JP2015105253A - 抗菌用品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用前の前記抗菌剤収容体内における抗菌性物質の生成を抑制し、使用開始後の殺菌作用や消臭作用の継続時間を確保すること課題とする。【解決手段】抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤を収容し、前記抗菌性物質を大気中に放出するための放出孔4を備えた抗菌剤収容体1と、前記抗菌剤収容体を収容し、内部の空気を除去して密封される包装袋とからなることを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、抗菌作用を備えた抗菌用品およびその製造方法に関する。より詳細には、多孔性の固形担体に抗菌性物質を担持させた抗菌剤を収容して構成された抗菌用品およびその製造方法に関する。
近年、二酸化塩素は塩素に代わる殺菌消毒剤として注目されている。従来、二酸化塩素を発生させる方法としては、亜塩素酸ナトリウム水溶液(安定化二酸化塩素水溶液)と酸(活性化剤)を混合反応させるのが主流であった(特許文献1)。しかしながら、このような方法は、反混合の手間がかかることや副反応を生ずるおそれがあることにより、一般の使用者が手軽に使用できるものではなかった。
このような問題を解決する技術として、多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを吸着保持せしめてなる殺菌消毒剤が開発されている(特許文献2)。この殺菌消毒剤は、容器に収容して保管され、使用時には、容器の上蓋を開放し、その開口部から二酸化塩素ガスを徐々に空気中に拡散させることが記載されている。
一方、抗菌性物質等の薬剤を収納するケースや袋といった収容体としては次のようなものが知られている。例えば、気体不透過性シートからなる袋状の収容体内に徐散性薬剤を収容し、当該収容体に開口部を形成するとともに、該開口部を薬剤放出膜によって覆った徐散性薬剤収容体が知られている(特許文献3)。また、撥水性の不織布に脱臭剤を封入し、これを冷蔵庫内に設置した樹脂製のカセットに収容することが知られている(特許文献4)。
ところで、特許文献2に記載された殺菌消毒剤を携帯に適した抗菌剤収容体として応用しようとする場合、製品に強い振動や衝撃を与えた場合でも、二酸化塩素を坦持した担体が漏れ出したり、高濃度の二酸化塩素が一度に発生したりすることがなく、二酸化塩素を安定的に継続して放出させることが、安全性の観点、効果の時速性の観点から求められる。
このような観点から、本出願人は、特願2011−195716号において、振動や衝撃の下でも、安定した量の二酸化塩素等の抗菌性物質を、収容体に設けた放出孔から継続的に放出させることが可能であり、しかも、抗菌剤を収容した袋体を、アルミ蒸着膜を有する扁平な袋体内に収納することで、生産性の向上並びに低コスト化を可能にした抗菌剤収容体を提案した。
しかしながら、前記抗菌剤が、前記抗菌性物質の前駆物質であり、他の成分(たとえば酸素や二酸化炭素)と反応することにより抗菌性物質を発生させるものである場合、抗菌剤収容体の使用開始前において、前記抗菌剤が、収容されている前記抗菌剤収容体内の空気と反応して抗菌性物質を発生させ、この抗菌性物質が、使用時に一気に放出されてしまうことが想定される。
このような現象は、使用開始からの前記殺菌作用や消臭作用の継続時間を短くしてしまうことから、その改善が望まれる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、使用前の前記抗菌剤収容体内における抗菌性物質の生成を抑制し、使用開始後の殺菌作用や消臭作用の継続時間を確保することのできる抗菌剤収容体の製造方法を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明の抗菌用品は、抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤を収容し、前記抗菌性物質を大気中に放出するための放出孔を備えた抗菌剤収容体と、前記抗菌剤収容体を収容し、内部の空気を除去して密封される包装袋とを有することを特徴としている。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体内の雰囲気中から、前記抗菌剤との反応成分を極力除去し、使用前における抗菌性物質の生成を抑制することができる。
そして、使用にあたっては、前記抗菌剤収容体を前記包装袋から取り出して外気に露出させることにより、前記放出孔を開放する。
これによって、前記放出孔を介して抗菌剤収容体内に外気が流入し、この外気と前記抗菌剤が接触して抗菌性物質が生成されるとともに、この抗菌性物質が、前記放出孔を経て外部へ放出される。
これによって、前記放出孔を介して抗菌剤収容体内に外気が流入し、この外気と前記抗菌剤が接触して抗菌性物質が生成されるとともに、この抗菌性物質が、前記放出孔を経て外部へ放出される。
このように、未使用時の抗菌性物質の生成を抑制し、使用を開始した後に抗菌性物質の生成を行なわせ、使用開始後の抗菌性物質の生成時間を長くすることができ、殺菌作用や消臭作用の継続時間を確保することができる。
前記放出孔は、前記抗菌剤収容体の内部空間の四隅の少なくとも1つの近傍に設けられる。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体内の空気を除去する際に、前記抗菌剤収容体内に空気溜まりが形成されることを防止して、その内部の空気の抜けを円滑なものとすることができる。
前記包装袋は、三方が封止され一方が開口となっている状態で、前記開口から前記抗菌剤収容体が収容されるとともに前記開口から脱気されるようになされ、前記抗菌剤収容体の放出孔が、前記包装袋への収納方向に沿って配列されることが好ましい。
これによって、空気を除去する際に、前記放出孔の配列が脱気方向に沿わされていることにより、前記抗菌剤収容体内の空気の流れが円滑なものとなり、前述した脱気作用を効果的に行なうことができる。
また、前記抗菌剤収容体は、略長方形状に形成されているとともに、前記放出孔が長手方向に沿って配列されており、その長手方向に前記包装袋へ収容されるようにする。
これによって、包装体内の空気を除去することによって前記抗菌剤収容体内の空気を除去する際に、この抗菌剤収容体の放出孔の配列を、前記包装袋に対する脱気方向に沿わせることができるので、前記抗菌剤収容体内の空気の除去を円滑に行なうことができる。
前記放出孔の列が、前記抗菌剤収容体の短手方向の外形端部から所定距離以上内側の位置に配列されていることが好ましい。
これは、包装袋の内部空間の端は狭くなって空気が抜けにくくなっているために、前記抗菌剤収容体の空気の出口となる前記放出孔を、前記包装袋の端から離して位置させることによって、前記抗菌剤収容体からの空気の抜けを円滑にするためである。
前記抗菌剤収容体は、前記抗菌剤と、前記放出孔を備えた袋体であり、前記抗菌剤を収容する収容体と、前記抗菌性物質を透過する材質で前記収容体の前記放出孔を塞ぐシートとを備えた構成とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤が前記放出孔からこぼれてしまうことを防止することができるとともに、そのこぼれ防止のための構成部品を前記放出孔近傍に集中させて、この構成部品を小さくすることができる。
また、前記抗菌剤収容体は、前記抗菌剤と、前記抗菌性物質を透過する袋体であり、前記抗菌剤を収容する第1収容体と、前記放出孔を備えた袋体であり、前記第1収容体を収容する第2収容体とによって構成することもできる。
このような構成とすることにより、第1収容体全体を、抗菌性物質を透過する機能を保持しつつ、前記抗菌剤の収納機能を確保し、この第1収容体を前記第2収容体に収納することによって抗菌剤収容体を構成することができる。 したがって、前記収容体に形成される前記放出孔へのシートの取り付け作業を省略して、製造工程を簡素化することができる。
前記抗菌剤収容体の前記放出孔を所定の密封度で封止するシールを更に設けることもできる。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体を前記包装袋に収容して密封する作業中に、前記抗菌剤収容体からの抗菌性物質の拡散を抑制して、抗菌性物質の不要な放出を防止することができる。
しかも、前記シールを所定の密封度とすることにより、前記抗菌剤収容体から空気を除去する際に、その空気の吸引を阻害することを防止することができる。
しかも、前記シールを所定の密封度とすることにより、前記抗菌剤収容体から空気を除去する際に、その空気の吸引を阻害することを防止することができる。
そして、前記シールの所定の密封度は、内外気圧差が無いとき空気が不透過であり、内外気圧差が略1気圧のとき空気が透過する程度の密封度とすることにより、前述した抗菌物質の拡散防止と空気の除去を効果的に実現することができる。
また、前記抗菌剤収容体を、その内部の空気を除去した状態で大気中に晒すと、内外部の圧力差により、前記抗菌性収容体の外形形状が押し潰されたように変形し、また、その圧力差が大きいと、収納されている粒子状の抗菌剤が潰れてしまうことも想定される。
そこで、本発明の好ましい形態では、前記抗菌剤収容体内の空気を除去した後に、前記抗菌剤収容体内に不活性ガスを充填する。
また、他の好ましい形態では、前記抗菌剤収容体内の空気を不活性ガスで置換する。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体内に不活性ガスを充填することから、前述した内外の圧力差が低減され、前述した抗菌剤収容体の変形や抗菌剤の潰れが生じることはなく、当初のデザインが保持されるとともに、使用時における前記抗菌剤と外気空気との接触が良好に行なわれて、抗菌性物質の生成効率が維持される。
また、他の好ましい形態では、前記抗菌剤収容体内の空気を不活性ガスで置換する。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体内に不活性ガスを充填することから、前述した内外の圧力差が低減され、前述した抗菌剤収容体の変形や抗菌剤の潰れが生じることはなく、当初のデザインが保持されるとともに、使用時における前記抗菌剤と外気空気との接触が良好に行なわれて、抗菌性物質の生成効率が維持される。
そして、前記不活性ガスとして、窒素ガスが好適に用いられる。
本発明によれば、使用前の前記抗菌剤収容体内における抗菌性物質の生成を抑制し、使用開始後の殺菌作用や消臭作用の継続時間を確保することができる。
以下、本発明の抗菌用品の製造方法の第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図2に符号1で示すように、本実施形態における抗菌用品を構成する抗菌剤収容体は、不織布からなり、前記抗菌性物質の透過性を備えた内部収容体2とそれを収納する、アルミニウム蒸着層あるいはアルミニウム箔層を含む多層のアルミニウム材フィルムからなる収容体3とを備え、この抗菌剤収容体1が、真空引きされる包装袋15内に収容されて抗菌用品Pとなされる。
前記内部収容体2には、抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤が、内部収容体2の容積の60%程度の充填率で収納されている。
前記内部収容体2には、抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤が、内部収容体2の容積の60%程度の充填率で収納されている。
前記内部収容体2は、前記抗菌性物質の透過性を備えた不織布等を2つ折りにし、周囲を貼り付けて形成され、前記収容体3は、前記抗菌性物質を実質的に透過しない材料で形成されていればよく、前記内部収容体2を包み込むように配置され、周縁部を圧着することによって形成されている。また、抗菌性物質の安定性を維持する観点から遮光性の材料であることが好ましい。
前記収容体3には、本実施形態においては、図2に示すように、一対の長辺に沿って前記放出孔4が設けられている。
本実施形態においては、前記抗菌剤は、セピオライトからなる多孔性の微粒子(平均粒径0.1mm)に亜塩素酸塩を担持させたものである。この場合、固形担体は水に懸濁させたときにアルカリ性を示すものであることが好ましい。
このような抗菌剤は、固形担体に亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩および水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を含む水溶液を固形担体に含浸させ、乾燥させることにより製造することができる。
このような抗菌剤は、空気と接触させることにより二酸化塩素を発生する。より詳細には、空気中の二酸化炭素および水蒸気と接触させることにより二酸化塩素を発生する。
なお、固形担体は、表面に二酸化塩素等の抗菌性物質を坦持できればよく、多孔性のもののみならず、表面に凹凸があるものを使用してもよい。また、固形担体としてゼオライトを使用することも好ましい。また、固形担体は、無機質材料で形成されたのみならず、セルロース等の有機材料で形成されたものであってもよい。
このような抗菌剤は、空気と接触させることにより二酸化塩素を発生する。より詳細には、空気中の二酸化炭素および水蒸気と接触させることにより二酸化塩素を発生する。
なお、固形担体は、表面に二酸化塩素等の抗菌性物質を坦持できればよく、多孔性のもののみならず、表面に凹凸があるものを使用してもよい。また、固形担体としてゼオライトを使用することも好ましい。また、固形担体は、無機質材料で形成されたのみならず、セルロース等の有機材料で形成されたものであってもよい。
また、固形担体には、亜塩素酸塩に加え、クエン酸、酢酸、蟻酸等の有機酸を合わせて担持させても良い。この場合、空気中の水分と接触することにより二酸化塩素を発生させることができる。発生した二酸化塩素の少なくとも一部は固形担体に一旦保持された後遊離されることになる。遊離量は、外部の二酸化塩素濃度に応じて変化する。
なお、抗菌剤が十分に移動可能なように適度な隙間を設けて収容することが好ましい。これにより、抗菌剤の粒子に空気が接触し、前記二酸化塩素の固形担体からの解離が効率的になるためである。
ここで、セピオライト等の無機質固形担体の平均粒径(メジアン径)は、0.01〜1mmの範囲にあることが好ましい。なお、本発明において平均粒径は、レーザー回折・散乱法の原理を用いた装置で測定することができる。
平均粒径を一定の範囲とすることにより、抗菌剤の流動性を制御することができ、第1の収容体からの抗菌性物質の放出を安定的に継続させることができる。
平均粒径を一定の範囲とすることにより、抗菌剤の流動性を制御することができ、第1の収容体からの抗菌性物質の放出を安定的に継続させることができる。
さらに、当該効果をより大きいものとする観点から、前記内部収容体2における該無機質固形担体の充填率を30〜80%程度、好ましくは40〜70%程度とすることが好ましい。本発明における充填率は、抗菌剤を非圧縮下で充填したときの見かけ上の体積を、収容体の容量で除することで求めることができる。
ついで、前述した抗菌剤収容体1を製品化する製造方法の第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係わる抗菌用品Pの製造に用いられる製造装置10の概略図である。
前記製造装置10は、密閉可能な真空チャンバー10aと、この真空チャンバー10a内の空気を吸引して真空状態を形成する排気ポンプ10bと、抗菌剤収容体1を収容した包装袋15を封止する封止装置10cとを備えている。
前記真空チャンバー10a内には、前記抗菌剤収容体1が収容された包装袋15が配置される。
前記抗菌剤収容体1が前記包装袋15に収納された状態で、前記真空チャンバー10a内に配置されて、この真空チャンバー10aが密閉されると、前記排気ポンプ10bが作動させられて、前記真空チャンバー10a内の空気が排気されることにより、その内部が真空状態となされる。
このように前記真空チャンバー10a内が真空状態となされると、前記包装袋15内の空気が吸引されるとともに、その内部に収容されている前記抗菌剤収容体1内の空気も、図3に矢印で示すように、その放出孔4から前記真空チャンバー10aを経て外部へ排出される。
真空状態の真空チャンバー10a内では、次に、封止装置10cが前記包装袋15の開口部を熱融着あるいは超音波融着などの方法で密閉することにより、図4に示すように、本実施形態に係わる抗菌用品Pが製造される。製造された抗菌用品Pは、真空チャンバー10aが開放されて、真空チャンバー10aから取り出される。
製造後においては、前記包装袋15によって、前記抗菌剤収容体1内が真空状態に保持されていることから、収容されている抗菌剤と水蒸気や二酸化炭素との接触が抑制され、使用前における抗菌性物質の生成が抑制される。したがって、製品化後の保存期間を延ばすことができる。
使用にあたっては、前記抗菌剤収容体1を前記包装袋15から取り出して、前記放出孔4を開放する。
これによって、前記抗菌剤収容体1内に前記放出孔4から外気が流入して前記抗菌剤に接触させられることにより、抗菌性物質の生成が開始されるとともに、この抗菌性物質が前記放出孔4を介して外気へ放出されて、殺菌作用や消臭作用が得られる。
これによって、前記抗菌剤収容体1内に前記放出孔4から外気が流入して前記抗菌剤に接触させられることにより、抗菌性物質の生成が開始されるとともに、この抗菌性物質が前記放出孔4を介して外気へ放出されて、殺菌作用や消臭作用が得られる。
このように、使用時においては、前記放出孔4から浸入する外気によって前記抗菌性物質の生成が進行する。
したがって、前記抗菌性物質の生成が緩やかに行なわれて、その殺菌作用や消臭作用の持続時間を設計通りに確保することができる。
したがって、前記抗菌性物質の生成が緩やかに行なわれて、その殺菌作用や消臭作用の持続時間を設計通りに確保することができる。
ついで、第2の実施形態について図5ないし図8を参照して説明する。
本実施形態では、前記抗菌剤収容体1は前記実施形態と同様のものを用い、この抗菌剤収容体1が収納される包装袋15の真空引き後に、この包装袋15内に不活性ガスを充填して封止するようにしている。
本実施形態では、前記抗菌剤収容体1は前記実施形態と同様のものを用い、この抗菌剤収容体1が収納される包装袋15の真空引き後に、この包装袋15内に不活性ガスを充填して封止するようにしている。
図5は、第2の実施形態による製造装置の概略図である。本実施形態を実施するために用いられる製造装置110は、図5に示すように、真空チャンバー10a、排気ポンプ10b、および封止装置10cに加え、真空チャンバー10a内にガスを供給するガス供給装置10dを備えている。
ガス供給装置10dには、不活性ガスが充填されたガスボンベ17cと、真空チャンバー10a内において真空引きされた前記包装袋15に不活性ガスを充填する充填ノズル17aとが接続されている。真空チャンバー10a内には、三方が封止され抗菌剤収容体1を収容した包装袋15がその開放口に充填ノズル17aが挿入されるように配置される。
このように構成された製造装置110を用いて、まず、前記実施形態と同様に、前記抗菌剤収容体1が収納された包装袋15を配置した真空チャンバー10a内の真空引きを行なう(図6参照)。
ここで、前記包装袋15の開口部からその内部の空気が吸引されるが、これとともに、収納されている前記抗菌剤収容体1内の空気も、その放出孔4を経て吸引される。
そして、前記抗菌剤収容体1がその長さ方向に前記包装袋15内に収容され、かつ、前記放出孔4が前記抗菌剤収容体1の長さ方向に沿って形成されていることから、前述した空気の吸引方向に前記放出孔4が配列されることとなる。
したがって、前述した空気の吸引が行なわれると、前記放出孔4が、空気の吸引方向に沿って配列されていることにより、前記抗菌剤収容体1内の空気が円滑に吸引される。
したがって、前述した空気の吸引が行なわれると、前記放出孔4が、空気の吸引方向に沿って配列されていることにより、前記抗菌剤収容体1内の空気が円滑に吸引される。
また、前記放出孔4が、前記抗菌剤収容体1の縁部から所定距離内側に位置させられ、かつ、少なくとも隅部の一つの近傍に位置させられていることにより、前記抗菌剤収容体1の縁部における狭小部を避けた位置に開口部が位置され、これにより、前記抗菌剤収容体1内の空気が効率よく除去される。
放出孔4の列は、抗菌剤収容体1の短手方向の外形端部から所定距離L以上内側の位置に配列されていることが好ましく、例えば、図2に示したように、抗菌剤収容体1の短手方向の外形端部から15mm以上内側の位置に配列されていることが好適である。図2を参照すると、本実施形態では、抗菌剤収容体1には、ストラップ(不図示)を装着するための長穴5が設けられており、その長穴5を設けるために抗菌剤収容体1には、ストラップで吊り下げたときに上になる側の中央部に幅広部分がある。この場合、図2に示したように、放出孔4の列は、抗菌剤収容体1の短手方向の前記幅広部分の外形端部から15mm以上内側の位置に配置すればよい。
放出孔4の列は、抗菌剤収容体1の短手方向の外形端部から所定距離L以上内側の位置に配列されていることが好ましく、例えば、図2に示したように、抗菌剤収容体1の短手方向の外形端部から15mm以上内側の位置に配列されていることが好適である。図2を参照すると、本実施形態では、抗菌剤収容体1には、ストラップ(不図示)を装着するための長穴5が設けられており、その長穴5を設けるために抗菌剤収容体1には、ストラップで吊り下げたときに上になる側の中央部に幅広部分がある。この場合、図2に示したように、放出孔4の列は、抗菌剤収容体1の短手方向の前記幅広部分の外形端部から15mm以上内側の位置に配置すればよい。
ついで、包装袋15の開口部に挿入されている前記充填ノズル17aから、前記各包装袋15内に不活性ガスを充填する。
次いで、封止装置10cが、包装袋15の開口部を密着させるとともに、その部位に電流を供給することによって、前記開口部を熱融着によって密閉し、あるいは、前記部位に超音波振動を負荷して、前記開口部を超音波融着によって密封することによって本実施形態に係わる抗菌用品Pを得る(図8参照)。
本実施形態においては、製品化された抗菌剤収容体1の内部を所定圧力の不活性ガスによって充満させ、収容している抗菌剤における抗菌性物質の発生を抑制した状態に保持することができる。
また、使用にあたっては、前記包装袋15から前記抗菌剤収容体1を取り出すことによって、この抗菌剤収容体1の内部を外気と連通させて、前記抗菌性物質の発生を行なわせることができ、前述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
そして、本実施形態においては、製品化された状態において、前記抗菌剤収容体1を、前記包装袋15によって保護することにより、前記抗菌剤収容体1の形状や表面が損傷してしまうことを防止することができる。
したがって、未使用期間が長期化した場合にあっても、外観や機能が劣化することがない。
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法、あるいは、構成については一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記何れの実施形態においても、製品化前の抗菌剤収容体1に対し、その生産工程の後工程において前述した真空引きおよび不活性ガス充填を連続して行なう例について示したが、前記抗菌剤収容体1の生産工程と製品化工程とが連続していない場合、生産工程から製品化工程へ移行する間に、前記抗菌剤収容体1が外気に晒されることになる。
すなわち、前述した移行の間に、前記抗菌剤収容体1に収容されている抗菌剤が外気と接触して抗菌性物質が発生させられ、その殺菌作用や消臭作用が低下してしまうおそれがある。
このような不具合が想定される場合には、製品化前の前記抗菌剤収容体1の複数を、図9に示すように、大きめの保存袋19に収容し、この保存袋19内の空気を真空引きした後に、前記保存袋19を気密に閉塞する。
これによって、複数の製品化前の前記抗菌剤収容体1を真空状態に保持した状態で、後工程の製品化工程に移送することができ、移送中における抗菌剤からの抗菌性物質の発生を抑制することができる。
また、図10に示すように、前記抗菌剤収容体1の前記放出孔4を所定の密封度で封止するシール20を更に設けることもできる。
このような構成とすることにより、前記抗菌剤収容体1を前記包装袋15に収容して密封する作業中に、前記抗菌剤収容体1からの抗菌性物質の拡散を抑制して、抗菌性物質の不要な放出を防止することができる。
しかも、前記シール20を所定の密封度とすることにより、前記抗菌剤収容体1から空気を除去する際に、あるいは、前記抗菌剤収容体1内に不活性ガスを注入する際に、前記空気や不活性が椅子の通過を阻害することを防止することができる。
この所定の密封度は、シールの材料の透過性によって実現してもよく、あるいはシールを抗菌剤収容体1に接着する接着剤によって実現してもよく、あるいはその両方によって実現してもよい。
しかも、前記シール20を所定の密封度とすることにより、前記抗菌剤収容体1から空気を除去する際に、あるいは、前記抗菌剤収容体1内に不活性ガスを注入する際に、前記空気や不活性が椅子の通過を阻害することを防止することができる。
この所定の密封度は、シールの材料の透過性によって実現してもよく、あるいはシールを抗菌剤収容体1に接着する接着剤によって実現してもよく、あるいはその両方によって実現してもよい。
そして、前記シールの所定の密封度は、内外気圧差が無いとき空気が不透過であり、内外気圧差が略1気圧のとき空気が透過する程度の密封度とすることにより、前述した抗菌物質の拡散防止と空気の除去を効果的に実現することができる。
1 抗菌剤収容体
2 内部収容体(飛散防止膜)
3 収容体
4 放出孔
5 長穴
10 製造装置
10a 真空チャンバー
10b 排気ポンプ
10c 封止装置
10d ガス供給装置
15 包装袋
17a 充填ノズル
17c ガスボンベ
19 保存袋
20 シール
110 製造装置
P 抗菌用品
2 内部収容体(飛散防止膜)
3 収容体
4 放出孔
5 長穴
10 製造装置
10a 真空チャンバー
10b 排気ポンプ
10c 封止装置
10d ガス供給装置
15 包装袋
17a 充填ノズル
17c ガスボンベ
19 保存袋
20 シール
110 製造装置
P 抗菌用品
Claims (15)
- 抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤を収容し、前記抗菌性物質を大気中に放出するための放出孔を備えた抗菌剤収容体と、前記抗菌剤収容体を収容し、内部の空気を除去して密封される包装袋とを有することを特徴とする、抗菌用品。
- 前記放出孔は抗菌剤収容体の内部空間の四隅の少なくとも1つの近傍に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌用品。
- 前記包装袋は、三方が封止され一方が開口となっている状態で、前記開口から前記抗菌剤収容体が収容されるとともに前記開口から脱気されるようになされ、前記抗菌剤収容体の放出孔が、前記包装袋への収納方向に沿って配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌用品。
- 前記抗菌剤収容体は、略長方形状に形成されているとともに、前記放出孔が長手方向に沿って配列されており、その長手方向に前記包装袋へ収容されるようになされていることを特徴とする、請求項3に記載の抗菌用品。
- 前記放出孔の列が、前記抗菌剤収容体の短手方向の外形端部から所定距離以上内側の位置に配列されていることを特徴とする、
請求項4に記載の抗菌用品。 - 前記抗菌剤収容体は、前記抗菌剤と、前記放出孔を備えた袋体であり、前記抗菌剤を収容する収容体と、前記抗菌性物質を透過する材質で前記収容体の前記放出孔を塞ぐシートと、を有することを特徴とする、請求項1に記載の抗菌用品。
- 前記抗菌剤収容体は、前記抗菌剤と、前記抗菌性物質を透過する袋体であり、前記抗菌剤を収容する第1収容体と、前記放出孔を備えた袋体であり、前記第1収容体を収容する第2収容体と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の抗菌用品。
- 前記抗菌剤収容体の前記放出孔を所定の密封度で封止するシールを更に有することを特徴とする、請求項1に記載の抗菌用品。
- 前記シールの所定の密封度は、内外気圧差が無いとき空気が不透過であり、内外気圧差が略1気圧のとき空気が透過する程度の密封度であることを特徴とする、請求項8に記載の抗菌用品。
- 抗菌性物質を放出する粒子状の抗菌剤を収容し、前記抗菌性物質を大気中に放出するための放出孔を備えた抗菌剤収容体と、この抗菌剤収容体を収容する包装袋と、を備えた抗菌用品の製造方法であって、前記包装体内に前記抗菌剤収容体を収容した後に、前記包装袋内の空気を、前記抗菌剤収容体内の空気とともに除去し、ついで、前記包装袋を密閉することを特徴とする、抗菌用品の製造方法。
- 前記包装袋内の空気および前記抗菌剤収容体内の空気を除去した後に、前記包装袋内に不活性ガスを充填することにより、前記抗菌剤収容体内に前記不活性ガスを注入することを特徴とする、請求項10に記載の抗菌用品の製造方法。
- 前記包装袋内の空気および前記抗菌剤収容体内の空気を不活性ガスで置換することを特徴とする請求項10に記載の抗菌用品の製造方法。
- 前記抗菌剤収容体内の空気の除去は、前記放出孔から前記抗菌剤収容体内の空気を吸引することにより行なうことを特徴とする請求項10又は11に記載の抗菌用品の製造方法。
- 前記抗菌剤収容体内の空気の置換は、前記放出孔から前記抗菌剤収容体内へ不活性ガスを注入することにより行なうことを特徴とする請求項12に記載の抗菌用品の製造方法。
- 前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項12又は請求項14の何れかに記載の抗菌剤収容体の製造方法。
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