JP2015105956A - 電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記中間層が、
有機ケイ素化合物により疎水化処理された後100〜300℃の温度で熱処理された金属酸化物粒子の少なくとも1種と、
バインダー樹脂と、を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(電子写真感光体の層構成)
本発明の電子写真感光体は、負帯電型の電子写真感光体であり、導電性支持体上に中間層を有し、この中間層上に感光層が積層されてなるものである。
本発明の電子写真感光体を構成する導電性支持体としては、円筒状、またはシート状のものであって、導電性を有していればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体では、導電性支持体と感光層の間に、有機ケイ素化合物により疎水化処理された後100〜300℃の温度で熱処理された金属酸化物粒子の少なくとも1種と、バインダー樹脂と、を含有する中間層を設ける。
中間層を構成するバインダー樹脂(以下、中間層用バインダー樹脂とも称する)としては、例えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体及びゼラチンなどが挙げられる。中でも、後述する電荷発生層を形成するための塗布液を中間層上に塗布する際に、当該中間層が溶解することを抑制する観点などから、ポリアミド樹脂が好ましい。また、上記の有機ケイ素化合物により疎水化処理された後100〜300℃の温度で熱処理された金属酸化物(酸化チタン等)粒子はアルコール系溶媒に分散させることが好適であるため、メトキシメチロール化ポリアミド樹脂などのアルコール可溶性ポリアミド樹脂がより好ましい。
本発明の電子写真感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。この様に、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層、その上に電荷輸送層を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層、その上に電荷発生層を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電性感光体である。
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質と電荷発生層用バインダー樹脂を含有するものが好ましい。さらに、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等があり、これらに限定されるものではない。好ましくは、チタニルフタロシアニン顔料である。これらの電荷発生物質は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂である。
本発明で形成される電荷輸送層は、電荷(正孔)輸送物質と電荷輸送層用バインダー樹脂とを含有して構成されることが好ましい。電荷輸送層は、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解させ、塗布して形成されたものが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、上記感光層上にさらに保護層を有していてもよい。保護層は、電子写真感光体を外部環境や衝撃から保護する役割を担っている。保護層が形成される場合には、当該保護層は、無機粒子およびバインダー樹脂(以下、「保護層用バインダー樹脂」という。)より構成されることが好ましく、必要に応じて酸化防止剤や滑剤などの他の成分が含有されていてもよい。
本発明の電子写真感光体の製造方法としては、上記したように、中間層の形成に、有機ケイ素化合物により疎水化処理後100〜300℃の温度で熱処理した金属酸化物粒子を用いること以外は、特に制限はなく、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層および電荷輸送層、または単層の感光層、必要に応じて保護層の各層を形成しうる塗布液を調製し、塗布液を順に公知の塗布方法により塗布し、乾燥させて各層を順に形成することができる。塗布方法としては、具体的には、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンコート法、ビードコート法、ブレードコート法、ビームコート法、円形量規制型塗布法(スライドホッパー型塗布装置を用いた塗布方法)等が挙げられる。円形量規制型塗布法は、例えば特開昭58−189061号公報などに詳細に記載されている。
中間層を形成するには、上記したように、有機ケイ素化合物により疎水化処理後100〜300℃の温度で熱処理した金属酸化物粒子を用いること以外は、特に制限はないが、例えば以下のような方法を用いることができる。まずバインダー樹脂を溶媒中に溶解または分散させ、次いで、この分散液に上記した有機ケイ素化合物により疎水化処理後100〜300℃の温度で(好ましくは1〜8時間)熱処理した金属酸化物粒子を添加し、均一になるまで分散させ、分散液を調製する。その後、この分散液を一昼夜程度静置し、濾過して、中間層形成用塗布液(好ましくは沸点100℃以下の炭素数4以下の1価アルコールを50体積%以上含有する中間層形成用塗布液)を調製する。次いで、この塗布液を上記の方法で導電性支持体上に塗布し、乾燥させることで中間層を形成する。
中間層の形成に用いる金属酸化物粒子は、有機ケイ素化合物により疎水化処理後100〜300℃の温度で熱処理したものを用いる。これは、通常、金属酸化物(酸化チタン等)粒子表面には、上記疎水化処理後にも多くの水酸基が存在する。そのため、こうした通常の金属酸化物粒子を用いた場合、金属酸化物の粒子表面に存在する過剰な水酸基と上記溶媒の水酸基との作用で、凝集チックな現象が生じて塗布性が乱れ、該中間層を持つ電子写真感光体を用いて画像形成した場合に、画像ムラになる恐れがあった。本発明では、金属酸化物(酸化チタン等)粒子を、有機ケイ素化合物により疎水化処理後100〜300℃の温度で熱処理することで、粒子表面の余分な水酸基を除くことで、上記溶媒の水酸基との作用で凝集チックな現象が生じるのを防止することができ、塗布性を良好にすることができる。その結果、該中間層を有する電子写真感光体を用いて電子写真画像を形成した場合に、画像欠陥のない良好な画像を得ることができる。また金属酸化物粒子表面の過剰な水酸基を除くことで、水分を抱き込み難くなり、環境変動下時(温湿度条件が異なる環境下で)の感度変動(画像変動)が小さく、環境下感度安定性に優れた電子写真感光体を提供することもできる。
電荷発生層を形成するには、電荷発生層用バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に、電荷発生物質を添加し、分散機等を使用して分散させて塗布液を調製する。次いで、塗布液を上記した塗布方法で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して電荷発生層を作製することが好ましい。また、電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層の感光層を形成する場合にも、電荷発生層の形成と同様の方法で感光層を形成することができる。
電荷輸送層を形成するには、電荷輸送層用バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に、電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製する。次いで、塗布液を上記した塗布方法で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して電荷輸送層を作製することが好ましい。
保護層の形成方法も、上記中間層の形成方法等と同様の方法を採用できる。保護層を形成する成分を溶媒中に分散または溶解させて塗布液を調製し、上記の塗布方法で所望の厚さになるように塗布液を塗布し、乾燥させて保護層を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、少なくとも本発明の電子写真感光体を有するものである。
以下に、金属酸化物粒子を有機ケイ素化合物により疎水化処理して疎水化処理金属酸化物粒子の12種類のサンプルを作製した。
数平均一次粒子径35nmのルチル型酸化チタンにシリカ、アルミナ処理を施した無機処理酸化チタン(MT−500SA;テイカ(株)製)500質量部と、メチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS;(KF9901信越化学工業(株)製))13質量部、トルエン1500部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留待問25分、温度35℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減庄蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子1を得た。
疎水化処理酸化チタン粒子1の作製において、MHPS13質量部をヘキシルトリメトキシシラン54質量部に変更した以外は、疎水化処理酸化チタン粒子1と同様にして、疎水化処理酸化チタン粒子2を得た。
疎水化処理酸化チタン粒子1の作製において、酸化チタンではなく、酸化錫(CIKナノテック社製の下記特性を有する酸化錫)を用いた以外は同じ方法で疎水化処理した疎水化処理酸化錫粒子3を得た。ここで、上記酸化錫には、数平均一次粒子径20nm、体積抵抗率1.05×105(Ω・cm)の特性を有するものを用いた。
数平均一次粒子径15nmのルチル型酸化チタンにシリカ、アルミナ処理を施した無機処理酸化チタン(MT−100SA;テイカ(株)製)500質量部と、MHPS30質量部と、トルエン1300質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間40分、温度35℃の条件で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子4を得た。
疎水化処理酸化チタン粒子4の作製において、MHPS30質量部を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503;信越化学工業(株)製)95質量部に変更した以外は、疎水化処理酸化チタン粒子4と同様にして、疎水化処理酸化チタン粒子5を得た。
数平均一次粒子径35nmのルチル型酸化チタン500質量部をトルエン2000質量部と撹拌混合し、MHPS13質量部を添加し、50℃で3時間撹拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、130℃で3時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子6を得た。
数平均一次粒子径15nmのルチル型酸化チタン500質量部と、MHPS30質量部と、トルエン1300質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間40分、温度35℃の条件で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離徐去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子7を得た。
疎水化処理酸化チタン粒子7の作製において、MHPS30質量部を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503;信越化学工業(株)製)100質量部に変更した以外は、疎水化処理酸化チタン粒子7と同様にして、疎水化処理酸化チタン粒子8を得た。
疎水化処理酸化チタン粒子7の作製において、MHPS30質量部をp−スチリルトリメトキシシラン100質量部に変更した以外は、疎水化処理酸化チタン粒子7と同様にして、疎水化処理酸化チタン粒子9を得た。
疎水化処浬酸化チタン粒子7の作製において、MHPS30質量部を3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン90質量部に変更した以外は、疎水化処理酸化チタン粒子7と同様にして、疎水化処理酸化チタン粒子10を得た。
数平均一次粒子径35nmのルチル型酸化チタン粒子(テイカ社製MT−500B)70質量部を、水1000質量部に分散させ、撹拌および懸濁させた。得られた酸化チタン粒子の水性懸濁液5Lに、苛性ソーダを添加してpH9.0以上とした。次いで、200g/lのケイ酸ソーダ水溶液を175ml(SiO2が酸化チタン粒子に対して10質量%となる量)添加して、80℃まで昇温した後、硫酸を3時間かけて滴下し、pH6.5となるように中和した。得られた溶液をろ過した後、洗浄、250℃にて2時間乾燥し、シリカ処理酸化チタン粒子11を得た。次いでシリカ処理酸化チタン粒子500質量部とメチルハイド口ジェンポリシロキサン(MHPS;(KF9901信越化学工業(株)製))13質量部、トルエン1500質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間25分、温度35℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子11を完成させた。
数平均一次粒子径30nmのアナタース(アナターゼ)型酸化チタン500質量部と、MHPS15質量部と、トルエン1800質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間60分、温度35℃の条件で、湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、疎水化処理酸化チタン粒子12を得た。
上記のように得られた疎水化処理酸化チタン粒子1、2、4〜12及び疎水化処理酸化錫粒子3を、下記表2に記載の熱処理条件で熱処理する際に、各疎水化処理金属酸化物粒子(疎水化処理酸化チタン粒子1、2、4〜12ないし疎水化処理酸化錫粒子3)をそれぞれバットになるべく平らな状態で入れ、以下に記載の所定の温度、時間にて、オーブンで熱処理を行い、各熱処理金属酸化物粒子を作製した。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を熱処理することなく、そのまま、金属酸化物粒子1として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、95℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子1を作製し、金属酸化物粒子2として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、305℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子2を作製し、金属酸化物粒子3として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、100℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子3を作製し、金属酸化物粒子4として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、300℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子4を作製し、金属酸化物粒子5として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、110℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子5を作製し、金属酸化物粒子6として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、290℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子6を作製し、金属酸化物粒子7として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で5時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子7を作製し、金属酸化物粒子8として用いた。
上記で得られた熱処理酸化チタン粒子7と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子9として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化錫粒子3を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で5時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化錫粒子8を作製した。この熱処理酸化錫粒子8と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子10として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で0.5時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子9を作製した。この熱処理酸化チタン粒子9と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子11として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で1時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子10を作製した。この熱処理酸化チタン粒子10と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子12として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で8時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子11を作製した。この熱処理酸化チタン粒子11と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子13として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で8.5時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子12を作製した。この熱処理酸化チタン粒子12と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子14として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子13を作製した。次に、上記で得られた熱処理酸化チタン粒子7と、上記で得られた熱処理酸化チタン粒子13を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子15として用いた。
サンプル16(実施例13)〜サンプル22(実施例19)及びサンプル30(実施例27)〜サンプル31(実施例28)に用いる金属酸化物粒子には、いずれも上記で得られた金属酸化物粒子9を用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子4を、バットになるべく平らな状態で入れ、270℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子14を作製した。この熱処理酸化チタン粒子14と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、体積比で7/3となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子23として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子5を、バットになるべく平らな状態で入れ、200℃で7時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子15を作製した。同様に、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子1を、バットになるべく平らな状態で入れ、220℃で6時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子16を作製した。これらの熱処理酸化チタン粒子15と熱処理酸化チタン粒子16を、体積比で2/8となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子24として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子6を、バットになるべく平らな状態で入れ、230℃で4時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子17を作製した。この熱処理酸化チタン粒子17と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子5を、体積比で4/6となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子25として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子2を、バットになるべく平らな状態で入れ、170℃で6時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子18を作製した。同様に、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子8を、バットになるべく平らな状態で入れ、140℃で2時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子19を作製した。これらの熱処理酸化チタン粒子18と熱処理酸化チタン粒子19を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子26として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子9を、バットになるべく平らな状態で入れ、230℃で4時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子20を作製した。同様に、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子7を、バットになるべく平らな状態で入れ、240℃で4時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子21を作製した。これらの熱処理酸化チタン粒子20と熱処理酸化チタン粒子21を、体積比で3/7となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子27として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子10を、バットになるべく平らな状態で入れ、200℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子22を作製した。この熱処理酸化チタン粒子22と、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子6を、体積比で6/4となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子28として用いた。
上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子11を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で5時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子23を作製した。同様に、上記で得られた疎水化処理酸化チタン粒子12を、バットになるべく平らな状態で入れ、160℃で3時間、オーブンで熱処理を行い、熱処理酸化チタン粒子24を作製した。これらの熱処理酸化チタン粒子23と熱処理酸化チタン粒子24を、体積比で5/5となるようにバットの中で混合した。得られた混合物を金属酸化物粒子29として用いた。
以下の手順により、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成してなる積層構造を有する「感光体1」を作製した。
長さ362mmのアルミニウム合金製素管をNC施盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて、外径59.95mm、表面のRzjisが1.2μmになるように切削加工を行った。
〈中間層の形成〉
バインダー樹脂としての下記ポリアミド樹脂(N−1)100質量部を、エタノール(EtOH)/n−プロピルアルコール(nPrOH)/テトラヒドロフラン(THF)(体積比6/2/2)の混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で攪拌混合した。この溶液に、上記で得られた金属酸化物粒子1を185質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた(金属酸化物粒子1/バインダー樹脂の体積は80/100)。そして、この溶液を一昼夜静置した後、ろ過することにより、中間層用塗布液を得た。ろ過は、ろ過フィルタとして、公称ろ過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた中間層塗布液を、前記導電性支持体(Al製パイプ)を洗浄した後の外周に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分乾燥して乾燥膜厚2μmの「中間層」を形成した。
(CG−1の合成)
1,3−ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラ−n−ブトキシドとから粗チタニルフタロシアニンを合成した。得られた粗チタニルフタロシアニンを硫酸に溶解させた溶液を、水に注入して結晶を析出させた。この溶液を濾過した後、得られた結晶を水で十分に洗浄して、ウエットペースト品を得た。次いで、ウエットペースト品を冷凍庫にて凍結させ、再度解凍した後、濾過および乾燥して、無定型チタニルフタロシアニンを得た。
下記成分を混合し、循環式超音波ホモジナイザーRUS−600TCVP(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)にて循環流量40L/Hで0.5時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法により中間層上に塗布した後、乾燥させて、厚さ0.5μmの電荷発生層を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 400部。
下記成分を混合して電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、中間層と同様の浸漬塗布法により電荷発生層上に塗布した後、乾燥させて、厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。これにより電子写真感光体(感光体4;サンプル4)を得た。
ポリカーボネート「Z300(三菱ガス化学社製)」 300.0部
酸化防止剤「Irganox1010(BASFジャパン社製)」 6.0部
テトラヒドロフラン/トルエン混合液(体積比;3/1) 2000.0部
シリコーンオイル「KF−54(信越化学社製)」 1.0部。
〈感光体2〜31の作製〉
感光体1の中間層に含まれる金属酸化物粒子1を、下記表2の様に、上記で作製した金属酸化物粒子2〜29に、それぞれ変更し、中間層の形成に使用した中間層用塗布液に含まれる溶媒の種類(EtOH/nPrOH/THF)と混合比(EtOH/nPrOH/THF=体積比6/2/2)を、下記表2の様に、それぞれ変更した混合溶媒を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例2〜3および実施例1〜28の電子写真感光体(感光体2〜31)をそれぞれ作製した。なお、表2には、熱処理に適用した疎水化処理酸化チタン粒子や疎水化処理酸化錫粒子の熱処理温度とその熱処理時間と、2種の熱処理酸化チタン粒子の混合比、或いは熱処理酸化チタン粒子ないし熱処理酸化錫粒子と疎水化処理酸化チタン粒子の混合比も併せて表2に示している。また中間層の形成に使用した中間層用塗布液に含まれる溶媒の種類と比率(体積比)も併せて表2に示している。
実施例1〜28および比較例1〜3で得た電子写真感光体(感光体1〜31)をそれぞれ搭載した、コニカミノルタビジネステクノジーズ社(購入時)製bizhub PRO C6501(レーザー露光780nm、反転現像、中間転写体のタンデムカラー複合機)を用いて、評価した。
高温高湿環境(温度30℃、湿度80%RH)にて、上機の改造機(上機の現像手段を外し、その位置に、表面電位計を設置し、感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2:μJ/cm2)を求めた。同様に低温低湿環境(温度10℃、湿度15%RH)下での感度も求め、その差(低温低湿環境の感度−高温高湿環境の感度)を求めた。その差が小さい方が良好である。得られた結果を表2に示す。
上機にて、全画面の20%、60%を被覆する600dpiの網状スクリーン画像を作製し、以下の評価基準により評価した。評価環境は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に5万枚等の画出し耐刷試験を行い、その直後にべた白画像を画出しして、画像欠陥の発生の有無を下記評価基準により評価した。得られた結果を表2に示す。
○:斑点状の画像欠陥の発生がA4紙中に5個以下で、斑点の大きさも0.2mmΦ
以下であり、実用上問題ないレベル
△:斑点状の画像欠陥の発生がA4紙中に6個以上10個以下で、斑点の大きさも
0.2mmΦ以下であり、実用上問題ないレベル
×:斑点状の画像欠陥の発生がA4紙中に11個以上、或いは、斑点の大きさが0.
2mmΦより大きく、実用上問題となるレベル。
上記において、実施例1〜28および比較例1〜3の電子写真感光体(感光体1〜31)の製造段階で、それぞれの中間層用塗布液を導電性支持体外周に塗布した各サンプルを目視にて、以下の判定をした。得られた結果を表2に示す。
○:1000lxの蛍光灯下で塗布面を観察すると、僅かにムラが見られるが、50
0lxの室内下では見えない。また何れの照度でも異物はない。実質問題なし
△:1000lxの蛍光灯下で塗布面を観察すると、僅かにムラと異物が見られる
が、500lxの室内下では何れも見えない。実質問題なし
×:1000lxの蛍光灯下と500lxの室内下で布面を観察すると、ムラと異物
がはっきり見られる。実害あり。
実施例1〜28および比較例1〜3で得た電子写真感光体(感光体1〜31)をそれぞれ搭載した、コニカミノルタビジネステクノジーズ社(購入時)製bizhub PRO C6501(レーザー露光780nm、反転現像、中間転写体のタンデムカラー複合機)を用いて、30万枚のプリントを行った。
B:ΔViは、耐刷前は20V以下、耐刷後は20V超30V以下であり、画像上では影響なし
C:ΔViは、耐刷前は20V超30V以下、または、耐刷前は20V以下かつ耐刷後は30V超で制御装置にて画像形成に影響を及ぼさないレベル
D:ΔViは、耐刷前から30V超であり、画像上濃度変化が避けられないレベル。
110Y、110M、110C、110Bk 画像形成ユニット、
111Y、111M、111C、111Bk 電子写真感光体、
113Y、113M、113C、113Bk 帯電手段、
115Y、115M、115C、115Bk 露光手段、
117Y、117M、117C、117Bk 現像手段、
119Y、119M、119C、119Bk クリーニング手段、
130 無端ベルト状中間転写体ユニット、
131 無端ベルト状中間転写体、
133Y、133M、133C、133Bk 一次転写ローラ(転写手段)、
135 クリーニング手段、
137A、137B、137C、137D ローラ、
150 給紙搬送手段、
170 定着手段、
200 プロセスカートリッジ、
201 筐体、
203R、203L 支持レール、
211 給紙カセット、
213A、213B、213C、213D 中間ローラ、
215 レジストローラ、
217 二次転写ローラ(転写手段)、
219 排紙ローラ、
221 排紙トレイ、
D 電子写真感光体の回転軸方向、
P 転写材、
SC 原稿画像読み取り装置。
Claims (7)
- 導電性支持体上に、中間層および感光層を有する電子写真感光体において、
前記中間層が、
有機ケイ素化合物により疎水化処理された後100〜300℃の温度で熱処理された金属酸化物粒子の少なくとも1種と、
バインダー樹脂と、を含有することを特徴とする電子写真感光体。 - 前記熱処理が、1〜8時間の範囲でなされていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記中間層に、前記金属酸化物粒子を2種以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が、前記疎水化処理及び前記熱処理された酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記中間層が、沸点100℃以下の炭素数4以下の1価アルコールを50体積%以上含有する塗布液により形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を作製することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
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