JP2015094242A - 車両のエンジン自動停止制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の車両のエンジン自動停止制御装置では、路面勾配が所定閾値以下のときはエンジンの自動停止を許可し、その後、所定の条件が成立したときはエンジンを自動停止し、所定の条件が成立しなくなったときはモータを駆動してエンジンを再始動する。そして、エンジンの自動停止から再始動により発進する時、制動力制御手段を制御して勾配に応じた制動力を付与するヒルホールド制御を行う。このとき、バッテリの電圧が低いときは、電圧が高いときよりも路面勾配の所定閾値を小さな値に変更することとした。
【選択図】 図2
Description
尚、ブレーキ液圧センサ13に代えてブレーキペダルストローク量やブレーキペダル踏力を検出するセンサ、もしくはホイルシリンダ圧を検出するセンサ等を用い、これによりブレーキペダル操作量を検出することで運転者の制動操作意図を検出してもよく、特に限定しない。
次に、エンジン自動停止制御処理について説明する。実施例1の車両のエンジン自動停止制御装置は、車両停止時に、所定の条件が成立したときは、エンジンアイドリングを停止する所謂アイドリングストップ制御を行う。加えて、車両走行中であっても、減速中であり、このまま車両停止してアイドリングストップ制御に移行する可能性が高いと判断したときは、エンジン1を停止するコーストストップ制御を行う。尚、アイドリングストップ制御やコーストストップ制御については周知の構成を適宜実施すればよいため、詳細な説明は省略する。
すなわち、路面勾配条件を表す所定の閾値は、瞬低電圧がヒルホールド保証電圧以上となる範囲で設定しなければならないが、バッテリ9の経年変化や低温によってバッテリ電圧が小さく変化していくため、やはりエンジン再始動時にヒルホールド保証電圧を確保できなくなる場合が生じ、車両がずり下がる恐れがある。そこで、実施例1では、バッテリ電圧に応じて所定の閾値を変更することで、バッテリ9の状態に応じた適切な閾値を設定する閾値設定制御処理を実行し、燃費の改善を図りつつ車両ずり下がりを防止することとした。
ステップS1では、バッテリ最低電圧を検知する。ここで、バッテリ最低電圧とは、スタータモータ2の作動によるエンジン始動時にバッテリ電圧が低下したときの電圧等が該当する。
ステップS2では、バッテリ最低電圧が予め設定された所定電圧以下か否かを判断し、所定電圧以下のときはステップS3に進んで勾配の閾値である所定の閾値を小に設定する。一方、所定電圧未満のときはステップS4に進んで勾配の閾値である所定の閾値を大に設定する。所定電圧とは、バッテリ9が新品時においてスタータモータ2を作動させた時にバッテリ電圧が低下したときの値に設定しておく。これにより、バッテリ9が劣化や低温で電圧が確保できなくなった場合を検知できる。
ステップS6では、路面勾配検出部8aにより路面勾配を検知する。
ステップS7では、検知された勾配がステップS3もしくはS4にて設定された所定の閾値未満か否かを判断し、所定の閾値未満の場合はステップS9に進み、それ以外の場合はステップS8に進んでエンジン1を停止することなく本制御フローを繰り返す。
ステップS10では、ブレーキ液圧制御ユニット7に対して勾配に応じたヒルホールド制御による制動力を要求する。
ステップS11では、エンジン1の再始動要求があるか否かを判断し、再始動要求が無い場合はステップS9に戻ってエンジン停止及びヒルホールド制御を継続し、再始動要求がある場合はステップS12に進む。
ステップS12では、スタータモータ2によりクランキングしてエンジン再始動を行う。
ステップS13では、ヒルホールド制御による制動力を解除する要求を出力する。
時刻t1において、運転者がブレーキペダルを離したことで、アイドリングストップ制御条件が不成立となり、スタータモータ2の駆動によりエンジンクランキングが行われる。このとき、バッテリ電圧は大きく低下している。その後、運転者がアクセルペダルを踏み込んで発進する。
時刻t4において、運転者がブレーキペダルを離すことでアイドリングストップ制御の許可条件が不成立となり、エンジンクランキングが開始される。すると、スタータモータ2に電流が流れてバッテリ9の電圧がヒルホールド保証電圧よりも下回ってしまう。そうすると、ホイルシリンダ圧が低下してしまい、車両ずり下がりを防止するのに必要な液圧が確保できず、車両ずり下がりが発生してしまう。
時刻t1において、運転者がブレーキペダルを離したことで、アイドリングストップ制御条件が不成立となり、スタータモータ2の駆動によりエンジンクランキングが行われる。このとき、バッテリ電圧は所定電圧を下回るため、勾配の所定閾値が小さな値に変更される。
時刻t2において、運転者がブレーキペダルを踏み始め、車両が減速して車両が停止する。時刻t3において、勾配路であっても時刻t1において小さな値に変更された所定閾値よりも小さな勾配であるためアイドリングストップ制御が許可され、ヒルホールド制御によってブレーキ液圧制御ユニット7がポンプアップを行い、ホイルシリンダ圧が高められて制動力を発生する。
時刻t4において、運転者がブレーキペダルを離すことでアイドリングストップ制御の許可条件が不成立となり、エンジンクランキングが開始される。このとき、バッテリ電圧が低下するものの、勾配が小さいため、さほど大きな電圧降下が生じることはなく、ブレーキ液圧を確保できるため、車両がずり下がることはない。
時刻t1において、運転者がブレーキペダルを離したことで、アイドリングストップ制御条件が不成立となり、スタータモータ2の駆動によりエンジンクランキングが行われる。このとき、バッテリ電圧は所定電圧を下回るため、勾配の所定閾値が小さな値に変更される。
時刻t2において、運転者がブレーキペダルを踏み始め、車両が減速して車両が停止する。時刻t3において、勾配が時刻t1において小さな値に変更された所定閾値よりも大きな勾配であるためアイドリングストップ制御が許可されることはなく、エンジン自動停止制御が実施されることはなく、ヒルホールド制御も実施されない。よって、ヒルホールド制御中のスタータモータ2のクランキングによるブレーキ液圧不足と言った課題が生じることはなく、車両がずり下がることもない。
(1)エンジン1と、エンジン1を始動するためのスタータモータ2(モータ)と、任意の制動力を発生可能なブレーキ液圧制御ユニット7(制動力制御手段)と、スタータモータ2とブレーキ液圧制御ユニット7とに電力を供給するバッテリ9と、路面勾配が所定閾値以下のときはエンジン1の自動停止を許可し、その後、所定の条件が成立したときはエンジン1を自動停止し、所定の条件が成立しなくなったときはスタータモータ2を駆動してエンジン1を再始動するエンジン自動停止制御(エンジン制御手段)と、エンジン1の自動停止からの発進時に、ブレーキ液圧制御ユニット7を制御して勾配に応じた制動力を付与するステップS10(ヒルホールド制御手段)と、バッテリ9の電圧が低いときは、電圧が高いときよりも所定閾値を小さな値に変更するステップS2,S3(閾値設定手段)と、を備えた。
よって、勾配に応じてエンジン1を停止もしくは再始動することができ、燃費の向上及び運転性の向上を図ることができる。また、電圧に応じてエンジンの自動停止が許可される所定閾値を変更するため、ヒルホールド制御によるブレーキ液圧確保中にスタータモータ2を駆動してエンジン1を再始動したとしても、バッテリ電圧の瞬低によるブレーキ液圧不足を招くことがなく、車両のずり下がりを防止できる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例1では、ステップS2において、バッテリ9の電圧が低下したか否かを判断する閾値である所定電圧として、バッテリ9が新品時の状態でスタータモータ2を作動させたときに低下したときのバッテリ電圧値を設定した。すなわち、所定電圧より低下した場合とは、バッテリ9が劣化し始めた状態、もしくは低温で十分な電圧を確保できない状態を検知することと同義であった。
これに対し、実施例2では、ヒルホールド制御で必要とされるヒルホールド保証電圧を所定電圧として設定している点が異なる。すなわち、ヒルホールド保証電圧を所定電圧として設定することで、仮にバッテリ9の劣化や、低温により電圧が低下している場合であっても、ヒルホールド保証電圧さえ確保できればアイドリングストップ制御やコーストストップ制御を実施することができ、燃費の改善を図ることができる。
(2)エンジン1と、エンジン1を始動するためのスタータモータ2(モータ)と、任意の制動力を発生可能なブレーキ液圧制御ユニット7(制動力制御手段)と、スタータモータ2とブレーキ液圧制御ユニット7とに電力を供給するバッテリ9と、路面勾配が所定閾値以下のときはエンジン1の自動停止を許可し、その後、所定の条件が成立したときはエンジン1を自動停止し、所定の条件が成立しなくなったときはスタータモータ2を駆動してエンジン1を再始動するエンジン自動停止制御(エンジン制御手段)と、エンジン1の自動停止からの発進時に、ブレーキ液圧制御ユニット7を制御して勾配に応じた制動力を付与するステップS10(ヒルホールド制御手段)と、バッテリ9の電圧がブレーキ液圧制御ユニット7の作動を保証するヒルホールド保証電圧(保証電圧)よりも低いときは、所定閾値を小さな値に変更するステップS2,S3(閾値設定手段)と、を備えた。
よって、勾配に応じてエンジン1を停止もしくは再始動することができ、燃費の向上及び運転性の向上を図ることができる。また、最低電圧がヒルホールド保証電圧よりも低いときは、所定閾値を小さな値に変更することで、一般的な走行状態として多くの場面と考えられる平坦路や、それに準じる小さな勾配路ではアイドリングストップ制御やコーストストップ制御を許可することで、車両のずり下がりを防止しつつ燃費の改善を図ることができる。
2 スタータモータ
3 自動変速機
4 ドライブシャフト
5 駆動輪
6 マスタシリンダ
7 ブレーキ液圧制御ユニット
8 エンジンコントロールユニット
8a 路面勾配検出部
9 バッテリ
Claims (2)
- エンジンと、
前記エンジンを始動するためのモータと、
任意の制動力を発生可能な制動力制御手段と、
前記モータと前記制動力制御手段とに電力を供給するバッテリと、
路面勾配が所定閾値以下のときは前記エンジンの自動停止を許可し、その後、所定の条件が成立したときは前記エンジンを自動停止し、所定の条件が成立しなくなったときは前記モータを駆動して前記エンジンを再始動するエンジン制御手段と、
前記エンジンの自動停止からの発進時に、前記制動力制御手段を制御して勾配に応じた制動力を付与するヒルホールド制御手段と、
前記バッテリの電圧が低いときは、電圧が高いときよりも前記所定閾値を小さな値に変更する閾値設定手段と、
を備えたことを特徴とする車両のエンジン自動停止制御装置。 - エンジンと、
前記エンジンを始動するためのモータと、
任意の制動力を発生可能な制動力制御手段と、
前記モータと前記制動力制御手段とに電力を供給するバッテリと、
路面勾配が所定閾値以下のときは前記エンジンの自動停止を許可し、その後、所定の条件が成立したときは前記エンジンを自動停止し、所定の条件が成立しなくなったときは前記モータを駆動して前記エンジンを再始動するエンジン制御手段と、
前記エンジンの自動停止からの発進時に、前記制動力制御手段を制御して勾配に応じた制動力を付与するヒルホールド制御手段と、
前記バッテリの電圧が前記制動力制御手段の作動を保証する保証電圧よりも低いときは、前記所定閾値を小さな値に変更する閾値設定手段と、
を備えたことを特徴とする車両のエンジン自動停止制御装置。
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