以下に添付図面を参照して、印刷制御装置、印刷制御方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の印刷制御システム100について説明する。本実施形態の説明では、有色色材を有色トナー、透明色材をクリアトナーとして説明する。しかしながら、色材は、トナーに限られず任意の色材でもよい。例えば、色材はインクでもよい。
まず、本実施形態に係る印刷制御システム100の構成について説明する。図1は、第1実施形態の印刷制御システム100の構成の一例を示す図である。本実施形態の印刷制御システム100は、ホスト装置10と、印刷制御装置(DFE:Digital Front End)50(以下、「DFE50」という。)と、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Contoroller)60(以下、「MIC60」という。)と、プリンタ70とを備える。
ホスト装置10は、DFE50と接続されている。ホスト装置10とDFE50とを、有線又は無線のネットワークを介して接続してもよい。ホスト装置10は、予めインストールされたアプリケーションにより、PDL(Page Description Language)などの言語で記述された印刷データ(原稿データ)を作成する。ホスト装置10は、印刷データをDFE50に送信する。ホスト装置10は、例えばPC(Personal Computer)等である。ホスト装置10の詳細は図6を参照して後述する。
DFE50は、MIC60を介してプリンタ70と通信する。まずDFE50は、印刷データをホスト装置10から受信する。DFE50は、PDLなどの言語で記述された印刷データを、プリンタ70が印刷可能な形式で描画された有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データに変換する。有色トナー画像データは、画像の各画素の濃度値により有色トナーの記録量を表す。クリアトナー画像データは、画像の各画素の濃度値によりクリアトナーの記録量を表す。DFE50は、MIC60を介して有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データをプリンタ70に送信する。これにより、DFE50は、プリンタ70による画像の形成を制御する。DFE50の詳細は図14を参照して後述する。
プリンタ70は、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データをMIC60を介してDFE50から受信する。プリンタ70は、カートリッジ、作像ユニット、露光器及び定着機を備える。作像ユニットは、感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを備える。カートリッジは、各トナー(有色トナー及びクリアトナー)を収容する。本実施形態では、有色トナーはCMYK各色の有色トナーである。クリアトナーは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。なお、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ70は、MIC60を介してDFE50から受信した有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データに応じた画像を、転写紙等の記録媒体上に形成する。具体的には、プリンタ70は、帯電器により感光体を帯電させ、露光器から光ビームを照射して各トナー像を各感光体上に形成する。プリンタ70は、各感光体上に形成された各トナー像を記録媒体に重ね合わせながら転写し、当該記録媒体を定着機によって所定の範囲内の温度(通常温度)で加熱及び加圧して、当該記録媒体に各トナー像を定着させる。これにより、プリンタ70は記録媒体上に画像を形成する。このようなプリンタ70の構成については周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
ここで、DFE50が、ホスト装置10から受信する印刷データ(原稿データ)について説明する。ホスト装置10は、予めインストールされた画像処理アプリケーション(後述する画像処理部212、版データ生成部214、印刷データ生成部215等)により印刷データを生成し、当該印刷データをDFE50に送信する。画像処理アプリケーションは、RGB版やCMYK版等の各色版における各色の濃度の値(濃度値という)を画素毎に規定した画像データだけでなく、特色版の画像データを取り扱うことが可能である。特色版の画像データは、CMYKやRGB等の基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを付着させるための画像データであり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けのデータである。なお、色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーに、特色としてRを追加することや、RGBの基本カラーに、特色としてYを追加することもある。通常、クリアトナーも特色の1つとして取り扱われていた。
本実施形態の印刷制御システム100では、この特色としてのクリアトナーを、転写紙に付与する視覚的、又は触覚的な効果である表面効果を形成するため、並びに、転写紙に、上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を形成するために用いる。
このため、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、入力された画像データから、有色版の画像データの他、特色版の画像データ(光沢制御版の画像データ又はクリア版の画像データの少なくとも一方)をユーザの指定により生成する。ホスト装置10は、有色版の画像データを含み、必要に応じて特色版の画像データを更に含む印刷データをDFE50に送信する。
ここで、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ及びクリア版の画像データについて説明する。
図2は、第1実施形態の有色版の画像データの一例を示す図である。有色版の画像データは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。有色版の画像データが示す画像は、有色トナーを使用して形成される。この有色版の画像データでは、ユーザによる色の指定に応じて、1画素の有色の濃度値を、基本カラー毎に8ビットで表現する。例えば、1画素の有色の濃度値を、RGBを利用して表現する場合、Rを8ビット、Gを8ビット、Bを8ビットで表現する。図8の例では、「A」、「B」、「C」等の描画オブジェクト毎に、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した色に対応する濃度値が付与される。
また、光沢制御版の画像データは、画像を記録する記録部材の領域にクリアトナーを使用して与える表面効果の種類と、表面効果を与える記録部材の領域とを特定するための光沢制御値を示す。これにより、転写紙などの記録部材の領域に付与する視覚的又は触覚的な効果である表面効果の種類が特定される。光沢制御版の画像データが示す画像は、クリアトナーを使用して形成される。
この光沢制御版の画像データは、RGBやCMYK等により画像を表す有色版の画像データと同様に、画素毎に8ビットで「0」〜「255」の範囲の濃度値で画像を表す。ただし、光沢制御版の画像データでは、この濃度値に、表面効果の種類が対応付けられている(濃度値は16ビットや32ビット、又は0〜100%で表してもよい)。
また、同一の表面効果を与えたい範囲には、実際に付着するクリアトナーの濃度と関係なく同一の値が設定されるため、領域を示すデータがなくとも必要に応じて画像データから容易に領域が特定できる。すなわち、光沢制御版の画像データによって、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とが表される(領域を表すデータを別途付与してもよい)。
ホスト装置10は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクト毎に光沢等の表面効果を表す濃度値として設定し、ベクター形式の光沢制御版の画像データ(光沢制御版データ)を生成する。
この光沢制御版の画像データを構成する各画素は、有色版の画像データの画素に対応する。なお、各画像データにおいては各画素の表す濃度値が画素値となる。また、色版の画像データ及び光沢制御版は共にページ単位で構成される。
表面効果の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かしや、テクスチャ等がある。ここで、光沢の有無に関する表面効果について説明する。
図3は、第1実施形態の光沢の有無に関する表面効果の種類の一例を示す図である。図3の例では、光沢の有無に関する表面効果の種類は、大別して3種類あり、光沢の度合い(光沢度)が高い順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)がある。以下、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」という。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットは、光沢を抑える。図3中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色又は二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度を表す。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。光沢を与える度合いが高い表面効果には、高い濃度値が対応し、光沢を抑える表面効果には、低い濃度値が対応する。透かしやテクスチャ等の表面効果には、その中間の濃度値が対応する。
透かしの例は、文字や地紋等である。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。テクスチャの例は、ステンドグラスのパターン等である。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢を代用する。なお、表面効果を与える画像の領域や、その領域に与える表面効果の種類は、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。画像処理アプリケーションを実行するホスト装置10は、ユーザにより指定された領域を構成する描画オブジェクトについて、ユーザが指定した表面効果に対応する濃度値を設定することにより、光沢制御版の画像データを生成する。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
図4は、第1実施形態の光沢制御版の画像データの一例を示す図である。図4の光沢制御版の例では、ユーザにより、描画オブジェクト「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与されている。また、描画オブジェクト「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与されている。また、描画オブジェクト「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与されている。なお、各表面効果に設定された濃度値は、後述の濃度値選択情報(図9参照)で、表面効果の種類に対応して定められた濃度値である。
図5は、第1実施形態のクリア版の画像データの一例を示す説明図である。クリア版の画像データは、上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を示す画像データである。クリア版の画像データが示す画像は、クリアトナーを使用して形成する。図5の例は、ウォータマーク「Sale」を示す。
ホスト装置10は、特色版の画像データ(光沢制御版の画像データ及びクリア版の画像データ)を画像処理アプリケーションにより、有色版の画像データとは別のプレーンで生成する。また、ホスト装置10は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ及びクリア版の画像データを、PDF(Portable Document Format)形式で表し、各版のPDFの画像データを統合して原稿データとして生成する。なお、各版の画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく任意の形式でよい。
次に、ホスト装置10の詳細について説明する。図6は、第1実施形態のホスト装置10の構成の一例を示すブロック図である。ホスト装置10は、I/F部201、記憶部202、入力部203、表示部204及び制御部205を備える。
I/F部201は、DFE50との間で通信を行うためのインタフェース装置である。記憶部202は各種のデータを記憶するハードディスクドライブ装置(HDD)やメモリ等の記憶媒体である。入力部203は、ユーザが各種の操作入力を行うための入力デバイスであり、例えばキーボードやマウス等で構成される。表示部204は、各種画面を表示するための表示デバイスであり、例えば液晶パネル等で構成される。
制御部205は、CPU、ROM及びRAM等で構成されるコンピュータである。制御部205はホスト装置10全体を制御する。制御部205は、入力制御部211、画像処理部212、表示制御部213、版データ生成部214及び印刷データ生成部215を備える。入力制御部211及び表示制御部213は、CPUがROM等に格納されたオペレーティングシステムのプログラムを読み出して実行することにより実現する。画像処理部212、版データ生成部214及び印刷データ生成部215は、CPUがROM等に格納された上述の画像処理アプリケーションのプログラムを読み出して実行することにより実現する。ここで、版データ生成部214は、例えば、画像処理アプリケーションにインストールされたプラグインの機能として提供される。なお、これらの各部のうちの少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現してもよい。
入力制御部211は、入力部203がユーザから受け付けた入力に応じた入力情報を受信する。例えば、ユーザは、入力部203を操作することにより、記憶部202に記憶された画像(例えば写真、文字、図形、これらを合成した画像等)のうち表面効果を与える画像を指定する画像指定情報を入力する。なお、画像指定情報は、入力部203によりユーザから受け付けずに、その他の方法により設定してもよい。
表示制御部213は、各種情報を表示部204に表示する制御を行う。例えば、表示制御部213は、入力制御部211が画像指定情報を受け付けた場合、その画像指定情報で指定された画像を記憶部202から読み出し、その読み出した画像を画面上に表示するように表示部204を制御する。
ユーザは、表示部204に表示された画像を確認しながら、入力部203を操作することにより、表面効果を与える領域及び当該表面効果の種類を指定する表面効果指定情報を入力する。なお、表面効果指定情報は、入力部203によりユーザから受け付けずに、その他の方法により設定してもよい。
図7及び図8を参照して、ユーザから表面効果指定情報の入力を受け付ける場合について説明する。図7は、第1実施形態のホスト装置10が操作入力を受け付けるときに表示する画像の一例を示す図である。図8は、第1実施形態のホスト装置10が表面効果指定情報の操作入力を受け付けるときに表示する画像の一例を示す図である。
図7は、Adobe System(R)社が販売しているIllustratorにプラグインを組み込んだ場合に表示される画像の例である。図7の例では、有色版の画像データによって表される画像が表示され、ユーザが入力部203を介してマーカ追加ボタンを押下して、表面効果を与えたい領域を指定する操作入力を行うことで、表面効果を与える領域が指定される。ユーザは表面効果を与える全ての領域に対してこのような操作入力を行う。そして、ホスト装置10の表示制御部213は、指定された領域毎に、図8に例示される画像を表示部204に表示させる。
図8の例は、表面効果を与える領域として指定された領域を示す画像情報と、表面効果指定情報の入力を受け付けるための表示情報とを含む。入力部203は、表面効果を与える領域毎に表面効果の種類を指定する操作入力を受け付ける。図3の鏡面光沢やベタ光沢は、図8では「インバースマスク」と表記されており、図3の鏡面光沢やベタ光沢を除く他の効果は、図8のステンドグラス、万線パターン、網目パターン、モザイクスタイル、及びハーフトーンとして表記されている。
図6に戻り、画像処理部212は、入力部203が受け付けたユーザの入力に基づいて画像処理を行う。
版データ生成部214は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ及びクリア版の画像データを生成する。すなわち、版データ生成部214は、入力制御部211が、画像に含まれる描画オブジェクトの色指定を示す情報を入力部203から受信した場合、当該色指定を示す情報に従って有色版の画像データを生成する。
また、版データ生成部214は、入力制御部211が、表面効果以外のウォータマーク
やテクスチャ等の透明画像、及び透明画像を付与する領域の指定を示す情報を入力部203から受信した場合、当該領域の指定を示す情報に従って、透明画像及び透明画像を付与する転写紙の領域を示すクリア版の画像データを生成する。
また、版データ生成部214は、入力制御部211が、表面効果指定情報(表面効果を与える領域及び当該表面効果の種類を示す情報)を入力部203から受信した場合、当該表面効果指定情報に基づいて、表面効果が与えられる転写紙の領域及び当該表面効果の種類を示す光沢制御版の画像データを生成する。版データ生成部214は、光沢制御値で示す表面効果を付与する領域を、対象画像の画像データの描画オブジェクトの単位で指定した光沢制御版の画像データを生成する。
記憶部202は、ユーザにより指定された表面効果の種類と、当該表面効果の種類に対応する光沢制御版の濃度値とを含む濃度値選択情報を記憶する。図9は、第1実施形態の濃度値選択情報の一例を示す図である。図9の例では、ユーザにより「PG」(鏡面光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「98%」である。また、「G」(ベタ光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「90%」である。また、「M」(網点マット)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「16%」である。
この濃度値選択情報は、DFE50で記憶されている表面効果選択情報(後述の図15)の一部のデータである。制御部205は、所定のタイミングで表面効果選択情報を取得し、当該表面効果選択情報から濃度値選択情報を生成し、記憶部202に記憶する。なお、インターネット等のネットワーク上のストレージサーバ(クラウドシステム)に表面効果選択情報を保存しておき、制御部205が当該サーバから表面効果選択情報を取得して、当該表面効果選択情報から濃度値選択情報を生成してもよい。ただし、DFE50で記憶されている表面効果選択情報と、ストレージサーバ(クラウドシステム)から取得する表面効果選択情報とは同じデータである必要がある。
図6に戻り、版データ生成部214は、図9に示す濃度値選択情報を参照して、ユーザにより所定の表面効果が指定された描画オブジェクトの濃度値(光沢制御値)を、当該表面効果の種類に応じた値に設定して光沢制御版の画像データを生成する。
例えば、ユーザにより、図2に示した有色版の画像データのうち、「ABC」と表示される領域に「PG」、長方形の領域に「G」、円形の領域に「M」を与えることが指定された場合を想定する。この場合、版データ生成部214は、ユーザにより「PG」が指定された描画オブジェクト(「ABC」)の濃度値を「98%」に設定し、「G」が指定された描画オブジェクト(「長方形」)の濃度値を「90%」に設定し、「M」が指定された描画オブジェクト(「円形」)の濃度値を「16%」に設定して光沢制御版の画像データを生成する。
版データ生成部214で生成された光沢制御版の画像データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、及び塗り潰しや特殊効果等を示す描画オブジェクトの集合として表現されるベクター形式のデータである。図4は、この光沢制御版の画像データをイメージとして示した図である。版データ生成部214は、光沢制御版の画像データと、有色版の画像データと、クリア版の画像データとを統合した原稿データを生成して印刷データ生成部215へ渡す。
印刷データ生成部215は、原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データ
は、有色版の画像データと、ジョブコマンドとを少なくとも含み、更に光沢制御版の画像データ又は/及びクリア版の画像データを含む。ジョブコマンドは、例えばプリンタの設定、集約の設定、及び両面の設定等をプリンタに指定する情報を含む。
図10は、第1実施形態の印刷データの構成例を概念的に示す図である。図10の例では、ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられている。しかしながら、ジョブコマンドはJDFに限られず任意のジョブコマンドでよい。図10に示すJDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScript(登録商標)のようなページ記述言語(PDL)に変換されていてもよいし、DFE50が対応していれば、PDF形式のままでもよい。
次に、ホスト装置10が印刷データを生成する処理について説明する。図11は、第1実施形態のホスト装置10が印刷データを生成する方法を示すフローチャートである。なお、図11の例は、透明画像の指定がなく、クリア版の画像データを生成しない場合である。
まず、入力制御部211が入力部203から画像指定情報の入力を受け付けた場合(ステップS11、Yes)、表示制御部213は、受け付けた画像指定情報で指定された有色版の画像を表示するように表示部204を制御する(ステップS12)。入力制御部211が入力部203から画像指定情報の入力を受け付けていない場合(ステップS11、No)、表示制御部213は、入力制御部211が画像指定情報の入力を受け付けるまで待つ。
次に、入力制御部211が表面効果指定情報の入力を受け付けた場合(ステップS13、Yes)、版データ生成部214は、受け付けた表面効果指定情報に基づいて、光沢制御版の画像データを生成する(ステップS14)。入力制御部211が表面効果指定情報の入力を受け付けていない場合(ステップS13、No)、表示制御部213は、入力制御部211が表面効果指定情報の入力を受け付けるまで待つ。
ここで、ステップS14における光沢制御版の生成処理の詳細について説明する。図12は、第1実施形態のホスト装置10が光沢制御版の画像データを生成する方法を示すフローチャートである。まず、版データ生成部214は、表面効果指定情報により表面効果が付与された画像内の描画オブジェクトとその座標を特定する(ステップS21)。描画オブジェクトとその座標の特定は、例えば、画像処理部212が描画オブジェクトの描画する際に使用する描画コマンド、及び当該描画コマンドに設定された座標値等を用いる。描画コマンドは、例えばオペレーティングシステムで提供される。
次に、版データ生成部214は、記憶部202に記憶されている濃度値選択情報を参照して、表面効果指定情報でユーザが指定した表面効果に対応する濃度値(光沢制御値)を決定する(ステップS22)。
そして、版データ生成部214は、光沢制御版の画像データ(当初は空データ)に、描画オブジェクトと、表面効果に対応して決定された濃度値とを対応付けて登録する(ステップS23)。
次に、版データ生成部214は、画像に存在する全ての描画オブジェクトに上記ステップS21からS23までの処理を完了したか否かを判断する(ステップS24)。そして、まだ完了していない場合は(ステップS24、No)、版データ生成部214は、画像中でまだ未処理の次の描画オブジェクトを選択して(ステップS25)、ステップS21からS23までの処理を実行する。
そして、ステップS24において、版データ生成部214は、画像中の全ての描画オブジェクトに上記ステップS21からS23までの処理を完了したと判断した場合は(ステップS24、Yes)、光沢制御版の画像データの生成を完了する。これにより、図8の画像で受け付けた表面効果指定情報に応じた光沢制御版の画像データ(図4参照)が生成される。また、図13は、図4の光沢制御版の画像データの描画オブジェクト、座標及び濃度値との対応関係を示す図である。例えば、描画オブジェクト「A,B,C」の位置を示す座標は、(x1,y1)−(x2,y2)であり、当該座標で特定される領域の濃度値が98%であることを示す。
図11に戻り、光沢制御版の画像データが生成されたら、版データ生成部214は、光
沢制御版の画像データと、有色版の画像データとを統合した原稿データを生成して印刷デ
ータ生成部215へ渡す。そして、印刷データ生成部215は、当該原稿データに基づいて印刷データを生成する(ステップS15)。
次に、DFE50の構成について説明する。図14は、第1実施形態のDFE50の構成の一例を示す図である。本実施形態のDFE50は、受信部501、レンダリングエンジン502、有色版処理部503、光沢制御版処理部504、ハーフトーンエンジン505、総量規制方式情報506及び送信部507を備える。有色版処理部503は、第1生成部511及び第1補正部512を備える。光沢制御版処理部504は、第2生成部521、表面効果選択情報522、演算部523、決定部524、取得部525及び第2補正部526を備える。DFE50は、表面効果選択情報522及び総量規制方式情報506を図14では図示されていない記憶部に記憶する。
受信部501は、上述の印刷データをホスト装置10から受信する。本実施形態のDFE50が受信する印刷データは、ホスト装置10の説明で上述したクリア版の画像データを含まないものとして説明する。すなわち、DFE50が受信する印刷データは、有色版の画像データを少なくとも含み、画像に表面効果を与える場合は、更に光沢制御版の画像データを含む。受信部501は、受信した印刷データをレンダリングエンジン502に送信する。
レンダリングエンジン502は、印刷データ(有色版の画像データ又は光沢制御版の画像データ)を言語解釈して、ベクター形式からラスタ形式に変換する。なお、レンダリングの解像度は、例えば1200dpiである。また、レンダリングエンジン502は、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換する。レンダリングエンジン502は、1画素の濃度値を8ビットで表現した有色版の画像データをCMYKの色毎に出力(1200dpi*8bit*4plane)し、当該有色版の画像データを第1生成部511に送信する。また、レンダリングエンジン502は、1画素の濃度値を8ビットで表現した光沢制御版の画像データを出力(1200dpi*8bit*1plane)し、当該光沢制御版の画像データを第2生成部521、演算部523及び決定部524に送信する。
第1生成部511は、レンダリングエンジン502から、1画素の濃度値を8ビットで表現した有色版の画像データを受信する。第1生成部511は、キャリブレーションにより生成された1D−LUT(Look Up Table)のガンマカーブに基づくガンマ補正を有色版の画像データに行うことにより、上述の有色トナー画像データを生成する。第1生成部511は、有色トナー画像データを第2生成部521及び第1補正部512に送信する。
第2生成部521は、レンダリングエンジン502から、1画素の濃度値を8ビットで表現した光沢制御版の画像データを受信する。また、第1生成部511から、有色トナー画像データを受信する。第2生成部521は、表面効果選択情報522を参照して、光沢制御版の画像データからクリアトナー画像データを生成する。なお、有色トナー画像データは、第2生成部521がクリアトナー画像データを生成するときに、表面効果の種類に応じて参照される。ここで、表面効果選択情報522について説明する。
図15は、第1実施形態の表面効果選択情報522の一例を示す図である。表面効果選択情報522は、濃度(%)、濃度値(代表値、数値範囲)、効果、形態(グロッサー、プリンタ、低温定着機)、総量規制方式及び優先順位のフィールドを有する。
濃度(%)は、表面効果の光沢の強さを示す情報である。図15の例は、濃度(%)は2%単位である。濃度値(代表値、数値範囲)は、濃度(%)を0〜255の数値で表した情報である。数値範囲は、2%単位の濃度に対応する濃度値の範囲である。代表値は、当該数値範囲の濃度値を代表する値である。効果は、濃度(%)単位に対応付けられている表面効果の種類を表す情報である。
グロッサー、プリンタ、及び低温定着機は、当該効果を実現するためにクリアトナーをどのようにして付着させるかを示す情報である。総量規制方式は、色材の記録量の上限を示す総量規制値と、印刷速度と、を組み合わせた方式の種類を示す。優先順位は、記録部材の領域に与える表面効果の種類が複数ある場合に、どの表面効果の総量規制方式を適用するかを決定するための順位を示す。ここで、複数の総量規制方式を記憶する総量規制方式情報506について説明する。
図16は、第1実施形態の総量規制方式情報506の一例を示す図である。総量規制方式情報506は、総量規制方式、総量規制値及びエンジンスピードのフィールドを有する。総量規制方式は、総量規制方式の種類を示す。総量規制値は、総量規制値の大きさを示す。エンジンスピードは、プリンタ70の印刷速度を示す。図16の例は、総量規制方式が3種類(A,B,C)の場合の例である。
図15の表面効果選択情報522の説明に戻る。図15の総量規制方式及び優先順位の設定値について説明する。一般的に、高光沢の表面効果を出すためには、エンジンスピードが遅いほうがよく、逆に、つや消しの効果を出すためには、エンジンスピードは速いほうがよい。そのため、鏡面光沢やベタ光沢といった光沢効果に対しては、総量規制値が大きく、エンジンスピードが遅い組み合わせの総量規制方式を対応付けておく。また、つや消しやマット調といった光沢効果に対しては、総量規制値が小さく、エンジンスピードが速い組み合わせの総量規制方式を対応付けておく。鏡面光沢やつや消しなどの光沢効果は、推奨される総量規制方式以外では十分な光沢効果を得られない可能性が高く、また、鏡面光沢やつや消し効果は、他の効果よりもユーザのニーズが多いと考えられるため、優先順位が高く設定されている。
表面効果選択情報522では、濃度(%)単位に表面効果が対応付けられている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面効果及びベタ効果)が対応付けられている。また、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マット)が対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かし等の表面効果が対応付けられている。
より具体的には、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては表面効果として鏡面光沢(PM:Premium Gross)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値及び「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。また、「212」〜「232」の画素値に対しては、ベタ光沢(G:Gross)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値及び「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。また、「23」〜「43」の画素値に対しては、網点マット(M:Matt)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値及び「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。「0」の濃度値には、表面効果を与えないことが対応付けられている。
次に、表面効果選択情報522の形態フィールドについて具体的に説明する。図15の例では、例えば、濃度値が「248」〜「255」である場合、第2生成部521が生成するクリアトナー画像データの形態は、インバースマスクAであり、グロッサー及びプリンタ70が使用される。
ここで、インバースマスクについて説明する。インバースマスクは、表面効果を与える領域について、第2生成部521が当該領域を構成するCMYK各色の有色トナー画像データの画素の濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いて作成する画像データである。インバースマスクにより、表面効果を与える領域を構成する各画素上のCMYKの各トナー、及びクリアトナーを合わせたトナー記録量が、表面効果を与える領域で均一になるようにする。
インバースマスクの作成方法の例について説明する。まず、インバースマスクの1つ目の例について説明する。
Clr=100−(C+M+Y+K) ただし、Clr<0となる場合、Clr=0
・・・(1)
式(1)のClr,C,M,Y,Kは、各画素の濃度値(0〜255)から換算されるクリアトナー、及び、C,M,Y,Kの各有色トナーそれぞれの濃度率(%)を表す。式(1)によりインバースマスクを作成することにより、C,M,Y,Kの各トナー記録量の合計が100%以下である場合、表面効果を与える領域の有色トナー記録量とクリアトナー記録量とを合わせたトナー記録量が100(%)にすることができる。
なお、C,M,Y,Kの各有色トナー記録量の合計が100%以上である場合は、Clr=0となるため、その濃度率は0%になる。しかしながら、C,M,Y,Kの各有色トナー記録量の合計が100%以上である場合は、濃度率が0%であっても光沢を生じさせることができる。これは、C,M,Y,Kの各有色トナー記録量が100%を超えている部分を、定着処理により平滑化させるためである。これにより、当該領域においてトナーの記録量の差による表面の凸凹がなくなり、光の正反射による光沢が生じる。
なお、式(1)の右辺の第1項に100(%)以外の数値を設定してもよい。
次に、インバースマスクの2つ目の例について説明する。
Clr=100 ・・・(2)
式(2)のClrは、各画素の濃度値(0〜255)から換算されるクリアトナーの濃度率(%)を表す。式(2)によりインバースマスクを作成することにより、各画素にクリアトナーを均一に付着させることができる。各画素にクリアトナーを均一に付着させるインバースマスクをベタマスクという。なお、式(2)に100(%)以外の数値を設定してもよい。
次に、インバースマスクの3つ目の例について説明する。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100} ・・・(3)
式(3)のClr,C,M,Y,Kは、各画素の濃度値(0〜255)から換算されるクリアトナー、及び、C,M,Y,Kの各有色トナーそれぞれの濃度率(%)を表す。ここで、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
図15の表面効果選択情報522の説明に戻る。濃度値が「228」〜「232」の場合に使用するインバースマスク1は、例えば、第2生成部521が上述の式(1)により作成する。インバースマスクは、CMYKの有色トナーの少ない領域ほど、クリアトナーを多く載せるために使用される。これは、CMYKのトナーが多い領域ではCMYKのトナーの影響である程度光沢が得られるが、CMYKのトナーが少ない領域では低光沢となるためである。インバースマスクを使用すると、CMYKの有色トナーが多い領域では、クリアトナーが元々載らない。
なお、DFE50は、記録部材のグループ(コート紙やマット紙等)毎に最適化された複数の異なる表面効果選択情報522を保持してもよい。これにより、DFE50は、印刷に使用する記録部材に応じて最適な印刷制御を行うことができる。
図14に戻り、第2生成部521は、表面効果選択情報522を参照して生成したクリアトナー画像データを第2補正部526に送信する。
演算部523は、レンダリングエンジン502から、1画素の濃度値を8ビットで表現した光沢制御版の画像データを受信する。演算部523は、光沢制御版の画像データの濃度値が同じである領域(同一の表面効果を与える領域)毎に面積を算出する。次に、演算部523は、(濃度値が同じである領域の面積)/(画像全体の面積)により、濃度値が同じである領域毎に面積率を算出する。演算部523は、当該領域毎の面積率を示す面積率情報を決定部524に送信する。
決定部524は、レンダリングエンジン502から、1画素の濃度値を8ビットで表現した光沢制御版の画像データを受信し、演算部523から面積率情報を受信する。決定部524は、クリアトナー画像データを印刷するときの総量規制方式を、光沢制御版の画像データと、表面効果選択情報522に定義された優先順位と、面積率情報と、に基づいて決定する。具体的には、決定部524は、表面効果を与える記録部材の領域の面積率が所定の閾値以上であるか否かを、優先順位が高い表面効果から順番に判定する。そして、決定部524は、表面効果を与える記録部材の領域の面積率が所定の閾値以上である表面効果の総量規制方式によって、クリアトナー画像データを印刷するときの総量規制方式を決定する。なお、所定の閾値は任意でよい。本実施形態のDFE50では、所定の閾値を10%とする。
図17及び図18を参照して、決定部524が、クリアトナー画像データを印刷するときの総量規制方式を決定する方法について具体的に説明する。
図17の例では、表面効果として鏡面光沢を与える円形領域と、表面効果として網点マットを与える四角形領域とを画像内に含む場合の例である。決定部524は、表面効果選択情報522を参照することにより、鏡面光沢の総量規制方式(A)と優先順位(1位)とを特定する。同様に、決定部524は、表面効果選択情報522を参照することにより、網点マットの総量規制方式(C)と優先順位(4位)とを特定する。また、決定部524は、面積率情報を参照することにより、鏡面光沢を与える円形領域の面積率(20%)と、網点マットの四角形領域の面積率(25%)とを特定する。決定部524は、優先順位が1位である鏡面光沢の円形領域の面積率(20%)が所定の閾値(10%)以上であるため、鏡面光沢の総量規制方式(A)によって、このページを印刷するときの総量規制方式を決定する。
図18の例では、表面効果として鏡面光沢を与える円形領域と、表面効果として網点マットを与える四角形領域とを画像内に含む場合の例である。決定部524は、表面効果選択情報522を参照することにより、鏡面光沢の総量規制方式(A)と優先順位(1位)とを特定する。同様に、決定部524は、表面効果選択情報522を参照することにより、網点マットの総量規制方式(C)と優先順位(4位)とを特定する。また、決定部524は、面積率情報を参照することにより、鏡面光沢を与える円形領域の面積率(3%)と、網点マットの四角形領域の面積率(25%)とを特定する。決定部524は、優先順位が1位である鏡面光沢の円形領域の面積率(3%)が所定の閾値(10%)より小さいため、次に優先順位が高い網点マットの面積率(25%)が所定の閾値以上(10%)であるか否かを判定する。決定部524は、網点マットの面積率(25%)が所定の閾値以上(10%)であるため、網点マットの総量規制方式(C)によって、このページを印刷するときの総量規制方式を決定する。
次に、決定部524が、透明色材画像データを印刷するときの総量規制方式を決定する単位について説明する。決定部524は、総量規制方式を所定の単位で任意に決定してよい。例えば、ホスト装置10が、総量規制方式を切り換える単位を示す入力を受け付け、印刷データとともに総量規制方式を切り換える単位を示す情報をDFE50に送信し、DFE50(決定部524)が、当該情報に基づいて総量規制方式を切り換える単位を決定してもよい。図19〜図22を参照して、総量規制方式を決定する単位について具体的に説明する。
図19は、決定部524が、1ページ単位で総量規制方式を決定する場合の例である。各ページで所望の光沢効果が得られるが、総量規制方式が1ページごとに交互に異なる場合などは、総量規制値及びエンジンスピードの切り替えが多発するため生産性が低下する懸念がある。図19の例は、決定部524が、1〜3ページの総量規制方式をA、4〜5ページの総量規制方式をC、6ページの総量規制方式をA、7ページの総量規制方式をCに決定した場合を示す。
図20は、決定部524が、ジョブ単位で総量規制方式を決定する場合の例である。決定部524は、一のジョブに含まれる印刷ページについて、まず図19のように1ページ単位で総量規制方式を決定する。次に、決定部524は、総量規制方式の種類毎に、当該総量規制方式の対象となるページ数を数える。図19の例では、総量規制方式がAのページ数が4であり、総量規制方式がCのページ数が3である。そのため、決定部524は、一の印刷ジョブに適用する総量規制方式を、対象とするページ数が最も多い総量規制方式であるAに決定する。なお、最も多い総量規制方式が複数存在する場合は、決定部524は、高画質を実現するため、最も総量規制値が大きくエンジンスピードが遅い総量規制方式に決定する。ジョブ単位の場合、1つのジョブの中で総量規制値及びエンジンスピードが切り替わることはないため、切り替えにかかるタイムロスは発生しない。しかしながら、ジョブの印刷に用いる総量規制方式と、推奨される総量規制方式とが一致しないページがある場合、当該ページでは所望の光沢効果が得られない可能性がある。
図21は、決定部524が、複数ページ単位で総量規制方式を決定する場合の例である。決定部524は、まず図19のように1ページ単位で総量規制方式を決定する。次に、決定部524は、総量規制方式の切り替えができるだけ発生しないようにして、複数ページ単位の総量規制方式を決定する。図19の例では、1〜3ページの総量規制方式が、全てAであり、4、5及び7ページの総量規制方式がCであり、6ページの総量規制方式がAである。したがって、決定部524は、連続ページ単位の総量規制方式として、1〜3ページの総量規制方式をAとし、4〜7ページの総量規制方式をCに決定する。連続ページ単位の場合、総量規制方式の切り替えの回数を極力少なくすることで生産性を維持することができ、また、所望の光沢効果を実現しやすい。
図22は、決定部524が、複数のページを1枚(1シート)に集約した単位で総量規制方式を決定する場合の例である。図22の例は、2ページを1枚に集約した場合の例である。なお、1枚に集約するページの数は任意でよい。決定部524は、まず、図19のように、ページを集約せずに1ページ単位で総量規制方式を決定する。次に、決定部524は、総量規制方式の切り替えができるだけ発生しないようにして、複数のページを1枚に集約した単位の総量規制方式を決定する。図19の例では、1〜3ページの総量規制方式が、全てAであり、4、5及び7ページの総量規制方式がCであり、6ページの総量規制方式がAである。したがって、決定部524は、複数のページを1枚に集約した単位の総量規制方式として、1〜2枚目の総量規制方式をAとし、3〜4枚目の総量規制方式をCに決定する。なお、決定部524は、1枚目の総量規制方式をAとし、2〜4枚目の総量規制方式をCに決定してもよい。
図14のDFE50の説明に戻る。決定部524は、上述の所定の単位毎に決定した総量規制方式を示す情報を取得部525に送信する。
取得部525は、所定の単位毎に決定された総量規制方式を示す情報を決定部524から受信する。取得部525は、総量規制方式毎に、総量規制値とエンジンスピードとを総量規制方式情報506から取得する。取得部525は、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を第1補正部512及び第2補正部526に送信する。また、取得部525は、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を送信部507に送信する。
第1補正部512は、第1生成部511から有色トナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を受信する。第1補正部512は、総量規制値に基づいて有色トナー画像データを補正する。第1補正部512は、補正後の有色トナー画像データをハーフトーンエンジン505に送信する。
第2補正部526は、第2生成部521からクリアトナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を受信する。第2補正部526は、総量規制値に基づいてクリアトナー画像データを補正する。第2補正部526は、補正後のクリアトナー画像データをハーフトーンエンジン505に送信する。
なお、第1補正部512(有色トナー画像データの補正)及び第2補正部526(クリアトナー画像データの補正)は、いずれか一方のみを動作させてもよい。また、第1補正部512及び第2補正部526を両方動作させる場合に、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを、総量規制値に基づいて具体的にどのような割合で補正するかについては適宜定めてよい。
ハーフトーンエンジン505は、第1補正部512から、補正後の有色トナー画像データを受信し、第2補正部526から、補正後のクリアトナー画像データを受信する。ハーフトーンエンジン505は、有色トナー画像データにハーフトーン処理を行い、有色トナー画像データを網点によって2ビット(4値)で表すデータ形式に変換する。同様に、ハーフトーンエンジン505は、クリアトナー画像データにハーフトーン処理を行い、クリアトナー画像データを網点によって2ビット(4値)で表すデータ形式に変換する。なお、2ビットは一例であり、1ビットにするなど任意のビット数でよい。ハーフトーンエンジン505は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを送信部507に送信する。
送信部507は、ハーフトーンエンジン505から、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を受信する。送信部507は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データと、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報とを、MIC60を介してプリンタ70に送信する。
次に、フローチャートを参照して、本実施形態の印刷制御方法について説明する。図23は、第1実施形態の印刷制御方法の一例を示すフローチャートである。レンダリングエンジン502は、受信部501が受信した有色版の画像データを言語解釈して、ベクター形式からラスタ形式に変換する。レンダリングエンジン502は、ラスタ形式の有色版の画像データを第1生成部511に送信する。第1生成部511は、キャリブレーションにより生成された1D−LUT(Look Up Table)のガンマカーブに基づくガンマ補正を有色版の画像データに行うことにより、有色トナー画像データを生成する(ステップS31)。第1生成部511は、有色トナー画像データを第2生成部521及び第1補正部512に送信する。
また、レンダリングエンジン502及び第2生成部521は、受信部501が受信した光沢制御版の画像データからクリアトナー画像データを生成する処理を行う(ステップS32)。ここで、クリアトナー画像データの生成処理の詳細について説明する。
図24は、第1実施形態のクリアトナー画像データの生成処理の一例を示すフローチャートである。レンダリングエンジン502は、描画オブジェクトに濃度値を対応付けるデータ形式(図13参照)を、当該描画オブジェクトの座標に対応する画素の濃度値で表すデータ形式に変換する(ステップS41)。すなわち、レンダリングエンジン502は、光沢制御版の画像データのデータ形式をベクター形式からラスタ形式に変換する。
レンダリングエンジン502は、全ての描画オブジェクトについて、ステップS41の処理をしたか否かを判定する(ステップS42)。全ての描画オブジェクトについてステップS41の処理をしていない場合(ステップS42、No)、次の描画オブジェクトを選択(ステップS43)し、ステップS41に戻る。レンダリングエンジン502は、全ての描画オブジェクトについてステップS41の処理をした場合(ステップS42、Yes)は、各画素に濃度値を対応させたデータ形式であるラスタ形式の光沢制御版の画像データを第2生成部521及び演算部523に出力する(ステップS44)。第2生成部521は、レンダリングエンジン502からラスタ形式の光沢制御版の画像データを受信し、第1生成部511からCMYK各色の有色トナー画像データを受信する。第2生成部521は、上述の表面効果選択情報522を参照して、ラスタ形式の光沢制御版の画像データ及びCMYK各色の有色トナー画像データからクリアトナー画像データを生成する(ステップS45)。
図23の印刷制御方法の説明に戻る。次に、演算部523及び決定部524は、総量規制方式の決定処理を行う(ステップS33)。ここで、総量規制方式の決定処理の詳細について説明する。
図25は、第1実施形態の総量規制方式の決定処理の一例を示すフローチャートである。演算部523は、レンダリングエンジン502から、ラスタ形式の光沢制御版の画像データを受信する。演算部523は、光沢制御版の画像データの濃度値が同じである領域(同一の表面効果を与える領域)毎に面積を算出する。演算部523は、(濃度値が同じである領域の面積)/(画像全体の面積)により、濃度値が同じである領域毎に面積率を算出する(ステップS51)。演算部523は、当該領域毎の面積率を示す面積率情報を決定部524に送信する。
決定部524は、レンダリングエンジン502から、ラスタ形式の光沢制御版の画像データを受信し、演算部523から面積率情報を受信する。次に、決定部524は、ラスタ形式の光沢制御版の画像データの1ページ内に含まれる表面効果の種類(濃度値の値)毎に、表面効果選択情報522から総量規制方式と優先順位とを取得する(ステップS52)。次に、決定部524は、優先順位の順序で未選択の表面効果を選択する(ステップS53)。次に、決定部524は、面積率情報を参照して、ステップS53で選択された表面効果の面積率が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS54)。面積率が閾値未満である場合(ステップS54、No)、ステップS53の処理に戻る。面積率が閾値以上である場合(ステップS54、Yes)は、当該ページの総量規制方式を、ステップS53で選択された表面効果の総量規制方式に決定する(ステップS55)。
なお、ステップS53及びステップS54の処理において、1ページ内に含まれる表面効果の種類のうち、面積率が閾値以上の表面効果が1つもなかった場合に、当該ページの総量規制方式を決定する方法は任意でよい。例えば、決定部524は、当該ページに含まれる表面効果の種類のうち、優先順位が最も高い表面効果の総量規制方式により当該ページの総量規制方式を決定してもよい。また、決定部524は、総量規制方式の切り替えの回数を少なくすることを考慮し、当該ページの前のページ、又は当該ページの後のページと同じ総量規制方式になるようにして当該ページの総量規制方式を決定してもよい。
図23の印刷制御方法の説明に戻る。決定部524は、全てのページの総量規制方式をステップS33の処理で決定した後、クリアトナー画像データの総量規制方式を所定の単位(1ページ単位、複数ページ単位、複数のページを1枚に集約した単位、又は印刷ジョブ単位など)で決定する。決定部524は、決定した総量規制方式を示す情報を取得部525に送信する。
次に、取得部525は、総量規制方式毎に、総量規制値とエンジンスピードとを総量規制方式情報506から取得する(ステップS34)。取得部525は、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を第1補正部512及び第2補正部526に送信する。また、取得部525は、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を送信部507に送信する。
第1補正部512は、第1生成部511から有色トナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を受信する。次に、第1補正部512は、総量規制値に基づいて有色トナー画像データを補正する(ステップS35)。第1補正部512は、補正後の有色トナー画像データをハーフトーンエンジン505に送信する。
第2補正部526は、第2生成部521からクリアトナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式の総量規制値を示す情報を受信する。次に、第2補正部526は、総量規制値に基づいてクリアトナー画像データを補正する(ステップS36)。第2補正部526は、補正後のクリアトナー画像データをハーフトーンエンジン505に送信する。
ハーフトーンエンジン505は、第1補正部512から、補正後の有色トナー画像データを受信し、第2補正部526から、補正後のクリアトナー画像データを受信する。次に、ハーフトーンエンジン505は、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データにハーフトーン処理を行う(ステップS37)。ハーフトーンエンジン505は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを送信部507に送信する。
送信部507は、ハーフトーンエンジン505から、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを受信し、取得部525から、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を受信する。次に、送信部507は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データと、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報とを、MIC60を介してプリンタ70に送信する(ステップS38)。
プリンタ70は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを使用して、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードで印刷処理を行う(ステップS39)。
なお、上述の説明では、有色トナー画像データの補正(ステップS35)及びクリアトナー画像データの補正(ステップS36)を行う場合について述べた。しかしながら、ステップS35及びステップS36のうち、いずれか一方のみを実施してもよい。すなわち、DFE50は、総量規制値に応じて、有色トナー画像データ又はクリアトナー画像データのいずれか一方のみを補正してもよい。
以上のように、本実施形態のDFE50は、光沢制御版の画像データの濃度値毎に、クリアトナーを使用して与える表面効果の種類と、総量規制方式と、総量規制方式を適用する優先順位とを定義した表面効果選択情報522を記憶し、決定部524が、クリアトナー画像データを印刷するときの総量規制方式を、当該優先順位に基づいて決定する。すなわち、決定部524が、光沢制御版の画像データに含まれる光沢制御値に対応付けられた表面効果の総量規制方式のうち、優先順位が最も高い表面効果の前記総量規制方式に決定する。これにより、総量規制が表面効果に与える影響を考慮して適切な総量規制方式に切り替えることができる。
なお、決定部524は、総量規制方式及び優先順位を、予め記憶された表面効果選択情報522から決定するだけでなく、総量規制方式及び優先順位を示すユーザの入力操作に応じてクリアトナー画像データを印刷するときの総量規制方式を決定してもよい。なお、ユーザからの入力操作は、ホスト装置10で受け付けてもよいし、DFE50で受け付けてもよい。また、予め記憶された表面効果選択情報522の状態を、ユーザの入力操作により適宜更新できるようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の印刷制御システム100について説明する。本実施形態の印刷制御システム100は、第1実施形態の印刷制御システム100の処理の一部を、クラウドシステムを利用して実現する。
図26は、第2実施形態の印刷制御システム100の構成の一例を示す図である。本実施形態の印刷制御システム100は、ホスト装置10、DFE50,MIC60、プリンタ70、及びクラウドシステム上のサーバ装置80を備える。クラウドシステム上のサーバ装置80は、第1実施形態のDFE50の機能ブロックの一部を備えている。ホスト装置10、MIC60及びプリンタ70については第1実施形態の印刷制御システム100と同じであるため説明を省略する。
図27は、第2実施形態のDFE50の構成の一例を示す図である。本実施形態のDFE50は、第1受信部501a、第2受信部501b、レンダリングエンジン502、ハーフトーンエンジン505、第1送信部507a及び第2送信部507bを備える。
第1受信部501aは、印刷データをホスト装置10から受信する。印刷データは、有色版の画像データを少なくとも含み、画像に表面効果を与える場合は、更に光沢制御版の画像データを含む。第1受信部501aは、受信した印刷データをレンダリングエンジン502に送信する。
レンダリングエンジン502は、印刷データ(有色版の画像データ及び光沢制御版の画像データ)を言語解釈して、ベクター形式からラスタ形式に変換する。レンダリングエンジン502は、ラスタ形式の印刷データを第1送信部507aに送信する。
第1送信部507aは、ラスタ形式の印刷データ(有色版の画像データ及び光沢制御版の画像データ)をサーバ装置80に送信する。
第2受信部501bは、サーバ装置80から、有色トナー画像データ、クリアトナー画像データ、及び、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報
を受信する。第2受信部501bは、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データをハーフトーンエンジン505に送信する。また、第2受信部501bは、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を第2送信部507bに送信する。
ハーフトーンエンジン505は、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データにハーフトーン処理を行う。ハーフトーンエンジン505は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを第2送信部507bに送信する。
第2送信部507bは、ハーフトーンエンジン505から、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データを受信し、第2受信部501bから、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を受信する。第2送信部507bは、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データと、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報とを、MIC60を介してプリンタ70に送信する。
図28は、第2実施形態のサーバ装置80の構成の一例を示す図である。本実施形態のサーバ装置80は、受信部801、有色版処理部803、光沢制御版処理部804、総量規制方式情報806及び送信部807を備える。有色版処理部803は、第1生成部811及び第1補正部812を備える。光沢制御版処理部804は、第2生成部821、表面効果選択情報822、演算部823、決定部824、取得部825及び第2補正部826を備える。サーバ装置80は、表面効果選択情報822及び総量規制方式情報806を図28では図示されていない記憶部に記憶する。
本実施形態のサーバ装置80は、第1実施形態のDFE50の処理のうち、レンダリングエンジン502及びハーフトーンエンジン505以外の処理を行う。受信部801は、DFE50から、ラスタ形式の印刷データ(有色版の画像データ及び光沢制御版の画像データ)を受信する。受信部801は、有色版の画像データを有色版処理部803に送信する。また、受信部801は、光沢制御版の画像データを光沢制御版処理部804に送信する。有色版処理部803、光沢制御版処理部804及び総量規制方式情報806については、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。送信部807は、有色版処理部803から有色トナー画像データを受信し、光沢制御版処理部804からクリアトナー画像データ、及び、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報を受信する。送信部807は、有色トナー画像データ、クリアトナー画像データ、及び、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報をDFE50に送信する。
図29は、第2実施形態の印刷制御方法の一例を示すシーケンス図である。なお、各処理の詳細については第1実施形態の説明と同じであるため説明を省略する。ホスト装置10は、上述の印刷データを生成する(ステップS61)。ホスト装置10は、印刷データをDFE50に送信する(ステップS62)。
DFE50は、印刷データ(有色版の画像データ及び光沢制御版の画像データ)をサーバ装置80から受信する。次に、DFE50は、有色版の画像データをベクター形式からラスタ形式に変換する処理を行う(ステップS63)。次に、DFE50は、光沢制御版の画像データをベクター形式からラスタ形式に変換する処理を行う(ステップS64)。次に、DFE50は、ラスタ形式の有色版の画像データ、及びラスタ形式の光沢制御版の画像データをサーバ装置80に送信する(ステップS65)。
次に、サーバ装置80は、ラスタ形式の有色版の画像データから有色トナー画像データを生成する処理を行う(ステップS66)。次に、サーバ装置80は、ラスタ形式の光沢制御版の画像データからクリアトナー画像データを生成する処理を行う(ステップS67)。次に、サーバ装置80は、ラスタ形式の光沢制御版の画像データと表面効果選択情報822とから総量規制方式(総量規制値及びエンジンスピード)の決定処理を行う(ステップS68)。次に、サーバ装置80は、総量規制値に応じて有色トナー画像データの補正処理を行う(ステップS69)。次に、サーバ装置80は、総量規制値に応じてクリアトナー画像データの補正処理を行う(ステップS70)。次に、サーバ装置80は、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データをDFE50に送信する(ステップS71)。
次に、DFE50は、有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データにハーフトーン処理を行う(ステップS72)。次に、DFE50は、ハーフトーン処理後の有色トナー画像データ及びクリアトナー画像データと、所定の単位毎に決定された総量規制方式のエンジンスピードを示す情報とを、MIC60を介してプリンタ70に送信する(ステップS73)。
本実施形態の印刷制御システム100によれば、クラウドシステム上のサーバ装置80で総量規制方式の決定処理等を行うことにより、サーバ装置80を複数の印刷制御システム100で共通に使用することができる。これにより、表面効果選択情報822等の管理を一元化することによる運用コストの削減、及びハードウェアコストの削減等の効果が期待できる。
なお、クラウドシステム上のサーバ装置80で行う処理の組み合わせは、本実施形態の組み合わせに限られず、DFE50の処理の一部の任意の組み合わせでよい。また、DFE50の全ての処理を、クラウドシステム上のサーバ装置80で行ってもよい。また、クラウドシステム上のサーバ装置80を複数台で構成して、サーバ装置80の処理の負荷を分散させてもよい。
最後に、第1及び第2実施形態のホスト装置10及びDFE50、並びに第2実施形態のサーバ装置80のハードウェア構成について説明する。図30は、第1及び第2実施形態のホスト装置10及びDFE50、並びに第2実施形態のサーバ装置80のハードウェア構成の一例を示す図である。
ホスト装置10、DFE50及びサーバ装置80のハードウェア構成は、通常のコンピュータが備えるハードウェアの構成となっている。すなわち、ホスト装置10、DFE50及びサーバ装置80は、制御装置51、主記憶装置52、補助記憶装置53、表示装置54及び入力装置55を備える。制御装置51は、装置全体を制御するCPU等である。主記憶装置52は、各種データや各種プログラムを記憶するROMやRAM等である。補助記憶装置53は、各種データや各種プログラムを記憶するHDD等である。表示装置54は、ディスプレイ装置等である。入力装置55は、キーボードやマウス等である。
上記実施形態のホスト装置10で実行される画像処理プログラム(画像処理アプリケーションを含む。以下同。)は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
また、上記実施形態のホスト装置10で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のホスト装置10で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、上記実施形態のホスト装置10で実行される画像処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上記実施形態のホスト装置10で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(画像処理部、版データ生成部、印刷データ生成部、入力制御部、表示制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力制御部211、画像処理部212、表示制御部213、版データ生成部214、印刷データ生成部215が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御処理は、ハードウェアで実現する他、ソフトウェアとしての印刷制御プログラムで実現してもよい。この場合において、上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
上記実施形態のDFE50又はサーバ装置80で実行される印刷制御プログラムは、上述した各部(受信部501(801)、レンダリングエンジン502、有色版処理部503(803)、光沢制御版処理部504(804)、ハーフトーンエンジン505及び送信部507(807))を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから印刷制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信部501、レンダリングエンジン502、有色版処理部503、光沢制御版処理部504、ハーフトーンエンジン505及び送信部507として主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した実施形態の画像形成システムでは、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしてもよい。
上述した実施形態の画像形成システムでは、決定部524が、優先順位及び面積率に基づいて総量規制方式を決定するようにしたが、優先順位又は面積率のいずれか一方に基づいて総量規制方式を決定するようにしてもよい。
上述した実施形態の画像形成システムでは、演算部523が、濃度値が同じである領域毎に(濃度値が同じである領域の面積)/(画像全体の面積)によって面積率を算出するようにした。しかしながら、演算部523が、濃度値が同じである領域の面積を算出し、決定部524が、当該面積を使用して総量規制方式を決定するようにしてもよい。