JP2015098462A - 固体触媒を用いたエポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

固体触媒を用いたエポキシ化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オレフィン化合物のエポキシ化を、生産性良く行う方法を提供すること。【解決手段】炭素−炭素二重結合を有する化合物、過酸化水素水、固体担体の粉末、及び固体触媒の粉末の共存下に、炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を製造する方法であって、前記固体触媒が、イソポリ酸類を含み、前記イソポリ酸類が、(a)タングステン酸又はその塩と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種とを含む触媒原料より製造される、エポキシ化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素からエポキシ化合物を製造する方法に関する。
エポキシ化合物は種々の硬化剤および硬化触媒と反応させることにより硬化物が得られる。これらエポキシ化合物は、コーティング剤、接着剤、インキ、シーラントの成分または医薬品および医療用品を含む種々の最終用途に有用な他の化合物を製造するための中間体として有用である。
エポキシ化合物の製造方法としては、例えばオレフィン類を過酢酸等の過酸で酸化する方法が知られているが、過酸は取扱いに注意を要し、エポキシ体が反応系内に存在するカルボン酸と反応することによりエステル体等が生成してエポキシ体の選択率が低下する、反応後の後処理が面倒である等の問題がある。そこで、取扱いが容易で、反応後には無害な水となる過酸化水素を酸化剤として用いる製造法が注目されてきている。
過酸化水素を用いてオレフィン類からエポキシ化合物を製造する方法としては、例えば、ポリ酸類等の触媒を用い、オレフィン類と過酸化水素水とをハロゲン化炭化水素を溶媒として反応させエポキシ化を行う方法(特許文献1)が知られている。しかしながら、ハロゲン炭化水素を用いているため、製品のハロゲン不純物、環境負荷等の問題がある。
特許文献2は固体分散相及び前記酸化反応の固体触媒の粉末の混合物、有機化合物及び過酸化水素水からなる固相系酸化反応システムを開示する。
特開昭62−234550号公報 国際公開第2008/093711号
本発明はオレフィン化合物のエポキシ化を、生産性良く行う方法を提供することを目的とする。
本発明は、炭素−炭素二重結合を有する化合物、過酸化水素水、固体担体の粉末、及び固体触媒の粉末の共存下に、炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を製造する方法であって、前記固体触媒が、イソポリ酸類を含み、前記イソポリ酸類が、(a)タングステン酸又はその塩と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種とを含む触媒原料より製造される、エポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、固体触媒中のイソポリ酸類が、(a)タングステン酸又はその塩と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種とを含む触媒原料より製造されるものであるため、固体触媒からのイソポリ酸類の溶出が十分に抑制される。このため、本発明によれば、エポキシ化合物を高い反応率及び収率で製造することができ、かつ反応混合物からのエポキシ化合物の単離及び回収操作を容易に行うことができる。また、固体触媒及び固体担体は、生成物の分離後、再使用することが可能であり、本発明は、品質の安定、製造設備の安定的運転、製造コストの低減、並びに、使用済み触媒等の廃材及び排水処理による環境負荷の軽減といった利点を有する。
本発明はまた、上記触媒原料がタングステン酸アンモニウム塩を含むことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、上記触媒原料が、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属の塩を含むことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、上記触媒原料が、ポリ4−ビニルピリジンの塩及びポリN−アルキル−4−ビニルピリジンの塩からなる群より選択される少なくとも一種のカチオン性ポリマーを含むことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、上記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、脂環式オレフィン化合物であることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、上記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、下記式(2)で表される化合物であることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
Figure 2015098462

[式中、R〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
本発明はまた、上記固体担体が、リン酸塩類、珪藻土、シリカ、アルミナ、白陶土、シリカアルミナ及びフッ化カルシウムからなる群より選択されることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明はまた、上記固体担体がアパタイトであることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、炭素−炭素二重結合を有する化合物から生産性良くエポキシ化合物を製造することが可能な、エポキシ化合物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る製造方法は、炭素−炭素二重結合を有する化合物、過酸化水素水、固体担体の粉末、及び固体触媒の粉末の共存下に、炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を製造する方法である。
本実施形態において、上記固体触媒は、イソポリ酸類を含む。また、本実施形態において、上記イソポリ酸類は、(a)タングステン酸又はその塩と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種とを含む触媒原料より製造されるイソポリ酸類である。
本実施形態に係る製造方法によれば、炭素−炭素二重結合を有する化合物から、生産性良くエポキシ化合物を製造することができる。
より具体的には、本実施形態に係る製造方法においては、固体触媒中のイソポリ酸類が、(a)タングステン酸又はその塩(以下、場合により「(a)成分」という。)と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種(以下、場合により「(b)成分」という。)とを含む触媒原料より製造されるものであるため、固体触媒からのイソポリ酸類の溶出が十分に抑制される。このため、本実施形態に係る製造方法によれば、エポキシ化合物を高い反応率及び収率で製造することができ、かつ反応混合物からのエポキシ化合物の単離及び回収操作を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、固体触媒からのイソポリ酸類の溶出が十分に抑制されるため、固体触媒及び固体担体を、生成物の分離後、再使用することができる。このため、本実施形態に係る製造方法は、品質の安定、製造設備の安定的運転、製造コストの低減、並びに、使用済み触媒等の廃材及び排水処理による環境負荷の軽減といった利点を有する。
(a)タングステン酸又はその塩としては、例えば、HWO、NaWO、NaHWO、(NHWO、(NH)HWO、(NH24、(NH10[H1242]、[WO(O(HO)]、K[WO(O(HO)O、Na[WO(O(HO)O、K[W1032]等が挙げられる。
また、(a)タングステン酸又はその塩としては、(NH10[H1242]等のタングステン酸アンモニウム塩を好適に用いることができる。
(b)成分は、(b−1)アルカリ土類金属の塩、及び(b−2)カチオン性ポリマーからなる群より選択される。
(b−1)アルカリ土類金属の塩は、アルカリ土類金属のカチオンを含む塩であり、アルカリ土類金属としては、Ca、Sr及びBaが好適に用いられる。すなわち、(b−1)アルカリ土類金属の塩は、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属の塩であってよい。
(b−1)アルカリ土類金属の塩は、アルカリ土類金属カチオンとイオン結合するアニオンを含む。当該アニオンに特に制限はないが、当該アニオンとしては、例えばハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、水酸化物イオン、亜硝酸イオン、過塩素酸イオンが挙げられる。すなわち、(b−1)アルカリ土類金属の塩は、例えば、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物、亜硝酸塩、過塩素酸塩等であってよい。(b−1)アルカリ土類金属の塩としては、これらのうちアルカリ土類金属の硝酸塩、酢酸塩、ハロゲン化物等を特に好適に用いることができる。
(b−1)アルカリ土類金属の塩の具体例としては、塩化カルシウム(II)、塩化バリウム(II)、硝酸カルシウム(II)、硝酸バリウム(II)、酢酸カルシウム(II)、酢酸バリウム(II)、水酸化カルシウム(II)、水酸化バリウム(II)、亜硝酸カルシウム(II)、亜硝酸バリウム(II)、過塩素酸カルシウム(II)、過塩素酸バリウム(II)等が挙げられる。これらのうち、(b−1)アルカリ土類金属の塩としては、硝酸カルシウム(II)、硝酸バリウム(II)、酢酸カルシウム(II)、酢酸バリウム(II)、塩化カルシウム(II)、塩化バリウム(II)等を好適に用いることができる。
触媒原料として用いる(b−1)アルカリ土類金属の塩の量は、(a)成分に含まれるタングステン原子の総量に対して、0.5mol%以上であることが好ましく、1mol%以上であることがより好ましい。また、(b−1)アルカリ土類金属の塩の量は、50mol%以下であることが好ましく、20mol%以下であることがより好ましい。
(b−2)カチオン性ポリマーは、カチオン性官能基を有するポリマーということができる。カチオン性官能基としては、アンモニウムカチオンを有する基、ピリジニウムカチオンを有する基等が挙げられる。
(b−2)カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリ4−ビニルピリジンの塩、ポリN−アルキル−4−ビニルピリジンの塩、ポリ2−ビニルピリジンの塩、ポリN−アルキル−2−ビニルピリジンの塩、陰イオン交換樹脂等が挙げられる。これらのうち、好適な(b−2)カチオン性ポリマーは、ポリ4−ビニルピリジンの塩、ポリN−アルキル−4−ビニルピリジンの塩、ポリ2−ビニルピリジンの塩、ポリN−アルキル−2−ビニルピリジンの塩であり、より好適な(b−2)カチオン性ポリマーは、ポリ4−ビニルピリジンの塩及びポリN−アルキル−4−ビニルピリジンの塩である。
触媒原料として用いる(b−2)カチオン性ポリマーの量は、(a)成分100重量部に対して、1重量部以上であることが好ましく、5重量部以上であることがより好ましい。また、(b−2)カチオン性ポリマーの量は、(a)成分100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましく、80重量部以下であることがより好ましい。
イソポリ酸類は、例えば、(a)成分及び(b)成分を、水等の溶媒にそれぞれ溶解させて混合し、混合溶液から析出した塩を単離精製することで得ることができる。このようにして得られたイソポリ酸類は、そのまま固体触媒として用いることができる。
なお、イソポリ酸類を得るための触媒原料は、(a)成分及び(b)成分以外の成分を更に含んでいてもよい。例えば、触媒原料は、4級アンモニウム塩化合物及びピリジニウム塩化合物からなる群より選択される含窒素塩化合物をさらに含んでいてもよい。触媒原料として上記含窒素塩化合物を用いることで、固体触媒の反応性をより向上させることができる。
触媒原料としいて用いる含窒素塩化合物の量は、(a)成分に含まれるタングステン原子の総量に対して、好ましくは0〜90mol%である。また、含窒素塩化合物の量は、10mol%以上が好ましく、20mol%以上がより好ましい。これにより、含窒素塩化合物による効果がより顕著に奏される。また、含窒素塩化合物の量は、(a)成分に含まれるタングステン原子の総量に対して90mol%以下が好ましく、80mol%以下がより好ましい。含窒素塩化合物が過剰にあると、含窒素塩化合物を用いない場合と比較して固体触媒からのイソポリ酸類の溶出が起こりやすくなる場合がある。
4級アンモニウム塩化合物としては、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ジオクタデシルジメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジセチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、トリカプリルメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムの、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、メトサルフェート、エトサルフェート等を挙げることができる。また、4級アンモニウム塩化合物は、天然由来の原料から調製されたものであって、アルキル基の一部に不飽和結合を有するものや、アルキル基の炭素数に分布を有するものであってもよい。4級アンモニウム塩化合物としては、セチルトリメチルアンモニウムの塩を特に好適に用いることができる。
ピリジニウム塩化合物の具体例としては、ドデシルピリジニウム、セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウムの、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、メトサルフェート、エトサルフェート等を挙げることができる。ピリジニウム塩化合物としては、セチルピリジニウムの塩を特に好適に用いることができる。
炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下、場合により「オレフィン化合物」という。)としては、分子内に一つ以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物であれば特に制限されない。
オレフィン化合物としては、例えば、エチレン;
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、アリルシクロヘキサン、スチレン、4−(tert−ブチル)スチレン、アリルベンゼン、4−メトキシスチレン、サフロール、オイゲノール、3,4−ジメトキシ−1−アリルベンゼン等の一置換オレフィン類;
2−ブテン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、2−メチル−1−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−メチル−1−ヘプテン、3−ヘプテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、2−ノネン、2−メチル−2−ノネン、3−ノネン、4−ノネン、5−デセン、2−メチル−1−ウンデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、メチレンシクロヘキサン、β−メチルスチレン、スチルベン、イソサフロール、イソオイゲノール、β−ピネン、ノルボルネン等の二置換オレフィン類;
2−メチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−2−ヘプテン、1−メチルシクロペンテン、1−メチルシクロヘキセン、1−(tert−ブチル)シクロヘキセン、1−イソプロピルシクロヘキセン、2−カレン、3−カレン、α−ピネン等の三置換オレフィン類;
2,3−ジメチル−2−ブテン、2,3,4−トリメチル−2−ペンテン等の四置換オレフィン類;などが挙げられる。
本実施形態では、オレフィン化合物として、脂環式オレフィン化合物を好適に用いることができ、下記式(2)で表される脂環式オレフィン化合物をより好適に用いることができる。本実施形態に係る製造方法では、その一態様において、式(2)で表される化合物をエポキシ化することにより、式(1)で表される脂環式エポキシ化合物が得ることができる。
Figure 2015098462
式(1)及び式(2)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。なお、「置換基を有していてもよい」とは、アルキル基が有する水素原子の一部又は全部が、水素原子以外の基で置換されていてもよいことを示す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくは塩素原子又はフッ素原子、より好ましくはフッ素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。なお、「置換基を有していてもよい」とは、アルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部が、水素原子以外の基で置換されていてもよいことを示す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくは塩素原子又はフッ素原子、より好ましくはフッ素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)等が挙げられる。
〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
すなわち、式(2)で表わされる脂環式オレフィン化合物としては、下記式(4)で表される化合物が好ましく用いられ、式(4)で表される化合物のエポキシ化によれば、下記式(3)で表される脂環式ジエポキシ化合物が得られる。
Figure 2015098462
固体担体としては、固体触媒、過酸化水素水、炭素−炭素二重結合を有する化合物を分散し、これらにより劣化せず、かつ酸化反応(エポキシ化反応)を阻害しない性質を有するもの、好ましくは酸化反応を促進する性質を有するものの粉末が用いられる。具体的には、アパタイトなどリン酸塩類、珪藻土〔主成分:シリカ〕、白陶土〔主成分:シリカアルミナ〕、ハイドロタルサイトなどクレイ類、フッ化カルシウムなどフッ化物類、シリカ、チタニア、アルミナなどの酸化物類を例示することができる。中でも、リン酸塩類、珪藻土、シリカ、アルミナ、白陶土、シリカアルミナ及びフッ化カルシウムから選択される固体担体が好ましく、より高い収率を達成できる。特に、アパタイト、珪藻土及びフッ化カルシウムから選択される固体担体は特に高い収率を達成できる。
ここで、アパタイトとは、リン酸カルシウムの一種であり、フッ素アパタイト、塩素アパタイト、炭酸アパタイト、水酸アパタイト等がリン灰石系鉱物として存在する。これらの中でも水酸アパタイト、フッ素アパタイトが好適に用いられる。
珪藻土とは、主に珪藻の殻からなる軟質の岩石又は土壌で、シリカを主成分とするが、シリカ以外にもアルミナ、酸化鉄、アルカリ金属の酸化物等が含まれていることが多い。又、ポーラスで高い空隙率を有し、ケーク嵩密度が0.2〜0.45程度のものが用いられることが多い。珪藻土の中でも、焼成品が好ましく、又淡水産珪藻土が好ましいが、他の珪藻土を使用することも可能である。このような珪藻土の具体例としては、セライト社からセライト(登録商標)の商品名で販売されているものやイーグルピッチャーミネラルズ社よりセラトムの商品名で販売されているものを例示することができる。又、炭酸ナトリウム等とともに焼成したものも用いることができる。
固体触媒は固体担体に固定化する必要はなく、単に固体触媒の粉末と固体担体の粉末を混合するだけでよい。例えば、予め固体担体の粉末に固体触媒の粉末を添加し、粉末同士を攪拌混合する方法により、固体触媒と固体担体との混合物を得ることができる。固体触媒の粉末及び固体担体の粉末の粒度は特に限定されないが、入手・製造の容易な粒径5〜100μm程度の粉末を用いることができ、これにより生成物の高い収率等、本発明の効果をより有効に得ることができる。
固体触媒の量は、固体担体の総量100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量部である。5質量部以上であるとエポキシ化反応の反応速度が向上して、エポキシ化合物をより収率良く得ることができる。一方、80質量部を超える範囲では、固体触媒の量を多くしても収率は向上せず、工業的に不利となる。
また、固体担体及び固体触媒の合計量は、炭素−炭素二重結合を有する化合物1mmolに対して、0.01〜5g程度の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.02〜3.0gである。
本実施形態において、固体触媒におけるタングステン含有量(タングステン原子の含有量)は、固体触媒及び固体担体の合計量100質量部に対して1〜25質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。1質量部以上であるとエポキシ化反応の反応速度が向上して、エポキシ化合物をより収率良く得ることができる。一方、25質量部を超える範囲では、エポキシの開環反応が進行しやすくなり収率が低下する。
上記タングステン含有量は、例えば、固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量を測定して求めることができる。固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は、固体担体及び固体触媒の混合物をアルカリ溶融で前処理した後、誘導結合プラズマ発光(ICP発光)分析することにより測定することができる。測定装置は、例えばパーキンエルマー社のOptima4300DVなどが使用できる。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は、好ましくは5〜60質量%である。過酸化水素を用いるエポキシ化合物の製造法では、一般に低濃度の過酸化水素水を用いた場合は、生成したエポキシドが加水分解されてジオールなど副生成物が生成し目的生成物の選択率が低くなるが、本実施形態に係る製造方法では、低濃度の過酸化水素水を用いた場合でも選択率が高く目的生成物の高い収率が得られる。
過酸化水素水の添加量は、炭素−炭素二重結合を有する化合物の二重結合部位1mmolに対して、過酸化水素として0.5〜5mmol程度の範囲とすることができ、好ましくは0.6〜2.5mmolである。0.5mmol未満では過酸化水素が不足してエポキシ化合物の収率が低下する場合があり、5mmolを超えると、開環反応が生じてエポキシ化合物の収率が下がるおそれがある。特に、式(1)の化合物を製造する場合には、過酸化水素が5mmolを超えると収率が低下する傾向が顕著である。
本実施形態において、エポキシ化は、固体担体の粉末及び固体触媒の粉末の混合物に、炭素−炭素二重結合を有する化合物及び過酸化水素水を添加して、行うことができる。この添加は、両者(炭素−炭素二重結合を有する化合物及び過酸化水素水)が混合物中に分散し互いに接触するように行われるが、例えば、両者の分散及び互いの接触を良好にするように、添加後混合撹拌を行ってもよい。その後は、この混合物を静置した状態で反応を行ってもよく、混合や撹拌を行いながら反応を行ってもよい。
本実施形態では、固体担体と固体触媒の混合粉末に、炭素−炭素二重結合を有する化合物及び過酸化水素水を添加する前後、あるいは同時に、さらに有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤を使用することでエポキシと水の接触を抑えることができ、これにより生成したエポキシの開環が防止しやすくなる。添加する有機溶剤の量は、炭素−炭素二重結合を有する化合物の総量100質量部に対して、500質量部以下であることが好ましい。有機溶剤の量が500質量部を超えると、反応速度が遅くなり、エポキシ化合物の収率が低下する傾向がある。
有機溶剤の種類としては、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン類、エポキシ類、脂肪族化合物、芳香族化合物等を用いることができる。好ましい有機溶剤はエタノール、酢酸エチル、ヘキサン、トルエン等であり、特にトルエンが好ましい。
本実施形態において、酸化反応(エポキシ化反応)の反応温度は、0〜50℃であることが好ましく、5〜40℃であることがより好ましい。反応温度が低すぎると反応の進行が遅くなる傾向にあり、反応温度が高すぎると固体触媒の失活やエポキシの開環により収率が低下する場合がある。
本実施形態において、酸化反応の反応時間は、1〜24時間が好ましく、1〜12時間がより好ましい。反応時間が短すぎると反応が十分に進行せず収率が低下する場合があり、反応時間が長すぎると生産効率が低下する。
本実施形態において、エポキシ化によるオレフィン化合物の転化率は、好ましくは80%以上である。また、本実施形態において、エポキシ化合物の収率は好ましくは50%以上である。
エポキシ化合物の単離方法は特に制限されず、例えば、溶剤抽出の後に濃縮する方法が挙げられる。また、得られたエポキシ化合物は、公知の精製方法によって精製するおともできる。
本実施形態に係る製造方法で得られるエポキシ化合物の塩素含量は、樹脂硬化物を作製した場合の耐湿信頼性が一層向上することから、100質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましい。なお、塩素含量は、JIS規格K−7243−3に準拠して測定される値であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテルにエポキシ化合物を溶解させ、水酸化カリウムアルコール溶液で加熱還流下けん化し、硝酸銀溶液の電位差滴定を行うことで測定される値である。エポキシ化合物の塩素含量は、蒸留精製で低減することもでき、アルカリ水溶液洗浄、吸着剤処理等の方法で低減することもできる。
また、本実施形態に係る製造方法で得られるエポキシ化合物の金属含量は、樹脂硬化物を作製した場合の機械特性や電気特性が一層向上することから、100質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましい。なお、金属含量は、エポキシ化合物の10%トルエン溶液を、誘導結合プラズマ発光(ICP発光)分析することにより測定することができる。測定装置は、例えばパーキンエルマー社のOptima4300DVなどが使用できる。この測定では、定性分析で検出された金属種において、それぞれ市販の金属標準液を使用して作成した検量線を用い、定量分析を行うことができる。エポキシ化合物の金属含量は、蒸留精製で低減することもでき、アルカリ水溶液洗浄、吸着剤処理等の方法で低減することもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(製造例1:固体触媒1の製造)
水650mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物16g(5.0mmol)と硝酸バリウム(II)0.16g(0.60mmol)を加え、65℃に加熱して溶解させて第一の水溶液を得た。水250mlにセチルピリジニウムクロライド一水和物14g(40mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させて第二の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第二の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で30分間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、水700mlで洗浄した。得られた固体を室温、減圧下で乾燥し、27gの白色固体を得た。これを固体触媒1とした。
(製造例2:固体触媒2の製造)
水650mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物16g(5.0mmol)を加え、65℃に加熱して溶解させて第一の水溶液を得た。水250mlにセチルピリジニウムクロライド一水和物14g(40mmol)と硝酸バリウム(II)1.6g(6.0mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させて第二の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第二の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で30分間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、水700mlで洗浄した。得られた固体を室温、減圧下で乾燥し、27gの白色固体を得た。これを固体触媒2とした。
(製造例3:固体触媒3の製造)
水650mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物16g(5.0mmol)を加え、65℃に加熱して溶解させて第一の水溶液を得た。水250mlにセチルピリジニウムクロライド一水和物14g(40mmol)と硝酸バリウム(II)3.1g(12mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させて第二の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第二の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で30分間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、水700mlで洗浄した。得られた固体を室温、減圧下で乾燥し、27gの白色固体を得た。これを固体触媒3とした。
(製造例4:固体触媒4の製造)
水650mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物16g(5.0mmol)と硝酸カルシウム(II)0.16g(1.0mmol)を加え、65℃に加熱して溶解させて第一の水溶液を得た。水250mlにセチルピリジニウムクロライド一水和物14g(40mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させて第二の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第二の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で30分間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、水700mlで洗浄した。得られた固体を室温、減圧下で乾燥し、27gの白色固体を得た。これを固体触媒4とした。
(製造例5:固体触媒5の製造)
水34mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物0.67g(0.21mmol)を加え、室温で攪拌して溶解させ、第一の水溶液を得た。水24mlにセチルトリメチルアンモニウムメトスルフェート0.77g(1.9mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させ、第二の水溶液を得た。水0.65mlにポリ4−ビニルピリジン0.067gを加えた。これを攪拌しながら、20%硫酸0.11gを滴下した。ろ過により不溶分を除去し、第三の水溶液を得た。第二の水溶液と第三の水溶液を混合し、第四の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第四の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で30分間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、水10mlで洗浄した。得られた固体を室温、減圧下で乾燥し、1.1gの白色固体を得た。これを固体触媒5とした。
(製造例6:固体触媒6の製造)
水160mlにパラタングステン酸アンモニウム四水和物3.1g(1.0mmol)を加え、35℃に加熱して溶解させて第一の水溶液を得た。メタノール60ml、水40mlからなる溶媒にセチルトリメチルアンモニウムメトスルフェート3.8g(9.5mmol)を加え、室温にて溶解させて第二の水溶液を得た。第一の水溶液を室温で攪拌しながら、第二の水溶液を第一の水溶液に加え、室温で12時間攪拌した。生成した白色懸濁液をろ過し、メタノール50mlで洗浄し、続いて水50mlで2回洗浄した。得られた白色固体を室温、減圧下で乾燥し、4.5gの白色固体を得た。これを固体触媒6とした。
(固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量の分析方法)
以下の実施例及び比較例において、固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は、固体担体及び固体触媒の混合物をアルカリ溶融で前処理した後、誘導結合プラズマ発光(ICP発光)分析することにより測定した。測定装置は、パーキンエルマー社のOptima4300DVを使用した。
(実施例1)
ねじ口試験管に、固体担体であるアパタイト 1.0g及び固体触媒1 0.15gを秤取り、よく混合した。これらの混合物のICP分析を行った結果、タングステン含有量は59mgであった。これらの混合物に、トルエン 0.61g、テトラヒドロインデン 1.2g(10mmol)、35%過酸化水素水 1.7g(18mmol)を加えた。20℃で6時間攪拌した後、反応混合物をトルエン(1mL×3回)で抽出した。抽出液から溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗生成物を蒸留器に仕込み、圧力2mmHgで蒸留を行った。塔頂温度90℃の留分として、テトラヒドロインデンジエポキシド0.81gを得た。生成物の収率(ジエポキシド収率)は53%であった。また、抽出における残渣である固体担体及び固体触媒の混合物のICP分析を行った結果、タングステン含有量は45mgであった。
(実施例2)
実施例1における固体触媒1を固体触媒2に替えた以外は、実施例1と同じ方法によりエポキシ化反応を行った。反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は59mg、反応後の(抽出における残渣の)固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は47mgであった。テトラヒドロインデンジエポキシドの収量は0.71g、収率は47%であった。
(実施例3)
実施例1における固体触媒1を固体触媒3に替えた以外は、実施例1と同じ方法によりエポキシ化反応を行った。反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は61mg、反応後の(抽出における残渣の)固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は52mgであった。テトラヒドロインデンジエポキシドの収量は0.61g、収率は40%であった。
(実施例4)
実施例1における固体触媒1を固体触媒4に替えた以外は、実施例1と同じ方法によりエポキシ化反応を行った。反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は57mg、反応後の(抽出における残渣の)固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は42mgであった。テトラヒドロインデンジエポキシドの収量は0.81g、収率は53%であった。
(実施例5)
実施例1における固体触媒1を固体触媒5に替えた以外は、実施例1と同じ方法によりエポキシ化反応を行った。反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は58mg、反応後の(抽出における残渣の)固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は46mgであった。テトラヒドロインデンジエポキシドの収量は0.59g、収率は39%であった。
(比較例1)
実施例1における固体触媒1を固体触媒6に替えた以外は、実施例1と同じ方法によりエポキシ化反応を行った。反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は59mg、反応後の(抽出における残渣の)固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量は40mgであった。テトラヒドロインデンジエポキシドの収量は0.58g、収率は38%であった。
実施例1〜5における収率(テトラヒドロインデンジエポキシドの収率)及びタングステン残存率(反応前のタングステン含有量に対する反応後のタングステン含有量の割合)を表1に示す。なお、タングステン残存率は、下記式で計算される。
タングステン残存率(%)=(反応後の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量)×100/(反応前の固体担体及び固体触媒の混合物中のタングステン含有量)
Figure 2015098462
本発明によれば、生産性良くエポキシ化合物を製造することができる。

Claims (8)

  1. 炭素−炭素二重結合を有する化合物、過酸化水素水、固体担体の粉末、及び固体触媒の粉末の共存下に、炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を製造する方法であって、
    前記固体触媒が、イソポリ酸類を含み、
    前記イソポリ酸類が、(a)タングステン酸又はその塩と(b)アルカリ土類金属の塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種とを含む触媒原料より製造される、エポキシ化合物の製造方法。
  2. 前記触媒原料が、タングステン酸アンモニウム塩を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記触媒原料が、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属の塩を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記触媒原料が、ポリ4−ビニルピリジンの塩及びポリN−アルキル−4−ビニルピリジンの塩からなる群より選択される少なくとも一種のカチオン性ポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、脂環式オレフィン化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2015098462

    [式中、R〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
  7. 前記固体担体が、リン酸塩類、珪藻土、シリカ、アルミナ、白陶土、シリカアルミナ及びフッ化カルシウムからなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記固体担体がアパタイトである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
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