JP2015102200A - 車載モータ用転がり軸受 - Google Patents

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Toshihito Nagashiro
寿仁 永代
土田 祐樹
Yuki Tsuchida
祐樹 土田
田中 進
Susumu Tanaka
進 田中
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Abstract

【課題】ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる、車載モータ用の玉軸受1の構造を実現する。【解決手段】玉軸受1の端部開口を塞ぐシールリング6を構成する弾性材12を、導電性ゴム製とし、この弾性材12の外周縁部に設けた弾性係止部13を、外輪2の端部内周面に形成した係止溝18に係止すると共に、内周縁部に設けたシールリップ14を、内輪3の端部外周面に形成した凹溝19の側壁面に対して軸方向に軽接触させる。又、外輪2の内周面と内輪3の外周面との間で、玉4を設置した軸受内部空間10に、導電性グリース21を充填する。これにより、シールリング6を構成する弾性材12と導電性グリース21により、外輪2と内輪3とを電気的に導通し、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

この発明は、例えばハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)等の電動車両に搭載されて、この電動車両の駆動輪を駆動する為に使用する、電動モータの回転軸を回転自在に支持する為の車載モータ用転がり軸受の改良に関する。
近年、二酸化炭素等の排気ガスによる環境問題を改善する為、ハイブリッド自動車、電気自動車、及び燃料電池自動車等の、電動モータを走行用動力源として搭載した電動車両の実用化が進んでいる。この様な電動車両では、一般的に、車載バッテリから供給される直流電力を、パルス幅変調方式(PWM方式)等のインバータにより交流電力に変換し、電動モータに印加する。これにより、電動モータを駆動し、電動車両を走行させる為の駆動力を出力する様にしている。又、この様なインバータ制御される電動モータに対する高出力化の要求は益々高まっており、これに伴って、次の様な問題を生じる可能性がある。
第一の問題として、電動モータを構成する回転軸(モータ回転子)に誘起される軸電圧、及びこの回転軸やハウジングからの高周波漏れ電流による放射ノイズに起因して、ラジオノイズを発生させる可能性がある。この様な原因で発生するラジオノイズは、電動車両に搭載されるオーディオ機器等に雑音が混入する原因になると共に、車載電子機器に誤作動を引き起こす原因になる為、その発生を十分に抑える事が望ましい。
第二の問題として、電動モータを構成する回転軸に発生する軸電圧が大きくなり、この回転軸を支持する転がり軸受内部の油膜が絶縁破壊する事で、軌道輪と転動体との間で放電(スパーク)が生じ、軌道面及び転動面に電食(電気化学的腐食)を発生させる可能性がある。この様な原因で発生する電食は、軌道面及び転動面に摩耗を生じさせると共に潤滑油の劣化等を招き、振動の増大や騒音の原因になる為、やはりその発生を十分に抑える事が望ましい。
上述した様なラジオノイズや電食の発生を防止する為に、例えば特許文献1等に記載される様に、セラミックスの溶射被膜や樹脂絶縁膜等の絶縁層を、転がり軸受を構成する軌道輪の表面に形成したり、又は、特許文献1、2等に記載される様に、転動体として絶縁性を有するセラミックス製のものを使用する等の、転がり軸受の絶縁性を確保する為の対策を施す事が考えられる。但し、これらの対策によっても、絶縁性を完全に確保する事は困難であると共に、絶縁性を確保する為のコスト上昇が著しくなる。
これに対し、例えば特許文献3、4には、複写機等の事務機器に組み込まれる転がり軸受を対象として、転がり軸受に導電性(通電性)を持たせる事により、電食の発生を防止する技術が記載されている。但し、前記特許文献3、4に記載された技術は何れも、本願発明が対象とする車載モータ用転がり軸受とは、使用条件が大きく異なる。具体的には、車載モータ用転がり軸受は、最高回転数が10000min−1に達する高速回転で回転する回転軸を支持するものであるのに対し、前記特許文献3、4に記載された転がり軸受は、車載モータの回転軸に比べて低速で回転する回転軸を支持するものであり、使用回転数が大きく異なる。この為、前記特許文献3、4に記載された技術をそのまま、車載モータ用転がり軸受に用いる事はできない。
更に、電動車両の走行時の静粛性を確保する面から、電動モータの回転軸を支持する為の転がり軸受には、高い静音性が要求される。ところが、軸受内部の潤滑方法として一般的なグリース潤滑を採用した場合には、低温時に異音を発生させる可能性がある。即ち、寒冷地等に於いては、気温がマイナス40℃程度にまで下がる場合があり、グリースが硬化し易くなる。これにより、軌道面上にグリースのかたまりによる土手が形成され易くなり、転動体がこの土手上を転動する事で、アキシアル振動を増大させる。この結果、このアキシアル振動がモータユニットと共振し、異音を発生させる可能性がある。
特開2003−329045号公報 特開2011−72113号公報 実開平3−88018号公報 特開2002−89579号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる、車載モータ用転がり軸受の構造を実現すべく発明したものである。
又、必要に応じて、低温条件下に於いても、高い静音性を確保できる構造を実現するものである。
本発明の車載モータ用転がり軸受は、ハイブリッド自動車等の電動車両を駆動する為の電動モータの回転軸を回転自在に支持する為に使用するものであり、外輪と、内輪と、複数個の転動体(例えば玉やころ)と、シールリングと、必要に応じて保持器とを備える。
このうちの外輪は、内周面に外輪軌道が形成されており、例えば前記電動モータを構成するハウジングに内嵌固定される。
又、前記内輪は、外周面に内輪軌道が形成されており、例えば前記電動モータを構成する回転軸(ロータ軸)に外嵌固定される。
又、前記各転動体は、例えば保持器を構成するポケット内に保持された状態で、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、前記シールリングは、全体が円輪状で、前記外輪と前記内輪とを電気的に導通させる導電性を備えた、ゴム、ビニルの如きエラストマー製、又は合成樹脂製等の弾性材(シール材)を有しており、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在して、前記各転動体を設置した軸受内部空間の端部開口を塞ぐ。
又、前記弾性材の内外両周縁のうちの一方の周縁を、前記内輪の端部と前記外輪の端部とのうちの一方の端部に全周に亙って当接させる(例えば係止する)と共に、前記内外両周縁のうちの他方の周縁に設けられたシールリップの先端縁を、前記内輪の端部と前記外輪の端部とのうちの他方の端部の表面に全周に亙って摺接させる。
上述した様な本発明の車載モータ用転がり軸受を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記軸受内部空間に、前記外輪と前記内輪とを電気的に導通させる、導電性グリースを充填する。
又、前記請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記導電性グリースを、増ちょう剤としてウレア系化合物を使用すると共に、導電性材料としてカーボンブラックを使用した、カーボンブラックを含有するウレア系グリースとする。
又、本発明の車載モータ用転がり軸受を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記シールリップの先端縁を、前記他方の端部の表面に対して、軸方向に軽接触(接触面圧が実質的に0とみなせる程度に接触)させる。
又、本発明を実施する場合には、例えば前記弾性材を、体積固有抵抗率が30Ω・cm以下の導電性ゴム(導電性エラストマー)とする。
又、請求項2、3に記載した発明を実施する場合には、例えば導電性グリースの充填量を、軸受内部空間の全容積の15〜50%の範囲に規制する。又、この導電性グリースのちょう度を、250以上、好ましくは280以上とする。
更に、請求項3に記載した発明を実施する場合には、例えば導電性グリース中のカーボンブラックの含有量を、5重量%以下とする。
以上の様な構成を有する本発明の車載モータ用転がり軸受によれば、ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる。
即ち、本発明の場合には、転がり軸受の軸受内部空間を密封する為のシールリングを構成する弾性材として、導電性を備えたものを使用している為、この弾性材を通じて、前記転がり軸受を構成する外輪と内輪とを電気的に導通させる事ができる。
この為、本発明の転がり軸受により回転自在に支持される回転軸に軸電圧が誘起される事を防止できると共に、この回転軸やハウジングからの高周波漏れ電流による放射ノイズの発生を抑制できる。又、転がり軸受を構成する外輪及び内輪と転動体との間で、大きな電流が流れる(スパークが発生する)事を防止できる。
従って、本発明の車載モータ用転がり軸受によれば、ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる。
又、請求項2に記載した発明によれば、前記シールリングを構成する弾性材に加えて、導電性グリースを利用して、前記外輪と前記内輪とを電気的に導通させる事ができる。この為、ラジオノイズの発生と電食の発生とをより有効に防止できる。
又、請求項3に記載した発明によれば、低温条件下に於いても、前記導電性グリースを硬化しにくくできる。この為、車載モータ用転がり軸受の静音性を確保し易くできる。
更に、請求項4に記載した発明によれば、回転トルクを低く抑えられる為、高速回転に
より適した構造を実現できる。
本発明の実施の形態の1例の車載モータ用転がり軸受を示す半部断面図。 図1のA部拡大図。
[実施の形態の1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の車載モータ用の玉軸受1は、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)等の電動車両に搭載され、この電動車両の駆動輪を駆動する為に使用する、電動モータの回転軸を回転自在に支持する為のものであり、外輪2と、内輪3と、複数個の転動体である玉4と、保持器5と、1対のシールリング6、6とを備える。
前記外輪2は、軸受鋼や浸炭鋼等の硬質金属製で、内周面の軸方向(図1の左右方向)中間部に深溝型の外輪軌道7を有しており、使用状態で、電動モータを構成する図示しないハウジングに内嵌固定される。又、前記内輪3は、同じく硬質金属製で、外周面の軸方向中間部に深溝型の内輪軌道8を有しており、前記外輪2と同心に配置され、使用状態で、電動モータを構成する図示しない回転軸(モータ回転子)に外嵌固定される。又、前記各玉4は、同じく硬質金属製で、前記保持器5に設けたポケット9内にそれぞれ保持された状態で、前記外輪軌道7と前記内輪軌道8との間に転動自在に設けられている。尚、前記保持器5は、それぞれがプレス加工により波形に形成された1対の保持器素子を突き合わせた状態でリベットにより結合固定して成る、金属製の波形保持器である。
前記両シールリング6、6は、前記外輪2の内周面と前記内輪3の外周面との間に存在して、前記各玉4を設置した軸受内部空間10の端部開口を塞ぐと共に、前記外輪2と前記内輪3とを電気的に導通させるもので、それぞれ鋼板等の金属板を円輪状に形成して成る芯金11、11と、これら各芯金11、11により補強された円輪状の弾性材12、12とを備える。そして、これら各弾性材12、12の外周縁を、前記各芯金11、11の外周縁よりも径方向外方に少しだけ突出させて、当該部分を弾性係止部13、13としている。これに対して、前記各弾性材12、12の内周縁を、前記各芯金11、11の内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、突出した部分をシールリップ14、14としている。これら各シールリップ14、14は、基端部から先端部に向かうに従って、前記玉軸受1の中央に近づく方向に伸長(傾斜)しており、基端部が先端部に比べて薄肉に構成されている。又、前記各シールリップ14、14の先端部は、内側リップ部15、15と外側リップ部16、16とに分かれ、二股状に構成されている。又、前記各弾性材12、12のうちで、前記各芯金11、11の内側面の内径側端部を覆う部分には、断面略三角形状のラビリンスリップ17、17が設けられている。
特に本例の場合には、上述の様な構成を有するシールリング6、6を構成する弾性材12、12を、導電性を有する導電性ゴムとしている。具体的には、この弾性材12、12を、ゴム材に、導電性粒子や導電性繊維等の導電性の添加剤を練り込む事により構成しており、体積固有抵抗率を30Ω・cm以下に規制している。
前記ゴム材としては、ニトリルゴムの他、一般的なシール材料に用いられるアクリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等を使用する事ができる。又、導電性粒子としては、カーボンブラックの他、グラファイトや、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物等の導電性金属酸化物を使用する事もできる。又、導電性繊維としては、ステンレス繊維、炭素繊維(カーボンファイバー、カーボンチューブ)等を使用する事ができる。更に、導電性繊維の太さや長さは、任意のものを選択可能であり、例えばステンレス繊維として、太さが10μm、長さ200〜300μmのものを使用できる。導電性粒子に導電性繊維を混入する事により、導電性粒子同士の繋がりを導電性繊維で補強できる為、体積固有抵抗率を低下させる上で有利になる。
上述の様なシールリング6、6は、外周縁部に設けた前記各弾性係止部13、13を、前記外輪2の軸方向両端部内周面に全周に亙ってそれぞれ形成した係止溝18、18に係止すると共に、前記各シールリップ14、14の先端部を、前記内輪3の軸方向両端部外周面にそれぞれ形成した凹溝19、19内に、全周に亙って進入させている。そして、この状態で、前記各内側リップ15、15及び前記各外側リップ16、16の先端縁を、前記各凹溝19、19の側壁面20、20に対して、軸方向に軽接触(接触面圧が実質的に0とみなせる程度に接触)させた状態で、それぞれ全周に亙り摺接させている。この様な構成により、前記各弾性材12、12を通じて、前記外輪2と前記内輪3とを電気的に導通させている。尚、前記各ラビリンスリップ17、17の先端縁部内周面は、前記内輪3の外周面のうち、前記内輪軌道8と前記各凹溝19、19との間に存在する肩部に対して、全周に亙り近接対向させている。
又、本例の場合、前記軸受内部空間10に導電性グリース21を充填し、前記外輪2と前記内輪3とを、この導電性グリース21を介しても通電させている。この導電性グリース21は、基油及び増ちょう剤に、導電性を付与する為の導電性材料を配合したものである。尚、各図面には、前記導電性グリース21を梨子地模様で表している。
このうちの基油としては、一般的に潤滑油の基油として用いられているものを使用する事ができ、例えば鉱油系、合成油系若しくは天然油系の潤滑基油、又はこれらを混合した混合油等を使用する事ができる。又、増ちょう剤としては、Li、Naから成る金属石けん、Li、Na、Ba、Ca等から選ばれる複合化金属石けん等の金属石けん類、ジウレアやポリウレア等のウレア化合物を適宜選択して使用できるが、特に本例の場合には、低温条件下(マイナス40℃以下)でのグリースの硬化を防止する為に、例えば芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂肪族炭化水素基を有するジウレア化合物等のウレア化合物を使用している。又、導電性材料としては、例えばグラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等を使用する事ができるが、特に本例の場合には、カーボンブラックを使用している。従って、本例の場合には、前記導電性グリース21として、カーボンブラックを含有したウレア系グリースを使用している。又、カーボンブラックとして、中空構造を有し、一種のポーラス構造を有するものを使用すれば、基油がポーラス内部に侵入し、カーボンブラックそれ自体の分子構造を補強する事ができる為、耐久性を向上させる面から好ましい。又、前記導電性グリース21中のカーボンブラックの含有量を、5重量%以下に規制している。これにより、カーボンブラック同士が結合してかたまりとなり、前記外輪軌道7及び前記内輪軌道8と前記各玉4との間に噛み込まれる事で、これら各軌道7、8及び各玉4の転動面に損傷が生じる事を防止している。
又、本例の場合には、増ちょう剤量を調整する事により、前記導電性グリース21のちょう度を、250以上、好ましくは280以上としている。又、この様な組成を有する前記導電性グリース21の充填量を、前記軸受内部空間10の全容積の15〜50%の範囲に規制している。これにより、前記導電性グリース21による攪拌抵抗を抑えている。
以上の様な構成を有する本例の車載モータ用の玉軸受1によれば、ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる。
即ち、本例の場合には、前記玉軸受1の軸受内部空間10を密封する為のシールリング6、6を構成する弾性材12、12として、導電性を有するものを使用すると共に、軸受内部を潤滑する為のグリースとして、導電性を有する導電性グリース21を使用している。この為、前記各弾性材12、12及び導電性グリース21を通じて、前記玉軸受1を構成する外輪2と内輪3とを電気的に導通させる事ができる。しかも、前記各弾性材12、12の体積固有抵抗率を30Ω・cm以下に規制している為、これら各弾性材12、12により、前記外輪2と前記内輪3との間の十分な導電性を確保できる。この為、本例の玉軸受1により回転自在に支持される回転軸に軸電圧が誘起される事を防止できると共に、この回転軸やハウジングからの高周波漏れ電流による放射ノイズの発生を抑制できる。又、前記外輪軌道7及び前記内輪軌道8と前記各玉4との間で、大きな電流が流れる(スパークが発生する)事を防止できる。従って、本例の玉軸受1によれば、ラジオノイズ及び電食の発生を十分に抑制できる。
又、本例の場合には、前記各ラビリンスリップ17、17により、前記導電性グリース21が、前記各内側リップ部15、15及び前記各外側リップ部16、16の先端縁と、前記各側壁面20、20との摺接部側に移動する事を有効に防止できる。更に、前記各内側リップ15、15により前記導電性グリース21を封止し、前記各外側リップ16、16と前記各側壁面20、20との間に、この導電性グリース21による油膜が形成される事で、導電性が低下する事を防止できる。従って、この面からも、導電性を確保する事ができ、ラジオノイズ及び電食の発生を抑制できる。
又、本例の場合には、前記各シールリップ14、14の基端部の肉厚を薄くすると共に、前記各内側リップ部15、15及び前記各外側リップ部16、16の先端縁を、前記各側壁面20、20に対し軸方向に軽接触させている為、前記各シールリップ14、14を設けた事による摺動抵抗の増大を十分に抑えられる。又、前記導電性グリース21に関しても、ちょう度を、250以上、好ましくは280以上とすると共に、充填量を、前記軸受内部空間10の全容積の15〜50%の範囲に規制している為、前記導電性グリース21を充填した事による攪拌抵抗の増大を十分に抑えられる。従って、本例の玉軸受1によれば、回転トルクを十分に抑える事ができ、最高回転数が10000min−1に達する高速回転で回転する車載モータ用の回転軸を回転自在に支持する用途として、好適に使用できる。
又、本例の場合には、前記導電性グリース21中のカーボンブラックの含有量を、5重量%以下に規制している為、前記各軌道7、8及び各玉4の転動面に損傷が生じる事を防止できる。従って、本例の玉軸受1の耐久性を確保する上で有利になる。
更に、本例の場合には、前記導電性グリース21として、増ちょう剤にウレア系化合物を使用した、ウレア系グリースを使用している為、低温条件下に於いても、前記導電性グリース21が硬化する事を有効に防止できる。この為、軌道面上にグリースのかたまりによる土手が形成される事を抑制できる為、運転時に於けるアキシアル振動の増大を抑制できる。従って、本例の玉軸受1の静音性を確保できる。又、モータユニットと共振する事による異音の発生を有効に防止できる為、電動車両の静粛性も確保できる。
以上の様に、本例の場合には、導電性機能を十分に確保できると共に、高速性、耐久性、及び静音性に優れた、車載モータ用の玉軸受1の構造を実現できる。
本発明の車載モータ用転がり軸受を構成する転動体としては、上述した実施の形態で説明した様な玉に限定されず、円筒ころや円すいころ等のころを使用する事ができる。又、弾性材に設けられるシールリップの形状に就いても、実施の形態で説明した構造に限定されず、使用されるゴム材や導電性の添加材の種類等に応じて、各種構造を採用できる。
1 車載モータ用玉軸受
2 外輪
3 内輪
4 玉
5 保持器
6 シールリング
7 外輪軌道
8 内輪軌道
9 ポケット
10 軸受内部空間
11 芯金
12 弾性材
13 弾性係止部
14 シールリップ
15 内側リップ部
16 外側リップ部
17 ラビリンスリップ
18 係止溝
19 凹溝
20 側壁面
21 導電性グリース

Claims (4)

  1. 電動車両を駆動する為の電動モータの回転軸を回転自在に支持する為の車載モータ用転がり軸受であって、
    内周面に外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に内輪軌道を有する内輪と、
    これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
    前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在して、これら各転動体を設置した軸受内部空間の端部開口を塞ぐと共に、前記外輪と前記内輪とを電気的に導通させる導電性を備えた弾性材を有する、円輪状のシールリングとを備え、
    この弾性材の内外両周縁のうちの一方の周縁を、前記内輪の端部と前記外輪の端部とのうちの一方の端部に全周に亙って当接させると共に、前記内外両周縁のうちの他方の周縁に設けられたシールリップの先端縁を、前記内輪の端部と前記外輪の端部とのうちの他方の端部の表面に全周に亙って摺接させている
    事を特徴とする車載モータ用転がり軸受。
  2. 前記軸受内部空間に、前記外輪と前記内輪とを電気的に導通させる、導電性グリースが充填されている、請求項1に記載した車載モータ用転がり軸受。
  3. 前記導電性グリースが、カーボンブラックを含有するウレア系グリースである、請求項2に記載した車載モータ用転がり軸受。
  4. 前記シールリップの先端縁を、前記他方の端部の表面に対して、軸方向に軽接触させている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した車載モータ用転がり軸受。
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