JP2015093833A - 放射性ハロゲン標識化合物又はその塩、これを含む医薬 - Google Patents

放射性ハロゲン標識化合物又はその塩、これを含む医薬 Download PDF

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Abstract

【課題】ステロイド11β−水酸化酵素(CYP11B1)に対し、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物、および該化合物を含有する画像診断剤の提供。
【解決手段】下式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物、および該化合物を含有する画像診断剤。
Figure 2015093833

〔式中、Rは、ハロゲン原子、又は、−(CHOH、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基であり、R、Rのいずれか一方が放射性ハロゲン原子である。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、放射性ハロゲン標識化合物又はその塩、これを含む医薬に関する。
副腎の異常により発症する疾病として、原発性アルドステロン症(PA)が知られている。原発性アルドステロン症は、副腎皮質に生じた腫瘍がアルドステロンを過剰に産生し、高血圧や低カリウム血症を引き起こす病気である。原発性アルドステロン症の多くは右か左かのどちらか一方に腫瘍ができ、片側の場合は手術が可能である一方、両側に発症した場合は薬物療法による治療が採用される。したがって、原発性アルドステロン症を発症した場合、腫瘍が片側にあるか両側にあるかの局在診断は、治療方針の決定のため必要となる。
この局在診断として、コンピュータ断層撮影(CT)、アドステロールを用いた副腎シンチグラフィー、副腎静脈サンプリング(AVS)が用いられている。
しかし、CTでは、原理的に機能診断ができない。そのため、副腎に病変を認めても、非機能性腺腫とアルドステロン産生腺腫とを鑑別することが不可能である。
また、アドステロールを用いた副腎シンチグラフィーは、デキサメタゾンによる前処理が必要であること、及び、検査期間が長いといった煩雑さがある。これに加え、近年、副腎シンチグラフィーでのアドステロールの集積はアルドステロンの産生能ではなく副腎腺腫の大きさに依存することが明らかとなった。そのため、アドステロールを用いた診断手法は、PAの局在診断としての精度が極めて低いとされている(非特許文献1)。
本出願時には、AVSは、アルドステロン過剰分泌病変の部位確認のためのゴールドスタンダードとされている(非特許文献2)。しかし、AVSはカテーテルを副腎静脈に挿入して血液を採取するものであり、入院や麻酔が必要になるなど患者側の負担が大きく、医師側には高度な技術が求められる。
そこで、近年、AVSに代わる、非侵襲的なアルドステロン産生腺腫の局所診断を目指し、シングルフォトン断層撮影(SPECT)やポジトロン放出断層撮影(PET)による副腎腺腫の画像化の試みがなされている。特許文献1、2、非特許文献3〜6には、ステロイド生合成酵素(CYP11B1又はCYP11B2)を標的とした各種放射性標識化合物が報告されている。たとえば、非特許文献3、6には11C標識メトミデート、非特許文献4、5には18F標識エトミデート、及び、非特許文献5には123I標識ヨードメトミデートが記載されている。
国際公開第2007/144725号 国際公開第2011/151411号 国際公開第2009/106640号
Nomura K,et al.、The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、1990、Vol.71、p.825〜830 Nishikawa T,et al.、Endocrine Journal、2011、Vol.58、No.9、p.711〜721 Georg Zettinig,et al.、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、2004、Vol.31、No.9、p.1224〜1230 Wolfgang Wadsak,et al.、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging、2006、Vol.33、No.6、p.669〜672 Stefanie Hahner,et al.、Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、2008、Vol.93、No.6、p.2358〜2365 Timothy J.Burton,et al.、Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism、2012、Vol.97、No.1、p.100〜109
ステロイド生合成系において、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)はアルドステロン合成のみに関与する酵素である一方、ステロイド11β−水酸化酵素(CYP11B1)は、アルドステロン及びコルチゾールの両方の合成に関与する。したがって、アルドステロンの過剰分泌をコルチゾールの過剰分泌と区別して検出するには、CYP11B2に対する選択性が高いことが好ましい。
しかしながら、特許文献1には、CYP11B1を標的とした化合物が記載されている。また、非特許文献5には、メトミデート及びエトミデートは、アルドステロン合成酵素(CYP11B2)よりもステロイド11β−水酸化酵素(CYP11B1)に対する選択性が高いことが報告されている。したがって、特許文献1、及び、非特許文献3〜6の技術は、コルチゾール産生とアルドステロン産生とを区別して検出することが困難である。
これに対し、特許文献2には、CYP11B1に対しCYP11B2の選択性を高めた18F標識化合物が記載されている。一方、SPECTやPETによる副腎腺腫の非侵襲的画像化には、副腎の周辺臓器への集積に比較して、副腎への集積が高いことが求められる。しかしながら、特許文献2には、18F標識化合物の体内分布を確認した例は開示されていない。そのため、特許文献2記載の技術は、周辺臓器に対して副腎選択的に集積できるか否か明らかでない。
特許文献3には、エトミデートに比べて、CYP11B1に対するCYP11B2への選択性を向上させたN‐ベンジルイミダゾール誘導体が記載されている。しかしながら、特許文献3は、開示するN‐ベンジルイミダゾール誘導体が生体内でどのように分布するかを明らかにしていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物を提供することにある。
本発明の一態様によれば、下記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093833
上記一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子、又は、−(CHOH(nは1〜3の整数)であり、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基であり、R、Rのいずれか一方が放射性ハロゲン原子である。
また、本発明の他の態様によれば、上記の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を含む医薬が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、下記一般式(2)で表される化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093833
上記一般式(2)中、R11は、トリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基であり、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基である。
本発明によれば、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高く、かつ、周辺臓器に比較して副腎に対する集積選択性が高い放射性ハロゲン標識化合物が提供される。
4−(5−ヨード−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル(CDP1260)、及び、4−(5−トリブチルスタニル−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル([123I]CDP1260の標識前駆体)の合成スキームを示す図である。 3−[1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イル]プロパン−1−オ−ル(CDP1450)の合成スキームを示す図である。 5−ヨード−1−ニトロベンジル−1H−イミダゾ−ル(CDP1980)の合成スキームを示す図である。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される少なくとも一種である。
本明細書において、「放射性ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の放射性同位体から選択される少なくとも一種であり、好ましくは、18F,34mCl,75Br,76Br,77Br,82Br,123I,124I,125I,又は131Iを用いることができる。CYP11B2への親和性を高める観点から、放射性ハロゲン原子としては、放射性ヨウ素原子がより好ましい。放射性ヨウ素原子としては、123I,124I,125I及び131Iが挙げられる。
また、本明細書において、「塩」とは、医薬として許容されるものであればよい。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又は、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸、ガラクツロン酸など)、α‐ヒドロキシ酸(クエン酸、酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸、ケイ皮酸など)、スルホン酸(p‐トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸から誘導される塩にすることができる。
上記一般式(1)中、Rが放射性ハロゲン原子であるとき、Rに放射性ハロゲン原子を導入しやすく観点から、Rは、ニトロ基又はシアノ基であることが好ましい。
上記一般式(1)中、Rが放射性ハロゲン原子であるときは、CYP11B2への親和性を高める観点から、Rは−(CHOH(nは1〜3の整数)であることが好ましい。「−(CHOH」は、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、ヒドロキシエチル基(−CHCHOH)及びヒドロキシプロピル基(−CHCHCHOH)から選択される置換基である。
具体的には、上記一般式(1)で表される化合物としては、下記表1で示す化合物A〜Eで示す化合物が挙げられる。
Figure 2015093833
中でも、
・放射性ヨウ素標識5−ヨード−1−ニトロベンジル−1H−イミダゾ−ル(化合物Aにおいて、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
・放射性ヨウ素標識4−(5−ヨード−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル(化合物Bにおいて、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
・放射性ヨウ素標識3−[1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イル]プロパン−1−オ−ル(化合物Cにおいて、Rがヒドロキシプロピル基であり、Rが放射性ヨウ素原子の化合物)
がより好ましい。
つづいて、本発明の放射性ハロゲン標識化合物の製造方法について、化合物A〜Eの製造方法の一態様を例に挙げて説明する。
スキーム1は、化合物A、B、Dを得るための合成経路の一例を示す。
Figure 2015093833
4−ヨード−1H−イミダゾールを出発物質とし、イミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)で保護した後、ベンジルハライド(スキーム1中、Lがハロゲン原子の化合物)、又は、ベンジルスルホネート(スキーム1中、Lがスルホン酸エステル基)を反応させる(ステップa)。化合物Aを最終化合物として得るときは、Rがニトロ基のベンジルハライド又はベンジルスルホネートを反応させる。また、化合物Bを最終化合物として得るときは、Rがシアノ基でのベンジルハライド又はベンジルスルホネートを反応させる。また、化合物Dを最終化合物として得るときは、Rがハロゲン原子のベンジルハライド又はベンジルスルホネートを反応させる。
ここで、「スルホン酸エステル基」として、好ましくは、メタンスルホン酸エステル基、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基等の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホン酸エステル基、又は、p−トルエンスルホン酸エステル基、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル基等の芳香族スルホン酸エステル基が用いられる。
次いで、イミダゾール窒素の保護基(P)を脱保護した後(ステップb)、イミダゾールの4位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行って、上記一般式(2)で表される化合物を得る。
ここで、本明細書において、「トリアルキルスズ基」としては、トリ(C1−C6アルキル)スズ基が挙げられ、好ましくは、トリメチルスズ基又はトリブチルスズ基が用いられる。また、本明細書において「トリアルキルシリル基」としてはトリ(C1−C6アルキル)シリル基が挙げられ、好ましくは、トリメチルシリル基又はトリブチルシリル基が用いられる。上記一般式(2)中のR11には、トリアルキルスズ基が好ましく、トリブチルスズ基がより好ましい。
その後、放射性ハロゲン化反応により、上記一般式(2)で表される化合物のトリメチルスズ基又はトリブチルスズ基を放射性ハロゲン原子に変換して、化合物A、B、Dの放射性ハロゲン標識化合物を得ることができる。放射性ハロゲン化反応は、求電子剤として調製された放射性ハロゲンを用いて行えばよく、例えば、放射性ハロゲン分子、放射性アセチルハイポハロリドを用いて行うことができる。また、酸性条件下、酸化剤存在下に、放射性ハロゲン化ナトリウム又は放射性ハロゲン化カリウムと反応させてもよい。酸化剤としては、例えば、クロラミン‐T、過酸化水素水、過酢酸、ハロゲン化スクシンイミド等を用いることができる。放射性ヨウ素化反応を行う場合、例えば、塩酸などの酸性条件下、過酸化水素水などの酸化剤存在下に、放射性ヨウ化ナトリウムと反応させることができる。
スキーム2には、化合物Cを得るための合成経路の一例を示す。
Figure 2015093833
化合物Cのうち最終化合物がn=3の出発物質には、ウロカニン酸のビニル基を還元したものを用いる。また、化合物Cのうち最終化合物がn=2の出発物質には、1H−イミダゾールメチルカルボン酸を用いる。また、化合物Cのうち最終化合物がn=1の出発物質には、4−イミダゾールカルボン酸を用いる。それぞれ用意したカルボン酸についてエステル化反応を行い、イミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)により保護した後、エステルを還元してアルコールに変換し、ヒドロキシル基をシリルエーテルなど(OP)で保護する。
次いで、4−ヨードベンジルハライド(スキーム2中、Lがハロゲン原子の化合物)、又は、4−ヨードベンジルスルホネート(スキーム2中、Lがスルホン酸エステル基)を反応させる(ステップc)。「スルホン酸エステル基」には、スキーム1で説明したものを用いることができる。
次いで、イミダゾール窒素の脱保護を行った後(ステップd)、フェニル基の4位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行う(ステップe)。スキーム2中、「トリアルキルスズ基」及び「トリアルキルシリル基」は、−M(Alkyl)で表される。ただし、トリアルキルスズ基の場合、Mはスズ(Sn)であり、トリアルキルシリル基の場合、Mはシリル(Si)である。Alkylは、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基である。
その後、放射性ハロゲン化反応(ステップf)により、トリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基を放射性ハロゲン原子(X)に変換し、ヒドロキシル基の脱保護を行って化合物Cの放射性ハロゲン標識化合物を得ることができる。放射性ハロゲン化反応は、スキーム1で説明した方法と同様に行うことができる。
スキーム3は、化合物Eを得るための合成経路の一例を示す。
Figure 2015093833
まず、4−ハロゲノイミダゾールのイミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)により保護した後、4−ヨードベンジルハライド(スキーム3中、Lがハロゲン原子の化合物)、又は、4−ヨードベンジルスルホネート(スキーム3中、Lがスルホン酸エステル基)を反応させる(ステップg)。「スルホン酸エステル基」には、スキーム1で説明したものを用いることができる。なお、スキーム3中、Xは、ハロゲン原子である。
次いで、イミダゾール窒素の保護基(P)を脱保護した後(ステップh)、フェニル基の4位のヨウ素に対し、トリアルキルスタニル化反応、又は、トリアルキルシリル化反応を行う(ステップi)。スキーム3中、−M(Alkyl)は、スキーム2と同義である。
その後、放射性ハロゲン化反応(ステップj)により、トリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基を放射性ハロゲン原子(X)に変換して、化合物Eの放射性ハロゲン標識化合物を得ることができる。放射性ハロゲン化反応は、スキーム1で説明した方法と同様に行うことができる。
なお、スキーム1〜3において、保護基(P,P)、及び、その導入方法は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(Wiley−Interscience;4版)に記載のものを種々採用することができる。
上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を医薬として用いる場合には、未反応の放射性ハロゲン及び不溶性の不純物を、メンブランフィルター、種々の充填剤を充填したカラム、HPLC等により精製することが望ましい。
本発明では、このようにして製造された放射性ハロゲン標識化合物又はその塩から、医薬を調製することもできる。本明細書において「医薬」とは、上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を生体内への投与に適した形態で含む処方物であると定義することができる。この医薬は、非経口的に、即ち注射によって投与することが好ましく、水溶液であることがより好ましい。かかる組成物は適宜、pH調節剤、製薬学的に許容される可溶化剤、安定剤又は酸化防止剤などの追加成分を含んでいてもよい。
本発明に係る医薬は、生物体内に導入すると、上記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物がアルドステロン産生領域に集積する。そのため、放射線検出器、シングルフォトン断層撮影スキャナー、陽電子放射断層撮影スキャナー、オートラジオグラフィー等を用いて生物体外から非侵襲的に放射線を検出し、画像化して、アルドステロン産生の亢進又は低下を診断することができる。したがって、本発明の医薬は、画像診断剤として使用することができ、具体的には、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤やシングルフォトン断層撮影用の画像診断剤の用途に用いることができる。例えば、放射性ハロゲン原子として18F、76Br、124I等の陽電子放出核種を用いた場合は、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤として用いることができ、放射性ハロゲン原子として123Iを用いた場合は、シングルフォトン断層撮影用の画像診断剤として用いることができる。本発明に係る画像診断剤は、好ましくは、アルドステロン過剰産生に起因する副腎疾患(アルドステロン産生腫瘍等)の画像診断に使用することができる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。なお、下記実施例において、実験に供する各化合物の名称を以下のように定義した。
CDP1260:4−(5−ヨード−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル
CDP1450:3−[1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イル]プロパン−1−オ−ル
CDP1980:5−ヨード−1−ニトロベンジル−1H−イミダゾ−ル
123I]CDP1260:4−(5−[123I]ヨード−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル
以下の実施例及び比較例に記載した各化合物の合成例において、化合物合成における各ステップは、必要に応じて複数回繰り返し行い、他の合成において中間体等として用いる際に必要な量を確保した。また、以下の各実施例は好適な例について記載したものであり、本発明の範囲を限定する意図ではない。実施例中、各化合物のNMRスペクトルによる分子構造は、1H‐NMRスペクトルで同定した。1H‐NMRスペクトルは、NMR装置として、JNM−ECP−500(日本電子株式会社製)又はAVANCEIII(BRUKER社製)を使用して得た。共鳴周波数は500MHzとし、溶媒は重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシドを用いた。重クロロホルムを用いた場合は、重クロロホルムのシグナルδ7.24を参照として使用し、重ジメチルホルムアミドを用いた場合は、重ジメチルスルホキシドのシグナルδ2.49を参照として使用した。全ての化学シフトはデルタスケール(δ)上のppmであり、そしてシグナルの微細分裂については、略号(s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、m:マルチプレット)を用いて示した。
実施例1:CDP1260の合成
CDP1260(化合物3)は、図1に示すスキームに従って合成した。
[ステップ1−1]4−ヨード−1−トリチル−1H−イミダゾール(化合物2)の合成
4−ヨード−1H−イミダゾール(化合物1)(1.9g,10mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(2.1mL,15mmol)、塩化トリチル(3.4g,12mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で17時間攪拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで2回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/n−ヘキサン=1/1→クロロホルム)にて精製を行い、化合物2(4.1g,9.3mmol,収率93%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.36−7.34(m,9H),7.31(d,J=1.5Hz,1H),7.13−7.11(m,6H),6.80(d,J=1.5Hz,1H)。
[ステップ1−2]CDP1260(化合物3)の合成
ステップ1−1で得た化合物2(2.2g,5.0mmol)をアセトニトリル(16mL)、クロロホルム(4.0mL)に溶解したのち、室温(25℃)にて4−シアノベンジルブロミド(980mg,5.0mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、酢酸(7.5mL)、水(5.0mL)を加え、100℃で4時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを9としたのち、ろ過を行った。ろ液をクロロホルムで2回抽出を行ったのち、合わせたクロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=4/1)にて精製を行い、CDP1260(790mg,2.6mmol,収率51%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.72(s,1H),7.67−7.65(m,2H),7.22(s,1H),7.18−7.16(m,2H),5.21(s,2H)。
実施例2:[123I]CDP1260標識前駆体(化合物4)の合成
123I]CDP1260の標識前駆体である4−(5−トリブチルスタニル−1H−イミダゾ−ル−1−イルメチル)ベンゾニトリル(化合物4)は、図1に示すスキームに従って合成した。
実施例1で得たCDP1260(30mg,0.10mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解したのち、ビストリブチルスズ(100μL,0.20mmol)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(10.2mg,0.020mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、100℃にて一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を冷却し、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=20/1)にて精製を行い、化合物4(9.8mg,0.021mmol,収率21%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム,共鳴周波数:500MHz):δ 7.74(s,1H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.13(s,1H),7.04(d,J=8.5Hz,2H),5.22(s,2H),1.41−1.34(m,6H),1.27−1.20(m,6H),0.88−0.83(m,15H)。
実施例3:[123I]CDP1260の合成
実施例2で合成した化合物4のアセトニトリル溶液(1mg/mL,90μL)に、1mol/L塩酸(170μL)、[123I]ヨウ化ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液(620MBqの60μL)及び30%(w/v)過酸化水素水溶液(10μL)を添加した。当該混合液を40℃にて10分間静置した後、下記の条件のHPLCに付して、実施例1で得たCDP1260と保持時間が同じ画分を[123I]CDP1260画分として分取した。
<HPLC条件>
カラム:YMC PackPro C8(YMC社製、サイズ:4.5×150mm)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸含む水/0.1%トリフルオロ酢酸含むアセトニトリル(体積比)=90/10から10/90へ40分かけてグラジエント
流速:1.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波長:260nm)及び放射線検出器(raytest社 STEFFI型)
分取した画分に水(10mL)を添加した液をSep−Pak C18カラム(Sep−Pak(登録商標)Light C18 Cartridges、Waters社製、充填剤の充填量130mg)に通液し、[123I]CDP1260を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水(1mL)で洗浄した後、ジエチルエーテル(6mL)を通液して[123I]CDP1260を溶出させたのち、ジエチルエーテルを留去することで[123I]CDP1260を得た。得られた放射能量は合成直後において276MBq(合成開始後70分)であった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は100%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:酢酸エチル/ジエチルアミン=100:5
RI検出器:Rita Star、raytest社製
実施例4:CDP1450の合成
CDP1450(化合物11)は、図2に示すスキームに従って合成した。
[ステップ4−1]3−(1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロピオン酸エチル(化合物6)の合成
ウロカニン酸(化合物5)(5g,36.2mmol)をメタノ−ル(400mL)に溶解したのち、パラジウム−炭素(3g)を加え、水素ガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液をろ過したのち、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をエタノ−ル(400mL)に溶解したのち、濃硫酸(20.0mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和したのち、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、化合物6(5g,29.7mmol,化合物5に対する2段階収率82%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.55(s,1H),6.81(s,1H),4.14(t,J=7.4Hz,2H),2.92(t,J=6.9Hz,2H),2.65(t,J=6.9Hz,2H),1.24(t,J=7.4Hz,3H)。
[ステップ4−2]3−(1−トリチル−1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロピオン酸エチル(化合物7)の合成
ステップ4−1で得た化合物6(5g,29.7mmol)をジクロロメタン(150mL)に溶解したのち、塩化トリチル(12.4g,44.6mmol)、トリエチルアミン(8.28mL,59.4mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=10/1→5/1)にて精製を行い、化合物7(10g,24.4mmol,収率83%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.33−7.30(m,10H),7.13−7.11(m,6H),6.54(s,1H),4.09−4.05(m,2H),2.88−2.85(m,2H),2.62(t,J=7.4Hz,2H),1.20−1.17(m,3H)。
[ステップ4−3]3−(1−トリチル−1H−イミダゾ−ル−4−イル)プロパン−1−オ−ル(化合物8)の合成
ステップ4−2で得た化合物7(10g,24.4mmol)をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解したのち、水素化リチウムアルミニウム(1.44g,38.0mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、無水硫酸ナトリウムと水を加え、反応溶液をろ過したのち、ろ液を減圧濃縮し、化合物8(9.67g,26.2mmol,定量)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ 7.42−7.36(m,10H),7.08(d,J=6.9Hz,6H),6.57(s,1H),4.41−4.39(m,1H),3.39−3.36(m,2H),2.46−2.43(m,2H),1.68−1.63(m,2H)。
[ステップ4−4]4−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1−トリチル−1H−イミダゾ−ル(化合物9)の合成
ステップ4−3で得た化合物8(9.67g,26.2mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解したのち、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(13.4mL,52.4mmol)、トリエチルアミン(7.3mL,52.4mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=20/1)にて精製を行い、化合物9(15.1g,24.8mmol,収率95%)を得た。
使用NMR装置:JNM−ECP−500
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.64−7.62(m,4H),7.39−7.25(m,16H),7.12−7.10(m,6H),6.48(s,1H),3.69−3.66(m,2H),2.66−2.63(m,2H),1.92−1.86(m,2H),1.01(s,9H)。
[ステップ4−5]5−[3−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)プロピル]−1−(4−ヨ−ドベンジル)−1H−イミダゾ−ル(化合物10)の合成
ステップ4−4で得た化合物9(2.0g,3.3mmol)をアセトニトリル(6.0mL)に溶解したのち、4−ヨードベンジルブロミド(1.0g,3.5mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間半加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、メタノ−ル(5.7mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(0.3mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を冷却し、減圧濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール=20/1→10/1)にて精製を行い、化合物10(1.0g,1.8mmol,収率56%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.65−7.59(m,6H),7.46−7.41(m,3H),7.37−7.34(m,4H),6.80(s,1H),6.72(d,J=8.3Hz,1H),4.97(s,2H),3.67(t,J=6.0Hz,2H),2.50−2.47(m,2H),1.80−1.75(m,2H),1.01(s,9H)。
[ステップ4−6]CDP1450(化合物11)の合成
ステップ4−5で得た化合物10(1.0g,1.8mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.16mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した.反応終了後、反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/メタノ−ル=19/1→9/1→17/3)にて精製を行い、CDP1450(0.54g,0.42mmol,収率95%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.67−7.65(m,2H),7.46(s,1H),6.86(s,1H),6.78−6.77(m,2H),5.02(s,2H),3.67−3.65(m,2H),2.52−2.49(m,2H),1.86−1.79(m,2H)。
実施例5:CDP1980の合成
CDP1980(化合物12)は、図3に示すスキームに従って合成した。
ステップ1−1で得た化合物2(0.34g,0.77mmol)をアセトニトリル(1.0mL)、クロロホルム(4.0mL)に溶解したのち、室温(25℃)にて4−ニトロベンジルブロミド(0.17g,0.77mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、80℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、酢酸(1.0mL)、水(1.0mL)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えてpHを9としたのち、ジクロロメタンで2回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)にて精製を行い、CDP1980(81mg,0.25mmol,収率32%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.22(d,J=8.8Hz,2H),7.74(s,1H),7.24−7.22(m,3H),5.26(s,2H)。
評価1:親和性及び選択性の評価
チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞であるV79細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社を介しECACC(European Collection of Cell Cultures)から入手)にヒトCYP11B2を発現させV79−B2を、またヒトCYP11B1を発現させ、V79−B1を作製した。V79−B2又はV79−B1をマイクロプレートに播種し、一晩培養した後、V79−B2にはコルチコステロン,V79−B1には11−デオキシコルチゾールを最終濃度が100nmol/Lになるように培養上清中に添加した。同時に、最終濃度が10−4〜103nmol/Lになるように培養上清中に、(R)−4−ヨードメトミデート((R)−IMTO)、又は、実施例1、4、5で合成したCDP1260、1450、1980をそれぞれ添加した。1時間後にV79−B1の培養上清を回収し、CYP11B1の代謝産物であるコルチゾール濃度をELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)により測定した。また、4時間後にV79−B2の培養上清を回収し、CYP11B2の代謝産物であるアルドステロン濃度をELISAにより測定した。(R)−IMTO、又は、CDP1260、1450、1980を添加しなかった場合のアルドステロン濃度、及び、コルチゾール濃度を100%として、阻害曲線を作成し,各化合物の阻害活性(IC50)を算出した。
表2には、(R)−IMTO、CDP1260、1450、1980のアルドステロン産生のIC50,コルチゾール産生のIC50を、平均値±標準偏差で示した。表2中、nは試験数であり、Selectivity factorは、コルチゾール産生のIC50の平均値/アルドステロン産生のIC50の平均値)を示す。
Figure 2015093833
CDP1260、1450、1980のselectivity factorは、非特許文献5にCYP11Bイメージング剤として記載されている(R)−IMTOに比較し高いことから、(R)−IMTOより、特異的なCYP11B2のイメージング剤になり得る。また、非特許文献5によると(R)−IMTOのselectivity factorは、他のCYP11Bイメージング剤であるメトミデート(MTO)、エトミデート(ETO)及びフルオロエトミデート(FETO)と同程度であることが報告されている((R)−IMTO、MTO、ETO、及び、FETOのselectivity factorはそれぞれ0.261、0.275、0.208及び0.145)。以上の結果から、CDP1260、1450、1980は、既知のCYP11Bイメージング剤に比較して、CYP11B2に対する特異性が高いことが示された。
評価2:体内動態分布実験
実施例3で得た[123I]CDP1260のHPLC分取液を濃縮し生理食塩水で希釈したものを投与液とした。約3.7MBq,約40μLを2〜3匹のラット(雄,8〜9週齢)へそれぞれ尾静脈注射した後、10分後に断頭し、血液を採取した後、臓器(心臓、肺、胃、肝臓、脾臓、小腸、大腸、腎臓、膀胱(尿を含む)、下肢の筋肉、全脳、副腎、甲状腺、精巣、脂肪、その他の組織及び臓器(残全身))を摘出して、重量を計量後、血液及び各摘出臓器の放射能を測定した。また、断頭の時間点を30分後及び60分後に変えて同様な操作を行った。表3には、血液及び各摘出臓器における放射能分布(%dose/g)の平均値±標準偏差を示す。
Figure 2015093833
表4〜6には、表3に示した副腎の放射能集積(%ID/g)、並びに、血液、肝臓、腎臓、小腸、筋肉及び脂肪の各部の放射能集積(%ID/g)に対する副腎の放射能集積(%ID/g)の比率を示す。表4が投与後10分の結果を示し、表5が投与後30分の結果を示し、表6が投与後60分の結果を示す。また、比較のため、(R)−4−[123I]ヨードメトミデート((R)−[123I]IMTO)を用いて同条件で体内分布実験を行った結果も合わせて示した。
Figure 2015093833
Figure 2015093833
Figure 2015093833
表3〜6で示すように、[123I]CDP1260は、副腎には、血液及び周辺組織に対して高い放射能集積が認められた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される放射性ハロゲン標識化合物又はその塩。
    Figure 2015093833
    〔式中、Rは、ハロゲン原子、又は、−(CHOH(nは1〜3の整数)であり、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基であり、R、Rのいずれか一方が放射性ハロゲン原子である。〕
  2. 前記放射性ハロゲン原子が、放射性ヨウ素原子である、請求項1に記載の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩。
  3. 請求項1又は2に記載の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を含む医薬。
  4. 画像診断剤である請求項3記載の医薬。
  5. 副腎疾患の画像診断剤である請求項3又は4記載の医薬。
  6. シングルフォトン断層撮影用の画像診断剤である請求項3乃至5いずれか一項に記載の医薬。
  7. 下記一般式(2)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2015093833
    〔式中、R11は、トリアルキルスズ基又はトリアルキルシリル基であり、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基である。〕
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