JP6799469B2 - 線路移動方法およびレール支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道軌道において、カント(傾斜)のある線路からカントのない真っ直ぐな線路に切換える場合やカントのない線路からカントのある線路に切換える場合等の線路移動方法およびその際に使用するレール支持装置に利用して有効な技術に関する。
鉄道軌道においては、例えば駅ホームを改修したり移動したりする際に、湾曲して敷設されている線路を真っ直ぐな線路に切換える工事が必要になることがある。しかも、鉄道事業の有する高い公共性の観点から、上記のような線路切換工事は、列車の運行を停止させずに行う必要があるため、夜間の限られた短い時間帯に完了したいという要請がある。しかし、線路切換工事においては枕木の交換が必要となることがあり、その場合には、枕木の交換の際にバラスト軌道ではバラストの除去、埋め戻しが必要であり、作業時間が長くなってしまうという課題があった。
従来、既に敷設されている旧線路(既設レール)に渡り線を追加して新線路に切換える工事を短時間に完了させることができる線路切換方法として、旧線路の枕木(PC枕木)のうち新線路と交差または分岐する部分の枕木を、予め旧線路と新線路に跨る長さを有する長枕木(合成枕木)に置き換えるとともに、該長枕木の旧線路に支障しない箇所に新線用のタイプレートを設置しておくことにより、線路切換の最終段階の工事を行う当日の作業量を減らして、短時間に工事を完了させることができるようにしたものがある(非特許文献1)。
一般社団法人日本鉄道施設協会発行「第30回総合技術講演会概要集(停車場・計画)(建造物検査)」P9-P12、平成26年10月23日開催、第29回総合技術講演会発表、演題「大規模集客施設に隣接し車庫線を備えた駅移転計画」、講演者:京阪電気鉄道株式会社 石阪良治
特開2014−88680号公報
しかしながら、上記非特許文献1に記載されている線路切換方法は、旧線路がカントを有していないことを前提とした工法であり、旧線路がカントを有している箇所には適用できない。つまり、既存の鉄道軌道においては、線路がカントを有している箇所では枕木がカントに応じて傾斜した状態で配設されているため、新設しようとしている線路が真っ直ぐな線路であってカントが不要な場合、旧線路の枕木を長枕木に置き換えたくても置き換えることができないという課題があった。
一方、既設の普通タイプレートを、既存のまくら木との組み合わせによりレールに計画カントを設定する形状を有するカント変更用特殊タイプレートに交換する工程と、前記既存のまくら木及び前記カント変更用特殊タイプレートを、前記普通タイプレートとの組み合わせにより前記レールに計画カントを設定する形状を有する新規まくら木及び前記普通タイプレートに交換する工程とを含む線路のカント変更工法に関する発明が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている発明は、既設レールのカントを変更するために開発された工法であって、変更後の線路は既設レールとほぼ同じ位置にあり、新線路が旧線路と異なる位置に敷設される際の線路切換にそのまま適用することはできない。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、旧線路(既設レール)がカントを有している一方、新線路にカントがない場合、あるいはカントのない旧線路からカントのある新線路に切換える場合やカントの異なる新線路に切換える場合において、線路切換の最終段階の工事を行う当日の作業量を減らして、短時間に工事を完了させることができる線路移動方法およびその際に用いるレール支持装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明に係る線路移動方法は、
既設レールを固定するレール締結装置およびタイプレートを除去して既設レールを支持する枕木を、既設レール敷設部位から新レール敷設部位に跨る長枕木に置き換えて、当該長枕木を道床上に水平に設置する第1工程と、
前記既設レールまたは新レールが有するカントに応じた高さの扛上部を備えた特殊タイプレートを前記長枕木上の所定部位に設置して、レール締結装置により、カントのある既設レールまたは新レールを固定する第2工程と、
前記長枕木の既設レール敷設部位以外の部位であって前記既設レールの延長上の新レール敷設予定の部位に新レールを敷設して、新たなタイプレートおよびレール締結装置によって前記新レールを固定する第3工程と、
前記既設レールのうち、前記新レールの延長上に位置するレール部分のレール締結装置およびタイプレートを除去する第4工程と、
設置済みの前記新レールと連続するようにレールを移設もしくは追加して、タイプレートおよびレール締結装置によって前記移設または追加したレールを固定する第5工程と、
含むようにしたものである。
上記手順の工法によれば、既設レールのカントに応じた高さを有する特殊タイプレートを長枕木上に設置してレール締結装置により既設レールを固定する第2工程を有するため、カント部の傾斜した既設の枕木に替えて水平な長枕木を設置することができるとともに、これにより真っ直ぐな新レールの一部を前もって長枕木上に敷設することができるので、カントのある線路からカントのない新線路に切換える場合に、線路切換の最終段階の工事を行う当日の作業量を減らして、短時間に工事を完了させることができる。
さらに、前記第5工程の後、前記長枕木上に残留する既設レールおよび該既設レールを固定するレール締結装置およびタイプレートを除去するとともに、残留する既設レールを撤去する工程を実施することにより、線路切換およびその後に既設レールをすべて撤去して更地のような状態にするまでのすべての工事を、列車が走行しない夜間の時間帯のみを利用して実施することができ、工事に伴う列車の運休やダイヤの変更を回避することができる。
ここで、望ましくは、前記第1工程においては、予め所定の間隔をおいて複数の個所に、前記タイプレートを前記長枕木に固定するボルトもしくはネジを螺合させるための埋込栓またはネジ穴を形成した長枕木を設置し、
前記第5工程においては、前記複数個所の埋込栓またはネジ穴のうちいずれかを選択して前記タイプレートを前記長枕木に固定するようにする。
このようにすることにより、線路切換の最終段階の工事で既設のレール(旧レール)を移設する際に、レールを固定する位置として、複数個所の埋込栓またはネジ穴の中から1つを選択することができ、これにより既に敷設されている新レールと連続する位置に移設レールを容易かつ正確に合致させて固定することができる。なお、長枕木として合成枕木を使用する場合には、枕木に対してネジ穴を現場にてレール設置状況に応じて形成することも可能である。
また、望ましくは、カントのある既設レールをカントのない新レールに切換える工事に適用される場合に、前記第5工程においては、前記既設レールのうち曲線部を真っ直ぐに矯正して直線状のレールに変更するようにする。
このようにすることにより、カント部の既設レールをすべて撤去して新レールに置き換える場合に比べて、レールの移送作業が軽減され、最終段階の工事を行う当日の作業時間を短縮することができるとともに、レールの無駄を少なくしてコストダウンを図ることができる。
また、望ましくは、前記第2工程においては、前記新レールの端部から移設または追加された前記既設レールの端部に連続する部位に継目板を取り付けるとともに、当該継目板のある箇所のレールがカントに応じて傾斜している場合に、当該継目板のある箇所に設けられているレール締結装置の板ばね部材先端とレールの下部フランジ上面との間に、前記板ばね部材を固定する手段と前記継目板との干渉を防止するためのすきま調整ピースを介挿するようにする。
このようにすれば、レール締結装置の板ばね先端とレールのフランジ上面との間にすきま調整ピースを介挿することにより、継目板と板ばねを固定する手段(ボルト)との干渉を防止することができ、これによってレール締結装置のボルトを締め付けることができなくなる事態が生じるのを回避することができる。
また、本出願の他の発明に係るレール支持装置は、上述したような線路移動方法に用いられるレール支持装置であって、
既設レール敷設部位から新レール敷設部位に跨って設置可能な長さを有する長枕木と、
前記長枕木上にタイプレートと共に取り付けられレールを枕木に固定するためのレール締結装置と、を備え、
既設レールまたは新レールのうち外軌のレールが設置される部位には、カントに応じた高さの扛上部を有する特殊タイプレートが設置され、
既設レールまたは新レールのうち内軌のレールが設置される部位および直線状のレールが設置される部位には、前記扛上部を有しないタイプレートが設置されているようにしたものである。
上記構成によれば、既設レールのカントに応じた高さの扛上部を有する特殊タイプレートが長枕木上に設置されているため、カント部の傾斜した既設の枕木に替えて水平な長枕木を設置することができ、これにより真っ直ぐな新レールの一部を前もって長枕木上に敷設することができるようになる。
また、望ましくは、前記特殊タイプレートの前記扛上部の上面と前記既設レールの底面との間には、カントに応じた厚みおよび勾配を有する調整用パッキンが介挿されているようにする。
かかる構成によれば、パッキンの厚みと傾斜でレールの高さと傾きを調整できるため、扛上部の高さや傾斜の異なる多数の特殊タイプレートを用意しておかなくても、カーブ箇所全体にわたって滑らかにカントが変化するレールを敷設することができる。
さらに、望ましくは、前記特殊タイプレートの前記扛上部には、軽量化のための空洞部が設けられているようにする。
かかる構成によれば、特殊タイプレートを軽量化することができ、これによって線路切換作業の負担を軽減することができるとともに工事の所要時間を短縮することができる。
本発明に係る線路移動方法およびレール支持装置によれば、旧線路(既設レール)がカントを有している一方、新線路にカントがない場合、あるいはカントのない旧線路からカントのある新線路に切換える場合やカントの異なる新線路に切換える場合において、線路切換の最終段階の工事を行う当日の作業量を減らして、短時間に工事を完了させることができるという効果がある。
本発明に係る線路移動方法の一実施形態を施工順に示す平面図である。 (A),(B)は実施形態の線路移動方法に使用するレール支持装置の具体例を示す断面正面図である。 扛上部を有するタイプレートの例を示す斜視図である。 レール底面とタイプレートとの間に配設する角度調整パッキンの断面形状の例を示す断面図である。 (A)は枕木に形成する埋込栓の配設例を示す平面図、(B),(C)は枕木上にタイプレートをそれぞれずらした位置に設置した状態を示す平面図である。 実施形態のレール締結装置の変形例を示す要部拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る線路移動方法の実施形態について詳細に説明する。
図1(A)〜(E)は、本実施形態の線路移動方法が適用される線路箇所の状態を施工順に示す平面図である。図1に示すように、本実施形態の線路移動方法は、(A)に示すように曲がって敷設されている線路を、(E)に示すように真っ直ぐな線路に敷き直す工事に適用される。図1(A)に示す線路は、曲線部を有しているため、カントが設けられており、レールR1,R2を支持する枕木10のうちカーブ箇所に配設されているものは、外側端部が内側端部よりも高くなるように傾斜して配設されている。また、図1には示されていないが、レールR1,R2は、下部フランジ部がレール締結装置によって枕木10の上に固定されている。
本実施形態の工事では、事前作業として先ず、図1(B)に示すように、カーブ箇所に配設されている枕木10を、例えば直線箇所の枕木と平行をなし、かつ外側端部(図では下側端部)が直線状に並ぶ長枕木11に置き換える。工事対象の軌道がバラスト軌道の場合には、バラストを除去してから、レール締結装置を外した後に、元の枕木10を取り除き、予めタイプレートが取り付けられている長枕木11に置き換えてから、バラストを埋め戻し、レール締結装置でレールR1,R2を新設の長枕木11に固定する。ここで、上記長枕木11には、後述のように、カントに応じて予め高さの異なるタイプレートを取り付けておくことで、レールのカントを保持したまま、長枕木11を道床上に水平に配設することができる。
なお、バラストの除去には比較的時間を要するので、カーブ箇所に配設されているすべての枕木10を夜間の列車が走行しない時間内に1日で置き換えること困難であるので、その場合には、複数日にわたり夜間作業で順に置き換えを実施すればよい。また、図1では、元の枕木10と置換える長枕木11を直線箇所の枕木と平行をなすつまり新線路と直角となるように配設しているが、斜めになるように配設しても構わない。
次に、新設の長枕木11上であってカーブ箇所のレールの外側には、図1(B)に示すように、新しい直線レール12A,12Bを敷設する。この新レール敷設工事は、昼間の時間帯に実施することも可能である。
次に、図1(C)に示すように、カーブ箇所の一部のレールを撤去するとともに、太線のハッチングが付されている部分のレールについては、レール締結装置を外して移動可能にする。続いて、図1(D)に示すように、レール締結装置を外した部分のレールを真っ直ぐに伸ばし、余剰部分がある時には余剰部分を切除してから、レール締結装置でレールを長枕木11上に固定する。図1(C),(D)の工事は、作業が簡単で量も少ないので、切換当日の夜間の列車が走行しない時間内に完了することができる。
その後、残留する既設レールを撤去して工事を終了しても良いし、図1(E)に示すように、長枕木11を通常の長さの枕木10に置き換えて工事を終了しても良い。なお、近年の軌道には、軌道を構成するバラスト、枕木を撤去し、路盤上に透水性のある不織布とバラストを敷き詰め、幅広型のコンクリート枕木を設置した後、凝固性のあるセメントモルタル系のてん充材を注入するTC型省力化軌道のような、バラスト交換や道床つき固めなどのメンテナンス作業が不要な軌道があるので、そのような軌道の工事を実施して図1(D)に示す状態から図1(E)の状態にしても良い。なお、図1の実施例では、(C)に示すように、既設のレールの一部(鎖線部分)を撤去しているが、例えば新レール12Bを新レール12Aと同じ長さにして、適切な位置で切断した旧レールを移動するのみで新しい線路への切換を実施できるようにすることも可能である。
次に、上記線路移動方法の実施の際に使用する枕木および該枕木に固定されたレール締結装置とから構成され、枕木と一体となってレールを支持するレール支持装置について、図2〜図5を用いて説明する。図2のうち、(A)は図1(B)におけるIIA−IIA線に沿った断面図、(B)は図1(B)におけるIIB−IIB線に沿った断面図を示す。
上記実施形態の線路移動方法に使用するレール支持装置は、図2(B)に示すように、水平に配設された長枕木11と、該長枕木11に埋設された埋込栓19に螺合される固定用ネジ13によって、一対のレールR1,R2に対応して長枕木11の上に固定された一対のタイプレート14A,14Bとを備え、該タイプレート14A,14Bの中央のレール載置部上に調整用パッキン15A,15Bおよび軌道パッド16A,16Bを介してレールR1,R2が載置されている。なお、調整用パッキンには、高さ調整パッキンと角度調整パッキンとがあるが、図2においては、図示の都合でこれらを区別せずに描いてある。
そして、上記レールR1,R2の下部フランジに、締結ボルト17によってタイプレート14A,14Bに固定された一対の板ばね部材18の先端がそれぞれ当接され、この板ばね部材18の付勢力によってレールR1,R2の下部フランジがタイプレート14A,14Bに向かって押圧されることで、レールR1,R2が長枕木11上に固定される。また、調整用パッキン15A,15Bは、内側に向かうほど厚みが薄くなるクサビ状をなしており、これにより各レールR1,R2の上面は内側に向かって1/40の勾配(角度:1.5°)を有して傾斜するように構成されている。なお、本実施形態では、上記締結ボルト17と板ばね部材18とによってレール締結装置が構成される。
本実施形態のレール支持装置は、図2(B)に示すカントが必要な部位における外軌側のタイプレート14B’には、図3に示すような上面が内側に傾斜し全体として台形状をなす扛上部14aを有するものが使用されている。また、軌道のカントは線路のカーブ箇所の中央が最も大きく両側の直線部へ向うほどカントは小さくなるので、扛上部14aの高さが段階的に異なる複数(例えば10段階)のタイプレート14B’を用意しておく。また、カント部に配設される長枕木11の側部(図2では右側部)には、新レール12Bを載置するタイプレート14Cが設けられている。
なお、扛上部14aを有するタイプレート14B’は重量が大きくなるので、空洞部14bを設けて軽量化を図るのが良い。空洞部14bを設けて軽量化を図ることによってタイプレートの取り扱いが容易となり、工事の作業性を向上させることができる。
さらに、本実施形態においては、カントの大きさを緩やかに変化させることができるようにするため、図4(A)〜(C)に示すような断面形状を有し、厚みおよび傾斜の異なる複数種類(例えば6種類)の調整用パッキンを用意しておく。このうち一つの調整用パッキンは、図4(B)に示すように、厚みが均一のものとする。カント部の内軌側のタイプレート14Aには、カントの角度に応じて、図4(A)〜(C)のいずれかのタイプが使用される。一方、外軌側のタイプレート14B’には、図4(C)のタイプで、厚みや傾斜角が異なるものが使用される。
なお、扛上部のないタイプレート14A側においても、カントが大きくなると、図2(B)に示すように、カント面に対して内軌側のレールR1を1/40の勾配で傾けるために、調整用パッキンとして厚みが内側へ行くほど厚くなるものを使用する場合があるが、上記6種類の調整用パッキンの中から適切なものを選んで使用することができるようにしてある。そして、調整用パッキンを使い分けることで、内軌側のタイプレート14Aとしては、カントの大きさにかかわらず中央のレール載置部が水平で高さが同一のものを使用することができる。これにより、内軌側のレールR1には、カントに応じて内側へ傾く部位と外側へ傾く部位を生じさせることができる。
次に、本実施形態のレール支持装置を構成する長枕木11およびレール締結装置(17,18)について説明する。
長枕木11としては、図1から分かるように長さが異なる複数種類(例えば5種類)のものを用意しておくのが望ましいため、型枠を製造するコストの面からPC(プレストレスト・コンクリート)枕木よりもガラス繊維と硬質発泡ポリウレタン樹脂等によって形成される合成枕木を使用するのが良い。
そして、この長枕木11には、レールR1,R2を固定するための図2に示すようなタイプレート14A,14Bの他、新レールを固定するためのタイプレート(図2(A)に示すタイプレート14Aと同一構成のもの)を取り付けるため埋込栓またはネジ釘をねじ込み易くする穴を設けておく。
さらに、線路切換工事時に、枕木の位置を変更せずにレールの通り変位を整正したいため、タイプレートの固定位置の調整幅として、通常よりも大きな調整量を確保する必要性がある場合がある。
そのため、本実施形態のレール支持装置を構成する長枕木11においては、図5(A)に示すように、現在線と将来線形の理論値となる位置に、調整用の埋込栓19a1,19b1と19a2,19b2が設けられている。なお、図5(A)において、埋込栓19a1,19b1と19a2,19b2の位置が枕木幅方向(図の上下方向)にずれているのは、タイプレートを固定する一対のボルトをはす向かいに配置する構成を採用し、はす向かいの方向を図5(B)または(C)のいずれかに選択できるようにしているためである。
上記2種類の取付け方を可能にするため、図3に示すように、タイプレート14B’には、レール載置部(扛上部)を挟んだ両側翼部に2個ずつ計4個の長方形上の座金挿入口14cが設けられているとともに、この座金挿入口14cの長手方向の内壁面には、ラック14dが形成されている。しかも、このラック14dは対向する面同士で半ピッチずれるように形成されている。そして、上記座金挿入口14c内に、上記ラック形成面に対応する両側面に同じくラックが形成されている調整座金20が挿入可能に構成されている。扛上部を有しないタイプレート14A,14Bも同様である。
また、調整座金20の両側面のラック同士も半ピッチずれるように形成されているとともに、中央には前記埋込栓19a,19bに螺合される固定用ボルト21もしくはネジ釘が挿通されるボルト挿通穴20aが形成されている。
上記のように座金挿入口14cの内壁面と調整座金20の側面のラックが構成されていることにより、ラックの噛み合せ位置を変えることで、調整座金20をタイプレート14に対して相対的にずらすことができる。このとき、調整座金20はボルト挿通穴20aに固定用ボルト21もしくはネジ釘が挿通され埋込栓19a,19bに螺合されることで、移動不能にされるため、枕木に対するタイプレート14の位置を変えることができることとなる。
そして、そのときの調整量はラックのピッチの整数倍であり、座金挿入口14cと調整座金20の長さの差(例えば20mm)以上は調整することができない。そこで、そのような場合には、固定用ボルト21が螺合される埋込栓19a,19bを変えることで、さらに大きくタイプレート14の位置を変えることができるようになっている。
なお、タイプレート14の中央のレール載置部の両側には位置規制用の一対の突状14eが形成されており、この突状14eの中央に、板ばね部材18を固定するための締結ボルト17の頭部が嵌合される凹部14f(図3参照)が設けられている。締結ボルト17は上下が逆すなわち頭部を下にした状態で突状14eにセットされ、締結ボルト17の雄ネジ部に板ばね部材18の穴を挿通させてから、ナット17aを螺合させて締め付けることで、板ばね部材18がタイプレート14に固定されるようになる。
上記のように、本実施形態の線路移動方法においては、曲がっている旧レールR1,R2を真っ直ぐに伸ばして新レール12A,12Bと連続させる工事を行うことで、旧レールを再利用するようにしているため、カント部の旧レールをすべて撤去して新レールに置き換える場合に比べて、レールの移送作業が軽減され、最終段階の工事を行う当日の作業時間を短縮することができるとともに、レールの無駄を少なくしてコストダウンを図ることができる。また、レール底面とタイプレートとの間に介挿する複数のパッキンを用意してあるため、パッキンの厚みと傾斜でレールの高さと傾きを調整でき、これにより扛上部の高さや傾斜の異なる多数の特殊タイプレートを用意しておかなくても、カーブ箇所全体にわたって滑らかにカントが変化するレールを敷設することができる。
また、上記実施形態の線路切換工事のように、曲がっている旧レールR1,R2を撤去または移設する工事を行う場合には、レール締結装置を緩めて旧レールを外した際に枕木にかかっていた横方向への応力が解放されること等で、枕木が移動して埋込栓の位置が当初想定して位置からずれてしまうことが考えられる。そのため、枕木に設けられている埋込栓が1組のみである場合には、レール締結装置に設けられている調整座金20の移動だけでは調整しきれないことがあり、それによって枕木全体を横にずらす余分な作業が発生して作業時間が長くなるおそれがある。これに対し、上記実施形態では、上述したように予め所定の間隔をおいて複数個所に埋込栓を設けているため、レール締結装置の位置調整が容易となり、作業時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態では、カント部分の内軌側レールについては扛上部を有していない通常のタイプレートと調整用パッキンを使用し外軌側レールについては扛上部を有する特殊タイプレートと調整用パッキンを使用して調整を行うと説明したが、内軌側レールは調整用パッキン(角度調整パッキンおよび/または高さ調整パッキン)と扛上用鋼板を用いることで適正なカント調整とレールの高低調整を行い、外軌側は扛上部を有する特殊タイプレートと調整用パッキン(角度調整パッキンおよび/または高さ調整パッキン)と扛上用鋼板を用いることで、適正なカント調整とレールの高低調整を行うようにしても良い。また、微少なカントでは、内軌・外軌とも通常のタイプレートと角度調整パッキンを用い、外軌側はさらに高さ調整パッキンや扛上用鋼板を挿入することで適正なカントまで扛上させるようにしても良い。
次に、図6を用いて、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、曲がっている旧レールR1,R2を切断し真っ直ぐに伸ばして新レール12A,12Bと連続させているため、新レールと旧レールとが連続する部分すなわちレール同士の継目においては、レール側面に継目板が装着される。また、上記実施形態では、カントに対応した傾斜をレールに持たせるため、レール底面とタイプレート14との間にクサビ状の調整用パッキン15を介挿するように構成している。
そのため、レールの傾斜が大きくかつ新レールと移動した旧レールとの継目にレール締結装置が来ることがある。このような場合、図6に示すように、継目板23が、板ばね部材18の締結ボルト17のナット17aと干渉してしまい締め付けを行えなくなる状況が発生するおそれがある。
そこで、この変形例では、図6に示すように、板ばね部材18の先端とレールRの下部フランジの上面との間に、断面が平行四辺形をなし変形しにくい剛性材料で形成されたすきま調整ピース22を介在させることによって、板ばね部材18の締結ボルト17がレール側へ大きく傾いて継目板23と干渉するのを回避するようにしている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、枕木に対するタイプレートの位置を調整可能にするため、枕木に予め複数の埋込栓19を設けておくとともに、ラックを有する調整座金20を使用したものを示したが、いずれか一方の構成、すなわち複数の埋込栓19のみを設ける構成や調整座金20のみを設ける構成も可能である。
また、レール締結装置は、上記実施形態のように板ばねの先端で直接レールのフランジを押さえ込むものに限定されず、ばねで押圧された押さえ具を介してフランジを押さえ込むように構成したものであっても良い。あるいは、レールのフランジの一方はブロック状の押さえ具で押さえ、他方のフランジは板ばねで押さえ込むものであっても良い。
さらに、本発明は、カントのある線路からカントのない真っ直ぐな線路に切換えるための工事に限定されず、カントのない真っ直ぐな線路からカントのある線路に切換える工事や、所定のカントのある線路からこれとはカントの量(傾き)が異なる線路に切換えるための工事にも利用することができる。
R 既設レール(旧レール)
10 枕木
11 長枕木
12 新レール
13 固定用ネジ
14 タイプレート
15 調整用パッキン
17 締結ボルト(レール締結装置)
18 板ばね部材(レール締結装置)
19 埋込栓
20 調整座金
21 固定用ボルト
22 すきま調整ピース
23 継目板

Claims (7)

  1. 既設レールを固定するレール締結装置およびタイプレートを除去して既設レールを支持する枕木を、既設レール敷設部位から新レール敷設部位に跨る長枕木に置き換えて、当該長枕木を道床上に水平に設置する第1工程と、
    前記既設レールまたは新レールが有するカントに応じた高さの扛上部を備えた特殊タイプレートを前記長枕木上の所定部位に設置して、レール締結装置により、カントのある既設レールまたは新レールを固定する第2工程と、
    前記長枕木の既設レール敷設部位以外の部位であって前記既設レールの延長上の新レール敷設予定の部位に新レールを敷設して、新たなタイプレートおよびレール締結装置によって前記新レールを固定する第3工程と、
    前記既設レールのうち、前記新レールの延長上に位置するレール部分のレール締結装置およびタイプレートを除去する第4工程と、
    設置済みの前記新レールと連続するようにレールを移設もしくは追加して、タイプレートおよびレール締結装置によって前記移設または追加したレールを固定する第5工程と、
    含むことを特徴とする線路移動方法。
  2. 前記第1工程においては、予め所定の間隔をおいて複数の個所に、前記タイプレートを前記長枕木に固定するボルトもしくはネジを螺合させるための埋込栓またはネジ穴を形成した長枕木を設置し、
    前記第5工程においては、複数個所の前記埋込栓またはネジ穴のうちいずれかを選択して前記タイプレートを前記長枕木に固定することを特徴とする請求項1に記載の線路移動方法。
  3. カントのある既設レールをカントのない新レールに切換える工事に適用される場合に、前記第5工程においては、前記既設レールのうち曲線部を真っ直ぐに矯正して直線状のレールに変更することを特徴とする請求項1または2に記載の線路移動方法。
  4. 前記第2工程においては、前記新レールの端部から移設または追加された前記既設レールの端部に連続する部位に継目板を取り付けるとともに、当該継目板のある箇所のレールがカントに応じて傾斜している場合に、当該継目板のある箇所に設けられているレール締結装置の板ばね部材先端とレールの下部フランジ上面との間に、前記板ばね部材を固定する手段と前記継目板との干渉を防止するためのすきま調整ピースを介挿することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の線路移動方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の線路移動方法に用いられるレール支持装置であって、
    既設レール敷設部位から新レール敷設部位に跨って設置可能な長さを有する長枕木と、
    前記長枕木上にタイプレートと共に取り付けられレールを枕木に固定するためのレール締結装置と、を備え、
    既設レールまたは新レールのうち外軌のレールが設置される部位には、カントに応じた高さの扛上部を有する特殊タイプレートが設置され、
    既設レールまたは新レールのうち内軌のレールが設置される部位および直線状のレールが設置される部位には、前記扛上部を有しないタイプレートが設置されていることを特徴とするレール支持装置。
  6. 前記特殊タイプレートの前記扛上部の上面と前記既設レールの底面との間には、カントに応じた厚みおよび勾配を有する調整用パッキンが介挿されていることを特徴とする請求項5に記載のレール支持装置。
  7. 前記特殊タイプレートの前記扛上部には、軽量化のための空洞部が設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のレール支持装置。
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