JP2016155074A - 分離膜の運転方法、分離膜の改質方法、および分離膜 - Google Patents

分離膜の運転方法、分離膜の改質方法、および分離膜 Download PDF

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Abstract

【課題】分離膜に臭素系酸化剤が接触しても透過水量の低下が抑制され、安定的に分離膜装置を運転する分離膜の運転方法を提供し、また、分離膜の劣化を抑制しつつ、透過水量および透過水質を改善するための分離膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜を提供する。【解決手段】塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる分離膜の運転方法である。また、塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる分離膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜である。【選択図】なし

Description

本発明は、逆浸透膜等の分離膜の運転方法、分離膜の改質方法、および分離膜に関する。
逆浸透膜(RO膜)やナノろ過膜(NF膜)等のポリアミド系の分離膜の運転において、例えばスライム抑制を目的として各種の臭素系酸化剤を使用した場合、臭素系酸化剤が分離膜に流入する場合がある。臭素系酸化剤としては、次亜塩素酸等の酸化剤と臭化物イオンの反応物、次亜臭素酸等が挙げられる。しかし、これらの臭素系酸化剤は、被処理水のpHが低いほど、分離膜の透過水量を低下させ易いという問題が知られている(非特許文献1参照)。
Desalination 280(2011)80-86
本発明の目的は、分離膜に臭素系酸化剤が接触しても透過水量の低下が抑制され、安定的に分離膜装置を運転する分離膜の運転方法を提供することにある。また、本発明の目的は、分離膜の劣化を抑制しつつ、透過水量および透過水質を改善するための分離膜の改質方法、その改質方法により改質された逆浸透膜を提供することにある。
本発明は、塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる分離膜の運転方法である。
前記分離膜の運転方法において、前記分離膜に臭素系酸化剤を接触させる際の被処理水のpHが5.5以上であることが好ましい。
前記分離膜の運転方法において、前記臭素系酸化剤が、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを含有する、もしくは、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物との反応生成物を含有することが好ましい。
前記分離膜の運転方法において、前記臭素系酸化剤が、臭素とスルファミン酸化合物とを含有する、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有することが好ましい。
前記分離膜の運転方法において、前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物が、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含む方法により得られたものであることが好ましい。
本発明は、塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる分離膜の改質方法である。
前記分離膜の改質方法において、前記分離膜に臭素系酸化剤を接触させる際の被処理水のpHが5.5以上であることが好ましい。
前記分離膜の改質方法において、前記臭素系酸化剤が、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを含有する、もしくは、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物との反応生成物を含有することが好ましい。
前記分離膜の改質方法において、前記臭素系酸化剤が、臭素とスルファミン酸化合物とを含有する、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有することが好ましい。
前記分離膜の改質方法において、前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物が、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含む方法により得られたものであることが好ましい。
本発明は、前記分離膜の改質方法により改質された分離膜である。
本発明の分離膜の運転方法では、分離膜に予め塩素処理が施されることで、その後、分離膜に臭素系酸化剤が接触しても透過水量の低下が抑制され、安定的に分離膜装置を運転することができる。また、本発明では、分離膜の劣化を抑制しつつ、透過水量および透過水質を改善するための分離膜の改質方法、その改質方法により改質された分離膜を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<分離膜の運転方法>
本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法は、塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる方法である。
本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法は、ポリアミド系の分離膜への給水または洗浄水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、臭素系酸化剤を存在させて接触させる方法である。塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜への給水等の中に、臭素系酸化剤を存在させて接触させてもよい。また、本実施形態に関わる分離膜の運転方法は、事前に塩素系酸化剤を接触させた分離膜を使用して、現場で臭素系酸化剤を接触させてもよいし、現場で分離膜に塩素系酸化剤を接触させた後に、臭素系酸化剤を接触させてもよい。
これらの方法により、ポリアミド系の分離膜に予め塩素系酸化剤を十分接触させて塩素処理することで、分離膜に臭素系酸化剤が接触しても透過水量の低下が抑制され、安定的に分離膜装置を運転することができる。分離膜に予め塩素系酸化剤を接触させることで分離膜材質内に塩素が導入される。塩素が導入された膜では、臭素が導入されにくくなるため、一般的に透過水量低下を引き起こす臭素系酸化剤の影響を受け難くなると推測される。
分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、常圧条件下、加圧条件下または減圧条件下で行えばよいが、分離膜の塩素処理を確実に行うことができる、処理水を製造しながら接触処理を行うことができる等の点から、加圧条件下で行うことが好ましい。分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、例えば、0.1MPa〜10MPaの範囲の加圧条件下で行うことが好ましい。
分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、例えば、0℃〜100℃の範囲の温度条件下で行えばよい。
分離膜への塩素系酸化剤の接触は、有効塩素濃度[mg−Cl/L]×時間[hr]の値として、0.1〜1000mg−Cl/L・hrであることが好ましい。0.1mg−Cl/L・hr未満であると、膜に対して十分な塩素処理効果が得られず、1000mg−Cl/L・hrを超えると、膜を劣化させる場合がある。
分離膜に接触する臭素系酸化剤による有効ハロゲン濃度は有効塩素濃度換算で、0.01〜100mg/Lであることが好ましい。0.01mg/L未満であると、十分なスライム抑制効果等を得ることができない場合があり、100mg/Lより多いと、分離膜の劣化、配管等の腐食を引き起こす可能性がある。
塩素系酸化剤が接触する際の被処理水のpHは4〜13の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。pH4未満である場合は、透過水量が低下する場合があり、pH13を超えると、分離膜が劣化する場合がある。
臭素系酸化剤が接触する際の被処理水のpHは5.5以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましく、pH6.5〜10の範囲であることがさらに好ましい。pH5.5未満である場合は、あらかじめ分離膜に塩素処理を施していても、臭素系酸化剤による透過水量低下の影響を受ける場合がある。pH10を超えると、透過水量が増加しすぎる場合がある。
本実施形態に係る分離膜の運転方法において、塩素系酸化剤としては、特に制限はない。塩素系酸化剤としては、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケル等の他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩素系酸化剤としては、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
本実施形態に係る分離膜の運転方法において、臭素系酸化剤としては、特に制限はない。臭素系酸化剤としては、「次亜臭素酸塩」等や、「塩素系酸化剤と臭化物イオンとの反応生成物」、「安定化次亜臭素酸組成物」等が挙げられるが、好ましくは「安定化次亜臭素酸組成物」である。「安定化次亜臭素酸組成物」は、分離膜の阻止率への悪影響が小さく、塩素処理された分離膜に連続的に添加しても、長期間安定して運転することができる。
例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とを存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と「スルファミン酸化合物」とを存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる。これにより、給水等の中で、安定化次亜臭素酸組成物が生成すると考えられる。
また、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させてもよい。
具体的には本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素」、「塩化臭素」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」と、を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。
また、本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。
本実施形態に係る分離膜の運転方法では、例えば、ポリアミド系の分離膜を備える分離膜装置の運転の際に、分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を薬注ポンプ等により注入した後、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを薬注ポンプ等により注入すればよい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とは別々に給水中に添加してもよく、または、原液同士で混合させてから給水中に添加してもよい。
また、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を薬注ポンプ等により注入した後、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を薬注ポンプ等により注入してもよい。
「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1以上2以下の範囲であることがより好ましい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が1未満であると、分離膜を劣化させる可能性があり、2を超えると、製造コストが増加する場合がある。
臭素系酸化剤としては、臭素(液体臭素)、塩化臭素、臭素酸、臭素酸塩、次亜臭素酸等が挙げられる。
これらのうち、臭素を用いた「臭素とスルファミン酸化合物」または「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」の製剤は、「次亜塩素酸と臭素化合物とスルファミン酸」の製剤および「塩化臭素とスルファミン酸」の製剤等に比べて、塩化物イオンが少なく、ポリアミド系の分離膜をより劣化させず、RO透過水等の膜透過水への有効ハロゲンのリーク量がより少ないため、分離膜用スライム抑制剤としてはより好ましい。また、配管等の金属材料の腐食を引き起こす可能性が低いため、より好ましい。
すなわち、本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法は、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、ポリアミド系の分離膜に臭素とスルファミン酸化合物とを接触させる、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を接触させることが好ましい。
臭素化合物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび臭化水素酸等が挙げられる。これらのうち、製剤コスト等の点から、臭化ナトリウムが好ましい。
スルファミン酸化合物は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
NSOH (1)
(式中、Rは独立して水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。)
スルファミン酸化合物としては、例えば、2個のR基の両方が水素原子であるスルファミン酸(アミド硫酸)の他に、N−メチルスルファミン酸、N−エチルスルファミン酸、N−プロピルスルファミン酸、N−イソプロピルスルファミン酸、N−ブチルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N,N−ジメチルスルファミン酸、N,N−ジエチルスルファミン酸、N,N−ジプロピルスルファミン酸、N,N−ジブチルスルファミン酸、N−メチル−N−エチルスルファミン酸、N−メチル−N−プロピルスルファミン酸等の2個のR基の両方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N−フェニルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜10のアリール基であるスルファミン酸化合物、またはこれらの塩等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩等が挙げられる。スルファミン酸化合物およびこれらの塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルファミン酸化合物としては、環境負荷等の点から、スルファミン酸(アミド硫酸)を用いるのが好ましい。
本実施形態に係る分離膜の運転方法において、臭素系酸化剤とともにさらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温時の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
分離膜としては、逆浸透膜(RO膜)、ナノろ過膜(NF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等が挙げられる。これらのうち、特に逆浸透膜(RO膜)に、本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法を好適に適用することができる。また、逆浸透膜として昨今主流であるポリアミド系高分子膜に本発明の実施形態に係る分離膜の運転方法を好適に適用することができる。ポリアミド系高分子膜は、臭素系酸化剤に接触すると透過水量の低下を起こし易く、例えば、臭化物イオン存在下で、遊離塩素等を添加すると、水中で次亜臭素酸塩が生成され、これがポリアミド系高分子膜に一時的にでも接触すると、透過水量の著しい低下が起こる。しかしながら、本実施形態に係る分離膜の運転方法ではポリアミド系高分子膜においても、このような著しい膜性能の低下はほとんど起こらない。
ポリアミド系の逆浸透膜を備える逆浸透膜装置において、逆浸透膜への給水のpH5.5以上でスケールが発生する場合には、スケール抑制のために分散剤を臭素系酸化剤または安定化次亜臭素酸組成物と併用してもよい。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ホスホン酸等が挙げられる。分散剤の給水への添加量は、例えば、RO濃縮水中の濃度として0.1〜1,000mg/Lの範囲である。
また、分散剤を使用せずにスケールの発生を抑制するためには、例えば、RO濃縮水中のシリカ濃度を溶解度以下に、カルシウムスケールの指標であるランゲリア指数を0以下になるように、逆浸透膜装置の回収率等の運転条件を調整することが挙げられる。
<分離膜の改質方法および分離膜>
本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させる方法である。本実施形態に係る分離膜の改質方法は、例えば、塩素系酸化剤をポリアミド系分離膜に接触させる方法、またはポリアミド系分離膜に、塩素系酸化剤、臭素系酸化剤を塩素系酸化剤、臭素系酸化剤の順で接触させる方法である。また、本発明の実施形態に係る分離膜は、この分離膜の改質方法により改質された分離膜である。ここで、本明細書における分離膜の「改質」とは、透過水量の改善および透過水質の改善(すなわち阻止率の向上)を指す場合もあり、透過水量の低下の抑制および透過水質の低下の抑制(すなわち阻止率の低下の抑制)を指す場合もある。
本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、ポリアミド系の分離膜への給水または洗浄水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、臭素系酸化剤を存在させて接触させる方法である。塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜への給水等の中に、臭素系酸化剤を存在させて接触させてもよい。
これらの方法により、ポリアミド系の分離膜に予め塩素系酸化剤を十分接触させて塩素処理し、さらに臭素系酸化剤を接触させることにより、分離膜の劣化を抑制しつつ、透過水量および透過水質が改善される。
分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、常圧条件下、加圧条件下または減圧条件下で行えばよいが、分離膜の改質を確実に行うことができる等の点から、加圧条件下で行うことが好ましい。分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、例えば、0.1MPa〜10MPaの範囲の加圧条件下で行うことが好ましい。
分離膜への塩素系酸化剤および臭素系酸化剤の接触は、例えば、0℃〜100℃の範囲の温度条件下で行えばよい。
分離膜への塩素系酸化剤の接触は、有効塩素濃度[mg−Cl/L]×時間[hr]の値として、0.1〜1000mg−Cl/L・hrであることが好ましい。0.1mg−Cl/L・hr未満であると、膜に対して十分な改質効果が得られず、1000mg−Cl/L・hrを超えると、膜を劣化させる場合がある。
分離膜に接触する臭素系酸化剤による有効ハロゲン濃度は有効塩素濃度換算で、0.01〜100mg/Lであることが好ましい。0.01mg/L未満であると、十分なスライム抑制効果等を得ることができない場合があり、100mg/Lより多いと、分離膜の劣化、配管等の腐食を引き起こす可能性がある。
塩素系酸化剤が接触する際の被処理水のpHは4〜13の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。pH4未満である場合は、透過水量が低下する場合があり、pH13を超えると、分離膜が劣化する場合がある。
臭素系酸化剤が接触する際の被処理水のpHは5.5以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましく、pH6.5〜10の範囲であることがさらに好ましい。ポリアミド系の分離膜への上記改質剤の接触がpH5.5未満で行われると、あらかじめ分離膜に塩素処理を施していても、臭素系酸化剤による透過水量低下の影響を受ける場合がある。pH10を超えると、透過水量が増加し過ぎる場合がある。
本実施形態に係る分離膜の改質方法において、臭素系酸化剤としては、特に制限はない。臭素系酸化剤としては、「次亜臭素酸塩」等や、「塩素系酸化剤と臭化物イオンとの反応生成物」、「安定化次亜臭素酸組成物」等が挙げられるが、好ましくは「安定化次亜臭素酸組成物」である。「安定化次亜臭素酸組成物」は、分離膜の阻止率への悪影響が小さく、塩素処理された分離膜に連続的に添加しても、改質効果が高い。
本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とを存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と「スルファミン酸化合物」とを存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。これにより、給水等の中で、安定化次亜臭素酸組成物が生成すると考えられる。
また、本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の逆浸透膜に接触させる方法、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。
具体的には本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素」、「塩化臭素」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」と、を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。
また、本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させてポリアミド系の分離膜に接触させる方法である。
本実施形態に係る分離膜の改質方法では、例えば、ポリアミド系の分離膜を備える分離膜装置の運転の際に、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を薬注ポンプ等により注入した後、改質剤として「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを薬注ポンプ等により注入すればよい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とは別々に給水等の中に添加してもよく、または、原液同士で混合させてから給水等の中に添加してもよい。また、例えば、改質剤を添加した水中に、ポリアミド系の分離膜を所定の時間、浸漬して接触させてもよい。
また、例えば、ポリアミド系の分離膜への給水等の中に、改質剤として塩素系酸化剤を薬注ポンプ等により注入した後、改質剤として「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を薬注ポンプ等により注入してもよい。また、例えば、改質剤を添加した水中に、ポリアミド系の分離膜を所定の時間、浸漬して接触させてもよい。
改質剤による改質は、例えば、ポリアミド系の分離膜を備える分離膜装置の運転の際に分離膜への給水等の中に、上記改質剤を連続的または間欠的に添加すればよい。
「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、1以上であることが好ましく、1以上2以下の範囲であることがより好ましい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が1未満であると、逆浸透膜を劣化させる可能性があり、2を超えると、製造コストが増加する場合がある。
臭素系酸化剤、臭素化合物、塩素系酸化剤およびスルファミン酸化合物については、上述した通りである。
臭素系酸化剤のうち、臭素を用いた「臭素とスルファミン酸化合物」または「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」の製剤は、「次亜塩素酸と臭素化合物とスルファミン酸」の製剤および「塩化臭素とスルファミン酸」の製剤等に比べて、塩化物イオンが少なく、ポリアミド系の分離膜をより劣化させず、RO透過水等の膜透過水への有効ハロゲンのリーク量がより少ないため、分離膜用スライム抑制剤としてはより好ましい。また、配管等の金属材料の腐食を引き起こす可能性が低いため、より好ましい。
すなわち、本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法は、ポリアミド系の分離膜に、改質剤として塩素系酸化剤を存在させて接触させた後、臭素とスルファミン酸化合物とを接触させる、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を接触させることが好ましい。
本実施形態に係る分離膜の改質方法において、臭素系酸化剤とともにさらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温時の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
分離膜としては、逆浸透膜(RO膜)、ナノろ過膜(NF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等が挙げられる。これらのうち、特に逆浸透膜(RO膜)に、本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法を好適に適用することができる。また、逆浸透膜として昨今主流であるポリアミド系高分子膜に本発明の実施形態に係る分離膜の改質方法を好適に適用することができる。ポリアミド系高分子膜は、臭素系酸化剤に接触すると透過水量の低下を起こし易く、例えば、臭化物イオン存在下で、遊離塩素等を添加すると、水中で次亜臭素酸塩が生成され、これがポリアミド系高分子膜に一時的にでも接触すると、透過水量の著しい低下が起こる。しかしながら、本実施形態に係る分離膜の改質方法ではポリアミド系高分子膜においても、このような著しい膜性能の低下はほとんど起こらない。
本実施形態に係る分離膜の改質方法により改質されたポリアミド系の逆浸透膜を備える逆浸透膜装置の用途としては、例えば、海水淡水化、排水回収等が挙げられる。
<分離膜運転用組成物、分離膜改質用組成物>
本実施形態に係る分離膜の運転方法および分離膜の改質方法で用いられる分離膜運転用組成物または分離膜改質用組成物(以下、両者を併せて「分離膜運転・改質用組成物」と呼ぶ)は、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
また、本実施形態に係る分離膜運転・改質用組成物は、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
臭素系酸化剤、臭素化合物、塩素系酸化剤およびスルファミン酸化合物については、上述した通りである。
本実施形態に係る分離膜運転・改質用組成物としては、ポリアミド系分離膜をより劣化させず、RO透過水等への有効ハロゲンのリーク量がより少ないため、臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するもの、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するものが好ましい。
本実施形態に係る分離膜運転・改質用組成物は、クロロスルファミン酸等の結合塩素系スライム抑制剤と比較すると、酸化力が高く、スライム抑制力、スライム剥離力が著しく高いにもかかわらず、同じく酸化力の高い次亜塩素酸のような著しい膜劣化をほとんど引き起こすことがない。通常の使用濃度では、膜劣化への影響は実質的に無視することができる。このため、ポリアミド系の逆浸透膜(RO膜)等の分離膜用のスライム抑制剤、改質剤としては最適である。
本実施形態に係る分離膜運転・改質用組成物は、次亜塩素酸とは異なり、逆浸透膜(RO膜)等をほとんど透過しないため、処理水水質への影響がほとんどない。また、次亜塩素酸等と同様に現場で濃度を測定することができるため、より正確な濃度管理が可能である。
組成物のpHは、例えば、13.0超であり、13.2超であることがより好ましい。組成物のpHが13.0以下であると組成物中の有効ハロゲンが不安定になる場合がある。
分離膜運転・改質用組成物中の臭素酸濃度は、5mg/kg未満であることが好ましい。分離膜運転・改質用組成物中の臭素酸濃度が5mg/kg以上であると、RO透過水等の臭素酸イオンの濃度が高くなる場合がある。
<分離膜運転用組成物、分離膜改質用組成物の製造方法>
本実施形態に係る分離膜の運転方法および分離膜の改質方法で用いられる分離膜運転用組成物または分離膜改質用組成物は、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを混合する、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを混合することにより得られ、さらにアルカリを混合してもよい。
臭素と、スルファミン酸化合物とを含有する分離膜運転・改質用組成物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有する分離膜運転・改質用組成物の製造方法としては、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含むことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で添加して反応させることにより、組成物中の臭素酸イオン濃度が低くなり、RO透過水等中の臭素酸イオン濃度が低くなる。
用いる不活性ガスとしては限定されないが、製造等の面から室素およびアルゴンのうち少なくとも1つが好ましく、特に製造コスト等の面から窒素が好ましい。
臭素の添加の際の反応器内の酸素濃度は6%以下が好ましいが、4%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。臭素の反応の際の反応器内の酸素濃度が6%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。
臭素の添加率は、組成物全体の量に対して25重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。臭素の添加率が組成物全体の量に対して25重量%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。1重量%未満であると、殺菌力、改質効果が劣る場合がある。
臭素添加の際の反応温度は、0℃以上25℃以下の範囲に制御することが好ましいが、製造コスト等の面から、0℃以上15℃以下の範囲に制御することがより好ましい。臭素添加の際の反応温度が25℃を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合があり、0℃未満であると、凍結する場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[塩素処理の有無と臭素系酸化剤通水時の透過水量低下の関係]
予め塩素系酸化剤を接触させた分離膜と、塩素系酸化剤を接触させていない分離膜における、臭素系酸化剤通水時の、透過水量の挙動について比較した。
(塩素処理条件)
・RO膜:ポリアミド系高分子逆浸透膜(水温:25℃、運転圧力:0.75MPaの条件において、2000mg/LのNaCl溶液の導電率阻止率が95%以上)
・塩素処理条件:純水に次亜塩素酸ナトリウムを有効塩素として10mg−CL/L添加し、pH10に調整し、圧力0.75MPa、水温25℃にて1hr通水
(臭素系酸化剤通水条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:ポリアミド系高分子逆浸透膜(水温:25℃、運転圧力:0.75MPaの条件において、2000mg/LのNaCl溶液の導電率阻止率が95%以上)、またはこれに上記塩素処理を施した逆浸透膜
・運転圧力:0.75MPa
・原水:相模原井水(導電率240μS/cm)
・試験水pH:6.5
・薬剤:安定化次亜臭素酸組成物1を、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として1mg/Lとなるように添加
(評価方法)
・分離膜の透過水量への影響:120hr通水後の透過水量保持率(%)
([臭素系酸化剤通水120hr後の透過水量/臭素系酸化剤通水前の透過水量]×100)
(安定化次亜臭素酸組成物1の調製)
窒素雰囲気下で、液体臭素:16.9重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.94重量%、水:残分を混合して、安定化次亜臭素酸組成物1を調製した。安定化次亜臭素酸組成物1のpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は7.5重量%であった。安定化次亜臭素酸組成物1の詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器内の酸素濃度が1%に維持されるように、窒素ガスの流量をマスフローコントローラでコントロールしながら連続注入で封入した2Lの4つ口フラスコに1436gの水、361gの水酸化ナトリウムを加え混合し、次いで300gのスルファミン酸を加え混合した後、反応液の温度が0〜15℃になるように冷却を維持しながら、473gの液体臭素を加え、さらに48%水酸化カリウム溶液230gを加え、組成物全体の量に対する重量比でスルファミン酸10.7%、臭素16.9%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量比が1.04である、目的の安定化次亜臭素酸組成物1を得た。生じた溶液のpHは、ガラス電極法にて測定したところ、14であった。生じた溶液の臭素含有率は、臭素をヨウ化カリウムによりヨウ素に転換後、チオ硫酸ナトリウムを用いて酸化還元滴定する方法により測定したところ16.9%であり、理論含有率(16.9%)の100.0%であった。また、臭素反応の際の反応容器内の酸素濃度は、株式会社ジコー製の「酸素モニタJKO−02 LJDII」を用いて測定した。なお、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
<実施例1>
上記塩素処理を事前に施した分離膜に臭素系酸化剤である安定化次亜臭素酸組成物1を上記条件で通水した。結果を表1に示す。
<比較例1>
塩素処理を事前に施していない上記分離膜を使用した以外は、実施例1と同じ条件で通水した。結果を表1に示す。
Figure 2016155074
比較例1では、臭素系酸化剤を通水したのち、透過水量が初期値の70%未満に低下したが、実施例1では80%以上の透過水量を保持した。
[臭素系酸化剤通水時のpHの影響]
(臭素系酸化剤通水条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:ポリアミド系高分子逆浸透膜(水温:25℃、運転圧力:0.75MPaの条件において、2000mg/LのNaCl溶液の導電率阻止率が95%以上)
・運転圧力:0.75MPa
・原水:相模原井水(導電率240μS/cm)
・試験水pH:5.0〜8.0
・薬剤:安定化次亜臭素酸組成物1を、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として1mg/Lとなるように添加
(評価方法)
・分離膜の透過水量への影響:120hr通水後の透過水量保持率(%)
([臭素系酸化剤通水120hr後の透過水量/臭素系酸化剤通水前の透過水量]×100)
<実施例2〜5>
事前に塩素処理を施した上記分離膜に、pH5.0〜8.0の条件で安定化次亜臭素酸組成物1を通水した。結果を表2に示す。
<比較例2〜5>
事前に塩素処理を施していない上記分離膜に、pH5.0〜8.0の条件で安定化次亜臭素酸組成物1を通水した。結果を表2に示す。
Figure 2016155074
分離膜に臭素系酸化剤を接触させる際の被処理水のpHが5.5以上であることが好ましく、6.0以上がより好ましいことがわかった。
[臭素系酸化剤の種類の影響]
(試験条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:ポリアミド系高分子逆浸透膜(2000mg/LのNaCl溶液における導電率阻止率が95%以上)に事前に塩素処理を施したもの
・運転圧力:0.75MPa
・原水:相模原井水(導電率240μS/cm)
・試験水pH:7.0
・薬剤:安定化次亜臭素酸組成物1または安定化次亜臭素酸組成物2を、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)として10mg/Lとなるように添加
・試験時間:64日
(評価方法)
・試験前後でのRO膜における導電率阻止率(%)
(安定化次亜臭素酸組成物2)
臭化ナトリウム:11重量%、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液:50重量%、スルファミン酸ナトリウム:14重量%、水酸化ナトリウム:8重量%、水:残分を混合して、安定化次亜臭素酸組成物2を調製した。安定化次亜臭素酸組成物2のpHは14、有効ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は6重量%であった。安定化次亜臭素酸組成物2の組成物の詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器に17gの水を入れ、11gの臭化ナトリウムを加え撹拌して溶解させた後、50gの12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加え混合し、次いで14gのスルファミン酸ナトリウムを加え撹拌して溶解させた後、8gの水酸化ナトリウムを加え撹拌し溶解させて目的の組成物を得た。
<実施例6>
安定化次亜臭素酸組成物1を通水し、試験前後での分離膜における導電率阻止率を測定した。結果を表3に示す。
<実施例7>
安定化次亜臭素酸組成物2を通水し、試験前後での分離膜における導電率阻止率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2016155074
実施例6,7共に、90%以上の導電率阻止率を保持したが、実施例6の方がより高い阻止率を示した。
[塩素処理における塩素系酸化剤の分離膜への接触度の影響]
(試験条件)
・試験装置:平膜試験装置
・分離膜:ポリアミド系高分子逆浸透膜(水温:25℃、運転圧力:0.75MPaの条件において、2000mg/LのNaCl溶液の導電率阻止率が95%以上)
・運転圧力:0.75MPa
・原水:超純水
・塩素系酸化剤:次亜塩素酸ナトリウム
(評価方法)
・試験前後での分離膜における導電率阻止率(%)
<実施例8>
分離膜への塩素系酸化剤の接触度を10mg−CL/L×hrとした。結果を表4に示す。
<比較例6>
分離膜への塩素系酸化剤の接触度を1034mg−CL/L×hrとした。結果を表4に示す。
Figure 2016155074
導電率阻止率は、実施例8では90%以上であったが、比較例6では90%未満に低下した。
以上の通り、分離膜に予め塩素処理が施されることで、その後、分離膜に臭素系酸化剤が接触しても透過水量の低下が抑制され、安定的に分離膜装置を運転することができることがわかった。また、分離膜に予め塩素処理を施した後、臭素系酸化剤を接触させることで、分離膜の劣化を抑制しつつ、透過水量および透過水質を改善することができることがわかった。

Claims (11)

  1. 塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させることを特徴とする分離膜の運転方法。
  2. 請求項1に記載の分離膜の運転方法であって、
    前記分離膜に臭素系酸化剤を接触させる際の被処理水のpHが5.5以上であることを特徴とする分離膜の運転方法。
  3. 請求項1または2に記載の分離膜の運転方法であって、
    前記臭素系酸化剤が、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを含有する、もしくは、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物との反応生成物を含有することを特徴とする分離膜の運転方法。
  4. 請求項3に記載の分離膜の運転方法であって、
    前記臭素系酸化剤が、臭素とスルファミン酸化合物とを含有する、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有することを特徴とする分離膜の運転方法。
  5. 請求項4に記載の分離膜の運転方法であって、
    前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物が、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含む方法により得られたものであることを特徴とする分離膜の運転方法。
  6. 塩素系酸化剤で塩素処理されたポリアミド系の分離膜に臭素系酸化剤を接触させることを特徴とする分離膜の改質方法。
  7. 請求項6に記載の分離膜の改質方法であって、
    前記分離膜に臭素系酸化剤を接触させる際の被処理水のpHが5.5以上であることを特徴とする分離膜の改質方法。
  8. 請求項6または7に記載の分離膜の改質方法であって、
    前記臭素系酸化剤が、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを含有する、もしくは、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物との反応生成物を含有することを特徴とする分離膜の改質方法。
  9. 請求項8に記載の分離膜の改質方法であって、
    前記臭素系酸化剤が、臭素とスルファミン酸化合物とを含有する、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有することを特徴とする分離膜の改質方法。
  10. 請求項9に記載の分離膜の改質方法であって、
    前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物が、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程を含む方法により得られたものであることを特徴とする分離膜の改質方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の分離膜の改質方法により改質されたことを特徴とする分離膜。
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