JP2017067111A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受に外部から電流が流れ込んだ場合に、通電させることで軸受内部での充・放電を防止するのを、バックアップ機能を持った構造とすることで、より確実に達成できる転がり軸受を提供する。【解決手段】外周面に内輪軌道面が設けられた金属製の内輪と、内周面に外輪軌道面が設けられた金属製の外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に設けられた金属製である複数個の玉と、該複数個の玉を周方向にほぼ等間隔に配置するための保持器と、を備えた転がり軸受において、前記保持器は導電性物質を含有した樹脂で形成され、前記内外輪間には、導電性物質を含有した導電性グリースが封入されている。【選択図】図1
Description
この発明は、サーボモータやインバータモータ、発電機用ジェネレータ(風力発電機等)、鉄道車両用主電動機等の様に、回転軸に電流が流れる可能性がある回転支持部に組み込む電食防止用の転がり軸受に関する。
各種回転機械装置の軸受部等、回転部分を支持する為の転がり軸受として、玉軸受が広く使用されている。かかる玉軸受を、例えばインバータモータやサーボモータ等の様に、回転軸に電流が流れる可能性がある回転支持部に組み込む場合、この回転軸を流れる電流が、上記玉軸受に流れ込む。この電流は、転動体としての玉の転動面と内輪、外輪両軌道面との間が、潤滑剤(潤滑油、グリース)の潤滑油膜により絶縁されているため、通常は軸受内を流れることはない。
しかし、蓄積される帯電量が多くなってこの内輪と外輪との間の電位差が大きくなり、さらに潤滑油膜の厚さが部分的に薄くなった場合、絶縁破壊が生じて玉の転動面と内外輪両軌道面との間に瞬間的に大きな電流が流れてスパークを発生し、各玉の転動面、又は内外輪両軌道面が局部的に溶融する電気的な腐食(電食)が発生することがある。この様なスパークは断続的に発生し、電食が進むと場合によっては波板状の損傷に至ることがあり、この場合は騒音、振動発生の原因となる。
この様な電食を防止する技術として、従来から大別して2つの方法が考えられてきた。1つは、軸受を絶縁して電気を通電させない方法であり、他の1つは、常に通電させて軸受内部で充・放電させない方法である。
1つ目の方法として、具体的には例えば転動体をセラミック製とする構造が提案されている(特許文献1参照)。
又2つ目の方法としては、軸受側面に内外輪間で通電可能な通電装置を設ける構造(例えば特許文献2)、軸受を密封するために内外輪間に設けられたシールに導電性を持たせて、このシールを通して軸受内に電気を通電させる構造(例えば特許文献3)、カーボンブラック等の導電性物質を添加した導電性グリースを封入し、この導電性グリースを通して軸受内に電気を通電させる構造(例えば特許文献4)が提案されている。
上述の様な特許文献1〜4に記載された従来技術のうち、特許文献1に記載された、転動体をセラミック(例えばチッ化ケイ素)製とする構造の場合、材料費が高価なため汎用軸受に使用するのは難しく、又製造上の理由からボールサイズの小さい軸受に使用が制約されてしまうという事情がある。
又、特許文献2に記載された、軸受側面に通電装置を設ける構造の場合、軸受寸法に加え、通電装置を収めるためのスペースが必要となる。
又、特許文献3に記載された、内外輪間に設けられたシールに導電性を持たせる構造の場合、回転軸に取付けられた内輪と摺接しているシールが使用により磨耗してしまうのを防止する構造とする必要があり、導電性と耐久性を両立させるためのゴム製のシール材への導電性物質の混入比率を適切に選定する必要がある。
又、特許文献4に記載された、導電性グリースを封入する構造の場合も、経年劣化を防ぐため、導電性物質および導電性物質の混入比率を適切に選定する必要がある。また、導電性確保とトルク増大回避を両立させるために、軸受内へのグリース封入量を適切に行う必要がある。
ところで、前述した1つ目の方法(絶縁)と2つ目の方法(通電)とは両立させることはできない。しかし、各々の方法内においては、当該目的をより確実に達成するために、ある構造による機能が十分果たせなくなった場合でも、他の構造によってその機能を果たせるようになっているようなバックアップ機能を持った構造となっているのが望ましい。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、玉軸受に外部から電流が流れ込んだ場合に、電食による有害な損傷が発生し、この玉軸受に振動・騒音が発生するのを防止する事を目的としている。特に、前述した2つの方法のうち2つ目の、軸受内に電気を通電させることで軸受内部での充・放電を防止する方法を、バックアップ機能を持った構造とすることで、より確実に達成できる転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
外周面に内輪軌道面が設けられた金属製の内輪と、内周面に外輪軌道面が設けられた金属製の外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に設けられた金属製である複数個の玉と、該複数個の玉を周方向にほぼ等間隔に配置するための保持器と、を備えた転がり軸受において、
前記保持器は導電性物質を含有した樹脂で形成され、
前記内外輪間には、導電性物質を含有した導電性グリースが封入されている、
転がり軸受。
外周面に内輪軌道面が設けられた金属製の内輪と、内周面に外輪軌道面が設けられた金属製の外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に設けられた金属製である複数個の玉と、該複数個の玉を周方向にほぼ等間隔に配置するための保持器と、を備えた転がり軸受において、
前記保持器は導電性物質を含有した樹脂で形成され、
前記内外輪間には、導電性物質を含有した導電性グリースが封入されている、
転がり軸受。
本発明の転がり軸受は、保持器が導電性物質を含有した樹脂で形成され、内外輪間には、導電性物質を含有した導電性グリースが封入されていることにより、「内輪−導電性グリース−外輪」のルートと、「内輪−導電性グリース−保持器−導電性グリース−外輪」のルートとにより玉軸受に流れ込んだ電気を通電させることができる。これにより、複数の通電ルートで通電量を十分確保できると共に、1つのルートの機能が低下しても他のルートでバックアップできるため、内外輪間の電位差の発生を抑えて、軸受内部での充・放電を効果的に回避し、電食の発生を防止することが可能となる。
以下、本発明に係る転がり軸受の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態を示す。図1に示すように、転がり軸受1(以下、単に「軸受」ともいう。)は、内輪3と、外輪5と、内外輪3、5間に転動自在に設けられた複数個の転動体7と、この転動体7を周方向にほぼ等間隔に配置するための保持器9と、内外輪3、5間に封入されているグリースGcと、を有する。
内輪3は、軸方向(図1中、左右方向)中央側が凹となるように内輪軌道面3aが外周面に形成されている。また軸方向両端部には、後述するシール部材11との間でラビリンスを形成する段部3bが設けられている。この内輪3は金属製とされ、好ましくは軸受鋼(例えばSUJ2)製とされている。
外輪5は、内周面の軸方向中央側で上記内輪軌道面3aと対向する位置に、凹状の外輪軌道面5aが形成されている。また軸方向両端部には、後述するシール部材11を係止するためのシール溝5bが、全周にわたって設けられている。この外輪5も金属製とされ、好ましくは軸受鋼(例えばSUJ2)製とされている。
転動体である複数の玉7が、内輪軌道面3aと外輪軌道面5aとの間に転動自在に設けられている。この玉7も金属製とされ、好ましくは軸受鋼(例えばSUJ2)製とされている。
保持器9は、図2に示すような軌道輪案内方式の冠型保持器である。軸方向一端側は円環部9aとされ、この円環部9aから軸方向に複数の柱部9bがほぼ等間隔に延びている。柱部9bの先端には一対の爪部9c、9cが形成され、上記した円環部9a、柱部9b、爪部9cとでポケット部9dが画成されている。このポケット部9dに上述した玉7が収容されることで、玉7は周方向にほぼ等間隔で配置されるようになっている。
この保持器9は導電性物質を含有した樹脂製とされ、好ましくは射出成形により作製される。導電性物質としては、例えばメタルファイバ(金属短繊維)、カーボンブラック、カーボンナノチューブを用いることができる。
一対のシール部材11、11が、上述した外輪5の軸方向両端部に形成されたシール溝5b、5bに係止されている。これら各シール部材11は、鋼板等の金属板を円輪状に形成して成る芯金11aに、ゴムの如きエラストマー等の弾性材11bを補強する事により、全体が円輪状に形成されている。
そして、このシール部材11の外周側において、上記芯金11aの外周縁よりも少しだけ径方向(図1の上下方向)外方に突出した弾性材11bの突出部11cが、上記係止溝5bに係止されている。これに対し、シール部材11の内周側は、上記弾性材11bの内周縁部は、上記芯金11aの内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、内輪3に形成された段部3bとの間でラビリンスを形成するように、若干の隙間を持って配置されている。
グリースGcが、内外輪3、5間に、少なくとも保持器9の円環部9aを取り囲んだ態様で封入されている。このグリースGcは導電性物質を含有した導電性グリースとされている。導電性物質としては、例えばカーボンブラックを用いることができる。
次に作動について説明する。
本実施形態の転がり軸受1は、内輪3が、例えばインバータモータの回転軸(不図示)に取付けられ、外輪5がハウジング(不図示)に取付けられて使用される。軸とともに内輪3が回転すると、玉7は内輪軌道面3aと外輪軌道面5aとの間を転動する。
このとき、インバータモータの回転軸に電流が流れると、この電流が軸受内を流れようとする。この流れがスムーズに行なわれないと、内外輪3、5間の電位差が絶縁破壊電圧を超えたときにスパークが発生し、電食が生ずるおそれがある。しかし本実施形態では、「内輪3−導電性グリースGc−外輪5」のルートと、「内輪3−導電性グリースGc−保持器9−導電性グリースGc−外輪5」のルートとにより玉軸受1に流れ込んだ電気を通電させるため、複数の通電ルートにより通電量を十分確保できる。また、1つのルートの機能が低下しても他のルートでバックアップでき、電気を確実に流すことができる。これにより、電食を効果的に回避することができる。
(第2実施形態)
次に、図3を参照して第2実施形態について説明する。図3は図1と同様な転がり軸受51の軸断面図である。図1と保持器構成および封入されるグリースを除いては同一であるため、同一部分については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、図3を参照して第2実施形態について説明する。図3は図1と同様な転がり軸受51の軸断面図である。図1と保持器構成および封入されるグリースを除いては同一であるため、同一部分については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
保持器59は第1実施形態と同様、円環部59aとこの円環部59aから軸方向に延びる柱部59bとを備えており、これら円環部59aと柱部59bでポケット59cを画成している。但し、円環部59aの内径側および外径側には、内方突状部59eおよび外方突状部59fがそれぞれ形成されている。両突状部59e、59fの先端は、内輪3および外輪5に近接した位置まで延びているが、必ずしも接触している必要はない。
軸方向で、この両突状部59e、59fの玉7が位置する側とは反対側(図中、両突状部59e、59fの左側)には、導電性グリースGcが封入されている。これに対し、この両突状部59e、59fの玉7側(図中、両突状部59e、59fの右側)には、必ずしも導電性であることを要求されないという意味での非導電性の第2のグリースG2が封入されている。
かかる構成により、導電性グリースGcと導電性保持器59による電食の防止効果を保ちつつ、なおかつ,導電性グリースGcの使用量を減らしコストを抑制すると共に、玉の位置する側では、音響特性など目的に合わせた第2のグリースG2を使用することが可能となる。なお、第2のグリースG2は、必ずしも非導電性のグリースでなければならないということはなく、導電性グリースGcとは別のグレードの導電性グリースであっても差し支えない。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、転がり軸受として玉軸受だけでなくころ軸受に適用することもできる。
1、51 転がり軸受
3 内輪
3a 内輪軌道面
5 外輪
3a 外輪軌道面
5 転動体
7 シール部材
9、59 保持器
Gc 導電性グリース
3 内輪
3a 内輪軌道面
5 外輪
3a 外輪軌道面
5 転動体
7 シール部材
9、59 保持器
Gc 導電性グリース
Claims (1)
- 外周面に内輪軌道面が設けられた金属製の内輪と、内周面に外輪軌道面が設けられた金属製の外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に設けられた金属製である複数個の転動体と、該複数個の転動体を周方向にほぼ等間隔に配置するための保持器と、を備えた転がり軸受において、
前記保持器は導電性物質を含有した樹脂で形成され、
前記内外輪間には、導電性物質を含有した導電性グリースが封入されていること、
を特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015190758A JP2017067111A (ja) | 2015-09-29 | 2015-09-29 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015190758A JP2017067111A (ja) | 2015-09-29 | 2015-09-29 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017067111A true JP2017067111A (ja) | 2017-04-06 |
Family
ID=58494393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015190758A Pending JP2017067111A (ja) | 2015-09-29 | 2015-09-29 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017067111A (ja) |
-
2015
- 2015-09-29 JP JP2015190758A patent/JP2017067111A/ja active Pending
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