JP2015105495A - 軌道用レール締結装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軌道スラブの段差部から溝部にかけて設置されるタイプレートと、軌道スラブとタイプレートとの間に介挿される絶縁板と、タイプレートと絶縁板との間に着脱可能に介挿されるレール高さ調整部材と、タイプレートを絶縁板とともに軌道スラブの段差部に固定するためのボルトとを備え、タイプレートは、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片と、板ばねを保持する保持部とを有し、底壁が軌道スラブの溝内に位置するように軌道スラブ上にタイプレートが載置された状態で、一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成した。
【選択図】図2
Description
一方、直結系軌道には、図8(A)に示すように、軌道スラブ表面に台形状の枠が形成された枠型スラブや、図8(B)に示すように、軌道スラブ表面に溝が形成された平板スラブがあり、スラブ上にレールを締結する際には、直結4形レール締結装置と呼ばれるタイプレートを用いない締結装置が使用されていた。
しかしながら、従来の直結4形レール締結装置は、スラブ軌道の溝部形状により寸法上の制約があり、地震等で軌道変位が生じた場合、軌道変位の調整量に応じて様々な部材を交換する必要がある上、調整量が充分でないという課題があった。
レールの底部に当接してレールを固定するための板ばねを備え、レール延設方向に沿った溝を有する軌道スラブ上に敷設されるレールを締結する直結系軌道用レール締結装置において、
軌道スラブの段差部から溝部にかけて設置されるタイプレートと、
軌道スラブと前記タイプレートとの間に介挿される絶縁板と、
前記タイプレートと前記絶縁板との間に介挿可能なレール高さ調整部材と、
前記タイプレートを前記絶縁板とともに前記軌道スラブの段差部に固定するためのボルトと、
を備え、
前記タイプレートは、
軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片と、前記板ばねを保持する保持部と、を有し、
前記底壁が軌道スラブの溝内に位置するように軌道スラブ上に前記タイプレートが載置された状態で、前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成した。
ここで、軌道スラブの溝は、連続的な溝はもちろんのこと断続的な溝であっても良い。すなわち、軌道スラブは、平板スラブまたは枠型スラブのいずれであっても良い。
前記絶縁板は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記一対の支持片に対応する分割絶縁板は、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有するように形成され、
前記タイプレートの前記一対の支持片は、前記絶縁板の傾きとは逆方向の傾きを有するように形成されることで前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成する。
また、タイプレートの支持片を側壁に対して直角となるように形成することで、タイプレートを軌道スラブの溝内に載置した際に、支持片が軌道スラブの段差部の上面に対して傾斜した姿勢となったとしても、支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるようにすることができ、それによって固定用のボルトを段差部の上面に対して直角な姿勢で締結させることができる。
これによって、レール高さ調整部材を、強度は高いが曲げ加工や複雑な形状の形成が困難な複合材料で構成したい場合に、レール高さ調整部材を単純な形状にすることができ、コストアップを回避することができる。
なお、本実施形態の軌道用レール締結装置は、軌道スラブの表面に台形状の枠が形成された図8(A)に示すような枠型スラブ、または軌道スラブ表面に溝が形成された図8(B)に示すような平板スラブのいずれにも適用可能であり、枠型スラブ用と平板スラブ用とでは、タイプレートの形状が異なるだけで、構成自体はほぼ同じである。
よって、以下、平板スラブ用レール締結装置について説明し、枠型スラブ用レール締結装置については図示および説明を省略する。
軌道スラブ200は、図2に示すように、レール30が載置される部位に溝210が設けられており、本実施形態におけるタイプレート11は該溝210とほぼ同一の高さを有し、両側支持片11a1,11a2が溝の両側の段差部の表面に載置されるように形成されている。図3(A)にタイプレート11の平面図を、図3(B)にタイプレート11の正面図を、図3(C)にタイプレート11の側面図を示す。
また、軌道スラブ200の溝210の底面はスラブの中央側(図では左側)に向って1:40の勾配で下り傾斜されている(段差部の表面は水平である)ため、タイプレート11の底壁11bは、左右の側壁の高さを異ならせることで溝210の底面の傾斜に対応して傾斜されている。なお、2本のレールのうち図示しない反対側のレールが載置される溝の底面は逆方向(図では右方向)に向って下り傾斜されているため、反対側の溝においては、タイプレートが、図1とは左右逆向きで配置、もしくは図1のものと左右対称な形状に形成されることとなる。タイプレート11は、金属製であり、例えばFCD(球状黒鉛鋳鉄)により形成される。
スラブの溝210にインサートアンカーを埋設しておいて、絶縁板13Cをボルトで固定しても良い。また、可変パッド12と絶縁板13Cの設置順序は逆、すなわち可変パッド12が下側であっても良い。
本実施形態では、絶縁板を3分割して3枚の絶縁板13A,13B,13Cで構成しているが、一体のものとして形成することも可能である。絶縁板を3分割することによって、スラブ側に寸法バラツキが生じている場合に、絶縁板の厚みを調整することで寸法バラツキを吸収することができる。また、SMCやFRPにより複雑な形状の部品を形成すると製造コストが高くなるが、3分割することでコストアップを回避することができる。なお、絶縁板13A,13Bには、スラブ段差部の側面に接触して左右方向の位置決めをするための垂下片13Aa,13Baがスラブの溝側の辺に沿って形成されているとともに、平坦な部分には後述の固定用六角ボルト40に対応する位置にボルト挿通孔13Ab,13Bbが形成されている。
可変パッド12は、柔軟性を有する合成樹脂製の袋体であって、その中に注入する硬化性の樹脂の注入量を調整することでスラブおよび部材の公差によって生じる締結装置毎に異なる隙間を埋めるために設けられている。軌道パッド14は、例えば、ゴム板の上面にステンレス鋼板が固着された部材で構成され、レールに作用する衝撃を吸収したり、温度変化に応じて伸縮するレールを滑り易くしたりするために設けられる。
具体的には、両側支持片11a1,11a2の上面に絶縁板13a,13bとは逆に傾く1:40の勾配を設けることで、外側支持片11a1は外側(図では右側)に向うほど厚みが小さくなるように形成するとともに、内側支持片11a2は外側(図では左側)に向うほど厚みが大きくなるように形成してある。
これによって、タイプレート11をスラブの溝210内に設置した際に、両側支持片11a,11bの上面が水平となり、六角ボルト40がスラブの段差部上面に対して垂直となるように六角ボルト40を締結して、タイプレート11を強固に固定できるようになる。六角ボルト40は、レール30の両側方にそれぞれ設けられる。
図5(A)にカバープレート15を下面側から見た斜視図を示す。図5(A)に示されているように、カバープレート15の下面には、六角ボルト40のネジ部が挿通可能な穴15aが形成されているとともに、該穴の縁部にはタイプレート11の長穴Ha1(Ha2)に係合することでボルト締付けの際の連れ回りを防止するための突起15bが形成されている。
そして、タイプレート11上に取り付けられた一対の板ばね50の一端がレール30の底部(下部フランジ)の上面に当接しそれを下方へ向かって押圧することによって、レール30がタイプレート11上に固定されるとともに転倒が防止されるようになっている。
これに対し、上記実施形態では、タイプレート11を、軌道スラブの段差部に向かって延在する一対の支持片11a1,11a2を有する軌道スラブの溝に対応した形状としたことにより、支持片11a1,11a2と軌道スラブの段差部との間に挿入したこう上板19A,19Bによってタイプレート11が横滑りするのを防止することができるようになる。
また、レール高さ調整部材としてのこう上板を3分割したことにより、強度は高いが曲げ加工や複雑な形状の形成が困難な複合材料でこう上板19A〜19Cを構成する場合に、レール高さ調整部材を単純な形状にすることができ、コストアップを回避することができる。
本実施形態に係る軌道用レール締結装置100を使用してレールを締結する場合、先ずスラブ200の段差部221,222の表面の所定位置にドリルで穴を開けて埋込栓41を新設する(ステップS1)。続いて、スラブ200の段差部221,222の上面および溝210内に絶縁板13A,13B,13Cを設置する(ステップS2)。その後、絶縁板13Cの上に可変パッド12を設置する(ステップS3)。ステップS2とS3は逆であっても良い。
上記のような作業手順によって、前記実施形態の軌道用レール締結装置100を所望のレール高さに設定した状態で効率よく組み立てることができる。
11a1,11a2 両側支持片
11b 底壁
11c1,11c2 ガイド部
13 絶縁板
12 可変パッド
13 絶縁板
14 軌道パッド
19 こう上板
30 レール
40 六角ボルト
41 埋設栓
50 板ばね
51 締結ボルト
100 軌道用レール締結装置
200 軌道スラブ
210 軌道スラブの溝
221,222 軌道スラブの段差部
Claims (4)
- レールの底部に当接してレールを固定するための板ばねを備え、レール延設方向に沿った溝を有する軌道スラブ上に敷設されるレールを締結する直結系軌道用レール締結装置であって、
軌道スラブの段差部から溝部にかけて設置されるタイプレートと、
軌道スラブと前記タイプレートとの間に介挿される絶縁板と、
前記タイプレートと前記絶縁板との間に介挿可能なレール高さ調整部材と、
前記タイプレートを前記絶縁板とともに前記軌道スラブの段差部に固定するためのボルトと、
を備え、
前記タイプレートは、
軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片と、前記板ばねを保持する保持部と、を有し、
前記底壁が軌道スラブの溝内に位置するように軌道スラブ上に前記タイプレートが載置された状態で、前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されていることを特徴とする軌道用レール締結装置。 - 前記絶縁板は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記一対の支持片に対応する分割絶縁板は、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有するように形成され、
前記タイプレートの前記一対の支持片は、前記絶縁板の傾きとは逆方向の傾きを有するように形成されることで前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の軌道用レール締結装置。 - 前記レール高さ調整部材は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記タイプレートの底壁および一対の支持片と前記分割絶縁板との間に介挿可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の軌道用レール締結装置。
- 前記タイプレートの一対の支持片には、前記ボルトが挿通可能であってレールの幅方向に長い長穴がそれぞれ形成され、前記ボルトの頭部と前記一対の支持片との間にそれぞれ介挿される一対のカバー部材を備え、該一対のカバー部材には、前記長穴に係合されることで前記ボルトが回転される際の連れ回りを防止可能な突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の軌道用レール締結装置。
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