JP6594761B2 - まくらぎ高さ調整型防振装置 - Google Patents
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Description
そのため、道床コンクリート打設による防振軌道敷設時に生ずる防振軌道の施工誤差や防振軌道施工後の地震・地盤振動・地盤沈下などの影響で生ずる防振軌道の変状などによって軌道面に不陸と称する上下方向の凹凸が発生し、防振効果が損なわれる虞があるという厄介な問題があった。
さらに、この不陸の補修には、防振軌道のコンクリート道床からまくらぎや側圧支承防振部材取り付け装置などをはつりとり、レール面の高さ調整を行った後、再度まくらぎや側圧支承防振部材取り付け装置を固める道床コンクリート打設による防振軌道施工が必要となる。
そして、既に列車が運行している軌道でこの不陸の補修を実施するには、多大な時間と費用を要し、非常に不経済であった。
さらに、まくらぎが敷設固定される道床の具体的形態については、鉄筋コンクリート道床、繊維補強コンクリート道床、プレキャスト式コンクリート道床など強固な路盤上に形成されるコンクリート道床であれば、如何なるものであっても構わない。
ここで、図1は、本発明の実施例であるまくらぎ高さ調整型防振装置の設置状態を示す説明図であり、図2は、本実施例であるまくらぎ高さ調整型防振装置の斜視図であり、図3は、図1に示すまくらぎ高さ調整型防振装置の分解組立図であり、図4は、図3に示すA部分の分解組立図であり、図5は、本実施例のまくらぎ高さ調整型防振装置に重置されたA部分の断面斜視図であり、図6は、本実施例のまくらぎ高さ調整型防振装置の高さ調整前と高さ調整後の比較図であり、図7は、まくらぎ端部の設置状態を示すものであって、(a)は調整前の状態を示す図であり、(b)は調整後の状態を示す図である。
なお、図1は、まくらぎ高さ調整型防振装置100をまくらぎMの左右部位にそれぞれ同一の装着状態を示したものであるが、まくらぎ高さ調整型防振装置100の概要を便宜的に理解し易いように、一方はその側面図を示し、他方はその側断面図を示している。
そして、図3および図4に示すように、まくらぎ端部M1の高さを調整する矩形状のまくらぎ高さ調整手段180が、矩形板状の底面パッド140に被嵌状態で重置され、この底面パッド140が、防振ケース110のケース底板111に敷設した底面用間隔部材150の底面パッド装着用矩形状穴部内に嵌合して装着されている。
このまくらぎ高さ調整手段180により、道床コンクリート打設による防振軌道敷設時に生ずる防振軌道の施工誤差や防振軌道施工後の地震・地盤振動・地盤沈下などの影響で生ずる防振軌道の変状などによって軌道面に不陸が発生した場合に、まくらぎ高さ調整手段自体の高さ方向の厚みを調整してこのまくらぎMを所定の高さレベルに嵩上げ(扛上)する量が確保される。
換言すれば、まくらぎMの沈下量が補充されている。
さらに、底面パッド140が底面パッド装着用矩形状穴部152に囲繞された状態となり、列車通過時の振動によって生じがちな底面パッド140の防振ケース110に対する前後左右の位置ズレが阻止されている。
これにより、まくらぎ高さ調整手段180のパッド囲繞部材184が、底面パッド140を囲繞した状態で底面用間隔部材150の底面パッド装着用矩形状穴部内に嵌合して装着される。
そして、列車通過時の振動によって生じがちなまくらぎ高さ調整手段180の位置ズレを確実に阻止している。
さらに、まくらぎ高さ調整手段180の高さ調整スペーサー部材182の厚みが、防振軌道敷設場所や列車通過場所における沈下量の違いに対する複数種類の厚みのものを製造時に準備可能となる。
例えば、厚さ1mm、10mmのような複数種類の高さ調整スペーサー部材182が使用されたまくらぎ高さ調整手段180により、パッド囲繞部材184を変更することなく所望の厚みの高さ調整スペーサー部材182からなるまくらぎ高さ調整手段180を選定してまくらぎMを所定のレール軌道を維持する高さレベルに調整している。
この被嵌囲繞片184bにより、まくらぎ高さ調整手段180を重置した底面パッド140が底面用間隔部材150の底面パッド装着用矩形状穴部152に挿入された際、パッド囲繞部材184の被嵌囲繞片184bが底面パッド140と底面用間隔部材150とに挟持されている。
ここで、例えば、厚さ1mm、2mm、3mm、5mmなどのような複数種類の高さ調整シム板190により、高さ調整シム板190の厚さおよびその厚さの組み合わせが増減可能とされている。
そして、高さ調整シム板190が、1枚もしくは複数枚を選定されることによって、まくらぎMの高さを所定のレール軌道に合わせて微調整している。
さらに、高さ調整量と高さ調整手段180の厚さとが異なる場合、高さ調整手段180のパッド囲繞部材と底面パッド140との間に、所望の高さ調整量となる高さ調整シム板190の厚さを組み合わせて重置し、まくらぎ高さを微調整している。
そこで、重置した高さ調整シム板190の合計厚さが、所定の限度厚さ以下、例えば、9mm以下となるようにしている。
また、まくらぎ高さ調整量が、この重置した高さ調整シム板190の合計厚さを越える場合、高さ調整スペーサー部材182の厚さを、例えば、1mmのものから10mmのものに変更し、重置する高さ調整シム板190の合計厚さを薄くして、所定の限度厚さを越えないように調整している。
ここで、側面パッド130の突条係合溝132は、まくらぎ高さ調整手段180と高さ調整シム板190とによるまくらぎMを嵩上げする量、すなわち、補充される沈下量hに見合った余裕代を有している。
この余裕代は、楔状の側面パッド130とまくらぎMとの接触面の傾斜角度、側面パッド130と防振ケース110との接触面の傾斜角度などの諸条件によって決定している。
そして、まくらぎMのまくらぎ端部M1が沈下量hを補充されて側面パッド130の上部が道床面Lから上方に移動した際、側面パッド130の突条係合溝内にケース直立側壁112の庇状内側突条114が係合維持されている。
すなわち、まくらぎ端部M1のまくらぎ長手方向の配置を調整する端部調整シム板170が、防振ケース110のケース底板111から直立したケース直立端壁113とまくらぎMのまくらぎ端部M1との間に設けられている。
これにより、端部調整シム板170の厚さおよびその組合せをその介装枚数で増減させることが可能となり、まくらぎ長手方向に沿ってレールRの敷設位置を微修正している。
すなわち、底面パッド140にまくらぎ高さ調整手段180を装着して道床の道床面Lに対するまくらぎ高さ方向を調整するとともに、一方側の端部調整シム板170への第1端部調整シム板172の重置と他方側の端部調整シム板170の第2端部調整シム板174への変更とを同時に行って防振ケース110のケース直立端壁113に対するまくらぎ長手方向を調整することによって、まくらぎ高さ方向とまくらぎ長手方向との双方向を同時に調整している。
ここで、まくらぎ長手方向を調整する第1端部調整シム板172と第2端部調整シム板174との厚さの合計は、端部調整シム板170の厚さと等しくなっている。
このことにより、図1および図7に示すように、道床に半埋設されている防振ケース130を基準とし、まくらぎMに敷設したレールRを所望する敷設位置に確実に調整している。
110 ・・・防振ケース
111 ・・・ケース底板
112 ・・・ケース直立側壁
113 ・・・ケース直立端壁
114 ・・・庇状内側突条
120 ・・・端面パッド
130 ・・・側面パッド
132 ・・・突条係合溝
140 ・・・底面パッド
150 ・・・底面用間隔部材
152 ・・・底面パッド装着用矩形状穴部
160 ・・・抜け止め用締結手段
170 ・・・端部調整シム板
172 ・・・第1端部調整シム板
174 ・・・第2端部調整シム板
180 ・・・まくらぎ高さ調整手段
182 ・・・高さ調整スペーサー部材
184 ・・・パッド囲繞部材
184a ・・・スペーサー固定部
184b ・・・被嵌囲繞片
184c ・・・切欠き凹部
190 ・・・高さ調整シム板
M ・・・まくらぎ
M1 ・・・まくらぎ端部
R ・・・レール
T ・・・レール締結装置
L ・・・道床面
h ・・・沈下量
Claims (7)
- レールを支承するまくらぎのまくらぎ端部を保持した状態で道床に半埋設する防振ケースと、前記まくらぎのまくらぎ端部と防振ケースのケース底板との間に介装する矩形板状の底面パッドとを少なくとも備えているまくらぎ高さ調整型防振装置において、
前記まくらぎ端部の高さを調整する矩形状のまくらぎ高さ調整手段が、前記矩形板状の底面パッドに被嵌状態で重置されていることを特徴とするまくらぎ高さ調整型防振装置。 - 前記矩形板状の底面パッドが、前記防振ケースのケース底板に敷設した底面用間隔部材の底面パッド装着用矩形状穴部内に嵌合して装着されていることを特徴とする請求項1に記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。
- 前記まくらぎ高さ調整手段が、前記まくらぎ端部に対面当接してまくらぎ高さを調整する高さ調整スペーサー部材と該高さ調整スペーサー部材の下面に一体形成して底面パッドを囲繞するパッド囲繞部材とから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。
- 前記パッド囲繞部材が、前記高さ調整スペーサー部材の下面から矩形板状の底面パッドの側面に向けて突出して被嵌する被嵌囲繞片で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。
- 前記まくらぎの沈下量を補充する少なくとも1枚以上の高さ調整シム板が、前記まくらぎ高さ調整手段と底面パッドとの間に介装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。
- 前記防振ケースのケース底板から直立状態で離間対設した一対のケース直立側壁が、該ケース直立側壁の上端部位に沿って庇状内側突条を備え、
前記防振ケースのケース直立側壁とまくらぎのまくらぎ端部との間に介装する側面パッドが、該側面パッドの上端部位に沿って突条係合溝を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。 - 前記まくらぎ端部のまくらぎ長手方向の配置を調整する端部調整シム板が、前記防振ケースのケース底板から直立したケース直立端壁とまくらぎのまくらぎ端部との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のまくらぎ高さ調整型防振装置。
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