JP2005317178A - 記録再生装置、記録媒体、記録再生装置の駆動方法、半導体レーザの寿命予測方法、プログラム、プログラム記録媒体、半導体レーザ - Google Patents

記録再生装置、記録媒体、記録再生装置の駆動方法、半導体レーザの寿命予測方法、プログラム、プログラム記録媒体、半導体レーザ Download PDF

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Abstract

【課題】 浮上型スライダー上に備えられた半導体レーザによって熱アシスト磁気記録再生を行う記録再生装置において、記録媒体の温度上昇によって動作不良が生じることを防止する。
【解決手段】 ガラス基板61上に、厚さ50μmのAl膜からなる第2のヒートシンク層62、裏打ち層63、熱障壁層64、第1のヒートシンク層65、磁気記録層66、保護膜67を備えた記録媒体7を備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は、半導体レーザを用いて、熱アシスト磁気記録再生方式で情報の記録および再生を行う、記録再生装置、記録媒体、記録再生装置の駆動方法、半導体レーザの寿命予測方法、上記記録再生装置を制御するプログラムおよびそのプログラムを記録したプログラム記録媒体に関する。
近年、光技術を用いた高密度記録や、光技術と磁気記録再生技術などの他技術との融合によって高密度記録を実現する技術が開発されている。前者の例としては、相変化型の光ディスクなどがあり、後者の例としては、光磁気記録や熱アシスト磁気記録再生などがある。例えば、特許文献1には、補償温度が略室温であるフェリ磁性体の磁気記録媒体、およびそれを使用したレーザ光による熱アシスト磁気記録再生方式が開示されている。
熱アシスト磁気記録再生方式では、記録時にはレーザ光によって磁気記録媒体を昇温させ、磁気記録媒体における記録領域の保磁力を低下させた状態で、記録磁気ヘッドによって外部磁界を印加し、情報を上記記録領域に記録する。また、再生時には、レーザ光によって磁気記録媒体を昇温させて上記記録領域の残留磁化の強度を増大させ、その残留磁化からの磁束を再生用磁気ヘッドで検出して情報を再生する。
この熱アシスト磁気記録再生方式では、レーザ光により昇温されていない略室温領域では、残留磁化がゼロに近い。このため、再生用磁気ヘッドの、トラックに対して垂直となるギャップ幅が、情報が記録されているトラックピッチより大きい場合でも、隣接トラックからのクロストークを充分に小さく抑えることが可能となり、高密度記録された情報の再生が実現できる。
また、磁気記録分野では、記録技術の高密度化にともない、再生ヘッドとして、磁界感度が高い磁気抵抗効果を利用したMR(Magnet-Resistive)ヘッドを用いることが主流となっている。特に、最近では、さらに高い磁界感度が得られるGMR(Giant Magnet-Resistive)ヘッドが商品化されている。
GMRヘッドは、発熱量が大きいという性質を有している。例えば、非特許文献1では、GMRヘッドを備えた浮上型スライダーの放熱に関して報告されている。すなわち、非特許文献1では、浮上型スライダーが、回転動作中のサファイアディスク上で浮上動作している場合には、浮上型スライダーからの放熱が得られることが報告されている。
ところで、レーザ光を主体的あるいは補佐的に用いる情報記録再生方式では、レーザ光のスポット径を小さくすることで記録密度の向上を図ることができる。このため、回折限界を超える空間分解能を得る方法として、例えば、SIL(Solid Immersion Lens)や近接場光の利用が考えられている。
また、レーザ光による熱アシスト磁気記録再生方式において、半導体レーザを直接浮上型スライダー上に設ける方式が、特許文献2に開示されている。この方式では、光学部品を介してレーザ光を取り回す従来の方式に比べて、光学部品が少ないこと、あるいは、低消費電力化を図れるなどの優位性が期待できる。
特開平4-176034号公報(公開日:1992年6月23日) 特開2001‐319365号公報(公開日:2001年11月16日) T.Imamura, M.Yamagishi, and S.Nishida, In situ Measurements of Temperature Distribution of Air-Bearing Surface Using Thermography, IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,VOL.38,NO5, p.2147-2149,SEPTEMBER 2002
ところで、熱アシスト磁気記録再生方式は、記録領域および記録領域外の温度の影響を強く受けやすいという問題がある。すなわち、熱アシスト磁気記録再生方式では、記録媒体の温度上昇を制御しないと、記録時および再生時にノイズが増加するなど、動作不良を生じる恐れがある。
しかしながら、特許文献2では、浮上型スライダー上に半導体レーザを設ける構造を開示しているだけであり、半導体レーザの発熱に関しては何ら考慮されていない。
このため、特許文献2に開示されている技術では、半導体レーザからの発熱によって、当該半導体レーザの劣化が促進されることに加えて、当該半導体レーザを設けた浮上型スライダーの温度が上昇し、これによって記録媒体の温度が上昇する恐れがある。すなわち、熱アシスト磁気記録再生方式では、半導体レーザにおける発熱量が大きいため、半導体レーザにおける発熱による影響を考慮する必要があり、半導体レーザの発熱による熱に対して、十分な放熱性を確保することが必要である。
そこで、例えば、浮上型スライダー上にヒートシンク等を設けることが考えられる。しかしながら、特許文献2のような、浮上型スライダー上に半導体レーザを設ける熱アシスト磁気記録再生方式では、浮上型スライダーの浮上高さを少なくとも100nm以内にすることが好ましく、そのためにスライダーの小型化が要求されるため、浮上型スライダー上にヒートシンク等を設けることは困難である。
一方、非特許文献1では、浮上型スライダーからの放熱について報告されているが、磁気ヘッドのみの発熱しか考慮されていない。すなわち、非特許文献1は、熱アシスト磁気記録再生方式について考慮したものではなく、磁気ヘッドよりも発熱量が多い半導体レーザを、浮上型スライダーに設けることについては、何ら記載されていない。
ところで、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇は、シークに伴う浮上型スライダーの温度変化、雰囲気温度の変化に伴う浮上型スライダーの温度変化、半導体レーザの劣化による発熱量の増加に伴う浮上型スライダーの温度変化などの影響を受ける。このため、安定な熱アシスト記録再生を実現するためには、これらの影響を考慮した駆動を行う必要がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、浮上型スライダー上に備えられた半導体レーザによって熱アシスト磁気記録再生を行う記録再生装置において、短期的および長期的に安定な熱アシスト記録再生を実現できる記録再生装置、記録媒体、記録再生装置の駆動方法、半導体レーザの寿命予測方法、上記記録再生装置を制御するプログラムおよびそのプログラムを記録したプログラム記録媒体を提供することにある。
本発明の記録再生装置は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーに設けられた半導体レーザから発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ効果的に放熱することができる。このため、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記記録媒体と上記浮上型スライダー間に生じる気流を整流するための凸部が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記記録媒体と上記浮上型スライダーとの間での熱移動を促進させることができ、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体を介して当該記録再生装置の筺体外へ効果的に放熱することができる。このため、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記凸部の面積が、3.5×10‐8以上であることが好ましい。これにより、上記記録媒体と上記浮上型スライダーとの間での熱移動を効果的に行わせることができる。
また、上記浮上型スライダーが、上記半導体レーザにおける基板を加工したものである場合、当該浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面における微小領域の面積をdsとし、上記微小領域と上記記録媒体との距離をL(s)とし、上記対向面における全面積をSとすると、
Figure 2005317178
の関係を満たすことが好ましい。
また、上記半導体レーザが、上記浮上型スライダーに半田で接合されたものである場合、当該浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面における微小領域の面積をdsとし、上記微小領域と上記記録媒体との距離をL(s)とし、上記対向面における全面積をSとすると、
Figure 2005317178
の関係を満たすことが好ましい。
上記いずれかの構成によれば、上記記録媒体と上記浮上型スライダーとの間での熱移動を効果的に行わせることができる。
また、本発明の記録再生装置は、上記記録媒体を回転駆動させるための、上記記録媒体と熱的に接触している回転中心軸を備え、上記回転中心軸に、上記記録媒体から伝熱された熱を当該記録再生装置の筐体外へ放熱させるための放熱機構が備えられている構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体および上記回転中心軸を介して、当該記録再生装置の筺体外へ効果的に放熱することができる。このため、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記回転中心軸は、中空部位を備えた筒状の構造であり、上記中空部位が、当該記録再生装置の筐体外の外気に対して開放されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体および上記回転中心軸を介して、上記中空部位における外気に放熱できる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記筒状の構造からなる回転中心軸の内面に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記中空部位における気流を整流するための整流機構が備えられていてもよい。あるいは、上記中空部位内、または、上記中空部位の上記外気に対する開口部に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記中空部位における気流を整流するための整流機構が備えられていてもよい。
これらの構成によれば、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体および上記回転中心軸を介して、上記中空部位における外気により効果的に放熱できる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記回転中心軸は、上記筐体に流体軸受けによって回転可能に支持されており、上記流体軸受けが、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を上記筺体外へ放熱させるための放熱機構として機能する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体および上記回転中心軸を介して上記筐体に伝熱させ、上記筐体外に放熱できる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記記録媒体に対して略平行に備えられ、上記筐体に熱的に接続されるか、あるいは一部が上記筐体外に突き出したヒートシンクを備える構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体および上記ヒートシンクを介して、上記筐体外に放熱できる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
なお、上記の構成では、上記記録媒体と、上記記録媒体に対して略平行に備えられた上記ヒートシンクとの間隔が、5mm以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記記録媒体と上記ヒートシンクとの間隔を5mm以下とすることにより、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記記録媒体と介して上記ヒートシンクに効果的に伝熱させることができるので、上記筐体外に効果的に放熱できる。
また、上記の構成において、上記ヒートシンクは、上記記録媒体における温度分布が少なくなるような形状で設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記記録媒体における温度分布を小さくできる。このため、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、当該筐体内の空間に対流を生じさせる対流機構と、当該筐体内の空間における熱を当該筐体外に放散させる冷却機構とを備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記対流機構および上記冷却機構によって、上記浮上型スライダーから発生した熱を、上記筐体外に効果的に放熱できる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記筐体には気圧調整用の微小穴が設けられており、かつ、上記筐体における上記微小穴以外の部分では、筐体内の空間と筐体外の外気とが遮蔽されていてもよい。
上記の構成によれば、筐体内の空間が外気に対してほぼ密閉されているにもかかわらず、筐体内部の空間における熱を、筐体外部に適切に放散できる。この結果、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制し、安定した駆動を行うことができる。
また、上記浮上型スライダーには記録媒体に対して情報の記録および再生を行うための磁気ヘッドが設けられており、上記記録媒体の記録面に垂直な方向から見て、上記磁気ヘッドと重なる当該記録媒体上の領域であって、上記半導体レーザからのレーザ光によって加熱される領域外の領域を、磁気的補償温度に加熱するための補助熱源を備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記記録媒体における記録領域周辺の領域を磁気的補償温度にしておくことができ、この領域における残留磁化をほぼゼロとすることができる。したがって、S/N比を向上させて記録再生を行うことができる。
また、上記補助熱源は補助半導体レーザからなり、当該補助半導体レーザのレーザ光は、上記浮上型スライダーを透過して上記記録媒体に照射される構成としてもよい。
上記の構成によれば、補助半導体レーザからのレーザ光によって、上記浮上型スライダーが昇温されることを防止できる。すなわち、上記浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記の構成において、上記浮上スライダーに、上記補助半導体レーザのレーザ光の、上記記録媒体上におけるスポット形状を変更する手段が備えられていてもよい。
これにより、上記記録媒体の記録面に垂直な方向から見て、上記磁気ヘッドと重なる当該記録媒体上の領域であって、上記半導体レーザからのレーザ光によって加熱される領域外の領域を、磁気的補償温度に適切に加熱することができる。
また、上記浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面のうち、上記補助半導体レーザから出射されたレーザ光の上記記録媒体上におけるスポット領域に対向する部分と上記記録媒体との間隔が、上記対向面における他の部分と上記記録媒体との間隔よりも離れている構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記記録媒体上におけるスポット領域の熱が、上記浮上型スライダーへ流入することを防止できる。したがって、浮上型スライダーにおける温度上昇を抑制でき、この温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記補助熱源が、上記浮上型スライダーに、熱遮蔽層を介して備えられている構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記補助熱源の熱が、上記浮上型スライダーに伝熱されることを防止できる。したがって、浮上型スライダーにおける温度上昇を抑制でき、この温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造であってもよい。また、上記半導体レーザは、発光層にGaとInを主に含有する窒化物半導体レーザであってもよい。また、上記半導体レーザは、基板にGaを主に含有する窒化物半導体レーザであってもよい。
また、上記半導体レーザは、端面発振型の半導体レーザであって、上記端面に近接場光発生機構を備えていてもよい。また、上記半導体レーザは、端面発振型の半導体レーザであって、当該端面に金属を含む膜が設けられており、上記金属を含む膜に、当該半導体レーザのニアフィールドパターンよりも小さい微小開口が設けられていてもよい。
上記の各構成によれば、記録領域の加熱以外の光散乱を低減させることで、閾値電流を下げることができ、半導体レーザの消費電力を削減することができる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記半導体レ−ザは、端面発振型の半導体レーザであって、当該端面に高反射膜を備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記端面における端面損失を低減でき、これによって半導体レーザの閾値電流を下げ、消費電力を削減できる、したがって、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造とリング型導波路の複合構造であってもよい。あるいは、上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造と円柱型導波路の複合構造であってもよい。
上記の各構成によれば、円柱型導波路またはリング導波路から上記記録媒体への光トンネリングが生じ、熱アシスト磁気記録再生を行える。
また、上記半導体レーザは、マイクロディスク型共振器からなるものであってもよい。
本発明の記録再生装置は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、上記浮上型スライダーを、記録または再生時の浮上位置よりもさらに上昇させる機構を備え、上記浮上型スライダーが記録または再生時の浮上位置にある場合のみ、半導体レーザに電流が注入されることを特徴としている。
上記の構成によれば、半導体レーザからの発熱を低減させることができる。したがって、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
本発明の記録再生装置は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、上記記録媒体における、記録または再生を行う位置に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御する制御部を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記記録媒体における、記録または再生を行う位置に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することにより、半導体レーザの駆動電力を削減することが可能となる。このため、半導体レーザの発熱に伴う浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を低減することができ、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記の構成によれば、上記記録媒体における記録または再生を行う位置に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することにより、上記記録媒体における熱分布を低減することができる。したがって、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、上記制御部は、上記記録媒体における、記録または再生のために上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体における位置に関わらず一定になるように、上記半導体レーザの駆動電力を制御するものであってもよい。
上記の構成によれば、半導体レーザの駆動電力を削減することが可能となる。また、上記記録媒体における、記録または再生のために上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体における位置に関わらず一定になるので、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、上記の構成において、上記記録媒体上における、記録または再生を行う各位置について、温度を測定する手段を備えてもよい。なお、この場合、上記半導体レーザの記録および再生時の駆動電流はパルス電流からなり、上記駆動電流とは異なるパルス電流を上記半導体レーザに注入することによって、上記記録媒体における温度の測定を行う構成であってもよい。
上記の各構成によれば、上記記録媒体における、記録または再生を行う各位置の温度を測定し、この測定結果に基づいて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することができる。したがって、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御することができる。
また、上記制御部は、上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う、上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するものであってもよい。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するので、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
また、上記制御部は、雰囲気温度の変化に伴う上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するものであってもよい。
上記の構成によれば、雰囲気温度の変化に伴う上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するので、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
また、上記制御部は、上記半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償して、上記半導体レーザの駆動電力を制御するものであってもよい。
半導体レーザは、使用に伴って性能が劣化し、閾値が上昇することが知られている。上記の構成によれば、このような半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償することにより、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
また、本発明の記録再生装置は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、浮上型スライダーの温度を把握するとともに、把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成し、上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、上記発熱量増加の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行う、制御部を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、半導体レーザの寿命を的確に把握することができるので、安定した駆動を行うことができる。
また、上記制御部が、上記半導体レーザが読み取り不能状態に陥る前に、上記記録媒体に記録されている情報を、他の記録媒体に自動的に記録するようにしてもよい。また、上記制御部が、上記半導体レーザの劣化状況を、ユーザーに提示するようにしてもよい。
上記の構成によれば、半導体レーザの寿命を的確に把握することにより、記録再生装置に記録された情報の紛失を防止することができる。
また、本発明の記録再生装置は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、上記浮上型スライダーを、記録または再生時における浮上位置よりも上昇させる機構を備え、記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱するように制御する制御部を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱することにより、上記電子デバイスに対するアクセス時間を低減でき、安定した駆動を行える。
本発明の記録媒体は、上記の課題を解決するために、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録または再生される記録媒体であって、基板を含む複数の層からなり、上記各層における熱伝導率と層厚との積の総和が、5×10‐3W/℃以上であることを特徴としている。また、上記記録媒体は、上記各層における熱伝導率と層厚との積の総和が、20×10‐3W/℃以上であることがさらに好ましい。
上記の構成よれば、例えば、当該記録媒体を記録または再生するための記録再生装置に熱的に接続することにより、この記録再生装置への放熱を促進させることができる。したがって、記録または再生時における当該記録媒体の温度上昇を低減でき、この温度上昇に伴う動作不良を防止できる。また、当該記録媒体における熱分布を低減することができるので、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、ガラス基板と記録層とヒートシンク層とを含む複数の層からなり、上記ヒートシンク層における熱伝導率と層厚との積が、上記ガラス基板における熱伝導率と層厚との積よりも大きい構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記記録媒体における熱伝導率を大きくなるので、例えば、当該記録媒体記録または再生するための記録再生装置と熱的に接続することにより、この記録再生装置への放熱を促進させることができる。したがって、記録または再生時における当該記録媒体の温度上昇を低減でき、この温度上昇に伴う動作不良を防止できる。また、当該記録媒体における熱分布を低減することができるので、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板と上記記録層との間に設けられていてもよい。これにより、記録媒体の温度上昇を抑制でき、温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記記録層と上記ヒートシンク層との間に、熱伝導率が上記ヒートシンク層よりも低い熱障壁層が設けられていてもよい。
上記熱障壁層を設けることにより、記録領域における温度の変化速度を適切に調整できる。すなわち、記録領域における温度の変化速度が大きすぎると、記録領域の温度が記録のために必要な温度まで上昇しなくなるおそれがあるが、熱障壁層を設けることにより、記録領域の温度が記録に必要な温度となるように適切に調整できる。
また、上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板に対して、上記記録層が備えられている側とは反対側に設けられていてもよい。この場合でも、記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記記録媒体は、ガラス基板と2層の記録層とを含む複数の層からなり、上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板と一方の記録層との間に設けられるとともに、上記ヒートシンク層と上記一方のガラス基板との間に、熱伝導率が上記ヒートシンク層よりも低い熱障壁層が設けられ、他方の記録層は、上記ガラス基板に対して、上記一方の記録層が設けられている側とは反対側に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、基板に対して表裏両面に記録層を備えた記録媒体において、記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記ヒートシンク層は、熱伝導率が100W/m/℃以上であり、かつ、層厚が10μm以上であることが好ましい。また、上記ヒートシンク層は、Al、Ag、Au、Cuのいずれかを含有する構成であってもよい。
また、上記記録媒体は、Alまたはサファイアからなる基板を含む複数の層からなる構成としてもよい。これらの熱伝導率が高い材料からなる基板を用いることにより、当該記録媒体の記録または再生を行う記録再生装置から当該記録媒体への熱の流れについて、定常的な熱応答を得られる。このため、安定した駆動が可能となる。
また、上記記録媒体は、半導体レーザおよび磁気ヘッドを用いて熱アシスト磁気記録再生方式で記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置において用いられる記録媒体であって、磁気的補償温度が、当該記録媒体に対する記録または再生を行うために、上記半導体レーザを最大駆動電力で駆動した場合の、当該記録媒体の記録面に垂直な方向から見て、上記磁気ヘッドと重なる当該記録媒体上の領域であって、上記半導体レーザからのレーザ光によって加熱される領域外の領域における最大温度よりも高く設定されていてもよい。
本発明の記録再生装置の駆動方法は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置の駆動方法であって、記録または再生を行う位置における、上記浮上型スライダーの温度を把握するステップを含み、上記記録媒体における、上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体上の位置に関わらず一定になるように、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴としている。
上記の駆動方法によれば、半導体レーザの駆動電力を削減することが可能となるので、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を低減することができ、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体上の位置に関わらず一定となるので、当該記録媒体における記録領域の熱分布を低減することができ、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
また、上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う温度変化を把握するステップを含み、上記動作時のシークに伴う温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するようにしてもよい。
上記の駆動方法によれば、上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するので、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
また、雰囲気温度の変化に伴う上記浮上型スライダーの温度変化を把握するステップを含み、上記雰囲気温度の変化に伴う温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するようにしてもよい。
上記の駆動方法によれば、雰囲気温度の変化に伴う上記浮上型スライダーの温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御するので、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
また、上記浮上型スライダーに設けられた半導体レーザの劣化による発熱の増加に伴う、上記浮上型スライダーの温度変化を把握するステップを含み、上記半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償して、上記半導体レーザの駆動電力を制御するようにしてもよい。
半導体レーザは、使用に伴って性能が劣化し、閾値が上昇することが知られている。上記の駆動方法によれば、このような半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償することにより、上記半導体レーザの駆動電力を適切に制御できる。
本発明の記録再生装置の駆動方法は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーと、上記浮上型スライダーを、記録媒体に対して記録または再生する際における浮上位置よりも上昇させる機構とを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって上記記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置記録再生装置の駆動方法であって、記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱することを特徴としている。
上記の駆動方法によれば、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた半導体レーザなどの電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱することにより、上記電子デバイスに対するアクセス時間を低減でき、安定した駆動が可能となる。
また、本発明の半導体レーザの寿命予測方法は、上記の課題を解決するために、半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置において上記半導体レーザの寿命予測方法であって、浮上型スライダーの温度を把握するステップと、把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成するステップと、上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、上記発熱増加量の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行うことを特徴としている。この方法によれば、半導体レーザの寿命を的確に把握することができ、把握した結果に基づいて安定した駆動を行うことができる。
また、本発明のプログラムは、記録再生装置に備えられたコンピューターを、上記した記録再生装置の制御部として機能させるためのものである。上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、本発明の記録再生装置における制御部の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。上記の記録媒体に記録されプログラムを、記録再生装置に備えられたコンピューターに読み込ませることで、本発明の記録再生装置における制御部の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
本発明の半導体レーザは、誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生するリング型導波路との複合構造からなる。また、本発明の半導体レーザは、誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生する円柱型導波路との複合構造からなる。
上記の構成では、ファブリペロー型共振器構造で生成された誘導放出光の一部がリング型導波路または円柱型導波路に導かれ、リング型導波路または円柱導波路におけるウィスパリングギャラリーモードと結合する。このため、リング型導波路または円柱導波路の一部を記録媒体に近接させることができる。これにより、リング型導波路または円柱導波路から記録媒体への光トンネリングが生じ、安定な熱アシスト磁気記録再生を行える。
以上のように、本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構を備えている。
それゆえ、上記浮上型スライダーに設けられた半導体レーザから発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ効果的に放熱することができる。これにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーを、記録または再生時の浮上位置よりもさらに上昇させる機構を備え、上記浮上型スライダーが、記録または再生時の浮上位置にある場合のみ、半導体レーザに電流が注入されることを特徴としている。
それゆえ、半導体レーザからの発熱を低減させることができる。したがって、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を抑制でき、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
本発明の記録再生装置は、上記記録媒体における、記録または再生を行う位置に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御する制御部を備えている。
それゆえ、半導体レーザの駆動電力を削減することが可能となるので、半導体レーザの発熱に伴う浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を低減することができ、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記記録媒体における熱分布を低減することができ、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
本発明の記録再生装置は、浮上型スライダーの温度を把握するとともに、把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成し、上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、上記発熱量増加の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行う、制御部を備えている。
それゆえ、半導体レーザの寿命を的確に把握することができるので、安定した駆動を行うことができる。
本発明の記録再生装置は、上記浮上型スライダーを、記録または再生時における浮上位置よりも上昇させる機構を備え、記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱するように制御する制御部を備えていてもよい。
この場合、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱することにより、上記電子デバイスに対するアクセス時間を低減でき、安定した駆動を行える。
本発明の記録媒体は、基板を含む複数の層からなり、上記各層における熱伝導率と層厚との積の総和が、5×10‐3W/℃以上である。
それゆえ、例えば、当該記録媒体を記録または再生するための記録再生装置に熱的に接続することにより、この記録再生装置への放熱を促進させることができる。したがって、記録または再生時における当該記録媒体の温度上昇を低減でき、この温度上昇に伴う動作不良を防止できる。また、当該記録媒体における熱分布を低減することができるので、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
本発明の記録再生装置の駆動方法は、記録または再生を行う位置における、上記浮上型スライダーの温度を把握するステップを含み、上記記録媒体における、上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体上の位置に関わらず一定になるように、上記半導体レーザの駆動電力を制御する。
それゆえ、半導体レーザの駆動電力を削減することが可能となるので、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を低減することができ、これらの温度上昇による動作不良を防止できる。
また、上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体上の位置に関わらず一定となるので、当該記録媒体における熱分布を低減することができ、S/N比を悪化させずに記録再生することが可能となる。
本発明の記録再生装置の駆動方法は、上記の課題を解決するために、記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱する。
これにより、上記電子デバイスに対するアクセス時間を低減できるので、上記電子デバイスからの発熱量を低減させることができる。したがって、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を低減でき、これらの温度上昇に伴う動作不良を防止できる。
本発明の半導体レーザの寿命予測方法は、浮上型スライダーの温度を把握するステップと、把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成するステップと、上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、上記発熱増加量の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行うものである。
それゆえ、半導体レーザの寿命を的確に把握することができ、把握した結果に基づいて安定した駆動を行うことができる。
本発明のプログラムは、記録再生装置に備えられたコンピューターを、上記いずれかに記載の制御部として機能させるためのものである。
上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、記録再生装置における制御部の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能なプログラム記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、このプログラム記録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、記録再生装置における制御部の処理を実施できる。
本発明の半導体レーザは、誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生するリング型導波路との複合構造からなる。また、本発明の他の半導体レーザは、誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生する円柱型導波路との複合構造からなる。
上記の構成では、ファブリペロー型共振器構造で生成された誘導放出光の一部がリング型導波路または円柱型導波路に導かれ、リング型導波路または円柱導波路におけるウィスパリングギャラリーモードと結合する。このため、リング型導波路または円柱導波路の一部を記録媒体に近接させることができる。これにより、リング型導波路または円柱導波路から記録媒体への光トンネリングが生じ、安定な熱アシスト磁気記録再生を行える。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。本実施の形態における情報記録再生装置(本記録再生装置)は、半導体レーザを用いた熱アシスト磁気記録再生方式の情報記録再生装置である。
ここで、熱アシスト磁気記録再生方式とは、磁気的記録媒体の温度を制御することで、残留磁化を増加させたり、保磁力を低下させるなど、磁気的記録媒体の磁気特性を変化させることによって、再生および記録を容易にするものである。
なお、本記録再生装置では、半導体レーザが浮上型スライダーに設けられている。そして、本記録再生装置は、浮上型スライダー上に設けられた半導体レーザおよび磁気ヘッドから発生した熱を、本記録再生装置における筐体の外部へ効果的に放熱させることにより、浮上型スライダーおよび記録媒体の温度上昇を防止できるようになっている。
また、本記録再生装置は、半導体レーザの消費電力を削減することによって、浮上型スライダーの温度が上昇することを防止し、これによって記録媒体の温度上昇を防止できるようになっている。すなわち、半導体レーザの動作電圧や閾値電流は一般的によく知られているが、熱アシスト磁気記録再生方式では、記録領域の加熱以外の光散乱を極力抑えることで、閾値電流を下げることができる。本記録再生装置では、端面発振型の半導体レーザであって、当該端面に微小開口が設けられたVSAL(very small aperture laser)を用い、微小開口からの放射損失以外の損失、すなわち端面損失を低くすることによって閾値電流を下げ、半導体レーザの消費電力を削減している。また、本記録再生装置では、端面損失をさらに下げるために、レーザ端面に高反射膜を設けている。
一般に、半導体レーザの発振閾値は半導体レーザの活性層における利得が生じるまでに必要な透明電流、該透明電流以上の電流を注入することで得られる利得、そして、2つの端面からなる共振器内の損失によって決まる。この損失は、共振器内で平均的に発生する内部損失と端面での反射からなる端面損失とに分類される。熱アシスト磁気記録再生に用いられる、例えばVSALでは、一方の端面を誘電体と金属膜で覆っているため反射率が高い。なお、この金属膜に設けられた微小開口は、レーザのスポットサイズに比べて十分小さいため、該開口があってもその反射率は高い。一方、他方の端面にも高反射膜を設けることで、該端面損失の総和が低減され、すなわち低閾値からなる半導体レーザを得ることが可能である。これは一方の端面の反射率を低くしているDVD等の光ピックアップ用とは特性が大きく異なると言える。
レーザは、共振器による光閉じ込めが必要であり、最も一般的には2枚の鏡によってこの光閉じ込めが行われる。ここで、それぞれの鏡には、通常、反射率を制御する、または膜を保護するために、例えばAlミラーにMgF等の誘電膜を設けたものが用いられる。この場合、光の反射位置は空気とMgFの界面、および、MgFとAlの界面の両方であり、それぞれの干渉によってひとつの反射波が形成される。本記録再生装置における半導体レーザは、後述するように、研磨等で形成された端面をベースとして、一方には誘電体からなる高反射膜、他方には誘電体と金属膜が設けられている。これらの反射機構はレーザ鏡とみなすことができ、上記の端面は、ファブリペロー共振器をなす端面とみなすことができる。
(本記録再生装置の構成)
図24は、本記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。図24に示すように、本記録再生装置は、制御部10、浮上型スライダー1、窒化物半導体レーザ(半導体レーザ)2、記録ヘッド(磁気記録ヘッド)3、再生ヘッド(磁気再生用GMRヘッド)4、サスペンション5、受光素子6、記録媒体(磁気記録再生媒体、磁気的記録媒体)7、回転中心軸8、操作部14、表示部15、入力部16、出力部17を備えている。
図1(a)に本記録再生装置における記録ヘッド3および再生ヘッド4近傍の概略断面図を示し、図1(b)に、本記録再生装置における主要部の概略斜視図を示す。
制御部10は、本記録再生装置における全ての動作を制御する、本記録再生装置の中枢部である。すなわち、制御部10は、操作部14に対するユーザーの指示に応じて、本記録再生装置における各部の動作を制御し、情報を記録媒体7に記録させる、あるいは記録媒体7に記録されている情報を再生させるものである。
操作部14は、本記録再生装置に対するユーザーの指示を受け付けるものである。すなわち、操作部14は、本記録再生装置に対する駆動指示(記録、再生等)を受け付け、制御部10に伝達するものである。
表示部15は、本記録再生装置の動作状況や、ユーザーの指示を待機している旨(ユーザーによる指示入力待ちであること)をユーザーに示すためのものである。
入力部16は、記録媒体7に記録するための情報を、外部機器から本記録再生装置に入力するためのインターフェースである。
出力部17は、記録媒体7から読み取った情報を、外部機器に出力するためのインターフェースである。
浮上型スライダー1は、図1(a)に示すように、支柱1000に支えられたサスペンション5に取り付けられており、浮上型スライダー1には、半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4が備えられている。本記録再生装置では、制御部10が、図示しないサスペンション駆動手段の動作を制御することによって、サスペンション5を記録媒体7に対して相対的に移動させ、これによって、半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4を、記録媒体7上の記録あるいは再生を行う位置に適切に移動させるようになっている。なお、浮上型スライダー1は、非動作時に動作時の浮上位置(浮上高さ)からさらに上昇する機構を備えており、浮上型スライダー1が動作位置にある時にのみ、半導体レーザ2に電流が注入されるようになっている。ただし、このような機構を必ずしも備える必要はない。また、本実施の形態では、浮上型スライダー1が、記録媒体7に対して非接触に備えられているが、一部が記録媒体7に接触している接触型であってもよい。また、本記録再生装置における浮上型スライダー1の、記録媒体7に対する動作時の浮上高さは0nm〜100nmに設定されている。浮上高さをこのように設定することにより、浮上型スライダー1における半導体レーザ2あるいは磁気ヘッド(記録ヘッド3および再生ヘッド4)等の発熱源から発生した熱を、記録媒体7へ伝導させることができるので、浮上型スライダー1の温度上昇を抑制することができる。すなわち、熱アシスト磁気記録再生動作時の半導体レーザ2および磁気ヘッドの発熱による動作不良を抑制し、安定駆動させることが可能になる。
また、浮上型スライダー1は、後で説明するように、半導体レーザ2と一体に形成されている。ただし、浮上型スライダー1と半導体レーザ2とは、必ずしも一体に形成する必要はなく、浮上型スライダー1上に、半導体レーザ2を取り付ける構成としてもよい。
半導体レーザ2は、記録媒体7を昇温させるためのものである。すなわち、記録時には半導体レーザ2のレーザ光(出射光)によって記録媒体7を昇温させ、記録媒体7における記録領域の保磁力を低下させた状態で、記録ヘッド3によって記録領域に外部磁界を印加することにより、情報を記録する。そして、再生時には半導体レーザ2のレーザ光によって記録媒体を昇温させて記録媒体7における記録領域の残留磁化の強度を増大させ、その残留磁化からの磁束を再生ヘッド4で検出して情報を再生する。
なお、本実施の形態では、半導体レーザ2として窒化物半導体レーザを用いているが、これに限るものではない。半導体レーザ2として、発光層(図示せず)に半導体材料を用いた発光素子において、光共振器(図示せず)を有し、誘導放出光を放射するもの全般を用いることができる。半導体材料としては、例えば、B,Al,Ga,InなどのIII族からなる元素と、N,P,As,SbなどからなるV族元素とからなるIII−V族半導体、あるいは、II族元素のZnと、O,S,SeなどのVI元素からなるII−VI半導体を用いることができる。また、光共振器には、端面発光型やマイクロディスク構造など既存の技術を用いることができ、本実施の形態における効果は光共振器の構成によって限定されるものではない。
ここで、浮上型スライダー1を、非動作時に、動作時の浮上位置(浮上高さ)からさらに上昇させる浮上機構を備えている場合について、図を用いて説明する。なお、前述した各部材と同じ部材番号を付した部材については、前述した部材と同様であるので、説明は省略する。
図39は、支柱1000に備えられる、浮上型スライダー1を取り付けたサスペンション5を非動作時に動作時の浮上位置(浮上高さ)からさらに上昇させる浮上機構1005を示す要部断面図である。
図39に示すように、筒状に形成された支柱1000の中空部にサスペンション5を駆動させる駆動軸1003が設けられており、駆動軸1003が上下に動くことでサスペンション5が上下し、浮上型スライダー1を動作時の浮上高さ、あるいは、非動作時の浮上高さに移動させるようになっている。
浮上機構1005は、支柱1000の上部に設けられたコイル1001、支柱1000の先端部が鉤状となっている支柱鉤部1004、駆動軸1003に設けられた永久磁石である駆動軸ツバ部1002、によって構成されている。
駆動軸1003の高さは、コイル1001に電流を注入することによって磁界を発生させ、コイル1001と駆動軸ツバ部1002との間で働く磁気的な引力および斥力を利用して調整する。引力および斥力の切り替えはコイル1001に印加する電流の方向によって制御する。
例えば、コイル1001にある一方向の電流を流した時に、コイル1001と駆動軸ツバ部1002との間に引力が働く方向に電流を流すと、コイル1001の上面と駆動軸ツバ部1002の下面が接触することになる。この時の浮上型スライダー1の高さを、動作時の高さとする。また、駆動軸ツバ部1002の上面と支柱鉤部1004との間に空間が生じるが、この空間分(空間の高さ)が浮上型スライダー1の非動作時(記録・再生動作を行わない時)に、浮上型スライダー1を、動作時の浮上位置(浮上高さ)からさらに上昇させる距離となる。
一方、コイル1001に反対方向の電流を流すと、コイル1001の磁力と駆動軸ツバ部1002の磁力との斥力によって、駆動軸ツバ部1002が持ち上げられる。この時、駆動軸1003は、支柱鉤部1004の下面が駆動ツバ部1002の上面に接触するまで上昇する。
このように、コイル1001の上面と永久磁石である駆動軸ツバ部1002との間で引力が働くようにコイル1001に電流を流した状態が浮上型スライダー1の動作(記録・再生動作を行う)時の浮上位置であり、斥力が働くようにコイル1001に電流を流した状態が浮上型スライダー1の非動作(記録・再生動作を行わない)時の浮上位置となる。
ここで、本記録再生装置における浮上型スライダー1の、記録媒体7に対する非動作時の浮上高さは、動作時の浮上高さに加え、1μm〜10μm程度とすることが好ましい。この場合、記録媒体(ディスク)7の面振れによって浮上型スライダー1と記録媒体7がクラッシュすることを防止できるので、浮上型スライダー1および記録媒体7が損傷することを防止できる。
なお、上記した浮上機構1005は、浮上型スライダー1を取り付けたサスペンション5を非動作時に動作時の浮上位置からさらに上昇させるための浮上機構の一例にすぎず、他の構成を用いてもよい。
例えば、サスペンション5の一方(サスペンション5の延在方向における浮上型スライダー1が設けられていない側)を支柱1000の記録媒体7に対して反対側を軸としてサスペンション5を上下方向に回動可能なように支持し、サスペンション5の他方(サスペンション5の延在方向における浮上型スライダー1が設けられた側)を押し上げるカム機構を支柱1000に設けてもよい。
また、浮上型スライダー1の浮上位置を、磁気的な引力と斥力によって調整する浮上機構を、記録媒体7の下側に設けてもよい。例えば、浮上機構1005と同様の構成からなる浮上機構を、記録媒体7を回転させるための回転中心軸8に設けてもよい。ただし、この場合は、コイル1001の上面と永久磁石である駆動軸ツバ部1002との間で斥力が働くようにコイル1001に電流を流した状態が浮上型スライダー1の動作(記録・再生動作を行う)時の浮上位置となり、反対に、引力が働くようにコイル1001に電流を流した状態が浮上型スライダー1の非動作(記録・再生動作を行わない)時の浮上位置となる。
なお、浮上機構1005のように、浮上型スライダー1の浮上位置を磁気的な引力と斥力とによって調整する浮上機構を用いる場合、動作時の浮上位置において常に磁気的な引力もしくは斥力が働いているので、動作時に、浮上型スライダー1の浮上位置を精密に制御(固定)することができる。このため、記録媒体7に対する記録・再生を正確に行うことができる。
また、浮上型スライダー1が動作時の浮上位置にあるか、あるいは非動作時の浮上位置にあるかを判別するための検知機構を設けてもよい。例えば、支柱鉤部1004の上面およびサスペンション5の下面における互いに接触する箇所にそれぞれ電極を設け、両電極間に導通があれば浮上型スライダー1が動作時の浮上位置であり、導通がなれければ浮上型スライダー1が非動作時の浮上位置であると判別するようにしてもよい。
次に、本記録再生装置における浮上高さの制御に係る動作を説明する。図40は、図39に示した浮上機構1005を備えた本記録再生装置のブロック図である。この図に示すように、本記録再生装置には、図24に示した構成に加えて浮上機構1005を制御する浮上部(浮上制御部)1010が設けられている。
図40に示すように、浮上部1010は、制御部10からの指示によって、サスペンション5(浮上型スライダー1)の浮上位置を非動作時の浮上位置あるいは動作時の浮上位置に移動させる。また、検出部1015は、サスペンション5の浮上位置を検出するものである。なお、図39に示した浮上機構1005を用いる場合、検出部1015を必ずしも備えている必要はない。また、検出部1015は、例えば、上記したように支柱鉤部1004の上面およびサスペンション5の下面における互いに接触する箇所にそれぞれ電極を設け、両電極間の導通状態を検知することでサスペンション5の浮上位置を検出するものであってもよい。
次に、図41を参照して、制御部10の動作を説明する。図41は、制御部10によって行われる、浮上型スライダー1の浮上位置の制御および半導体レーザ2の電流の制御を示すフローチャートである。
まず、制御部10は、記録または再生の制御信号を検出したかどうかを判断する(S100)。ここで、記録・再生制御信号を検出していない場合には、半導体レーザ2の電流をオフとし(S101)、処理を終了する。
一方、S100において、記録・再生制御信号を検出したと判断した場合、制御部10は、現在のサスペンション5の浮上位置が動作時の浮上位置であるかどうかを判断する(S102)。例えば、検出部1015に、支柱鉤部1004の上面およびサスペンション5の下面に設けた電極間が導通しているかを判別させる。あるいは、浮上機構1005におけるコイル1001に注入している電流の向きによって判断してもよい。
そして、S102において、サスペンション5の位置が動作時の浮上高さではないと判断した場合、制御部10は、浮上部1010を制御し、サスペンション5を動作時の浮上高さに設定させる(S103)。つまり、動作時の浮上位置になるように、コイル1001に反対方向の電流を注入して浮上型スライダー1の位置を調整する。
そして、S103の処理を行った後、あるいはS102においてサスペンション5の位置が動作時の浮上高さであると判断した場合、制御部10は、記録媒体7が所定速度(所定線速)で回転しているかどうかで回転しているかどうかを判断する(S104)。そして、記録媒体7が所定速度で回転していない場合には、記録媒体7を所定速度で回転させる(S104)。
そして、S104の処理を行った後、あるいはS103において記録媒体7が所定速度で回転していると判断した場合、制御部10は、半導体レーザ2に電流を注入し(S105)、記録または再生を行って処理を終了する。なお、記録または再生を行った後、S100からの処理を繰り返し行ってもよい。つまり、次の記録・再生制御信号を検出し、図41に示したフローチャートと同様の工程によって半導体レーザ2、サスペンション5の浮上位置および記録媒体7の回転を制御すればよい。
また、次の記録・再生制御信号を検出しなかった場合は、S101において、半導体レーザ2への電流の注入を中止すればよい。さらに、この場合、サスペンション5を動作時の浮上位置に保ち、記録媒体7を回転させたままで、次の記録・再生制御信号を検出することを待機し、S100からの処理を繰り返すようにしてもよい。この場合、サスペンション5は動作時の浮上位置に有り、記録媒体7も回転している状態なので、次に記録・再生制御信号を検出すると、すぐに半導体レーザ2へ電流を注入することができる。したがって、記録・再生を瞬時に行うことができる。
また、図42(a)に示すように、S101において半導体レーザ2の電流注入を中止した後(電流をオフにした後)、制御部10が、浮上部1010を制御し、サスペンション5を非動作時の浮上位置にしてから(S201)、制御部10の処理を終了するようにしてもよい。
この場合、記録媒体7の回転は続行されており、サスペンション5は記録媒体7から離れたところに退避している状態になるので、半導体レーザ2も含めて浮上型スライダー1と記録媒体7とのクラッシュなどから保護することができる。
さらに、外的な要因等により記録再生装置に衝撃が与えられた場合にも、サスペンション5は記録媒体7から離れたところに退避しているので、浮上型スライダー1と記録媒体7とが接触することを防止できる。
したがって、浮上型スライダー1および記録媒体7の損傷を防止できる。なお、S101の後にS201の工程を実施するかどうかを、例えば、S101の処理を行った後の経過時間によって決定するようにしてもよい。例えば、S101において半導体レーザ2への電流注入を中止した後、10分間、次の記録・再生制御信号が得られない(検出されない)場合に、S201の工程を行うようにすればよい。
また、図42(b)に示すように、S101において半導体レーザ2の電流注入を中止しS201においてサスペンション5を非動作時の浮上位置に調整した後、制御部10が、記録媒体7の回転を停止(S202)させた後に、制御部10の処理を終了するようにしてもよい。
この場合、記録再生装置の駆動電力を減少することができるので、節電効果が得られる。なお、S201の処理を行った後に、S202の工程を実施するかどうかを、例えば、S201の処理を行った後の経過時間によって決定するようにしてもよい。例えば、S201においてサスペンション5を非動作時の浮上高さへ調整した後、10分間、次の記録・再生制御信号が得られない(検出されない)場合に、S202の工程を行うようにすればよい。
また、図42(c)に示すように、S101において半導体レーザ2の電流注入を中止した後、制御部10が、サスペンション5の浮上高さを動作時の浮上高さに保ったままで(S201の処理を行わずに)、記録媒体7の回転を停止させ(S202)、処理を終了するようにしてもよい。
この処理は、浮上型スライダー1がCSS(コンタクト・スタート・ストップ)に対応している場合に応用することが可能である。この場合、記録再生装置の駆動電力を減少することができるので、節電効果を有する。なお、S101の処理を行った後、S202の工程を実施するかどうかは、例えば、S101の処理を行った後の経過時間によって決定するようにしてもよい。例えば、S101において半導体レーザ2への電流注入を中止した後、10分間、次の記録・再生制御信号が得られない場合に、S202の処理を行うようにすればよい。
上記した各フローチャートに示したように、記録・再生制御信号が検出されなかった場合に、半導体レーザ2の電流をオフにすることにより、半導体レーザ2を記録・再生時にのみ点灯させることができる。これにより、半導体レーザ2が余分に点灯されることを防止し、点灯時間を削減するように制御できるので、半導体レーザ2からの発熱量を低減することができる。
記録ヘッド(磁気記録ヘッド)3は、外部磁界を印加することによって、記録媒体7における記録領域に情報を記録させるためのものである。
再生ヘッド(磁気再生用GMRヘッド)4は、記録媒体7における記録領域の残留磁化からの磁束を検出して情報を再生するためのものである。
サスペンション5は、半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4を、記録媒体7上の記録または再生を行う位置に移動させるためのものである。また、サスペンション5には、図1(a)に示すように、半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4等と結線されたプリント配線9が配置されている。そして、制御部10が、このプリント配線9を介して半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4等を駆動させるようになっている。
受光素子(Si受光素子)6は、半導体レーザ2の後面(記録媒体7との対向面と反対側の面)からの出射光を受光するためのものである。本記録再生装置では、図1(a)に示すように、サスペンション5の先端に備えられた受光素子6がプリント配線9に接続されており、これによって半導体レーザ2の後面からの出射光を受光できるようになっている。なお、受光素子6は、サスペンション5に直接接合してもよく、あるいは、半導体レーザ2の後面出射面(図示せず)に直接設けてもよい。
記録媒体(磁気記録再生媒体)7は、情報を記録および再生可能な記録媒体である。なお、記録媒体7は、熱アシスト磁気記録再生方式に用いられる既知の磁気記録媒体を用いることができる。例えば、TbFeCoからなるフェリ磁性体であってもよく、半導体レーザによって微小領域を加熱することで、再生時に微小領域の残留磁化が増大し、S/N比が向上するものであればよい。なお、磁気記録方式は面内磁気記録であっても、垂直磁気記録であってもよい。
図8は、本実施の形態における記録媒体7の構造を示している。この図に示すように、記録媒体7は、2.5インチのガラス基板61上に、ガラス基板61側から順に、第2のヒートシンク層62、裏打ち層63、熱障壁層64、第1のヒートシンク層65、磁気記録層66、保護膜67に備えている。なお、記録媒体7は、本記録再生装置に固定(装着)されている。ただし、これに限らず、本記録再生装置と容易に分離できるものであってもよい。
第2のヒートシンク層62はAlからなり、厚さ50μmで形成されている。なお、第2のヒートシンク層62は、Alに限るものではないが、AlやAgなどの熱伝導率の高い膜で形成することが好ましい。また、第2のヒートシンク層62は、例えば、少なくとも熱伝導率が100W/m/℃以上の材質を用い、層厚を10μm以上とすることが好ましい。また、このように厚い金属膜を設けるには、メッキ法が適しているが、既存の他の技術を用いて形成してもよい。また、第2のヒートシンク膜(第2のヒートシンク層)62の形成後に研磨を行って表面の平坦性を高めてもよい。
裏打ち層63は100nmのパーマロイからなる。なお、裏打ち層63は、パーマロイに限るものではなく、軟磁性体であればよい。熱障壁層64は、SiOからなる。なお、熱障壁層64は、SiOに限るものではないが、誘電体あるいは半導体であることが好ましい。第1のヒートシンク層65は、5nmのAlからなる。磁気記録層(記録層)66は、50nmのTbCoFeからなる。保護膜67は、磁気記録層66の表面に、5nmのDLC(Diamond Like Carbon)が形成されてなる。
本実施の形態における記録媒体7は、半導体レーザ2により微小領域を加熱することで、再生時には微小領域の残留磁化が増大するためにS/N比が向上するという性質を有している。なお、本実施の形態では記録媒体7として、TbFeCoからなるフェリ磁性体を用いているが、これに限るものではなく、一般に熱アシスト磁気記録再生方式で用いられる他の記録媒体を用いてもよい。また、磁気記録方式は面内磁気記録であっても、垂直磁気記録であってもよい。
また、記録媒体7の構成は、上記した構成に限るものではない。例えば、第2のヒートシンク層62を、ガラス基板61に対して、記録層66が備えられている側とは反対側に設けてもよい。
あるいは、ガラス基板61の両面側に記録層66をそれぞれ備える構成としてもよい。例えば、第2のヒートシンク層62を、ガラス基板61と一方の記録層66との間に設けるとともに、この第2のヒートシンク層62とガラス基板61との間に熱障壁層64を設け、他方の記録層66を、ガラス基板61に対して、第2のヒートシンク層62および一方の記録層66が設けられている側とは反対側に設けてもよい。
回転中心軸8は、記録媒体7を回転駆動させるものである。すなわち、回転中心軸8は、制御部10の指示に応じて回転駆動し、これによって記録媒体7が回転するようになっている。
図2は、浮上型スライダーの拡大図であり、浮上型スライダー1を底面(記録媒体7側)から見た平面図である。この図に示すように、浮上型スライダー1は、整流用凸部11、整流用凹部12、近接場光発生機構13、記録ヘッド3、再生ヘッド4を備えている。
整流用凸部11および整流用凹部12は、浮上型スライダー1の底面(記録媒体7との対向面)に沿って流れる気流を一方向に整流するためのものである。このように、浮上型スライダー1の底面における気流を一方向に整流することにより、浮上型スライダー1を好適に空冷することができる。なお、この気流は、主に、記録媒体7の回転、および、浮上型スライダー1および記録媒体7からの放熱に伴う対流によって生じる。
図3に、近接場光発生機構部(近接場光発生機構13)および磁気ヘッド(記録ヘッド3および再生ヘッド4)周辺の概略構成図を示す。この図に示すように、半導体レーザ2(図3では図示せず)における記録媒体7と対向する端面には、微小開口24(近接場光発生機構13)が設けられており、これによって近接場を発生させるようになっている。すなわち、本記録再生装置は、いわゆるVSAL(very small aperture laser)によって近接場を発生させるようになっている。なお、微小開口24は、Pt薄膜23の下層(図面垂直方向)に、Al薄膜およびSiO膜(ともに図示せず)が積層されてなる。また、微小開口24は、半導体レーザ2におけるNFP(ニアフィールドパターン)よりも小さいことが好ましい。
近接場光発生機構13は、近接場光、すなわち光学的近接場(optical near field)を発生させるものである。一般に近接場とは回折限界以下に閉じ込められた光の周波数を持つ電磁波であり、該近接場光発生機構に入射する光の波長をλとすれば該近接場のスポットサイズdはd<λである。このような近接場は異なる波数を持つ波の重ねあわせで表現され、低い波数をもつ波は、該近接場光発生機構13から放出され、大気中を伝播することができる。したがって、近接場光は、光の回折限界以下の空間を伝搬するので、近接場光を用いることにより、回折限界を超える空間分解能を得ることができる。一方、高い波数を持つ波は、エバネッセント波あるいはエバネッセント光と呼ばれ、該近接場光発生機構から離れるに従って強度は指数関数的に減少し、その波長λ程度離れた場所では強度が十分低くなる。本明細書で述べる近接場光発生機構13から生じた近接場光とは、これらの全ての電磁場を考慮したものである。
なお、本実施の形態では、半導体レーザの一方の端面に金属膜と微小開口を設けたVSAL(Very Small Aperture Laser)を用いている。該微小開口は上記の説明に従ったレーザの波長サイズ以下の開口を持つもので、微小開口内に生じる電界分布に該半導体レーザの横モードが結合することにより発生している。
ところで、近接場光発生機構はVSALに限らず、金属微粒子を用いることやボータイと呼ばれる光学的アンテナを用いることが提案されており、これらを利用してもよい。いずれの近接場光発生機構を利用する場合であっても、本発明の効果に対する影響は少なく、本発明の効果を十分に得ることができる。
半導体レーザ端面に金属微粒子を用いる構造では、VSALの微小開口内に金属微粒子を設ける方法が提案されている。VSALにおける微小開口内の電界が、金属微粒子の局在プラズモンを励起し、この局在プラズモンにより高強度の近接場の発生を期待できる。なお、この方式では、金属微粒子の大きさが波長よりも小さいことが望ましく、微小開口サイズは波長よりも大きくてもかまわない。
一方、ボータイを用いた近接場光発生機構を、半導体レーザの端面に設けてもよい。ボータイとは、ひとつの三角形の金属板、あるいは一対の三角形の金属板を向かい合わせた構造(いわゆる蝶ネクタイのような構造であって、結び目に相当する部分のみ金属板がなく、2つの金属板が分離されている)であり、それぞれの大きさはおおよそ波長と同程度あるいはそれよりも小さい。この構造では、半導体レーザの横モードが該金属板の表面プラズモンを励起すると考えられており、該表面プラズモンにより近接場が発生する(蝶ネクタイの結び目付近)。このようなボータイを半導体レーザの一方の端面に設けてもよい。
また、本記録再生装置では、半導体レーザ2が、付加的な機構として、近接場光発生機構13を備えているが、必ずしも近接場光発生機構13を備える必要はない。また、付加的な機構として、波長変換素子(図示せず)などをさらに設けてもよい。
また、図3に示すように、記録ヘッド3および再生ヘッド4は、浮上型スライダー1の先端側に、磁気シールド25/記録ヘッド3/磁気シールド25/再生ヘッド4/磁気シールド25の順に積層されており、これらを覆うようにリターン層26が形成されている。
図4は、浮上型スライダー1および半導体レーザ2の詳細図である。この図に示すように、半導体レーザ2は、n−GaN基板31、n−GaNバッファ層32、n−GaN層33、n−InGaNクラック防止層34、n−AlGaNクラッド層35、n−GaNガイド層36、n−InGaN活性層37、p−AlGaNキャリアブロック層38、p−GaNガイド層39、p−AlGaNクラッド層40、p−GaNコンタクト層41、絶縁膜42、N電極43、P電極44からなる。また、この図に示すように、半導体レーザ2は、リッジ構造を用いた屈折率導波路を有している。
また、浮上型スライダー1は、n−GaN基板31が加工されてなる。すなわち、浮上型スライダー1は、半導体レーザ2をエピタキシャル成長する際に用いる、GaとNを主に含有する材料からなる基板を加工することにより、半導体レーザ2と一体に形成されている。なお、本明細書において、主に含有するとは、99%以上を占めることを意味し、不純物や1%程度の他元素が混じっていてもよいものとする。
半導体レーザ2を、熱伝導率の高いGaNからなる基板で形成することにより、半導体レーザ2の放熱性を高めることができるので好ましい。ただし、半導体レーザ2を構成する基板は、上記の材質に限らず、他の材質であってもよい。例えば、サファイアやZrB2やSiCなどを用いることができる。
(半導体レーザ2の製造方法)
ここで、本実施の形態における半導体レーザ2(半導体レーザ装置)の製造方法について、図を参照しながら説明する。
まず、窒化ガリウム半導体層をGaN基板31上にエピタキシャル成長法によって形成する。なお、エピタキシャル成長法とは、基板上に結晶膜を成長させる方法であって、VPE(気相エピタキシャル)法、CVD(化学気相デポジション)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル)法、MOCVD(有機金属化学気相デポジション)法、Halide−VPE(ハロゲン化学気相エピタキシャル)法、MBE(分子線エピタキシャル)法、MOMBE(有機金属分子線エピタキシャル)法、GSMBE(ガス原料分子線エピタキシャル)法、CBE(化学ビームエピタキシャル)法などを用いることができる。
本実施の形態では、まず、MOCVD装置に厚さ200μm〜1mm程度のGaN基板31をセットし、V族原料のNHとIII族原料のTMGaを用いて、550℃の成長温度で低温GaNバッファ層32を25nm成長させる。
次に、1075℃の成長温度で前記原料にSiHを加えn−GaN層33(Si不純物濃度1×1018/cm)を3μm形成する。
続いて、成長温度を700℃から800℃程度に下げ、TMInのIII族原料の供給を行い、n−In0.07Ga0.93Nクラック防止層34を50nm成長させる。
次に、基板温度を1075℃に上げ、TMAlのIII族原料を用いて、2.0μm厚のn−Al0.07Ga0.93Nクラッド層35(Si不純物濃度1×1018/cm)を成長させ、続いて、n−GaNガイド層36を0.1μm成長させる。
なお、n−AlGaNクラッド層35は上記の構成に限るものではなく、例えば、Alの組成が0.03から0.20程度の混晶比の均一な層であってもよく、複数の混晶比からなる複数の層であってもよく、混晶比が連続的に変化する層であってもよく、層厚が異なっていても良い。ただし、n−AlGaNクラッド層35は、層厚が少なくとも0.7μm以上であることが望ましい。また、n−AlGaNクラッド層35は、AlGaN/GaNからなるSLS(超格子)であってもよい。
また、n−GaNガイド層36についても、上記の構成に限るものではなく、若干のInが混晶されていてもよく、アンドープ(Si不純物濃度1×1017/cm以下)であってもよく、層厚が異なっていてもよい。また、n−GaNガイド層36は、InGaN/GaNからなるSLSであってもよい。なお、ガイド層36にInGaNが含まれる場合には、700℃から800℃程度で成長させることが望ましい。特に、InGaNが含まれる場合には、成長中断をすることで結晶性の向上が期待できる。
その後、基板温度を730℃に下げ、3周期の厚さ4nmのIn0.08Ga0.92N井戸層と厚さ8nmのIn0.007Ga0.993Nバリア層より構成される活性層(多重量子井戸構造)37をバリア層/井戸層/バリア層/井戸層/バリア層/井戸層/バリア層の順序で成長させる。なお、バリア層と井戸層、または井戸層とバリア層との間に1秒以上180秒以内の成長中断を行っても良い。これにより、各層の平坦性が向上し発光半値幅を減少させられる。また、本実施の形態では、活性層37にSiを不純物として添加しているが、バリア層、井戸層ともにアンドープ(Si不純物濃度1×1017/cm以下)であってもよく、どちらか一方をアンドープにしてもよい。また、活性層37は3周期に限らず、2周期から6周期程度でもよい。
また、活性層37における最終のバリア層の層厚は8nmから100nmの間で変更してもよい。n型からなる最終バリア層を厚くすることにより、モード屈折率を高く設計することが可能になるため、GaN基板への放射散乱を抑えることができる。
次に、基板温度を再び1050℃まで昇温して、厚さ18nmのp−Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層38を成長させる。なお、本実施の形態では、CpMgを用いて、前記p型不純物としてMgを5×1019/cm〜2×1020/cmで添加する。また、p−Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層38は5nmから40nmであることが望ましい。p−Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層38が5nmより薄くなると、閾値が上昇するからである。また、p−Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層38は、p層方向にAlの組成が少なくなるような構造であってもよく、Alの組成が異なる1つ以上の層の組み合わせであってもよい。
続いて、層厚0.10μmのp−GaNガイド層39、層厚0.5μmのp−Al0.1Ga0.9Nクラッド層40、0.1μmのp−GaNコンタクト層41を成長させる。この際、本実施の形態では、p−GaNガイド層39、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層40、p−GaNコンタクト層41の各層に、p型不純物としてMgを5×1019/cm〜2×1020/cmで添加する。なお、p−GaNガイド層39は、0から0.15μmの厚さが望ましく、形成せずに省略してもよい。また、p−AlGaNクラッド層40は、上記の組成に限るものではないが、Alの組成が0.03から0.1であることが好ましい。また、p−AlGaNクラッド層40は、単一層でなくてもよく、例えば、AlGaN/GaNからなるSLSであってもよい。
このように、本実施の形態では、半導体レーザ2における各層を構成する元素およびドープ元素の各原料に、TMGa、TMAl、TMIn、NH、CpMg、SiHを用いている。
次に、p−GaNコンタクト層41形成後、ドライエッチングによりリッジ構造を形成する。リッジ周辺は図4に示すように、Wチャネル構造とする。なお、図1(a)に示したように、浮上型スライダー1の先端にリッジ構造を備えた半導体レーザ2を設ける場合、記録媒体7との接触によってリッジ部分が破壊されることを防止するために、Wチャネルのリッジ脇凸領域45がリッジ上部46よりも高いことが望ましい。
次に、リッジ脇凸領域45およびリッジ凹領域47を覆うように、SiOからなる絶縁膜42を形成する。その後、絶縁膜42の上面に、Pd/Mo/Auからなるp電極44を形成する。p電極44は、記録媒体7と対向する端面あるいは浮上型スライダー1の底面と面一でない方がよい。すなわち、p電極44が共振器長よりも短いことが望ましい。p電極44のタレにより、浮上型スライダー1下面の空気の流れが乱れ、安定浮上が妨げられる可能性があるからである。なお、記録媒体7と対向する端面とは、後に説明するように、ウェハーをダイシングおよび研磨して形成した半導体レーザ2におけるレーザ端面を意味する。また、他の方法によって端面を形成する場合であっても、端面とは形成後のレーザ端面を意味する。また、絶縁膜42は、SiOに限らず、Ta、SiO、TiO、ZrO、Alなどを用いてもよく、あるいは、これらの材質の混合体や層構造であってもよい。また、Si等の吸収材料を用いて、ロスガイド構造にしてもよい。また、上記のリッジ構造におけるリッジ幅は、0.5μmから3.0μm程度であることが好ましい。また、リッジ幅が一定でない変調リッジ構造やテーパーリッジ構造としてもよい。
次に、GaN基板31裏面に薄い金属膜を蒸着し、n電極43を形成する。本実施の形態では、Hf/Alの層構造よりなるn電極43を、真空蒸着法により形成する。なお、真空蒸着法は、このような薄い金属膜を膜厚の制御性よく形成するのに適している。ただし、真空蒸着法に限らず、イオンプレーティング法やスパッタ法等の他の手法を用いてもよい。また、本実施の形態では、p、n電極の特性を向上させ、良好なオーミック電極を得るため、金属膜形成後に500℃でアニールを行う。
次に、スパッタ法により図3に図示された磁気ヘッド(記録ヘッド3および再生ヘッド4)を形成する。なお、磁気ヘッドは、イオンプレート法や蒸着法など既存の方法を適応することによって形成できる。また、磁気ヘッドの構造は、図3に示した構造に限らず、いくつかの既存の構造を半導体レーザ2と組み合わせることができる。
まず、p電極44上に、絶縁膜(図示せず)を形成し、その上に、スパッタ法等の既存の磁気ヘッド製造技術を用いて、磁気シールド25(シールド層)、記録ヘッド3(記録層)、磁気シールド25、再生ヘッド4(GMR再生層)、磁気シールド25、リターン層26を積層する。なお、記録ヘッド3および再生ヘッド4の構成はこれに限るものではない。例えば、再生ヘッド4はTMR等であってもよい。また、記録ヘッド3および再生ヘッド4の配置は、上記した以外の配置であってもよい。
このようにして形成したウェハーを、ワイヤソーもしくは薄板ブレードを用いて、ダイシング法により、100μmから650μm程度の幅にリッジあるいは電極ストライプと垂直に分割する。その後、半導体レーザ2の端面を形成するための研磨を行う。研磨は、ダイヤモンドスラリー等を用い、数工程にわけて鏡面加工する。
なお、端面形成方法はこれに限らず、ドライエッチング法を用いてもよい。ドライエッチング法で端面の形成を行う場合には、ウェハーの段階で実施すればよい。また、ドライエッチング法で端面を形成した後、前記ダイシング法やスクライブ法によりバー分割すればよい。
また、端面形成はヘキ開法で行ってもよい。この場合、まず、表面からダイヤモンドポイントでスクライブラインを入れた後、ウェハーに適宜力を入れ、スクライブラインに沿ってウェハーを分割すればよい。なお、スクライブラインは裏面から入れてもよい。
また、他の手法として、例えばエキシマレーザ等のレーザ光の照射加熱とその後の急冷によって照射部にクラックを生じさせ、これをスクライブラインとするレーザスクライビング法、あるいは、高エネルギー密度のレーザ光を照射し、照射した部分を蒸発させて溝入れ加工を行うレーザアブレーション法等を用いても同様に分割可能である。
次に、半導体レーザ2における後面の端面、すなわち、記録媒体7との対向面とは反対側の面に、高反射膜(図示せず)を形成する。高反射膜の形成方法は、既存の技術を用いればよく、例えば、低屈折率と高屈折率の誘電体を交互に積層するとよい。この場合、低屈折率材料としてSiO、SiN、Al等を用い、高屈折率材質としてTiO、Ta、ZrO等を用いることが好ましい。また、これらの物質を、光学長λ/4ごとに、少なくとも3ペア以上積層することが好ましい。本実施の形態では、SiO/TiOのペアを4ペア積層する。これにより、反射率95%を得ることができる。
次に、半導体レーザ2における前面、すなわち、記録媒体7と対向する面に、SiO膜(図示せず)、Al被覆膜(図示せず)、厚さ5nmのPt被覆膜(Pt薄膜)23を積層し、FIB(Focused ion beam)法により微小開口24を設ける。Alは縞状に形成される場合がありレーザ光が散乱される恐れがあるので、Niなどの皮膜率が高く、縞状になりやすい材質をあらかじめ薄く積層した上に、Alを積層するとよい。また、Al被覆膜は酸化されやすいため、Al被覆膜形成後に、Al被覆膜上に酸化されにくい金属膜や誘電体膜を形成してもよい。また、Pt被覆膜23に代えて、Auなどの金属やSiO等の誘電体からなる膜を形成してもよい。また、Al被覆膜は、Agなどの金属であってもよい。また、SiO膜に代えて、Al、TiO、Taなどの他の誘電体や、ビスマス系の強誘電体などを用いてもよい。
次に、浮上型スライダー1の底面、すなわち、記録媒体7との対向面に、図2に示したような整流用の凹凸(整流用凸部11および整流用凹部12)を形成する。これらの凹凸は、例えば、ドライエッチング等により整流用凹部12を形成し、真空蒸着法等によって整流用凸部11を形成してもよい。また、FIB法によって形成してもよい。また、これらの組み合わせによって形成してもよい。また、整流用凸部11および整流用凹部12の材質は、特に限定されない。
なお、整流用凸部11は、下記に示す条件の少なくとも一方を満たすように設計することが好ましい。すなわち、浮上型スライダー1の底面の微小領域をdsとして、当該微小底面領域から記録媒体7までの距離をL(s)とすると、平均的な浮上高さで、
Figure 2005317178
を満たすことが好ましい。ただし、Sは浮上型スライダー1の全底面積である。
空気の熱伝導率は2.80×10−2[W/m℃]なので、上式より0.4[m]を掛けると浮上型スライダー1と記録媒体7間の熱抵抗値は(1.12×10−3−1=8.9×10[℃/w]である。すなわち、浮上型スライダー1上への注入電力の総和が100mWであれば、浮上型スライダー1の温度は、このスライダーの下に位置する記録媒体7の温度よりも89℃高くなる。通常、半導体レーザの熱抵抗値は40以下であるが、本実施の形態では、上記したように、一般的な半導体レーザよりも低閾値で発振する半導体レーザ2を用いている。このため、半導体レーザ2の発熱は、通常の半導体レーザ同様に熱暴走しない範囲である。
また、整流用凸部11の総面積は、3.5×10‐8以上であることが好ましい。この場合、例えば浮上型スライダー1の最大浮上高さが87.5nm以下であれば、記録媒体7における熱の拡散を適切に行うことができる。すなわち、記録媒体7における熱暴走を防止できる。
このようにして製作された浮上型スライダー1は、上面、すなわち記録媒体7との対向面とは反対側の面で、サスペンション5に接続される。サスペンション5には、プリント配線9をあらかじめ形成しておき、このプリント配線9と半導体レーザ2、記録ヘッド3、再生ヘッド4とを結線することによって、これらの駆動を行うようにする。また、図1(a)に示したように、サスペンション5にSi受光素子(受光素子)6を設け、この受光素子6をプリント配線9に接続し、半導体レーザ2の後面からの出射光を受光できるようにする。なお、本実施の形態では、受光素子6をサスペンション5に直接接合しているが、これに限らず、半導体レーザ2の後面における出射面に直接設けてもよい。
また、半導体レーザ2における活性層(n−InGaN活性層37)の一部を受光素子として用いてもよい。また、図5に示すように、リッジ上部46からわずかにはなれたリッジ脇凸領域45上の位置にレーザ光検出用領域51を形成してもよい。レーザ光検出用領域51では、導波光の放射成分を活性層で吸収してp電極−n電極間に生成した電位を検出できる。この電位あるいは両電極間を導通させることによって生成する電流により、半導体レーザ2の光出力の制御が可能となる。これは、レーザ光検出用領域51では、無バイアス、あるいは逆バイアスにすることで、p−nジャンクション近傍の活性層が空乏層化し、内部電界による光吸収により、生成したエレクトロンとホールがすみやかに拡散するためである。すなわち、光吸収により価電子帯の電子が伝導帯に励起され、層構造に依存する内部電界に従って、エレクトロンはp層側へ、ホールはn層側へ移動する。これにより、半導体の電荷バランスが崩れ、両電極間に電位が発生する。なお、p−nジャンクションは、一般に、巨視的にはp型半導体とn型半導体の境界に存在する。ただし、微視的にはその近傍の活性化した電子密度の影響を受けるので、部位を特定できない。また、p−nジャンクションには層構造方向に大きく変化する強い内部電界が存在する。本実施の形態では、最も基板に近いp層はキャリアブロック層37であり、ほぼその近傍にp−nジャンクションが存在する。したがって、上記した近傍の活性層とは、p層側の活性層、あるいは上部の活性層を指す。なお、受光素子6として、リッジ内の一部を用いてもよい。
なお、本記録再生装置では、図1(a)に示したように、リッジ部を備えた半導体レーザ2を浮上型スライダー1の先端に配置しているが、これに限るものではない。例えば、図6(a)に示すように、浮上型スライダー1の側部にリッジ52を形成してもよい。特に、浮上型スライダー1のディスク(記録媒体7)回転方向の長さを長くしたい場合、図1(a)のような構造では、ディスク回転方向の長さが、製造段階におけるエピタキシャル成長時の基板の厚さに制限されるため、十分に長くできない。これに対して、図6(a)に示すように、浮上型スライダー1の側部にリッジ52を形成する場合、ディスク回転方向の長さを長くすることができる。
また、図6(b)に示すように、リッジ52を2つ設け、一方を熱アシスト磁気記録用として用い、他方を熱アシスト磁気再生用として用いてもよい。
また、本記録再生装置のように、端面発振型の半導体レーザを用い、端面に近接場光発生機構を備える場合、近接場光による放射散乱以外の損失を低減することが好ましい。
また、本記録再生装置をマイクロディスク構造としてもよい。この場合、Q値が高く、記録媒体7への光トンネリング効果による放射損失以外の損失が小さいので、さらに消費電力の削減を期待できる。
(本記録再生装置の駆動実験)
以上のように製作された半導体レーザ2を、パルス電流により駆動した場合の、半導体レーザ2の温度変化に伴う電流(current)‐出力(output power、光出力特性)の変化を図7に示す。本記録再生装置における半導体レーザ2は、端面の反射率が高いために、低い閾値でレーザ発振する特徴を有している。なお、閾値は、少なくとも40mA以下であることが好ましく、30mA以下であることがさらに好ましい。図7は、共振器長200μm、リッジ幅1.5μmで製作した本記録再生装置の駆動実験の結果を示すグラフである。この図に示すように、例えば、25℃雰囲気中で駆動した場合、閾値は約15mAであった。
次に、記録媒体7上で浮上型スライダー1を浮上動作させ、デューティー比50%で駆動試験を行った。記録媒体7は、上記したように、2.5インチのガラス基板61、第2のヒートシンク層62、裏打ち層63、熱障壁層64、第1のヒートシンク層65、磁気記録層66、保護膜67からなる(図8参照)。また、記録媒体7は、図1(b)に示したように、回転中心軸8に接合されており、回転中心軸8とともに回転するようになっている。このような構成の本記録再生装置の駆動試験を行った結果、熱暴走せずに安定動作が得られた。
次に、このような浮上型スライダー1の放熱機構を調べるために、記録媒体7、および、Al基板、ガラス基板についての熱シミュレーションを行った。
図9(a)は、本記録再生装置における記録媒体7、2.5インチかつ1mm厚のAl基板、本記録再生装置における記録媒体7と同じ寸法のガラス基板について、回転中心軸8を温度固定端とした場合の熱シミュレーション結果である。なお、図9(a)における測定点2〜7は、図9(b)に対応している。すなわち、回転中心軸8に最も近い側定点を7とし、記録媒体7の半径方向に沿って、回転中心軸8から遠ざかる方向に番号が小さくなるように設定されている。
また、図9(a)における三角印(△,▲)は記録媒体7、四角印(□,■)はガラス基板、丸印(○,●)はAl基板の計算結果をそれぞれ表している。また、塗りつぶした印(▲,■,●)は測定点上の浮上型スライダー1の温度を表し、白抜きの印(△,□,○)は測定点上の記録媒体7,ガラス基板,Al基板の温度をそれぞれ表している。
また、図9(a)における計算では、浮上型スライダー1の整流用凸部11の面積を5×10‐8とし、浮上高さを50nmとした。また、半導体レーザ2を0.5Wの駆動電力で動作させるものとした。また、雰囲気温度を25℃とした。また、記録媒体7における径方向の熱伝導率は、各層の構成を考慮し、約20×10−3W/m/℃として計算した。
図9(a)に示すように、Al基板に関するシミュレーションでは、浮上型スライダー1(半導体レーザ2)の最大上昇温度は18℃であり、半導体レーザ2の温度は約43℃であった。ここで、最大上昇温度とは、浮上型スライダー1の温度と、雰囲気温度との温度差が最大値であり、図9(a)に示すように、この値は測定点に依存する。
したがって、Al基板では、通常の半導体レーザの温度特性を考慮すれば、十分な冷却が行えていることがわかる。なお、通常の半導体レーザの熱抵抗は50℃/W以下であり、注入電力はおおむね0.5W以下であるので、最大上昇温度は25℃程度となっている。
また、図9(a)に示すように、記録媒体7では、雰囲気温度25℃における半導体レーザ2の温度は約50℃であった。一方、記録媒体7と同じ寸法からなるガラス基板のシミュレーション結果では、半導体レーザ2の温度は約102℃、ガラス基板の温度は約85℃まで上昇している。このように、本実施形態にかかる記録媒体7あるいはAl基板からなる記録媒体を用いることにより、通常のガラス基板を用いる場合に比べて、半導体レーザ2および記録媒体の温度上昇を抑制できる。
また、図9(c)は、測定点2における半導体レーザ2の温度と、記録媒体7の熱伝導率との関係を示すグラフである。なお、図9(c)において、横軸は、記録媒体7が基板を含めて複数の層(i層)からなる記録媒体7における、各層における熱伝導率ρi×層厚diの総和、Σ(ρi×di)(単位:10−3W/℃)である。また、縦軸は、記録媒体7上の測定点2の位置における、半導体レーザ2の温度である。また、図9(c)において、丸印(●)は浮上型スライダー1の底面における整流用凸部11の面積を5×10−8、浮上高さを50nm、半導体レーザ2に対する注入電力を0.5Wとした場合の計算結果である。また、四角印(□)は、整流用凸部11の面積を5×10−8、浮上高さを5nm、半導体レーザ2に対する注入電力を0.5Wとした場合の計算結果である。また、四角印(◇)は、整流用凸部11の面積を5×10−8、浮上高さを50nm、半導体レーザ2に対する注入電力を2.0Wとした場合の計算結果である。また、バツ印(×)は、整流用凸部11の面積を5×10−8、浮上高さを50nm、半導体レーザ2に対する注入電力を0.1Wとした場合の計算結果である。
この図から明らかなように、各シミュレーション条件において、概ね、Σ(ρi×di)=20×10−3[W/m/℃]よりも熱伝導率が低くなると、半導体レーザ2の温度が増大する。言い換えれば、記録媒体7における垂直構造の各層における熱伝導率×層厚の総和を20×10‐3W/m/℃よりも大きくすることにより、記録媒体7における浮上型スライダー1直下の領域から、当該領域外へ熱が拡散しやすくなるので、記録媒体7の放熱性が高めることができ、浮上型スライダー1および半導体レーザ2の温度を低下させることができる。したがって、記録媒体7における各層の熱伝導率×層厚の総和は、20×10‐3W/m/℃よりも大きいことが好ましい。
なお、図9(c)にバツ印(×)で示したように、半導体レーザ2に対する注入電力が0.1Wの場合、概ねΣ(ρi×di)=5×10−3[W/℃]よりも熱伝導率が低くなると、半導体レーザ2の温度が上昇する。したがって、例えば駆動方法を改善するなどして、半導体レーザ2に対する注入電力を0.1Wとできる場合には、記録媒体7における各層の熱伝導率×層厚の総和を、5×10‐3W/℃よりも大きくすることが好ましい。
一方、四角印(□)で示したように、注入電力が0.5Wであっても、浮上型スライダー1の浮上高さが5nmと低くすれば、Σ(ρi×di)=5×10−3[W/℃]の場合の、25℃雰囲気中の浮上型スライダー1の温度は約50℃であった。このように、各層における熱伝導率×層厚の総和が5×10−3[W/℃]の場合、半導体レーザ2の注入電力が小さいあるいは浮上高さが低い必要がある。すなわち、少なくとも半導体レーザ2に対する注入電力を0.5W以下とし、浮上型スライダー1の浮上高さを50nm以下とすることが好ましい。
また、第2のヒートシンク層62における熱伝導率×層厚を、記録媒体7における基板の熱伝導率×基板厚さ(層厚)よりも大きくすることが好ましい。例えば、記録媒体7におけるガラス基板61の厚さを0.6mmとすると、ガラス基板61における熱伝導率×基板厚さは、1.38[W/m/℃]×0.6[mm]=0.83×10−3[W/℃]となり、熱暴走する。ここで、ガラス基板61の熱暴走を防止するためには、第2のヒートシンク層62における熱伝導率×層厚を、ガラス基板61における熱伝導率×基板厚さよりも大きくすることが好ましい。これにより、第2のヒートシンク層62を記録媒体7の熱拡散に寄与させ、記録媒体7における熱拡散を効果的に行うことができる。
なお、第2のヒートシンク層62をAl膜で形成する場合、第2のヒートシンク層62における熱伝導率×層厚は、Alの熱伝導率は237W/m/℃なので、層厚を10nmとすると237×10×10−9=2.4×10−6[W/℃]、層厚を10μmとすると2.4×10−3[W/℃]となる。したがって、記録媒体7におけるガラス基板61の厚さが0.6mmの場合、Al膜からなる第2のヒートシンク層62の層厚が約10μm以上であれば、記録媒体7の熱拡散を効果的に行える。より詳細には、237×3.5×10−6≒0.83×10−3[W/℃]より、第2のヒートシンク層62の層厚を3.5μm以上とすることが好ましい。
また、第2のヒートシンク層62をAu膜で形成する場合、Auの熱伝導率は315W/m/℃なので、層厚を2.7μm以上とすることが好ましい。また、第2のヒートシンク層62をAg膜で形成する場合、Agの熱伝導率は427W/m/℃なので、層厚を2.0μm以上とすることが好ましい。また、第2のヒートシンク層62をCu膜で形成する場合、Cuの熱伝導率は398W/m/℃なので、層厚を2.1μm以上とすることが好ましい。また、例えば第2のヒートシンク層62として熱伝導率が100W/m/℃の物質を用いる場合、第2のヒートシンク層62の層厚は、8.3μ以上であることが好ましい。したがって、第2のヒートシンク層62には、熱伝導率が100W/m/℃以上の物質を用い、層厚を10μm以上とすることが好ましい。
また、図9(a)より、記録媒体7に熱分布が生じていることが分かる。すなわち、記録媒体7上の位置によっては、磁気的補償温度からズレが生じることがわかる。また、ガラス基板の場合には、熱分布が非常に大きくなることがわかる。ところで、記録媒体7の温度と残留磁化との関係は、図10のようになる。図10におけるT2は磁気的補償温度を表し、T1は磁気記録温度または磁気再生温度を表している。
この図からわかるように、記録領域外の温度は磁気的補償温度T2周辺であるとよく、磁気記録領域の温度は磁気記録温度T1であることが望ましい。ところが、半導体レーザ2の光出力が一定の場合、ガラス基板のように大きな熱分布があると、磁気記録領域の温度が磁気記録温度T1から大きくずれてしまう。したがって、ガラスのように熱伝導率の低い基板を用いる場合には特に、本実施の形態のように熱伝導率の高い第2のヒートシンク層62を設けることが好ましい。これにより、磁気記録領域の温度が磁気記録温度T1から大きくずれてしまうといった問題を軽減することができる。すなわち、記録媒体7では、第2のヒートシンク層62により、磁気記録時および磁気再生時における、記録媒体7の熱分布を削減し、S/N比の悪化を防止できる。なお、第2のヒートシンク層62は、熱伝導率の高い膜(例えば100Wm/℃以上)で形成することが好ましい。また、第2のヒートシンク層62は、伝熱面積を大きくするために層厚を厚くすることが好ましい(例えば10μm以上)。
以上のように、本記録再生装置に備えられる半導体レーザ2は、端面発振型の半導体レーザであって、記録媒体7と対向する面である端面に微小開口24が設けられており、これによって近接場光を発生するようになっている。そして、本記録再生装置では、微小開口24からの放射損失以外の損失、すなわち端面損失を抑制するために、半導体レーザ2の端面に高反射膜が設けられている。このため、記録領域の加熱以外の光散乱を抑制することができ、閾値電流を下げることができる。これにより、半導体レーザ2の消費電力を削減することが可能となり、浮上型スライダー1の温度上昇を防止することができる。
なお、本記録再生装置に備えられる半導体レーザ2は、端面に設けた微小開口24によって近接場光を発生する、いわゆるVSAL(very small aperture laser)であるが、これに限らず、他の方式によって近接場光を発生するようにしてもよい。この場合にも、近接場光による放射散乱以外の損失を低減することにより、閾値電流を低下させることができ、それによって半導体レーザ2の消費電力を削減することが可能となるので、浮上型スライダー1の温度上昇を防止することができる。
また、本記録再生装置をマイクロディスク構造とする場合、マイクロディスク構造はQ値が高いので、記録媒体7への光トンネリング効果による放射損失以外の損失が小さいため、半導体レーザ2の消費電力をさらに削減でき、浮上型スライダー1の温度上昇をさらに防止することができる。
また、本記録再生装置に備えられる浮上型スライダー1は、記録媒体7に対する動作時(記録時および再生時)の浮上高さが、0nm〜100nmに設定されている。浮上高さをこのように設定することにより、浮上型スライダー1における半導体レーザ2あるいは磁気ヘッド(記録ヘッド3および再生ヘッド4)等の発熱源から発生した熱を、記録媒体7へ効果的に伝導させることができる。このため、浮上型スライダー1の温度上昇を抑制することができる。すなわち、熱アシスト磁気記録再生動作時の半導体レーザ2および磁気ヘッドの発熱による熱を、記録媒体7を介して外部へ効果的に放熱させることができるので、動作不良を抑制し、安定駆動させることが可能になる。
また、本記録再生装置に備えられる浮上型スライダー1は、記録媒体7と対向する底面に、整流用凸部11および整流用凹部12を備えている。このように、浮上型スライダー1における底面の形状を最適化することにより、半導体レーザ2および磁気ヘッドの発熱による熱の、浮上型スライダー1から記録媒体7への伝熱を促進させ、記録媒体7を介して外部へ効果的に放熱させることができるので、動作不良を抑制し、安定駆動させることが可能になる。また、この場合、浮上型スライダー1から記録媒体7への熱伝導が促進されることによって、記録媒体7がヒートシンクとしての役割を果たす。そして、ヒートシンクとして機能する記録媒体7の放熱性を高め、記録媒体7の温度上昇を抑えることにより半導体レーザ2を安定に駆動することが可能となる。
なお、例えば、浮上型スライダー1の底面に、浮上型スライダー1を安定に浮上させるための凹凸部が設けられている場合、浮上型スライダー1と記録媒体7間の熱伝導が十分に得られないことがある。このため、浮上型スライダー1における底面の面積(形状)と、浮上型スライダー1の浮上高さ、すなわち浮上型スライダー1と記録媒体7間の距離とは、以下の関係を満たすことが好ましい。これにより、スライダーの浮上が安定するので浮上型スライダー1と記録媒体7との間の熱伝導を安定させることができ、また、浮上型スライダー1と記録媒体7との間における十分な熱伝導が得られる。
半導体レーザ2が、浮上型スライダー1と一体に形成されている場合、浮上型スライダー1の底面の微小領域をdsとし、当該微小領域から記録媒体7までの距離をL(s)とすると、
Figure 2005317178
を満たすことが好ましい。ただし、上式におけるSは、浮上型スライダー1における全底面積である。
また、浮上型スライダー1の底面に、例えば整流用凸部11を設ける場合、整流用凸部11の総面積が3.5×10‐8以上であることが好ましい。
また、本記録再生装置では、半導体レーザ2を、浮上型スライダー1に半田等により接合する構成としてもよい。この場合、浮上型スライダー1の底面の微小領域をdsとし、当該微小底面(微小領域)から記録媒体7までの距離をL(s)とすると、浮上型スライダー1と半導体レーザ2との間における半田の熱抵抗は10[℃/W]程度であることから、
Figure 2005317178
を満たすことが好ましい。ただし、上式におけるSは、浮上型スライダー1における全底面積である。これにより、半導体レーザ2の上昇温度を適切に抑制できる。
また、半導体レーザ2を、浮上型スライダー1に半田等により接合する構成において、浮上型スライダー1の底面に、例えば整流用凸部11を設ける場合、整流用凸部11の総面積が3.5×10‐8以上であることが好ましい。
また、半導体レーザ2を浮上型スライダー1に半田等で接合する場合、発光層から浮上型スライダー1への熱伝導を考慮することが好ましい。
すなわち、半導体レーザ2が基板上に成長されており、浮上型スライダー1に対してジャンクションアップ(基板側が接合面)とする場合、半導体レーザ2の基板に熱伝導がよい材質を用いることが好ましい。例えば、発光層が窒化物半導体である場合、GaN基板やAlGaN基板、AlN基板を用いることが好ましい。また、サファイア等の熱伝導が悪い材料を基板として用いる場合、基板の厚さをできるだけ薄くすることが好ましい。例えば、50μm〜100μmまで研磨するとよい。なお、ジャンクションダウン(エピ面(エピタキシャル成長面)が接合面)とする場合には、半導体レーザ2における基板の材質は特に問われない。
また、本記録再生装置に備えられる記録媒体7は、ガラス基板61上に、第2のヒートシンク層62、裏打ち層63、熱障壁層64、第1のヒートシンク層65、磁気記録層66、保護膜67を備えている。このように、記録媒体7に第2のヒートシンク層62を備えることにより、記録媒体7の垂直構造における熱伝導率×層厚の総和を大きくすることができる。なお、この熱伝導率×層厚の総和は、上記したように5×10‐3W/(m・℃)よりも大きいことが好ましく、20×10‐3W/(m・℃)よりも大きいことがさらに好ましい。このように、基板の垂直構造における熱伝導率×層厚の総和を大きくすることにより、記録媒体7における浮上型スライダー1直下の領域から、当該領域外へ熱が拡散しやすくなり、記録媒体7の放熱性が高めることができる。
なお、熱アシスト磁気記録再生方式では、記録領域における温度の変化速度(温度変化速度)が大きいことが好ましい。温度変化速度を大きくするためには、記録層から隣接層への放熱性を高めることが好ましいが、記録層から隣接層への放熱性を高めると記録領域を昇温するための半導体レーザ2の出力を大きくする必要が生じる。このため、半導体レーザ2の出力を適切に設定するために、記録層および隣接層の熱伝導率は、適切に調整する必要がある。
また、記録領域の昇温過程は、記録媒体7の回転動作に伴い、ひとつのパルス状であって過渡的な応答である。すなわち、記録媒体7の回転動作によって、記録媒体7上の記録領域は浮上型スライダー1に対して相対的に移動する。この場合、半導体レーザ2のレーザスポット内における記録媒体7上の領域の温度はパルス状に昇温されるが、記録媒体7における熱の流れが定常状態に達する前に、この領域はレーザスポットから外れ、レーザ照射前の初期状態に戻る。これに対して、浮上型スライダー1から記録媒体7への熱の流れは、定常的な応答である。このような定常的な応答は、記録媒体7の垂直構造の熱伝導率×層厚の総和で考えることができる。
また、本記録再生装置における記録媒体7では、安価なガラス基板を用いることによってコストダウンを図っている。すなわち、ガラス基板は安価であり、熱アシスト磁気記録再生方式の情報記録再生装置のコストダウンを図ることができる。しかしながら、ガラス基板は、熱伝導率が小さいという問題があった。
熱アシスト磁気記録再生方式では、上記したように、記録領域における温度の変化速度(温度変化速度)が大きいことが好ましく、そのような記録領域の温度特性を確保するために、記録層下に数nm〜1μm程度のAlやAgなどの熱伝導率の高い薄膜を第1のヒートシンク層として挿入することが、従来より提案されている。
ところが、この第1のヒートシンク層が厚すぎると、記録領域の温度上昇が不十分になり、熱アシスト磁気記録再生が困難になる恐れがある。このため、記録媒体7では、浮上型スライダー1から記録媒体7への熱を定常的に放熱するために、第1のヒートシンク層65の下に、熱伝導率が低い層からなる温度障壁層(熱障壁層64)を設け、この熱障壁層64とガラス基板61との間に第2のヒートシンク層62を設けている。なお、この第2のヒートシンク層62は、AlやAgなどの熱伝導率の高い膜であって、10μm以上の厚さで設けられている。また、第2のヒートシンク層62は、熱障壁層64やガラス基板61と接触していてもよく、熱アシスト磁気記録再生方式が、ガラス基板61の片面のみを使用する場合にはガラス基板61の裏面に形成されてもよい。
なお、記録媒体7の基板をサファイアやAlなど熱伝導率の高い材料で形成する場合には、浮上型スライダー1から記録媒体7への熱の流れについて、定常的な熱応答を十分に得られる。このため、記録領域の昇温過程において過渡応答特性を備えるためには、第1のヒートシンク層65と熱障壁層64とを設ければよい。
また、記録媒体7を垂直磁気方式とし、裏打ち層63を備える場合、裏打ち層63の熱伝導率が低い場合には、当該裏打ち層63を熱障壁層64の一部または全部として機能させることができ、裏打ち層63の熱伝導率が高い場合には、当該裏打ち層63を第2のヒートシンク層62の一部または全部として機能させることができる。なお、前記2つの層とは別に裏打ち層63を備えてもよい。すなわち、熱障壁層64および第2のヒートシンク層62と隣接しない位置に裏打ち層63を形成してもよい。また、上記した各層に加えて、必要により、さらに他の層(例えば緩衝材からなる層)を設けてもよい。この場合、上記各層のいずれの位置に設けてもよい。
また、記録媒体7の放熱性を高めるには、記録媒体7から本記録再生装置を内蔵する筐体外部への放熱を促進させることが好ましい。例えば、記録媒体7と熱的に接触している当該記録媒体7の回転中心軸8から筐体外部への放熱を促進させる機構(放熱機構)を備えることが好ましい。
回転中心軸8から筐体外部への放熱を促進させるために、例えば、本記録再生装置における記録媒体7の回転中心軸8を、図11に示す回転中心軸72の構造に変更してもよい。図11は、本記録再生装置における、回転中心軸8の変形例を示す断面図である。この図に示すように、回転中心軸72は、中空部位73を有する筒状の構造となっている。そして、回転中心軸72の上端および下端は、筐体74によって回転可能に支持されており、回転中心軸72にはディスク状の記録媒体7が接合されている。このような構成の回転中心軸72を用いることにより、半導体レーザ2によって生じた熱を、筐体内部の空気75、記録媒体7、回転中心軸72、中空部位(中空構造)73および筐体74を介して、外気76に放熱することができる。すなわち、回転中心軸72を放熱機構として機能させることができる。
熱アシスト磁気記録再生方式を用いた記録再生装置では、通常、記録媒体が筐体内にほぼ密閉されているため、筐体内部の空気と外気との空気の循環を行うことが困難である。このため、筐体内部の空気の温度が記録媒体の温度上昇とともに上昇し、記録媒体表面から筐体内部の空気への熱の移動は、半導体レーザから生じる熱量に対して少ない。このため、半導体レーザから記録媒体に入力された熱が放散されにくく、記録媒体の温度を上昇させてしまう。
これに対して、回転中心軸72を用いることにより、半導体レーザ2から生じる熱量を記録媒体7、回転中心軸72、中空部位73および筐体74を経由して外気76へ効果的に放熱することができる。すなわち、回転中心軸72が筐体74外部への熱伝導機構として機能させることができる。なお、図11の構成では、回転中心軸72の中空部位73は外気76と接触可能であるため、中空部位73から外気76への放熱が行える。
また、回転中心軸72に代えて、図12に示すように、回転中心軸72における内表面(中空部位73側の面)に、中空部位73における気流を整流するための、溝などの整流機構を設けた回転中心部位(回転中心軸)72を用いてもよい。なお、この整流機構は、記録媒体7の回転運動に伴って、一方向への気流が生じるように設けることが好ましい。これにより、半導体レーザ2から生じた熱を、外気に効果的に放熱することができる。また、回転中心軸72における内表面の伝熱面積が増大するので、放熱効果をさらに高めることができる。
なお、整流機構は、溝に限定されるものではなく、例えば、ファン等を設けるなど、既存技術を適宜用いることが可能である。
また、図13に示すように、回転中心軸72の上下あるいは一方に、回転中心軸72における中空部位73の方向に滑らかに突き出した形状の整流機構77を設けてもよい。すなわち、中空部位73の外気に対する開口部に、中空部位73における気流を整流するための整流機構77を設けてもよい。このような整流機構77を設けることにより、気流の一部が筐体74に沿って流れる。このため、筐体74表面から外気76への放熱を促進させることができる。また、この場合、筐体74にヒートシンクを別途設けてもよい。これにより、筐体表面からの放熱をさらに促進させることができ、筐体74全体の温度を下げることが可能となる。また、整流機構77を設けることにより、例えば隣接する他の機器との間隔が狭くても、気流を妨げることが少なく、記録媒体7の放熱を促進させることが可能である。なお、図11または図12の構成と、図13の構成とを適宜組み合わせてもよい。また、図13の構成では、中空部位73の外気に対する開口部に整流機構77を設けているが、これに限らず、中空部位73内に、中空部位73における気流を整流するための整流機構を設けてもよい。
また、このような中空からなる回転中心軸72を設けた熱アシスト磁気記録再生方式において、回転中心軸72に接続されるモーター(回転中心軸駆動手段)は、モーター機構が、情報記録装置(本記録再生装置)および回転中心軸72と独立している場合と、一体である場合とがある。
独立方式では、例えば、図14に示すように、回転中心軸72の内部に小型のモーター79を備えるようにしてもよい。この図に示すように、モーター79のケースはバー82により本記録再生装置と接続されており、モーター軸81は、バー83により回転中心軸72と接続される。これにより、モーター79を駆動させることで、回転中心軸72および記録媒体7の回転運動を行える。また、モーター軸81と回転中心軸72とを、変速ギア等により接続してもよい。なお、回転中心軸72は、ベアリング80によって回転可能に支持されている。
また、図15に示すように、モーター79を、回転中心軸72の外部に設け、ギア88やベルトなどの動力伝達手段を介して接続してもよい。なお、モーターの構造は、図14および図15に示した構造に限らず、モーターとして機能する既存の技術を適宜用いることができる。
また、モーター機構が、本記録再生装置および回転中心軸72と一体構造である一体方式では、例えば、図16(a)に示すような構成としてもよい。この図に示す構成では、回転中心軸72がモーターのケースを兼ねている。そして、回転中心軸72の内側には永久磁石84が装着されている。そして、モーター軸81が筐体74に接続されており、これによって、回転中心軸72および記録媒体7の回転運動が行えるようになっている。なお、モーターの構造は、図16(a)に示した構造に限らず、モーターとして機能する既存の技術を適宜用いることができる。すなわち、モーターのケースを成す部位が回転中心軸の一部であればよい。
例えば、図16(b)に示すような構造としてもよい、この図に示す構造では、モーターを成すモーター軸81が回転中心軸72を兼ねている。このように、モーターを成すモーター軸81が回転中心軸72を兼ねる方式では、回転中心軸72の中空領域73を確保できるので、回転中心軸72の空冷効果が大きい。また、モーターをなす各部位をシールドしやすく、外部からのゴミ等の侵入によるモーターの不良を防ぐことができる。
また、本記録再生装置の構造を、例えば、図17に示すような構造としてもよい。この図に示す構造では、回転中心軸72における少なくとも一方の端部が、筐体74の外部に突き出しており、外気76と接触している。これにより、回転中心軸72から外気76への放熱効果を高めることができる。また、この図に示す構造では、回転中心軸72の端部にディスク状のヒートシンク部位85が設けられている。これにより、記録媒体7から回転中心軸72を介してヒートシンク部位85へ放熱することができるので、放熱を促進させることができる。なお、ヒートシンク部位85に、突起等を設けてもよい。これにより、伝熱面積が大きくなるので、放熱効果をより高めることができる。
ところで、記録媒体7における熱の流れは、浮上型スライダー1の直下から流入し、前記放熱機構から放出される。この際、高速で回転運動する記録媒体7では、主に径方向の熱分布が生じやすい。回転中心軸72から放熱する機構においては、記録媒体7の熱伝導特性が低い場合には、この径方向の熱分布が大きくなる。径方向の熱分布が大きくなると、その影響として、例えば、磁気的補償温度のズレが生じる恐れがある。すなわち、熱アシスト磁気再生方式では、記録領域外であって磁気的に感知できる領域の温度を磁気的補償温度とすることにより、S/N比を高くしているが、径方向の熱分布が大きくなることにより、一部で記録領域外の温度が磁気的補償点(磁気的補償温度)からずれ、S/N比が劣化する恐れがある。そこで、記録媒体7の径方向の温度分布(熱分布)が小さくなるようにヒートシンク形状を設定してもよい。これにより、記録領域の位置にかかわらず、S/N比を安定させることができる。
また、本記録再生装置の構造を、例えば、図18に示すような構造としてもよい。図18の構成では、回転中心軸72が筐体内部74に配置されており、回転中心軸72の端部が流体軸受け86によって支持されている。このような構成において、流体軸受け86の内部における液体に熱伝導率の高い材質を用いることにより、回転中心軸72から筐体74、あるいは筐体74に設けられたヒートシンク87への放熱を効果的に行うことができる。
〔実施の形態2〕 AlTiCスライダー
本発明の他の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1における記録再生装置と同じ部材および同じ製造方法については、実施の形態1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
図19は、本実施の形態にかかる記録再生装置に備えられる、浮上型スライダー101および半導体レーザ103における記録媒体7との対向面を示した平面図である。この図に示すように、本実施の形態にかかる記録再生装置は、AlTiCからなるAlTiCスライダー(浮上型スライダー)101に、窒化物半導体レーザ(半導体レーザ)103を、半田102によって接合した構造である。なお、本実施の形態にかかる記録再生装置は、浮上型スライダー1の材質および形状の変更、および、半導体レーザ103を接合する構成であること以外は、実施の形態1と同様の構成である。また、浮上型スライダー1の製造方法および浮上型スライダー1と半導体レーザ2の接合工程以外は、実施の形態1と同様の製造方法を適用することができる。
ここで、浮上型スライダー101の製造方法について説明する。上記したように、浮上型スライダー101は、概ね実施の形態1と同様に製作される。変更点を記載すれば、まず、AlTiC基板上にTi/Ptをメタライズし、Pt上にSnをメッキ法によって1〜3μmの層厚で形成する。
次に、実施の形態1における半導体レーザ2と同様の方法で製作された半導体レーザ103のn電極(Hf/Al)上に、Mo/Pt/Auを形成する。そして、AlTiC基板のメタライズ面と、半導体レーザ103におけるn電極面を貼り合わせ、約280℃の温度で接合する。これにより、SnとAuが化合物(半田102)を形成し、両ウェハーは強固に接合される。
次に、実施の形態1と同様の方法で、記録ヘッド3および再生ヘッド4を形成する。さらに、磁気ヘッド(記録ヘッド3および再生ヘッド4)上に、ワックスを塗布し、前記AlTiC基板と同じ厚みを持つダミーAlTiC基板を加熱しながら接合する。なお、ワックスは前記磁気ヘッドの成膜温度よりも低い融点を備えることが好ましい。また、ダミーAlTiC基板は次行程で半導体レーザ端面の平坦性を得るのに有効である。
次に、実施の形態1と同様、例えば、ダイシング法および研作研磨法によりウェハーをバー状に分割する。そして、実施の形態1と同様の工程を随時行う。さらに、このようにして得られた浮上型スライダー101を昇温し、ワックスおよびダミーAlTiC基板を除去する。これにより、図19に示した半導体レーザ102が接合されてなる浮上型スライダー101が完成する。
このように、浮上型スライダー101に、半導体レーザ103が接合されてなる熱アシスト磁気記録再生方式の記録再生装置でも、実施の形態1と同様に駆動できる。
なお、浮上型スライダー101の底面に、実施の形態1と同様に、整流用の凹凸を設けてもよい。また、浮上型スライダー101の浮上高さは、実施の形態1と同様、0〜100nmであることが好ましい。また、本実施の形態にかかる記録再生装置における各部の構成は、実施の形態1に記載した各構成と同様に変更することができる。
〔実施の形態3〕 ヒートシンク
本発明の他の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、本実施の形態にかかる記録再生装置は、実施の形態1および2と同様、半導体レーザを用いた熱アシスト磁気記録再生方式の記録再生装置である。また、本実施の形態にかかる記録再生装置は、記録媒体における熱分布を解消するためのヒートシンクが備えられている以外は、実施の形態1および2と同様の構成からなる。このため、説明の便宜上、実施の形態1または2における記録再生装置と同じ部材および同じ製造方法については、実施の形態1または2と同じ符号を用い、その説明を省略する。
図20は、本実施の形態にかかる記録再生装置の主要部位を示した概略断面図である。この図に示すように、本実施の形態にかかる記録再生装置は、記録媒体7における表裏両面側に、記録媒体7と平行であって、記録媒体7と離間して設けられたヒートシンク204を備えている。なお、このヒートシンク204は、筐体(図示せず)に接続されているか、あるいは筐体を貫通して外気に接しており、記録媒体7から伝達された熱を筐体外に放熱するようになっている。
実施の形態1および2では、適当な記録媒体7、すなわち熱伝導率×層厚の総和が大きい記録媒体7を用いることで、記録媒体7の熱分布を削減している。しかしながら、熱伝導率×層厚の総和が大きい記録媒体7を用いても、若干の熱分布が存在する。そこで、本実施の形態では、記録媒体7と平行かつ離間したヒートシンク204を設けることにより、記録媒体7における熱分布を改善することが可能となっている。すなわち、ヒートシンク204によって、記録媒体7からの放熱を促進させ、記録媒体7における熱分布を低減できる。
これにより、磁気記録領域の温度が磁気記録温度T1から大きくずれてしまうといった問題を軽減することができる。すなわち、磁気記録時および磁気再生時における、記録媒体7の熱分布を低減することが可能となり、これによって、S/N比の悪化を防止できる。
なお、ヒートシンク204と記録媒体7との間隔は狭いことが好ましく、例えば5mm以下であることが好ましい。これにより、記録媒体7からヒートシンク204へ熱を直接放熱でき、より効果的な放熱を行える。特に、記録媒体7における垂直構造の熱伝導率×層厚の総和が悪い(小さい)場合には、このようなヒートシンク204を設けた構成とすることによって、記録媒体7の放熱性を高めることが有効である。
また、図20の構成では記録媒体7の表裏両面側にヒートシンク204を設けているが、これに限らず、記録媒体7の片面側にのみヒートシンク204を設けてもよい。図21は、このような構成の一例を示す、記録媒体7の上面から見た平面図である。このように、記録媒体7(ディスク)の片面側にのみ平板ヒートシンク(ヒートシンク)204を設ける構成でも、記録媒体7における熱分布を低減させることができる。
なお、図21の構成では、ヒートシンク204が、記録媒体7における片面の数十%を覆っている。ヒートシンク204が記録媒体7を覆う部分の面積をより大きくすることにより、記録媒体7からヒートシンク204への放熱を促進させることができるので好ましい。
図22は、記録媒体7と同じ寸法のガラス基板(記録媒体)の片面50%を占めるヒートシンク204をと当該ガラス基板の両面に配置し、ヒートシンク204と当該ガラス基板との距離を2mmとして行ったシミュレーションの結果を示すグラフであり、当該ガラス基板における熱分布の変化を示している。なお、シミュレーションにかかる条件は、実施の形態1に記載した、図9(a)のシミュレーションと同様である。すなわち、図22は、回転中心軸8を温度固定端とした場合の熱シミュレーション結果であり、測定点2〜7は、図9(b)に示した測定点に対応している。また、図22における計算では、浮上型スライダー1の整流用凸部11の面積を5×10‐8とし、浮上高さを50nmとしている。また、半導体レーザ2を0.5Wの駆動電力で動作させるものとしている。また、雰囲気温度は25℃としている。
図22において、四角印(□,■)はヒートシンクなしの場合を現し、四角印(◆,◇)はヒートシンクを設けた場合を表している。また、塗りつぶした印(■,◆)は測定点上の浮上型スライダー1の温度を表し、白抜きの印(□,◇)は測定点上のガラス基板の温度を表している。なお、図22におけるヒートシンクなしの場合のシミュレーション結果(□,■)は、図9(a)におけるガラス基板のシミュレーション結果(□,■)と同様のものである。
図22に示されているように、ヒートシンクを設けた場合の計算結果は、ヒートシンクなしの場合の計算結果よりも、浮上型スライダー1下部における記録媒体(ガラス基板)の温度分布が小さくなっている。また、浮上型スライダー1の位置が記録媒体の最外周となる測定点2においても、半導体レーザ2の温度が低くなっていることがわかる。
このシミュレーション結果から明らかなように、ヒートシンク204と記録媒体7の間隔を2mmとすることにより、記録媒体7および浮上型スライダー1の温度上昇を十分に抑制することができる。また、ヒートシンク204と記録媒体7の間隔が2mmの場合、ヒートシンク204と記録媒体7との接触による損傷の可能性はほとんど無く、製作も容易である。すなわち、本実施の形態にかかる記録再生装置では、製造が容易で、かつ、駆動時に損傷が生じる可能性も少ない構造によって、記録媒体7および浮上型スライダー1の温度上昇を抑制することができる。なお、ヒートシンク204と記録媒体7との間隔は、実用上問題にならない範囲で、より近づけることが好ましい。
なお、ヒートシンク204の形状は、図20および図21に示した形状に限るものではなく、適宜変更してもよい。ヒートシンク204の形状を変えることで、動作時の記録媒体7の温度分布を変えることができる。例えば、記録媒体7における内径付近において、ヒートシンク204が記録媒体7を覆う部分の面積を小さくするように、ヒートシンク204の形状を変更することにより、記録媒体7の熱分布を一様とすることができる。このように、記録媒体7における径方向の温度分布が少なくなるようにヒートシンク204の形状を設定することにより、記録媒体7上の位置にかかわらずS/N比を安定させることができる。
〔実施の形態4〕 空冷機構
本発明のさらに他の実施の形態について図に基づいて説明する。
本実施の形態にかかる記録再生装置は、筐体内部に空気の循環構造を設けることにより、記録媒体によって昇温された筐体内部の空気を冷却し、記録媒体を空冷するものである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜3における記録再生装置と同じ部材および同じ製造方法については、実施の形態1〜3と同じ符号を用い、その説明を省略する。
一般に、浮上型スライダーを設けた熱アシスト磁気記録再生方式の記録再生装置では、浮上型スライダーの浮上高さを安定させるために、筐体内部の気圧を一定に保ち、かつ気流の乱れが少なくなるように構成される。このため、筐体は気圧調整用の微小穴を除いてほぼ密閉される。なお、この気圧調整用の穴は、通常、直径3mm以下の大きさで設けられる。また、この気圧調整用の穴には、塵埃の進入防止のためのフィルターが取り付けられる。
ところが、このような形状では、筐体内部の空気(内気)は記録媒体からの発熱により記録媒体と同様に温度上昇するが、記録媒体を空冷(冷却)することが困難なため、記録媒体の温度上昇を招いてしまう。
そこで、本実施の形態にかかる記録再生装置では、筐体内部において空気を循環させるとともに、循環させた空気を冷却することにより、筐体内部の温度上昇を防止している。
図23は、本実施の形態にかかる記録再生装置の概略構成を示す平面図である。この図に示すように、本実施の形態にかかる記録再生装置は、筐体74の内部に、半導体レーザおよび磁気ヘッド等の付属デバイス(電子デバイス)を備えた浮上型スライダー1、記録媒体7、回転中心軸8、整流機構(対流機構)306、冷却機構305を備えている。
そして、回転中心軸8および記録媒体7の回転駆動によって生じる気流が、整流機構306によって気流(急流)の乱れを防止しつつ、循環経路304に沿って循環されるようになっている。
また、循環(対流)された空気(気体)の熱を、冷却機構305として筐体74に設けられた多数のピンから筐体74の外部に放散し、筐体内の空気を冷却できる。これによって、記録媒体7の放熱性を向上させることができる。なお、空気の循環経路304は、図23に示したような経路に限るものではない。例えば、記録媒体7の面に対して上部や下部を通るように、立体的に配置されてもよい。ただし、循環経路304は、対流によって浮上型スライダー1の浮上安定性を損なわないように設けることが好ましい。
また、整流機構306の構造は、特に限定されるものではない。また、本実施の形態では、冷却機構305として、筐体74に設けられた多数のピンを備えているが、冷却機構305の構成はこれに限るものではない。筐体74内の空気を適切に冷却できるものであればよく、例えば、筐体74と外気との伝熱面積を増大させる溝やフィンなどであってもよい。この場合、筐体74内の空間における熱は、対流機構306によって筐体74に対する伝熱を促進され、筐体74および筐体74に設けられた冷却機構305を介して外気に放熱される。
また、対流機構306は、上記した整流機構に限らず、ファンなどによって強制的に対流を生じさせるものであってもよい。
〔実施の形態5〕 熱分布解消駆動方法
本発明のさらに他の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜4における記録再生装置と同じ部材および同じ製造方法については、実施の形態1〜4と同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施の形態にかかる記録再生装置は、制御部10が、記録媒体7における熱分布を考慮した駆動を行うようになっている。なお、本実施の形態にかかる記録再生装置における駆動方法は、実施の形態1〜4に記載した構成からなる記録再生装置のいずれにも適用することができる。すなわち、実施の形態1〜4では、装置構成を改善することによって、記録媒体7における熱分布を削減している。これに対して、本実施の形態では、制御部10が、浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2の駆動を、記録媒体7における熱分布を低減するように制御するようになっている。なお、以下の説明では、実施の形態1にかかる記録再生装置に本実施の形態の駆動方法を適用する場合について説明する。
実施の形態1で述べたように、熱アシスト磁気記録再生方式で用いられる記録媒体7には、磁気的補償温度T2、および、磁気記録温度または磁気再生温度T1があり、通常、磁気的補償温度T2は略室温に設計される。なお、略室温とは、本実施の形態にかかる記録再生装置の動作保証をできる雰囲気温度範囲を示す。
記録媒体7が一様に作られている場合には、磁気的補償温度T2は、浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2の最大駆動電流時における記録媒体7の最大温度Tmaxを考慮する必要があり、磁気的補償温度T2はTmaxよりも高いことが望ましい。
一方、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度をT(r)とすると(rは径方向(径方向)のパラメータ)、磁気記録温度T1−T(r)は一定ではない。このため、半導体レーザ2の駆動電力が径方向に対して一定の場合、記録温度または再生温度が、記録媒体7の径方向に対して異なることになる。すなわち、径方向の位置によっては、必要以上の加熱を行ってしまう場合がある。
これに対して、本実施の形態にかかる記録再生装置では、制御部10が、同径方向の位置に応じて、半導体レーザ2の駆動電力を適宜調整するようになっている。すなわち、本実施の形態にかかる記録再生装置は、半導体レーザ2の駆動電力を適宜調整する機構を備えている。このような機構を備えることにより、径方向の位置にかかわらず、半導体レーザ2による加熱量を常に必要最小限に制御することが可能となり、必要以上の加熱を行ってしまうことを回避できる。したがって、記録時の記憶領域の温度を一定にでき、安定な記録再生を行うことができる。
ところで、同径方向の位置に応じて半導体レーザ2の駆動電力を調整するためには、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度分布を把握する必要がある。図7は、パルス駆動時の半導体レーザ2の温度変化に伴う電流‐出力(光出力特性)の変化を示している。
この図に示すように、一般に、半導体レーザ2は温度上昇と共にレーザ発振閾値が上昇することが知られている。実施の形態1にかかる記録再生装置、すなわち、図1(a)に記載した熱アシスト磁気記録再生方式による記録再生装置では、受光素子6により、半導体レーザ2における後面端面から放射される光出力の電流依存性を得ることができる。本実施の形態にかかる記録再生装置では、このように、受光素子6によって検出された光出力の電流依存性を用いて、浮上型スライダー1の温度特性を把握する。
例えば、半導体レーザ2の発振閾値(閾値)の変化で、記録媒体7における浮上型スライダー1の下部領域の温度を読み取ることができる。閾値の変化で記録媒体7における浮上型スライダー1の下部領域の温度を読み取る場合、例えば、図25に示すように、記録パルス402・402を半導体レーザ2に印加する間に、三角波からなるパルス電流(サブパルス)401を半導体レーザ2に印加し、受光素子6より得られる光出力の信号から閾値を求めてもよい。
また、図26に示すように、記録パルス402・402を半導体レーザ2に印加する間に、それぞれピーク出力の異なるパルス電流(サブパルス)403を半導体レーザ2に印可し、受光素子6より得られる光出力から閾値を求めてもよい。
あるいは、図27に示すように、記録パルス402・402を半導体レーザ2に印加する間に、定出力のパルス電流(サブパルス)404を半導体レーザ2に印可し、受光素子6より得られる光出力の変化から、図7等を参照して半導体レーザ2の温度を算出してもよい。
ところで、半導体レーザ2は、使用に伴って閾値が上昇することが知られている。本実施の形態にかかる記録再生装置では、これらの、半導体レーザ2の動作に影響する要因を分別して的確に記録媒体7の記録領域の温度が磁気記録温度T1になるように制御するようになっている。図28は、本実施の形態にかかる記録再生装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図28は、温度変化の時系列データを測定する方法を示すものであり、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度変化に影響する項目、および半導体レーザ2の記録方式に影響する項目を書き出したものである、と表現することもできる。ここで、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度変化、および半導体レーザ2の記録方式に影響する主な項目(温度変化要因)は、シークに伴う浮上型スライダー1の温度変化、雰囲気温度の変化に伴う浮上型スライダー1の温度変化、半導体レーザ2の劣化による発熱量の増加に伴う浮上型スライダー1の温度変化である。
まず、制御部10は、上記したいずれかの方法により、半導体レーザ2の閾値から浮上型スライダー1の温度を把握する(S1)。そして、把握した温度データから、浮上型スライダー1における温度の時系列データ化を行う(S2)。
次に、制御部10は、浮上型スライダー1の位置変化、すなわちシークに伴う浮上型スライダー1の温度変化を求める(S3)。シークに伴う浮上型スライダー1の温度変化を求めるには、径方向位置rにおける温度T(r)を求める必要がある。また、実際の測定される雰囲気温度変化ΔTa、および、半導体レーザ2の劣化に伴う温度変化ΔTlを分離する必要がある。
次に、制御部10は、S2で作成した時系列データから、シークに伴う温度変化を抜き取る(S4)。そして、制御部10は、S2で作成した時系列データから、シークに伴う温度変化をキャンセルして温度時系列データ化を行う(S5)。
上記した3種類の温度変化要因のうち、半導体レーザ2の劣化に伴う温度変化は、時定数が大きい。すなわち、半導体レーザ2は、時間の経過とともに概ね単調に劣化する。一方、雰囲気温度の変化は、ランダムであるが数秒のような急速な変化ではない。また、シークに伴う温度変化は変化速度が速い。また、シークに伴う温度変化は、シークの動きと調和することによる検出が可能である。
このため、シークと調和した径方向パラメータrに依存する温度分布T(r)を温度の時系列から抜き出すことにより、少なくとも数十時間以下で変化する雰囲気温度の変化および数十時間以上で変化する劣化に伴う温度変化をデータとして読み取ることが可能になる。
次に、制御部10は、雰囲気温度の変化に伴う浮上型スライダー1の温度変化を求める(S6)。そして、制御部10は、S5において作成した時系列データから、S6において求めた雰囲気温度変化による浮上型スライダー1の温度変化を抜き取る(S7)。そして、制御部10は、S7の結果をもとに、半導体レーザ2の劣化による発熱増加量を定量化する(S8)。
次に、制御部10は、S1で把握した浮上型スライダー1の温度から、S8で求めた半導体レーザ2の劣化による発熱量増加分の温度上昇を除いた温度変化を求める(S9)。
そして、制御部10は、S9で把握した温度変化に基づいて、半導体レーザ2のパワー制御を行う(S10)。なお、浮上型スライダー1を記録媒体7の径方向に移動させ、記録および再生動作を継続する場合には、移動した位置において、シークに伴う浮上型スライダー1の温度変化のみに基づいて半導体レーザ2のパワー制御を行うようにしてもよい。すなわち、S1〜S4の処理の結果に基づいて、半導体レーザのパワー制御(S10)を行うようにしてもよい。この場合でも、雰囲気温度の変化、半導体レーザ2の劣化による浮上型スライダー1の温度変化は時定数が大きいので、記録再生装置の起動時に測定した結果に基づいて駆動を行っても、適切な駆動を行うことができる。
本実施の形態にかかる記録再生装置では、シークに伴うスライダーの温度変化T(r)を、S2において作成した温度の時系列データから抜き取ることで、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度分布を的確に把握できる。このため、半導体レーザ2の温度特性を考慮して駆動することができ、記録媒体7の温度を磁気的補償温度T1に適切に制御することができる。すなわち、半導体レーザ2を、記録媒体7の径方向パラメータrに応じて、磁気記録温度T1−T(r)の温度分のみ加熱するような出射出力に駆動制御することで、S/N比を悪化させずに記録再生することができる。したがって、安定な記録再生を行うことができる。
また、本実施の形態にかかる記録再生装置の駆動方法によれば、半導体レーザ2の寿命を的確に把握することが可能になる。すなわち、半導体レーザ2の劣化による発熱増加量の時系列データより、半導体レーザ2を備えた本実施の形態にかかる記録再生装置(情報記録再生装置)の寿命が予測できる。このため、半導体レーザ2の劣化によって読み取り不能状態に陥る前に、制御部10によって記録媒体7に記録されているデータ(情報)を、自動的に他の記録媒体(情報記録媒体)に記録(バックアップ)させることも可能である。また、例えば表示部15を介して、ユーザーに劣化状況を警告(提示)するようにすることも可能である。例えば、本実施の形態にかかる記録再生装置に液晶パネルなどの表示部(図示せず)を備え、この表示部に劣化状況を表示するようにしてもよい。あるいは、音声で半導体レーザ2の劣化状況を通知するようにしてもよい。このように、半導体レーザ2の寿命を的確に把握することにより、記録再生装置におけるデータの紛失を防止することができる。
また、浮上型スライダー1に設けられた磁気ヘッド等からの発熱の影響についても、上記した方法で同様に把握できる。
また、図25、図26、図27におけるサブパルス401、403、404は、パルス幅を短く制御することが好ましく、例えば、5ns程度以下であることが望ましい。これにより、サブパルスによって記録媒体7、半導体レーザ2をほとんど加熱することなく、半導体レーザ2の温度に変換することができる。ただし、パルス幅が5ns以上であっても、本発明の効果は十分に得られる。
また、このようなサブパルスは、一つの記録領域毎に行ってもよいが、処理回路の動作軽減のために、サンプリングしておいてもよい。また、前述した時系列から予め径方向パラメータを用いて、予測される半導体レーザ2のパルス駆動時の閾値変化や光出力の変化からのズレを観測し、時系列データを修正するためにサブパルスを用いてもよい。この場合には、半導体レーザ2は時系列データから予測される記録媒体7の熱分布および半導体レーザ2の光出力に従って駆動すればよい。
また、本実施の形態にかかる記録再生装置では、浮上型スライダー1の温度を把握し、これに基づいて、半導体レーザ2の駆動電流を制御するものとしたが、これに限らず、例えば、記録媒体7の温度を求め、それに応じて半導体レーザ2の駆動電流を制御するようにしてもよい。
また、本実施の形態にかかる熱アシスト磁気記録再生方式による記録再生装置では、記録媒体7における、記録あるいは再生に必要な温度である磁気記録温度(記録温度)あるいは磁気再生温度(再生温度)をT1とし、記録媒体7における記録領域外の望ましい温度である磁気的補償温度T2とすると、半導体レーザ2を記録再生のために使用する最大駆動電力において、半導体レーザ2の駆動および浮上型スライダー1に設けられた全ての発熱源からの発熱によって昇温した記録媒体7の最大温度よりも、磁気的補償温度T2を高くすることが好ましい。すなわち、記録媒体7における磁気的補償温度T2を、記録媒体7の記録面に垂直な方向から見て、磁気ヘッドと重なる記録媒体7上の領域であって、半導体レーザ2からのレーザ光によって加熱される領域外の領域における最大温度よりも高くすることが好ましい。また、これらの望ましい温度(磁気的補償温度)T2が、当該記録再生装置を動作保証できる雰囲気温度において、上記の条件を満たすような記録媒体7を用いることが好ましい。
なお、上記したように、略室温とは、本実施の形態にかかる記録再生装置の動作保証をできる雰囲気温度範囲を示す。例えば、記録媒体7における基板の熱伝導率が高い場合には、磁気的補償温度T2は、略室温よりも数℃高く設定すればよい。また、安価なガラス基板などの熱伝導率が低い基板を記録媒体7の基板として用いる場合、例えば、100℃以下に磁気的補償温度T2を設定すればよい。また、磁性膜の素材としては、例えばTb、Fe、Coの3つの金属からなる合金を用いることができる。これらの合金からなる磁性膜は、例えばTbの含有量により磁気的補償温度T2が変化することが一般的に知られている。
また、本実施の形態にかかる記録再生装置の駆動方式では、記録媒体7の径方向を変数として半導体レーザ2の駆動電力を制御する。また、記録再生動作時の記録媒体7の温度は同径の円周方向で平均化される。このため、記録媒体7における主たる温度分布は径方向となる。また、本実施の形態にかかる記録再生装置の駆動方式では、記録あるいは再生時に、半導体レーザ2によって昇温された記録領域の温度が、記録媒体7上の位置に関わらず一定になるように、半導体レーザ2の駆動電力を制御する。これにより、熱アシスト磁気記録再生方式の記録再生装置において、記録領域の飽和磁化、保磁力を安定させることができ、良好な記録再生を実現できる。
また、本実施の形態にかかる記録再生装置は、制御部10が、半導体レーザ2にサブパルスを印加し、受光素子6より得られる光出力から閾値を求め、この閾値の変化に基づいて浮上型スライダー1の下部領域における記録媒体7の温度(記録または再生を行う各位置の温度)を読み取るようになっている。ただし、記録媒体7の径方向を変数として温度を測定する手段は、これに限るものではなく、記録媒体7における径方向の温度を適切に把握できるものであればよい。また、本実施の形態にかかる記録再生装置では、温度を測定する手段が浮上型スライダー1に設けられているが、これに限るものではない。例えば、記録媒体7の径方向を変数として温度を測定する手段は、半導体レーザ2であって、半導体レーザ2の定電流における光出力の変化で、記録媒体7における浮上型スライダー1の下部領域の温度を読み取るようにしてもよい。
このように、記録媒体7の径方向を変数として温度を把握することにより、記録媒体7における径方向の温度分布を半導体レーザ2の駆動電力へフィードバックすることが可能となり、記録領域の位置によるS/N比のばらつきを低減できる。なお、半導体レーザ2の発振閾値と温度の関係は(温特指数)T0をパラメータとして記述でき、あらかじめT0の特性を把握することで温度への変換が可能である。
また、本実施の形態にかかる記録再生装置の駆動方式では、駆動に伴って劣化した半導体レーザ2の発熱量の増加を補償して、半導体レーザ2の駆動電力を制御する。近年、欠陥密度の低減や消費電力の低減により半導体レーザは非常に長寿命化しているが、それでも使用に伴って閾値は上昇する。そして、半導体レーザの劣化に伴って半導体レーザからの発熱が増加するため、記録媒体も温度が上昇する。
これに対して、駆動に伴って劣化した半導体レーザ2の発熱量の増加を補償して、半導体レーザ2の駆動電力を制御することにより、記録再生時における記録領域の温度を一定にできる。すなわち、半導体レーザ2の光出力を半導体レーザ2からの発熱の増加分を考慮して少なくすることにより、半導体レーザ2の発熱量を低減でき、浮上型スライダー1および記録媒体7の温度上昇を低減させることができる。
なお、半導体レーザ2の劣化による発熱量の増加を考慮して、半導体レーザ2の駆動制御を行うためには、記録媒体7の温度分布と半導体レーザ2の劣化にともなう発熱の増加を分離しなければならない。このため、本実施の形態にかかる記録再生装置の駆動方法では、記録媒体7の径方向を変数として測定した、浮上型スライダー1の動作時におけるシークに伴う温度情報と、浮上型スライダー1に設けられた電子デバイスの劣化による発熱の増加にともなう記録媒体7の温度変化を切り分けて制御するようになっている。
また、記録媒体7の熱分布による駆動制御は、シークに伴う時定数により決まり、半導体レーザ2の劣化を示す時定数と大きく異なる。例えば、記録媒体7の評価点、あるいは評価径を定めて、熱アシスト磁気記録動作時のシークに伴って、データを蓄積し、蓄積されたデータの経時変化を測定することで半導体レーザ2の劣化を求めることができる。一方、雰囲気温度の変化は前記2つの時定数の間に位置するために、前記蓄積されたデータの揺らぎから雰囲気温度の変化を求めることが可能である。また、別途筐体や筐体内部の固定点に雰囲気を観測できる温度測定器を設けてもよく、この場合、蓄積されたデータから得られた雰囲気温度の補正が可能となる。なお、記録媒体7の評価点、あるいは評価径を複数設けることでフィードバックがより適切になり、S/N比を低減した熱アシスト記録再生が可能となる。
〔実施の形態6〕 補助半導体レーザによる記録媒体の温度分布解消
本発明のさらに他の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜5における記録再生装置と同じ部材および同じ製造方法については、実施の形態1〜5と同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施の形態における記録再生装置は、記録領域を加熱するために用いられる半導体レーザ2以外に、記録媒体7を加熱する機構(補助熱源)を備えたものである。
図29は、本実施の形態にかかる記録再生装置の概略構成を示す斜視図である。この図に示すように、本実施の形態にかかる記録再生装置は、サスペンション5上に、補助半導体レーザ504を備えている。また、浮上型スライダー1上に、補助半導体レーザ導引用光学系505を備えている。なお、その他の構成は、実施の形態1にかかる記録再生装置と略同様であり、浮上型スライダー1には、半導体レーザ2および磁気ヘッド(図示せず)が設けられている。
なお、本実施の形態にかかる記録媒体7における磁気的補償温度T2は、記録媒体7の全域において一様となっている。また、磁気的補償温度T2は、浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2の最大駆動電流時における、記録媒体7の最大温度Tmaxよりも高く設定されている。また、浮上型スライダー1からの熱伝導による浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度T(r)は、補助半導体レーザから供給される熱量により、ΔT=T2−T(r)とした場合に、ΔTがほぼゼロになるようになっている。ここで、rは、記録媒体7の径方向パラメータである。
図30は、本実施の形態における記録再生装置において、記録媒体7から情報を読み出す際の記録媒体7上の様子を説明するための説明図である。図30では、記録媒体7は時計方向に回転するようになっており、記録媒体7上の点が図面の右から左方向へ移動するようになっている。
半導体レーザ2からの出射光は記録媒体7上の半導体レーザスポット部(レーザスポット)510に照射される。これにより、記録媒体7上には、熱分布506が形成される。そして、この熱分布506とGMR等の再生用磁気ヘッド領域(再生ヘッド領域)507とが重なる領域において残留磁化が大きくなり、記録媒体7に記録されている情報を読み出すことができるようになっている。
しかしながら、再生ヘッド領域507の下部であって、熱分布506と重ならない領域である領域508では、残留磁化が発生するとS/N比が悪化する。このような、領域508におけるS/N比の低下を防止するためには、領域508における温度を磁気的補償点T2とすることが、残留磁化を少なくできるので好ましい。
そこで、本実施の形態にかかる記録再生装置では、補助半導体レーザ504からの出射光を、当該出射光のスポットパターン512が再生ヘッド領域507よりも大きくなるように記録媒体7に照射する。なお、補助半導体レーザ504からの出射光は、補助半導体レーザ導引用光学系505を介して、記録媒体7上へ照射されるようになっている。この補助半導体レーザ504からの光照射により、記録媒体7上の領域513が加熱される。
なお、補助半導体レーザ504の出力は、上記したように、ΔT=T2−T(r)=0となるように、制御部10によって調整される。このように、記録媒体7を補助半導体レーザ504によって適当な光出力で照射することで、記録媒体7における領域508の温度を磁気的補償温度T2とすることができる。
これにより、半導体レーザ2を用いた熱アシスト磁気記録再生方式による記録再生装置において、記録媒体7の径方向に関わらずS/N比を大きくすることができる。なお、このような補助半導体レーザ504による照射スポット(スポットパターン512)は、図30に示すように、記録媒体7における記録スポットよりも上流にあるとよく、浮上型スライダー1の最上流部509よりも半導体レーザスポット部510に近いことが好ましい。なお、図30における領域514は、浮上型スライダー1からの熱によって加熱された、記録媒体7上の領域である。また、符号511で示した部分は、記録媒体7におけるマークパターンである。
ところで、浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2の記録媒体7への熱伝導経路は、浮上型スライダー1の底面を通る。このため、浮上型スライダー1下部における記録媒体7の温度が低いほど、浮上型スライダー1の温度が下がる。このため、補助半導体レーザ504を備える構成では、例えば、浮上型スライダー1を図31(a)および図31(b)に示すような構成としてもよい。なお、図31(a)は補助半導体レーザ504を備える場合の構成例を示す断面図であり、図31(b)はこの場合の平面図である。図31(a)および図31(b)では、記録媒体7が左から右方向へ移動(進行)するようになっている。
これらの図に示すように、記録媒体7上における浮上型スライダー1の下部の領域であって、補助半導体レーザ504によるスポットパターン512よりも記録媒体の進行方向上流側の領域である領域515、あるいは、補助半導体レーザ504の出射光が照射されない領域(図示せず)では、記録媒体7の温度は補助半導体レーザ504の出射光によってほとんど上昇されない。このように、記録媒体7の温度が低い領域を確保することで、浮上型スライダー1および浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2の温度を低くすることができる。
なお、浮上型スライダー1における、スポットパターン512直上の部分である領域516は、図31(a)に示すように、領域516における表面と記録媒体7との間隔が大きくなるように掘りこまれてあるとよい。これにより、記録媒体7上のスポットパターン512からの熱が、浮上型スライダー1へ流入することを防止できる。なお、領域516における掘り込み深さは、少なくとも0.5μm以上であることが望ましい。なお、図31(a)において、符号517で示した部分は、補助半導体レーザ504によるレーザ光を示している。また、図31(b)における領域519は、浮上型スライダー1からの熱により加熱された記録媒体7上の領域を表している。
なお、補助熱源は、補助半導体レーザ504に限るものではない。例えば、図32(a)および図32(b)に示すように、浮上型スライダー1に熱源520を設けてもよい。なお、図32(a)は、浮上型スライダー1に熱源520を備えた場合の記録媒体7および浮上型スライダー1の概略断面図である。また、図32(b)は浮上型スライダー1に熱源520を備えた場合の記録媒体7および浮上型スライダー1の概略平面図である。
ただし、浮上型スライダー1に熱源520を備える場合、熱源520によって浮上型スライダー1が加熱されないように、熱源520と浮上型スライダー1との間に、熱伝導率が低い熱遮断層521を設けることが好ましい。
以上のように、本実施の形態にかかる記録再生装置は、記録再生に用いられる半導体レーザ2とは異なる、記録媒体を加熱できる補助熱源を設け、この補助熱源によって半導体レーザ2により昇温された記録領域の周辺をほぼ磁気的補償温度T2まで昇温する。これにより、記録領域の周辺の記録領域外の領域を磁気的補償温度T2にしておくことができ、この領域における残留磁化をほぼゼロとすることができるので、S/N比を良くすることができる。
なお、上記したように、補助熱源は、補助半導体レーザであってもよく、それ以外の構成であってもよい。また、補助熱源は、浮上型スライダー1に搭載されるものであってもよく、浮上型スライダー1とは異なる位置に備えられていてもよい。また、補助熱源による記録媒体7の昇温は、半導体レーザ2による記録領域の昇温より先になされることが望ましい。
マイクロディスク702内にはウィスパリングギャラリーモードという円状のディスクの境界での全反射を基本にするモードが発生する。該モードではマイクロディスク周辺にエバネッセント光を発生することが知られている。該エバネッセント光は前述の記載同様に波長程度で指数関数的に減少する電磁場であって、本明細書のように該マイクロディスクの最下点(すなわちスライダーの底面)と記録媒体の距離が100nm以下の場合、該エバネッセント光によりマイクロディスクに生じているモードが記録媒体に光トンネリングすると考えられる。このため、この光により記録媒体を加熱することにより、熱アシスト磁気記録が可能である。
一方、該マイクロディスクの最下点付近に金属微粒子を配置したり、該最下点付近においてマイクロディスクの円周率の不連続点を設けたりしてもよい。金属微粒子を設ける構造では、該エバネッセント光により金属微粒子の局在プラズモンが励起され、該局在プラズモンにより高強度の近接場が期待される。円周率の不連続点を設ける構造では、前記モードが該不連続点で散乱されやすいため、該光トンネリングの効率が向上すると考えられる。
また、補助半導体レーザ504を設ける場合、補助半導体レーザ504の発振波長は、浮上型スライダー1に対して透明であることが好ましい。また、補助半導体レーザ504は浮上型スライダー1に接触しておらず、補助半導体レーザ504からの出射光は、浮上型スライダー1を透過して記録媒体7に入射することが好ましい。これにより、補助半導体レーザ504からのレーザ光によって、浮上型スライダー1が昇温されることを防止できる。また、浮上型スライダー1に、補助半導体レーザ504のスポット形状を変更できる機構を備えるようにしてもよい。
例えば、浮上型スライダー1が、Gaを主に含有する窒化物半導体からなる場合、補助半導体レーザ504の発振波長は、380nm以上の波長であることが好ましい。また、600nm以上の波長を用いることが、Gaを主に含有する窒化物半導体の深い不純物準位による吸収を防げるので、さらに好ましい。また、このような補助半導体レーザ504は、浮上型スライダー1に接続されたサスペンション5と連結された、レーザ光引き込み方式を採用することが、補助半導体レーザ504からのレーザ光のアライメントが容易になるので好ましい。
ところで、補助半導体レーザ504により昇温した記録媒体7から浮上型スライダー1への熱移動を削減するためには、補助半導体レーザ504による記録媒体7上のレーザスポット上にある浮上型スライダー1の下面を掘り込むとよい。これにより、記録媒体7と掘り込まれた浮上型スライダー1の下面との熱抵抗が高くなり、補助半導体レーザ504により昇温した記録媒体7から浮上型スライダー1への熱移動を減少させることができる。
また、記録領域外の温度分布を減らすためには、浮上型スライダー1に補助半導体レーザ504のスポット形状を変更できる機構を備えるとよい。例えば、スポット中心のみ透過率が高く、それ以外が反射するような高反射膜を設けることで、補助半導体レーザによる記録媒体上のスポット内強度を単一に近づけることができる。
また、浮上型スライダー1からの発熱(伝熱)による記録媒体7の温度分布を考慮して、記録領域周辺の温度が、記録媒体7の最大温度よりも高く設定された磁気的補償温度T2になるように、あらかじめ記録領域外(記録領域を含んでもよい)を昇温することにより、記録領域外のノイズを抑制し、再生時のS/N比を向上させることができる。
ところで、上記各実施の形態では、端面発光型であってリッジストライプ構造の半導体レーザ2を用いているが、これに限るものではない。例えば、図33のように、出射面近傍でリッジ形状が変化した半導体レーザを用いてもよい。
図33に示した半導体レーザは、窒化物半導体からなるリッジ602、その上に設けられたp電極603、SiOなど低屈折率からなる領域601を備え、出射端面604から光を出射するようになっている。なお、磁気記録ヘッドあるいは磁気再生ヘッドは領域601上に設けることができる。これにより、領域601には電流注入が行えないため内部損失が増加するが、出射面でのNFP(ニアフィールドパターン)が垂直方向に圧縮されるので、レーザスポットと磁気記録ヘッドあるいは磁気再生ヘッドの間隔を狭くし、熱アシスト磁気記録再生方式の効率を高めることができる。
また、例えば図34に示すようなマイクロディスク形状の半導体レーザを用いてもよい。図34の構成では浮上型スライダー1に、マイクロディスク702、磁気ヘッド703が備えられている。
マイクロディスクからなる半導体レーザは、一般に、放射損失が低いため、Q値の高い共振器が形成される。上記したように、浮上型スライダー1は記録媒体7から100nm以下の高さで動作するため、マイクロディスク702から記録媒体7への光トンネリングが生じ、熱アシスト磁気記録再生を行える。なお、マイクロディスク702は、記録媒体7への散乱を増加するため、例えば図37に示すようにマイクロディスク702の欠け部分(曲率の異なる面)703を備えるようにしてもよい。また、図38に示すように、マイクロディスク703の表面に金属微粒子704を備えるようにしてもよい。
また、マイクロディスクからなる半導体レーザを用いる場合、図35に示すような構成としてもよい。図35は、半導体レーザを斜め上から見た斜視図である。この図に示すように、端面発光型のストライプ導波路(ファブリペロー型共振器構造)802、円柱導波路803を組み合わせることにより、活性層806で生成された誘導放出光の一部が円柱導波路803内に導かれ、円柱導波路803におけるウィスパリングギャラリーモードと結合する。半導体レーザの端面807を底面とするように、この半導体レーザを浮上型スライダー1と一体として形成することによって、あるいは浮上型スライダー1に接合することによって、円柱導波路803の一部を記録媒体7へ近接させることができる。これにより、図34の構成におけるマイクロディスクと同様に、円柱導波路803から記録媒体7への光トンネリングが生じ、熱アシスト磁気記録再生を行える。
なお、図35の構成では、ストライプ導波路802の端面に高反射膜804を備えている。これにより、ストライプ導波路802から記録媒体7への光出力の流出を防止できる。また、円柱導波路803は、記録媒体への散乱を増加するため、図37および図38と同様、金属微粒子や曲率の異なる面を備えるようにしてもよい。また、磁気ヘッド805は、図35に示した配置に限るものではなく、記録媒体の加熱領域を考慮して適切な位置に設けるとよい。
また、図35の構成では、ストライプ導波路802および円柱導波路803の双方に活性層が設けられているが、円柱導波路803はパッシブであってもよい。また、高反射膜804は誘電体を複数備えたものであっても、金属あるいは金属と誘電体の複合膜であってもよい。
ところで、円柱導波路803は中心部をくり抜いた、あるいは中心部を円柱導波路803の屈折率よりも低い屈折率を持つ材料で満たした、リング型共振器としてもよく、この場合にも同様の効果を得られる。図36は、このような構成の半導体レーザの一例を示す斜視図である。
この図に示す半導体レーザは、端面発光型のストライプ導波路(ファブリペロー型共振器構造)902、リング導波路903を組み合わせることにより、活性層906から生成した誘導放出光の一部はリング導波路903内に導かれ、リング導波路903におけるウィスパリングギャラリーモードと結合する。なお、リング導波路903の中心部、すなわち、くり抜いた部分、あるいは中心部を円柱導波路の屈折率よりも低い屈折率を持つ材料で満たした領域は、図36において符号908で示している。
半導体レーザの端面907を底面とするように、半導体レーザを浮上型スライダー1と一体として形成することにより、あるいは浮上型スライダー1に接合することにより、リング導波路903の一部を記録媒体7へ近接させることができる。これにより、図35や図36におけるマイクロディスクと同様に、リング導波路903から記録媒体7への光トンネリングが生じ、熱アシスト磁気記録再生を行える。
なお、図36の構成では、ストライプ導波路902の端面に高反射膜904を備えている。これにより、ストライプ導波路902から記録媒体7への光出力の流出を防止できる。また、リング導波路903は記録媒体7への散乱を増加するため、図37および図38と同様、金属微粒子や曲率の異なる面を備えるようにしてもよい。また、磁気ヘッド905は、図36に示した配置に限るものではなく、記録媒体の加熱領域を考慮して適切な位置に設けるとよい。
また、図36の構成では、ストライプ導波路902およびリング導波路903の双方に活性層が設けられているが、リング導波路903はパッシブであってもよい。また、高反射膜904は誘電体を複数備えたものであっても、金属あるいは金属と誘電体の複合膜であってもよい。
なお、上記各実施の形態における記録再生装置において、浮上型スライダー1が非動作時に動作時の浮上位置から上昇する機構を備えるようにしてもよい。この場合には、半導体レーザ2を設けた浮上型スライダー1が動作時の浮上高さにある場合にのみ半導体レーザ2を駆動することが好ましい。半導体レーザ2からの発熱は、記録媒体7を介して放熱されるので、浮上型スライダー1が非動作位置にある場合には、半導体レーザ2からの放熱特性が悪化する。このため、浮上型スライダー1が非動作位置にある場合には、半導体レーザ2を駆動しないことが望ましい。また、駆動する場合でも、10%以下のデューティー比をもつパルス駆動や、10mA以下の低電流による駆動とすることが好ましい。
また、非動作時から動作時への移行において、動作時の浮上位置に移動する際に、あらかじめ浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2などの電子デバイスに、微量電流を流して予備加熱してもよい。動作時の浮上位置にある浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2は、駆動後に温度安定化に時間を要し、その間の熱アシスト磁気記録再生はS/N比の悪化を伴う。このため、温度安定化するまで一定時間記録再生を待つような駆動方式としてもよいが、浮上型スライダー1が非動作時に動作時の浮上位置から上昇する機構を備え、非動作時から動作時への移行において、動作時の浮上位置に移動する際に、熱アシスト磁気記録再生動作時の半導体レーザ2の温度になるように、浮上型スライダー1に設けられた半導体レーザ2などの電子デバイスに微量電流を流して予備加熱することで、アクセス時間を低減できる。この結果、半導体レーザ2などの電子デバイスからの発熱量を低減させることができ、浮上型スライダー1および記録媒体7の温度上昇を低減できる。
また、上記各実施の形態における記録再生装置では、全ての処理を制御部10の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部10に代えて用いるようにしてもよい。すなわち、制御部10の機能および各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピューターが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、上記各実施の形態における記録再生装置の制御部10の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピューター上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。なお、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
このような記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであっても良いし、また、図示しない外部記憶装置としてプログラム読み取り装置を設け、そこに記録媒体を挿入することによって読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、記録再生装置に装着されているものであってもよく、あるいは、記録再生装置と分離可能に構成される記録媒体であってもよい。このような記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等を適用できる。また、熱アシスト磁気記録再生方式の記録媒体であってもよい。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であってもよく、この場合、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であってもよい。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
なお、本発明は、記録媒体を浮上型スライダーに設けられた半導体レーザおよび電子デバイスのヒートシンクとして用いるものである、と表現することもできる。また、本発明は、浮上型スライダーからの熱を、記録媒体へ十分に放熱させるとともに、上記記録媒体の温度上昇を考慮した上記半導体レーザの駆動方法、および、熱アシスト磁気記録再生方式による記録再生装置を提供するものである、と表現することもできる。
また、本発明は、記録媒体における径方向の熱伝導率を適切にし、記録媒体から筐体外部への放熱機構を設けたものである、と表現することもできる。また、本発明は、記録媒体の径方向の熱分布を補償する駆動方法を提供するものであり、この駆動方法を上記した各構成と併用することが望ましい。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、半導体レーザを用いて、熱アシスト磁気記録再生方式で情報の記録および再生を行う、記録再生装置に適用することができる。
(a)は本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置の構造を示す断面図であり、(b)は本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における浮上型スライダーを底面側から見た平面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における浮上型スライダーの概略構成図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における半導体レーザの平面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における受光素子の配置例を示す概略構成図である。 (a)は本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置に備えられる浮上型スライダーにおける、リッジの配置例を示す平面図であり、(b)は本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置に備えられる浮上型スライダーにおける、リッジの他の配置例を示す平面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における半導体レーザを、パルス電流により駆動した場合の、I(電流)−L(光出力)特性を示すグラフである。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における記録媒体の構造を示す断面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における記録媒体7、およびAl基板、およびガラス基板についての熱シミュレーション結果を示すグラフである。(b)は、(a)のシミュレーションにおける測定点を示す平面図である。(c)は、半導体レーザ2の温度と、記録媒体7の熱伝導率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置における記録媒体の温度特性を示すグラフである。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸に放熱機構を設けた場合の構成例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸に放熱機構を設けた場合の他の構成例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸の上下に放熱機構を設ける場合の構成例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸の内部に当該回転中心軸を駆動するためのモーターを備える場合の構成例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸の外部に当該回転中心軸を駆動するためのモーターを備える場合の構成例(放熱機構例)を示す断面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸が、当該回転中心軸を駆動するモーターのケースを兼ねる構成の一例(放熱機構例)を示す断面図である。(b)は、本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸が、当該回転中心軸を駆動するモーターのモーター軸を兼ねる構成の一例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸における少なくとも一方の端部が、筐体の外部に突き出して外気76と接触する構成の一例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置において、回転中心軸の端部が流体軸受けによって支持されている構成の一例(放熱機構例)を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる記録再生装置における、浮上型スライダーおよび半導体レーザの平面図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、ヒートシンク(放熱機構)部位の構成例を示す概略断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、ヒートシンク(放熱機構)の他の構成例を示す概略断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置、すなわちヒートシンク(放熱機構)を備えた構成、および、ヒートシンクを備えない構成における、温度上昇のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置、すなわち筺体内に対流機構(放熱機構)を設け、筺体に冷却機構(放熱機構)を設けた構成の一例を示す平面図である。 本発明の一実施の形態にかかる記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、半導体レーザの駆動電流波形の一例を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、半導体レーザの駆動電流波形の他の例を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、半導体レーザの駆動電流波形のさらに他の例を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置における、動作の流れを示すフローチャートである。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置において、記録媒体から情報を読み出す際の動作を説明するための説明図である。 (a)は本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置、すなわち補助熱源を備えた構成の一例を示す断面図であり、(b)は(a)に示した構成の平面図である。 (a)は本発明のさらに他の実施の形態にかかる記録再生装置、すなわち補助熱源を備えた構成の他の一例を示す断面図であり、(b)は(a)に示した構成の平面図である。 本発明の記録再生装置に備えられる半導体レーザの構成例を示す断面図である。 本発明の記録再生装置に備えられる半導体レーザの他の構成例を示す断面図である。 本発明の記録再生装置に備えられる半導体レーザのさらに他の構成例を示す断面図である。 本発明の記録再生装置に備えられる半導体レーザのさらに他の構成例を示す断面図である。 図34に示した半導体レーザにおいて、マイクロディスクの一部に欠け部分を備える場合の構成を示す概略断面図である。 図34に示した半導体レーザにおいて、マイクロディスクの一部に金属微粒子を備える場合の構成を示す概略断面図である。 本発明の記録再生装置に備えられる浮上機構の構成例を示す要部断面図である。 本発明の記録再生装置の構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の記録再生装置における動作の一例を示したフローチャートである。 (a)〜(c)は、本発明の記録再生装置における動作の他の例を示したフローチャートである。
符号の説明
1、101 浮上型スライダー
2、102 半導体レーザ
3 記録ヘッド(磁気ヘッド)
4 再生ヘッド(磁気ヘッド)
5 サスペンション
6 受光素子
7 記録媒体
8、72 回転中心軸(放熱機構)
11 整流用凸部(放熱機構)
12 整流用凹部(放熱機構)
13 近接場光発生機構
62 第2のヒートシンク層(放熱機構)
65 第1のヒートシンク層(放熱機構)
73 中空部位(放熱機構)
74 筺体
77 整流機構(放熱機構)
85 ヒートシンク部位(放熱機構)
86 流体軸受け(放熱機構)
204 ヒートシンク(放熱機構)
305 冷却機構(放熱機構)
306 対流機構(整流機構、放熱機構)
504 補助半導体レーザ(補助熱源)
505 半導体レーザ導引用光学系
520 熱源(補助熱源)
T1 磁気再生温度または磁気記録温度
T2 磁気的補償温度
1000 支柱
1002 駆動軸ツバ部
1003 駆動軸
1004 支柱鉤部
1005 浮上機構
1010 浮上部
1015 検出部

Claims (61)

  1. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、
    上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構を備えていることを特徴とする記録再生装置。
  2. 上記浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記記録媒体と上記浮上型スライダー間に生じる気流を整流するための凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記凸部の面積が、3.5×10‐8以上であることを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 上記浮上型スライダーは、上記半導体レーザにおける基板を加工したものであり、
    当該浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面における微小領域の面積をdsとし、上記微小領域と上記記録媒体との距離をL(s)とし、上記対向面における全面積をSとすると、
    Figure 2005317178
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  5. 上記半導体レーザは、上記浮上型スライダーに半田で接合されており、
    当該浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面における微小領域の面積をdsとし、上記微小領域と上記記録媒体との距離をL(s)とし、上記対向面における全面積をSとすると、
    Figure 2005317178
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  6. 上記記録媒体を回転駆動させるための、上記記録媒体と熱的に接触している回転中心軸を備え、
    上記回転中心軸に、上記記録媒体から伝熱された熱を当該記録再生装置の筐体外へ放熱させるための放熱機構が備えられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  7. 上記回転中心軸は、中空部位を備えた筒状の構造であり、
    上記中空部位が、当該記録再生装置の筐体外の外気に対して開放されていることを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置。
  8. 上記筒状の構造からなる回転中心軸の内面に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記中空部位における気流を整流するための整流機構が備えられていることを特徴とする請求項7に記載の記録再生装置。
  9. 上記中空部位内、または、上記中空部位の上記外気に対する開口部に、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、上記中空部位における気流を整流するための整流機構が備えられていることを特徴とする請求項7または8に記載の記録再生装置。
  10. 上記回転中心軸は、上記筐体に流体軸受けによって回転可能に支持されており、
    上記流体軸受けが、上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を上記筺体外へ放熱させるための放熱機構として機能することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  11. 上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、
    上記記録媒体に対して略平行に備えられ、上記筐体に熱的に接続されるか、あるいは一部が上記筐体外に突き出したヒートシンクを備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  12. 上記記録媒体と、上記記録媒体に対して略平行に備えられた上記ヒートシンクとの間隔が、5mm以下であることを特徴とする請求項11に記載の情報記録装置。
  13. 上記ヒートシンクは、
    上記記録媒体における温度分布が少なくなるような形状で設けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の記録再生装置。
  14. 上記浮上型スライダーにおいて発生した熱を、当該記録再生装置の筺体外へ放熱させるための放熱機構として、
    当該筐体内の空間に対流を生じさせる対流機構と、当該筐体内の空間における熱を当該筐体外に放散させる冷却機構とを備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  15. 上記筐体には気圧調整用の微小穴が設けられており、かつ、上記筐体における上記微小穴以外の部分では、筐体内の空間と筐体外の外気とが遮蔽されていることを特徴とする請求項14に記載の記録再生装置。
  16. 上記浮上型スライダーには記録媒体に対して情報の記録および再生を行うための磁気ヘッドが設けられており、
    上記記録媒体の記録面に垂直な方向から見て、上記磁気ヘッドと重なる当該記録媒体上の領域であって、上記半導体レーザからのレーザ光によって加熱される領域外の領域を、 磁気的補償温度に加熱するための補助熱源を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  17. 上記補助熱源は補助半導体レーザからなり、
    当該補助半導体レーザのレーザ光は、上記浮上型スライダーを透過して上記記録媒体に照射されることを特徴とする請求項16に記載の記録再生装置。
  18. 上記浮上スライダーに、上記補助半導体レーザのレーザ光の、上記記録媒体上におけるスポット形状を変更する手段が備えられていることを特徴とする請求項17に記載の記録再生装置。
  19. 上記浮上型スライダーにおける上記記録媒体との対向面のうち、
    上記補助半導体レーザから出射されたレーザ光の上記記録媒体上におけるスポット領域に対向する部分と上記記録媒体との間隔が、
    上記対向面における他の部分と上記記録媒体との間隔よりも離れていることを特徴とする請求項17または18に記載の記録再生装置。
  20. 上記補助熱源が、上記浮上型スライダーに、熱遮蔽層を介して備えられていることを特徴とする請求項16に記載の記録再生装置。
  21. 上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  22. 上記半導体レーザは、発光層にGaとInを主に含有する窒化物半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  23. 上記半導体レーザは、基板にGaを主に含有する窒化物半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  24. 上記半導体レーザは、端面発振型の半導体レーザであって、当該端面に金属を含む膜が設けられており、
    上記金属を含む膜に、当該半導体レーザのニアフィールドパターンよりも小さい微小開口が設けられていることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  25. 上記半導体レ−ザは、端面発振型の半導体レーザであって、当該端面に高反射膜を備えていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  26. 上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造とリング型導波路との複合構造であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  27. 上記半導体レーザは、ファブリペロー型共振器構造と円柱型導波路との複合構造であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  28. 上記半導体レーザは、マイクロディスク型共振器からなることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  29. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、
    上記浮上型スライダーを、記録または再生時の浮上位置よりもさらに上昇させる機構を備え、
    上記浮上型スライダーが、記録または再生時の浮上位置にある場合のみ、半導体レーザに電流が注入されることを特徴とする記録再生装置。
  30. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、
    上記記録媒体における、記録または再生を行う位置に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御する制御部を備えることを特徴とする記録再生装置。
  31. 上記制御部は、
    上記記録媒体における、記録または再生のために上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、
    上記記録媒体における位置に関わらず一定になるように、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項30に記載の記録再生装置。
  32. 上記記録媒体上における、記録または再生を行う各位置について、温度を測定する手段を備えていることを特徴とする請求項31に記載の記録再生装置。
  33. 上記半導体レーザの記録および再生時の駆動電流はパルス電流からなり、
    上記駆動電流とは異なるパルス電流を上記半導体レーザに注入することによって、上記記録媒体における温度の測定を行うことを特徴とする請求項32に記載の記録再生装置。
  34. 上記制御部は、
    上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う、上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項30〜33のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  35. 上記制御部は、
    雰囲気温度の変化に伴う上記記録媒体の温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項30〜34のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  36. 上記制御部は、
    上記半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償して、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項30〜35のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  37. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、
    浮上型スライダーの温度を把握するとともに、把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成し、
    上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、
    上記発熱量増加の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行う、制御部を備えていることを特徴とする記録再生装置。
  38. 上記制御部は、
    上記半導体レーザが読み取り不能状態に陥る前に、上記記録媒体に記録されている情報を、他の記録媒体に自動的に記録することを特徴とする請求項37に記載の記録再生装置。
  39. 上記制御部は、
    上記半導体レーザの劣化状況を、ユーザーに提示することを特徴とする請求項37または38に記載の記録再生装置。
  40. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置であって、
    上記浮上型スライダーを、記録または再生時における浮上位置よりも上昇させる機構を備え、
    記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、
    当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱するように制御する制御部を備えることを特徴とする記録再生装置。
  41. 熱アシスト磁気記録再生方式によって記録または再生される記録媒体であって、
    基板を含む複数の層からなり、上記各層における熱伝導率と層厚との積の総和が、5×10‐3W/℃以上であることを特徴とする記載の記録媒体。
  42. 上記各層における熱伝導率と層厚との積の総和が、20×10‐3W/℃以上であることを特徴とする請求項41に記載の記録媒体。
  43. ガラス基板と記録層とヒートシンク層とを含む複数の層からなり、
    上記ヒートシンク層における熱伝導率と層厚との積が、上記ガラス基板における熱伝導率と層厚との積よりも大きいことを特徴とする請求項41または42に記載の記録媒体。
  44. 上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板と上記記録層との間に設けられていることを特徴とする請求項43に記載の記録媒体。
  45. 上記記録層と上記ヒートシンク層との間に、熱伝導率が上記ヒートシンク層よりも低い熱障壁層が設けられていることを特徴とする請求項44に記載の記録媒体。
  46. 上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板に対して、上記記録層が備えられている側とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項45に記載の記録媒体。
  47. ガラス基板と2層の記録層とヒートシンク層とを含む複数の層からなり、
    上記ヒートシンク層は、上記ガラス基板と一方の記録層との間に設けられるとともに、上記ヒートシンク層と上記一方のガラス基板との間に、熱伝導率が上記ヒートシンク層よりも低い熱障壁層が設けられ、
    他方の記録層は、上記ガラス基板に対して、上記一方の記録層が設けられている側とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項43に記載の記録媒体。
  48. 上記ヒートシンク層は、熱伝導率が100W/m/℃以上であり、かつ、層厚が10μm以上であることを特徴とする請求項43〜47のいずれか1項に記載の記録媒体。
  49. 上記ヒートシンク層は、Al、Ag、Au、Cuのいずれかを含有することを特徴とする請求項43〜48に記載の記録媒体。
  50. Alまたはサファイアからなる基板を含む複数の層からなることを特徴とする請求項41に記載の記録媒体。
  51. 半導体レーザおよび磁気ヘッドを用いて熱アシスト磁気記録再生方式で記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置によって記録または再生される記録媒体であって、
    磁気的補償温度が、
    当該記録媒体に対する記録または再生を行うために、上記半導体レーザを最大駆動電力で駆動した場合の、
    当該記録媒体の記録面に垂直な方向から見て、上記磁気ヘッドと重なる当該記録媒体上の領域であって、上記半導体レーザからのレーザ光によって加熱される領域外の領域における最大温度よりも高く設定されていることを特徴とする請求項41に記載の記録媒体。
  52. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置の駆動方法であって、
    記録または再生を行う位置における、上記浮上型スライダーの温度を把握するステップを含み、
    上記記録媒体における、上記半導体レーザのレーザ光が照射される領域の温度が、上記記録媒体上の位置に関わらず一定になるように、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする記録再生装置の駆動方法。
  53. 上記浮上型スライダーにおける動作時のシークに伴う温度変化を把握するステップを含み、
    上記動作時のシークに伴う温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項52に記載の記録再生装置の駆動方法。
  54. 雰囲気温度の変化に伴う上記浮上型スライダーの温度変化を把握するステップを含み、
    上記雰囲気温度の変化に伴う温度変化に応じて、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項52または53に記載の記録再生装置の駆動方法。
  55. 上記浮上型スライダーに設けられた半導体レーザの劣化による発熱の増加に伴う、上記浮上型スライダーの温度変化を把握するステップを含み、
    上記半導体レーザの劣化による発熱量の増加を補償して、上記半導体レーザの駆動電力を制御することを特徴とする請求項52〜54のいずれか1項に記載の記録再生装置の駆動方法。
  56. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーと、上記浮上型スライダーを、記録媒体に対して記録または再生する際における浮上位置よりも上昇させる機構とを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって上記記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置記録再生装置の駆動方法であって、
    記録または再生のために、上記浮上型スライダーを上記浮上位置に移動させる際に、
    当該浮上型スライダーに設けられた電子デバイスに、微量電流をあらかじめ流して予備加熱することを特徴とする記録再生装置の駆動方法。
  57. 半導体レーザが設けられた浮上型スライダーを備え、熱アシスト磁気記録再生方式によって記録媒体に記録および再生を行う記録再生装置において上記半導体レーザの寿命予測方法であって、
    浮上型スライダーの温度を把握するステップと、
    把握した温度データから浮上型スライダーにおける温度の時系列データを作成するステップと、
    上記作成した時系列データから、浮上型スライダーにおける動作時のシークおよび雰囲気温度の変化に伴う温度変化を抜き取ることによって、上記半導体レーザの劣化による発熱量増加の時系列データを作成し、
    上記発熱増加量の時系列データに基づいて上記半導体レーザの寿命予測を行うことを特徴とする半導体レーザの寿命予測方法。
  58. 記録再生装置に備えられたコンピューターを、請求項30〜40のいずれか1項に記載の制御部として機能させるためのプログラム。
  59. 請求項58に記載のプログラムを記録した、プログラム記録媒体。
  60. 誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生するリング型導波路との複合構造からなることを特徴とする半導体レーザ。
  61. 誘導放出光を生成するファブリペロー型共振器構造と、ウィスパリングギャラリーモードを発生する円柱型導波路との複合構造からなることを特徴とする半導体レーザ。
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