JP6204169B2 - 軌道用レール締結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道の軌道におけるレール締結装置に関し、特に軌道スラブ上に敷設されるレールを締結する直結系軌道用レール締結装置に関する。
従来、鉄道の軌道には、枕木によってレールを支持するバラスト軌道と、レールをコンクリート板軌道スラブ上に敷設してレール締結装置で固定する直結系軌道とがある。直結系軌道はバラスト軌道と比較して省メンテナンスであるという利点を有するが、地震等の発生で締結装置の調整量以上の軌道変位が生じた場合、下部構造(コンクリート板軌道スラブ+セメントアスファルトモルタル)を含めた大規模な復旧工事が必要となり時間を要するという課題がある。
なお、従来、軌道上にレールを敷設する場合、枕木上にタイプレートを固定し、そのタイプレート上に軌道パッド等を介してレールを載置し、板ばねなどを有するレール締結装置によってタイプレートにレールを固定するようにしているものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平09−184101号公報 特許第3984807号公報 特許第4837412号公報
上記特許文献1〜3に記載されているようなタイプレートを使用した従来のレール締結装置は、枕木上にレールを締結する際に使用されるもので、使用するタイプレートは平板状のものであった。
一方、直結系軌道には、図8(A)に示すように、軌道スラブ表面に台形状の枠が形成された枠型スラブや、図8(B)に示すように、軌道スラブ表面に溝が形成された平板スラブがあり、スラブ上にレールを締結する際には、直結4形レール締結装置と呼ばれるタイプレートを用いない締結装置が使用されていた。
しかしながら、従来の直結4形レール締結装置は、スラブ軌道の溝部形状により寸法上の制約があり、地震等で軌道変位が生じた場合、軌道変位の調整量に応じて様々な部材を交換する必要がある上、調整量が充分でないという課題があった。
本発明は上記のような課題に着目したなされたもので、その目的とするところは、表面に溝が形成された軌道スラブ上にレールを締結するための軌道用レール締結装置において、軌道変位が生じた場合に、比較的容易に高さや位置を調整できるとともに、従来に比べてより大きな調整を行うことができるようにすることにある。
上記目的を達成するため、この発明は、
レールの底部に当接してレールを固定するための板ばねを備え、レール延設方向に沿った溝を有する軌道スラブ上に敷設されるレールを締結する直結系軌道用レール締結装置において、
軌道スラブの段差部から溝部にかけて設置されるタイプレートと、
軌道スラブと前記タイプレートとの間に介挿される絶縁板と、
前記タイプレートと前記絶縁板との間に介挿可能なレール高さ調整部材と、
前記タイプレートを前記絶縁板とともに前記軌道スラブの段差部に固定するためのボルトと、
を備え、
前記タイプレートは、
軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片と、前記板ばねを保持する保持部と、を有し、
前記底壁が軌道スラブの溝内に位置するように軌道スラブ上に前記タイプレートが載置された状態で、前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成した。
上記した手段によれば、軌道スラブの溝に対応した形状のタイプレートを使用することにより、絶縁板とタイプレートとの間にレール高さ調整部材としてのこう上板を介挿することで、軌道変位が生じた場合に、比較的容易に高さや位置を調整できるとともに、従来に比べてより大きな調整を行うことができる。
ここで、軌道スラブの溝は、連続的な溝はもちろんのこと断続的な溝であっても良い。すなわち、軌道スラブは、平板スラブまたは枠型スラブのいずれであっても良い。
また、上記した手段によれば、タイプレートは、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片とを有し、一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されているので、タイプレートを軌道スラブの段差部に固定するためのボルトを、段差部の上面に対して直角な姿勢で締結させることができ、それによって強固な固定が可能となる。
また、望ましくは、
前記絶縁板は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記一対の支持片に対応する分割絶縁板は、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有するように形成され、
前記タイプレートの前記一対の支持片は、前記絶縁板の傾きとは逆方向の傾きを有するように形成されることで前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成する。
上記した手段によれば、絶縁板を、タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割して構成することになるので、強度は高いが曲げ加工や複雑な形状の形成が困難な複合材料で構成したい場合に、絶縁板を単純な形状にすることができ、コストアップを回避することができる。
また、タイプレートの支持片を側壁に対して直角となるように形成することで、タイプレートを軌道スラブの溝内に載置した際に、支持片が軌道スラブの段差部の上面に対して傾斜した姿勢となったとしても、支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるようにすることができ、それによって固定用のボルトを段差部の上面に対して直角な姿勢で締結させることができる。
さらに、望ましくは、前記レール高さ調整部材は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記タイプレートの底壁および一対の支持片と前記分割絶縁板との間に介挿可能に構成する。
これによって、レール高さ調整部材を、強度は高いが曲げ加工や複雑な形状の形成が困難な複合材料で構成したい場合に、レール高さ調整部材を単純な形状にすることができ、コストアップを回避することができる。
また、望ましくは、前記タイプレートの前記一対の支持片には、前記ボルトが挿通可能であってレールの幅方向に長い長穴がそれぞれ形成され、前記ボルトの頭部と前記一対の支持片との間にそれぞれ介挿され前記長穴の上方を覆う一対のカバー部材としてのを備え、該一対のカバー部材には、前記長穴に係合されることで前記ボルトが回転される際の連れ回りを防止可能な突起が設けられているように構成する。
上記した手段によれば、タイプレートの一対の支持片に長穴がそれぞれ形成されるので、タイプレートのレール幅方向への位置調整を容易に行なえる。また、長穴の上方を覆う一対のカバー部材としてのカバープレートを備え、カバープレートには連れ回りを防止可能な突起が設けられているので、固定用のボルトのネジ部への雨水の浸入を防止できるとともに、カバープレートが不所望な姿勢で取り付けられてしまうのを回避することができる。
本発明によれば、表面に溝が形成された軌道スラブ上にレールを締結するための軌道用レール締結装置において、軌道変位が生じた場合に、比較的容易に高さや位置を調整できるとともに、従来に比べてより大きな調整を行うことができるという効果がある。
本実施形態に係る軌道用レール締結装置100の構成を示す平面図である。 図1におけるA‐A線に沿った断面図である。 図3はタイプレートの構成例を示すもので、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 図4は絶縁板の構成例を示すもので、(A),(B),(C)は3分割された絶縁板それぞれの平面図、(a),(b),(c)は3分割された絶縁板それぞれの正面図である。 (A)はカバー部材としてのカバープレートを下面側から見た斜視図、(B)は板ばねを固定する締結ボルトの斜視図である。 こう上板の具体例を示す斜視図である。 本実施形態に係る軌道用レール締結装置を使用したレール締結作業の手順の一例を示すフローチャートである。 (A)は枠型スラブに軌道用レール締結装置を設置した例を示す斜視図、(B)は平板スラブに軌道用レール締結装置を設置した例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る軌道用レール締結装置の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態の軌道用レール締結装置は、軌道スラブの表面に台形状の枠が形成された図8(A)に示すような枠型スラブ、または軌道スラブ表面に溝が形成された図8(B)に示すような平板スラブのいずれにも適用可能であり、枠型スラブ用と平板スラブ用とでは、タイプレートの形状が異なるだけで、構成自体はほぼ同じである。
よって、以下、平板スラブ用レール締結装置について説明し、枠型スラブ用レール締結装置については図示および説明を省略する。
図1は本実施形態に係る軌道用レール締結装置100の構成を示す平面図、図2は図1におけるA‐A線に沿った断面図で、プレストレスト・コンクリート(Prestressed Concrete)製の軌道スラブ200上に固定した状態を示している。なお、以下の説明においては、レール延設方向を前後方向、レールの幅方向を左右方向と称する。
軌道スラブ200は、図2に示すように、レール30が載置される部位に溝210が設けられており、本実施形態におけるタイプレート11は該溝210とほぼ同一の高さを有し、両側支持片11a1,11a2が溝の両側の段差部の表面に載置されるように形成されている。図3(A)にタイプレート11の平面図を、図3(B)にタイプレート11の正面図を、図3(C)にタイプレート11の側面図を示す。
タイプレート11は、底壁11bと、左右の側壁、該側壁の上端から外側方へ延在する両側支持片11a1,11a2とを有するように構成されている。
また、軌道スラブ200の溝210の底面はスラブの中央側(図では左側)に向って1:40の勾配で下り傾斜されている(段差部の表面は水平である)ため、タイプレート11の底壁11bは、左右の側壁の高さを異ならせることで溝210の底面の傾斜に対応して傾斜されている。なお、2本のレールのうち図示しない反対側のレールが載置される溝の底面は逆方向(図では右方向)に向って下り傾斜されているため、反対側の溝においては、タイプレートが、図1とは左右逆向きで配置、もしくは図1のものと左右対称な形状に形成されることとなる。タイプレート11は、金属製であり、例えばFCD(球状黒鉛鋳鉄)により形成される。
また、タイプレート11の凹部の幅すなわちタイプレート11の左右の側壁の間隔は敷設されるレール30の底部(下部フランジ)の幅とほぼ同じ寸法に設定されている。そして、図1に示すように、タイプレート11の底壁11bの上面側には、左右の側壁と前後方向に連続するよう突壁である一対のガイド部11c1,11c2が設けられており、タイプレート11の左右の側壁間に軌道パッド14を介してレール30が載置され、左右の側壁と一対のガイド部11c1,11c2とによって、レール30が左右方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
一方、タイプレート11の底壁11bの下面とスラブの溝210の表面との間には、可変パッド12と絶縁板13Cとが介挿され、タイプレート11の側壁上端の両側支持片11a1,11a2とスラブ段差部221,222の表面との間には、絶縁板13A,13Bが介挿されている。絶縁板13A,13Bもスラブの中央側(図では左側)に向って1:40の勾配で下り傾斜するように形成されている。絶縁板13A,13B,13Cは、絶縁性材料であるSMC(軟磁性複合材料)により構成されている。材料はこれに限定されるものでなく、例えばFRP(繊維強化プラスチック)であってもよい。
スラブの溝210にインサートアンカーを埋設しておいて、絶縁板13Cをボルトで固定しても良い。また、可変パッド12と絶縁板13Cの設置順序は逆、すなわち可変パッド12が下側であっても良い。
図4(A),(B),(C)に絶縁板13A,13B,13Cの平面図を、図4(a),(b),(c)に絶縁板13A,13B,13Cの正面図を示す。
本実施形態では、絶縁板を3分割して3枚の絶縁板13A,13B,13Cで構成しているが、一体のものとして形成することも可能である。絶縁板を3分割することによって、スラブ側に寸法バラツキが生じている場合に、絶縁板の厚みを調整することで寸法バラツキを吸収することができる。また、SMCやFRPにより複雑な形状の部品を形成すると製造コストが高くなるが、3分割することでコストアップを回避することができる。なお、絶縁板13A,13Bには、スラブ段差部の側面に接触して左右方向の位置決めをするための垂下片13Aa,13Baがスラブの溝側の辺に沿って形成されているとともに、平坦な部分には後述の固定用六角ボルト40に対応する位置にボルト挿通孔13Ab,13Bbが形成されている。
さらに、各絶縁板13A,13B,13Cの縁部には、高さ数mmの段差部が設けられており、絶縁板上に載置される後述のこう上板19A,19Bや可変パッド12が前後方向や左右方向へずれるのを防止することができるようになっている。
可変パッド12は、柔軟性を有する合成樹脂製の袋体であって、その中に注入する硬化性の樹脂の注入量を調整することでスラブおよび部材の公差によって生じる締結装置毎に異なる隙間を埋めるために設けられている。軌道パッド14は、例えば、ゴム板の上面にステンレス鋼板が固着された部材で構成され、レールに作用する衝撃を吸収したり、温度変化に応じて伸縮するレールを滑り易くしたりするために設けられる。
さらに、本実施形態では、加工上の都合からタイプレート11の両側支持片11a,11bが底壁11bの面と平行になり両側支持片11a1,11a2と側壁との角度が左右で同一(約90°)となるように設計することとした。そのため、スラブの溝内にタイプレート11を設置した際に、そのままでは両側支持片11a1,11a2が傾いて固定用のボルトがスラブの段差部上面に対して傾くこととなる。そこで、これを回避すべく、両側支持片11a1,11a2とスラブ段差部221,222の表面との間に介挿する絶縁板13A,13Bに1:40の勾配を設けるとともに、両側支持片11a1,11a2の表面を水平とすることで、スラブの段差部上面に対して垂直に六角ボルト40を固定できるように工夫されている。
具体的には、両側支持片11a1,11a2の上面に絶縁板13a,13bとは逆に傾く1:40の勾配を設けることで、外側支持片11a1は外側(図では右側)に向うほど厚みが小さくなるように形成するとともに、内側支持片11a2は外側(図では左側)に向うほど厚みが大きくなるように形成してある。
また、スラブ段差部221,222の所定の位置には、表面と直角すなわち鉛直方向に埋設栓41を設けてある。埋設栓41は、コンクリートにドリルで穴を開け、内側に雌ネジ部を形成した金属製のインサートアンカーを挿入して接着剤で固定したもので、ボルトを螺合することが可能である。
これによって、タイプレート11をスラブの溝210内に設置した際に、両側支持片11a,11bの上面が水平となり、六角ボルト40がスラブの段差部上面に対して垂直となるように六角ボルト40を締結して、タイプレート11を強固に固定できるようになる。六角ボルト40は、レール30の両側方にそれぞれ設けられる。
さらに、本実施形態では、タイプレート11の両側支持片11a1,11a2に、六角ボルト40のネジ部が挿通可能な長穴Ha1,Ha2がそれぞれ形成されている。この長穴Ha1,Ha2はレールの延設方向と直交する方向すなわち図1において左右方向に長くなるように形成されており、タイプレート11をスラブの溝210の幅方向に位置調整することでレールを左右方向に位置調整できるように構成されている。
さらに、本実施形態では、上記長穴Ha1,Ha2より埋設栓41側へ雨水が入り込むのを防止するため、図2に示すように、長円形のカバープレート15が、絶縁カラー16、平座金17、ばね座金18等と共に、タイプレート11の両側支持片11a1,11a2の上面と六角ボルト40の頭部との間に介在されるように構成されている。
図5(A)にカバープレート15を下面側から見た斜視図を示す。図5(A)に示されているように、カバープレート15の下面には、六角ボルト40のネジ部が挿通可能な穴15aが形成されているとともに、該穴の縁部にはタイプレート11の長穴Ha1(Ha2)に係合することでボルト締付けの際の連れ回りを防止するための突起15bが形成されている。
また、タイプレート11の両側支持片11a1,11a2および左右の側壁は、図1に示すように、前後方向すなわちレールの延設方向に互いにずれるように設けられることで、長穴Ha1,Ha2が同一線上に並ぶように形成される一方、タイプレート11の底壁11bは支持片11a1,11a2がずれている分だけ前後幅が大きく形成されている。そして、タイプレート11の底壁の一対のガイド部11c1,11c2の外側近傍には、レール固定用の板ばね50を保持する保持部11d1,11d2が設けられ、ガイド部11c1,11c2には、図3(C)に示すように、板ばね50をタイプレート11に固定するための締結ボルト51の頭部が係合される切欠溝11e1(11e2)が形成されている。この切欠溝11e1(11e2)に、図5(B)に示すようなT字型の締結ボルト51の頭部51aが係合され、頭部と反対側のボルト先端部がガイド部11c1,11c2から上方に突き出た状態で設けられるようになっている。なお、締結ボルト51は、レール30の両側方にそれぞれ設けられる。
この締結ボルト51に、板ばね50に設けられている切欠き部50aを係合させた後、ロックナット52を締結ボルト51に螺着することで、板ばね50をタイプレート11に締結できるように構成されている。
そして、タイプレート11上に取り付けられた一対の板ばね50の一端がレール30の底部(下部フランジ)の上面に当接しそれを下方へ向かって押圧することによって、レール30がタイプレート11上に固定されるとともに転倒が防止されるようになっている。
図1および図2には示されていないが、本実施形態に係る軌道用レール締結装置100は、レールの高さを調整するために、タイプレート11と絶縁板13A,13B,13Cとの間に介在させるこう上板およびタイプレート11と軌道パッド14との間に介在させるレール調整パッキンが用意されてある。こう上板は例えばFRP(繊維強化プラスチック)で形成され、レール調整パッキンは硬質ゴムや可変パッドなどで形成される。
図6に、こう上板の斜視図を示す。こう上板も絶縁板13a,13b,13cと同様に、3分割して、右こう上板19A,左こう上板19B,中央こう上板19Cの3枚で構成するとともに、レール高さを5段階に調整できるようにするため、厚さ10mm,20mm,30mm,35mmの4種類を用意してある。さらに、レール調整パッキンを使用することによって0〜10mmの範囲で厚みを調整することができる。これにより、合計で0〜45mmの範囲でレールの高さを調整することができる。
なお、各こう上板19A,19B,19Cの形状は、図4に示す絶縁板13A,13B,13Cよりも単純で少し小さな形状とされている。また、左右のこう上板19A,19Bには、固定用の六角ボルト40に対応する位置にボルト挿通孔が形成されている。中央こう上板19Cは、その幅がタイプレート11の左側壁と右側壁の間隔とほぼ同一になるように設計されており、これによりタイプレート11の凹部にぴったりと収納され、横方向にずれるのが防止される。
以上説明したように、上記実施形態の軌道用レール締結装置100においては、軌道スラブの溝に対応した形状のタイプレート11を使用することにより、絶縁板13A〜13Cとタイプレート11との間にレール高さ調整部材としてのこう上板19A〜19Cを介挿することで、軌道変位が生じた場合に、比較的容易に高さや位置を調整できるとともに、従来に比べてより大きな調整を行うことができる。
また、レールの高さ調整のみを考えた場合には、タイプレート11を軌道スラブの溝に対応した幅を有する平板(側壁や両側支持片がない形態)とし、レールの下方にのみこう上板を挿入することも考えられる。しかし、そのようにした場合には、こう上板の厚みを厚くすると、レールに対して横方向荷重が作用した際に、タイプレート11が横滑りするのを充分に防止することが困難になるため、充分な高さ調整ができなくなる。
これに対し、上記実施形態では、タイプレート11を、軌道スラブの段差部に向かって延在する一対の支持片11a1,11a2を有する軌道スラブの溝に対応した形状としたことにより、支持片11a1,11a2と軌道スラブの段差部との間に挿入したこう上板19A,19Bによってタイプレート11が横滑りするのを防止することができるようになる。
さらに、上記実施形態では、タイプレート11が、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁11bと、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向かって延在する一対の支持片11a1,11a2とを有し、支持片11a1,11a2の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されているので、タイプレート11を軌道スラブの段差部に固定するボルト40を、段差部の上面に対して直角な姿勢で締結させることができ、それによって強固な固定が可能となる。
また、レール高さ調整部材としてのこう上板を3分割したことにより、強度は高いが曲げ加工や複雑な形状の形成が困難な複合材料でこう上板19A〜19Cを構成する場合に、レール高さ調整部材を単純な形状にすることができ、コストアップを回避することができる。
次に、本実施形態に係る軌道用レール締結装置100を使用したレール締結作業の手順について、図7のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態に係る軌道用レール締結装置100を使用してレールを締結する場合、先ずスラブ200の段差部221,222の表面の所定位置にドリルで穴を開けて埋込栓41を新設する(ステップS1)。続いて、スラブ200の段差部221,222の上面および溝210内に絶縁板13A,13B,13Cを設置する(ステップS2)。その後、絶縁板13Cの上に可変パッド12を設置する(ステップS3)。ステップS2とS3は逆であっても良い。
次に、絶縁板13A,13Bおよび可変パッド12の上に、埋込栓41の位置に長穴Ha1,Ha2が来るようにタイプレート11を設置し、六角ボルト40を長穴Ha1,Ha2を貫通させて埋込栓41に螺合させ、タイプレート11の左右方向の調整を行なってから、六角ボルト40を仮締結する(ステップS4)。なお、レールの高さが充分でない場合には、タイプレート11を設置する前に適当な厚みのこう上板19A〜19Cを選択して設置しておく。
その後、タイプレート11の底壁11B上に軌道パッド40を設置してから、軌道パッド40上にレール30を載置する(ステップS5)。なお、軌道パッド40にレール30を載せてからタイプレート11の左右方向の調整を行なっても良い。続いて、タイプレート11のガイド部11c1,11c2の切欠溝11e1,11e2に、締結ボルト51の頭部51aを係合させてから、係合板ばね50の切欠き50aを締結ボルト51に係合させつつ保持部11d1,11d2に板ばね50を載せ、締結ボルト51の先端にロックナット52を螺合させて所定量回すことで、板ばね50によるレールの仮締結を行なう(ステップS6)。
続いて、レール延設方向に設置した複数のレール締結装置100において所望の厚みの調整パッキンをレールの下へ挿入してレール面の整正を行なう(ステップS7)。その後、例えば350N・mのような締結トルクで六角ボルト40を緊締し(ステップS8)、締結ボルト51に螺合しているロックナット52を例えば60N・mのような締結トルクで緊締する(ステップS9)。その後、可変パッド12に樹脂を注入して組み立て作業を完了する(ステップS10)。
上記のような作業手順によって、前記実施形態の軌道用レール締結装置100を所望のレール高さに設定した状態で効率よく組み立てることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、埋設栓41と六角ボルト40でタイプレート11の両側支持片を固定しているが、埋設栓41の代わりに、アンカーボルトをスラブ段差部に、ネジ部先端がスラブ上面に突き出た状態で植設しておいて、該アンカーボルトにナットを螺合させるによって、タイプレートをスラブ上に固定するように構成しても良い。
11 タイプレート
11a1,11a2 両側支持片
11b 底壁
11c1,11c2 ガイド部
13 絶縁板
12 可変パッド
13 絶縁板
14 軌道パッド
19 こう上板
30 レール
40 六角ボルト
41 埋設栓
50 板ばね
51 締結ボルト
100 軌道用レール締結装置
200 軌道スラブ
210 軌道スラブの溝
221,222 軌道スラブの段差部

Claims (4)

  1. レールの底部に当接してレールを固定するための板ばねを備え、レール延設方向に沿った溝を有する軌道スラブ上に敷設されるレールを締結する直結系軌道用レール締結装置であって、
    軌道スラブの段差部から溝部にかけて設置されるタイプレートと、
    軌道スラブと前記タイプレートとの間に介挿される絶縁板と、
    前記タイプレートと前記絶縁板との間に介挿可能なレール高さ調整部材と、
    前記タイプレートを前記絶縁板とともに前記軌道スラブの段差部に固定するためのボルトと、
    を備え、
    前記タイプレートは、
    軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有する底壁と、該底壁の両側部に設けられた一対の側壁と、該一対の側壁の上端から軌道スラブの段差部の上面に向けて延在する一対の支持片と、前記板ばねを保持する保持部と、を有し、
    前記底壁が軌道スラブの溝内に位置するように軌道スラブ上に前記タイプレートが載置された状態で、前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されていることを特徴とする軌道用レール締結装置。
  2. 前記絶縁板は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記一対の支持片に対応する分割絶縁板は、軌道スラブの溝の傾斜に対応した傾きを有するように形成され、
    前記タイプレートの前記一対の支持片は、前記絶縁板の傾きとは逆方向の傾きを有するように形成されることで前記一対の支持片の上面が軌道スラブの段差部の上面と平行となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の軌道用レール締結装置。
  3. 前記レール高さ調整部材は、前記タイプレートの底壁および一対の支持片に対応して3分割され、前記タイプレートの底壁および一対の支持片と前記分割絶縁板との間に介挿可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の軌道用レール締結装置。
  4. 前記タイプレートの一対の支持片には、前記ボルトが挿通可能であってレールの幅方向に長い長穴がそれぞれ形成され、前記ボルトの頭部と前記一対の支持片との間にそれぞれ介挿される一対のカバー部材を備え、該一対のカバー部材には、前記長穴に係合されることで前記ボルトが回転される際の連れ回りを防止可能な突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の軌道用レール締結装置。
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