以下、本発明の実施形態について説明する。
図1、図2は、本発明に係る巻寿司連続製造装置100の全体構成を示す図である。
板状飯12を第1搬送コンベア72、計測コンベア73を介して第2搬送コンベア3上に供給すると共に帯状海苔4(図3)をて第2搬送コンベア3の始端部に供給する供給部(供給手段)A、供給部Aから供給された帯状海苔4と板状飯12を第2搬送コンベア3で矢印a方向に搬送し、搬送途中で板状飯12上に具を供給するための具供給部B、次段のコンベアベルト14aを左右方向から進行方向に沿って円柱状に絞込むことで該ベルト14a内において円柱状の巻寿司Mを成形する成形部(成形手段)C、円柱状に成形された巻寿司Mを所定長に切断する切断部Dとから構成されている。
上記供給部Aは(図2、図3、図6参照)、ロール状海苔収納部1と飯供給部2と制御部74と入出力部75とから構成されている。上記ロール状海苔収納部1は、上記飯供給部2の下方でかつ第2搬送コンベア3の始端部近傍の機枠F1に軸1aにより回動自在に軸支されており、当該収納部1には途切れのない帯状海苔4がロール状に巻き取り収納されている。この帯状海苔4は、当該収納部1から矢印a’方向に引き出され、上記第2搬送コンベア3のコンベアベルト3a上に供給される。そして当該海苔4上面に上記飯供給部2から板状飯12が連続的に供給され、かかる状態で第2搬送コンベア3のコンベアベルト3aの搬送面が矢印a方向に駆動されることにより、上記収納部1から矢印a’方向に、順次帯状海苔4が第2搬送コンベア3上に途切れることなく供給されていく。
上記飯供給部2は、ホッパー5に供給された飯を解し器6にて解しながら下方の送りローラ7に供給し、複数の送りローラ7によって飯を前方(矢印a方向)に送り出し、解しローラ8により飯を解しながらさらに下方に供給し、近接配置された一対の大径飯供給ローラ9a、9bにより飯を所定厚の板状に成形しながら下方に供給し、さらに上記大径飯供給ローラ9a、9bの下方に配置された一対の小径飯供給ローラ10a、10bにより、さらに下方に連続的に供給されて、下方の上記第1搬送コンベア72上に板状飯12が連続的に途切れることなく供給されていく(図4参照)。尚、S、Sは上記小径飯供給ローラ10a、10b下方位置に配置されたシャッターであり、上記飯を第1搬送コンベア72に供給している間は常時開状態を維持している。
上記大径飯供給ローラ9a、9bは図5(イ)に示すように、回転軸9”、9”に平行な突条9’、9’が周方向に複数形成されており、互いに対向する方向(矢印b’方向)に回転することにより飯を板状に成形しながら下方に送り出す機能を有している。上記小径供給ローラ10a、10bは図5(ロ)に示すように、軸方向に一定間隔を以って周方向溝10’を形成することにより、周方向に複数の凹凸11が形成されており、これにより板状飯12の表面に進行方向に沿って複数列の凹溝12’を形成するものである。また前方側の上記小径飯供給ローラ10aの一端には、上記凹凸11の幅より幅広の、ローラ10aの周方向に沿うテーパ状凹部(凹溝)11’が形成されており、かかるテーパ状凹部11’によりコンベアベルト72a上に供給される板状飯12の一方側縁部分(進行方向aに対して右側部分)には、他の部分より盛り上がった盛上り部12aが連続的に形成されるようになっている(図10参照)。また、上記小径飯供給ローラ10aの上記テーパ状凹部11’は、図32に示すように、当該ローラ10aの両端部に設けても良い。このように構成すると、図33に示すように、上記両端に形成されたテーパ状凹部11’、11’によりコンベアベルト72a上に供給される板状飯12の左右両方の側縁部分には、他の部分より盛り上がった盛上り部12a、12aが連続的に形成されるようになる(図33参照)。このように小径飯供給ローラ10a、10bによる飯の供給動作(いわゆるしゃり出し動作)が安定するという効果がある。
なお、本実施形態では、上記大径飯供給ローラ9a、9bのローラ回転速度は、制御部74によって増減可能である(図6参照)。このようにローラ回転速度を増減させることにより、大径飯供給ローラ9a、9bから供給される板状飯の量を制御することができる。また、小径飯供給ローラ10a、10bのうちの一方(ここでは小径飯供給ローラ10b)は、横方向に平行移動可能に構成されており、この移動幅は制御部74によって制御可能である(図5(ロ)や図6参照)。このようにローラ間の幅を増減させることにより、小径飯供給ローラ10a、10bから供給される板状飯の厚みを制御することができる。なお、制御部74による制御内容は後述する。
第1搬送コンベア72は、飯供給部2の下方位置に配置される搬送装置である(図2〜図4及び図6参照)。この第1搬送コンベア72のコンベアベルト72a上には、飯供給部22から連続的に供給される板状飯12が載せられる。第1搬送コンベア72は、駆動モータM8(図4、図6参照)により矢印a方向に連続的に駆動され、供給部Aより板状飯12が連続的に供給され搬送されていく。
計測コンベア73は、図2〜図4及び図6に示すように、第1搬送コンベア72の端部72bに隣接して設けられ、第1搬送コンベア72上を搬送されてきた板状飯12を搬送するとともに、当該計測コンベア73のコンベアベルト73a上の板状飯12の重さを計測可能な計測部としての機能を併せ備えた搬送装置である。この計測コンベア73は、駆動モータM9(図4、図6参照)により矢印a方向に上記第1搬送コンベア72と同一の搬送速度で連続的に駆動される。
この計測コンベア73には、図7に示すように、ロードセル73cが設けられている。ロードセル73cは、計測コンベア73のコンベアベルト73a(図7では不図示)上の板状飯12の重さ(荷重)を計測するために設けられており、板状飯12の重さに応じてこのロードセル73cにより生成される電気信号は、制御部74に送られる。なお、以上のように第1搬送コンベア72と計測コンベア73とを分けることによって、1つの計測コンベアのみを設けて計測する場合に比して、計測に係る精度を向上させることができる。さらに計測コンベアの全長を、巻き寿司1本分の長さ180mmに近づけることにより、連続した飯を計測して寿司1本分に換算する際により実測値と近くなる様にしている。
第2搬送コンベア3は、計測コンベア73の端部73bに隣接して設けられ、計測コンベア73上を搬送されてきた板状飯12を搬送する搬送装置である。
制御部74は、計測コンベア73のロードセル73cによって計測された板状飯12の重さや入出力部75に入力された操作者の指示に基づいて、飯供給部2によって供給される飯の量を適切な量に補正するフィードバック制御を行う。具体的には、大径飯供給ローラ9a、9bのローラ回転速度を増減させたり、小径飯供給ローラ10bのローラ間の幅を増減させる制御を行う。例えばCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等を備えた一般的なコンピュータ装置である。制御内容については図8を用いて後述する。
入出力部75は、操作者の各種指示を入力したり、制御部74により作成された出力内容を出力する。この入出力部75は、例えば画面上で入出力を行うタッチパネル装置である。
以上のような供給部Aの構成により、図4に示すように、第1搬送コンベア72のコンベアベルト72a上から計測コンベア73のコンベアベルト73a上を通って第2搬送コンベア3のコンベアベルト3a上に上記板状飯12が途切れなく供給されていく(図5(ロ)参照)。
[制御部74の制御ロジック]
ここで、図8を用いて上記制御部74の制御内容を説明する。制御部74は、巻寿司連続製造装置100が運転開始すると、図8に示す制御ロジックを開始する。
まずステップS1において、制御部74は、計量値を取り込む(S1)。ここでは、まず制御部74はロードセル73cから受信する電気信号に基づいて、切断部Dによる切断前のつながった状態の板状飯12の重さを計算して、その値を計量生データ(図9(イ)参照)として取り込む。この計量生データに計量補正乗数を掛けた値を計量補正データとして算出する。この計量補正データは計量値と同義である。図9(イ)では、これらの各データがタッチパネル装置としての入出力部75に画面出力された例を示している。この計量補正乗数とは、運転前に事前に算出しておくもので、その算出方法は、飯を板状に出し、その板状飯を180mm間隔で計量生データを算出する。その算出した値と、実際にその部分の板状飯を180mmにカットして計量した値を用いて、カットした計量値から計量生データを割って得た値が計量補正乗数である。
次にステップS2において、制御部74は、計測値が目標値の70%以上を3回連続計測したか否かを判定する(S2)。制御部74は、所定のタイミングでロードセル73cから電気信号を受け取る。そして、この受け取った電気信号に基づいて算出される計測値が予め設定された目標値の70%以上であることが3回連続であったか否かを判定する。すなわち、計量コンベア73上に板状飯12が連続的に供給されているか否かを判定している。なお、計測値とは、段落番号0026の「計量補正データ」で、目標値とは、運転前に設定する「商品1本当たりの寿司飯のグラム数」のことである。
計測値が目標値の70%以上を3回連続計測するまでステップS2の処理を繰り返した後(S2でYES)、制御部74は、自動補正を開始する(S3)。
ステップS4に進み、制御部74は、計測値が目標値の70%以上であるか否かを判定する(S4)。計測値が目標値の70%以上である場合(S4でYES)、ステップS5に進む。一方、計測値が目標値の70%未満である場合(S4でNO)、ステップS2に戻る。
ステップS5に進むと、制御部74は、計測値が目標値よりも2g以上軽いか否かを判定する(S5)。計測値が目標値よりも2g以上軽い場合(S5でYES)、ステップS6に進む。一方、計測値が目標値よりも軽いが2g未満である場合又は目標値以上の重さである場合(S5でNO)、ステップS19に進む。
ステップS6に進んだ場合、制御部74は、C、Dカウントをリセットする(S6)。制御部74は、A、B、C、Dの異なる4つの数字カウンターを有しており、ステップS6ではそのうちのC、Dのカウント値をリセットする。Aカウントは、計測値が目標値に対して2g以上軽い状態が何回続いたかを計測するための数字カウンターであり、初期値は0である。Bカウントは、計測値が目標値に対して10g以上軽く、かつ目標グラムより30%以内の範囲にある状態が何回続いたかを計測するための数字カウンターであり、初期値は0である。Cカウントは、計測値が目標値に対して2g以上重い状態が何回続いたかを計測するための数字カウンターであり、初期値は0である。Dカウントは、計測値が目標値に対して11g以上重い状態が何回続いたかを計測するための数字カウンターであり、初期値は0である。
その後ステップS7において、制御部74は、Aカウントを用いて計測値が目標値に対して軽い状態が連続して何回続いたかをカウントする(S7)。その後ステップS8において、制御部74は、計測値が目標値の70%以上のグラムで、かつ目標値から10g引いた値の範囲内であるか否かを判定する(S8)。
ステップ8において、計測値が当該範囲内である場合(S8でYES)、ステップS9に進み、制御部74は、Bカウントを用いて計測値が目標値の70%以上でかつ目標値より10g以上軽い状態が何回連続で続いたかをカウントする(S9)。この状態が3回連続した発生したら次の工程(S10)へ進む。その後、制御部74は、Bカウントが3回連続して計測したら入出力部75としてのタッチパネル装置上に“スカスカ”又は“つぶれ”を選択するための画面(図9(ロ)参照)を表示出力する(S10)。“スカスカ”とは、飯粒の間隔が疎である、つまり見た目に軽い状態のことを言う。また“つぶれ”とは、飯粒同士の間隔が密である、すなわち見た目に重い状態のことを言う。
画面上で“つぶれ”が操作者によって選択されると(S11)、制御部74は、当該選択情報を入出力部75から入力し、その後ステップS12に進んで、飯厚みをアップする(S12)。ステップS12において具体的には、制御部74は、小径飯供給ローラ10a、10b(図6参照)の間の幅が大きくなるよう、小径飯供給ローラ10bを0.5mm平行移動させる。これにより、飯供給部2によって供給される板状飯12の厚みを厚くしつつ飯の量を増やすことができる。
一方、画面上で“スカスカ”が操作者によって選択されると(S13)、制御部74は、当該選択情報を入出力部75から入力し、その後ステップS14に進んで、上ローラーの回転速度をアップする(S14)。ステップS14において具体的には、制御部74は、大径飯供給ローラ9a、9b(図6参照)のローラ回転速度を0.2Hz上昇させる。これにより、飯供給部2によって供給される飯の量を増やすことができる。
ステップS12又はステップS14の処理が終了すると、ステップS15に進み、制御部74は、Bカウントをリセットし(S15)、その後ステップS7に戻る。
ステップS8からステップS16に進んだ場合(S8でNO)、制御部74は、計測値が目標値から10g引いた値と2g引いた値の範囲内であるか否かを判定する(S16)。計測値が目標値より11g以上軽い場合、または計測値が目標値より重い場合(S16でNO)、ステップS5に戻る。一方、当該範囲内である場合(S16でYES)、Aカウントが6連続カウントするとステップS17に進み、制御部74は、上ローラーの回転速度をアップする(S17)。ステップS17において具体的には、制御部74は、大径飯供給ローラ9a、9b(図6参照)のローラ回転速度を0.2Hz上昇させる。その後、Aカウントをリセットし(S18)、ステップS4に戻る。
ステップS5からステップS19に進んだ場合(S5でNO)、制御部74は、A、Bカウントをリセットし(S19)、その後ステップS20に進み、計測値と目標値との誤差が1gの範囲内であるか否かを判定する(S20)。計測値と目標値との誤差が1gの範囲内である場合(S20でYES)、飯供給部2によって供給される飯の量を増減させる必要がないとして、A、B、C、Dカウントをリセットし(S21)、ステップS4に戻る。
一方、計測値と目標値との誤差が1gの範囲内でない場合(S20でNO)、ステップS22に進み、制御部74は、Cカウントを用いて計測値が目標値に対して2g以上重い状態が何回連続して起きたかをカウントする(S22)。その後、制御部74は、計測値が目標値に2g足した値と10g足した値の範囲内であるか否かを判定する(S23)。当該範囲内である場合(S23でYES)、Cカウントが連続して6回カウントした場合ステップS24に進み、制御部74は、上ローラーの回転速度をダウンする(S24)。ステップS24において具体的には、制御部74は、大径飯供給ローラ9a、9b(図6参照)のローラ回転速度を0.2Hz低下させる。その後、Cカウントをリセットし(S25)、ステップS4に戻る。
ステップS23からステップS26に進んだ場合(S23でNO)、制御部74は、計測値が目標値に11g足した値以上であるか否かを判定する(S26)。当該範囲外である場合(S26でNO)、ステップS23に戻る。当該範囲内である場合(S26でYES)、ステップS27に進み、制御部74は、Dカウントを用いて計測値が目標値に対して11g以上重い状態が何回連続して発生したかをカウントする。(S27)。その後ステップS28に進み、制御部74は、Dカウントが3回連続カウントした後に入出力部75としてのタッチパネル装置上に“スカスカ”又は“つぶれ”を選択するための画面(図9(ロ)参照)を表示出力する(S28)。
画面上で“つぶれ”が操作者によって選択されると(S29)、制御部74は、当該選択情報を入出力部75から入力し、その後ステップS30に進んで、上ローラーの回転速度をダウンする(S30)。ステップS30において具体的には、制御部74は、大径飯供給ローラ9a、9b(図6参照)のローラ回転速度を0.2Hz低下させる。これにより、飯供給部2によって供給される飯の量を減らすことができる。
一方、画面上で“スカスカ”が操作者によって選択されると(S31)、制御部74は、当該選択情報を入出力部75から入力し、その後ステップS32に進んで、飯厚みをダウンする(S32)。ステップS32において具体的には、制御部74は、小径飯供給ローラ10a、10b(図6参照)の間の幅が狭くなるよう、小径飯供給ローラ10bを0.5mm平行移動させる。これにより、飯供給部2によって供給される板状飯12の厚みを狭くしつつ飯の量を減らすことができる。
ステップS30又はステップS32の処理が終了すると、ステップS33に進み、制御部74は、Dカウントをリセットし(S33)、その後ステップS20に戻る。
以上に示す処理により、本実施形態に係る制御部74は、計測コンベア73のロードセル73cによって計測された板状飯12の重さや入出力部75に入力された操作者の指示に基づいて、飯供給部2によって供給される飯の量を適切な量に補正するフィードバック制御を行う。そのため、最終的に出来上がる巻寿司毎に飯の量のバラつきが発生するのを防止することができる。
図2に戻り、上記具供給部Bは、機枠F2上に直線的に配置された所定長の上記第2搬送コンベア3により構成されている。この第2搬送コンベア3は駆動モータM1(図4)により矢印a方向に上記第1搬送コンベア72及び計測コンベア73と同一の搬送速度で連続的に駆動され、上述のように供給部Aより帯状海苔4及び板状飯12が連続的に供給され搬送されていく。この具供給部Bにおいては、当該第2搬送コンベア3に沿って一人乃至複数人の作業者が並び、手作業で上記板状飯12の上に各種具Gを供給してく(図11、図30、図31参照)。そして、上面に各種具Gの供給された状態の板状飯12は、帯状海苔4と共に次段の成形部Cの成形用コンベア14に途切れることなく連続的に搬送されていく。尚、ここで図11に示すように、帯状海苔4上に連続的に供給された板状飯12と、その上に供給された具Gを併せて「巻寿司材料」という。尚、図2中3bは第2搬送コンベア3の始端ローラ、3cは同コンベアの終端ローラである。
上記成形部Cは、機枠F3に軸支された始端ローラ13a及び終端ローラ13b間に張設されたコンベアベルト14aにより構成される搬送コンベアである成形用コンベア14、上記機枠F3上であって上記成形用コンベア14のコンベアベルト(成形用コンベアベルト)14aの上側移行面と下側移行面との間に固定設置された機枠F4、該機枠F4上に各々固設されたものであって、上記搬送方向(矢印a方向)に沿って順次配置されたベルト立上部15、一次成形部(可動成形部)16、押え部17、二次成形部18、三次成形部(可動成形部、増締め部)19により構成されている(図12、図13参照)。よって、上記機枠F4上を矢印a方向に連続的に進行するものである。尚、以下の説明において、成形用コンベア14上の位置を示す場合、コンベアベルト14aの進行方向(矢印a方向)を向いて「右側」又は「左側」との表現を用いる。
上記ベルト立上部15は(図14、図15参照)、上記機枠F4上に固設され、上記コンベアベルト14aの両端部(両側縁)e、e’を略垂直に立ち上げると共に、上記ベルトの左側の側縁e’を上記巻寿司材料共々略円柱状に折り込んで柱状の巻寿司の予備的成形を行うものである。このベルト立上部15は、上記機枠F4上に左右方向に逆L字型ブロック(ブロック)15a、15bを近接対向配置し、コンベアベルト14aの進行方向(矢印a方向)にコンベアベルト14aの横幅Tより狭い所定幅t1の狭幅空間(狭幅成形用空間)15’を構成し、かかる空間15’内にコンベアベルト14aをその両端部e、e’を互いに内側に折り込むように円柱状(筒状)に折り曲げて、かかる状態で上記空間15’内を通過させるものである。尚、本実施形態では一例として「円柱状」の巻寿司を成形する場合を説明するが、断面が四角の「角柱状」の巻寿司を成形することもできる。よって、本実施形態においては「円柱状」という文言を使用するが、角柱状の巻寿司の成形も含めてより広い意味で「筒状」の巻寿司との表現も用いる。
これら両ブロック15a、15bは、図15に示すように、左側ブロック15bの方が右側ブロック15aよりその高さが低く形成されており、各ブロック15a、15bの上端部には水平方向の押え片15a’、15b’が互いに対向方向に設けられている。この左側の押え片15b’は上記ブロック15bの出口側近傍にのみ設けられており、他の押え片15a’より成形用コンベア14の進行方向の幅は短いが、左右方向に長く形成されており、これにより上記狭幅空間15’内にコンベアベルト14aが進入すると、まず上記ベルト14aの両端部e、e’が立ち上がり、さらに進入していくと上記コンベアベルト14aの左端部(左側縁)e’が上記押え片15b’により徐々に内側に折り曲げられていく(図15)。上記右側の押え片15a’は上記ブロック15aの入口近傍から出口に至るまで上記押え片15b’よりコンベア搬送方向に長く形成されており、上記狭幅成形空間15’内に侵入して起立したコンベアベルト14aの右端部(右側縁)eの上端を案内支持する機能を有している。
そして、上記コンベアベルト14aは上記狭幅空間15’間に進入することで、右端部(右側縁)eが略起立状態となり、その上端部が上記押え片15a’により抑えられ位置決めされた状態で、上記左側のブロック15b及びその押え片15b’により手前側が半円柱状に折り曲げられた状態となり、これによりコンベアベルト14a内の巻寿司材料を、略円柱状に巻き込み成形する(図15参照)。よって、このベルト立上部15により上記コンベアベルト14aは略半円柱状に巻き込まれ、ベルト14a内の巻寿司材料もそれに伴って略柱状に巻き込まれた状態となる。尚、このとき、板状飯の右側の端縁に上記盛上り部12aが形成されているので、略柱状に巻き込んだとき、盛上り部12aとは反対側の端縁が上記盛上り部12aに当接し良くなり、これにより板状飯の端縁同士の接続が確実に行われ、該飯により具Gを確実に巻き込むことができる(図15参照)。このベルト立上部15に進入した際のコンベアベルト14a内の巻寿司材料(海苔、板状飯及び具)は、図30(イ)のように海苔4の両端部4a、4a’が立ち上がった状態となっている。また、図33に示すように板状飯の左右両側縁に盛上り部12a、12aが形成されている場合は、上記巻き込みにより両盛上り部12a、12a同士が接触して、具Gを確実に巻き込むことができる。
上記一次成形部(可動成形部)16は(図16、図17参照)、上記機枠F4上における右側に設けられた固定ブロック20と、左側に設けられた下部固定ブロック21と、該下部固定ブロック21上に設けられた可動ブロック22と、該可動ブロック22を搬送コンベアの進行方向(矢印a方向)とは直交する矢印b、c方向に往復駆動する駆動機構23とから構成されている。そして、上記可動ブロック22が図16(イ)に示す押圧位置において、ブロック20の内側円弧面20a、上記下部固定ブロック21の内側円弧面21a、上記可動ブロック22の内側円弧面22aにより円柱状狭幅成形空間(狭幅筒状成形空間)24が形成されるように構成されている。
上記可動ブロック22は、一端が上記下部固定ブロック21の側面に軸支25aされた支持アーム25の上端部にその側面が軸支25bされており、当該支持アーム25により上記下部固定ブロック21に対して上記矢印b、c方向に往復回動可能に取り付けられている。
上記ベルト立上部15を通過してきた略円柱状のコンベアベルト14aは、当該狭幅成形空間24内にそのまま入り込み、該ベルトの右側の端部e(一側面)は固定ブロック20にガイドされつつ、上記可動ブロック22の矢印b、c方向の往復回動運動により、上記円弧面22aがベルト左側の端部e’(左側面)に当接し、上記コンベアベルト14aの上記他側面を上記一側面方向に筒状に巻き込んで、これにより上記コンベアベルト14aの左側の側面(他側面)が円柱状に押圧成形され、この時点で当該一次成形部16の長さt2(図17)の範囲で略円柱状の巻寿司Mが上記コンベアベルト14a内にて成形される。上記可動ブロック22の上記円弧面22aの上記回転運動は、人間の手で上記巻寿司Mの側面部分を円柱状(筒状)に成形し、巻締めをする動作と略同様の成形巻締め動作を実現するものである。
上記可動ブロック22の駆動は、上記機枠F4に隣接して機枠F5を設け、該機枠F5に固定された駆動モータM3の出力軸に回転盤26を取り付け、該回転盤26の外面の偏心位置にクランク27の一端の回転支軸27aを軸支し、該クランク27の他端27bに、上記機枠F5の支持板28に中間回動支点29aを軸支された連結アーム29の下端29bを軸支し、かつ該連結アーム29の上端29cに、先端嵌合部30aが上記可動ブロック22の上部支軸22bに嵌合した駆動アーム30の他端30bを軸支する。これにより、上記駆動モータM3の回転に基づいて上記クランク27を矢印d、f方向に往復動させ、これによって上記連結アーム29がその上記回動支点29aを中心として回動運動し、かかる回動運動に基づいて上記駆動アーム30を介して上記可動ブロック22を矢印b、c方向に連続的に往復回動するものである。
上記成形用コンベア14は連続的に移動してゆき、上記コンベアベルト14aはその端部eが固定ブロック20に沿って直立し、左側端部e’側が円柱状に巻き込まれた状態で当該一次成形部16内を通過していく。上記可動ブロック22はその間、上記往復運動を連続的に行うものであるから、当該一次成形部16を通過する過程において、上記コンベアベルト14a内には円柱状(筒状)の巻寿司Mが成形されていく。この時点での上記ベルト14a内の巻寿司材料は図30(ロ)に示すように、海苔4の左側の端部4a’が、上記可動ブロック22により右側端部4a方向に円筒状に巻き込まれ、上記右側端部4aを残して略円筒状に成形されていく。
上記押え部17は(図18参照)、機枠F4上における右側寄りの位置に固定されたL型ガイド金具31と、コンベアベルト14aの進行方向に沿って設置された巻寿司上部押え片32と、上記機枠F4上における左側にコンベア進行方向に沿って固設され長さt3に亘って比較的長く形成されたガイドブロック33とから構成されている。上記L型ガイド金具31は、その上端縁をコ字状に折曲することによりコンベア進行方向に沿うベルトガイド溝31aを有しており(図19参照)、該ガイド溝31aを構成する金具の外面31a’に上記巻寿司上部押え片32の後端部32aが固定されている。上記ガイドブロック33の上部には上記L型ガイド金具31側に向けて突出する押え片33aが突出形成されており、横断面略逆L字型となっている。
上記押え片32は上記後端部32aからコンベアベルト14aの略中央部に位置するようにコンベア進行方向に沿って延在しており、その先端部32’の横断面形状は図20に示すように円筒状の巻寿司Mの上部外周に沿う円弧面32bとなっている。さらに、上記押え片32の高さは、上記後端部32aから次段の二次成形部18に近づくにつれて徐々に低くなるように形成されており(図18(ロ)参照)、先端部32’は、次段の二次成形部18の入口高さt4まで巻寿司Mを上方から圧縮し得る高さとなっている。
このように構成された押え部17に対して、上記コンベアベルト14aはその右側端部eが上記ベルトガイド溝31a内に入り込んでガイドされると共に、左端部e’は上記ガイドブロック33の内側面33bによってガイドされつつ上部を上記押え片33aにより抑えられ湾曲状態を保ちつつ、左右の端部e、e’により内部の巻寿司Mを円柱状に包み込みながら、次段の狭幅成形筒状空間35の入口35’に進入するように配置される。上記コンベアベルト14aは次段の二次成形部18の狭幅筒状成形空間35に円柱状に巻き込まれた状態で入り込んでいくことから、その起立状態の端部eが上記ベルトガイド溝31aを通過した位置近傍から円筒状(筒状)に巻き込まれていく。即ち、コンベアベルト14aの両端部e、e’が徐々に円柱状に巻き込まれて行き、上記巻寿司上部押え片32を内部に巻き込んだ状態(図18(イ)参照)で、次段の狭幅円柱状空間35の入口35’に進入していく。このとき上記巻寿司Mは、上記コンベアベルト14a内の上記巻寿司押え片32の下方に位置しており、コンベアベルト14aが当該押え部17を矢印a方向に搬送されていく過程において、上記押え片32によりその上部を徐々に押さえ込まれながら円柱状に成形され、その高さが次段の二次成形部18の入口高さt4まで押圧(圧縮)されて上記二次成形部18内にその入り口35’から進入していく(図30(ハ))。
上記二次成形部18は(図21、図22参照)、横断面半円形の押圧面34a’を有する右側半円柱状成形型(成形ブロック)34aと、当該右側半円柱状成形型34aに近接対向配置され、横断面半円形の押圧面34b’を有する左側半円柱状成形型(成形ブロック)34bとから構成されており、これらの成形型34a,34bを対向させることにより狭幅円柱状成形空間(狭幅筒状成形空間)35が形成されるようになっている。
上記成形型34a、34bは、以下の摺動機構を有する。即ち、上記成形型34a、34bは上記機枠F4上において互い平行に対向するように載置されており、これら成形型34a、34bの中央部には、L型アングル34a”、34b”が接続固定されており(図23、図24参照)、該アングル34a”、34b”の下面には雌螺子の切られた雌螺子ブロック35a、35bが各々固設されている。これらの雌螺子ブロック35a、35bは上記機枠F4に設けられた貫通長孔36a、36bを介して該機枠F4下側に位置している。上記機枠F4の裏面側には上記雌螺子ブロック35a、35bの各外側位置に対応して軸受36a’、36b’が各々設置されており、さらに上記軸受36a’、36b’を介して上記雌螺子ブロック35a、35bに駆動シャフト37が螺着されている。37aは上記シャフト37の一端に設けられた当該シャフト37の回転用ノブである。
この駆動シャフト37には、その中心部pを境に、右側と左側に逆螺子が切ってあり、上記ノブ37aを一方向に回転することにより、上記雌螺子ブロック35a及び35bを互いに近接方向又は離間方向(矢印g、h方向)に移動させて、上記狭幅円柱状成形空間35の幅を巻寿司の巻き太さに応じて調整し得るように構成されている。
上記右側半円柱状成形型34aの前後端部にはコンベア進行方向に直交する方向のガイドシャフト38a、38a’が突設されていると共に、左側半円柱状成形型34bの前後端部にもコンベアの進行方向に直交する方向のガイドシャフト38b、38b’が同じく幅方向に突設されている。そして、上記右側のガイドシャフト38a、38a’を受ける軸受39a、39a’が上記機枠F4上に設けられていると共に、上記ガイドシャフト38b、38b’を受ける軸受39b、39b’が上記機枠F4上の上記ガイドシャフト38a、38a’、38b、38b’の対向位置に設けられている。よって上記ノブ37aを回転することにより、上記左右半円柱状成形型34a、34bは上記軸受39a、39a’、39b、39b’にガイドされて互いの平行状態を正確に維持しながら矢印g、h方向の近接離間動作を行わせることができる。
上記成形型34aの中央寄りの上縁2箇所には天板42の位置決突起40、40が上方向きで設けられており、上記成形型34bの中央寄りの上端2箇所(上記位置決め突起40、40の対向位置)には同じく天板42の位置決め突起41、41が上方向きで設けられている。上記成形型34a、34bの上面には板状の天板42が載置されており(図21、図22)、このとき上記各突起40、40、41、41は当該天板42に貫設された左右方向の調整用長孔42a(4箇所)内に挿通し得るように構成されている。また、上記軸受39a、39a’の間及び上記軸受39b、39b’の間には上記成形型34a、34bに平行に補強杆40a、40bが各々接続固定されている。
上記天板42の上面には、天板押え機構43が設けられている(図22参照)。この押え機構43は、上記天板42の上面に前後方向に一対の直立軸43、43を立設しこれら軸43、43にスプリング(弾性手段)44、44を挿通し、かつこれらの直立軸43、43に中間プレート45の各貫通孔45a、45bを各々挿通することで当該中間プレートを上記スプリング44上に載置した状態としている。さらに、天板押えアーム46を上記天板42上に設け、当該アーム46の一端46aを上記右側の補強杆40aの中央支持板40a’に回動自在に軸支46a’する。この押えアーム46の中央部には押えローラ47が回動自在に軸支47’されており、当該アーム46を矢印i方向に回動すると、上記押えローラ47が上記中間プレート45の中央部に当接して、当該プレート45に対して下向きの押圧力を作用させ得るように構成されている。この押えアーム46の左側には、固定用係合片48が軸支48aされており、当該係合片48の先端爪部48bを左側の補強杆40bの支持板40b’に設けられた係合軸49に係合することにより、上記押えアーム46を回動位置(図22の実線位置)で固定し得るように構成している。50は、上記押えアーム46の先端に設けられたグリップハンドルである。
よって、上記グリップハンドル50を持って上記押えアーム46を矢印i方向に回動させることにより、上記ローラ47が上記中間プレート45上面に当接して当該プレート45を下方に押圧する。すると、上記天板42には上記スプリング44、44を介して下方向の所定の圧力を作用させることができるものである。
従って、上記コンベアベルト14aは、上記前段の押え部17から円柱状態を維持しながら入口35’から狭幅円柱状成形空間35内に入り込み、上記ベルト14a内の巻寿司Mは、上記空間35内において成形用コンベア14の矢印a方向の搬送に伴って上記成形部34a、34bの範囲(長さ)t5において全体が円柱状に成形される。このとき、上記天板42にはスプリング44、44を介して下方向きの押圧力が作用しているので、上記空間35内の巻寿司Mには上記天板42を介して下向きに適切な圧力が作用し、これにより巻寿司Mを円柱状に適切に成形することができる。このとき、上記ベルト14a内の巻寿司材料は図30(ハ)に示すように上記ベルト14aが上記狭幅円柱状成形空間35内に進入することで起立した海苔4の右側端部4aが左側側面4a’側に円筒状に折り込まれ、全体として円筒状に成形されていく。
上記三次成形部19は(図25参照)、機枠F4上に固定された下部成形固定ブロック51と、該固定ブロック51上でコンベア進行方向に直交する対向方向に往復回動する一対の可動ブロック52、53と、これら可動ブロック52、53の駆動機構54により構成されている。上記可動ブロック52、53は、上記固定ブロック51の側面に各々軸支55a、55a’された支持アーム55、55’の各上端部55b、55b’に回動自在に各側面を以って軸支されており、上記支軸55a、55a’を支点として互いに近接離間方向(矢印j、k方向)に回動可能に設けられている。56は連結アームであり、その一端を上記支持アーム55の下端に軸支56aされ、その他端を上記支持アーム55’の中間位置に軸支56bされており、上記可動ブロック52の往復回動動作を上記可動ブロック53伝達して上記両ブロック52、53の上記近接離間動作(矢印j、k方向)を実現するものである。尚、二次成形部18の狭幅成形空間35の底面の高さと、三次成形部19の固定ブロック51の円弧面51aの高さは同一水準位置に設けられる。
上記固定ブロック51の上面は断面円弧状凹部51aが上記コンベア14の進行方向に沿って形成されており、上記左右の可動ブロック52、53の対向面には上記コンベア進行方向に沿う円弧状凹部52a、53aが各々設けられており、上記固定ブロック51上で上記両ブロック52、53が近接した位置(図25(イ))の位置において、これら3つのブロック51乃至53により、狭幅円柱状成形空間(狭幅筒状成形空間)57が形成されるように構成されている。
上記駆動機構54は、機枠F5に固定された駆動モータM4の出力軸に回転盤58を取り付け、該回転盤58の外面の偏心位置にクランク59の一端の回転支軸59aを軸支し、該クランク59の他端59bに、上記機枠F5の支持板60に中間回動支点61aを軸支された連結アーム61の下端61bを軸支し、かつ該連結アーム61の上端61cに、先端嵌合部62aが上記可動ブロック52の側面支軸52bに嵌合した駆動アーム62の他端62bを軸支することで、上記駆動モータM4の回転に基づいて上記クランク59を矢印d、f方向に往復動させ、これによって上記駆動アーム62を介して上記可動ブロック52を矢印j、k方向に連続的に往復回動するものである。これにより、上記可動ブロック52、53は、図25(イ)の巻締め位置と図25(ロ)の開放位置とを往復回動して、コンベアベルト14aを介して該ベルト14a内の巻寿司Mを円筒形状に成形するものである。
上記可動ブロック52の上端部には(図26参照)、内側面に上記円弧状凹部52aに連続する曲率の円弧面を有する2つの突出部52c、52c’が形成されており、上記可動ブロック53の上端部には内面側に上記円弧状凹部53aに連続する曲率の円弧面を有する3つの突出部53b、53b’、53b”が設けられており、これら各突出部52c、52c’、53b乃至53b”は上記両ブロック52、53で互い違いの位置となるように設けられている。従って、上記可動ブロック52、53が図25(イ)の巻閉め位置にあるとき、これらの突出部が互いに中心線p’より内側に入り込むことにより、巻寿司を人間の手で巻き込むように成形することができる。
従って、上記前段の二次成形部18から出てきた円筒状のコンベアベルト14aは、その直後に当該三次成形部19に円筒状態を維持したまま進入する。上記コンベアベルト14aは矢印a方向に連続的に搬送されながら、当該三次成形部19において上記可動成形部52、53の上記往復回動運動により、さらに円筒形状に成形されていく。即ち、上記一対の可動ブロック52、53の円弧面52a、53aは、成形用コンベアベルト14aの両側外面に当接して該ベルト14a内の巻寿司材料を円筒状に成形していく。この段階では、主に増し締めを行うことを目的としている。即ち、当該三次成形部19を通過することにより、上記コンベアベルト14a内の巻寿司Mは、上記往復回動する可動成形部52、53により、円筒形状(筒状)へのさらなる巻き込み、いわゆる増し締めが行われ、これにより、コンベアベルト14a内には、図30(ニ)に示すような適切な巻き強さのきれいな円筒形状の巻寿司Mが成形される。
上記二次可動成形部19を出たコンベアベルト14aは上記可動ブロック52、53の拘束が解除されるため、本来の幅Tに徐々に広がって行き(図1参照)、回動軸13bを介して裏面側に回動して行く。このとき、成形された巻寿司Mは、次段の切断部Dの第1コンベア63に移行して、当該コンベア63上を矢印a方向に搬送されてゆく。
上記切断部D(図27、図28)は、成形後の巻寿司Mを搬送する第1コンベア63と、第1コンベア63に所定間隔t6を以って近接配置され、切断後の巻寿司Mを搬送する第2コンベア64と、上記第1コンベア63と上記第2コンベア64との間隙t6において、巻寿司Mを切断する切断機構65により構成されている。上記第1コンベア63は駆動モータM5により矢印a方向に所定速度で連続的に駆動され、上記第2コンベア64は駆動モータM6により矢印a方向に上記第1コンベア63と同一速度で連続的に駆動される。
上記切断機構65は、上記第1コンベア63と第2コンベア64との間隙t6の近傍位置において上記コンベア64に平行に支持された回転軸66と、該回転軸66の先端に接続された切断刃67と、上記回転軸66に傘歯車機構68を以って接続された動力伝達軸69と、該動力伝達軸69の他端において傘歯車機構70を以って接続された駆動モータM7の出力軸71とから構成されており、上記駆動モータM7の回転により、出力軸71、動力伝達軸69、回転軸66を介して上記切断刃67を回転駆動(矢印m方向)し得るように構成している。尚、上記駆動モータM7を含み上記切断刃67を回転駆動する機構を駆動手段という。
上記切断刃67は、図29に示すように、回転中心(上記回転軸66への接続位置)67aから見ると回転方向(矢印m方向)とは逆方向に徐々にその半径を大きくするような円弧形刃部67bが形成されており、全体として略「C」字状に形成されている。そして、当該切断刃67が矢印m方向に1回転することで上記間隙t6に搬送されてくる巻寿司Mを切断するものである。
68は、上記切断刃67に至る前の位置における第1コンベア63上において、機枠F6上に固定された反射型センサーであり、上記巻寿司Mが上記コンベア50上を搬送されてきたことを、該巻寿司Mの先端が上記間隙t6に至る直前に、巻寿司Mからの反射光にて検出し得るものである。上記駆動モータM7は上記センサー68からの巻寿司検出信号に基づいて、上記切断刃67を1回転駆動し、それにより連続的に送られる巻寿司Mをカットしていく。上記モータM7は最初に上記巻寿司Mを検出したセンサー信号の検出に基づいてT1秒後に駆動されて切断刃67を1回転駆動し、巻寿司Mの先頭部を切断し、その後は、一定時間間隔T2毎に駆動モータM7を駆動して上記切断刃67を1回転駆動していくことにより、連続的に搬送されてくる巻寿司Mを一定長毎に切断することができる。
従って、上記時間間隔T2を長くとれば長い巻寿司Mが形成され、上記時間間隔T2を短くとれば短い巻寿司Mを形成することができ、例えば時間間隔T2を極めて短くすることにより、1口大の巻寿司Mを連続的に形成していくこともできる。上記巻寿司Mを切断するに際して、上記第1及び第2コンベア63、64は常時連続的に駆動されており、巻寿司Mは切断時に停止されることはないが、上記巻寿司Mの矢印a方向の移行速度に対して上記切断刃67bの1回転の回転速度を非常に速く設定することにより、上記巻寿司Mを連続的に搬送しながら上記切断刃67により上記巻寿司Mを切断することができる。
切断された巻寿司は、第2コンベア64にて引き続き搬送され、該コンベア64の端部にて取り卸される。尚、図27では切断刃67を傘歯車機構68、70を介して駆動する構成を述べたが、切断刃67の回転軸66をギアを介して直接駆動する構成としても良い。
上述のように、本発明によると、ベルト立上部15、二次成形部18等の固定成形部に加えて可動ブロック22、52、53の往復動作による可動成形部を有するので、巻寿司Mの巻き動作を適切に行うことができ、人間の手で製造したような適切な巻き加減の巻寿司Mを自動的に製造することができるものである。
また、全体として巻寿司材料を連続に送りながら切断までの動作を行うことができ、切断を含めてコンベアを停止することなく、迅速かつ連続的に巻寿司Mを製造することができるものである。
上記実施形態では、円筒状の巻寿司を製造する一例を示したが、上述のように巻寿司は円筒状に限らず、断面が四角等の角柱状のものも製造可能である。この場合、一次成形部16の狭幅筒状空間24、二次成形部18の狭幅筒状空間35、3次成形部19の狭幅筒状空間57は、その断面が四角等となるように形成すれば良い。また、角柱状巻寿司の場合は、押え部17の押え片32の先端部の断面も円弧面32bではなく、例えばコ字状とすることが好ましい。
図31は本発明の他の実施形態であり、本発明に係る巻寿司連続製造装置を2列並列に設けたものである。このように構成すると、2列の製造ラインにより巻寿司を大量かつ連続的に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば上記説明においては、巻寿司連続製造装置100が、3つの第1搬送コンベア72、計測コンベア73及び第2搬送コンベア3(特許請求の範囲における「搬送コンベア」は、これら第1搬送コンベア72、計測コンベア73及び第2搬送コンベア3を総称したものに相当)を備える構成について説明してきたが、この場合に限定されるものではない。例えば、1つの搬送コンベアによって実現されても良い。
また、例えば上記説明においては、計測コンベア73が計測部としての機能を有する場合を例に説明してきたが、この場合に限定されるものではない。他の計測方法又は計測装置を用いて計測しても良い。