JP2015106570A - 多数個取り配線基板、配線基板および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の配線基板領域において配線導体の露出する表面に被着された電解めっき層の厚みのばらつきが低減された多数個取り配線基板を提供すること。
【解決手段】 多数個取り配線基板は、表面に配線導体2を有する複数の配線基板領域11が中央部に配置され、複数の配線基板領域11の周囲に周囲領域12が配置された母基板1と、複数の配線基板領域11を取り囲むように周囲領域12に設けられた枠状金属層3と、枠状金属層3と配線導体2とを接続する複数の接続配線層4と、周囲領域12の外縁部に設けられためっき用端子5と、めっき用端子5と枠状金属層3との間に設けられ、めっき用端子5に接続している帯状のめっき用共通部6が接続され、めっき用共通部6と枠状金属層3を接続する複数のめっき用接続部とを有しており、複数のめっき用接続部7のそれぞれはめっき用共通部6に比べて電気抵抗が大きくなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子または発光素子等の電子部品の搭載される配線基板を製作するための多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子または水晶振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、例えばセラミックス等の電気絶縁材料から成る絶縁基板と、金属材料等のメタライズから成る配線導体とを有している。
配線基板は、近年の電子装置の小型化の要求に伴って、小型化されてきており、複数の配線基板を効率よく製作するために、多数個取り配線基板を分割することによって製作されている。
多数個取り配線基板は、複数の配線基板領域が縦横に配列されている母基板と、複数の配線基板領域のそれぞれに設けられた配線導体とを有している。また、多数個取り配線基板には、複数の配線基板領域の周りの周囲領域に、配線導体の露出する表面に電解めっきを被着するためのめっき用端子と枠状金属層とが設けられている場合がある(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−243930号公報
しかしながら、複数の配線基板領域に設けられた配線導体の露出する表面に電解めっき法によって被着されためっき層の厚みが、複数の配線基板領域毎に大きく異なる場合がある。これは、複数の配線基板領域の中央部と外周部とにおいて、めっき用端子から配線導体の露出する表面までの電気抵抗の大きさが異なるためである。特に、めっき層の厚みを厚く被着しようとすると、めっき層の厚みの差が顕著に出やすくなるということが懸念される。
本発明の一つの態様による多数個取り配線基板は、表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、前記複数の配線基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、前記複数の配線基板領域を取り囲むように前記周囲領域に設けられた枠状金属層と、該枠状金属層と前記配線導体とを接続する複数の接続配線層と、前記周囲領域の外縁部に設けられためっき用端子と、該めっき用端子と前記枠状金属層との間に設けられ、前記めっき用端子に接続している帯状のめっき用共通部が接続され、該めっき用共通部と前記枠状金属層を接続する複数のめっき用接続部とを有しており、該複数のめっき用接続部のそれぞれは前記めっき用共通部に比べて電気抵抗が大きいことを特徴とする。
本発明の他の一つの態様による多数個取り配線基板は、表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、前記複数の配線基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、前記複数の配線基板領域を取り囲むように前記周囲領域に設けられた枠状金属層と、前記周囲領域の外縁部に設けられ、枠状金属層に接続されためっき用端子と、前記枠状金属層と前記配線導体との間に帯状のめっき用共通部が設けられ、前記枠状金属層
と前記めっき用共通部とを接続する複数のめっき用接続部と、前記めっき用共通部と前記配線導体を接続する複数の接続配線層とを有しており、前記複数のめっき用接続部のそれぞれは前記めっき用共通部に比べて電気抵抗が大きいことを特徴とする。
本発明の一つの態様による多数個取り配線基板は、表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、複数の配線基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、複数の配線基板領域を取り囲むように周囲領域に設けられた枠状金属層と、枠状金属層と配線導体とを接続する複数の接続配線層と、周囲領域の外縁部に設けられためっき用端子と、めっき用端子と枠状金属層との間に設けられ、めっき用端子に接続している帯状のめっき用共通部が接続され、めっき用共通部と枠状金属層を接続する複数のめっき用接続部とを有しており、複数のめっき用接続部のそれぞれはめっき用共通部に比べて電気抵抗が大きい。または、表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、複数の基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、複数の配線基板領域を取り囲むように周囲領域に設けられた枠状金属層と、周囲領域の外縁部に設けられ、枠状金属層に接続されためっき用端子と、枠状金属層と配線導体との間に帯状のめっき用共通部が設けられ、枠状金属層とめっき用共通部とを接続する複数のめっき用接続部と、めっき用共通部と配線導体を接続する複数の接続配線層とを有しており、複数のめっき用接続部のそれぞれはめっき用共通部に比べて電気抵抗が大きい。このことによって、めっき用端子からそれぞれの配線導体までの電気抵抗の比を低減することで、めっき用端子とそれぞれの配線基板領域の配線導体に接続される接続配線層との間の電気抵抗の比を低減できるとともに、めっき用端子からめっき用接続部と枠状金属層との接続部に伝わった電流は、めっき用接続部側および接続用配線側よりも周囲の枠状金属層側に広がり、配線導体に直接大きな電流が伝わることを抑制するので、電解めっき法により、めっき用端子、めっき用共通部、めっき用接続部、枠状金属層、接続配線層を介して、各配線基板領域の配線導体の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を低減できる。
(a)は本発明の第1の実施形態における多数個取り配線基板を示す上面図であり、(b)は図1(a)に示された多数個取り配線基板のA−A線における縦断面図であり、(c)は図1(a)に示された多数個取り配線基板のB−B線における縦断面図である。 図1(a)のA部における要部拡大上面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態における多数個取り配線基板を示す上面図であり、(b)は図3(a)に示された多数個取り配線基板のA−A線における縦断面図であり、(c)は図3(a)に示された多数個取り配線基板のB−B線における縦断面図である。 図3(a)のA部における要部拡大上面図である。 (a)は本発明の第3の実施形態における多数個取り配線基板を示す上面図であり、(b)は図5(a)に示された多数個取り配線基板の下面図である。 (a)は図5(a)に示された多数個取り配線基板のA−A線における縦断面図であり、(b)は図5(a)に示された多数個取り配線基板のB−B線における縦断面図である。
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における多数個取り配線基板は、図1および図2に示された例のように、表面に配線導体2を有し、中央部に配置された複数の配線基板領域11および周
囲領域12を有している母基板1と、周囲領域12に設けられた枠状金属層3と、枠状金属層3と配線導体2とを接続する複数の接続配線層4と、周囲領域12の外縁部に設けられためっき用端子5と、めっき用端子5と枠状金属層3との間に設けられ、めっき用端子5に接続している帯状のめっき用共通部6と、めっき用共通部6と枠状金属層3を接続する複数のめっき用接続部7とを有している。複数のめっき用接続部7のそれぞれは、めっき用共通部6に比べて電気抵抗が大きい。図1および図2において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
複数の配線基板領域11の各々は、多数個取り配線基板が分割されて、例えば電子部品が搭載され封止されて、外部回路基板に実装される配線基板として利用される領域である。周囲領域12は、枠状金属層3、めっき用端子5、めっき用共通部6を配設する領域であるとともに、母基板1の製造時または搬送時に用いられる領域であり、この周囲領域12を用いて母基板1用の生成形体または母基板1の加工時または搬送時の位置決め、固定等を行なうことができる。
母基板1の材料は、例えばセラミックスまたは樹脂等の絶縁体である。母基板1の材料がセラミックスである場合は、材料として例えば酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体およびガラスセラミックス質焼結体等を用いることができる。また、母基板1の材料が樹脂である場合は、材料として例えばエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル樹脂、および四フッ化エチレン樹脂を始めとするフッ素系樹脂またはガラスエポキシ樹脂等を用いることができる。
母基板1の材料が酸化アルミニウム質焼結体である場合には、まず例えばアルミナ(Al),シリカ(SiO),カルシア(CaO)およびマグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤および溶媒を添加混合して泥漿物を作製する。この泥沼物を、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等を採用してシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、セラミックグリーンシートを必要に応じて複数枚積層して生成形体を形成し、この生成形体を高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって母基板1が製作される。
母基板1の材料が樹脂である場合は、例えば所定の多数個取り配線基板の形状に成形できるような金型を用いて、トランスファーモールド法またはインジェクションモールド法等によって母基板1が製作される。また、例えば、母基板1がガラスエポキシ樹脂である場合は、ガラス繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させることによって母基板1が製作される。
配線導体2は、母基板1の表面および内部に設けられている。配線導体2は、多数個取り配線基板を分割した後の配線基板に電子部品を搭載したり、搭載された電子部品と外部回路基板とを電気的に接続するためのものである。配線導体2は、母基板1の表面または内部に設けられた配線層と、母基板1の内部に設けられた金導体と、母基板1を厚み方向に貫通して上下に位置する配線層同士を電気的に接続する貫通導体とを含んでいる。
配線導体2の材料は、母基板1の材料がセラミックスである場合、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag),銅(Cu)等を用いることができる。配線導体2は、例えば、母基板1の材料がセラミックスである場合には、母基板1用のセラミックグリーンシートに配線導体2用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって塗布し、母基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。また、貫通導体は、例えば母基板1用のセラミックグリーンシ
ートに形成された貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストを上記印刷手段によって充填しておき、母基板1用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。なお、貫通孔は、金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザー加工等の加工方法によってセラミックグリーンシートに形成される。
母基板1の材料が樹脂である場合には、配線導体2の材料は、銅,金,アルミニウム,ニッケル,クロム,モリブデン,チタンおよびこれらの合金等の金属材料を用いることができる。配線導体2は、例えば、ガラスエポキシ樹脂から成る樹脂シート上に、所定の形状に加工した銅箔を転写し、銅箔が転写された樹脂シートを積層して接着剤で接着することによって形成する。このような場合には、配線導体2は、樹脂シート上に金属箔を転写して形成する。また、配線導体2のうち、樹脂シートを厚み方向に貫通する貫通導体は、導体ペーストの印刷またはめっき法によって樹脂シートに形成した貫通孔の内面に被着形成するか、貫通孔を充填して形成すればよい。このような貫通導体は、例えば金属箔または金属柱を樹脂成形によって母基板1と一体化させたり、母基板1にスパッタリング法,蒸着法等を用いて被着させて形成される。
配線導体2は、母基板1から露出して設けられた表面には、電解めっき法によりニッケル,金等の耐蝕性に優れる金属めっき層が被着される。配線導体2が腐食することを低減できるとともに、電子部品、ボンディングワイヤまたは外部回路基板と配線導体2とを強固に接合できる。例えば、配線導体2の表面には、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着される。
また、電子部品として、発光素子が用いられる場合には、配線導体2の表面に1〜10μm程度の厚みの銀めっき層を被着されていてもよい。電子部品が搭載される配線導体2の表面に銀めっき層が被着されていると、多数個取り配線基板を分割して得られる配線基板に発光素子を搭載した際に、発光素子から配線導体2の方に放出された光を効率よく反射できる発光装置とすることができる。
また、電子部品が搭載される配線導体2の表面は、Cuめっき層が被着されていても良い。例えば、ニッケルめっき層と金めっき層との間またはニッケルめっき層と金めっき層の下地層に10〜80μm程度のCuめっき層を被着させることで、電子部品の発する熱を配線導体2に効率良く伝熱させるとともに、信頼性に優れた電子装置とすることができる。
枠状金属層3、接続配線層4、めっき端子5、めっき用共通部6、めっき用接続部7は、各配線基板領域11に設けられた配線導体2の露出する表面にめっき層を被着するためのものである。枠状金属層3、接続配線層4、めっき用端子5、めっき用共通部6、めっき用接続部7は、配線導体2と同様の材料を用いて同様の方法で作製することができる。
枠状金属層3は、母基板1の周囲領域12に、複数の配線基板領域12を囲むように枠状に設けられている。接続配線層4は、配線導体2と枠状金属層3との間に設けられ、配線導体2と枠状金属層3とを電気的に接続するとともに、隣接する配線基板領域11の配線導体2間に設けられ、隣接する配線基板領域11の配線導体2同士を電気的に接続している。
めっき用端子5は、母基板1の周囲領域12に設けられている。めっき用共通部6は、母基板1の周囲領域12に帯状に設けられており、めっき用端子5に接続されている。めっき用接続部7は、枠状金属層3とめっき用共通部6との間に複数設けられ、枠状金属層3とめっき用共通部6との間を電気的に接続している。めっき用端子5にめっき用電源と電気的に接続されている治具を当接して、めっき用端子5から電流を流すことによって、配線導体2に電解めっき法によるめっき層が被着される。めっき用端子5は、図1および図2に示された例においては、母基板1の対向する2側面に設けられた切り欠き部の内面に、
母基板1の厚み方向に沿って延びるように設けられている。
これらのめっき用端子5は、母基板1の材料がセラミックスである場合、セラミックグリーンシートを金型等で打ち抜いて切り欠き部を形成した後、その切り欠き部の内面に、母基板1がセラミックスである場合に使用した、配線導体2の材料と同様の材料を用いて同様の方法で作製できる。
また、めっき用端子5は、母基板1の材料が樹脂である場合には、母基板1に例えばレーザー加工等を用いて切り欠き部を形成した後、切り欠き部の内面に、母基板1が樹脂である場合に使用した、配線導体2の材料と同様の材料を用いて同様の方法で作製できる。
めっき用端子5は、図1および図2に示された例のように、切り欠き部の内面に設けられていると、めっき用の電源に接続された治具と容易に接触できる。また、1つの治具に複数のめっき用端子5が接触することによって、集約的にめっき層を設けてもよい。
ここで、複数のめっき用接続部7のそれぞれは、めっき用共通部6よりも電気抵抗が大きくなるように、例えば、図1および図2に示された例のように、複数のめっき用接続部7のそれぞれの幅は、めっき用共通部6の幅よりも小さく形成されている。ここで、複数のめっき用接続部7のそれぞれの電気抵抗は、配線基板領域11の列の数等によって設定され、めっき用共通部6の電気抵抗よりも10〜100倍程度大きくなるように設定されること
が好ましい。また、接続配線層4およびめっき用接続部7のそれぞれの電気抵抗は、枠状金属層3の電気抵抗よりも10〜100倍程度大きくなるように設定されている。このことに
より、めっき用端子5からめっき用共通部6を介してそれぞれの複数のめっき用接続部7と枠状金属層3との接続部までの電気抵抗の比を低減することで、めっき用端子5とそれぞれの配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4との間の電気抵抗の比を低減できるとともに、枠状金属層3は電気抵抗の大きいめっき用接続部7と接続配線層4との間で接続されるため、めっき用端子5からめっき用接続部7と枠状金属層3との接続部に伝わった電流は、めっき用接続部7側および接続用配線4側よりも周囲の枠状金属層3側に広がり、配線導体2に直接大きな電流が伝わることを抑制するので、電解めっき法により、めっき用端子5、めっき用共通部6、めっき用接続部7、枠状金属層3、接続配線層4を介して、各配線基板領域11の配線導体2の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を低減できる。なお、めっき用共通部6の電気抵抗の測定は、めっき用端子5とめっき用共通部6との接続部と、めっき用共通部6とめっき用接続部7との接続部の間の電気抵抗をデジタルマルチメーター等の電気抵抗測定器を用いて測定することにより行われ、最も電気抵抗が大きいものが採用される。また、めっき用接続部7の電気抵抗の測定は、めっき用接続部7の両端部の電気抵抗をデジタルマルチメーター等の電気抵抗測定器を用いて測定することにより行われる。枠状金属層3および接続配線層4の電気抵抗についても、上述と同様の方法を用いて、それぞれの部位の接続部間の電気抵抗を用いて測定することにより行われる。
また、複数のめっき用接続部7のそれぞれの厚みは、めっき用共通部6の厚みよりも小さく形成することで、複数のめっき用接続部7のそれぞれが、めっき用共通部6よりも電気抵抗がより大きくなるようにしてもよい。なお、母基板1の材料がセラミックスである場合、配線導体2、枠状金属層3、接続配線層4、めっき用共通部6、めっき用接続部7の厚みは、0.01〜0.03mmが好ましい。これらの導体ペーストをスクリーン印刷法等で印刷する際に、導体ペーストを均一な厚みで印刷しやすく、これらの配線が精度よく形成される。
複数のめっき用接続部7は、図1および図2に示す例のように、各配線基板領域11毎の近傍にて枠状金属層3にそれぞれ接続させていると、めっき用端子5から各配線基板領域
11の配線導体2に接続される接続配線層4までの電気抵抗の比を小さくすることができる。また、さらには、複数のめっき用接続部7は、各配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4の近傍にて枠状金属層3にそれぞれ接続させていると好ましく、複数のめっき用接続部7の数は、各列の配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4の数と同等あるいはそれ以上の数であることが好ましい。
めっき用端子5から最も近い位置に設けられためっき用接続部7とめっき用共通部6までの電気抵抗が、めっき用端子5から最も近い位置に設けられためっき用接続部7と枠状金属層3との接続部までの電気抵抗よりも小さいと、各配線基板領域11の配線導体2の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を良好に低減できる。
また、上述のような場合には、図1および図2に示す例では、複数のめっき用接続部7の線幅を全て同じ幅としているが、めっき用端子5から遠いめっき用接続部7の線幅を、めっき用端子5から遠いめっき用接続部7の線幅よりも大きくしておくと、めっき用端子5からめっき用共通部6を介して複数のめっき用接続部7と枠状金属層3とのそれぞれの接続部までの電気抵抗の比を小さくすることができる。また、めっき用端子5から遠くなるに従って、めっき用接続部7の線幅を漸次大きくしても構わない。
また、図1および図2に示す例では、複数のめっき用接続部7の長さを全て同じ長さとしているが、めっき用端子5から遠いめっき用接続部7の長さを、めっき用端子5から遠いめっき用接続部7の長さよりも大きくしても構わない。例えば、めっき用端子5から遠い領域における枠状金属層の幅を、めっき用端子5から遠い領域における枠状金属層3の幅よりも大きくし、めっき用端子5から遠いめっき用接続部7の長さよりも大きくしても構わない。このような場合、めっき用端子5からめっき用共通部6を介して複数のめっき用接続部7と枠状金属層3とのそれぞれの接続部までの電気抵抗の比を小さくすることができる。また、めっき用端子5から遠くなるに従って、枠状金属層3の幅を漸次大きくしても構わない。
本実施形態の多数個取り配線基板は、表面に配線導体2を有する複数の配線基板領域11が中央部に配置され、複数の配線基板領域11の周囲に周囲領域12が配置された母基板1と、複数の配線基板領域11を取り囲むように周囲領域12に設けられた枠状金属層3と、枠状金属層3と配線導体2とを接続する複数の接続配線層4と、周囲領域12の外縁部に設けられためっき用端子5と、めっき用端子5と枠状金属層3との間に設けられ、めっき用端子5に接続している帯状のめっき用共通部6が接続され、めっき用共通部6と枠状金属層3を接続する複数のめっき用接続部7とを有しており、複数のめっき用接続部7のそれぞれはめっき用共通部6に比べて電気抵抗が大きい。このことによって、めっき用端子5からめっき用共通部6を介してそれぞれの複数のめっき用接続部7と枠状金属層3との接続部までの電気抵抗の比を低減することで、めっき用端子5とそれぞれの配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4との間の電気抵抗の比を低減できるので、電解めっき法により、めっき用端子5、めっき用共通部6、めっき用接続部7、枠状金属層3、接続配線層4を介して、各配線基板領域11の配線導体2の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を低減できる。
本実施形態は、電解めっき法により、配線導体2の露出する表面に厚いめっき層を被着させる場合において、好適に使用することができる。
本実施形態における多数個取り配線基板は、母基板1の各配線基板領域11同士の境界と、配線基板領域11と周囲領域12との境界とに沿って分割されることによって、複数の配線基板となる。多数個取り配線基板が分割された配線基板には、電子部品が接合されて搭載される。また、多数個取り配線基板は、各配線基板領域11上に電子部品を搭載した後に、
分割されてもよい。多数個取り配線基板を配線基板に分割する方法としては、多数個取り配線基板の配線基板領域11の縁に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って撓折して分割する方法、またはスライシング法等によって配線基板領域11の縁を切断する方法等を用いることができる。分割溝は、母基板1用の生成形体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によって生成形体の厚みより小さく切込んだりすることによって形成するか、焼成後にスライシング装置によって母基板1の厚みより小さく切込むことによって形成できる。
本実施形態の配線基板によれば、上述の多数個取り配線基板に含まれている複数の配線基板領域が個片に分割されてなることから、個々の配線基板の配線導体の露出する表面には、電解めっき法によりめっき層が良好に被着されているので、信頼性に優れた配線基板とすることができる。
多数個取り配線基板が分割されて得られる配線基板に電子部品が搭載されることによって、電子装置となる。配線基板に搭載される電子部品は、例えば半導体素子または発光素子等である。また、半導体素子または発光素子等とともにコンデンサまたはダイオード等の小型電子部品が搭載されていてもよい。電子部品は、金(Au)−シリコン(Si)合金から成るろう材または銀(Ag)を含むエポキシ樹脂等の導電性接合材によって配線基板の上面に接合される。電子部品の電極と配線導体2とが、例えばAuを主成分とするボンディングワイヤ等の接続部材を介して電気的に接続される。電子部品は、必要に応じて樹脂等の封止材によって封止される。
本実施形態の電子装置によれば、上述の配線基板と、配線基板に搭載された電子部品とを備えていることから、電子部品や外部回路基板との接続信頼性に優れた電子装置とすることができる。
また、上述に示されたように、配線導体2の露出する表面に、銅等の熱伝導性に優れためっき層を厚く形成した配線基板を用いた場合には、放熱性に優れた電子装置とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による多数個取り配線基板について、図3および図4を参照しつつ説明する。
第2の実施形態における多数個取り配線基板において、第1の実施形態の多数個取り配線基板と異なる点は、枠状金属層3がめっき用端子5に接続され、めっき用共通部6が枠状金属層3と配線導体2との間に配置されている点、接続配線層4がめっき共通部6と配線導体2とを接続している点である。
第2の実施形態の多数個取り配線基板によれば、めっき用端子5からめっき用共通部6を介してめっき用共通部6とそれぞれの複数のめっき用接続部7との接続部までの電気抵抗の比を低減することで、めっき用端子5とそれぞれの配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4との間の電気抵抗の比を低減できるとともに、めっき用共通導体6は電気抵抗の大きいめっき用接続部7と接続配線層4との間で接続されるため、めっき用端子5からめっき用接続部7とめっき用共通導体6との接続部に伝わった電流は、めっき用接続部7側および接続用配線4側よりもめっき用共通導体6側に広がり、配線導体2に直接大きな電流が伝わることを抑制するので、電解めっき法により、めっき用端子5、枠状金属層3、めっき用接続部7、めっき用共通部6、接続配線層4を介して、各配線基板領域11の配線導体2の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を低減できる。
なお、第2の実施形態において、接続配線層4およびめっき用接続部7のそれぞれの電気抵抗は、めっき共通部6の電気抵抗よりも10〜100倍程度大きくなるように設定されて
いる。めっき用接続部7のそれぞれの電気抵抗は、枠状金属層3の電気抵抗よりも10〜100倍程度大きくなるように設定されている。
また、めっき用共通部6の電気抵抗の測定は、接続配線層4とめっき用共通部6との接続部と、めっき用共通部6とめっき用接続部7との接続部の間の電気抵抗をデジタルマルチメーター等の電気抵抗測定器を用いて測定することにより行われ、最も電気抵抗が大きいものが採用される。また、めっき用接続部7の電気抵抗の測定は、めっき用接続部7の両端部の電気抵抗をデジタルマルチメーター等の電気抵抗測定器を用いて測定することにより行われる。枠状金属層3および接続配線層4の電気抵抗についても、上述と同様の方法を用いて、それぞれの部位の接続部間の電気抵抗を用いて測定することにより行われる。
本実施形態は、第1の実施形態の多数個取り配線基板と同様に、電解めっき法により、配線導体2の露出する表面に厚いめっき層を被着させる場合において、好適に使用することができる。
また、図3および図4に示す例のように、各配線基板領域11における配線導体2の露出する表面の面積の差が大きい場合には、母基板1の上面および下面に露出する配線導体2の面積に比例するように接続用配線4の幅を変更させると、各配線基板領域11内の配線導体2間での被着されるめっき層の厚みの差を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による多数個取り配線基板について、図5を参照しつつ説明する。
第3の実施形態における多数個取り配線基板において、第1の実施形態の多数個取り配線基板と異なる点は、めっき用端子5が母基板1の外縁の4辺に配置され、母基板1の上面において、めっき用共通部6が相対向する2辺に配置されためっき用端子5のそれぞれに接続され、母基板1の下面において、めっき用共通部6が相対向する他の2辺に配置されためっき用端子5のそれぞれに接続されるように設けられている点である。
第3の実施形態の多数個取り配線基板によれば、第1の実施形態の多数個取り配線基板と同様に、めっき用端子5からめっき用共通部6を介してそれぞれの複数のめっき用接続部7と枠状金属層3との接続部までの電気抵抗の比を低減するとともに、枠状金属層3は電気抵抗の大きいめっき用接続部7と接続配線層4との間で接続されるため、めっき用端子5からめっき用接続部7と枠状金属層3との接続部に伝わった電流は、めっき用接続部7側および接続用配線4側よりも周囲の枠状金属層3側に広がり、配線導体2に直接大きな電流が伝わることを抑制することで、めっき用端子5とそれぞれの配線基板領域11の配線導体2に接続される接続配線層4との間の電気抵抗の比を低減できるので、電解めっき法により、めっき用端子5、めっき用共通部6、めっき用接続部7、枠状金属層3、接続配線層4を介して、各配線基板領域11の配線導体2の露出する表面に被着されるめっき層の厚みの差を低減できる。
なお、めっき用共通部6、めっき用接続部7、枠状金属層3および接続配線層4の電気抵抗の測定は、第1の実施形態と同様の方法によって行われる。
第3の実施形態の多数個取り配線基板は、4辺方向から配線導体2の露出する表面にめっき層を被着させる場合において、好適に使用することができる。
また、図5および図6に示された例のように、母基板1の上面側にて電気的に接続されるめっき用端子5と母基板1の下面側にて電気的に接続されるめっき用端子5と電気的に独立させていると、それぞれの配線導体2に異なるめっき層を被着させたり、配線基板領域11から周囲領域12を切り離して、配線導体2間の電気的短絡等を確認することができる多数個取り配線基板として用いることができる。
本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、複数の配線基板領域11同士の境界に、多数個取り配線基板を分割した際に溝となるような穴が形成されており、穴の内面に導体が形成されていてもよい。このような多数個取り配線基板が分割されることによって、いわゆるキャスタレーション導体を有する配線基板を作製できる。
また、めっき用端子5は、図1〜図5に示す例では、母基板1の外縁に設けられた切欠き部の内面に形成しているが、母基板1の周囲領域12の外縁に、母基板1の厚み方向に貫通孔を形成し、めっき用端子5をこの貫通孔の内面に厚み方向に沿って延びるように形成していても構わない。
また、図1〜図5に示す例では、配線導体2は、各配線基板領域11に2つずつ設けているが、3つ以上の配線導体2を設けた配線基板領域11を複数配列させた多数個取り配線基板であっても構わない。
また、配線基板領域11は、母基板1の上面または下面に例えば電子部品を収納するためのキャビティを備えていてもよいし、隣接する配線基板領域11間にダミー領域を有する多数個取り配線基板であっても構わない。
また、本発明は、各配線基板領域11に、配線導体2以外の金属導体層、例えば、電子部品搭載用金属導体層や外部回路基板接合用金属導体層を備えた多数個取り配線基板においても同様に用いることができる。
また、図1〜図5に示す例では、枠状金属層3、接続配線層4、めっき用共通部6、めっき用接続部7は、母基板1の上面または下面に設けているが、母基板1が複数の絶縁層からなる場合は、枠状金属層3、接続配線層4、めっき用共通部6、めっき用接続部7は、絶縁層間に配置していても構わない。母基板1の表面に設けられている場合と比較して、母基板1の反りや多数個取り配線基板を分割する際に接続配線層4が伸びることによって生じる配線導体2同士の短絡を低減できる。
また、第1の実施形態〜第3の実施形態を組み合わせた多数個取り配線基板であっても構わない。
1・・・母基板
11・・・配線基板領域
12・・・周囲領域
2・・・配線導体
3・・・枠状金属層
4・・・接続配線層
5・・・めっき用端子
6・・・めっき用共通部
7・・・めっき用接続部

Claims (4)

  1. 表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、
    前記複数の配線基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、
    前記複数の配線基板領域を取り囲むように前記周囲領域に設けられた枠状金属層と、
    該枠状金属層と前記配線導体とを接続する複数の接続配線層と、
    前記周囲領域の外縁部に設けられためっき用端子と、
    該めっき用端子と前記枠状金属層との間に設けられ、前記めっき用端子に接続している帯状のめっき用共通部が接続され、
    該めっき用共通部と前記枠状金属層を接続する複数のめっき用接続部とを有しており、
    該複数のめっき用接続部のそれぞれは前記めっき用共通部に比べて電気抵抗が大きいことを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 表面に配線導体を有する複数の配線基板領域が中央部に配置され、
    前記複数の配線基板領域の周囲に周囲領域が配置された母基板と、
    前記複数の配線基板領域を取り囲むように前記周囲領域に設けられた枠状金属層と、
    前記周囲領域の外縁部に設けられ、枠状金属層に接続されためっき用端子と、
    前記枠状金属層と前記配線導体との間に帯状のめっき用共通部が設けられ、
    前記枠状金属層と前記めっき用共通部とを接続する複数のめっき用接続部と、
    前記めっき用共通部と前記配線導体を接続する複数の接続配線層とを有しており、
    前記複数のめっき用接続部のそれぞれは前記めっき用共通部に比べて電気抵抗が大きいことを特徴とする多数個取り配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多数個取り配線基板に含まれている前記複数の配線基板領域が個片に分割されてなることを特徴とする配線基板。
  4. 請求項3に記載された配線基板と、
    該配線基板に搭載された電子部品とを備えていることを特徴とする電子装置。
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