JP3181259U - ケース入り抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔性の固形担体に抗菌性物質を担持させた粒子状の抗菌剤と、該抗菌剤を収容する袋体と、該袋体を収容するケースと、を備えた携帯用のケース入り抗菌剤であって、前記袋体は、全面に無機質固形担体の粒径より小さな径の微細孔を有し、前記ケースは、前記二酸化塩素を大気中に放出するための放出孔を有することを特徴とする、携帯用のケース入り抗菌剤を提供する。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決する技術として、多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを吸着保持せしめてなる殺菌消毒剤が開発されている(特許文献2)。この殺菌消毒剤は、容器に充填して保管され、容器の上蓋を開放して二酸化塩素ガスを開口部から徐々に空気中に放散させて使用することが記載されている。
すなわち、特許文献2に記載されるような静置して使用することを前提とした製品を単に携帯用に転用しただけでは、その安全性を十分に確保することができないだけでなく、効果の持続性も不十分となる。
従って、本発明は、振動や衝撃の下でも、安定した量の二酸化塩素を継続的に放出させることが可能な、携帯に適した固形の抗菌剤を提供することを課題とする。
このようなケース入り抗菌剤は、携帯時において、内部の二酸化塩素が飛び出したり、二酸化塩素が多量に放出されたりすることなく、安全に使用することが可能である。
これにより、内部の抗菌剤を収容する袋体がケース内を過度に移動することを防ぎ、適度な二酸化塩素の放出量を実現することができる。
また、ポケットなどに装着することができ、携帯にも便利である。
このような構造とすることにより、内部の抗菌剤の効果が低下した際には、蓋を開けて、抗菌剤を収容する袋体を交換することが可能である。
このような構造とすることにより、内部の抗菌剤の効果が低下した際には、蓋を開けて、抗菌剤を収容する袋体を交換することが可能である。
このようにケース本体と蓋とをヒンジ結合することで、抗菌剤を収容する袋体を交換する際に、容易である。
これにより、ケース入り抗菌剤を衣服のポケットなどに装着して簡単に携帯することができる。
これにより、ケース入り抗菌剤を首などからかけて簡単に携帯することができる。
これにより、使用前には抗菌剤を大気中に放出させずに、使用時にシールをはがすことにより、抗菌剤を大気中に放出させることができる。
これにより、抗菌剤の放出の効率を適度とすることができる。
二酸化塩素は、上記形態において安全な範囲で、大気中に放出されるため、特に好ましい。
これらの無機質固形担体を用いれば、安定的に抗菌性物質を担持することが可能となり、適度な放出性を実現することが可能となる。
以下、本発明のケース入り抗菌剤の実施形態1について、図1〜5を参照しながら説明する。
図1に示すケース入り抗菌剤1は、不織布からなる袋体2とそれを収納するプラスチックケース3とを備える。袋体2には、固形の粒子状の抗菌剤4が、袋体2の体積の60%程度の充填率で収納されている。
袋体2には、その全面にセピオライト微粒子の径より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。該微細孔は、セピオライト微粒子を透過しないが二酸化塩素分子は透過する。
ケース3は抗菌性物質を実質的に透過しない材料で形成されていればよい。
また、蓋33とケース本体32には、磁石35a、35bが設けられており、蓋33とケース本体32を簡単に閉じることができる。
蓋33を開けることにより、ケース本体32に、抗菌剤4を収納する袋体2を収容することができる。
蓋33を閉じた状態では、磁石35a、35bの作用によって、蓋33がケース本体32に密着させられる。また、仮に、ケース本体32と蓋33との間に僅かに隙間が形成される場合でも、ケース3の使用形態によっては、この隙間に、抗菌剤用としての若干の通気促進機能(隙間から放出口31に向かう空気の流れ)を発揮させることができるように配慮されている。
ここで、袋体2と袋体3の体積比は、1:3〜1:1.2程度、さらには1:2〜1:1.2程度が好ましい。このような範囲とすることにより、袋体2と袋体3との間に、適度な隙間を形成することができ、抗菌性物質の大気への徐放性を担保することができる。特に、ケース3として扁平なものを用いることで、袋体2とケース3との間に、適度な隙間を形成することができる。この作用効果については、後に詳述する。
放出孔31は、剥離可能なシール(図示しない)でふさがれている。ケース入り抗菌剤を使用する場合には、シールを剥離して放出孔31を開口する。
また、他の形態として、ケース3に、ストラップを通す穴を設けておいて、これにストラップを通したものを装着手段とすることもできる。
抗菌剤4における二酸化塩素は、周囲の空気の振動などの物理的な力や微粒子同士の衝突により、セピオライトから解離する。
粒径を一定の範囲とすることにより、抗菌剤4の流動性を制御することができ、ケース3からの抗菌性物質の放出を安定的に継続させることができる。さらに、当該効果をより大きいものとする観点から、前記袋体における該無機質固形担体の充填率を30〜80%程度、好ましくは40〜70%程度とすることが好ましい。本発明における充填率は、抗菌剤を非圧縮下で充填したときの見かけ上の体積を、第1の袋体の容量で除することで求めることができる。
流動性が高いほど、また、充填率が低いほど、抗菌性物質の放出が進みやすくなる。
抗菌剤4を構成するセピオライト微粒子に担持された二酸化塩素は、ケース入り抗菌剤1の振動等によって発生する空気の流れ、抗菌剤4を構成する微粒子同士の衝突等によって、微粒子表面から解離し、不織布からなる袋体2の全面に形成された微細孔から、袋体2の外に放出される。通常の状態では、抗菌剤4を収納する袋体2は、袋体2より体積が大きいケース3との間に隙間を形成する。袋体2の微細孔から放出された二酸化塩素は、隙間に一時的に保持されケース3の放出孔31から徐放される。
また、薄肉ヒンジ34の代わりに、一般的な蝶番を採用しても良いし、蓋33をケース本体32に嵌め込む構造としてもよく、上記実施例に限定されない。
また、蓋33を閉じた状態での密閉性を高めるために、蓋33の内面の、ケース本体32との接触部分に、帯状の粘着層33aを設けてもよい。この粘着層はケース本体32側に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
また、抗菌剤の放出量を調整する目的で、ケース本体や蓋の表面に、あるいはケース本体の周壁面等に、通気孔を設けてもよい。
次に、図5を参照しながら本発明の実施形態2について説明する。
なお、上述した実施形態1と同じ構成については、図1と同一の符号を付して説明を簡略化する。
袋体2には、その全面にセピオライトの微粒子より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。
ケース3には、ストラップ(図示しない)を取り付けるためのストラップ装着部5が設けられている。
ケース3の円状の面3Bには、その縁部に直径約3〜4mmの放出孔31が、間隔をおいて複数個設けられている。
ケース3は、袋体4を収納するケース本体32と、蓋33とを備える。ケース本体32と蓋33とは、薄肉ヒンジにより結合されている。その開閉の仕組みは、実施形態1と実質的に同じである。
上記で製造した実施形態1のケース入り抗菌剤を用いて、果物(ミカン)の腐敗試験を行った。
半分に割ったミカンを密封容器3つに入れ、2つには実施形態1のケース入り抗菌剤を入れ(サンプル1、サンプル2)、1つには何も入れなかった(コントロール)。サンプル1の密封容器は1日に数回振動させ、サンプル2とコントロールの密封容器は静置して、ミカンの状態を経時観察した。
上記で製造した実施形態2のケース入り抗菌剤を用いて、果物(ミカン)の腐敗試験を行った。
半分に割ったミカンを密封容器に入れ、実施形態2のケース入り抗菌剤を入れた(サンプル3)。サンプル3の密封容器は静置して、ミカンの状態を経時観察した。
2 袋体
3 ケース
31 放出孔
32 ケース本体
33 蓋
4 抗菌剤
5 クリップ
6 ストラップ装着部
Claims (12)
- 多孔性の固形担体に抗菌性物質を担持させた粒子状の抗菌剤と、該抗菌剤を収容する袋体と、該袋体を収容するケースと、を備えた携帯用のケース入り抗菌剤であって、前記袋体は、全面に無機質固形担体の粒径より小さな径の微細孔を有し、
前記ケースは、前記二酸化塩素を大気中に放出するための放出孔を有することを特徴とする、携帯用のケース入り抗菌剤。 - 前記ケースは扁平であり、該ケースには、ケースを被服などに装着するための装着手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯用のケース入り抗菌剤。
- 前記ケースは、前記袋体を収容する収容部を有するケース本体と、前記収容部を開閉する蓋とを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記ケースは、開口を有するケース本体と、前記開口を開閉する蓋とを備え、前記開口は前記袋体を出し入れ可能な大きさに形成されている、請求項1又は2に記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記ケース本体と蓋とがヒンジ結合されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記装着手段は、クリップであることを特徴とする、請求項2〜5の何れかに記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記装着手段は、ストラップであることを特徴とする、請求項2〜5の何れかに記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記ケースの放出孔は、剥離可能なシールでふさがれていることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の携帯用ケース入り抗菌剤。
- 前記粒子状の抗菌剤の粒径が0.01〜1mmであることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載の携帯用のケース入り抗菌剤。
- 前記抗菌性物質は、二酸化塩素であることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載の携帯用のケース入り抗菌剤。
- 前記無機質固形担体はセピオライト、ゼオライト、シリカ、アルミナ、及びシリカアルミナから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1〜10の何れかに記載の携帯用のケース入り抗菌剤。
- 前記蓋を閉じた状態で、前記ケース本体と蓋との間に通気性があることを特徴とする、請求項3〜11の何れかに記載の携帯用のケース入り抗菌剤。
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