、マグネシウム、ニッケル等の金属およびこれら金属の合金、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化銅、亜酸化銅等の金属酸化物、窒化ホウ素(特に六方晶窒化ホウ素)、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、炭化ケイ素等の金属炭化物、黒鉛、カーボン、グラファイト、ダイヤモンド等の炭素材料、タルク等が挙げられる。
上記無機化合物(B)は、六方晶窒化ホウ素、タルク、酸化亜鉛、黒鉛、アルミナ、酸化チタン及び酸化マグネシウムのうち少なくとも1つであることが好ましい。
その理由は、熱伝導率が高く、取り扱いが容易だからである。
上記無機化合物(B)の具体的な形状としては、例えば、粒子状、微粒子状、ナノ粒子、凝集粒子状、チューブ状、ナノチューブ状、ワイヤ状、ロッド状、針状、板状、不定形、ラグビーボール状、六面体状、大粒子と微小粒子とが複合化した複合粒子状、液体等の種々の形状を例示することができる。
上記表面処理剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等従来公知のものを使用することができる。なかでもエポキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、及び、アミノシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、ポリオキシエチレンシラン等が熱可塑性樹脂組成物の物性を低下させることが少ないため好ましい。
また、上記無機化合物(B)の表面処理方法としては特に限定されず、通常の処理方法を利用できる。
勿論、高熱伝導性無機化合物とそれ以外の無機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
詳しくは、アスペクト比が2〜30の板状形状であることが好ましい。
ここで、アスペクト比とは、図1に示す板状形状において短辺の長さ(短径)をd1、長辺の長さ(長径)をd2としたときに、d2/d1で表される値である。
上記範囲のアスペクト比を有する高熱伝導性無機化合物を使用した場合、熱可塑性樹脂組成物を射出成形して作製した成形体が肉厚の薄い部分を有すると、高熱伝導性無機化合物が面方向に配列され、この箇所における熱拡散異方性が発現しやすくなる。
一方、上記アスペクト比が2未満では、アスペクト比が小さいがゆえに、高熱伝導性無機化合物が薄肉部でも面方向への配向がされにくく、異方性が発現しにくくなり、上記アスペクト比が30よりも大きいと、長手方向に長い形状を有してしまうために、熱可塑性樹脂組成物の流動性を阻害して、その結果、成形性が悪化してしまうおそれがある。
上記無機化合物(B)の含有量が10体積%よりも少なくなると、総無機化合物量が少なく、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を作製した場合に、得られた成形体において無機化合物(B)の分布量が少なくなる。そのため、無機化合物として高熱伝導性無機化合物を使用した場合に、熱伝導性が発生しにくくなることがある。
一方、上記無機化合物(B)の含有量が60体積%よりも多くなると、総無機化合物量が多すぎるため、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を作製した場合、得られた成形体は機械特性が大幅に低下してしまう。
上記無機化合物(B)の含有量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは10〜55体積%、より好ましくは15〜55体積%である。
本発明で用いる上記強化材(C)は、熱伝導率が0.1〜1.5W/m・Kの範囲にあるものである。
上記強化材(C)の形状は特に制限されないが、繊維状の強化材であることが好ましい。上記強化材(C)はクロス状などに二次加工されたものであってもよい。
0.1mmよりも短いと、上述したような製造した成形体に優れた機械特性を付与するとの効果を享受することができない場合があり、一方、20mmよりも長いと本発明の製造方法での成形性が悪くなることがある。
また、上記強化材(C)は、各種シランカップラーやチタンカップラーなどで処理されていても良い。
上記範囲にあると、ダイス部樹脂圧力を50kgf/cm2以上まで加圧し、多量に無機化合物を含有した状態の組成物を均一に混練することができるからである。
また、上記強化材(C)の配合量が35体積%よりも多いと、ダイス部樹脂圧力が上がりすぎて、ストランド孔の根詰まりが発生し、生産性が低下することがある。
また、樹脂組成物中の総フィラー量(無機化合物(B)及び強化材(C)の合計量)が過剰になり、本発明の製造方法により得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を作製した場合、成形体が脆くなってしまう恐れがある。
なかでも結晶化促進剤としての効果が高いことから、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、ソルビトール系化合物が好ましい。
これらの中では、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトールが好ましい。
0.01重量部未満では、結晶化促進剤を配合した効果が発現しない可能性があり、一方、5重量部を超えると、効果が飽和する可能性があることから経済的に好ましくなく、場合によっては、得られた成形体の外観や物性が損なわれる可能性がある。
上記押出機は特に限定されず、単軸押出機でもあってもよいし、多軸押出機であってもよいが、二軸押出機が好ましい。
二軸押出機10は、スクリュ12及びシリンダ11と、シリンダ11の根元に配設された第一供給口13と、シリンダ11の先端15付近に配設された第二供給口(サイドフィーダー)14とを備える。
本発明の製造方法では、第一供給口13から、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び無機化合物(B)をシリンダ11内に投入し、スクリュ12の回転に伴って、これらを搬送、溶融、混練する。これにともに、第二供給口14から、強化材(C)を投入し、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び無機化合物(B)の混合物に混練する。そして、充分に混練された混合物は、ダイス18を介してストランド孔16より押出される。これにより、熱可塑性樹脂組成物のストランドを得ることができる。なお、図2中、17は駆動モーターである。
ここで、シリンダの先端付近とは、シリンダ長さをL1、第二供給口からシリンダの先端までの距離をL2とした際に、L1/L2が2.0以上3.0以下となる位置をいう。
L1/L2が2.0よりも小さいと、第二供給口からサイドフィードされた強化材(C)が破砕され、得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて作製した成形体の強度低下等を招く恐れがある。
また、L1/L2が3.0よりも大きいと、第二供給口からサイドフィードされた強化材(C)が、ダイス部に到達するまでに、熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)及び無機化合物(B)と十分に混練されない可能性がある。
上記ダイス部樹脂圧力の好ましい上限は、200kgf/cm2である。200kgf/cm2を超えると、ダイス部樹脂圧力が高すぎることによって、熱可塑性樹脂組成物による根詰まりが発生する場合がある。また、押出機のトルクオーバーとなり、生産性が低下することもある。
本発明の製造方法において、上記ダイス部樹脂圧力は、スクリュ回転数により制御することができる。スクリュ回転数を上げることによって、熱可塑性樹脂組成物の粘度を下げ、ダイス部樹脂圧力を低減させることができる。
スクリュ回転数の好ましい下限は50rpmである。スクリュ回転数が50rpm未満であると、ダイス部樹脂圧力が高くなり、吐出量が落ちて生産性が低下してしまうことがあり、また、ダイス部に目詰まりが発生する原因となり、目詰まりが発生した場合も生産性が低下してしまうことがある。
スクリュ回転数の好ましい上限は300rpmである。スクリュ回転数が300rpmを超えると、熱可塑性樹脂組成物中の無機化合物(B)が破砕され、熱伝導性や機械特性が低下してしまうことがある。
なお、上記ダイス部樹脂圧力は、シリンダの先端15に配設したセンサ(図示せず)により測定することができる。
また、上記押出機には、ベント部が設けられていることが好ましく、また、上記押出機のスクリュには、ニーディングディスクが一箇所以上設けられていることが好ましい。
各ゾーンにおいて+30℃を超えて温度を設定すると、ダイス部より押し出される熱可塑性樹脂の温度が300℃を超えてしまうことがあり、それにより熱可塑性樹脂が劣化してしまうことがある。
この場合、製造された熱可塑性樹脂組成物において、無機化合物(B)や強化材(C)等が均一に分散されず、ストランド切れが発生したり、ストランドの外観が羽毛状等の不良な外観を有したりすることとなる。そして、このような熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を作製した場合には、その成形体は機械的強度に劣るものとなる。
また、強化材(C)を熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)と同じ位置でシリンダ内にフィードすると、押出機にかかる負荷トルクが高くなりすぎてしまい、吐出量が上がらず生産性が低下してしまう原因となる。
さらには、発熱源を内部に有するがファン等による強制冷却が困難な電子機器において、内部で発生する熱を外部へ放熱するために、これらの機器の外装材として好適に用いられる。
熱可塑性ポリエステル系樹脂(A−1):ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製 ノバペックス PBKII/溶融温度260℃)に、フェノール系安定剤であるAO−60((株)ADEKA製)、高熱伝導性無機化合物(B−1):燐片形状六方晶窒化ホウ素粉末(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 PT110)を混合したものを準備した(配合原料1)。
別途、強化材(C):ガラスチョップドストランド(日本電気硝子(株)製 ECS03T−187HPL)を準備した(配合原料2)。
なお、配合原料2の投入位置は、L1/L2(シリンダ長さ/配合原料1の供給口からシリンダの先端までの距離)が2.5となる位置である。
設定温度は供給口近傍が250℃で、順次設定温度を上昇させ、押出機スクリュ先端部温度を280℃に設定した。よって、本実施例では、供給ゾーンの温度が250〜260℃、溶融ゾーンの温度が260〜280℃、混練ゾーンの温度が270〜280℃である。
また、本実施例におけるダイス部樹脂圧は、120kgf/cm2である。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は60kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は90kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は130kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は125kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は130kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は100kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は110kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は120kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。
本実施例における製造時のダイス部樹脂圧力は125kgf/cm2であった。
また、本実施例では、製造時にストランド切れもなく、生産安定性も良好であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしたが、ダイスのストランド孔に根詰まりが発生し、熱可塑性樹脂組成物を押し出すことができなかった。
本比較例における製造時のダイス部樹脂圧力は、根詰まりにより押出機のトルクオーバーとなり、計測不可能であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしたが、ダイスのストランド孔に根詰まりが発生し、熱可塑性樹脂組成物を押し出すことができなかった。
本比較例における製造時のダイス部樹脂圧力は、根詰まりにより押出機のトルクオーバーとなり、計測不可能であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更し、かつ、強化材(C)の投入位置を配合原料1と同一(スクリュ根元)とした以外は実施例1と同様にしたが、ダイスのストランド孔に根詰まりが発生し、熱可塑性樹脂組成物を押し出すことができなかった。
本比較例における製造時のダイス部樹脂圧力は、根詰まりにより押出機のトルクオーバーとなり、計測不可能であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしたが、ダイスのストランド孔に根詰まりが発生し、熱可塑性樹脂組成物を押し出すことができなかった。
本比較例における製造時のダイス部樹脂圧力は、根詰まりにより押出機のトルクオーバーとなり、計測不可能であった。
配合原料の種類や量を下記表1に示すように変更し、強化材(C)を投入しないこととした以外は実施例1と同様にしたが、ダイス部樹脂圧力が20kgf/cm2と低く、ストランドが波打ちペレットサイズが安定せず、外観不良が見られた。また、強化材(C)を含有していないため、充分に混練されていなかった。
(A−1):ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製 ノバペックス PBKII)
(A−2):ポリフェニレンスルファイド樹脂(DIC(株)製 C−201)
(B−1):鱗片形状六方晶窒化ホウ素粉末(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製 PT110 数平均粒子径50μm)
(B−2):板状タルク(日本タルク(株)製 MS−KY 数平均粒子径23μm)
(B−3):テトラポッド形状酸化亜鉛((株)アムテック製 パナテトラWZ−0501L)
(C−1):ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 ECS03T−187H/PL)
(D−1):リン系難燃剤(クラリアントジャパン(株)製 OP−935)
(D−2):臭素系難燃剤(アルべマール日本(株)製 BT−93W)
(D−3):難燃助剤(日本精鉱(株)製 三酸化アンチモン PATOX−P)
(1)ストランド外観(ペレット外観)
実施例及び比較例で得られたペレットを目視にて観察し、表面に羽毛状があったものを「外観不良」、羽毛状がなかったものを「外観良好」とした。結果を表1に示した。
なお、比較例1〜4は、押出不可であったため、外観を評価できなかった。
実施例及び比較例で得られたペレットを140℃で4時間乾燥後、75t射出成形機にて、平板の面中心部分にゲートサイズ0.8mmφで設置されたピンゲートを通じて、150mm×80mm×厚み1.0mmの平板形状試験片に成形し、高熱伝導性樹脂組成物の成形体を得た。
サンプル表面にレーザー光吸収用スプレー(ファインケミカルジャパン(株)製、ブラックガードスプレーFC−153)を塗布し乾燥させた後、XeフラッシュアナライザーであるNETZSCH製、LFA447Nanoflashを用い、厚み方向及び面方向の熱拡散率を測定した。
そして、測定した熱拡散率及び比熱容量の値から面方向熱伝導率(W/m・k)を算出した。結果を表1に示した。
11 シリンダ
12 スクリュ
13 第一供給口
14 第二供給口(サイドフィーダー)
15 シリンダの先端
16 ストランド孔
17 駆動モーター
18 ダイス
Claims (2)
- 非晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂または結晶性熱可塑性ポリエステル系樹脂(A)、熱伝導率が1.5W/m・Kより大きい無機化合物(B)及び熱伝導率が0.1〜1.5W/m・Kである強化材(C)を含有し、
前記無機化合物(B)の含有量が、樹脂組成物全量に対して10〜60体積%である熱可塑性樹脂組成物を押出機により製造する方法であって、
前記押出機が備えるシリンダの先端付近から前記強化材(C)をサイドフィードし、かつ、前記押出機のダイス部樹脂圧力を50kgf/cm2以上とすることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 前記無機化合物(B)は、六方晶窒化ホウ素、タルク、酸化亜鉛、黒鉛、アルミナ、酸化チタン及び酸化マグネシウムのうち少なくとも1つである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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