JP2015093832A - 放射性ハロゲン標識化合物又はその塩、これを含む医薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物を提供する。【解決手段】本発明は、所定の一般式で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、放射性ハロゲン標識化合物又はその塩、これを含む医薬に関する。
副腎の異常により発症する疾病として、原発性アルドステロン症(PA)が知られている。原発性アルドステロン症は、副腎皮質に生じた腫瘍がアルドステロンを過剰に産生し、高血圧や低カリウム血症を引き起こす病気である。原発性アルドステロン症の多くは右か左かのどちらか一方に腫瘍ができ、片側の場合は手術が可能である一方、両側に発症した場合は薬物療法による治療が採用される。したがって、原発性アルドステロン症を発症した場合、腫瘍が片側にあるか両側にあるかの局在診断は、治療方針の決定のため必要となる。
この局在診断として、コンピュータ断層撮影(CT)、アドステロールを用いた副腎シンチグラフィー、副腎静脈サンプリング(AVS)が用いられている。
しかし、CTでは、原理的に機能診断ができない。そのため、副腎に病変を認めても、非機能性腺腫とアルドステロン産生腺腫とを鑑別することが不可能である。
また、アドステロールを用いた副腎シンチグラフィーは、デキサメタゾンによる前処理が必要であること、及び、検査期間が長いといった煩雑さがある。これに加え、近年、副腎シンチグラフィーでのアドステロールの集積はアルドステロンの産生能ではなく副腎腺腫の大きさに依存することが明らかとなった。そのため、アドステロールを用いた診断手法は、PAの局在診断としての精度が極めて低いとされている(非特許文献1)。
本出願時には、AVSは、アルドステロン過剰分泌病変の部位確認のためのゴールドスタンダードとされている(非特許文献2)。しかし、AVSはカテーテルを副腎静脈に挿入して血液を採取するものであり、入院や麻酔が必要になるなど患者側の負担が大きく、医師側には高度な技術が求められる。
そこで、近年、AVSに代わる、非侵襲的なアルドステロン産生腺腫の局所診断を目指し、シングルフォトン断層撮影(SPECT)やポジトロン放出断層撮影(PET)による副腎腺腫の画像化の試みがなされている。特許文献1、2、非特許文献3〜6には、ステロイド生合成酵素(CYP11B1又はCYP11B2)を標的とした各種放射性標識化合物が報告されている。たとえば、非特許文献3、6には11C標識メトミデート、非特許文献4、5には18F標識エトミデート、及び、非特許文献5には123I標識ヨードメトミデートが記載されている。
国際公開第2007/144725号 国際公開第2011/151411号
Nomura K,et al.、The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、1990、Vol.71、p.825〜830 Nishikawa T,et al.、Endocrine Journal、2011、Vol.58、No.9、p.711〜721 Georg Zettinig,et al.、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、2004、Vol.31、No.9、p.1224〜1230 Wolfgang Wadsak,et al.、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、2006、Vol.33、No.6、p.669〜672 Stefanie Hahner,et al.、Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、2008、Vol.93、No.6、p.2358〜2365 Timothy J.Burton,et al.、Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、2012、Vol.97、No.1、p.100〜109
ステロイド生合成系において、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)はアルドステロン合成のみに関与する酵素である一方、ステロイド11β−水酸化酵素(CYP11B1)は、アルドステロン及びコルチゾールの両方の合成に関与する。したがって、アルドステロンの過剰分泌をコルチゾールの過剰分泌と区別して検出するには、CYP11B2に対する選択性が高いことが好ましい。
しかしながら、特許文献1には、CYP11B1を標的とした化合物が記載されている。また、非特許文献5には、メトミデート及びエトミデートは、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)よりもステロイド11β−水酸化酵素(CYP11B1)に対する選択性が高いことが報告されている。したがって、特許文献1、及び、非特許文献3〜6の技術は、コルチゾール産生とアルドステロン産生とを区別して検出することが困難である。
これに対し、特許文献2には、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性を高めた18F標識化合物が記載されている。一方、SPECTやPETによる副腎腺腫の非侵襲的画像化には、周辺臓器に対する集積に比較して、副腎への集積が高いことが求められる。しかしながら、特許文献2には、18F標識化合物の体内分布を確認した例は開示されていない。そのため、特許文献2記載の技術は、周辺臓器に対して副腎選択的に集積できるか否か明らかでない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物を提供することにある。
本発明の一態様によれば、下記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093832
上記一般式(1)中、nは0又は1の整数であり、Rは水素原子又はハロゲン原子であり、Rはシアノ基又はハロゲン原子であり、R,Rのいずれか一方が放射性ハロゲン原子である。
また、本発明の他の態様によれば、上記の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を含む医薬が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、下記一般式(2)で表される化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093832
上記一般式(2)中、nは0又は1の整数であり、R11はトリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基である。
さらに、本発明の他の態様によれば、下記一般式(3)で表される化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093832
上記一般式(3)中、nは0又は1の整数であり、Rは水素原子又はハロゲン原子であり、R12はトリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基である。
本発明によれば、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物が提供される。
5−(4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(CDP1010)、及び、5−(4−トリブチルスタニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン([123I]CDP1010の標識前駆体)の合成スキームを示す図である。 3−ヨ−ド−4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−ベンゾニトリル(CDP1031)、及び、4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−3−トリブチルスタニルベンゾニトリル([123I]CDP1031の標識前駆体)の合成スキームを示す図である。 4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ヨードベンゾニトリル(CDP1160)、及び、4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−トリブチルスタンニルベンゾニトリル([123I]CDP1160の標識前駆体)の合成スキームを示す図である。 5−(2−フルオロ−4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(CDP1810)、及び、5−(2−フルオロ−4−トリブチルスタニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン([123I]CDP1810の標識前駆体)の合成スキームを示す図である。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される少なくとも一種である。
本明細書において、「放射性ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の放射性同位体から選択される少なくとも一種であり、好ましくは、18F,34mCl,75Br,76Br,77Br,82Br,123I,124I,125I,又は131Iを用いることができる。CYP11B2への親和性を高める観点から、放射性ハロゲン原子としては、放射性ヨウ素原子がより好ましい。放射性ヨウ素原子としては、123I,124I,125I及び131Iが挙げられる。
また、本明細書において、「塩」とは、医薬として許容されるものであればよい。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又は、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸、ガラクツロン酸など)、α‐ヒドロキシ酸(クエン酸、酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸、ケイ皮酸など)、スルホン酸(p‐トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸から誘導される塩にすることができる。
上記一般式(1)中、Rが放射性ハロゲン原子であるとき、Rに放射性ハロゲン原子を導入しやすくする観点から、Rはシアノ基であることが好ましい。
上記一般式(1)中、Rが放射性ハロゲン原子であるときは、CYP11B2への親和性を高める観点から、Rは水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、水素原子、フッ素原子又は塩素原子であることがより好ましく、水素原子又はフッ素原子であることが更に好ましい。
具体的には、上記一般式(1)で表される化合物としては、下記表1で示す化合物A〜Fで示す化合物が挙げられる。
Figure 2015093832
中でも、
・放射性ヨウ素標識5−(4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(化合物Bにおいて、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
・放射性ヨウ素標識5−(2−フルオロ−4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(化合物Dにおいて、Rがフッ素原子であり、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
・放射性ヨウ素標識4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ヨードベンゾニトリル(化合物Eにおいて、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
・放射性ヨウ素標識3−ヨ−ド−4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−ベンゾニトリル(化合物Fにおいて、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
がより好ましい。
つづいて、本発明の放射性ハロゲン標識化合物の製造方法について、化合物A〜Fの製造方法の一態様を例に挙げて説明する。
スキーム1は、化合物A〜Fを得るための中間体の合成経路の一例を示す。
Figure 2015093832
化合物A、C、E(n=0)は、1H−イミダゾールメチルカルボン酸を出発物質とする。化合物B、D、F(n=1)の出発物質は、ウロカニン酸のビニル基を還元して調製する。まず、これら出発物質について、エステル化反応を行う(ステップa)。スキーム1中、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。次いで、イミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)で保護した後(ステップb)、エステルを還元してアルコールに変換し(ステップc)、ヒドロキシル基をシリルエーテルなど(OP)で保護する(ステップd)。なお、保護基(P,P)、及び、その導入方法は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(Wiley−Interscience;4版)に記載のものを種々採用することができる。
スキーム2には、スキーム1で得られたイミダゾール誘導体を用いた化合物A〜Fの標識前駆体の合成例を示す。
Figure 2015093832
まず、ステップeにおいて、スキーム1で得られたイミダゾール誘導体に、ベンジルハライド(スキーム2中、Lがハロゲン原子の化合物)、又は、ベンジルスルホネート(スキーム2中、Lがスルホン酸エステル基の化合物)を反応させる。化合物A〜Dを最終化合物として得るときは、Rが水素原子又はハロゲン原子であり、Rがヨウ素原子のベンジルハライド又はベンジルスルホネートを反応させる。また、化合物E、Fを最終化合物として得るときは、Rがニトロ基又はヨウ素原子であり、Rがシアノ基のベンジルハライド又はベンジルスルホネートを反応させる。
ここで、「スルホン酸エステル基」として、好ましくは、メタンスルホン酸エステル基、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基等の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホン酸エステル基、又は、p−トルエンスルホン酸エステル基、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル基等の芳香族スルホン酸エステル基が用いられる。
次いで、イミダゾール窒素の保護基(P)、及び、ヒドロキシル基の保護基(P)を脱保護した後、脱離基(L)を導入して(ステップf)、求核置換反応により環化する(ステップg)。脱離基(L)は、ハロゲン基又はスルホン酸エステル基である。ハロゲン基は、上記のハロゲン原子であり、スルホン酸エステル基としては、上記Lで例示したものを用いることができる。
その後、得られた化合物におけるR及びRに所望の置換基を導入し、目的とする標識前駆体を得る。例えば、Rがニトロ基、Rがシアノ基の化合物を用いて上記一般式(2)で表される化合物を得る場合には、ニトロ基をアミノ基に還元し、ジアゾ化を経て、ヨード基に置換する。次いで、ステップeで導入されたフェニル基の2位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行い、上記一般式(2)で表される化合物を得る。
がヨウ素原子、Rがシアノ基の化合物を用いて上記一般式(2)で表される化合物を得る場合には、そのまま、フェニル基の2位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行い、上記一般式(2)で表される化合物を得る。
また、Rが水素原子又はハロゲン原子であり、Rがヨウ素原子の化合物を用いて上記一般式(3)で表される化合物を得る場合は、フェニル基の4位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行って、上記一般式(3)で表される化合物を得る。
ここで、本明細書において、「トリアルキルスズ基」としては、トリ(C1−C6アルキル)スズ基が挙げられ、好ましくは、トリメチルスズ基又はトリブチルスズ基が用いられる。また、本明細書において「トリアルキルシリル基」としてはトリ(C1−C6アルキル)シリル基が挙げられ、好ましくは、トリメチルシリル基又はトリブチルシリル基が用いられる。上記一般式(2)中のR11、及び、上記一般式(3)中のR12には、トリアルキルスズ基が好ましく、トリブチルスズ基がより好ましい。
なお、ステップgの後、上記一般式(2)又は(3)で表される化合物を得る前に光学異性体の分離を行ってもよい。光学異性体の分離は、例えば、キラルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)精製により行うことができる。
上記一般式(2)又は(3)で表される化合物を放射性ハロゲン化反応することにより、上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物を得ることができる。放射性ハロゲン化反応は、求電子剤として調製された放射性ハロゲンを用いて行えばよく、例えば、放射性ハロゲン分子、放射性アセチルハイポハロリドを用いて行うことができる。また、酸性条件下、酸化剤存在下に、放射性ハロゲン化ナトリウム又は放射性ハロゲン化カリウムと反応させてもよい。酸化剤としては、例えば、クロラミン‐T、過酸化水素水、過酢酸、ハロゲン化スクシンイミド等を用いることができる。放射性ヨウ素化反応を行う場合、例えば、塩酸などの酸性条件下、過酸化水素水などの酸化剤存在下に、放射性ヨウ化ナトリウムと反応させることができる。
上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を医薬として用いる場合には、未反応の放射性ハロゲン及び不溶性の不純物を、メンブランフィルター、種々の充填剤を充填したカラム、HPLC等により精製することが望ましい。
本発明では、このようにして製造された放射性化合物又はその塩から、医薬を調製することもできる。本明細書において「医薬」とは、上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を生体内への投与に適した形態で含む処方物であると定義することができる。この医薬は、非経口的に、即ち注射によって投与することが好ましく、水溶液であることがより好ましい。かかる組成物は適宜、pH調節剤、製薬学的に許容される可溶化剤、安定剤又は酸化防止剤などの追加成分を含んでいてもよい。
本発明に係る医薬は、生物体内に導入すると、上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物がアルドステロン産生領域に集積する。そのため、放射線検出器、シングルフォトン断層撮影スキャナー、陽電子放射断層撮影スキャナー、オートラジオグラフィー等を用いて生物体外から非侵襲的に放射線を検出し、画像化して、アルドステロン産生の亢進又は低下を診断することができる。したがって、本発明の医薬は、画像診断剤として使用することができ、具体的には、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤やシングルフォトン断層撮影用の画像診断剤の用途に用いることができる。例えば、放射性ハロゲン原子として18F、76Br、124I等の陽電子放出核種を用いた場合は、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤として用いることができ、放射性ハロゲン原子として123Iを用いた場合は、シングルフォトン断層撮影用の画像診断剤として用いることができる。本発明に係る画像診断剤は、好ましくは、アルドステロン過剰産生に起因する副腎疾患(アルドステロン産生腫瘍等)の画像診断に使用することができる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。なお、下記実施例において、実験に供する各化合物の名称を以下のように定義した。
CDP1010:5−(4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン
CDP1031:3−ヨ−ド−4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−ベンゾニトリル
CDP1160:4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−ヨードベンゾニトリル
CDP1810:5−(2−フルオロ−4−ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン
123I]CDP1010:5−(4−[123I]ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン
123I]CDP1031:3−[123I]ヨ−ド−4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−ベンゾニトリル
123I]CDP1160:4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−[123I]ヨードベンゾニトリル
123I]CDP1810:5−(2−フルオロ−4−[123I]ヨ−ドフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン
以下の実施例及び比較例に記載した各化合物の合成例において、化合物合成における各ステップは、必要に応じて複数回繰り返し行い、他の合成において中間体等として用いる際に必要な量を確保した。また、以下の各実施例は好適な例について記載したものであり、本発明の範囲を限定する意図ではない。実施例中、各化合物のNMRスペクトルによる分子構造は、1H‐NMRスペクトルで同定した。1H‐NMRスペクトルは、NMR装置として、JNM−ECP−500(日本電子株式会社製)又はAVANCEIII(BRUKER社製)を使用して得た。共鳴周波数は500MHzとし、溶媒は重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシドを用いた。重クロロホルムを用いた場合は、重クロロホルムのシグナルδ7.24を参照として使用し、重ジメチルホルムアミドを用いた場合は、重ジメチルスルホキシドのシグナルδ2.49を参照として使用した。全ての化学シフトはデルタスケール(δ)上のppmであり、そしてシグナルの微細分裂については、略号(s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、dd:ダブルダブレット、q:カルテット、m:マルチプレット)を用いて示した。
実施例1:CDP1010の合成
CDP1010(化合物9)は、図1に示すスキームに従って合成した。
[ステップ1−1]3−(1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロピオン酸エチル(化合物2)の合成
ウロカニン酸(化合物1)(5g,36.2mmol)をメタノ−ル(400mL)に溶解したのち、パラジウム−炭素(3g)を加え、水素ガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液をろ過したのち、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をエタノ−ル(400mL)に溶解したのち、濃硫酸(20.0mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和したのち、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、化合物2(5g,29.7mmol,化合物1に対する2段階収率82%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.55(s,1H),6.81(s,1H),4.14(t,J=7.4Hz,2H),2.92(t,J=6.9Hz,2H),2.65(t,J=6.9Hz,2H),1.24(t,J=7.4Hz,3H)。
[ステップ1−2]3−(1−トリチル−1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロピオン酸エチル(化合物3)の合成
ステップ1−1で得た化合物2(5g,29.7mmol)をジクロロメタン(150mL)に溶解したのち、塩化トリチル(12.4g,44.6mmol)、トリエチルアミン(8.28mL,59.4mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=10/1→5/1)にて精製を行い、化合物3(10g,24.4mmol,収率83%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.33−7.30(m,10H),7.13−7.11(m,6H),6.54(s,1H),4.09−4.05(m,2H),2.88−2.85(m,2H),2.62(t,J=7.4Hz,2H),1.20−1.17(m,3H)。
[ステップ1−3]3−(1−トリチル−1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロパン−1−オ−ル(化合物4)の合成
ステップ1−2で得た化合物3(10g,24.4mmol)をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解したのち、水素化リチウムアルミニウム(1.44g,38.0mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、無水硫酸ナトリウムと水を加え、反応溶液をろ過したのち、ろ液を減圧濃縮し、化合物4(9.67g,26.2mmol,定量)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ 7.42−7.36(m,10H),7.08(d,J=6.9Hz,6H),6.57(s,1H),4.41−4.39(m,1H),3.39−3.36(m,2H),2.46−2.43(m,2H),1.68−1.63(m,2H)。
[ステップ1−4]4−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1−トリチル−1H−イミダゾ−ル(化合物5)
ステップ1−3で得た化合物4(9.67g,26.2mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解したのち、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(13.4mL,52.4mmol)、トリエチルアミン(7.3mL,52.4mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=20/1)にて精製を行い、化合物5(15.1g,24.8mmol,収率95%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.64−7.62(m,4H),7.39−7.25(m,16H),7.12−7.10(m,6H),6.48(s,1H),3.69−3.66(m,2H),2.66−2.63(m,2H),1.92−1.86(m,2H),1.01(s,9H)。
[ステップ1−5]5−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル(化合物6)の合成
ステップ1−4で得た化合物5(2.0g,3.3mmol)をアセトニトリル(6.0mL)に溶解したのち、4−ヨードベンジルブロミド(1.0g,3.5mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間半加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して得られた粗生成物をメタノ−ル(5.7mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(0.3mL)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=20/1→10/1)にて精製を行い、化合物6(1.0g,1.8mmol,収率56%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.65−7.59(m,6H),7.46−7.41(m,3H),7.37−7.34(m,4H),6.80(s,1H),6.72(d,J=8.3Hz,1H),4.97(s,2H),3.67(t,J=6.0Hz,2H),2.50−2.47(m,2H),1.80−1.75(m,2H),1.01(s,9H)。
[ステップ1−6]3−[1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イル]プロパン−1−オ−ル(化合物7)の合成
ステップ1−5で得た化合物6(1.0g,1.8mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.16mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/メタノ−ル=19/1→9/1→17/3)にて精製を行い、化合物7(0.54g,0.42mmol,収率95%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.67−7.65(m,2H),7.46(s,1H),6.86(s,1H),6.78−6.77(m,2H),5.02(s,2H),3.67−3.65(m,2H),2.52−2.49(m,2H),1.86−1.79(m,2H)。
[ステップ1−7]5−(3−クロロプロピル)−1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル(化合物8)の合成
ステップ1−6で得た化合物7(80.1mg,0.24mmol)をジクロロメタン(0.6mL)に溶解したのち、塩化チオニル(22.5μL,0.31mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、化合物8(65.0mg,0.18mmol,収率77%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.68−7.66(m,2H),7.48(s,1H),6.87(s,1H),6.78(d,J=8.3Hz,2H),3.53(t,J=6.0Hz,2H),2.59−2.56(m,2H),2.01−1.96(m,2H)。
[ステップ1−8]CDP1010(化合物9)の合成
ジイソプロピルアミン(0.95mL,6.8mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解したのち、アルゴンガス雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウム(6.8mmol相当)のn−ヘキサン溶液(4.2mL)、を加え、15分かけて0℃に昇温した。同温にて30分撹拌し、リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン−n−ヘキサン溶液)を得た。ステップ1−7で得た化合物8(65.0mg,0.18mmol)をテトラヒドロフラン(0.9mL)に溶解したのち、−78℃にて、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.13mL,1.43mmol)、調製したリチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン/n−ヘキサン溶液)(1.1mL)を加え、同温にて2.5時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノ−ル=100/1)にて精製を行い、CDP1010(34mg,0.11mmol,収率58%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.68−7.66(m,2H),7.13(s,1H),6.83−6.82(m,2H),6.80(s,1H),5.14−5.12(m,1H),2.90−2.79(m,2H),2.27−2.20(m,1H),1.94−1.83(m,2H),1.77−1.69(m,1H)。
実施例2:[123I]CDP1010標識前駆体(化合物10)の合成
CDP1010の標識前駆体である5−(4−トリブチルスタニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(化合物10)は、図1に示すスキームに従って合成した。
実施例1で合成したCDP1010(21mg,0.065mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解したのち、ビストリブチルスズ(86μL,0.19mmol)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(4.4mg,8.5μmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、100℃にて一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を冷却し、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、化合物10(12mg,0.025mmol,収率40%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.42(d,J=8.0Hz,2H),7.16(s,1H),7.02(d,J=8.0Hz,2H),6.83(d,J=1.0Hz,2H),5.15−5.12(m,1H),2.91−2.81(m,2H),2.29−2.23(m,1H),2.01−1.88(m,2H),1.78−1.71(m,1H),1.56−1.50(m,6H),1.36−1.29(m,6H),1.12−0.98(m,6H),0.88(t,J=7.4Hz,9H)。
実施例3:[123I]CDP1010の合成
実施例2で合成した化合物10のアセトニトリル溶液(1mg/mL,90μL)に、1mol/L塩酸(170μL)、[123I]ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液(312MBq,60μL)及び30%(w/v)過酸化水素水溶液(10μL)を添加した。当該混合液を40℃にて10分間静置した後、下記の条件のHPLCに付して、実施例1で得たCDP1010と保持時間が同じ画分を[123I]CDP1010画分として分取した。
<HPLC条件>
カラム:YMC PackPro C8(YMC社製、サイズ:4.5×150mm)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含む水/0.1%トリフルオロ酢酸含むアセトニトリル(体積比)=80/20から10/90へ40分かけてグラジエント
流速:1.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:260nm)及び放射線検出器(raytest社 STEFFI型)
分取した画分に水(10mL)を添加した液をSep−Pak C18カラム(Sep−Pak(登録商標)Light C18 Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量130mg)に通液し、[123I]CDP1010を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水(1mL)で洗浄した後、ジエチルエーテル(6mL)を通液して[123I]CDP1010を溶出させたのち、ジエチルエーテルを留去することで[123I]CDP1010を得た。得られた放射能量は合成直後において168.3MBq(合成開始後61分)であった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は99.1%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(メルク社製)
展開相:酢酸エチル/ジエチルアミン=100:5
RI検出器:Rita Star、raytest社製
実施例4:CDP1031の合成
CDP1031(化合物16)は、図2に示すスキームに従って合成した。
[ステップ4−1]4−ブロモメチル−3−ニトロベンゾニトリル(化合物12)の合成
4−メチル−3−ニトロベンゾニトリル(化合物11,東京化成工業株式会社製)(965.0mg,5.95mmol)を四塩化炭素(10mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(1.270g,7.14mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(390.8mg,2.38mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2日間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、水を加え、クロロホルムで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製を行い、化合物12(724mg,2.99mmol,収率50%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.33(d,J=1.6Hz,1H),7.88(dd,J=8.1,1.6Hz,1H),7.75(d,J =8.1Hz,1H),4.83(s,2H)。
[ステップ4−2]4−{5−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル}−3−ニトロベンゾニトリル(化合物13)の合成
実施例1のステップ1−4で得た化合物5(3.7g,6.1mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解したのち、ステップ4−1で得た化合物12(1.3g,5.5mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して得られた粗生成物をメタノ−ル(40mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(1mL)を加え、1時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、化合物13(1.8g,3.5mmol,収率68%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.46(d,J=1.9Hz,1H),7.72(dd,J=8.3,1.9Hz,1H),7.57−7.55(m,4H),7.49(s,1H),7.43−7.40(m,2H),7.36−7.33(m,4H),6.92(s,1H),6.57(d,J=8.3Hz,1H),5.54(s,2H),3.68(t,J=6.0Hz,2H),2.41(t,J=7.8Hz,2H),1.84−1.78(m,2H),0.90(s,9H)。
[ステップ4−3]4−[5−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル]−3−ニトロベンゾニトリル(化合物14)の合成
ステップ4−2で得た化合物13(1.8g,3.5mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド(7mmol)のテトラヒドロフラン溶液(7mL)、酢酸(0.4mL,7mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノ−ル=100/3→20/1)にて精製を行い、化合物14(1.0g,3.5mmol,収率100%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.48(d,J=1.4Hz,1H),7.82−7.80(m,1H),7.52(s,1H),6.98(s,1H),6.63(d,J=7.8Hz,1H),5.60(s,2H),3.67(t,J=6.0Hz,2H),2.47−2.44(m,2H),1.87−1.82(m,2H)。
[ステップ4−4]3−ニトロ−4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−ベンゾニトリル(化合物15)の合成
ステップ4−3で得た化合物14(1.0g,3.5mmol)をジクロロメタン(35mL)に溶解したのち、0℃にてメタンスルホニルクロリド(0.36mL,4.6mmol)、トリエチルアミン(0.64mL,4.6mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、同温にて3時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をジメチルホルムアミド(50mL)に溶解したのち、ヨウ化ナトリウム(1.6g,10.5mmol)、炭酸カリウム(1.5g,10.5mmol)、トリエチルアミン(1.5mL,10.5mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、80℃にて2時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、化合物15(591mg,2.2mmol,化合物13からの3段階収率63%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.35(d,J=1.4Hz,1H),7.79−7.78(m,1H),7.16(s,1H),6.90(s,1H),6.81(d,J=8.3Hz,1H),6.13(t,J=5.5Hz,1H),2.97−2.91(m,1H),2.85−2.82(m,1H),2.03−1.97(m,1H),1.86−1.79(m,1H),1.74−1.66(m,1H)。
[ステップ4−5]CDP1031(化合物16)の合成
ステップ4−4で得た化合物15(556mg,2.1mmol)をエタノ−ル(110mL)に溶解したのち、塩化スズ(1.26g,6.3mmol)、濃塩酸(6.3mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpHを10にした。ジクロロメタンで抽出を行ったのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた粗生成物をトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解したのち、0℃にて亜硝酸カリウム(170mg,2.0mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、同温にて3時間撹拌した。同温にて、水(1mL)に溶解したヨウ化ナトリウム(300mg,2.0mmol)を滴下し、2時間撹拌した。反応終了後、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=3/2)にて精製を行い、CDP1031を光学異性体混合物(250mg,0.7mmol,化合物15からの2段階収率32%)として得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−50
H−NMR(重クロロホルム,共鳴周波数:500MHz):δ 8.15(d,J=1.9Hz,1H),7.55−7.53(m,1H),7.13(s,1H),6.88(s,1H),6.63(d,J=8.3Hz,1H),5.55−5.53(m,1H),2.94−2.81(m,2H),2.36−2.29(m,1H),1.99−1.93(m,1H),1.82−1.72(m,1H)。
CDP1031光学異性体混合物の一部(40mg,0.11mmol)をメタノール/エタノール混合溶液(メタノール/エタノール=1/2)(3mL)に溶解したのち、下記の条件のHPLCに付して保持時間が15〜18分の画分を分取し、CDP1031(19mg,0.054mmol,収率48%)を得た。
<HPLC分取条件>
カラム:CHIRALCEL OJ−H(DAICEL社製、サイズ:10×20mm)及びCHIRALCEL OJ−H(DAICEL社製、サイズ:20×250mm)
移動相:メタノール/エタノール(体積比)=70/30
流速:7.5mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:230nm)
また、得られたCDP1031(0.2mg)をエタノール(0.2mL)に溶解したのち、下記の条件のHPLCに付して光学純度の確認を行ったところ、その光学純度は100%であった。
<HPLC分析条件>
カラム:CHIRALCEL OJ−H(DAICEL社製、サイズ:4.0×10mm)及びCHIRALCEL OJ−H(DAICEL社製、サイズ:4.6×250mm)
移動相:メタノール/エタノール(体積比)=50/50
流速:0.4mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:230nm)
保持時間:16.3分
また、得られたCDP1031(12mg)をエタノール(5mL)に溶解したのち、下記の条件の旋光度計に付して旋光度の確認を行ったところ、その旋光度は−0.1845degであった。
<旋光度測定条件>
旋光度計:P−1020型(日本分光株式会社製)
低温サーキュレーター:F25−MV(Julabo社製)
溶媒:エタノール
温度:20℃
実施例5:[123I]CDP1031の標識前駆体(化合物17)の合成
CDP1031の標識前駆体である4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−5−イル)−3−トリブチルスタニルベンゾニトリル(化合物17)は、図2に示すスキームに従って合成した。
CDP1031(30mg,0.085mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解したのち、ビストリブチルスズ(85μL,0.17mmol)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(8.7mg,0.017mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、100℃にて一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を冷却し、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、化合物17(12.2mg,0.024mmol,収率28%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.73(d,J=1.8Hz,1H),7.55(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),6.99(d,J=8.4Hz,2H),6.84(s,1H),5.03−5.00(m,1H),2.97−2.82(m,2H),2.24−2.19(m,1H),2.02−1.96(m,1H),1.86−1.73(m,2H),1.57−1.46(m,6H),1.38−1.31(m,6H),1.22−1.08(m,6H),0.90(t,J=7.4Hz,9H)。
実施例6:[123I]CDP1031の合成
実施例5で合成した化合物17のアセトニトリル溶液(1mg/mL,67.5μL)に、1mol/L塩酸(127.5μL)、[123I]ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液(371MBq,45μL)、30%(w/v)過酸化水素水溶液(7.5μL)を添加した。当該混合液を40℃にて10分間静置した後、下記の条件のHPLCに付して、実施例4で得たCDP1031と保持時間が同じ画分を[123I]CDP1031画分として分取した。
<HPLC条件>
カラム:YMC PackPro C8(YMC社製、サイズ:4.5×150mm)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含む水/0.1%トリフルオロ酢酸含むアセトニトリル(体積比)=80/20から10/90へ40分かけてグラジエント
流速:1.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:260nm)及び放射線検出器(raytest社 STEFFI型)
分取した画分に水(10mL)を添加した液をSep−Pak C18カラム(Sep−Pak(登録商標)Light C18 Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量130mg)に通液し、[123I]CDP1031を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水1mLで洗浄した後、ジエチルエーテル(6mL)を通液して[123I]CDP1031を溶出させたのち、ジエチルエーテルを留去することで[123I]CDP1031を得た。得られた放射能量は合成直後において142.7MBq(合成開始後70分)であった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は99.5%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(メルク社製)
展開相:酢酸エチル/ジエチルアミン=100:4
RI検出器:Rita Star、raytest社製
実施例7:CDP1160の合成
CDP1160(化合物28)は、図3に示すスキームに従って合成した。
[ステップ7−1]4−ブロモメチル−3−ヨードベンゾニトリル(化合物19)の合成
3−ヨード−4−メチルベンゾニトリル(化合物18、アルドリッチ社製)(3.00g、12.3mmol)をジクロロエタン(12mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(2.40g、13.5mmol)とアゾビスイソブチロニトリル(0.808g、4.92mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)にて精製を行い、化合物19(2.10g、6.52mmol、収率52%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.13(d,J=1.6Hz,1H),7.62(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),4.57(s,2H)。
[ステップ7−2](1H−イミダゾール−4−イル)酢酸エチル(化合物21)の合成
1H−イミダゾールメチルカルボン酸塩酸塩(化合物20、東京化成工業株式会社製、5.00g、30.8mmol)をエタノール(250mL)に溶解したのち、硫酸(18mL)を滴下し、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、氷冷下、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮して化合物21(3.65g、23.7mmol、収率77%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.58(s,1H),6.96(s,1H),4.18(q,J=7.1Hz,2H),3.68(s,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
[ステップ7−3](1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)酢酸エチル(化合物22)
ステップ7−2で得た化合物21(3.65g、23.7mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(5.0mL、36mmol)、塩化トリチル(9.91g、35.6mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で3.5時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=40/1)にて精製を行い、化合物22(8.60g、21.7mmol、収率92%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.37(m,1H),7.33−7.32(m,9H),7.15−7.13(m,6H),6.77(m,1H),4.14(q,J=7.2Hz,2H),3.61(s,2H),1.23(t,J=7.2Hz,3H)。
[ステップ7−4]2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)エタノール(化合物23)の合成
水素化リチウムアルミニウム(1.09g、28.8mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、ステップ7−3で得た化合物22(7.62g、19.2mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶液(120mL)を滴下し、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、氷冷下、硫酸ナトリウム十水和物と水を加えたのち、セライト濾過を行った。減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1)にて精製を行い、化合物23(4.02g、11.3mmol、収率59%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.36(m,1H),7.36−7.32(m,9H),7.14−7.13(m,6H),6.60(m,1H),3.88(t,J=5.5Hz,2H),2.75(t,J=5.5Hz,2H)。
[ステップ7−5]4−[2−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)エチル]−1−トリチル−1H−イミダゾール(化合物24)の合成
ステップ7−4で得た化合物23(4.02g、11.3mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(3.2mL、23mmol)、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(4.4mL、17mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出を行った。合わせたクロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、化合物24(6.43g、10.9mmol、収率96%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.61−7.59(m,4H),7.40−7.30(m,16H),7.14−7.12(m,6H),6.67(m,1H),3.91(t,J=6.5Hz,2H),2.81(t,J=6.5Hz,2H),1.57(s,9H)。
[ステップ7−6]4−{5−[2−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)エチル]−1H−イミダゾール−1−イルメチル}−3−ヨードベンゾニトリル(化合物25)の合成
ステップ7−5で得た化合物24(6.43g、10.9mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解したのち、ステップ7−1で得た化合物19(2.97g、9.24mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して得られた粗生成物をメタノ−ル(50mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(2.5mL)を加え、1時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、化合物25(4.03g、6.81mmol、収率63%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.11(m,1H),7.54−7.34(m,12H),6.98(s,1H),6.36(m,1H),5.03(s,2H),3.77(t,J=6.4Hz,2H),2.63(t,J=6.4Hz,2H),1.03(s,9H)。
[ステップ7−7]4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル(化合物26)の合成
ステップ7−6で得た化合物25(4.03g、6.81mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解したのち、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(14mmol)のテトラヒドロフラン溶液(14mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製を行い、化合物26(2.04g、5.78mmol、収率85%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.16(d,J=1.6Hz,1H),7.56(dd,J=8.1,1.6Hz,1H),7.50(s,1H),7.02(s,1H),6.49(d,J=8.1Hz,1H),5.15(s,2H),3.82(t,J=6.3Hz,2H),2.65(t,J=6.3Hz,2H)。
[ステップ7−8]3−ヨード−4−[5−(2−メタンスルホニロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]ベンゾニトリル(化合物27)の合成
ステップ7−7で得た化合物26(2.04g、5.78mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(1.0mL、6.9mmol)、メタンスルホニルクロリド(0.54mL、6.9mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、0℃で3時間撹拌した。反応溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(0.14mL、1.7mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、0℃で2時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=15/1)にて精製を行い、化合物27(1.78g、4.13mmol、収率71%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.17(d,J=1.4Hz,1H),7.56(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.51(s,1H),7.06(s,1H),6.51(d,J=8.0Hz,1H),5.12(s,2H),4.36(t,J=7.0Hz,2H),2.97(s,3H),2.87(t,J=7.0Hz,2H)。
[ステップ7−9]CDP1160(化合物28)の合成
ジイソプロピルアミン(0.13mL、0.95mmol)をテトラヒドロフラン(0.50mL)に溶解した溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(0.93mmol)のn−ヘキサン溶液(0.36mL)を加えた。アルゴンガス雰囲気下、−78℃で15分撹拌し、0℃に昇温し、リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン−n−ヘキサン溶液)を得た。ステップ7−8で得た化合物27(50.0mg、0.116mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.17mL、1.2mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、−78℃で調整したリチウムジイソプロピルアミド溶液を滴下し、アルゴンガス雰囲気下、−78℃で7時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=40/1)にて精製を行い、CDP1160(13.3mg、0.0397mmol、収率34%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.17(d,J=1.6Hz,1H),7.56(dd,J=8.1,1.6Hz,1H),7.37(s,1H),6.86(s,1H),6.56(d,J=8.1Hz,1H),5.58(m,1H),3.26−3.19(m,1H),2.95−2.81(m,2H),2.44−2.38(m,1H)。
実施例8:[123I]CDP1160の標識前駆体(化合物29)の合成
CDP1160の標識前駆体である4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]−1H−イミダゾール−5−イル)−3−トリブチルスタンニルベンゾニトリル(化合物29)は、図3に示すスキームに従って合成した。
実施例7で合成したCDP1160(7.5mg、0.022mmol)をジメチルホルムアミド(0.20mL)に溶解し、ビストリブチルスズ(0.022mL、0.045mmol)とビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(1.1mg、0.0022mmol)を加えた。アルゴンガス雰囲気下、100℃で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出を行った。合わせた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=40/1)にて精製を行い、化合物29(1.2mg、0.0024mmol、収率11%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.73(d,J=1.7Hz,1H),7.54(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.19(s,1H),6.87(d,J=8.1Hz,1H),6.83(s,1H),5.18(m,1H),3.05−2.89(m,3H),2.47−2.40(m,1H),1.39−1.32(m,9H),1.19−1.16(m,6H),0.92−0.89(m,12H)。
実施例9:[123I]CDP1160の合成
実施例8で得た化合物29のアセトニトリル溶液(1mg/mL、90μL)に、1mol/L塩酸(170μL)、[123I]ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液(245MBq、60μL)、30%(w/v)過酸化水素水溶液(10μL)を添加した。当該混合液を40℃にて10分間静置した後、下記の条件のHPLCに付して実施例7で得たCDP1160と保持時間が同じ画分を[123I]CDP1160画分として分取した。
<HPLC条件>
カラム:YMC PackPro C8(YMC社製、サイズ:4.5×150mm)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含む水/0.1%トリフルオロ酢酸含むアセトニトリル(体積比)=80/20から10/90へ40分かけてグラジエント
流速:1.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:260nm)及び放射線検出器(raytest社 STEFFI型)
当該画分に水10mLを添加した液をSep−Pak C18カラム(商品名:Sep−Pak(登録商標)Light C18 Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量130mg)に通液し、[123I]CDP1160を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水(1mL)で洗浄した後、ジエチルエーテル(6mL)を通液して[123I]CDP1160を溶出させたのち、ジエチルエーテルを留去することで[123I]CDP1160を得た。得られた放射能量は合成直後において32.2MBqであった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は100%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:酢酸エチル/ジエチルアミン=100:5
RI検出器:Rita Star、raytest社製
実施例10:CDP1810の合成
CDP1810(化合物35)は、図4に示すスキームに従って合成した。
[ステップ10−1]2−フルオロ−4−ヨードベンジルブロミド(化合物31)の合成
2−フルオロ−4−ヨードトルエン(化合物30、東京化成工業株式会社製)(4.0g、17mmol)を1,2−ジクロロエタン(20mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(3.3g、19mmol)とアゾビスイソブチロニトリル(1.1g、6.8mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン)にて精製を行い、化合物31(3.4g、11mmol、収率63%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.49−7.43(m,2H),7.14−7.10(m,1H),4.45(s,2H)。
[ステップ10−2]5−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1−(2−フルオロ−4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル(化合物32)の合成
ステップ1−4で得た化合物5(1.5g、2.5mmol)をアセトニトリル(15mL)に溶解したのち、ステップ10−1で得た化合物31(0.82g、2.6mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間半加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して得られた粗生成物をメタノ−ル(8.5mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(0.5mL)を加え、2時間半加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、化合物32(0.93g、1.6mmol、収率63%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.62−7.61(m,4H),7.46−7.35(m,9H),6.80(s,1H),6.47−6.44(m,3H),5.02(s,2H),3.70(t,J=5.9Hz,2H),2.54−2.51(m,2H),1.84−1.78(m,2H),1.02(s,9H)。
[ステップ10−3]3−[1−(2−フルオロ−4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イル]プロパン−1−オ−ル(化合物33)
ステップ10−2で得た化合物32(0.80g、1.3mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.5mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で3時間撹拌した.反応終了後、反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム→クロロホルム/メタノ−ル=19/1→9/1)にて精製を行い、化合物33(0.42g、1.2mmol、収率88%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.47−7.42(m,3H),6.84(s,1H),6.54−6.51(m,1H),5.06(s,2H),3.68(t,J=6.1Hz,2H),2.56(t,J=7.6Hz,2H),1.87−1.82(m,2H),1.27−1.22(m,1H)。
[ステップ10−4]5−(3−クロロプロピル)−1−(2−フルオロ−4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル(化合物34)の合成
ステップ10−3で得た化合物33(100mg、0.27mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解したのち、塩化チオニル(26μL、0.36mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間半加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=100/0→99/1→19/1)にて精製を行い、化合物34(83mg、0.21mmol、収率81%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.49−7.43(m,3H),6.87(d,J=0.9Hz,1H),6.55−6.52(m,1H),5.07(s,2H),3.56(t,J=6.2Hz,2H),2.65−2.61(m,2H),2.06−2.00(m,2H)。
[ステップ10−5]CDP1810(化合物35)の合成
ジイソプロピルアミン(0.18mL、1.3mmol)をテトラヒドロフラン(0.82mL)に溶解したのち、アルゴンガス雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウム(2.6mmol)のn−ヘキサン溶液(0.50mL)を加え、8分かけて0℃に昇温し、リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン−n−ヘキサン溶液)を得た。ステップ10−3で得た化合物34(83mg、0.21mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解したのち、−78℃にて、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.25mL、1.7mmol)と調製したリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン/n−ヘキサン溶液(0.15mL)を加え、同温にて3時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、CDP1810(23mg、0.066mmol、収率32%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.47−7.40(m,2H),7.17(s,1H),6.83(s,1H),6.40−6.37(m,1H),5.54−5.52(m,1H),2.85−2.83(m,2H),2.29−2.23(m,1H),2.02−1.96(m,1H),1.81−1.75(m,2H)。
実施例11:[123I]CDP1810の標識前駆体(化合物36)の合成
CDP1810の標識前駆体である5−(2−フルオロ−4−トリブチルスタニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(化合物36)は、図4に示すスキームに従って合成した。
CDP1810(15mg,0.042mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解したのち、ビストリブチルスズ(64μL,0.13mmol)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(3.3mg,0.0064mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、100℃にて一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を冷却し、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、化合物36(9.5mg,0.019mmol,収率44%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.20(s,1H),7.17−7.12(m,2H),6.83(s,1H),6.65(t,J=7.3Hz,1H),5.57(t,J=5.9Hz,1H),2.87−2.85(m,2H),2.30−2.24(m,1H),2.08−2.02(m,1H),1.90−1.83(m,1H),1.80−1.75(m,1H),1.56−1.47(m,6H),1.38−1.29(m,6H),1.12−0.99(m,6H),0.89(t,J=7.3Hz,9H)。
実施例12:[123I]CDP1810の合成
実施例11で合成した化合物36のアセトニトリル溶液(1mg/mL,90μL)に、1mol/L塩酸(170μL)、[123I]ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液(567MBq,60μL)、30%(w/v)過酸化水素水溶液(10μL)を添加した。当該混合液を40℃にて10分間静置した後、下記の条件のHPLCに付して、実施例10で得たCDP1810と保持時間が同じ画分を[123I]CDP1810画分として分取した。
<HPLC条件>
カラム:YMC PackPro C8(YMC社製、サイズ:4.5×150mm)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含む水/0.1%トリフルオロ酢酸含むアセトニトリル(体積比)=80/20から10/90へ40分かけてグラジエント
流速:1.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:260nm)及び放射線検出器(raytest社 STEFFI型)
分取した画分に水(10mL)を添加した液をSep−Pak C18カラム(Sep−Pak(登録商標)Light C18 Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量130mg)に通液し、[123I]CDP1810を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水1mLで洗浄した後、ジエチルエーテル(6mL)を通液して[123I]CDP1810を溶出させたのち、ジエチルエーテルを留去することで[123I]CDP1810を得た。得られた放射能量は合成直後において372MBq(合成開始後69分)であった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は99.6%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(メルク社製)
展開相:酢酸エチル/ジエチルアミン=100:5
RI検出器:Rita Star、raytest社製
評価1:親和性及び選択性の評価
チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞であるV79細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社を介しECACC(European Collection of Cell Cultures)から入手)にヒトCYP11B2を発現させV79−B2を、またヒトCYP11B1を発現させ、V79−B1を作製した。V79−B2又はV79−B1をマイクロプレートに播種し、一晩培養した後、V79−B2にはコルチコステロン,V79−B1には11−デオキシコルチゾールを最終濃度が100nmol/Lになるように培養上清中に添加した。同時に、最終濃度が10−4〜103nmol/Lになるように培養上清中に、(R)−4−ヨードメトミデート((R)−IMTO)、又は、実施例1、4、7、10で合成したCDP1010、1031、1160、1180をそれぞれ添加した。1時間後にV79−B1の培養上清を回収し、CYP11B1の代謝産物であるコルチゾール濃度をELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)により測定した。また、4時間後にV79−B2の培養上清を回収し、CYP11B2の代謝産物であるアルドステロン濃度をELISAにより測定した。(R)−IMTO、又は、CDP1010、1031、1160、1180を添加しなかった場合のアルドステロン濃度、及び、コルチゾール濃度を100%として、阻害曲線を作成し,各化合物の阻害活性(IC50)を算出した。
表2には、(R)−IMTO、CDP1010、1031、1160、1180のアルドステロン産生のIC50,コルチゾール産生のIC50を、平均値±標準偏差で示した。表2中、nは試験数であり、Selectivity factorは、コルチゾール産生のIC50の平均値/アルドステロン産生のIC50の平均値)を示す。
Figure 2015093832
CDP1010、1031、1160、1180のselectivity factorは、非特許文献5にCYP11Bイメージング剤として記載されている(R)−IMTOに比較し高いことから、(R)−IMTOより、特異的なCYP11B2のイメージング剤になり得る。また、非特許文献5によると(R)−IMTOのselectivity factorは、他のCYP11Bイメージング剤であるメトミデート(MTO)、エトミデート(ETO)及びフルオロエトミデート(FETO)と同程度であることが報告されている((R)−IMTO、MTO、ETO、及び、FETOのselectivity factorはそれぞれ0.261、0.275、0.208及び0.145)。以上の結果から、CDP1010、1031、1160、1180は、既知のCYP11Bイメージング剤に比較して、CYP11B2に対する特異性が高いことが示された。
評価2:体内動態分布実験
実施例3で得た[123I]CDP1010、実施例6で得た[123I]CDP1031、実施例9で得た[123I]CDP1160、実施例12で得た[123I]CDP1810のHPLC分取液を濃縮し生理食塩水で希釈したものをそれぞれ投与液とした。約3.7MBq,約40μLを2〜3匹のラット(雄,8〜9週齢)へそれぞれ尾静脈注射した後、10分後に断頭し、血液を採取した後、臓器(心臓、肺、胃、肝臓、脾臓、小腸、大腸、腎臓、膀胱(尿を含む)、下肢の筋肉、全脳、副腎、甲状腺、精巣、脂肪、その他の組織及び臓器(残全身))を摘出して、重量を計量後、血液及び各摘出臓器の放射能を測定した。また、断頭の時間点を30分後及び60分後に変えて同様な操作を行った。表3〜6には、血液及び各摘出臓器における放射能分布(%dose/g)の平均値±標準偏差を示す。表3が[123I]CDP1010の結果であり、表4が[123I]CDP1031の結果であり、表5が[123I]CDP1160の結果であり、表6が[123I]CDP1810の結果である。
Figure 2015093832
Figure 2015093832
Figure 2015093832
Figure 2015093832
表7〜9には、表3〜6に示した副腎の放射能集積(%ID/g)、並びに、血液、肝臓、腎臓、小腸及び筋肉の各臓器の放射能集積(%ID/g)に対する副腎の放射能集積(%ID/g)の比率を示す。表7が投与後10分の結果を示し、表8が投与後30分の結果を示し、表9が投与後60分の結果を示す。また、比較のため、(R)−4−[123I]ヨードメトミデート((R)−[123I]IMTO)を用いて同条件で体内分布実験を行った結果も合わせて示した。
Figure 2015093832
Figure 2015093832
Figure 2015093832
表3〜9で示すように、[123I]CDP1010、[123I]CDP1031、[123I]CDP1160、及び、[123I]CDP1810はいずれも、副腎には、血液及び周辺組織に対して高い放射能集積が認められた。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩。
    Figure 2015093832
    〔式中、nは0又は1の整数であり、Rは水素原子又はハロゲン原子であり、Rはシアノ基又はハロゲン原子であり、R,Rのいずれか一方が放射性ハロゲン原子である。〕
  2. 前記放射性ハロゲン原子が、放射性ヨウ素原子である、請求項1に記載の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩。
  3. 請求項1又は2に記載の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を含む医薬。
  4. 画像診断剤である請求項3記載の医薬。
  5. 副腎疾患の画像診断剤である請求項3又は4記載の医薬。
  6. シングルフォトン断層撮影用の画像診断剤である請求項3乃至5いずれか一項に記載の医薬。
  7. 下記一般式(2)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2015093832
    〔式中、nは0又は1の整数であり、R11はトリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基である。〕
  8. 下記一般式(3)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2015093832
    〔式中、nは0又は1の整数であり、Rは水素原子又はハロゲン原子であり、R12はトリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基である。〕
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