JP2015099626A - 磁気記録媒体とその製造方法、磁気記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの実施形態は、例えば、小さい出力のレーザー光を変換した近接場光により磁気記録媒体を効率的に加熱できる磁気記録媒体とその製造方法、磁気記録再生装置を提供することを目的とする。【解決手段】1つの実施形態によれば、熱アシスト磁気記録方式で用いられる磁気記録媒体であって、基板上に磁気記録層と、金属粒子が分散配置された金属粒子層とを有する。金属粒子層は、基板の面方向において、第1領域における金属粒子の含有率に対して、第1領域よりも外周側の第2領域における金属粒子の含有率が高い。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、磁気記録媒体とその製造方法、磁気記録再生装置に関する。
熱アシスト磁気記録方式を用いる熱アシスト磁気記録装置では、記録ヘッドが発生する磁界のみでは磁化反転させることができないほど保磁力の大きい磁気記録媒体が用いられる。熱アシスト磁気記録装置では、レーザー光源から発せられたレーザー光が、磁気ヘッドに搭載された近接場光発生素子において近接場光に変換されて、磁気記録媒体の表面に局所的に照射される。磁気記録媒体の磁気記録層は、この近接場光によって局所的に加熱され、局所的に保磁力が低下した状態とされる。そして、磁気記録層における保磁力が下がった領域に磁界が印加されることにより、磁気記録層の磁化が反転し、情報が記録される。
熱アシスト磁気記録装置では、レーザー光が近接場光に変換される際に、レーザー光のエネルギーの大部分は熱に変換される。熱アシスト磁気記録装置では、レーザー光から変換された近接場光により磁気記録媒体を効率的に加熱することが望まれる。
本発明の1つの実施形態は、磁気記録媒体を効率的に加熱できる磁気記録媒体とその製造方法、磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの実施形態によれば、熱アシスト磁気記録方式で用いられる磁気記録媒体であって、基板上に磁気記録層と、金属粒子が分散配置された金属粒子層とを有する。金属粒子層は、基板の面方向において、第1領域における金属粒子の含有率に対して、第1領域よりも外周側の第2領域における金属粒子の含有率が高い。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる磁気記録媒体とその製造方法、磁気記録再生装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態にかかる磁気記録再生装置100の概要について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる磁気記録再生装置100を一部分解して示す斜視図である。磁気記録再生装置100は、上面の開口した矩形箱状の筐体101と、複数のねじにより筐体101にねじ止めされて筐体101の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
まず、第1の実施形態にかかる磁気記録再生装置100の概要について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる磁気記録再生装置100を一部分解して示す斜視図である。磁気記録再生装置100は、上面の開口した矩形箱状の筐体101と、複数のねじにより筐体101にねじ止めされて筐体101の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
筐体101内には、本実施形態にかかる熱アシスト磁気記録用磁気記録媒体1(以下、磁気記録媒体1と呼ぶ場合がある)、スピンドルモータ102、磁気ヘッド103、ヘッドジンバルアッセンブリ104、回転軸105、ボイスコイルモータ106、回路基板107等が収納されている。
スピンドルモータ102は、磁気記録媒体1を支持および回転させる。磁気ヘッド103は、磁気記録媒体1に対して磁界を印加するとともに熱アシスト方式により磁気記録媒体1を加熱して磁気信号の記録および再生を行う。ヘッドジンバルアッセンブリ104は、磁気ヘッド103を先端に搭載したサスペンションを有し、且つ磁気ヘッド103を磁気記録媒体1に対して移動自在に支持する。回転軸105は、ヘッドジンバルアッセンブリ104を回転自在に支持する。ボイスコイルモータ106は、回転軸105を介してヘッドジンバルアッセンブリ104を回転、位置決めする。回路基板107は、磁気ヘッド103に接続される配線を有する。
図2は、磁気ヘッド103の周辺部の構成を示す模式図である。磁気ヘッド103には、レーザー光源111、レーザー光導波路112、近接場光発生素子113、磁界発生素子114、再生素子115が設けられている。レーザー光源111から発せられたレーザー光は、レーザー光導波路112を通り、近接場光発生素子113に照射される。近接場光発生素子113は、照射されたレーザー光を例えば幅50nm程度の広がりを有する近接場光に変換して、該近接場光を磁気記録媒体1の表面における一部に局所的に照射する。この近接場光によって、磁気記録媒体1の磁気記録層において情報が記録されるべき微小領域が加熱されて保磁力が低下し、情報が記録されやすくなる。
そして、磁界発生素子114が発生する磁界により、当該微小領域における磁気記録層が所定の向きに磁化され、情報が記録される。また、磁気記録媒体1に記録された情報は、再生素子115により読み出される。すなわち、磁気ヘッド103は、磁気記録媒体1に対して近接場光を照射する近接場光照射手段と、磁気記録媒体1に対して磁界を印加する磁界印加手段としての機能を兼ねている。
図3は、第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1を示す図であり、図3(a)は磁気記録媒体1の平面図、図3(b)は図3(a)の線分A−Aにおける要部断面図である。磁気記録媒体1は、各種情報を記録する円盤状(ドーナツ状)の磁気記録媒体である。磁気記録媒体1は、基板2と該基板2の一面上に順に形成された、下地層3、磁気記録層4、金属粒子層5および保護膜6を有する。
基板2の材料は、ガラス、セラミック、石英などの非磁性体を用いることができる。下地層3の材料は、磁気記録層4の結晶配向性を制御可能な材料としてMgO、TiNなどを用いることができる。磁気記録層4の材料は、高磁気異方性を有するFePtなどの合金を主原料とする磁性体を用いることができる。磁気記録層4は、高磁気異方性を有するFePt合金を有する。
金属粒子層5は、近接場光の増強効果を有する金属粒子5aと、隣接する金属粒子5a間を分離する金属粒子間粒界5bとを有する。金属粒子5aは、光の波長よりも小さい金属ナノ粒子である。金属粒子5aは、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)およびこれらの金属の少なくとも1種を主体とする合金からなる群より選択される1種以上の材料からなる。金属粒子5aの形状は限定されず、球状でもよく、角のある形状等でもよい。金属粒子5aは、金属粒子層5において単層で配置されることが好ましい。金属粒子5aを単層配置とすることにより、磁気ヘッド103と磁気記録層4との距離を短くすることができ、記録・再生時の良好な信号品質が得られる。金属粒子間粒界5bの材料は、熱伝導性の小さい材料が用いられ、例えばシリコン酸化物(SiO2)などの絶縁体が用いられる。
保護膜6の材料は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)などの、近接場光に対して透明な非磁性体を用いることができる。
図4は、磁気記録媒体1における磁気記録層4および金属粒子層5を上面から見た要部平面図である。図4(a)は、磁気記録層4を上面から見た状態の一例を示す図である。磁気記録層4は、磁性粒子4aと、隣接する磁性粒子4a間を分離する磁性粒子間粒界4bとを有する。磁性粒子間粒界4bは、非磁性体のカーボン(C)などからなる。図4(b)は、金属粒子層5を上面から見た状態の一例を示す図である。
図4(c)は、磁気記録層4と金属粒子層5とがこの順で積層された状態を上面から見た場合における磁性粒子4aと金属粒子5aとの相対位置関係の一例を示す図である。図4(c)では、磁性粒子4aと金属粒子5aとに注目して示しており、磁性粒子間粒界4bと金属粒子間粒界5bとを透過して見た状態を示している。図4(c)に示されるように、金属粒子5aは、磁性粒子4aの位置に関係なく磁性粒子4aの上にランダムに分散して配置されている。
図5は、磁気記録媒体1における半径位置による磁性粒子4aと金属粒子5aとの相対位置関係を説明する図である。半径位置は、磁気記録媒体における中心からの半径方向における位置である。図5(a)は、磁気記録層4と金属粒子層5とがこの順で積層された状態の磁気記録媒体1の全体像を示す図である。図5(b)は、基板2の面方向における第1領域である、磁気記録媒体1の内周側領域11における磁性粒子4aと金属粒子5aとの相対位置関係を示す図である。図5(c)は、基板2の面方向における第2領域である、磁気記録媒体1の外周側領域12における磁性粒子4aと金属粒子5aとの相対位置関係を示す図である。図5(b)および図5(c)では、磁性粒子4aと金属粒子5aとに注目して示しており、磁性粒子間粒界4bと金属粒子間粒界5bとを透過して見た状態を示している。内周側領域11は、磁気記録媒体1の半径方向における最外周位置と最内周位置との中間位置Cよりも内周側の領域である。外周側領域12は、磁気記録媒体1の半径方向における最外周位置と最内周位置との中間位置Cよりも外周側の領域である。
図5(c)に示されるように、外周側領域12での磁性粒子4aの粒子間隙間は、内周側領域11における磁性粒子4aの粒子間隙間と同等とされている。一方、外周側領域12における金属粒子5aの粒子間隙間は、内周側領域11における金属粒子5aの粒子間隙間よりも狭くなっている。すなわち、金属粒子層5においては、外周側領域12における金属粒子5aの含有率が、内周側領域11における金属粒子5aの含有率よりも高くされている。
つぎに、磁気記録媒体1における金属粒子層5の作用について説明する。金属ナノ粒子が電界(光)の中に置かれると、金属ナノ粒子内の自由電子が光の振動電界によって共鳴して金属ナノ粒子内に大きな分極(局在プラズモン)が誘起される。この結果、金属ナノ粒子の周りの電界が増強される。本明細書においては、この局在プラズモンによる「金属ナノ粒子の周りの電界の増強」を「近接場光の増強」と記す。
電界のエネルギーは周囲の物質の加熱源となる。このため、光の中に置かれた金属ナノ粒子の周りの電界が増強されると、光を受けた金属ナノ粒子の周囲にある物質が、この増強された電界のエネルギーにより加熱される。
すなわち、磁気記録媒体1では、レーザー光から変換された近接場光が金属ナノ粒子である金属粒子5aに照射されると、該金属粒子5aの周りの電界が増強される。近接場光が照射された金属粒子5aの周囲にある磁気記録層4は、この金属粒子5aの周りの増強された電界のエネルギーにより局所的に加熱されて温度が上がり、保磁力が低下した状態になる。そして、磁気記録層4の保磁力が低下した領域に磁界を印加することにより該領域の磁化が反転し、情報が記録される。
これにより、磁気記録媒体1においては、磁気記録層4を効率的に加熱して、保磁力を低下させることができる。すなわち、磁気記録媒体1においては、磁気記録層4を所望の温度に加熱するために必要なレーザー光出力を低減でき、少ないレーザー光出力で磁気記録層4の微小領域を効率的に加熱することができる。また、レーザー光出力が小さいため、変換された近接場光のスポット径を小さくでき、磁気記録層4における所望の微小領域のみを確実に加熱できる。そして、微小領域のみが加熱されるため、該微小領域は、記録後に速やかに冷却される。また、磁気記録層4が金属粒子層5の下層にあることにより、金属粒子層5により加熱された磁気記録層4の熱が下層の基板方向に拡散しやすくなる。このため、磁気記録層4において加熱された微小領域は、記録後に速やかに冷却される。
ここで、熱アシスト磁気記録装置では磁気記録媒体を一定の回転数で回転させるため、半径位置に応じて記録ヘッドと磁気記録媒体との相対速度が変化する。近接場光から磁気記録媒体が受け取る加熱エネルギーは、レーザー光源から発振されるレーザーの単位時間あたりの出力と、近接場光が印加される時間との積である。したがって、レーザーの出力を一定とすると、磁気記録媒体の単位面積あたりが近接場光から受け取るエネルギーは半径位置によって異なる。
すなわち、磁気記録媒体の外周側領域では、記録ヘッドと磁気記録媒体間の相対速度が大きい。一方、磁気記録媒体の内周側領域では、記録ヘッドと磁気記録媒体間の相対速度が小さい。このため、磁気記録媒体の外周側領域の単位面積あたりが受け取る加熱エネルギーは、磁気記録媒体の内周側領域の単位面積あたりが受け取る加熱エネルギーに比べて相対的に小さい。
これに対して、磁気記録媒体の内周側領域におけるレーザー光出力よりも磁気記録媒体の外周側領域におけるレーザー光出力を増大させるなど、磁気記録媒体の半径位置に応じてレーザー光出力を調整する方法がある。しかし、この場合には、レーザー光出力を変更する処理や、レーザー光出力を変更した後にレーザー光出力の安定を待つ時間などが必要となる。そして、レーザー光が近接場光に変換される効率が低いため、レーザー光のエネルギーの大部分は熱に変換される。この熱は、記録ヘッドの寿命に悪影響を与え、記録ヘッドの劣化が進む。このため、レーザー光出力の増大は、記録ヘッドの劣化につながる。
そこで、磁気記録媒体1においては、金属粒子層5の外周側領域12における金属粒子5aの含有率が、金属粒子層5の内周側領域11における金属粒子5aの含有率に対して高くされている。このため、外周側領域12で発生する近接場光の増強効果が内周側領域11よりも強くなる。これにより、外周側領域12におけるレーザー光出力を増大させることなく、情報の記録において内周側領域11と外周側領域12とにおいて必要なレーザー光出力の半径位置による相違を小さくすることができる。すなわち、磁気記録層4の外周側領域12を所望の温度に加熱するために必要なレーザー光出力をより低減でき、より少ないレーザー光出力で磁気記録層4を効率的に加熱することができる。
また、磁気記録媒体1においては、少ないレーザー光出力で磁気記録層4を効率的に加熱することができるため、レーザー光出力の増大に起因した近接場光の広がりにより加熱が不要な領域の磁気記録層4が加熱されることが防止される。すなわち、情報が記録されるべき所定の微小領域のみが局所的に加熱され、その後、速やかに冷却される。これにより、磁気記録層4において情報が記録された磁性粒子4aやその周辺の磁性粒子4aに記録された情報が消失することが防止される。
したがって、磁気記録媒体1に対する情報の記録においては、レーザー光出力に起因した磁気ヘッド103の寿命の劣化を抑制して磁気ヘッド103の長寿命化を実現できる。また、磁気記録再生装置100の消費電力の低減を実現できる。
図6は、金属粒子層5を含まないこと以外は磁気記録媒体1と同じ構成を有する磁気記録媒体(比較例)と第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1(実施例)とにおける、所定のSNRを得るために必要なレーザー電流と磁気記録媒体における半径位置との関係を示す特性図である。図6においては、磁気記録媒体における半径位置[mm]を横軸に、レーザー電流[mA]を縦軸に示している。レーザー電流は、レーザー光源111において所定のレーザー出力を実現するために必要な電流である。また、図6においては、比較例の結果を◇マークで示し、実施例の結果を黒□マークで示した。
図6に示されるように、実施例では比較例と比べて、所定のSNRを得るのに必要な近接場光による加熱時のレーザー電流を半径位置に因らずに低減できている。さらに、実施例の方が、必要なレーザー電流の半径位置に対する依存性が小さい。
これらのことから、金属粒子層5を備えることにより、必要なレーザー電流を低減できることがわかる。また、金属粒子層5の外周側領域12における金属粒子5aの含有率を内周側領域11における金属粒子5aの含有率よりも高くすることにより、内周側領域11と外周側領域12とにおける必要なレーザー電流の、半径位置による相違を小さくすることができ、外周側領域12で必要なレーザー光出力をより低減できることがわかる。
図7は、磁気記録媒体1の金属粒子層5における金属粒子5aの含有率[体積%]と、近接場光による磁気記録媒体1の加熱時の上昇温度[deg C]との関係を示す特性図である。図7においては、金属粒子層5における金属粒子5aの含有率[体積%]を横軸に、上昇温度[deg C]を縦軸に示す。含有率および上昇温度は、磁気記録媒体1における特定の半径位置におけるものである。また、磁気記録媒体1の上昇温度は、磁気ヘッド103から単位時間に与える加熱エネルギーを一定とした条件下での磁気記録媒体1の温度上昇を、計算機シミュレーションによる光解析および熱解析から求めた結果である。
図7に示されるように、金属粒子5aの含有率を上げることにより、磁気記録媒体1の温度の上昇量が大きくなる。したがって、金属粒子層5の外周側領域12における金属粒子5aの含有率を内周側領域11よりも高くすることにより、必要なレーザー電流を低減することができ、必要なレーザー電流の半径位置に対する依存性を小さくすることができることがわかる。
なお、上記においては、外周側領域12の金属粒子5aの含有率が内周側領域11の金属粒子5aの含有率よりも高い場合について示したが、金属粒子層5の半径方向の分割数は2つに限定されない。金属粒子層5が半径方向においてさらに多数の領域に分割され、外周側の領域が内周側の領域よりも金属粒子5aの含有率が高くされることにより、上述した効果が得られる。
つぎに、磁気記録媒体1の製造方法の一例について説明する。図8は、磁気記録媒体1の製造方法の一例の手順を示すフローチャートである。図9−1および図9−2は、磁気記録媒体1の製造方法の一例のうち、金属粒子層5を形成する工程を示す断面図である。図9−1および図9−2では、図3(a)の線分A−Aにおける断面を示している。また、図9−1および図9−2では、下地層3および磁気記録層4の記載を省略している。
まず、スパッタリング法により、例えば、RF出力:800W、アルゴン(Ar)ガス圧:1Pa、成膜時間:5秒の条件で、膜厚が10nmのMgO膜からなる下地層3が円盤状(ドーナツ状)の基板2の一面上に成膜される(ステップS10)。
つぎに、FePt−カーボン(C)コンポジットターゲットを使用したスパッタリング法により、例えば、DC出力:1000W、基板温度:500℃、アルゴン(Ar)ガス圧:1Pa、成膜時間:5秒の条件で、膜厚が6nmの磁気記録層4が下地層3上に成膜される(ステップS20)。成膜された磁気記録層4は、平均粒径が10nm程度のFePt磁性粒子4aと、隣接する磁性粒子4a間に設けられたカーボン(C)からなる磁性粒子間粒界4bとを含むグラニュラ構造を有するFePt−Cグラニュラ薄膜からなる。
つぎに、トルエンを分散媒として、分子量12000のポリスチレンと、金属粒子5aとなる金(Au)ナノ粒子21とを含む分散液(第1ナノ粒子分散液22)が用意される。金(Au)ナノ粒子21の平均粒径は10nmである。そして、第1ナノ粒子分散液22が磁気記録層4上に滴下され(図9−1(a))、スピンコート法により磁気記録層4上に塗布されることにより金(Au)ナノ粒子21が単層配列された層である第1Au単層配列21aが得られる(ステップS30、図9−1(b))。
なお、ポリスチレンとAuなどの金属ナノ粒子をトルエンなどの有機溶媒中に分散させた分散液は、表面に高分子鎖(ポリスチレン)からなる保護基を有している金属ナノ粒子が有機溶媒中に分散している。この保護基の存在により、金属ナノ粒子は、隣接する複数の金属ナノ粒子に対してある一定の距離を溶媒中で維持することができる。そして、ある一定の距離は、高分子鎖の分子量で調整可能である。このような分散液を基板上にスピンコートにより塗布して金属ナノ粒子を配列させた状態では、金属ナノ粒子の周囲に高分子鎖(保護基)が残存している。すなわち、第1Au単層配列21aは、金(Au)ナノ粒子21の周囲にポリスチレンからなる保護基が残存して構成されている。
金(Au)ナノ粒子21の粒径は、例えば磁性粒子4aと同様に10nm程度とされる。例えば2.5インチの磁気記録媒体1の場合には、記録される信号ビットの最小の長さが10nm程度の寸法とされる。この場合には、金属粒子5aの粒径は、1つの金属粒子5aが前後する3つ以上の信号ビットにかからないように、信号ビットの最小の長さ程度の7nm〜15nmの大きさとされる。
金属粒子5aの粒径を小さくすることにより、金属粒子層5の面方向における金属粒子5a含有率のむら、すなわち分散配置のむらの発生が抑制される。これにより、金属粒子層5の面方向における金属粒子5aの配置に起因した加熱効果のむらが抑制される。なお、金(Au)ナノ粒子21(金属粒子5a)が凝集する場合には、凝集体全体の粒径を信号ビットの最小の長さ程度の寸法とする。
つぎに、第1Au単層配列21aが形成された磁気記録層4上における半径位置が22mm以下の領域をフォトレジストでマスクする(ステップS40)。まず、第1Au単層配列21aが形成された磁気記録層4上にネガ型のフォトレジスト23aが滴下され(図9−1(c))、スピンコート法により磁気記録層4上に塗布される(図9−1(d))。
つぎに、フォトレジスト23aにおける基板2の内周側領域である半径位置が22mm以下の領域に対して露光が行われる。そして、基板2の外周側領域である半径位置が22mmより大の領域に配置されたフォトレジスト23a上にトルエン等の溶媒24が供給され(図9−1(e))、フォトレジスト23aと第1Au単層配列21aとのうち外周側領域が溶解除去される(ステップS50、図9−1(f))。なお、金(Au)ナノ粒子21は、第1Au単層配列21aのうち金(Au)ナノ粒子21間に存在するポリスチレンからなる保護基が溶媒24により溶解除去されることにより、配列が崩れて除去される。これにより、磁気記録層4上において、内周側領域のみにフォトレジストマスク23と第1Au単層配列21aとが配置される。また、磁気記録層4の外周側領域は、露出される。
つぎに、トルエンを分散媒として、分子量6500のポリスチレンと金(Au)ナノ粒子21とを含む分散液(第2ナノ粒子分散液25)が用意される。金(Au)ナノ粒子21の平均粒径は、第1ナノ粒子分散液22の場合と同じ10nmである。そして、第2ナノ粒子分散液25が基板2の一面上に滴下され(図9−2(g))、スピンコート法により塗布される(ステップS60)。これにより、磁気記録層4上において外周側領域上とフォトレジストマスク23上とに、金(Au)ナノ粒子21が単層配列された層である第2Au単層配列21bが得られる(図9−2(h))。第2Au単層配列21bは、第1Au単層配列21aよりも含有率が高い状態で金(Au)ナノ粒子21が分散配置される。第2Au単層配列21bは、金(Au)ナノ粒子21の周囲にポリスチレンからなる保護基が残存して構成されている。
つぎに、磁気記録層4上における半径位置が22mm以下の領域上のフォトレジストマスク23をリフトオフして、フォトレジストマスク23および該フォトレジストマスク23上の第2Au単層配列21bを除去する(ステップS70)。これにより、磁気記録層4上において内周側の領域である半径位置が22mm以下の領域に第1Au単層配列21aが配置される(図9−2(i))。また、磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上に第2Au単層配列21bが配置される(図9−2(i))。
つぎに、シリコン酸化物(SiO2)ターゲットを使用し、例えば、RF出力:100W、アルゴン(Ar)ガス圧:1Pa、成膜時間:10秒の条件でスパッタリングを行う。これにより、第1Au単層配列21aおよび第2Au単層配列21bにおける隣接する金(Au)ナノ粒子21の粒間にシリコン酸化物(SiO2)が充填され、金属粒子層5が形成される(ステップS80)。
そして、スパッタリング法によりダイヤモンドライクカーボンからなる保護膜6を金属粒子層5上に形成する(ステップS90)。以上の工程を実施することにより、磁気記録媒体1が得られる。
第1の実施形態にかかる製造方法により作製された磁気記録媒体1の金属粒子層5を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)で観察して、金属粒子5aの平均粒子間隙間を求めた。この結果、半径位置が22mm以下である内周側領域における金属粒子5aの平均粒子間隙間は10nmであり、半径位置が22mmより大である外周側領域における金属粒子5aの平均粒子間隙間は6mmであった。このように、第1ナノ粒子分散液22と第2ナノ粒子分散液25とにおけるポリスチレンの分子量を変えることによって、金属粒子5a間の距離を変えることができる。したがって、上述した条件で磁気記録媒体1を製造することにより、上記の値の平均粒子間隙間で金属粒子5aを配置することができる。
上述したように、第1の実施形態によれば、磁気記録媒体1が金属粒子層5を備える。その結果、磁気記録媒体1においては、少ないレーザー光出力で磁気記録層4を効率的に加熱することができる、という効果を得ることができる。
また、第1の実施形態によれば、金属粒子層5の外周側領域12における金属粒子5aの含有率が、金属粒子層5の内周側領域11における金属粒子5aの含有率よりも高くされる。その結果、磁気記録媒体1においては、磁気記録層4の外周側領域12をより少ないレーザー光出力で効率的に加熱することができる、という効果を得ることができる。
したがって、第1の実施形態によれば、レーザー光出力に起因した磁気ヘッド103の寿命の劣化を抑制して磁気ヘッド103の長寿命化を実現できる、という効果を得ることができる。また、第1の実施形態によれば、磁気記録再生装置100の消費電力の低減を実現できる、という効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、金属粒子層5の製造方法の他の例について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法の工程を示す断面図である。第2の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法が第1の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法と異なる点は、フォトレジストによるマスクの形成を行わずに、半径位置が22mmより大の領域に形成された第1Au単層配列21aを除去することである。
第2の実施形態では、金属粒子層5の製造方法の他の例について説明する。図10は、第2の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法の工程を示す断面図である。第2の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法が第1の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法と異なる点は、フォトレジストによるマスクの形成を行わずに、半径位置が22mmより大の領域に形成された第1Au単層配列21aを除去することである。
まず、第1の実施形態の場合と同様にして、下地層3の形成工程から図9−1(b)に示される第1Au単層配列21aの形成工程までが行われる(図10(a)、図10(b))。
つぎに、半径位置が22mmより大の領域に配置された第1Au単層配列21a上にトルエン等の溶媒24が供給され(図10(c))、半径位置が22mmより大の領域に配置された第1Au単層配列21aが除去される(図10(d))。これにより、磁気記録層4上において、内周側の領域である半径位置が22mm以下の領域のみに第1Au単層配列21aが配置される。
つぎに、トルエンを分散媒として分子量6500のポリスチレンと金(Au)ナノ粒子21とを含む分散液(第2ナノ粒子分散液25)が用意される。そして、第2ナノ粒子分散液25が磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上に滴下され(図10(e))、スピンコート法により塗布される。これにより、磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上に第2Au単層配列21bが得られる(図10(f))。
以上の工程を実施することにより、磁気記録層4上において内周側の領域である半径位置が22mm以下の領域に第1Au単層配列21aが配置される。また、磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上に第2Au単層配列21bが配置される。そして、第2Au単層配列21bは、第1Au単層配列21aよりも含有率が高い状態で金(Au)ナノ粒子21が分散配置される。これにより、フォトレジストマスク23の形成が不要となり、第1の実施形態よりも簡便に金属粒子層5を形成することができる。
上述したように、第2の実施形態によれば、フォトレジストによるマスクの形成を行わずに、半径位置が22mmより大の領域に形成された第1Au単層配列21aが除去される。その結果、簡便な工程により金属粒子層5を形成することができる、という効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、金属粒子層5の製造方法のさらに他の例について説明する。図11−1および図11−2は、第3の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法の工程を示す断面図である。第3の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法が第1の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法と異なる点は、フォトレジストマスク23の形成後の基板2の一面側の表面を第2ナノ粒子分散液25に付着させた後に基板2を引き上げることにより、半径位置が22mmより大の領域に第2Au単層配列21bが配置されることである。
第3の実施形態では、金属粒子層5の製造方法のさらに他の例について説明する。図11−1および図11−2は、第3の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法の工程を示す断面図である。第3の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法が第1の実施形態にかかる金属粒子層5の製造方法と異なる点は、フォトレジストマスク23の形成後の基板2の一面側の表面を第2ナノ粒子分散液25に付着させた後に基板2を引き上げることにより、半径位置が22mmより大の領域に第2Au単層配列21bが配置されることである。
まず、第1の実施形態の場合と同様にして、下地層3の形成工程から図9−1(f)に示されるフォトレジスト23aと第1Au単層配列21aとの溶解除去工程までが行われる。これにより、磁気記録層4上において、内周側の領域である半径位置が22mm以下の領域のみにフォトレジストマスク23と第1Au単層配列21aとが配置される(図11−1(a)〜図11−1(f))。
つぎに、基板2においてフォトレジストマスク23が形成された面を処理槽31に貯留された第2ナノ粒子分散液25に付着させて、フォトレジスト23aの表面と露出している磁気記録層4の表面とを第2ナノ粒子分散液25に付着させる。その後、基板2を引き上げることにより、フォトレジスト23aの表面と磁気記録層4の表面とを第2ナノ粒子分散液25から離間させる(図11−2(g)、図11−2(h))。そして、第2ナノ粒子分散液25のトルエンが揮発した後に、基板2をひっくり返す。これにより、磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上とフォトレジストマスク23上とに金(Au)ナノ粒子層である第2Au単層配列21bが得られる(図11−2(i))。第2Au単層配列21bは、第1Au単層配列21aよりも含有率が高い状態で金(Au)ナノ粒子21が分散配置される。
つぎに、第1の実施形態の場合と同様に、磁気記録層4上における半径位置が22mm以下の領域上のフォトレジストマスク23をリフトオフして、フォトレジストマスク23および該フォトレジストマスク23上の第2Au単層配列21bを除去する(図11−2(j))。
以上の工程を実施することにより、磁気記録層4上において内周側の領域である半径位置が22mm以下の領域に第1Au単層配列21aが配置される。また、磁気記録層4上において外周側の領域である半径位置が22mmより大の領域上に第2Au単層配列21bが配置される。そして、第2Au単層配列21bは、第1Au単層配列21aよりも含有率が高い状態で金(Au)ナノ粒子21が分散配置される。これにより、第2Au単層配列21bの形成工程が簡略化され、第1の実施形態よりも簡便に金属粒子層5を形成することができる。
上述したように、第3の実施形態によれば、フォトレジストマスク23の形成後の基板2の一面側の表面を第2ナノ粒子分散液25に付着させて第2Au単層配列21bが形成される。その結果、簡便な工程により金属粒子層5を形成することができる、という効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態にかかる磁気記録媒体41の要部断面図である。第4の実施形態にかかる磁気記録媒体41が第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1と異なる点は、金属粒子層5の上に磁気記録層4が配置されていることである。すなわち、磁気記録媒体41は、基板2の一面上に下地層3、金属粒子層5、磁気記録層4および保護膜6がこの順で配置されている。
図12は、第4の実施形態にかかる磁気記録媒体41の要部断面図である。第4の実施形態にかかる磁気記録媒体41が第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1と異なる点は、金属粒子層5の上に磁気記録層4が配置されていることである。すなわち、磁気記録媒体41は、基板2の一面上に下地層3、金属粒子層5、磁気記録層4および保護膜6がこの順で配置されている。
磁気記録媒体41は、磁気ヘッドと磁気記録層4との諸条件によるが、磁気ヘッドと磁気記録層4との距離が第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1よりも短くなるため、記録・再生時の良好な信号品質が得られる。なお、磁気記録媒体41においても、第1の実施形態の場合と同様に金属粒子層5を備えることによる効果が得られる。
上述したように、第4の実施形態によれば、金属粒子層5の上に磁気記録層4が配置される。その結果、記録・再生時の良好な信号品質が得られる、という効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51の要部断面図である。第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51が第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1と異なる点は、基板2と下地層3との間に、ヒートシンク層7が設けられていることである。すなわち、磁気記録媒体51は、基板2の一面上にヒートシンク層7、下地層3、磁気記録層4、金属粒子層5および保護膜6がこの順で配置されている。
図13は、第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51の要部断面図である。第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51が第1の実施形態にかかる磁気記録媒体1と異なる点は、基板2と下地層3との間に、ヒートシンク層7が設けられていることである。すなわち、磁気記録媒体51は、基板2の一面上にヒートシンク層7、下地層3、磁気記録層4、金属粒子層5および保護膜6がこの順で配置されている。
磁気記録層4において、加熱されて情報が記録された磁性粒子4aが高温状態のままであると、情報が記録された磁性粒子4aやその周辺の磁性粒子4aの熱安定性が低下し、記録された情報が劣化や消失する可能性がある。
ヒートシンク層7は、例えば銀(Ag)などの、熱伝導率が磁気記録層4の熱伝導率よりも高い材料で構成されている。ヒートシンク層7は、磁気ヘッド103での記録後、磁気記録媒体51の磁気記録層4に溜まった熱を速やかに吸収し冷却することができる。このようなヒートシンク層7は、例えばスパッタリング法により形成できる。
磁気記録媒体51は、ヒートシンク層7を備えるため、面方向の熱の広がりを抑えることができ、磁性粒子4aの熱に起因した磁性粒子4aの熱安定性の低下を防止することができ、記録された情報の劣化や消失を防止することができる。また、磁気記録媒体51は、第1の実施形態の場合と同様に金属粒子層5を備えることによる効果が得られる。
上述したように、第5の実施形態によれば、基板2の一面上にヒートシンク層7が設けられる。その結果、記録時に磁気記録媒体51の磁気記録層4に溜まった熱を速やかに吸収し冷却することができ、記録された情報の劣化や消失を防止することができる、という効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
図14は、第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61の要部断面図である。第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61は、第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51の変形例である。第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61が第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51と異なる点は、下地層3と磁気記録層4との間に、熱バリア層8が設けられていることである。すなわち、磁気記録媒体61は、基板2の一面上にヒートシンク層7、下地層3、熱バリア層8、磁気記録層4、金属粒子層5および保護膜6がこの順で配置されている。
図14は、第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61の要部断面図である。第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61は、第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51の変形例である。第6の実施形態にかかる磁気記録媒体61が第5の実施形態にかかる磁気記録媒体51と異なる点は、下地層3と磁気記録層4との間に、熱バリア層8が設けられていることである。すなわち、磁気記録媒体61は、基板2の一面上にヒートシンク層7、下地層3、熱バリア層8、磁気記録層4、金属粒子層5および保護膜6がこの順で配置されている。
熱バリア層8は、例えば二酸化ジルコニウム(ZrO2)などの、熱伝導率が磁気記録層4の熱伝導率よりも低い材料で構成されている。熱バリア層8は、磁気記録層4からその下層への熱拡散を抑制し、記録時の近接場光の照射により磁気記録層4の温度を効率良く上昇させることができる。このような熱バリア層8は、例えばスパッタリング法により形成できる。
磁気記録媒体61は、熱バリア層8を備えるため、記録時の近接場光等の照射により磁気記録層4の温度を効率良く上昇させることができ、磁気記録層4をより高温に加熱できる。なお、ヒートシンク層7を備えない構成としても上記効果が得られる。
上述したように、第6の実施形態によれば、下地層3と磁気記録層4との間に熱バリア層8が設けられる。その結果、記録時の近接場光の照射により磁気記録層4の温度を効率良く上昇させることができ、磁気記録層4をより高温に加熱できる、という効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 熱アシスト磁気記録用磁気記録媒体、2 基板、3 下地層、4 磁気記録層、4a 磁性粒子、4b 磁性粒子間粒界、5 金属粒子層、5a 金属粒子、5b 金属粒子間粒界、6 保護膜、7 ヒートシンク層、8 熱バリア層、11 内周側領域、12 外周側領域、21 金(Au)ナノ粒子、21a 第1Au単層配列、21b 第2Au単層配列、22 第1ナノ粒子分散液、23 フォトレジストマスク、23a フォトレジスト、24 溶媒、25 第2ナノ粒子分散液、31 処理槽、41 磁気記録媒体、51 磁気記録媒体、61 磁気記録媒体、100 磁気記録再生装置、101 筐体、102 スピンドルモータ、103 磁気ヘッド、104 ヘッドジンバルアッセンブリ、105 回転軸、106 ボイスコイルモータ、107 ヘッドアンプ回路基板、111 レーザー光源、112 レーザー光導波路、113 近接場光発生素子、114 磁界発生素子、115 再生素子。
Claims (9)
- 熱アシスト磁気記録方式で用いられる磁気記録媒体であって、
基板上に磁気記録層と、金属粒子が分散配置された金属粒子層とを有し、
前記金属粒子層は、前記基板の面方向において、第1領域における前記金属粒子の含有率に対して、前記第1領域よりも外周側の第2領域における前記金属粒子の含有率が高い
磁気記録媒体。 - 前記金属粒子が、金、銀、アルミニウム、白金およびこれらの金属の少なくとも1種を主体とする合金からなる群より選択される1種以上の材料からなる
請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 前記基板と前記磁気記録層との間に、熱伝導率が前記磁気記録層の熱伝導率よりも高い材料からなるヒートシンク層が設けられている
請求項1または2に記載の磁気記録媒体。 - 前記基板と前記磁気記録層との間に、熱伝導率が前記磁気記録層の熱伝導率よりも低い材料からなる熱バリア層が設けられている
請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。 - 基板の上層として、磁気記録層と、金属粒子が分散配置された金属粒子層とを形成する工程を含み、
前記基板の面方向において、第1領域の前記金属粒子層における前記金属粒子の含有率に対して、前記第1領域よりも外周側の第2領域の前記金属粒子層における前記金属粒子の含有率を高くする
磁気記録媒体の製造方法。 - 前記基板の上層として前記磁気記録層を形成する第1工程と、
前記金属粒子が分散配置された第1金属粒子配列とマスク層とを前記磁気記録層上における前記第1領域にこの順で形成し、前記磁気記録層上における前記第2領域を露出させる第2工程と、
前記基板の面方向において前記金属粒子が前記第1金属粒子配列よりも高い含有率で分散配置された第2金属粒子配列を前記第2領域の前記磁気記録層上および前記マスク層上に形成する第3工程と、
前記マスク層をリフトオフすることにより前記マスク層と前記マスク層上の前記第2金属粒子配列とを除去する第4工程とを含む
請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 前記第3工程では、揮発性の分散媒にポリスチレンと前記金属粒子とを分散させた分散液が、前記第2領域の前記磁気記録層上および前記マスク層上に滴下されることにより前記第2金属粒子配列が形成される
請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 前記第3工程では、前記第2領域の前記磁気記録層の表面と前記マスク層の表面とを、揮発性の分散媒にポリスチレンと前記金属粒子を分散させた分散液に付着させた後、前記分散液から離間させることにより前記第2金属粒子配列が形成される
請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体に対して近接場光を照射する近接場光照射手段と、
前記磁気記録媒体に対して磁界を印加する磁界印加手段とを備える
磁気記録再生装置。
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