JP2015100733A - 超純水製造システム及び超純水製造方法 - Google Patents

超純水製造システム及び超純水製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】TOC濃度、とりわけ尿素濃度の極めて低減された超純水を、少ない薬品使用量で、かつ高い水回収率で製造することのできる超純水製造システム及び超純水製造方法を提供する。【解決手段】一次純水システムは、原水中の色度成分を除去する色度除去装置と、色度の除去された色度除去水中のアルカリ土類金属を除去する陽イオン交換装置と、陽イオン交換処理された陽イオン交換処理水中の溶存炭酸を除去する脱炭酸装置と、脱炭酸処理された処理対象水中の尿素を酸化分解する尿素分解装置と、尿素の酸化分解された尿素分解水を逆浸透膜処理する逆浸透膜装置とを備え、尿素分解装置は、尿素分解装置にアルカリ剤を供給して前記処理対象水のpHを9以上に調節するアルカリ剤供給装置と、尿素分解装置に次亜臭素酸を添加する次亜臭素酸供給装置と備える超純水製造システム。【選択図】図1

Description

本発明は、超純水製造システム及び超純水製造方法に関する。
従来、半導体製造工程で使用する超純水は、超純水製造システムを用いて製造されている。超純水製造システムは例えば、前処理システム、回収処理システム、一次純水システム、二次純水製造システムから構成され、被処理水中のTOC(全有機炭素)やイオン成分等の不純物を極限まで除去して超純水を製造する。原水としては、市水、井水、地下水、工業用水等が用いられる他、POU(ユースポイント)で回収された使用済みの超純水(以下、回収水と称する。)が用いられている。
前処理システムは、市水等に含まれる濁質分や微生物を除去して、前処理水を生成する。回収処理システムは、回収水中の過酸化水素、硫酸、塩酸、フッ酸、アンモニア、テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルホキシド、イソプロピルアルコール等の薬剤を除去して回収処理水を生成する。
一次純水システムは、前処理水及び回収処理水中のTOC成分やイオン成分を除去して一次純水を生成する。二次純水システムは、一次純水中の極微量の不純物を除去して最終仕上げをした上で、超純水をユースポイントに供給する。
ところで、近年、半導体製造工程で使用する超純水については、より高い水質、例えばTOC濃度は1μgC/L以下の水質が求められ、その上、超純水製造における水回収率もより高くすることが求められている。上述した超純水製造システムにおいて、原水中のTOCを分離、吸着、分解等の手段で低減化するものは、逆浸透膜装置、イオン交換装置、紫外線酸化装置であるが、従来の超純水製造システムではこれらによる尿素の除去率が必ずしも十分ではなく、除去率を高めるために処理工程を多くすると水回収率が低くなるという問題があった。TOC濃度のさらなる低減化のためには尿素の除去率の向上が重要であることが知られており、尿素を分解除去する方法が検討されている。
尿素を除去する方法として、被処理水に次亜臭素酸を添加して、水中の窒素系有機物を分解除去し、超純水を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、被処理水に臭化ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウムを添加した後、生物活性炭塔に通水して尿素を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特表2010−531724号公報 特開2012−11356号公報
しかしながら、従来の方法では、原水水質によっては尿素分解のために添加する酸化剤等の薬品量が多くなり、これら薬品による水処理装置の劣化が生じ易い。また、過剰の酸化剤等を分解除去するための還元剤の使用量も多くなる。
さらにこれらの薬品の使用量が多くなることで、超純水の製造効率が低下し易いという問題もある。そのため、より高い水回収率で尿素濃度の極めて低減された超純水を製造する方法が求められていた。
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、TOC濃度、とりわけ尿素濃度の極めて低減された超純水を、少ない薬品使用量で、かつ高い水回収率で製造することのできる超純水製造システム及び超純水製造方法を提供することを目的とする。
本発明による超純水製造システムは、原水を、一次純水システム及び二次純水システムで処理して超純水を製造する超純水製造システムであって、前記一次純水システムは、前記原水中の色度成分を除去する色度除去装置と、色度の除去された色度除去水中のアルカリ土類金属を除去する陽イオン交換装置と、陽イオン交換処理された陽イオン交換処理水中の溶存炭酸を除去する脱炭酸装置と、前記脱炭酸処理された処理対象水中の尿素を酸化分解する尿素分解装置と、尿素の酸化分解された尿素分解水を逆浸透膜処理する逆浸透膜装置とを備え、前記尿素分解装置は、尿素分解装置にアルカリ剤を供給して前記処理対象水のpHを9以上に調節するアルカリ剤供給装置と、前記尿素分解装置に次亜臭素酸を添加する次亜臭素酸供給装置とを備えることを特徴とする。
本発明による超純水製造方法は、原水を、一次純水システム及び二次純水システムで処理して超純水を製造する超純水製造方法であって、前記一次純水システムは、前記原水中の色度成分を除去する色度除去工程と、色度の除去された色度除去水中のアルカリ土類金属を除去する陽イオン交換工程と、陽イオン交換工程での陽イオン交換処理水中の溶存炭酸を除去する脱炭酸工程と、前記脱炭酸工程で生成した処理対象水中の尿素を酸化分解する尿素分解工程と、尿素の酸化分解された尿素分解水を逆浸透膜処理する逆浸透膜工程とを備え、前記尿素分解工程は、前記処理対象水にアルカリ剤を供給して前記処理対象水のpHを9以上に調節するアルカリ剤供給工程と、前記処理対象水に次亜臭素酸を添加する次亜臭素酸供給工程とを備えることを特徴とする。
なお、本明細書において、次亜臭素酸とは、BrOイオン及び/又はHBrOを意味する。
本発明の超純水製造システム及び超純水製造方法によれば、TOC濃度、とりわけ尿素濃度の極めて低減された超純水を、少ない薬品使用量で、かつ高い水回収率で製造することができる。
実施形態の超純水製造システムを示すブロック図である。 処理対象水のpHと尿素の除去率の関係を示すグラフである。 市水及び回収水への次亜臭素酸の添加量と、尿素除去率の関係を示すグラフである。 次亜臭素酸の分解速度を示すグラフである。 実施例で用いた一次純水システムを示すブロック図である。 比較例で用いた一次純水システムを示すブロック図である。
以下、本発明実施の形態を、図面を用いて説明する。各図において、共通する機能を有する構成は同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、第1の実施形態の超純水製造システム1を示すブロック図である。本実施形態の超純水製造システム1は、前処理システム10と、回収処理システム11と、前処理水及び回収処理水を貯留する前処理タンク12を備えている。また、超純水製造システム1は、前処理タンク12の後段に、一次純水システム20と、二次純水システム40とを順に備えている。
原水は、有機物を含むものであり、市水、井水、地下水、河川水、工業用水、半導体製造工程からの使用済みの超純水(以下、回収水と称する。)等を用いる。原水中には、有機物として尿素が含まれており、尿素濃度は好ましくは0.01〜0.2mg/L、より好ましくは0.02〜0.1mg/L程度である。
前処理システム10は、原水として、市水、井水、地下水、河川水、工業用水を用いる場合に、該原水中の濁質成分を除去する。前処理システム10は、例えば、砂ろ過装置、精密ろ過装置等を適宜選択して構成される。前処理システム10は、さらに必要に応じて熱交換器等を備え、被処理水の温度調節を行う。原水として、市水など濁質成分が少ない水を用いる場合には、前処理システム10は設けなくても良い。
回収処理システム11は、原水として回収水を用いる場合に、該回収水中の硫酸、塩酸、アンモニア等の薬剤を除去する。回収処理システム11は、例えば、活性炭装置、イオン交換装置、逆浸透膜装置等で構成されている。前処理タンク12は上記のように生成した前処理水及び/又は回収処理水を一旦貯留して、一次純水システム20に供給する。
なお、一次純水システム20では前処理水のみ又は回収処理水のみを用いて純水を製造してもよく、前処理水及び回収処理水の両者を混合して用いてもよい。
一次純水システム20は、色度除去装置21、陽イオン交換装置(SC)22、脱炭酸塔(DG)23、尿素分解装置24、ポンプ25及び逆浸透膜装置(RO)26をこの順に備えている。
色度除去装置21としては、原水中のフミン質及び/又はフミン質に由来する溶解性有機炭素(DOC)成分、懸濁物質等の色度成分を除去できるものであれば限定されず、例えば活性炭塔(AC)や接触酸化塔を用いることができる。なお、フミン質とは、植物などが微生物に分解されることにより生じる腐食物質をいい、フミン酸、フルボ酸、フミン等を含んでいる。活性炭塔としては、ヤシガラ系、石炭系の活性炭を、粉末状、粒状のものや、繊維状、板状、ハニカム状に成形して充填したものを用いることができる。
接触酸化塔は、塩素の存在下で色度除去能力を有する色度除去剤を充填したものである。色度除去剤としては、塩素の存在下で色度成分の除去能力を有するものであればよく、フミン酸の除去性能が高いことから、ラジカルライト(商品名、(株)トーケミ製)、カラーカッター(商品名、日本原料(株)製)等の市販品が好適に用いられる。原水が色度成分を10度以上の高濃度で含有する場合には、活性炭の寿命が短くなる場合があるため、色度除去装置21として接触酸化塔を用いることが好ましい。
色度除去装置21では、被処理水中に色度除去処理を施して、色度成分を除去する。色度除去装置21として接触酸化塔を用いる場合には、被処理水に次亜塩素酸ナトリウムを1〜2mg/L程度添加して、色度除去装置21に給水する。色度除去装置21として活性炭塔を用いる場合には、被処理水への次亜塩素酸ナトリウムの添加は行わなくてもよいが、次亜塩素酸ナトリウムを添加することで色度の除去率向上させることが可能である。また、通水条件は、色度除去装置21として活性炭塔又は接触酸化塔を用いる場合、空間速度SVは5〜25h−1であることが好ましく、SVは10〜20h−1であることがより好ましい。これにより、被処理水中の色度成分を高除去率で除去することができる。
色度除去装置21の処理水の色度は、5度以下に低減することが好ましく、2度以下に低減することがより好ましく、おおよそ1度以下まで低減することが特に好ましい。これにより、後段の逆浸透膜装置26での色度成分による膜のつまりを抑制することができる。また、後段の尿素分解装置24において処理対象水中に残留する色度成分、特にフミン質による次亜臭素酸の消費が抑えられ、尿素分解効率を向上させることができる。なお、色度除去水の色度は例えば、塩化白金酸コバルトの標準液を用いた比色法、390nm付近の波長の吸光度法によって測定できる。また、色度は、2100AN(東亜ディーケーケー(株)製)等の市販の測定器で測定可能である。
陽イオン交換装置22は、原水中の陽イオン成分を交換除去する。陽イオン交換装置22としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂や弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔を用いることができる。陽イオン交換装置22として、弱酸性陽イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂を積層して充填した陽イオン交換塔を用いることもできる。ここで、後段の逆浸透膜装置26では、供給水中のアルカリ土類金属イオンと溶存炭酸が多いと、膜面にスケールが形成し、詰まりの原因となる。陽イオン交換装置22としては、逆浸透膜装置のつまりの原因である、アルカリ土類金属の除去性能に優れる点から、強酸性陽イオン交換樹脂を充填した強酸性陽イオン交換塔であることが好ましい。また、回収水に混入するアンモニアは、尿素分解効率を低下させる原因となるが、強酸性陽イオン交換樹脂は、アンモニアの除去性能に優れる点からも好ましい。
陽イオン交換装置22は、色度除去水に、陽イオン交換処理を施して、原水中のスケール形成物質であるアルカリ土類金属を除去する。陽イオン交換処理では、アンモニウムイオン、アルカリ土類金属以外の金属イオン等の陽イオン成分を除去することもできる。陽イオン交換処理では、陽イオン交換塔を用いる場合には、通水条件として、空間速度を好ましくはSV5〜35h−1、より好ましくはSV7〜25h−1で通水する。
脱炭酸装置23は、逆浸透膜装置のつまりの原因となる原水中の溶存炭酸を除去するものであれば特に限定されず、常圧脱気塔、窒素脱気塔、真空脱気塔、膜脱気装置等を用いることができる。中でも、装置構成を簡易にできることから常圧脱気塔であることが好ましい。
脱炭酸装置23は、陽イオン交換処理水の脱炭酸処理を行う。脱炭酸処理では、被処理水中の溶存炭酸を除去して炭酸濃度が1〜10mg/L程度に低下した脱炭酸水を生成する。また、pH緩衝効果のある溶存炭酸を脱炭酸装置23が除去することで、尿素分解装置24におけるアルカリ剤の添加量を低減することができる。
尿素分解装置24は、例えば、それぞれ気密に構成された1槽又は2槽以上の処理槽からなり、処理槽中で尿素分解処理を行う。尿素分解装置24は、処理対象水の温度を調節するヒーター等を備えていてもよい。
尿素分解装置24には、尿素分解装置24にアルカリ剤を添加するアルカリ剤供給装置27及び次亜臭素酸を供給する次亜臭素酸供給装置28が付設されている。次亜臭素酸供給装置28には、次亜臭素酸供給装置28に臭化物塩を供給する臭化物塩供給装置29と、塩素系酸化剤を供給する塩素系酸化剤供給装置30が接続されている。
尿素分解装置24における尿素分解処理では、脱炭酸処理水に、アルカリ剤を添加してpHを9以上に調整した状態で次亜臭素酸を添加し、処理対象水中の尿素を酸化分解する。アルカリ剤の量は、尿素分解装置24での処理対象水のpHを9以上に上昇させるために十分な量とする。また、次亜臭素酸の添加量は、pHを大きく調製するほど少なくできる傾向であり、具体的には、尿素分解装置24での処理対象水のpHを9〜10程度とした場合には、次亜臭素酸イオン換算量で、5〜20mg/L(as BrO)、pHを10より大きく調製した場合には、2〜10mg/L(as BrO)とすることが好ましい。ここで、次亜臭素酸イオン換算量は、下記式(1)で次亜臭素酸ナトリウム及び臭化ナトリウムが反応するとしたときの添加量を次亜臭素酸イオン(BrO)換算で表わしたものである。
NaClO +NaBr →NaBrO +NaCl …(1)
尿素分解処理での反応時間すなわち滞留時間は、原水中の尿素濃度にもよるが10〜30分とする。これにより、次亜臭素酸による尿素分解反応を十分に進め得る。
尿素分解装置24における次亜臭素酸の添加量は、臭化物塩供給装置29が供給する臭化物塩及び塩素系酸化剤供給装置30が供給する塩素系酸化剤の量を制御することで調節することができる。例えば、原水中の尿素濃度をあらかじめ測定し、測定値に基いて臭化物塩及び塩素系酸化剤の供給量を上記した好ましい範囲内で制御する。この場合、原水の尿素濃度の測定は一定の間隔で定期的に行ってもよく、オンラインで連続して行ってもよい。臭化物塩及び塩素系酸化剤の供給量は、測定値に応じて連続して必要最小量に制御してもよく、一定期間の測定値に基いて必要量より過剰に供給してもよい。このように、尿素分解処理を施すことによって、尿素分解処理における尿素の除去率は、70〜99%が得られる。
アルカリ剤供給装置27は、尿素分解装置24の処理対象水にアルカリ剤を供給して、処理対象水のpHを9以上に調製し、尿素分解装置24での尿素除去率を向上させる。アルカリ剤供給装置27は、例えばアルカリ性の水溶液を貯留する薬液タンクと、薬液タンクに貯留されたアルカリ剤の水溶液を定量して次亜臭素酸供給装置28に供給する定量ポンプで構成される。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好適に用いられる。なお、尿素分解装置24に供給されたアルカリ剤は後段の逆浸透膜装置26で除去される。
次亜臭素酸供給装置28は、例えば、1槽又は2槽以上の、内容物を撹拌する撹拌機を備えた処理槽から構成され、処理槽内で臭化物塩と塩素系酸化剤を水溶液中で混合して次亜臭素酸の水溶液を生成し、生成した次亜臭素酸の水溶液を定量ポンプ等によって尿素分解装置24に供給する。また、次亜臭素酸供給装置28は、ラインミキサー等、配管内で内容物を混合する構成であってもよい。次亜臭素酸供給装置28が供給する次亜臭素酸としては、例えば、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム等の次亜臭素酸塩を用いることができる。なお、次亜臭素酸供給装置28は、臭化物塩と塩素系酸化剤を反応させなくてもよく、この場合には、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸等を貯留してこれを尿素分解装置24に供給してもよい。
臭化物塩供給装置29は、例えば、臭化物塩の水溶液を貯留する薬液タンクと、薬液タンクに貯留された臭化物塩の水溶液を定量して次亜臭素酸供給装置28に供給する定量ポンプで構成される。臭化物塩供給装置29が供給する臭化物塩としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の金属臭化物塩が挙げられる。中でも、入手が容易であることから、臭化ナトリウムが好適に用いられる。臭化物塩の供給量は、次亜臭素酸濃度がBrO換算で2〜20mg/Lとなる量であるのが好ましい。臭化物塩の量が2mg/L以上であれば、尿素分解装置24において尿素の酸化分解を十分に行うことができる。一方、臭化物塩の量が20mg/Lを超えると、添加量に応じて尿素の除去効果はある程度高まるものの、後段の逆浸透膜装置26において、逆浸透膜の劣化や、イオン負荷の増大を招くおそれがある。
また、塩素系酸化剤供給装置30は例えば、塩素系酸化剤の水溶液を貯留する薬液タンクと、薬液タンクに貯留された塩素系酸化剤の水溶液を定量して次亜臭素酸供給装置28に供給する定量ポンプで構成される。塩素系酸化剤供給装置30が供給する塩素系酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸、次亜塩素酸カリウム等、塩素系酸化剤が挙げられる。塩素系酸化剤の供給量は、2〜20mg/L程度、特に2〜10mg/L程度であることが好ましい。これにより、塩素系酸化剤の供給量は遊離有効塩素濃度で、好ましくは0.95〜9.5mg/L程度、より好ましくは0.95〜4.8mg/L程度に調整され得る。塩素系酸化剤の添加量が2mg/L以上であれば、尿素分解装置24において尿素の酸化分解を十分に行うことができ、20mg/Lを超えても、それ以上の効果の向上が得られない上に、残存する塩素系酸化剤(遊離塩素を含む)及び次亜臭素酸(以下、残留酸化剤と総称する。)が増加するため、残留酸化剤の除去のために必要となる還元剤の添加量が増大してしまう。
臭化物塩供給装置29が供給する臭化物塩及び塩素系酸化剤供給装置30が供給する塩素系酸化剤の組合せとしては、臭化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの組合せが、入手の容易さと価格の面から好適である。
なお、臭化物塩供給装置29及び塩素系酸化剤供給装置30はそれぞれ、尿素分解装置24に直接、臭化物塩又は塩素系酸化剤を供給してもよい。この場合、尿素分解装置24内で次亜臭素酸を生成するため、次亜臭素酸供給装置28を省略でき、ポンプや処理槽の設置数を削減することができる。
また、尿素分解装置24では、上記したように処理対象水がアルカリ性に調整されるため、空気中の二酸化炭素が処理対象水中に溶解し易い。したがって、尿素分解装置24の処理槽内の液面上部を窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガスで封止することが好ましい。そのため、尿素分解装置24の処理槽上部に、不活性ガス供給装置31を、ガスシール弁などを介装した配管によって接続し、不活性ガスを処理槽の液面上部に供給する。これにより、タンク内圧を例えば0.2〜1kPaに常に保ち、外気の混入を防止することができる。このように、処理槽内の液面上部を不活性ガスで封止することで、処理対象水と空気の接触を遮断し、処理対象水中への二酸化炭素の混入を防止することができる。不活性ガスとしては、入手し易いことから窒素ガスであることが好ましい。
また、この尿素分解装置24の後段において、残留酸化剤の量が多い場合には、必要に応じ還元剤供給装置32を設けて、尿素分解水に還元剤を供給することが好ましい。還元剤供給装置32としては、撹拌機を備えた処理槽を設置して該処理槽内で残留酸化剤を分解処理するように構成することができる。また、残留酸化剤と還元剤の反応は短時間で進行するため、配管に還元剤を注入し、ラインミキサーなどで混合する構成であってもよい。還元剤としては、残留酸化剤を還元するものであれば特に限定されず、例えば二酸化硫黄、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、亜硝酸塩、ギ酸、シュウ酸、L−アスコルビン酸等又はこれらの塩、ヒドラジン類、アルデヒド類等を用いることができる。これらの中で、入手の容易さと価格の面から、チオ硫酸塩、亜硫酸塩を好適に用いることができる。
還元剤の添加量は、残留酸化剤の残存濃度に応じて適量を添加すればよい。尿素分解水の残留酸化剤の濃度には変動があるため、尿素分解水の残留酸化剤の濃度を測定して、残留酸化剤濃度に応じて還元剤の添加量を制御することが好ましい。この場合、酸化剤濃度を連続的に又はこれと同等の頻度で測定し、測定濃度に応じて還元剤の添加量を制御してもよく、また一定期間を定めて測定し、測定濃度に応じた添加量を適宜設定してもよい。酸化剤の濃度の検出手段としては、ジエチル−p−フェニレンジアンモニウム(DPD)やオルトトリジン等を用いた比色法、紫外線等の吸光光度法、酸化還元電位(ORP)、ポーラログラフ法等が挙げられる。また、残留塩素の濃度の検出手段としてポーラログラフ法等の残留塩素計を用いることができ、中でも、操作が簡易であることから、ジエチル−p−フェニレンジアンモニウム(DPD)やオルトトリジン等を用いた比色法が好ましい。
ポンプ25は、尿素分解水を逆浸透膜装置26に供給する。ポンプ25は、逆浸透膜装置26での不純物の除去率を高めるために、尿素分解水を0.5〜2.5MPaに加圧することが好ましい。1.0〜2.0MPaがより好ましい。ポンプ25は例えば、吐出圧の調節可能な給水ポンプを用いることができる。
逆浸透膜装置26は、尿素分解水中の塩類及びイオン性、コロイド性の有機物等不純物を除去して濃縮水及び透過水を生成する。逆浸透膜装置26としては、三酢酸セルロース系非対称膜や、ポリアミド系複合膜を用い、シート平膜、スパイラル膜、管状膜、中空糸膜とした膜モジュールを用いることができる。中でも、不純物の除去率を高める点から、ポリアミド系の複合膜であることが好ましく、膜形状はスパイラル膜であることが好ましい。逆浸透膜装置26を2段直列に接続して2段逆浸透膜装置とすることで、不純物の除去率を向上させてもよい。
また、逆浸透膜装置26の後段には、例えば紫外線酸化装置33、混床式イオン交換装置34、膜脱気装置35等を設置してもよい。これらにより、逆浸透膜処理水(透過水)に紫外線酸化処理及び混床式イオン交換処理を施して、逆浸透膜処理水中に微量残存する有機物を紫外線で分解し、混床式イオン交換樹脂で吸着除去してもよい。
二次純水システム40は、一次純水を貯留する一次純水タンク36の後段に、例えば、紫外線酸化装置、非再生式混床式イオン交換樹脂塔、膜脱気装置及び限外ろ過装置を備えており、一次純水システムで製造された一次純水中の有機炭素(TOC)濃度を1μgC/L程度まで低減して、超純水を製造する。二次純水システム40は、ユースポイント(POU)50に接続されて、製造された超純水をPOUに供給する。
このように、本実施形態の一次純水システム1を用いて、原水から比抵抗17MΩ・cm以上、TOC濃度10μgC/L以下、尿素濃度1μg/L以下の一次純水を製造する。得られた一次純水をさらに二次純水システム40で処理して、超純水を製造する。
以上、本実施形態の超純水製造システム1では、一次純水システム20が、超純水中のTOC源となり得る原水中の尿素を、尿素分解装置24において次亜臭素酸塩を用いて酸化分解する。このとき、原水中の色度成分があらかじめ色度除去装置21で除去されているため、色度成分の分解に消費される次亜臭素酸の量が極力低減され、尿素分解装置24における次亜臭素酸の使用量を低減することができる。また、原水として回収水を用いる場合にも、陽イオン交換装置22が、アンモニアを吸着除去するため、尿素分解装置24における次亜臭素酸の使用量を低減することができる。
また、アルカリ剤供給装置27が尿素分解装置24にアルカリ剤を供給して、被処理水のpHを9以上に調整するため、尿素分解装置24での尿素分解効率を飛躍的に向上させることができる。また、逆浸透膜装置26の供給水は、上流側の陽イオン交換装置22と脱炭酸塔23の組合せによってスケール(CaCO等)の形成物質であるアルカリ土類金属(カルシウムイオンやマグネシウムイオン)と溶存炭酸が除去され、尿素分解装置24においてpH9以上に調整されてシリカの溶解度が上昇している。したがって逆浸透膜装置26は、膜面へのシリカスケールを防止できるので、水回収率を例えば90%以上で運転することができる。また、臭素除去率を向上させるための特別な装置として、尿素分解装置等を設置する以外、特別な装置を設置する必要がないため、簡単な装置構成にて、極めて尿素の低減された超純水を製造することができる。
次に、実験例について説明する。実験例で用いた装置の仕様は次のようである。
pH及び導電率測定器:DS−54SE(Horiba製)
尿素濃度測定:LC/MS(液体クロマトグラフィ及び質量分析計)
残留塩素計:残留塩素測定器、SIBATA製、測定方法:DPD法
(実験例1)
本実験例では、処理対象水のpHと尿素の除去率の関係について調べた。気密に構成された処理槽内に厚木市水(導電率180μS/cm、TOC濃度0.6mgC/L)2Lを収容し、0.1mg/Lとなるように尿素を添加して処理対象水1を調整した。処理対象水1に、水酸化ナトリウム又は塩酸を加えてpHを調整した後、次亜臭素酸イオン換算量で5ppm(as BrO)になるように、臭化ナトリウム5.36mg/L、次亜塩素酸ナトリウム3.88mg/L(遊離有効塩素濃度で1.8mg/L)となる量添加して、30分間撹拌して反応させた。処理対象水1について、pHを変化させて上記試験を行った。
次いで、還元剤として亜硫酸ナトリウムを、残留塩素計で残留塩素濃度を測定しながら、測定値がゼロになるまで添加した。なお、亜硫酸ナトリウムの添加量は、2.6〜6.68mg/Lであった。次いで、処理後の尿素濃度を測定した。結果を、縦軸を処理水対象中の尿素除去率、横軸を処理対象水1のpHとして図2のグラフに示す。
(実験例2)
本実験例では、処理対象水への次亜臭素酸の添加量と、尿素除去率の関係を調べた。処理槽内に実験例1と同様の厚木市水2Lを収容し、尿素濃度が0.1mg/L(TOC濃度で0.02mgC/L)となるように尿素を添加したものを処理対象水2とした。処理対象水2に、水酸化ナトリウム又は塩酸を加えてpHを調整した後、臭化ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウムを添加して、30分間撹拌して反応させた。
次いで、残留塩素計で残留塩素濃度を測定しながら、還元剤として亜硫酸ナトリウムを残留塩素計の測定値がゼロになるまで添加し、その後、処理水中の尿素濃度を測定した。
処理対象水4のpHを6.5、8、10に調製したときの尿素除去率(縦軸)を、次亜臭素酸添加量を横軸として図3のグラフに示す。
また、半導体工場の回収水(導電率15μS/cm 、TOC濃度13μgC/L、アンモニア濃度0.6mg/L)に尿素濃度が0.1mg/L(TOC濃度で0.02mgC/L)となるように尿素を添加したものを処理対象水3として、処理対象水2と同様の方法でpHを10に調製して処理対象水2と同様に試験を行った。結果を、市水を用いた場合と併せて図3のグラフに示す。
なお、実験例1及び実験例2において、次亜臭素酸ナトリウムの添加量は、添加した次亜臭素酸ナトリウム及び臭化ナトリウムが、上述した反応式(1)で反応するとして、次亜臭素酸ナトリウム及び臭化ナトリウムの添加量を次亜臭素酸イオン換算で表示したものである。
図2〜3より、処理対象水のpHを9以上に調製することで、pHを9未満とした場合に比べて、次亜臭素酸の添加量が少なくても、良好な尿素除去率を得られることが分かる。また、図3において、市水に比べ、回収水を用いた場合の尿素除去率が低くなっているが、これは、回収水中のアンモニアと次亜臭素酸が次式のように反応し、次亜臭素酸が分解されるためと考えられる。
2NH+3BrO → N+3Br+2H
なお、図2〜3におけるpHの値は、反応させている間の処理対象水のpHの実測値の上限及び下限を示している。
(実験例3)
本実験例では、フミン酸及び硫酸アンモニウムの次亜臭素酸への影響を調べた。
先ず、純水に、次亜塩素酸ナトリウムと臭化ナトリウムを混合し、次亜臭素酸濃度710mg/L(BrO換算)の試験水1を調製した。次いで、この試験水1に、尿素を1mg/Lで添加して、試験水2を調整した。また、同様に、フミン酸1mg/L、硫酸アンモニウム1mg/Lを添加してそれぞれ試験水3、試験水4を調整した。試験水1〜4について、波長330nmの光を照射して、吸光度の経時変化を測定した。吸光度計としては、紫外可視分光光度計UVmini−1240(島津製作所(株)製)を用いた。結果を図4に示す。図4において、三角形は試験水1、四角形は試験水2、黒丸は試験水3、白丸は試験水4を示す。また、吸光度は次亜臭素酸の濃度に対応し、吸光度が大きいほど次亜塩素酸濃度が大きいことを示す。
図4より、次亜臭素酸は純水中で自己分解するために、試験水1の吸光度は時間とともに徐々に減少していることが分かる。フミン酸を添加した試験水3、硫酸アンモニウムを添加した試験水4では、試験水1及び試験水2に比べて、吸光度が時間とともに急激に減少しており、これは尿素に比べて、硫酸アンモニウム又はフミン酸による次亜臭素酸の分解反応速度が速いことを示している。
次に、実施例及び比較例について説明する。実施例で用いた装置の仕様は次のようである。また、次に記載するもの以外の装置は実験例と同様の装置を用いた。
活性炭塔AC(カルゴンカーボンジャパン製、ダイヤホープM006LFA)
接触酸化塔((株)トーケミ製、ラジカルライト)
強酸性陽イオン交換塔SC(DOW製、ディオライトC20LF)
脱炭酸塔DG(直径300mm、高さ2mのタワーに月島環境エンジニアリング(株)製テラレット(Sタイプ、材質:ポリプロピレン(PP))を約120L充填したもの)
逆浸透膜装置RO(東レ(株)製、SU‐720RB、2本使用)
色度計:2100AN(東亜ディーケーケー(株)製)
(実施例1)
図5に示すものと同様の一次純水システム20で純水を製造した。図5に示す一次純水システム20は、活性炭塔(AC)21、強酸性陽イオン交換塔(SC)22、脱炭酸塔(DG)23、尿素分解槽24、ポンプ25、逆浸透膜装置(RO)26を備えている。
井水(導電率330μS/cm、TOC濃度0.35mgC/L)に尿素濃度が0.1mg/L(TOC濃度で0.02mgC/L)となるように尿素を添加し、さらに塩化アンモニウムをアンモニア濃度として0.5mg/Lとなるように添加して、井水と回収水の混合水を模擬した水を調整した。これにさらに、フミン酸を添加して色度を0.8〜1.1度の被処理水1を調整した。
被処理水1を2m/hrで活性炭塔AC(空間速度SV=10hr−1)に導入した。次いで、活性炭処理水を、強酸性陽イオン交換塔SC(空間速度SV=20hr−1)、脱炭酸塔DG、尿素分解槽に順に通水した。尿素分解槽では、水酸化ナトリウムを添加してpHを10に調製した。さらに臭化ナトリウムを、5.3mg/L、次亜塩素酸ナトリウムを3.88mg/L(遊離有効塩素濃度で1.8mg/L)となる量添加し、撹拌機の回転速度を150rpmで撹拌、混合し滞留時間が30分間となるように通水した。尿素分解槽の上部は窒素ガスにより封止した。得られた尿素分解水に、還元剤として亜硫酸ナトリウムを6mg/Lとなる量添加した後、逆浸透膜装置RO(水回収率90%)に通水した。
実施例1における処理条件、逆浸透膜装置ROの透過水中の尿素濃度及び導電率を表1に示す。また、実施例1において、活性炭塔ACに代えて接触酸化塔(空間速度SV=20hr−1)を用いる場合にも、実施例1と同様の結果が得られる。なお、表1において、上記した装置及び条件のうち、実施例又は比較例で用いたものを○、用いていないものを−で示している。また、実施例1において、逆浸透膜装置ROの透過水の尿素濃度及び導電率は、一次純水システムの運転開始から8時間以上経過後に、透過水水質が定常状態となり安定したときに測定した値である。後述する実施例2、実施例3及び比較例1〜比較例5についても同様である。
(実施例2)
実施例1において、模擬水にフミン酸を添加して色度が0.4度の被処理水2を調整し、被処理水2を活性炭塔ACに供給した他は実施例1と同様の装置、同様の条件で純水を製造した。実施例2における処理条件、逆浸透膜装置ROの透過水中の尿素濃度及び導電率を実施例1と併せて表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、活性炭塔ACの前段に接触酸化塔を設置し、被処理水2を接触酸化塔に供給した他は実施例2と同様の装置、同様の条件で純水を製造した。接触酸化塔では、次亜塩素酸ナトリウムを2mg/L(遊離有効塩素濃度で1mg/L)となる量添加した。活性炭塔AC供給水の次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.8mg/L(遊離有効塩素濃度で0.4mg/L)であった。実施例3における処理条件、逆浸透膜装置ROの透過水中の尿素濃度及び導電率を実施例1と併せて表1に示す。
(比較例1、2)
実施例1において、尿素分解槽の処理対象水を比較例1ではpH7に調製し、比較例2ではpH調整しなかった他は実施例1と同様の装置、同様の条件で純水を製造した。比較例1、2における処理条件、逆浸透膜装置ROの透過水中の尿素濃度及び導電率を実施例1と併せて表1に示す。なお、比較例2において、尿素分解槽での処理対象水のpHは4であった。
(比較例3〜5)
実施例1で用いた一次純水システム20において、図6に示すように、強酸性陽イオン交換塔SCをバイパスする配管(a)、活性炭塔ACをバイパスする配管(b)、脱炭酸塔DGをバイパスする配管(c)を設けた一次純水システム60を用いて純水を製造した。比較例3では、活性炭処理水を、配管(a)を介して、強酸性陽イオン交換塔SCに通水せずに脱炭酸塔DGに供給した。比較例4では、被処理水を、配管(b)を介して活性炭塔ACに通水せずに強酸性陽イオン交換塔SCに供給した。比較例5では、陽イオン交換処理水を、配管(c)を介して脱炭酸塔DGに通水せずに尿素分解槽に供給した。その他は実施例1と同様の条件で純水を製造した。比較例3〜5における処理条件、逆浸透膜装置RO透過水中の尿素濃度及び導電率を実施例1と併せて表1に示す。また、強酸性陽イオン交換塔SCをバイパスする配管(a)を用いた比較例3では通水開始後約24時間後に逆浸透膜装置ROの透過水量が通水開始直後の70%以下に低下した。
Figure 2015100733
表1より、活性炭塔又は接触酸化塔、陽イオン交換塔、脱炭酸塔、尿素分解槽を用い、尿素分解槽での処理対象水のpHを10として次亜臭素酸を添加した実施例では、尿素濃度が15μg/L以下、導電率が15μS/cm以下の純水を得られたことが分かる。
(実施例4)
実施例1において、超純水製造システムを停止して、15時間後に運転を再開し、運転再開後の逆浸透膜装置ROの透過水の尿素濃度及び導電率の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1と同様の装置、同様の条件で、尿素分解槽の液面上部に窒素ガスを充填した状態で純水を製造した。一旦、超純水製造システムを停止して、15時間後に運転を再開し、運転再開後の逆浸透膜装置ROの透過水の尿素濃度及び導電率の経時変化を調べた。結果を実施例4と併せて表2に示す。
Figure 2015100733
表2より、実施例5では、装置の停止中、尿素分解装置の水面からの炭酸ガスの溶解が抑えられるため、再運転開始時の水質が向上することが分かる。
1…超純水製造システム、10…前処理システム、11…回収処理システム、12…前処理タンク、20,60…一次純水システム、21…色度除去装置、22…陽イオン交換装置、23…脱炭酸装置、24…尿素分解装置、25…ポンプ、26…逆浸透膜装置、27…アルカリ剤供給装置、28…次亜臭素酸供給装置、29…臭化物塩供給装置、30…塩素系酸化剤供給装置、31…不活性ガス供給装置、32…還元剤供給装置、33…紫外線酸化装置、34…混床式イオン交換装置、35…膜脱気装置、36…一次純水タンク、40…二次純水システム、50…POU(ユースポイント)、DG…脱炭酸塔、MB…混床式イオン交換装置、RO…逆浸透膜装置、SC…強酸性陽イオン交換装置、強酸性イオン交換塔。

Claims (5)

  1. 原水を、一次純水システム及び二次純水システムで処理して超純水を製造する超純水製造システムであって、
    前記一次純水システムは、
    前記原水中の色度成分を除去する色度除去装置と、
    色度の除去された色度除去水中のアルカリ土類金属を除去する陽イオン交換装置と、
    陽イオン交換処理された陽イオン交換処理水中の溶存炭酸を除去する脱炭酸装置と、
    前記脱炭酸処理された処理対象水中の尿素を酸化分解する尿素分解装置と、
    尿素の酸化分解された尿素分解水を逆浸透膜処理する逆浸透膜装置とを備え、
    前記尿素分解装置は、
    尿素分解装置にアルカリ剤を供給して前記処理対象水のpHを9以上に調節するアルカリ剤供給装置と、
    前記尿素分解装置に次亜臭素酸を添加する次亜臭素酸供給装置と
    を備えることを特徴とする超純水製造システム。
  2. 前記尿素分解装置は、1又は2以上の処理槽から構成され、前記処理槽の液面上部に不活性ガスを充填する不活性ガス供給手段を備えることを特徴とする請求項1記載の超純水製造システム。
  3. 前記次亜臭素酸供給装置に、塩素系酸化剤を供給する塩素系酸化剤供給装置と臭化物塩を供給する臭化物塩供給装置とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の超純水製造システム。
  4. 前記塩素系酸化剤は、次亜塩素酸ナトリウムであり、かつ前記臭化物塩は臭化ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の超純水製造システム。
  5. 原水を、一次純水システム及び二次純水システムで処理して超純水を製造する超純水製造方法であって、
    前記一次純水システムは、
    前記原水中の色度成分を除去する色度除去工程と、
    色度の除去された色度除去水中のアルカリ土類金属を除去する陽イオン交換工程と、
    陽イオン交換工程で生成した陽イオン交換処理水中の溶存炭酸を除去する脱炭酸工程と、
    前記脱炭酸工程で生成した処理対象水中の尿素を酸化分解する尿素分解工程と、
    尿素の酸化分解された尿素分解水を逆浸透膜処理する逆浸透膜工程とを備え、
    前記尿素分解工程は、
    前記処理対象水にアルカリ剤を供給して前記処理対象水のpHを9以上に調節するアルカリ剤供給工程と、
    前記処理対象水に次亜臭素酸を添加する次亜臭素酸供給工程と
    を備えることを特徴とする超純水製造方法。
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