JP2023057319A - プレスシステム及びプレスシステムの制御方法 - Google Patents

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龍介 大田
Ryusuke Ota
啓 今井
Hiroshi Imai
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Abstract

【課題】コイル材の搬送方向においてフィーダの上流側で形成されるループ量を可能な限り小さくすることができるプレスシステム及びプレスシステムの制御方法を提供すること。【解決手段】レベラ200と、プレス装置500と、フィーダ400と、レベラ200、プレス装置500及びフィーダ400を制御するコントローラ514と、を備えるプレスシステム1であって、プレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報が入力される入力部518を備え、コントローラ514は、入力部518から入力されたプレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報に基づいて、プレス装置500の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中にフィーダ400がコイル材を搬送する搬送量を求め、レベラ200がサイクルタイム中に搬送量のコイル材を搬送するようレベラ200を制御する制御情報を求める。【選択図】図2

Description

本発明は、プレスシステム及びプレスシステムの制御方法に関する。
従来、コイル材が搬送される搬送方向の上流から下流に向かって、アンコイラ、レベラ、ループテーブル、フィーダ、プレス装置の順に配置された各装置が、互いに協働して加工を行うタンデムラインのプレスシステムがある(例えば、特許文献1参照)。フィーダは、プレス装置の回転動作(加工動作)に合わせて、加工に応じた一定の長さ(以下、送り長さという)のコイル材を間欠的にプレス装置に搬送する。フィーダはプレス装置の加工に合わせて高加速、高減速で制御される。一方、アンコイラ及びレベラは、装置の慣性及びコイル材の慣性が大きいため、フィーダに比較して加速時間及び減速時間が長くなる。ループテーブルは、上流側のレベラと下流側のフィーダとの間の速度差を吸収するために、コイル材を撓ませた部分(以下、ループという)を形成させている。
ループテーブルは、例えば光電センサ等の検知手段を有し、検知手段の検知結果に基づいて、ループの長さ(以下、ループ量という)を制御し、レベラも、ループテーブルの検知手段の検知結果に基づいて、起動及び速度制御を行っている。ループテーブルの検知手段によりループ量が多いことが検知されると、レベラはコイル材の搬送を停止し(言い換えれば運転を停止し)、ループ量が少ないことが検知されると、レベラはコイル材の搬送を再開する(言い換えれば再起動する)。レベラにおける停止と再起動の回数を減らすために、ループテーブルにおいてループ量は多く(大きく)形成されている。
特開2006-224165号公報
しかしながら、従来のプレスシステムでは、ループ量が大きいため、プレスシステムのライン全長が長くなるという課題が生じている。また、ループ量が大きいということは、ループの重量(以下、ループ重量という)が大きいことを意味し、搬送方向の上流側にコイル材が引き戻される力が大きくなる。このため、フィーダ及びプレス装置側は、加工動作の回転数を高くできない等の制限を受ける。これらのことから、コイル材の搬送方向においてフィーダの上流側で形成されるループ量を可能な限り小さくすることが求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、コイル材の搬送方向においてフィーダの上流側で形成されるループ量を可能な限り小さくすることができるプレスシステム及びプレスシステムの制御方法を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(1) コイル材の巻き癖を矯正しながら前記コイル材を搬送する矯正装置と、
前記コイル材に加工を行うプレス装置と、
前記プレス装置に前記コイル材を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置と、
前記矯正装置、前記プレス装置及び前記送り装置を制御する制御手段と、
を備えるプレスシステムであって、
前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力部を備え、
前記制御手段は、前記入力部から入力された前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報に基づいて、前記プレス装置の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中に前記送り装置が前記コイル材を搬送する搬送量を求め、前記矯正装置が前記サイクルタイム中に前記搬送量の前記コイル材を搬送するよう前記矯正装置を制御する制御情報を求める、プレスシステム。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、コイル材の搬送方向においてフィーダの上流側で形成されるループ量を可能な限り小さくすることができるプレスシステム及びプレスシステムの制御方法を提供することができる。
図1は、実施形態のプレスシステムの構成を示す概略正面図 図2は、実施形態のプレスシステムのブロック図 図3は、実施形態のプレス装置の構成を示す概略斜視図 図4(a)は、実施形態の送り可能角度を示す図、図4(b)は、フィーダの送り速度及び送り長さとレベラの速度を示す図 図5(a)は、実施形態のフィーダによって搬送されたコイル材の累積の送り量を示すグラフ、図5(b)は、レベラによって搬送されたコイル材の累積の送り量を示すグラフ 図6は、実施形態との比較のための従来のフィーダとレベラの速度差によって生じるループ保有量の変化を示すグラフであり、図6(a)は、レベラの開始タイミングがフィーダの開始タイミングよりも早い場合を示すグラフ、図6(b)は、レベラの開始タイミングがフィーダの開始タイミングと略同じ場合を示すグラフ 図7(a)は、実施形態のループテーブルで発生する曲げ癖を示す図、図7(b)は、実施形態の設定画面を示す図 図8は、実施形態のレベラの開始タイミングの制御を行った場合のループ保有量の変化を示す図であり、図8(a)は、初期ループ保有量が0の場合を示すグラフ、図8(b)は、初期ループ保有量が送り長さ分ある場合を示すグラフ
以下の説明において、プレスシステムのプレス装置において加工が行われているときに搬送されているコイル材の高さ(例えば、プレスシステムが設置されている床面を基準とした高さ)を加工高さという。また、フィーダが、1回の送り動作でコイル材を送る長さを送り長さ(ミリメートル(mm))といい、1回の送り長さのコイル材を送るときの速度を送り速度という。送り長さは、プレス装置が1回加工を行う(1回打つ、とも表現する)ごとにフィーダがプレス装置にコイル材を送り込む長さである。
さらに、プレス装置の回転数(1分間に打つ回数)に、送り長さを乗じた、1分間にコイル材が送られる長さを、ライン速度(メートル毎分(m/min))という。ライン速度は、送り長さ及びプレス装置の回転数に基づき求められる。プレスシステムにおいて、最大の送り長さ(以下、最大送り長さという)と最大のライン速度(以下、最大ライン速度)は、プレスシステムの性能を表す指標に含まれる。
[実施形態]
<プレスシステム>
図1は、本実施形態のプレスシステム1の構成を示す概略正面図である。図1にはコイル材の搬送方向及び上流、下流、上下方向、加工高さ(破線)も示す。本実施形態のプレスシステム1は、アンコイラ100、レベラ200、ループテーブル300、フィーダ400、プレス装置500を備えている。アンコイラ100、レベラ200、ループテーブル300、フィーダ400は、プレス装置500の加工動作に連動して動作する。プレスシステム1は、床面10に設置される。図2は、本実施形態のプレスシステム1のブロック図である。以降の説明では、図1、図2を参照しながら各装置の構成・機能について説明する。
<アンコイラ>
コイル材120を保持する保持装置であるアンコイラ100は、マンドレル110、制御部130、駆動部140を有している。マンドレル110には、プレス装置500の加工の対象物であるコイル材120が保持されている。例えば、コイル状に巻かれたコイル材120の内径がマンドレル110によって保持される。制御部130は、プレス装置500による加工動作と連動するように、駆動部140によってマンドレル110を回転させ、コイル材120の巻きほぐしを行う。
アンコイラ100は、コイル材120がなくなるまで、一定の速度でコイル材120をレベラ200に供給する。すなわち、アンコイラ100は、フィーダ400及びプレス装置500の動作に応じた速度でコイル材120を供給するが、フィーダ400のように運転・停止を繰り返す動作はせず、連続して動作している。
<レベラ>
レベラ200は、アンコイラ100に保持されたコイル材120についた巻き癖等を矯正しながらコイル材120を搬送する(供給する、送り出す、ともいう)矯正装置として機能している。レベラ200は、一定の速度でコイル材120をループテーブル300に供給する。すなわち、レベラ200は、フィーダ400及びプレス装置500の動作に応じた速度でコイル材120を搬送するが、フィーダ400のように運転・停止を繰り返す動作はせず、連続して動作している。
レベラ200は、Rガイド205、入口ロール220、複数のワークロール230、コントローラ240、ブレーキロール250、制御部260、記憶部270、シリンダ280、モータ290を有している。
入口ロール220は、アンコイラ100によってほぐされたコイル材120をレベラ200内に受け入れ、ワークロール230に搬送するためのロールである。入口ロール220は、閉状態となってコイル材120を挟持し、開状態となってコイル材120を挟持していた状態を解除し、コイル材120を開放する。
ワークロール230は、閉状態でコイル材120の巻き癖等を矯正する。複数のワークロール230は、例えば、互い違いに段差をもった配列、すなわち千鳥配列されており、アンコイラ100で巻きほぐされたコイル材120を挟持し搬送することで、コイル材120の搬送方向の上流側から下流側に向かって、コイル材120についた巻き癖等を徐々に矯正していく。
ブレーキロール250は、閉状態となってコイル材120を挟持し、開状態となってコイル材120を開放する。ブレーキロール250は、コイル材120が充分にある状態では開状態となっている。なお、ブレーキロール250が開状態のとき、ブレーキロール250は、モータ290により回転していてもよいし、クラッチ等の伝達手段を有し、伝達手段によりモータ290の駆動が伝達されない状態としてもよい、すなわち、回転が停止していてもよい。なお、ブレーキロール250は、閉状態となって回転しコイル材120を搬送してもよい。
シリンダ280は、入口ロール220、ブレーキロール250の閉状態と開状態とを切り替える。なお、シリンダ280はレシプロ式であれば足り、例えば、バネを用いることも可能である。モータ290は、入口ロール220、ワークロール230、ブレーキロール250の回転を駆動する。コントローラ240は、後述する本実施形態の演算により、レベラ200の開始タイミング及びライン速度が演算されると、開始タイミング及びライン速度とに応じてモータ290を制御する。Rガイド205は、レベラ200から搬送されたコイル材120に所定の曲率を付与する。コイル材120は、Rガイド205に沿って送り出されるため、折り曲げられることなくループテーブル300に搬送される。
制御部260は、プレスシステム1の他の装置の動作と連動してシリンダ280及びモータ290を制御することでコイル材120の巻き癖等の矯正しつつ、コイル材120をループテーブル300に送り出す。なお、制御部260は、入口ロール220、ワークロール230、ブレーキロール250の回転制御を、例えばエンコーダ等の不図示の検知手段を用いて公知の方法によって制御しているものとする。同様に、制御部260は、入口ロール220、ブレーキロール250の開状態・閉状態の切り替え制御についても公知の方法によって制御しているものとする。制御部260は、記憶部270に記憶されている各種プログラムに従ってプレスシステム1の他の装置と連動しながらレベラ200を制御する。なお、レベラ200は、表示部や入力部を有していてもよい。
<ループテーブル>
ループテーブル300は、一定の速度でコイル材120を供給するレベラ200と、プレス装置500の動作に同期して運転・停止を繰り返すフィーダ400との、コイル材120を供給する速度の差(以下、速度差という)を吸収するために設けられている。具体的には、ループテーブル300は、コイル材120を加工高さよりも下方に撓ませてループ状の部分(以下、単にループという)を形成し、コイル材120に搬送過程におけるゆとり(バッファ)をもたせる。これによりループテーブル300は、ループテーブル300の入口側(レベラ200側)の供給速度と出口側(フィーダ400側)の排出速度とのコイル材120の搬送速度差を吸収している。なお、ループの長さをループ量ともいい、ループの長さが長い場合ループ量が大きいと表現し、ループの長さが短い場合ループ量が小さいと表現する。ループテーブル300は、レベラ200とフィーダ400との間でコイル材120を撓ませてループを形成するループ形成装置として機能する。
ループテーブル300は、テーブル310、エンコーダ315、ループセンサ321、制御部360、記憶部370、モータ380を有している。テーブル310は、コイル材120のループを支持する。なお、図1では、ループセンサ321を黒い三角形で表している。テーブル310は、ループの上昇に伴い上昇しループを支持する支持部として機能する。エンコーダ315は、テーブル310の高さを検知し、テーブル310の高さの情報を制御部360に通知する。
ループセンサ321は、例えば光を出射する発光部(不図示)と、発光部により出射された光を受光する受光部(不図示)と、を有している。ループセンサ321の位置にコイル材120のループがあるときは、発光部から出射された光がコイル材120によって遮光され、ループセンサ321は、例えば、ローレベルの信号を出力する。一方、コイル材120のループの最下点がループセンサ321の位置を通過して上昇すると、発光部から出射された光が受光部により受光され(以下、通光ともいう)、ループセンサ321は、例えば、ハイレベルの信号を出力する。なお、ループセンサ321から出力される信号の論理が逆であってもよい。例えば、安全性を考慮するという観点から、遮光状態が安全側である又は定常時であるならば、そのときハイレベルの信号を出力し、安全でない又は定常時でない場合にローレベルの信号を出力することであってもよい。
本実施形態では、ループセンサ321は、レベラ200がコイル材120の搬送を開始する前に、ループテーブル300において形成されているループ量(以下、初期ループ保有量という)を検知する。ループセンサ321は、例えば、フィーダ400の送り長さ分の初期ループ保有量を検知可能な位置(高さ)に設けられる。なお、ループセンサ321は、異なる位置に複数設けられてもよい。
制御部260は、ループセンサ321から出力される信号のレベルを監視することにより、ループセンサ321の位置においてループがあるか否かを判断することが可能である。以降、制御部260がループセンサ321の検知結果に基づいてコイル材120のループのありを判断したことを、ループを検知したと表現し、ループのなしを判断したことを、ループを検知しない、と表現することもある。制御部260は、ループセンサ321によりループを検知したときには、初期ループ保有量が送り長さ以上あると判断し、ループセンサ321によりループを検知しないときには、初期ループ保有量が送り長さ未満であると判断する。なお、ループセンサ321を異なる位置に複数配置し、初期ループ保有量をより精度よく判断するようにしてもよい。
制御部360は、記憶部370に記憶されている各種プログラムに従って、ループテーブル300が有するセンサ(不図示)等の検知結果に基づいてモータ380を制御しテーブル310がループに接触するよう、言い換えれば、テーブル310がループに追従するようにモータ380を制御する。制御部360は、テーブル310がループに接触すると、テーブル310の上昇を一旦停止させる。その後ループが上昇してテーブル310から離れると、制御部360はテーブル310がループに接触するまでテーブル310を上昇させる。制御部360は、この動作を繰り返すことで、テーブル310をループに追従させる。また、制御部360は、ループセンサ321の検知結果に基づいて、プレスシステム1の他の装置の制御部に所定の制御を行うように通知する。
モータ380は、例えば、ギヤードモータ等であり、テーブル310がループに追従できるよう、テーブル310を上昇させる。
<フィーダ>
フィーダ400は、プレス装置500にコイル材120を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置である。フィーダ400は、Rガイド405、フィードロール410、制御部440、記憶部450、シリンダ460、モータ470を有している。
フィードロール410は、コイル材120をプレス装置500に送り出す送り手段として機能する。フィードロール410は、上下一対のロールであり、2つのロール間にコイル材120を挟持して搬送する。プレス装置500の後述するスライド512が加工を終えてコイル材120から離れ、次の加工が開始されるまでの間に、フィードロール410は閉状態となって、プレス装置500にコイル材120を送り出す。フィードロール410は、プレス装置500で行われる加工に応じて、設定された送り長さ及び送り速度でプレス装置500にコイル材120を送り出す(供給する)。フィードロール410は、プレス装置500において加工が行われている間は、開状態となってコイル材120を開放する。なお、あらゆる状況を鑑み、閉状態を維持してコイル材120を把持したままの設定をすることも可能である。
シリンダ460は、フィードロール410がコイル材120を挟持している閉状態と、コイル材120を挟持していない開状態と、を切り替える。モータ470は、フィードロール410の回転を駆動する。Rガイド405は、ループテーブル300から搬送されたコイル材120に所定の曲率を付与する。コイル材120は、Rガイド405に沿って送り込まれるため、折り曲げられることなくフィーダ400内に搬送される。
制御部440は、プレスシステム1の他の装置と連動してシリンダ460及びモータ470を制御することで、プレス装置500にコイル材120を送り出す。なお、制御部440は、フィードロール410の回転制御を、例えばエンコーダ等の検知手段を用いて公知の方法によって制御しているものとする。同様に、制御部440は、フィードロール410の開状態・閉状態の切り替え制御についても公知の方法によって制御しているものとする。
制御部440は、記憶部450に記憶されている各種プログラムに従ってプレスシステム1の他の装置と連動しながらフィーダ400を制御する。記憶部450は、例えば、各加工及び/又は金型に関連付けて送り長さ及び送り速度を記憶していてもよい。制御部440は、プレス装置500の加工及び/又は金型に応じて、所定の送り長さ及び所定の送り速度でコイル材120を送り出す。
<プレス装置>
図1、図2のプレス装置500について、図3も用いて説明する。図3は、本実施形態のプレス装置500の構成を示す概略斜視図であり、例えば、一体型ストレートサイドフレーム型又はCフレーム型のプレス装置500の概略図である。図3には、コイル材120の搬送方向や搬送方向における上流(左)、下流(右)、上下方向、及び前後方向(正面、背面)も示している。プレス装置500は、筐体502の内外に、駆動モータ504(駆動手段)、伝達機構506、クランク軸508、コンロッド510、スライド512、ボルスタ522を有して構成される。また、プレス装置500は、コントローラ514、記憶部515、表示部516、入力部518、を有している。さらに、プレス装置500は、センサ524、ロータリーエンコーダ525、ギブ526を有している。本実施形態のプレス装置500は、順送プレス加工(以下、順送加工という)を行う順送式のプレス装置であってもよく、その場合は複数の加工ステージを有する。なお、順送加工はトランスファー・スタンピングともいい、それを構成するトランスファー・プレス・ツールは、それ自体で単一のプレス・ダイ(上型と下型)にすることも、連続したステーションに配置された複数のプレス・ダイにすることもできる。
駆動モータ504は、例えばサーボ制御されるサーボモータであり、回転量及び回転方向を制御しつつ伝達機構506、クランク軸508、コンロッド510を介して後述する金型503を上下移動させるものである。伝達機構506は、例えばギヤやベルト等の伝達部材を有して構成され、駆動モータ504のモータ軸の回転をクランク軸508へと伝達するものである。駆動モータ504への制御信号はコントローラ514から送られるようになっている。
クランク軸508及びコンロッド510は、伝達機構506により伝達されたモータ軸の回転移動を往復移動(本実施形態では、上下移動。)に変換するためのものである。モータ軸の回転によりクランク軸508が回転し、クランク軸508に一端近傍が連結されたコンロッド510にその回転が伝達されてコンロッド510が上下移動(昇降移動)するようになっている。
また、クランク軸508には、クランク軸508の回転に連動して、オン信号又はオフ信号を出力するロータリーカムスイッチ(不図示)が設けられている。ロータリーカムスイッチは、例えばクランク軸508の回転が所定の角度となったとき、言い換えれば加工動作中の所定のタイミングとなったときに、オン信号又はオフ信号を出力する。ロータリーカムスイッチがオン信号(又はオフ信号)を出力するタイミングを、以下、出力タイミングという。コントローラ514は、ロータリーカムスイッチから出力される信号に基づいて、プレスシステム1の他の装置と連動し、加工動作を行っている。
コンロッド510の他端近傍にはスライド512が連結されている。コンロッド510の上下移動に伴いスライド512がギブ526に沿って上下移動するようになっている。プレス装置500においては、スライド512と対向するようにボルスタ522が配置されている。スライド512のボルスタ522と対向する側の面(本実施形態では下面。)に金型503の一部としての上型503aが装着される。ボルスタ522のスライド512と対向する側の面(本実施形態では上面。)に金型503の一部として、上型503aと対になる下型503bが装着される。
上型503aと下型503bとの間に加工の対象物としてのコイル材120を配置し、上型503aと下型503bとで押圧することにより、プレス装置500によるコイル材120に対するプレス加工が行われる。コイル材120は、例えば図3中左(上流)側から右(下流)側に搬送され、以降、コイル材120の搬送方向を左右方向ともいう。
詳しくは、コントローラ514により制御されて駆動モータ504が回転する。駆動モータ504の回転が伝達機構506、クランク軸508を介してコンロッド510へと伝達され、スライド512が上下移動する。スライド512の下方移動によって上型503aと下型503bとが押圧され、コイル材120のプレス加工が行われる。すなわち、プレス装置500において、駆動モータ504、伝達機構506、クランク軸508、コンロッド510、スライド512がプレス部を構成する。伝達機構506には、クランク軸508の回転数を検知するための回転数検知手段であるロータリーエンコーダ525が設けられている。コントローラ514は、ロータリーエンコーダ525によりクランク軸の回転数を検知することで、スライド512の位置を検知することが可能である。
加工の際の荷重を検知する荷重検知手段であるセンサ524は、プレス装置500がコイル材120にプレス加工を行う際に、コンロッド510に働く荷重を検知するためのセンサで、例えばロードセルである。センサ524は、例えば、筐体502に設置された歪ゲージであってもよい。センサ524は、コンロッド510のいずれかの位置(例えば、中央近傍位置)に設置されていてもよい。さらに、センサ524は複数設置されていてもよく、例えば筐体502の左右の歪をそれぞれ検知し、検知した結果を加算してトータルの荷重としてもよい。なお、図3において、表示部516が配置されている側がプレス装置500の前側である。
コントローラ514は、記憶部515に記憶されている各種プログラムに従ってプレス装置500を制御する。表示部516は、プレス装置500の状態を示すデータを表示する。入力部518は、プレス装置500を操作するために必要なデータを入力するために用いられる。入力部518は、加工に必要なパラメータをユーザーが入力する際に用いられる。コントローラ514は、プレス装置500とプレスシステム1の他の装置とが互いに連動して加工を行うように制御している。本実施形態のコントローラ514は、プレスシステム1全体の制御も行う。
コントローラ514は、入力部518から入力されたプレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報に基づいて、レベラ200がコイル材120の搬送を開始する開始タイミングを求めている。コントローラ514は、レベラ200によるコイル材120の搬送を開始させる前にループテーブル300において形成されている初期ループ保有量に応じた時間を、求めた開始タイミングに加算することも行う。コントローラ514は、求めた開始タイミングでレベラ200のコイル材120の搬送を開始させる制御も行う。コントローラ514は、入力部518から入力されたプレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報に基づいて、レベラ200がコイル材120を搬送する速度を求め、求めた速度でレベラ200にコイル材120を搬送させる制御も行う。これらについては後述する。
また、プレスシステム1の各装置の制御部やコントローラは、公知の通信手段を用いて他の装置と情報・信号の送受信を行っているものとする。なお、図1、2の説明では、プレスシステム1の各装置の制御部が他の制御部と協働して動作するように説明したが、これに限定されない。例えば、プレスシステム1全体を制御する制御部を別途備え、全体を制御する制御部が、各装置の制御部を制御してもよい。また、所定の装置が制御部を備えず、他の装置の制御部によって制御されてもよく、プレスシステム1全体として、種々の動作を制御できる態様であればよい。なお、制御部260、制御部360、制御部440、コントローラ514は、レベラ200、ループテーブル300、フィーダ400、プレス装置500、言い換えればプレスシステム1を制御する制御手段に含まれる。
<送り開始角度及び送り可能角度>
図4(a)は、本実施形態の送り開始角度及び送り可能角度を示す図である。プレス装置500では、スライド512が上死点から下降し、下死点近傍でコイル材120への加工が行われる。コイル材120への加工が行われている間のクランク軸508の角度を加工角度θ1とする。加工角度θ1に相当する時間、フィーダ400は停止しているため、加工角度θ1に相当する時間を停止時間Tstopとする。
フィーダ400からプレス装置500へのコイル材120の搬送は、加工が終了したタイミングから開始される。加工が終了したときの回転の角度(クランク軸508の角度)は、例えば上死点を角度の基準とすると、角度θsとなる。角度θsを、以下、送り開始角度という。フィーダ400によるコイル材120の搬送は、送り開始角度θsから開始され、プレス装置500において加工が行われていない期間に行われる。フィーダ400からコイル材120をプレス装置500に送ることが可能な期間は、加工が終了してから次の加工が開始するまでの回転の角度(クランク軸508の角度)θ2に相当し、角度θ2が送り可能角度である。送り可能角度θ2は360°から加工角度θ1を減じた角度となる(θ2=360°-θ1)。以降、送り開始角度θsに相当するタイミングを送り開始タイミングts_fedといい、送り可能角度θ2に相当する時間を送り可能時間t_avlという。また、1サイクル(クランク軸508の1回転)に相当する時間をサイクルタイムt_cyc(=t_avl+Tstop)とする。
<フィーダの送り速度及び送り長さとレベラの速度>
図4(b)は、フィーダ400の送り速度及び送り長さとレベラ200の速度を示す図である。(i)はフィーダ400の送り速度と送り長さの関係を示すグラフであり、横軸に時間[sec]を示し、縦軸にフィーダ400の送り速度[m/min]を示す。なお、フィーダ400の送り速度は一般にミリメートル毎秒で表されるが、ライン速度と単位を合わせるため、メートル毎分としている。(ii)はレベラ200の速度[m/min]とレベラ200で搬送されたコイル材120の長さとの関係を示すグラフであり、横軸に時間[sec]を示し、縦軸にレベラ200の速度[m/min]を示す。(i)には、図4(a)で説明したサイクルタイムt_cyc、送り可能時間t_avl、停止時間Tstop、送り開始タイミングts_fedも示す。
(i)に示すように、フィーダ400は、送り可能時間t_avl中に、所定の送り速度Vtまで加速し、所定の送り速度Vtでコイル材120を搬送し、速度0まで減速する。フィーダ400は送り可能時間t_avl中に送り長さLのコイル材120を搬送する。(i)に示す台形の面積は送り長さLとなる。
本実施形態では、フィーダ400が送り可能時間t_avl中に搬送する送り長さLと略等しい長さのコイル材120を、サイクルタイムt_cyc中にレベラ200が搬送するように制御する。言い替えれば、本実施形態では、レベラ200は、(ii)の矩形の面積Sが(i)の台形の面積である送り長さLと略等しくなるように制御される。具体的には、レベラ200は、送り長さL及びライン速度Vに基づき決定される送り開始タイミングts_strからコイル材120の搬送を開始することで、面積Sが送り長さLと略等しくなるように制御される。
<コイル材の累積の送り量>
本実施形態のフィーダ400は、プレス装置500において送り開始角度θsを超えたタイミングから、送り可能時間t_avlを有効に利用し、言い換えれば、送り可能時間t_avlすべてを使い、送り長さLのコイル材120を搬送する。これは、フィーダ400によって消費されるループ量の変化が急激にならないようにするためである。フィーダ400は、この動作を加工の1サイクルごとに繰り返す。このとき、フィーダ400の累積の送り長さは図5(a)に示すようになる。以下、フィーダ400の累積の送り長さを累積の送り量S_fedという。ここで図5(a)は、フィーダ400によって搬送されたコイル材120の累積の送り量S_fedを示すグラフであり、横軸に時間[sec]、縦軸に累積の送り量S_fed[mm]を示す。
プレスシステム1において加工が開始されると、フィーダ400は、送り開始角度θsに相当するタイミングt1(送り開始タイミングts_fed)から送り可能時間t_avlを使って送り長さLのコイル材120を搬送する。送り長さLのコイル材120の搬送が終了したタイミングt2から次の送り開始角度θsになるタイミングt3までの停止時間Tstopでは、プレス装置500はコイル材120に加工を行い、フィーダ400はコイル材120の搬送を停止する。タイミングt3になると、フィーダ400は送り可能時間t_avlを使ってタイミングt4までに送り長さLのコイル材120を搬送する。フィーダ400はこの動作を繰り返すため、図5(a)に示すグラフは階段状となる。
本実施形態のレベラ200は、フィーダ400の送り長さL及びプレス装置500の回転数に基づき決定されるライン速度Vで、連続的にコイル材120を搬送する。このため、本実施形態では、レベラ200は、速度0から加速時間ta_strの間に加速しライン速度Vに到達した後は、一定のライン速度Vでコイル材120を搬送する。なお、加速時間ta_strは、ライン速度Vとレベラ200のモータ290の特性とに応じて決定される。ここで図5(b)は、レベラ200によって搬送されたコイル材120の累積の送り量S_strを示すグラフであり、横軸に時間[sec]、縦軸に累積の送り量S_str[mm]を示す。レベラ200でコイル材120を搬送する速度を一定とすることで、コイル材120の巻き癖の矯正の精度が低下せず、また、加速減速の回数を最小化できるため、省エネルギーの観点からも有利である。
<ループ保有量>
図6は従来のフィーダ400とレベラ200の速度差によって生じるループ量の変化を示すグラフである。図6では、ループ保有量を実線で示し、フィーダ400の累積の送り量S_fedを破線で示し、レベラ200の累積の送り量S_strを一点鎖線で示す。ループ量は、レベラ200の累積の送り量S_strとフィーダ400の累積の送り量S_fedとの差分であり、以下、ループ保有量ともいう。ループ保有量は、具体的にはレベラ200の累積の送り量S_strからフィーダ400の累積の送り量S_fedを引いた値であり、ループ保有量が正となる場合はループ保有量が足りており、ループ保有量が負となる場合はループ保有量が不足している。ループ保有量は、レベラ200の送り開始タイミングts_strによって変化する。図6(a)は、レベラ200の送り開始タイミングts_strがフィーダ400の送り開始タイミングts_fedよりも早い場合を示し、図6(b)はレベラ200の送り開始タイミングts_strがフィーダ400の送り開始タイミングts_fedと略同じ場合を示す。図6はいずれも、横軸に時間[sec]、縦軸に累積の送り量又はループ保有量[mm]を示す。なお、いずれも初期ループ保有量を0としている。
従来の制御では、ループテーブル300におけるループ量が減少してから又は0となってからレベラ200によるコイル材120の搬送を開始していた。このため、図6(b)に示すように、ループ保有量は負となり不足している。図6(b)のようにループ保有量が負となることを避けるためには、初期ループ保有量を大きくする必要があり、このためライン全長が長くなっていた。一方、図6(a)のようにレベラ200の送り開始タイミングts_strを早くすると、ループ保有量は正になり不足しないものの、必要以上のループ保有量となってしまう。このため、増えすぎたループ保有量を減らすために、レベラ200を停止させる制御が必要となる。そして、停止したレベラ200を開始させる制御も必要となり、次のコイル材120の搬送に間に合わなくなることや、コイル材120に曲げ癖を付けてしまうことが発生する。
(ループにおける曲げ癖の発生)
図7(a)は、レベラ200のRガイド205とフィーダ400のRガイド405の間に形成されたループの曲げ癖を説明する図であり、コイル材120の搬送方向も示す。プレスシステム1のライン全長を短くするために、Rガイド205とRガイド405との間を短くする場合がある。このような場合、レベラ200によるコイル材120の送り開始タイミングts_strが早いことでループ保有量が大きくなってしまい、両ガイドにおける曲率半径が小さくなり、コイル材120に曲げ癖が発生してしまう。図7(a)に破線で示すコイル材120Aは、実線で示すコイル材120よりもループ保有量が大きくなり、両ガイドと接する部分やループの最下点近傍で曲げ癖が付いてしまう。
<設定画面>
本実施形態のレベラ200の送り開始タイミングts_strを制御するために、プレスシステム1にパラメータを入力する設定画面について説明する。図7(b)は、レベラ200の送り開始タイミングts_strを求めるための設定画面を示す図である。ループテーブル300におけるループ量を可能な限り小さくするために、レベラ200の送り開始タイミングts_strを自動で設定する際に必要な情報について説明する。なお、以下の説明では、プレス装置500の表示部516に設定画面を表示させ、入力部518を用いて各種パラメータを入力する例を説明する。しかし、プレスシステム1が別途、表示手段及び入力手段を備え、その表示手段及び入力手段を用いて各種パラメータが入力されてもよいし、レベラ200やフィーダ400が表示手段及び入力手段を有し、その表示手段及び入力手段を用いて各種パラメータが入力されてもよい。
表示部516に表示される設定画面600には、例えば「レベラ開始タイミング・ライン速度 自動設定画面」等が表示される。設定画面600には、入力パラメータ入力欄610、入力キー群620が含まれる。入力パラメータ入力欄610には、プレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報が入力される(入力工程)。プレス装置500に関する情報には、プレス装置500の回転数spm[spm]、送り開始角度θs[°]、送り可能角度θ2[°]が含まれる。フィーダ400に関する情報には、送り長さL[mm]が含まれる。プレス装置500の回転数spm及び送り長さLからライン速度Vが求められる。送り開始角度θsから送り開始タイミングts_fedが、また、送り可能角度θ2から送り可能時間t_avlがそれぞれ求められる。コントローラ514は、これらの値を用いてレベラ200の送り開始タイミングts_strを求め、レベラ200の制御部260を介してレベラ200のコントローラ240に送り開始タイミングts_str及びライン速度Vを含む設定値を設定する。
入力キー群620は、作業者が情報を入力する際に用いられる。入力キー群620には、例えば、数字キー、削除キー(DEL)、クリアキー(AC)、入力キー(ENT)等があり、情報の入力、削除等に使用される。入力キー群620は、入力部518に含まれる。
<レベラの開始タイミング>
コントローラ240は、入力部518から入力されたプレス装置500に関する情報及びフィーダ400に関する情報に基づいて、レベラ200がサイクルタイム中に搬送量のコイル材を搬送するようレベラ200を制御するための制御情報を求める。ここで、搬送量とは、サイクルタイム中にフィーダ400がコイル材120を搬送する量である。制御情報には、レベラ200がコイル材120の搬送を開始する開始タイミング、レベラ200がコイル材120を搬送する速度(最高速度、例えばライン速度)が含まれる。以下に、開始タイミングやライン速度の求め方について説明する。
(初期ループ保有量が0の場合)
初期ループ保有量が0の場合、ループ保有量が負にならないようにするために、レベラ200の送り開始タイミングts_strを早くする。なお、以下の説明では、これまで説明に使用した記号も含め、以下の記号を用いる。
レベラ200の加速時間[s]:ta_str
レベラ200の累積の送り量[mm]:S_str
フィーダ400の累積の送り量[mm]:S_fed
レベラ200の送り開始タイミング[s]:ts_str
フィーダ400の送り開始タイミング[s]:ts_fed
フィーダ400の送り可能時間[s]:t_avl
プレス装置500の回転数[spm]:spm
フィーダ400の送り長さ[mm]:L
サイクルタイム[s]:t_cyc=60/spm
ライン速度[m/min]:V=L×spm/1000
レベラ200が動作を開始して加速し、ライン速度Vに到達したときのレベラ200の累積の送り量S_strは、次の式(1-1)で表される。
S_str=V×1000/60×ta_str/2 (1-1)
式(1-1)で求められたレベラ200の累積の送り量S_strを超えるフィーダ400の送り回数は、次の式(1-2)で表される。なお、小数点以下は繰り上げる。
S_str/L (1-2)
式(1-2)で求めた送り回数をN(S_str/Lの小数点以下を繰り上げた値、整数)とすると、フィーダ400においてN回目のコイル材120の搬送が完了したときのフィーダ400の累積の送り量S_fedは、次の式(1-3)で表される。
S_fed=N×L (1-3)
フィーダ400が動作を開始してからN回目の送り回数が完了するまでの時間te_fedは、次の式(1-4)で表される。
te_fed=(N-1)×t_cyc+t_avl (1-4)
レベラ200が同じ累積の送り量S_strとなる、送り開始タイミングts_strからの時間te_strは、次の式(1-5)で表される。
te_str=ta_str+
(S_fed-S_str)/(V×1000/60) (1-5)
フィーダ400の送り開始タイミングts_fedに対するレベラ200の開始時間tdは、次の式(1-6)で求められる。
td=te_fed-te_str (1-6)
開始時間tdがマイナスの場合、レベラ200はフィーダ400よりも先に動作を開始し、開始時間tdがプラスの場合、レベラ200はフィーダ400よりも後に動作を開始する。すなわち、送り開始タイミングts_strは、次の式(1-7)で求められる(演算工程)。
ts_str=ts_fed+td (1-7)
図8は、本実施形態のレベラ200の送り開始タイミングts_strの制御を行った場合のループ保有量の変化を示す図であり、図8(a)は、初期ループ保有量が0の場合を示すグラフであり、凡例については図6と同様である。図8(a)では、横軸に時間[sec]、縦軸に累積の送り量S_fed、S_str及びループ保有量[mm]を示す。送り長さLは、例えば100mmである。図8(a)の例では、開始時間tdがマイナスとなり、レベラ200の送り開始タイミングts_strがフィーダ400の送り開始タイミングts_fedよりも先になっている。なお、図8(a)のグラフでは、レベラ200の開始タイミングts_tsrは、プレスシステム1全体でタイミングを制御する際の基準(時間0)よりも早いタイミングとなっている。レベラ200をフィーダ400よりも先に開始させることにより、ループ保有量が最小で約0mm、最大でも約50mmとすることができる。
なお、レベラ200の最大速度がライン速度Vと異なる場合もある。レベラ200の最大速度がライン速度Vと異なる場合には、レベラ200の加速時間ta_strは最大速度とライン速度Vとの比を用いて変更すればよい。コントローラ514は、ライン速度V(又は最大速度)と求めた送り開始タイミングts_strとをレベラ200の制御部260を介してコントローラ240に設定値として設定し、レベラ200を制御する。レベラ200の開始時間tdがマイナスとなる場合も、プレス装置500と一体制御が行われる、本実施形態のプレスシステム1の場合は制御可能である。
(適用例)
プレスシステム1においては、加工が開始される前に、金型503の調整が行われる。このとき、金型503の調整を行うためにフィーダ400によってコイル材120が送り長さL分搬送される。調整時のフィーダ400の送り速度Vt及び加減速時間がレベラ200と同一に制御され、フィーダ400とレベラ200とが略同時に開始されるような制御が行われる場合、初期ループ保有量は最小の初期ループ保有量としてよい。ここで、最小の初期ループ保有量とは、例えば、レベラ200とフィーダ400との間でコイル材120が突っ張らない程度の保有量である。調整時のプレスシステム1の加工中のループ保有量の変化の最小値が、例えば0mmとなるように、レベラ200の送り開始タイミングts_strが設定されればよく、上述した図8(a)の制御が適用されればよい。
このように、レベラ200がライン速度Vに到達した後のフィーダ400によるコイル材120の送り長さL分の搬送が完了したときの、レベラ200の累積の送り量S_strとフィーダ400の累積の送り量S_fedとが、略同一になるような、送り開始タイミングts_strとすればよい。
(初期ループ保有量が送り長さと略等しい場合)
初期ループ保有量が0ではない場合、初期ループ保有量がある分、レベラ200の開始タイミングを遅くすることができる。例えば、フィーダ400の累積の送り量S_fedとレベラ200の累積の送り量S_strとの差が初期ループ保有量となるまで、レベラ200の開始タイミングを遅らせることになる。このため、
初期ループ保有量[mm]:m(フィーダ400の送り長さL)
とすると、開始時間tdは、次の式(2-1)で求められる。
td=te_fed-te_str+m/(V×1000/60) (2-1)
式(2-1)で求められた開始時間tdを上述した式(1-7)に入力することで、レベラ200の送り開始タイミングts_strが求められる。このように、コントローラ514は、初期ループ保有量が少ないほど開始タイミングts_strを早くする。言い換えれば、コントローラ514は、初期ループ保有量が多いほど送り開始タイミングts_strを遅らせる。
図8(b)は、初期ループ保有量mが送り長さL分ある場合を示すグラフであり、凡例については図6と同様である。図8(a)では、横軸に時間[sec]、縦軸に累積の送り量S_fed、S_str及びループ保有量[mm]を示す。送り長さLは、例えば100mmである。図8(b)の例では、開始時間tdに初期ループ保有量mに相当する時間が加算され、レベラ200の送り開始タイミングts_strがフィーダ400の送り開始タイミングts_fedと略同時となっている。初期ループ保有量mが送り長さLと略同じである場合には、レベラ200とフィーダ400を略同時に開始させても、ループ保有量が最小で約0mm、最大でも約50mmとすることができる。
(適用例)
プレスシステム1における金型503の調整時に、フィーダ400で送り長さLのコイル材120を搬送するときの速度制御が、プレスシステム1の連続運転時と同じ速度制御にされなければならない場合がある。この場合、1回分の送り長さLに略等しい初期ループ保有量mが必要となる。この場合、加工中のループ保有量の変化の最小値が、1回の送り長さL分となるように、レベラ200の送り開始タイミングts_strが求められる。この場合、レベラ200がライン速度Vに到達した後のフィーダ400の送り完了時のレベラ200の累積の送り量S_strとフィーダ400の累積の送り量S_fedとの差が、送り長さLと略同じになるようにすればよい。
以上、本実施形態によれば、コイル材の搬送方向においてフィーダの上流側で形成されるループ量を可能な限り小さくすることができるプレスシステム及びプレスシステムの制御方法を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能であり、例えば以下のような変形例や趣旨がある。
・上述した実施形態では、プレスシステム1の一体制御として説明したが、これに限定されない。例えば、制御手段により求められた開始時間tdやレベラ200の送り開始タイミングts_strが表示部に表示される構成でもよい。作業者は、表示部に表示された送り開始タイミングts_strとなるように、レベラ200が有するカムスイッチを設定する構成としてもよい。
[趣旨1]
本発明のプレスシステムは、
コイル材の巻き癖を矯正しながら前記コイル材を搬送する矯正装置と、
前記コイル材に加工を行うプレス装置と、
前記プレス装置に前記コイル材を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置と、
前記矯正装置、前記プレス装置及び前記送り装置を制御する制御手段と、
を備えるプレスシステムであって、
前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力部を備え、
前記制御手段は、前記入力部から入力された前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報に基づいて、前記プレス装置の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中に前記送り装置が前記コイル材を搬送する搬送量を求め、前記矯正装置が前記サイクルタイム中に前記搬送量の前記コイル材を搬送するよう前記矯正装置を制御する制御情報を求める。
[趣旨2]
前記制御情報には、前記矯正装置が前記コイル材の搬送を開始する開始タイミングが含まれてもよい。
[趣旨3]
前記制御情報には、前記矯正装置が前記コイル材を搬送する速度が含まれてもよい。
[趣旨4]
前記プレス装置に関する情報には、前記プレス装置の回転数、前記プレス装置の加工が終了する回転の角度及び前記プレス装置の加工が終了してから次の加工が開始するまでの回転の角度が含まれてもよい。
[趣旨5]
前記送り装置に関する情報には、前記所定の送り長さが含まれてもよい。
[趣旨6]
前記矯正装置と前記送り装置との間で前記コイル材を撓ませてループを形成するループ形成装置を備え、
前記制御手段は、前記矯正装置による前記コイル材の搬送を開始させる前に前記ループ形成装置において形成されているループの量である初期ループ保有量に応じた時間を、求めた前記開始タイミングに加算してもよい。
[趣旨7]
前記制御手段は、前記初期ループ保有量が少ないほど前記開始タイミングを早くしてもよい。
[趣旨8]
本発明のプレスシステムの制御方法は、
コイル材の巻き癖を矯正しながら前記コイル材を搬送する矯正装置と、前記コイル材に加工を行うプレス装置と、前記プレス装置に前記コイル材を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置と、前記矯正装置、前記プレス装置及び前記送り装置を制御する制御手段と、を備えるプレスシステムの制御方法であって、
前記プレスシステムは、前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力部を備え、
前記入力部に、前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力工程と、
前記制御手段が、前記入力部から入力された前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報に基づいて、前記プレス装置の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中に前記送り装置が前記コイル材を搬送する搬送量を求め、前記矯正装置が前記サイクルタイム中に前記搬送量の前記コイル材を搬送するよう前記矯正装置を制御する制御情報を求める演算工程と、
を備える。
1 プレスシステム
10 床面
100 アンコイラ
110 マンドレル
120、120A コイル材
130 制御部
140 駆動部
200 レベラ
205 Rガイド
220 入口ロール
230 ワークロール
240 コントローラ
250 ブレーキロール
260 制御部
270 記憶部
280 シリンダ
290 モータ
300 ループテーブル
310 テーブル
315 エンコーダ
321 ループセンサ
360 制御部
370 記憶部
380 モータ
400 フィーダ
405 Rガイド
410 フィードロール
440 制御部
450 記憶部
460 シリンダ
470 モータ
500 プレス装置
502 筐体
503 金型 503a 上型 503b 下型
504 駆動モータ
506 伝達機構
508 クランク軸
510 コンロッド
512 スライド
514 コントローラ
515 記憶部
516 表示部
518 入力部
522 ボルスタ
524 センサ
525 ロータリーエンコーダ
526 ギブ
600 設定画面
610 入力パラメータ入力欄
620 入力キー群

Claims (8)

  1. コイル材の巻き癖を矯正しながら前記コイル材を搬送する矯正装置と、
    前記コイル材に加工を行うプレス装置と、
    前記プレス装置に前記コイル材を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置と、
    前記矯正装置、前記プレス装置及び前記送り装置を制御する制御手段と、
    を備えるプレスシステムであって、
    前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力部を備え、
    前記制御手段は、前記入力部から入力された前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報に基づいて、前記プレス装置の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中に前記送り装置が前記コイル材を搬送する搬送量を求め、前記矯正装置が前記サイクルタイム中に前記搬送量の前記コイル材を搬送するよう前記矯正装置を制御する制御情報を求める、プレスシステム。
  2. 前記制御情報には、前記矯正装置が前記コイル材の搬送を開始する開始タイミングが含まれる、請求項1に記載のプレスシステム。
  3. 前記制御情報には、前記矯正装置が前記コイル材を搬送する速度が含まれる、請求項2に記載のプレスシステム。
  4. 前記プレス装置に関する情報には、前記プレス装置の回転数、前記プレス装置の加工が終了する回転の角度及び前記プレス装置の加工が終了してから次の加工が開始するまでの回転の角度が含まれる、請求項2又は請求項3に記載のプレスシステム。
  5. 前記送り装置に関する情報には、前記所定の送り長さが含まれる、請求項2又は請求項3に記載のプレスシステム。
  6. 前記矯正装置と前記送り装置との間で前記コイル材を撓ませてループを形成するループ形成装置を備え、
    前記制御手段は、前記矯正装置による前記コイル材の搬送を開始させる前に前記ループ形成装置において形成されているループの量である初期ループ保有量に応じた時間を、求めた前記開始タイミングに加算する、請求項4又は請求項5に記載のプレスシステム。
  7. 前記制御手段は、前記初期ループ保有量が少ないほど前記開始タイミングを早くする、請求項6に記載のプレスシステム。
  8. コイル材の巻き癖を矯正しながら前記コイル材を搬送する矯正装置と、前記コイル材に加工を行うプレス装置と、前記プレス装置に前記コイル材を所定の送り速度で所定の送り長さずつ送り出す送り装置と、前記矯正装置、前記プレス装置及び前記送り装置を制御する制御手段と、を備えるプレスシステムの制御方法であって、
    前記プレスシステムは、前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力部を備え、
    前記入力部に、前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報が入力される入力工程と、
    前記制御手段が、前記入力部から入力された前記プレス装置に関する情報及び前記送り装置に関する情報に基づいて、前記プレス装置の回転数に応じた時間であるサイクルタイム中に前記送り装置が前記コイル材を搬送する搬送量を求め、前記矯正装置が前記サイクルタイム中に前記搬送量の前記コイル材を搬送するよう前記矯正装置を制御する制御情報を求める演算工程と、
    を備える、プレスシステムの制御方法。
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