JP2015103320A - リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工数を削減し、低廉なコストで行うことのできるスクラップからの金属の回収方法を提供する。
【解決手段】廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び/又はリチウムイオン電池用正極材からなり、Liを含有するとともに、Ni、Co及びMnから選択される一種類又は二種類以上を含有する粉体もしくは粒体としてのスクラップを、鉱酸を含む無機化合物の水溶液からなる電解液に混入し、電解液中にスクラップが分散した懸濁状態で電気分解を行う。電気分解により(a)Ni、Co及びNi−Co合金の少なくとも一つの金属成分をカソードへ電着させる工程、(b)Mn酸化物をアノードへ電着させる工程、(c)電解液中にMnを含む電解沈殿物を生じさせる工程のうち、スクラップがNi及び/又はCoを含有する場合は工程(a)を含み、スクラップがMnを含有する場合は工程(b)及び(c)を含み、スクラップに含まれる金属を回収する。
【選択図】図1

Description

この発明は、液体中に浸した電極としてのアノード及びカソード間への電圧の印加により行う電気分解で、たとえば、アノードやカソード上に金属成分を析出させること等によって、廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物や、リチウムイオン電池用正極材のスクラップから金属を回収する方法に関するものであり、特には、工数の削減、コストの低減を実現することのできる技術を提案するものである。
廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材製造工程で発生するスクラップにおいて、Li、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上を含有する滓から、金属を回収する方法としては、以下に述べる手順がある。
すなわち、はじめに、廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材からなるスクラップを硫酸と過酸化水素で浸出して、回収の対象となる金属及びその他の金属を水溶液とし、次いで、溶液中に含まれる不純物を中和、硫化、溶媒抽出等で分離した後、回収対象であるNi、Co、Mn、Liのそれぞれを複数の工程で、溶媒抽出によって相互分離し、そしてその後、それぞれの逆抽出液から晶析、電解等により、例えば電気コバルト、電気ニッケル、炭酸マンガン又は二酸化マンガン、炭酸リチウム等として回収する方法がある。
廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材からなるスクラップを浸出した後、回収対象となる金属を分離する方法として、特許文献1には、ほぼ等量のCo、Ni及びMnを含有するリチウム酸金属塩を含有するリチウム電池滓を、塩酸または、硫酸または、硫酸並びに過酸化水素で浸出した後に、Ni、Co、Mnを酸性抽出剤で溶媒抽出する方法が記載されている。
特開2009−193778号公報
ところで、先述したような、廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材からなり、Li、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上を含有するスクラップを硫酸と過酸化水素等により浸出する方法では、回収対象となる金属を浸出し、相互分離した後に、電気分解、晶析等により電気Co、電気Ni、電解二酸化マンガン、炭酸Li等として回収する必要がある。しかもここでは、原料中の回収対象金属を十分に溶解させるために、還元剤(塩過酸化水素等)の添加が必要となり、また、溶解中の回収対象金属を相互分離するための溶媒抽出等の工程が必要となる。それらの結果として、コストが大きく嵩むという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、浸出、溶媒抽出、電解等を組み合わせた従来の方法に比して、工数を削減するとともに、低廉なコストで行うことのできる金属の回収方法を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材からなる粉状ないし粒状のスクラップを、鉱酸を含有する水溶液からなる電解液に混入し、そして、撹拌等によって、上記の粉体ないし粒体を前記電解液中に分散させた懸濁状態で、電気分解を行うことにより、上記のスクラップが当該電気分解の際に電解液中に溶解するとともに、複数の目的金属を一度の電気分解によって分離・回収できることを見出し、それにより、従来の電解採取で行っていた浸出工程及び溶媒抽出工程を省略することができると考えた。
すなわち、たとえば、スクラップがLi、Ni、Co及びMnを含有するものであるときは、電気分解中に、電解液中に溶解したLi、Ni、Co及びMnのうち、Ni及びCoが金属としてカソードに析出し、また、Mnの多くは金属酸化物となり、電解残渣として沈殿し、Mnの一部が金属酸化物としてアノードに析出し、そしてまた、Liが電解後液に溶解した状態で残ることになる。それにより、一度の電気分解により、Ni、Coの電着物と、Mn沈殿物と、Li溶液に相互分離しつつ、それらの金属を回収できることを見出した。
ここにおける反応の詳細については以下のとおりである。上記条件において電気分解を行うことにより、廃リチウムイオン電池から分離回収した濃縮物及び、リチウム電池用正極材からなる粉状ないし粒状のスクラップ中のNi、Co、Mnについては、カソード表面における還元によって、電解液中に溶解しつつ、溶解したNi、Coが、カソードにNi、Co及び/又はNi−Co合金として電着し、また、Mnは、アノード表面での酸化及び、電気分解に起因する懸濁物質による酸化によって、その一部が電解後液中の残渣(懸濁電解残渣)として、残りはアノード表面にマンガン酸化物として析出し、そして、Liは電解液に溶解して、電解後も溶液としてそのまま残ることになる。
このような知見に基き、この発明の、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法は、廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び/又は、リチウムイオン電池用正極材からなり、Liを含有するとともに、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上を含有する粉体もしくは粒体としてのスクラップを、鉱酸を含む無機化合物の水溶液からなる電解液に混入し、該電解液中にスクラップが分散した懸濁状態で電気分解を行うに当り、前記電気分解により、(a)Ni、Co及びNi−Co合金のうちの少なくとも一つの金属成分をカソードへ電着させる工程、(b)Mn酸化物をアノードへ電着させる工程、並びに、(c)電解液中にMnを含む電解沈殿物を生じさせる工程のうち、前記スクラップがNi及び/又はCoを含有する場合は工程(a)を含み、前記スクラップがMnを含有する場合は工程(b)及び(c)を含み、該工程で、スクラップに含まれる金属を回収することにある。
粉体もしくは粒体のこのスクラップは、廃リチウムイオン電池を破砕・篩別し、正極材成分を濃縮することによって、たとえばFe、Al、Cu等も含有する濃縮物として形成し、及び/又は、リチウムイオン電池用正極材そのものをそのまま用いるか、それを粉砕することにより形成することができる。
なおここで、「懸濁状態」とは、電気分解の実施前に、スクラップである粉体もしくは粒体の少なくとも一部が、上記の電解液中に、溶解せずに残留して分散している状態をいう。従って、ここでいう「懸濁状態」は、電解前に、そのような粉体もしくは粒体の全部が残留している状態だけでなく、粉体もしくは粒体の一部が、電解液中に溶解している状態をも含むものとする。
この回収方法では、スクラップがLi、Ni、Co及びMnをいずれも含有するとともに、(a)カソードへの電着工程、(b)アノードへの電着工程、及び、(c)電解液中への電解沈殿物の発生工程のいずれの工程(a)〜(c)も含むものとし、そして、アノード及びカソードのそれぞれの表面に析出したNi、Co及びマンガン酸化物、並びに、電解沈殿物に含まれる金属、ならびに、電解後液中のMnを全て回収することが、回収効率の観点から特に好適である。
ここで、前記電気分解の後、Liを電解液中に溶解した状態で残してLi溶液とし、炭酸カルシウム等の炭酸塩により、前記Li溶液からLiを回収することが好ましい。
またここで、上記の電解液は鉱酸を含むものとし、より好ましくは、この鉱酸を硫酸とする。
また好ましくは、上記の電解液のpHを5以下とする。
この発明の回収方法によれば、廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び、リチウムイオン電池用正極材からなる粉体ないし粒体としてのスクラップを、鉱酸を含む無機化合物の水溶液からなる電解液中に懸濁させた状態で、電気分解を行うことにより、アノードないしカソードに金属成分が電着して、及び/又は、電解液中に析出物としてのMnの電解沈殿物が生じて、そこから金属を回収することができる。つまり、この発明では、電気分解により、電解液中へのスクラップの溶解と金属の析出とを同時に行うことができ、また、複数の金属成分を回収する場合は、一度だけの電解工程によって、それらを同時に回収することが可能になる。
それにより、従来の電解採取のような、電気分解に先立つ、金属を含む電解質液の生成工程、つまり、粉末状金属を十分に溶解する工程と、回収対象金属を順次に相互分離する複数の工程がいずれも不要となるので、工数を削減できるとともに、そのような金属の溶解に要するコストをも削減することができる。
この発明の一の実施形態に係る懸濁電解反応の模式図である。
以下に、この発明の実施形態について詳細に説明する。
この発明の金属の回収方法は、図1に模式的に例示するような懸濁電解槽1を用いて実施することができる。この場合、懸濁電解槽1内に、鉱酸を含む無機化合物の導電性水溶液としての電解液2を入れるとともに、この電解液2に、廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び、リチウムイオン電池用正極材の粉体ないし粒体としてのスクラップを混ぜ入れ、そしてカソード3及びアノード4の間への電圧の印加に基き、電気分解を行う。
ここにおいて、この実施形態では、電解液2に、粉体もしくは粒体のスクラップを混入した後、電気分解を行うに際して、図示しない公知の攪拌機等を用いることによって、スクラップ入りの電解液2を撹拌し、それにより、かかるスクラップを電解液2中に分散させて懸濁状態とする。この際に、スクラップの一部が電解液2に溶解してもよいが、スクラップの少なくとも一部は、溶解せずに粉状もしくは粒状で電解液2中に残留しているものとする。
このような懸濁状態の下で電気分解を行うと、Liを含有し、かつ、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上をさらに含有する粉体もしくは粒体のスクラップが分散し、それに含まれる金属酸化物(正極材未溶解物)5が、カソード3と接触して、そこで電子の受け渡しが行われ、この還元反応により、金属酸化物5の、電解液2への溶解が促進されることで、カソード3の表面への電着物6a(NiもしくはCo又はNi−Co合金)及び、アノード4の表面への電着物6b(マンガン酸化物)として析出する金属を回収することができる。
また、上述したような、カソード3への金属成分の電着に加えて、電解液2中に、特定の金属が分離して濃縮してなる電解沈殿物7(マンガン酸化物)が生成され、電解後液をろ過分離することで、かかる電解沈殿物7の回収が可能となる。
その結果として、電気分解の実施に先立って、目的金属を完全に溶解させた電解質液を得ることが不要になり、また、各溶媒の抽出を行うことなく、一度の電気分解によって、Ni、Co及びMnのそれぞれを回収することができる。加えて、目的金属を十分に溶解させることを目的として用いる酸化剤或いは還元剤の添加が不要となる。それ故に、金属の回収に要する工数及びコストの大幅な削減を実現することができる。
ここで、上記のスクラップには、
リチウムイオン2次電池用正極材:正極材としてLiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li(CoxNiyMnz)O2 [x+y+z=1]などがある。
電解液中に分散させる粉体もしくは粒体のスクラップの粒径は、たとえば、0.01〜1000μmとすることができ、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜10μmとする。粉体もしくは粒体のスクラップの粒径が0.01μm未満であると体積が大きくなって取り扱いが困難となるおそれがあり、この一方で、粒径が1000μm超であると電解液に懸濁し難くなるおそれがある。
またここで、無機化合物の導電性水溶液としての上記の電解液2に用いることのできる鉱酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等を挙げることができ、この酸によって電解における溶解反応が促進される。なかでも硫酸は、原料の浸出及び電解に伴い有害なガスが発生しない点で好ましい。
そしてまた、電気分解を実施する前の電解液のpHは、対象原料の浸出反応を促進するとの観点からは、pHはある程度低い方が良く、5以下とすることが好ましい。Ni、Coのような、低pH側で電着反応が水素発生との競争となる金属については、pHを下げ過ぎると、通電電流に相当する理論電着量に対する、実際に回収される金属重量(電流効率)が低下する。従って、Ni及びCoについては、電解前のpHを1.5〜5とすることが好ましい。
またこの方法では、電解における懸濁物の浸出反応を促進するために、液温を上げることが効果的であり、たとえば、40℃以上、より好ましくは60℃以上とする。一方、水溶液である電解液2の温度は、100℃以下とすることができる。
なおここで、上記の方法に用いるカソード3は、ステンレス、チタン又は白金の他、回収を目的とする金属で形成することが好ましく、また、アノード4は、不溶性の鉛または、カーボンまたは、DSE(Dimensinally Stable Electrode)で形成することが好ましい。
以上に述べたように、この金属回収方法によれば、廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び/又は、リチウムイオン電池用正極材からなり、Liを含有するとともに、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上を含有する粉体もしくは粒体としてのスクラップを、無機化合物の水溶液からなる電解液2に混入し、そして、電解液2中に、粉体もしくは粒体のスクラップを完全溶解させずに分散させた懸濁状態で、電気分解を行うことにより、カソード3及びアノード4の少なくとも一方の電極の周囲に金属成分6a及び6bが電着し、及び/又は、電解沈殿物7が生成され、そこから金属を回収することができる。
それにより、電気分解前に金属を溶解させた電解質液を得る工程及び、溶媒抽出工程が不要となり、工数及びコストを大きく削減することができる。
次に、この発明の方法を実施したので以下に説明する。なお、ここでの説明は、単なる例示を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。
(発明例1)
リチウムイオン電池用の正極材スクラップ(Li:7%、Ni:48%、Co:6%、Mn:6%)を、イオン交換水及び硫酸を添加してパルプ濃度400g/lのスラリーとし、80℃で2時間撹拌してNi、Co、Liを浸出し、Li22.1g/l、Ni69.4g/l、Co0.3g/l、Mn<0.001g/l、pH5.0のスラリーを得た。浸出して得られたスラリーを攪拌機で強撹拌しながら電気分解を行った。電解条件は、カソード電流密度1.2A/dm2、電流は定電流7.2A、液温度70℃、カソードをNi製の種板(NiカソードにNi、Coを電着させ、Niカソード板と電着物が一体化したものを回収金属とする。)、アノードをIr系のDSEとした。
381h通電したところ、初めに添加した正極材中Ni、Coの97%が浸出され、カソード上のNi、Co合金電着物及び、電解溶液として回収された。通電した電流によるNi、Co合金電着物の理論量に対する、実際に回収されたNi、Co合金電着物の回収量の割合(電流効率)は、26%であった。回収されたNi、Co合金電着物の品位については、表1に示すように、不純物品位の低いものが得られた。Ni、Co合金電着物の外観については、液が懸濁した状態で電解したにも関わらず、表面形状が平滑なものが得られた。
一方、Liは電解液中に溶解し、Mnは電解後液中の電解沈殿物に、一部がアノード電着物に固体として回収され、電解後液中のMnは<1mg/lと低くかった。電解後液中の残渣(懸濁電解残渣)の分析を表2に示す。またXRD回折パターンより、電解後液に含まれる電解沈殿物中及びアノード電着物中のMnの主な形態はMnO2と見られる。
(発明例2)
リチウムイオン電池用の正極材スクラップ(Li:7%、Ni:48%、Co:6%、Mn:6%)を、イオン交換水及び硫酸を添加してパルプ濃度400g/lのスラリーとし、80℃で2時間撹拌してNi、Co、Liを浸出し、Li25.1g/l、Ni103g/l、Co7.7g/l、Mn<0.001g/l、pH1.8のスラリーを得た。浸出して得られたスラリーを攪拌機で強撹拌しながら電気分解を行った。電解条件は、カソード電流密度1.2A/dm2、電流は定電流7.2A、液温度70℃、カソードをNi製の種板(NiカソードにNi、Coを電着させ、Niカソード板と電着物が一体化したものを回収金属とする。)、アノードをIr系のDSEとした。
303h通電したところ、初めに添加した正極材中Ni、Coの99%が浸出され、カソード上のNi、Co合金電着物及び、電解溶液として回収された。通電した電流によるNi、Co合金電着物の理論量に対する、実際に回収されたNi、Co合金電着物の回収量の割合(電流効率)は、28%であった。
一方、Liは電解液中に溶解し、Mnは電解後液中の電解沈殿物に、一部がアノード電着物に固体として回収され、電解後液中のMnは<1mg/lと低くかった。
(発明例3)
述したリチウムイオン電池用の正極材スクラップに代えて、廃リチウムイオン電池を破砕・篩別して正極材成分を濃縮してなる、Feを含む濃縮物(Li:7%、Ni:48%、Co:6%、Mn:6%、Fe:300ppm)を用いたことを除いて、発明例1と同じ条件で電解を実施した。発明例1と同様に、電気分解により、硫酸浸出では溶解できなかったNi、Coを溶解しつつ、カソードにNi、Co合金電着物を回収することができた。但し、回収されたNi、Co合金電着物の品位は、表3に示すとおり、Feが高いものであった。Feは、電着における還元電位がNi、Coと近いため、Ni、Coとともに電着したと考えられる。
(比較例1)
従来技術に従い、正極材スクラップ(Li:7%、Ni:48%、Co:6%、Mn:6%)を硫酸と過酸化水素によりパルプ濃度100g/lで浸出し液を、有機リン酸系溶媒抽出剤であるD2EHPAでMnを抽出除去した後に、有機リン酸系溶媒抽出剤であるPC−88AでCoを抽出し、更にCo抽出後液中のNiをPC−88Aで抽出し、Co、Niを抽出したPC−88Aからそれぞれ別々にCo、Niを逆抽出した液を、それぞれCo、Niの電解前液として電解採取することにより、発明例1と同等の不純物濃度の低い電気Co、電気Niを別々に回収したが、発明例1と比較し、溶解工程で高価な過酸化水素を必要とし、不純物除去に複雑な工程が必要であった。
1 懸濁電解槽
2 電解液
3 カソード
4 アノード
5 金属酸化物
6a、6b 電着物
7 電解沈殿物

Claims (5)

  1. 廃リチウムイオン電池から分離回収した正極材の濃縮物及び/又は、リチウムイオン電池用正極材からなり、Liを含有するとともに、Ni、Co及びMnからなる群から選択される一種類又は二種類以上を含有する粉体もしくは粒体としてのスクラップを、鉱酸を含む無機化合物の水溶液からなる電解液に混入し、該電解液中にスクラップが分散した懸濁状態で電気分解を行うに当り、
    前記電気分解により、(a)Ni、Co及びNi−Co合金のうちの少なくとも一つの金属成分をカソードへ電着させる工程、(b)Mn酸化物をアノードへ電着させる工程、並びに、(c)電解液中にMnを含む電解沈殿物を生じさせる工程のうち、前記スクラップがNi及び/又はCoを含有する場合は工程(a)を含み、前記スクラップがMnを含有する場合は工程(b)及び工程(c)を含み、該工程で、スクラップに含まれる金属を回収する、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法。
  2. 前記電気分解の後、Liを電解液中に溶解した状態で残してLi溶液とする、請求項1に記載の、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法。
  3. 炭酸塩により、前記Li溶液からLiを回収する、請求項2に記載の、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法。
  4. 前記鉱酸を硫酸とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法。
  5. 前記電解液のpHを5以下とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、リチウムイオン電池用正極材からの金属の回収方法。
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