JP2015100763A - 高塩濃度汚泥の脱水方法 - Google Patents

高塩濃度汚泥の脱水方法 Download PDF

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温 米倉
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Abstract

【課題】下水、し尿、産業排水の処理で生じる高塩濃度の有機汚泥に対して凝集剤を添加し、効率が良い脱水処理を可能とする汚泥の脱水方法を開発すること。【解決手段】特定の単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン、あるいは油中水型エマルジョンの二種からなる凝集処理剤を、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO3/L以上である高塩濃度の有機汚泥に添加することで効率が良い脱水処理が達成できる。【選択図】 なし

Description

本発明は、凝集処理剤を使用した高塩濃度の有機汚泥の脱水方法に関するものであり、詳しくは、特定の構造単位を有する単量体混合物を乳化重合し製造したカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョンからなる凝集処理剤、あるいは、特定の構造単位を有する単量体混合物を乳化重合し製造したカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョンの二種を含有した凝集処理剤を電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上である高塩濃度の有機汚泥に添加する汚泥の脱水方法に関する。
都市下水などの処理場において、下水から沈降させた初沈生汚泥、活性汚泥槽からの流出水から沈降させた余剰汚泥あるいは混合生汚泥といった有機性の汚泥に対してポリアクリルアミド(PAM)系高分子凝集剤を添加、脱水処理する汚泥の脱水方法が汎用されているが、汚泥の中には、塩濃度の高いものがあり、通常のPAM系高分子凝集剤では十分な脱水処理効果が得られない場合がある。これは、高塩濃度溶液中では、PAM系高分子凝集剤が糸鞠状に分子が丸まり、架橋吸着作用における高分子束と称される高分子液滴の結合力が低下する結果、汚泥粒子表面のアニオン性解離基とのイオン性コンプレックスの形成が抑制されることになり、凝集性が低下するためと考えられる。そのため、高塩濃度の有機汚泥に対して種々の凝集剤が提案されている。
例えば、特許文献1では、無機塩を多量に含有する有機質汚泥に対して、ベンジル基を含有するポリマーの適用が開示されている。特許文献2では、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドと2官能性単量体を含有する単量体を、連鎖移動剤の存在下に逆相乳化重合を行って得た重合物と、親水性界面活性剤の混合物である脱水剤を電気伝導度が1000mS/m以上である有機汚泥に適用する技術が開示されている。しかし、高塩濃度汚泥の性状は様々であり、単に電気伝導度の値だけでは効果を把握しきれない場合や効果が不満足な場合もあり、安定して脱水効率の高い凝集処理剤の処方が要望されている。
特開昭63−270510号公報 特開平10−277600号公報
本発明の課題は、下水、し尿、産業排水の処理で生じる高塩濃度の有機汚泥に対して凝集剤を添加し、効率が良い脱水処理を可能とする汚泥の脱水方法を開発することである。
上記課題を解決するため本発明者は、鋭意検討した結果、以下に述べる発明に達した。即ち、特定の構造単位を有する単量体混合物を乳化重合し製造したカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン、あるいはその二種の含有物からなる凝集処理剤を電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上である高塩濃度の有機汚泥に添加する汚泥の脱水方法である。
本発明における凝集処理剤は高塩濃度の有機汚泥に対して、特に電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥に対して特効であり、従来の凝集処理剤を添加するよりも優れた脱水処理効果が達成できる。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョンからなる凝集処理剤あるいはカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン二種の含有物からなる凝集処理剤中の、カチオン性あるいは両性水性高分子とは、重合時共存させる架橋性単量体の添加量、あるいは共重合させる単量体組成によって、分子の形態からは架橋型あるいは分岐型水溶性になり、又、水溶性との関係は、水溶性あるいは水膨潤性になる場合もあり、これらを含めて水性高分子と言う。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)からなる凝集処理剤は、下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるカチオン性単量体80〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜20モル%、及び該単量体あるいは該単量体混合物に対して質量で20〜5000ppmの架橋性単量体を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合して得たものである。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
一般式(1)で表されるカチオン性単量体は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化ベンジル等のハロゲン化アリール化合物や炭素数が7〜20のハロゲン化アルキルによる4級化物等が挙げられ、これらのカチオン性ビニル系単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。具体的な例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルベンジルジメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等である。一般式(2)で表されるカチオン性単量体としては、ジアリルメチルアンモニウム塩化物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物等がある。
本発明においては両性水性高分子を使用しても良好な脱水効果を達成できる場合があり、一般式(3)で表されるアニオン性単量体を使用して製造したものである。一般式(3)で表されるアニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。アニオン性単量体のモル数としては、0〜20モル%の範囲である。
又、必要に応じて共重合される非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)の水性高分子を製造するために、重合時に構造改質剤、即ち、高分子を構造変性する架橋性単量体を使用する。繊維分が少ない、いわゆる難脱水性汚泥の場合には非常に有効な方法である。この方法を本発明で適用する高塩濃度の汚泥に対しても取り入れる。この架橋性単量体は、単量体総量に対し質量で20〜5,000ppm、また好ましくは50〜2,000ppm存在させる。架橋性単量体の例としては、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシラン等があるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。一般的に架橋性単量体使用時に連鎖移動剤を使用するが、本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)の水性高分子製造時では連鎖移動剤を使用しない。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)からなる凝集処理剤の製造方法としては、イオン性単量体、あるいはイオン性単量体と共重合可能な非イオン性単量体、及び架橋性単量体を含有する単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させ重合することにより合成する。
又、分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
単量体の重合濃度は20〜50質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB3〜11のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート等が挙げられ、油中水型エマルジョン全量に対して5〜25質量%であり、好ましくは10〜20質量%の範囲である。
重合時HLB3〜7などの界面活性剤を使用した場合は、重合後は、親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行ない、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノ二オン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系等である。重合時、HLB10〜14などの界面活性剤を使用した場合は、重合後の親水性界面活性剤の添加は必要ない。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行なう。特に油中水型エマルジョン重合法を適用する場合は、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で行なう。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルプロピオネート、4、4’−アゾビス−(4−メトキシ−2、4−ジメチル)バレロニトリル等が挙げられる。
水溶性アゾ開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。またレドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)を製造する上で重要な要素となるのが粒径制御である。又、粒径に関して説明すると本発明において言う粒径は、レーザー回折による散乱式粒度分布計によって測定した数値を粒径としている。これはメジアン径であり、分散系における全分散粒子数の累積50%に相当する粒子数の平均粒径である。通常、単量体水溶液を分散相、炭化水素からなる油状物質を連続相となるように界面活性剤を用いて油中水型エマルジョンを作成し重合した後の粒径は、数μm〜1.0μmの範囲の重合物が生成する。本発明における油中水型エマルジョン(A)については、この粒径を0.5μm以下の範囲まで小さくすると効果が向上する。粒径を0.5μm以下の範囲にするには三つの手法を使用する。一つは界面活性剤の添加量を通常である対油中水型エマルジョン0.5〜5質量%より増加させ、5〜25質量%まで添加する。
又、もう一つの手法としては、油中水型エマルジョン全体に対する単量体の濃度を低下させることである。通常、重合時単量体の濃度は、35〜50質量%であることが一般的に行われているが、本発明においては、25〜45質量%に調整して重合を実施する。しかし、重合濃度が低くなることは、生産性が下がり好ましくないばかりか、油中水型エマルジョンの安定性をも低下させる。従って好ましくは30〜45質量%である。また粒径分布は、動的光散乱法によって測定した数値を採用している。
更にもう一つは、油相と水相の比を増加させることである。通常油相は、油中水型エマルジョン全量に対して20〜35質量%の範囲であるが、この比を増加させ35〜55質量%の範囲にすることにより粒径を小さくすることができる。しかし、これもコスト上昇に導くため好ましくは35質量%〜50質量%である。
本発明におけるカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)と、油中水型エマルジョン(A)以外のカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を含有させることにより、カチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)単独よりも更に効果が向上する場合がある。これら二種を含有する凝集処理剤について以下に説明する。
本発明におけるカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)と、油中水型エマルジョン(A)以外のカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を含有させることとは、即ち、下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるカチオン性単量体80〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜20モル%、及び該単量体あるいは該単量体混合物に対して質量で20〜5000ppmの架橋性単量体を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)と、下記一般式(4)で表されるカチオン性単量体10〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜90モル%を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を含有した凝集処理剤である。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。

一般式(2)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。

一般式(4)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
本発明で使用するカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)は、カチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)の製造時に使用される一般式(1)で表されるカチオン性単量体を使用しない。即ち、カチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)中の水性高分子(A)は、ベンジル基など疎水的な側鎖を有する(メタ)アクリル系水性高分子であり、カチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)中の水性高分子は、ベンジル基など疎水的な側鎖を有さない(メタ)アクリル系水性高分子である。
本発明で用いるカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)の製造時、カチオン性単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、ジアリルアルキルアミン等の3級塩、塩化メチル等のハロゲン化アルキル等が挙げられ、これらのカチオン性ビニル系単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。具体的な例としては一般式(4)で表されるカチオン性単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチルや塩化エチルなど低級アルキル基のハロゲン化物による四級化物である。例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物等である。又、一般式(2)で表されるカチオン性単量体は、ジアリルメチルアンモニウム塩化物、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物等がある。
又、両性水性高分子を製造する場合は、一般式(3)で表されるアニオン性単量体として、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等を使用する。アニオン性単量体のモル数としては、0〜20モル%の範囲である。
又、必要に応じて共重合される非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を製造するために、カチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)の製造と同様に、重合時に構造改質剤、即ち、高分子を構造変性する架橋性単量体を使用することができる。この架橋性単量体は、単量体総量に対し質量で20〜5,000ppm、また好ましくは50〜2,000ppm存在させる。又、重合度を調節するため連鎖移動剤として、イソプロピルアルコール等を対単量体0.1〜5質量%併用すると効果的な場合がある。
本発明におけるカチオン性あるいは両性高分子の油中水型エマルジョン(B)を製造する場合は、イオン性単量体、あるいはイオン性単量体と共重合可能な非イオン性単量体、適宜、架橋性単量体を含有する単量体混合物を水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させ重合することにより合成する。
又、分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
単量体の重合濃度は20〜50質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
油中水型エマルジョン(B)を形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB1〜8のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテートなどが挙げられる。これら低HLBの界面活性剤により乳化、重合した場合は重合後に転相剤と呼ばれる親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子が水になじみ易くし、中の水溶性高分子が溶解しやすくする処理を行い、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系等である。
高HLB界面活性剤を使用すると乳化させ油中水型エマルジョンを形成させ重合したエマルジョンは、このままで水となじむので転相剤を添加する必要がない場合もある。高HLB界面活性剤としては、HLB11〜20の界面活性剤があり、その具体例としては、カチオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系などである。具体的には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレート等である。高HLB界面活性剤を使用することによって重合後、希釈時、特に転相剤を添加しなくても水に溶解可能な油中水型エマルジョンを形成させることが可能である。これら界面活性剤の添加率としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%である。これら界面活性剤の添加率としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
重合は窒素雰囲気下にて、重合開始剤、例えば2、2’−アゾビス(アミジ
ノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下ラジカル重合を行う。
本発明で使用するカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)中の水性高分子は、カチオン度は80〜100モル%であり、好ましくは85〜100モル%のものが適している。また重量平均分子量は、300万〜1500万が好ましいが、更に好ましくは500万〜1000万である。本発明で使用するカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)中の水性高分子は、カチオン度は10〜100モル%であり、好ましくは20〜80モル%であり、さらに好ましくは30〜80モル%のものである。これは、低モルよりも中高モルの方が汚泥中の懸濁粒子の有するアニオン電荷をできる限り低下させることにより汚泥の含水率低下に対して有効に作用するためである。又、汚泥の性状によっては、モル数が高くなりすぎると高い分子量が得られ難いため好ましくない場合がある。重量平均分子量は、300万〜1500万が好ましいが、更に好ましくは400万〜1000万である。尚、本発明における重量平均分子量を求める際は静的光散乱法を用いて測定を行っている。本発明における油中水型エマルジョン(A)と油中水型エマルジョン(B)を含有する凝集処理剤の配合比は、汚泥の性状によって任意に調整されるが、通常、質量比で10:90〜90:10である。
本発明における凝集処理剤は、高塩濃度の有機汚泥に対して適用される。高塩濃度の指標としては一般的に電気伝導度が使用されるが、電気伝導度が高い汚泥ではPAM系高分子凝集剤の効果が低下する。一方、本発明における凝集処理剤は電気伝導度が100mS/m以上の汚泥においても効果を発揮する。電気伝導度が高くなるほど、従来の凝集剤に比べて効果差が現れるので好ましくは150mS/m以上である。しかし、汚泥性状によっては電気伝導度の高低だけでなくMアルカリ度が高分子凝集剤の効果に関与し、Mアルカリ度が一定の数値を超えるとPAM系高分子凝集剤の効果が低下する傾向にある。そこで、本発明における凝集処理剤は、Mアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥に適用され、好ましくは500mgCaCO/Lである。以上から電気伝導度とMアルカリ度の値を指標として、本発明における凝集処理剤は、特に電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥に対して適用される。本出願人が鋭意検討した結果、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥において、一般的に使用される四級アンモニウム塩基を含有するアクリル系高分子凝集剤の効果が特に不良となることを見出し、当該汚泥において本発明における凝集処理剤の効果を確認し、本発明に至った経緯がある。即ち、本発明で規定する高塩濃度の汚泥とは、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥である。本発明における凝集処理剤の適用では、Mアルカリ度は、汚泥中に含まれる炭酸塩、炭酸水素塩、又は水酸化物等のアルカリ成分に消費される塩酸量で測定した値であり、pH4.8まで中和するのに要した塩酸の量を、これと当量の炭酸カルシウム(CaCO)の濃度(mg/L)に換算して表示され、一般的に汚泥の腐敗・発酵の指標として使用されているものに準拠する。測定方法は、例えば、200mLビーカーに汚泥50mL採取し、撹拌子により撹拌しながらpH4.8になるまで1/10N塩酸を滴下、滴下量を量り下記式により求められる。
Mアルカリ度(mgCaCO/L)=1/10N塩酸の滴下量×1/10N塩酸の力価×100
一般的に使用される四級アンモニウム塩含有アクリル系高分子凝集剤では、高塩濃度溶液中では、塩類中の対イオンによりカチオン性基が中和され、高分子鎖がランダムコイル状となり汚泥粒子との接触が不良となるが、本発明における凝集処理剤中のカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)は、一般式(1)で表されるカチオン性単量体を有するためランダムコイル化が抑制され高塩濃度溶液中でも広がった形状を取り凝集効果が発揮される。
本発明における凝集処理剤の脱水性の向上は、油中水型エマルジョン(A)中の一般式(1)で表されるカチオン性単量体を有することによる作用と、更に油中水型高分子エマルジョン(A)が従来とは異なる架橋型構造を持たせることが可能なため、難凝集性の高塩濃度の汚泥に対しても良好な凝集力を発揮することができることに因るものと考えられる。これには分子量、カチオン当量、親水性・疎水性のバランスなど影響していると考えられるが、本発明においては、これらの因子を分子量の調節、高カチオン性、架橋剤を加え重合し架橋型高分子にすることにより疎水化し調節することができたと考えられる。その結果、本発明における凝集処理剤は、架橋・分岐あるいは水膨潤性水性高分子凝集処理剤の欠点とされた、処理可能域添加量の増加が少なく直鎖型高分子とほぼ同程度の添加量により汚泥脱水操作などが可能となった。又、本発明における油中水型エマルジョン(A)の平均的な粒径は、0.5μm以下と一般的な油中水型エマルジョンの粒径1〜2μmより細かくすると効果が向上する。この場合、粒子表面積が増加し、汚泥懸濁粒子に対する作用機能が向上し、架橋あるいはマイクロゲルの問題点とされた添加量増加によるコスト上昇を抑えることができ、処理可能添加量領域が添加量減少にシフトすると考えられる。
本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)を製造する際に架橋性単量体を共存する。又、本発明におけるカチオン性あるいは両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を製造する際に架橋性単量体を共存させても良い。本発明における架橋性単量体を含有させて重合した油中水型エマルジョンからなる凝集処理剤、即ち架橋型水性高分子は、直鎖性高分子に比べて水中における分子の広がりが抑制される。そのためにより「密度の詰まった」分子形態として存在する。架橋型高分子が汚泥中に添加されると懸濁粒子に吸着し、粒子同士の接着剤として作用し結果として粒子の凝集が起こる。この時「密度の詰まった」分子形態であるため懸濁粒子表面と多点で結合し巨大フロック化せず、より締った強度の高いフロックを形成すると推定される。しかも強度の高いフロックが形成され汚泥脱水性の改善が発現する。
本発明における油中水型エマルジョン(A)からなる凝集処理剤、あるいは油中水型エマルジョン(A)と油中水型エマルジョン(B)を含有した凝集処理剤の適用可能な汚泥は、製紙排水、化学工業排水、食品工業排水などの生物処理したときに発生する余剰汚泥、あるいは都市下水、し尿、産業排水の処理で生じる有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥およびこれらの混合物)であるが、これら汚泥の中で特に高塩濃度の汚泥、即ち、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上の汚泥に対して特効である。汚泥に任意の濃度に水で希釈あるいは原液のまま添加される。汚泥に対する添加率は、汚泥種、脱水機種によっても異なるが、通常汚泥固形分に対し0.005〜2.0質量%である。又、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、PAC、硫酸バンド等の無機系凝集剤と併用しても良い。
使用する脱水機の種類は、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円板型脱水機、ロータリープレス、フィルタープレス等に対応できる。特に高い圧搾力が与えられるスクリュープレスや多重円板型脱水機で有効である。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
汚泥脱水試験用試料として、本発明における油中水型エマルジョン(A)の試料A、本発明における油中水型エマルジョン(A)の範囲外の試料B、本発明における油中水型エマルジョン(B)の試料X〜Zを用意した(何れも濃度は40%)。それぞれの試料の組成、物性を表1に示す。
(表1)
AAM;アクリルアミド、DMBZ;アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、DMQ;アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、DMC;メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、AAC;アクリル酸
架橋剤量;単量体に対するメチレンビスアクリルアミドの添加量、
塩水溶液粘度;試料A、試料Bは硫酸アンモニウム塩水溶液、試料X〜Zは食塩水溶液を使用、0.5質量%高分子水溶液中に2質量%硫酸アンモニウムあるいは4質量%塩化ナトリウムを添加、完全溶解後にB型粘度計により測定(25℃)。水溶液粘度;0.2質量%水溶液粘度(25℃)、
分子量;重量平均分子量、粒径;重合後の粒径
(実施例1)下水余剰汚泥(pH6.59、SS分22250mg/L、電気伝導度175mS/m、Mアルカリ度812mgCaCO/L)を用い、汚泥脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、前記試料Aあるいは試料Aと試料Xを1:1の質量比で混合したもの0.2質量%溶解液をそれぞれ対汚泥SS分200ppmあるいは250ppm加え、CST測定装置において撹拌回転数500rpmで60秒撹拌後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で60秒間脱水し、脱水ケーキ径、含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表2に示す。
(比較例1)実施例1と同様の汚泥を用い同様な汚泥脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、前記試料Xの0.2質量%溶解液を対汚泥SS分200ppmあるいは250ppm加え、CST測定装置において撹拌回転数500rpmで60秒撹拌後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量の測定を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で60秒間脱水し、脱水ケーキ径、含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表2に示す。
(表2)
(比較例2)下水余剰汚泥(pH6.78、SS分8000mg/L、電気伝導度62mS/m、Mアルカリ度133mgCaCO/L)を用い、汚泥脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、前記試料Aあるいは試料Y、あるいは試料Aと試料Yを質量比1:1で混合したもの0.2質量%溶解液をそれぞれ対汚泥SS分60ppmあるいは100ppm加え、CST測定装置において撹拌回転数500rpmで60秒撹拌後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で60秒間脱水し、脱水ケーキ径、含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表3に示す。
(表3)
実施例1の本発明における油中水型エマルジョンである試料Aを添加したもの、あるいは試料Aと試料Xを混合したものは、試料X添加時よりもケーキ含水率が低い値を示した。電気伝導度が62mS/m、Mアルカリ度が133mgCaCO/Lの汚泥を使用した比較例2では試料Aや試料Aと試料Yを混合したものは、試料Y添加時に比べて特効な効果は認められなかった。このことから電気伝導度あるいはMアルカリ度が低い汚泥に対しては他の凝集処理剤に対する本発明における凝集処理剤の優位性は低いことが分かった。
(実施例2)下水混合生汚泥(pH5.73、SS分26750mg/L、電気伝導度227mS/m、Mアルカリ度612mgCaCO/L)を用い、汚泥脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、ポリ硫酸第二鉄を対汚泥SS分9質量%添加後、前記試料Aの0.2質量%溶解液をそれぞれ対汚泥SS分1.0質量%加え、CST測定装置において撹拌回転数500rpmで60秒撹拌後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で60秒間脱水し、脱水ケーキ径、含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表4に示す。
(実施例3)実施例2と同様の汚泥に食塩を対SS分2000ppm、あるいは5000ppm添加した。それぞれの食塩添加時のMアルカリ度は615mgCaCO/L程度と殆ど変化しなかったが、電気伝導度は、食塩2000ppm添加時、453mS/m、5000ppm添加時、794mS/mであった。これら汚泥に対して、実施例2と同様な試料を使用し同様な汚泥脱水試験を実施した。結果を表4に示す。
(比較例3)実施例2と同様な汚泥を用い、同様な汚泥脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、ポリ硫酸第二鉄を対汚泥SS分9質量%添加後、前記試料B、試料X〜Z、試料Bと試料Xを1:1の質量比で混合したもの0.2質量%溶解液をそれぞれ対汚泥SS分1.0質量%加え、CST測定装置において撹拌回転数500rpmで60秒撹拌後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧4Kg/cm2で60秒間脱水し、脱水ケーキ径、含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表4に示す。
(比較例4)実施例2と同様の汚泥に食塩を対SS分2000ppm、5000ppm添加し、同様な試料を使用し同様な汚泥脱水試験を実施した。結果を表4に示す。
(表4)
本発明における凝集処理剤である試料Aと試料Zを混合したものを添加した実施例2では、他の試料を添加した比較例3に比べて高い濾水量と低いケーキ含水率を示した。汚泥に食塩を添加し電気伝導度が上昇した汚泥においても他の試料添加時に比べて濾水量が高く、ケーキ含水率は低い値を示すことから本発明における凝集処理剤は耐塩性があり、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上である高塩濃度の有機汚泥に対して有効であることが確認できた。




Claims (3)

  1. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるカチオン性単量体80〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜20モル%、及び該単量体あるいは該単量体混合物に対して質量で20〜5000ppmの架橋性単量体を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)からなる凝集処理剤を、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上である高塩濃度の有機汚泥に添加することを特徴とする汚泥の脱水方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
  2. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるカチオン性単量体80〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜20モル%、及び該単量体あるいは該単量体混合物に対して質量で20〜5000ppmの架橋性単量体を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)と、下記一般式(4)で表されるカチオン性単量体10〜100モル%、下記一般式(3)で表されるアニオン性単量体0〜20モル%、非イオン性単量体0〜90モル%を含有させた単量体混合物水溶液を分散相、水に非混和性の有機液体を界面活性剤によって有機液体を連続相となるよう乳化重合したカチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(B)を含有した凝集処理剤を、電気伝導度が100mS/m以上、かつMアルカリ度が400mgCaCO/L以上である高塩濃度の有機汚泥に添加することを特徴とする汚泥の脱水方法。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。

    一般式(2)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(3)
    は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。

    一般式(4)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基であり、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
  3. 前記カチオン性または両性水性高分子の油中水型エマルジョン(A)のレーザー回折による散乱式粒度分布計によって測定した粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の汚泥の脱水方法。













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