JP2015093831A - アルドステロン合成酵素阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルドステロンの過剰産生により高血圧や低カリウム血症を引き起こす原発性アルドステロン症の治療に有用な、アルドステロン合成酵素阻害作用を有する化合物、及び該化合物を含有する医薬の提供。
【解決手段】4−[5−(2−フルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル、1−(3−ブロモ−4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、1−(2−ヨード−4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−5−ヨード−1H−イミダゾ−ルなどを代表例とするイミダゾール化合物、及び該化合物を含有する医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルドステロン合成酵素阻害剤に関する。
副腎の異常により発症する疾病として、原発性アルドステロン症(PA)が知られている。原発性アルドステロン症は、副腎皮質に生じた腫瘍がアルドステロンを過剰に産生し、高血圧や低カリウム血症を引き起こす病気である。原発性アルドステロン症の多くは右か左かのどちらか一方に腫瘍ができ、片側の場合は手術が可能である一方、両側に発症した場合は薬物療法による治療が採用される。
原発性アルドステロン症の薬物療法としては、現在、アルドステロン受容体拮抗薬が用いられている。その他の薬物治療のターゲット分子としてアルドステロン合成酵素であるCYP11B2が考えられている(非特許文献1)。
エトミデートは、海外では静脈麻酔薬として用いられているが、コルチゾール、コルチコステロン、およびアルドステロンの生合成のために必要な11βヒドロキシラーゼ(CYP11B1)に主に結合し、これを阻害することによって副腎皮質ステロイド合成を抑制することが知られている(非特許文献2)。そのため、血漿中のアルドステロン濃度及びコルチゾール濃度の低下を引き起こすという副作用が報告されている(非特許文献3)。
また、近年、非侵襲的なアルドステロン産生腺腫の局所診断を目指し、シングルフォトン断層撮影(SPECT)やポジトロン放出断層撮影(PET)による副腎腺腫の画像化の試みがなされている。特許文献1,2、非特許文献4〜8には、ステロイド生合成酵素を標的とした各種放射性標識化合物が報告されている。たとえば、非特許文献4,7には11C標識メトミデート、非特許文献5,6には18F標識エトミデート、及び、非特許文献6、8には123I標識ヨードメトミデートが記載されている。臨床所見によれば、これらの放射性トレーサーは、腺腫を始めとする副腎皮質由来の病変部では多量に取り込まれるが、副腎皮質以外に由来する病変部ではごく少量しか取り込まれないことが報告されている。
国際公開第2007/144725号 国際公開第2011/151411号
Amar,et al.,Hypertension,(2010)Vol.56,831〜8 de Jong et al., J Clin Endocrinol Metab(1984)Vol.59,No.6,1143〜7 Forman et al.,Anesthesiology(2011)Vol.114,No.3,695〜707 Georg Zettinig,et al.,European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging(2004)Vol.31,No.9,p.1224〜1230 Wolfgang Wadsak,et al.、European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging(2006)Vol.33,No.6,p.669〜672 Stefanie Hahner,et al.,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2008)Vol.93,No.6,p.2358〜2365 Timothy J.Burton,et al.,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2012)Vol.97,No.1,p.100〜109 Stefanie Hahner,et al.,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2013)Vol.98,No.4,1508〜18
本発明者は、メトミデート、エトミデート、ヨードメトミデートといった公知のメトミデート系化合物の構造を修飾することにより、CYP11B2に対する選択性を高めることができると考えた。CYP11B2に対する選択性を高めることができれば、血漿中のアルドステロン濃度を選択的に低下でき、原発性アルドステロン症の治療剤として有用であるとともに、放射性核種で標識することで、非侵襲的なアルドステロン産生腺腫の局所診断剤としての有用性も期待される。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性を高めた新規のメトミデート誘導体化合物を提供することにある。
本発明の一態様によれば、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩が提供される。
Figure 2015093831
一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子、−CO(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、又は、炭素数1〜3のハロアルキル基であり、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数3〜5の分岐アルキル基である。さらに、一般式(1)中、Rは水素原子、シアノ基もしくはニトロ基、Rは水素原子もしくは炭素数3〜5の分岐アルキル基、又は、RとRとが結合して不飽和ラクトンを形成する。ただし、R〜Rのうち少なくとも2つが水素原子以外の置換基である。
また、本発明の他の態様によれば、上記記載の化合物又はその塩を含む医薬が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、上記記載のアルドステロン合成酵素阻害剤が提供される。
本発明によれば、CYP11B1に対しCYP11B2への選択性が高い新規のメトミデート誘導体化合物が提供される。
4−[5−(2−フルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル(CDP1340)の合成スキームを示す図である。 1−(3−ブロモ−4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(CDP1350)の合成スキームを示す図である。 1−(2−ヨード−4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(CDP1360)の合成スキームを示す図である。 1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(CDP1500)の合成スキームを示す図である。 1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(CDP1570)の合成スキームを示す図である。 1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−5−ヨード−1H−イミダゾ−ル(CDP1940)の合成スキームを示す図である。
本明細書において「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される少なくとも一種である。
また、本明細書において「炭素数1〜4のアルキル基」とは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及び、ブチル基が挙げられる。直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が挙げられる。分岐鎖のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又は、tert−ブチル基が挙げられる。
また、本明細書において「炭素数1〜3のハロアルキル基」とは、炭素数1〜3のアルキル基の少なくとも一つの水素原子がハロゲン原子で置換されたものであり、具体的には、ハロメチル基、ハロエチル基及びハロプロピル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基の一の水素原子がハロゲン原子で置換された、炭素数1〜3のモノハロアルキル基であり、具体的には、モノハロメチル基、モノハロエチル基及びモノハロプロピル基が挙げられる。モノハロメチル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基が挙げられる。モノハロエチル基及びモノハロプロピル基には、末端の1の水素原子がハロゲン原子に置換されたものが好ましく、モノハロエチル基としては、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基が挙げられる。モノハロプロピル基としては、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基が挙げられる。
また、本明細書において「炭素数3〜5の分岐アルキル基」には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基が挙げられる。
また、本明細書において「不飽和ラクトン」は、2原子炭素間に少なくとも1つの二重結合を有するラクトンであればよく、好ましくは4〜8員環の不飽和ラクトンであり、5〜7員環の不飽和ラクトンがより好ましく、6員環の不飽和ラクトンが更に好ましい。
また、本明細書において「塩」とは、医薬として許容されるものであればよい。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又は、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸、ガラクツロン酸など)、α‐ヒドロキシ酸(クエン酸、酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸、ケイ皮酸など)、スルホン酸(p‐トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸など)などの有機酸から誘導される塩にすることができる。
また、本明細書において「炭素数1〜3の放射性ハロゲン標識ハロアルキル基」とは、炭素数1〜3のアルキル基の少なくとも一つの水素原子が放射性ハロゲン原子で置換されたものである。「放射性ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の放射性同位体から選択される少なくとも一種であり、好ましくは、18F,34mCl,75Br,76Br,77Br,82Br,123I,124I,125I,又は131Iを用いることができる。CYP11B2への親和性を高める観点から、放射性ハロゲン原子としては、放射性フッ素原子(18F)がより好ましい。具体的には、[18F]フルオロメチル基、2−[18F]フルオロエチル基、3−[18F]フルオロプロピル基が挙げられる。
本発明に係る化合物の一例としては、一般式(1)において、Rが−CO又は炭素数1〜3のハロアルキル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRの一方がハロゲン原子、他方が水素原子であり、Rがシアノ基又はニトロ基であり、Rが水素原子の化合物が挙げられる。具体的には、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015093831
一般式(3)において、R11が−CO又は炭素数1〜3のハロアルキル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Xがハロゲン原子であり、R14がシアノ基又はニトロ基である。好ましくは、R11が2−フルオロエチル基である。Rは、好ましくはメチル基である。
また、本発明に係る化合物の一例としては、一般式(1)において、Rが炭素数1〜3の放射性ハロゲン標識ハロアルキル基であり、Rがハロゲン原子であり、Rが水素原子であり、Rがシアノ基又はニトロ基であり、Rが水素原子の化合物が挙げられる。具体的には、下記一般式(4)で表される放射性ハロゲン標識化合物が挙げられる。
Figure 2015093831
一般式(4)において、nは1〜3の整数であり、Xが放射性ハロゲン原子であり、Xがハロゲン原子であり、R14がシアノ基又はニトロ基である。好ましくは、nが2の整数であり、Xが放射性フッ素原子であり、Xがヨウ素原子である。一般式(4)で表される化合物は、周辺領域に比して副腎に選択的に集積しうるアルドステロン産生腺腫診断剤として有用である。
また、本発明に係る化合物の他の例としては、一般式(1)において、Rが−COであり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRが水素原子であり、R及びRが独立して炭素数3〜5の分岐アルキル基である化合物が挙げられる。具体的には、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015093831
一般式(5)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRが独立して炭素数3〜5の分岐アルキル基である。Rはメチル基が好ましい。また、R及びRが同じ分岐アルキル基であることが好ましい。
また、本発明に係る化合物の他の例としては、一般式(1)において、Rがハロゲン原子、又は、−COであり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、R及びRが水素原子であり、RとRとが結合して不飽和ラクトンを形成した化合物が挙げられる。具体的には、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015093831
一般式(2)において、R21は、ハロゲン原子、又は、−COであり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。R21がハロゲン原子であるとき、R21は、好ましくはヨウ素原子である。Rは、好ましくはメチル基である。
中でも、
・4−[5−(2−フルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル(一般式(1)において、Rが2−フルオロエチル基であり、Rがヨウ素原子であり、Rが水素原子であり、Rがシアノ基であり、Rが水素原子の化合物)
・1−(3−ブロモ−4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(一般式(1)において、Rが−COであり、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、Rがブロモ原子であり、Rがシアノ基であり、Rが水素原子の化合物)
・1−(2−ヨード−4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(一般式(1)において、Rが−COであり、Rがメチル基であり、Rがヨウ素原子であり、Rが水素原子であり、Rがニトロ基であり、Rが水素原子の化合物)
・1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(一般式(5)において、Rがメチル基であり、R及びRがtert−ブチル基の化合物)
・1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル(一般式(2)において、R21が−COであり、Rがメチル基である化合物)
・1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−5−ヨード−1H−イミダゾ−ル(一般式(2)において、R21がヨウ素原子である化合物)
がより好ましい。
つづいて、本発明の化合物の製造方法について、一般式(2)〜(5)に表される化合物の合成方法を例に挙げて説明する。
まず、一般式(3)で表される化合物の合成方法についてスキーム1〜5を用いて説明する。
Figure 2015093831
スキーム1は、パーツIの合成経路を示す。パーツIは、4−メチルベンゾニトリル又は1−ニトロ−4−メチルベンゼンの2位又は3位にハロゲン原子(X)を有する化合物を出発物質とし、ウォール・チーグラー反応によりベンジル位の臭素化を行い、パーツIを得る(ステップa)。スキーム1中、R14は、シアノ基又はニトロ基である。
Figure 2015093831
スキーム2は、パーツIIの合成経路を示す。パーツIIは、イミダゾールアルキルカルボン酸を出発物質とし、エステル化を行った後(ステップb)、イミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)で保護する(ステップc)。次いで、アルコールに還元し(ステップd)、ヒドロキシ基をシリル系保護基などの保護基(P)で保護して(ステップe)、パーツIIを得る。スキーム2中、mは0〜2の整数であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。
Figure 2015093831
スキーム3は、パーツIIIの合成経路を示す。パーツIIIは、イミダゾールアルキルカルボン酸エステルを出発物質とし、イミダゾール窒素をトリチル基などの保護基(P)で保護して得られる(ステップf)。スキーム3中、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。
Figure 2015093831
スキーム4は、一般式(3)で表される化合物において、R11が炭素数1〜3のハロアルキル基である化合物の一例として、一般式(31)で表される化合物の合成経路を示す。一般式(31)において、nは1〜3の整数であり、X及びXは独立してハロゲン原子であり、R14はニトロ基又はシアノ基である。まず、スキーム1で得られたパーツIと、スキーム2で得られたパーツIIとを反応させて、イミダゾールのN−アルキル化を行う(ステップg)。次いで、イミダゾール窒素の脱保護(ステップh)、及び、ヒドロキシ基の脱保護を行った後(ステップi)、ヒドロキシ基をハロゲン原子、スルホン酸エステル基などの脱離基(L)に置換し(ステップj)、ハロゲン化物イオンの求核置換反応により、一般式(31)で表される化合物を得る(ステップk)。
ここで、「スルホン酸エステル基」として、好ましくは、メタンスルホン酸エステル基、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基等の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホン酸エステル基、又は、p−トルエンスルホン酸エステル基、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル基等の芳香族スルホン酸エステル基が用いられる。
なお、スキーム4において、X,R14は、スキーム1の定義と同義であり、n,P及びPは、スキーム2の定義と同義である。
Figure 2015093831
スキーム5は、一般式(3)で表される化合物においてR11が−COである化合物、すなわち、一般式(32)で表される化合物の合成経路を示す。一般式(32)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、R14はニトロ基又はシアノ基である。まず、スキーム1で得られたパーツIと、スキーム3で得られたパーツIIIとを反応させて、イミダゾールのN−アルキル化を行う(ステップl)。次いで、イミダゾール窒素の脱保護を行い(ステップm)、一般式(32)で表される化合物を得る。
なお、スキーム5において、X,R14はスキーム1の定義と同義であり、R,Pはスキーム3の定義と同義である。
一般式(4)で表される放射性ハロゲン標識化合物は、スキーム6に従い合成することができる。
Figure 2015093831
一般式(4)で表される放射性標識化合物の標識前駆体は、一般式(14)で表される化合物とすることができる。一般式(14)で表される化合物は、スキーム1,2及びスキーム4のステップg〜jを経て合成することができる。得られた標識前駆体に対し、放射性ハロゲン化物イオンを反応させることで、一般式(4)で表される化合物を得ることができる(ステップn)。放射性ハロゲン化物イオンとしては、放射性フッ化物イオン(18)、放射性塩化物イオン(34mCl),放射性臭化物イオン(75Br76Br77Br82Br),放射性ヨウ化物イオン(123124I,125I,又は131I)を用いることができる。ステップnの反応は、炭酸カリウムなどを用いた塩基性条件下に行うことが好ましい。
一般式(14)で表される化合物に放射性フッ化物イオンを反応させる場合、放射性フッ化物イオンとしては、好ましくは[18F]フッ化物イオンを用いることができる。[18F]フッ化物イオンは、[18O]水にサイクロトロンで加速した陽子を照射して18O(p,n)18Fの核反応を発生させることにより、製造することができる。製造した[18F]フッ化物イオンは、[18F]フッ化物イオンを含むターゲット水を陰イオン交換樹脂に吸着させ、樹脂に吸着させた[18F]フッ化物イオンを炭酸カリウム水溶液で脱離させることによって[18F]フッ化カリウムとして調製されることが好ましい。また、一般式(14)で表される化合物又はその塩の放射性フッ素標識反応は、上記調製した[18F]フッ化カリウムを用い、クリプトフィックス222(商品名)などの相間移動触媒、及び、炭酸カリウムなどの塩基存在下で実行することが好ましい。これにより、Xに[18F]フッ素原子を導入した化合物を得ることができる。
なお、スキーム6において、Lはスキーム4の定義と同義であり、n,R14,X,Xは、一般式(4)の定義と同義である。
つづいて、一般式(5)で表される化合物の合成方法についてスキーム7を用いて説明する。
Figure 2015093831
臭化ベンジルの3位および5位に炭素数3〜5の分岐アルキル基(R,R)を導入した化合物と、スキーム3で合成したパーツIIIとを反応させて、イミダゾールのN‐アルキル化反応を行う(ステップo)。その後、イミダゾール窒素の保護基(P)を脱保護して、一般式(5)で表される化合物を得る(ステップp)。なお、スキーム7において、Rはスキーム3の定義と同義である。
つづいて、一般式(2)で表される化合物の合成方法についてスキーム8〜11を用いて説明する。
Figure 2015093831
スキーム8は、パーツIVの合成経路を示す。5−メチルサリチルアルデヒドを出発物質とし、無水酢酸を用いて不飽和ラクトンを形成する(ステップq)。次いで、ウォール・チーグラー反応によりベンジル位の臭素化を行い、パーツIV(6−ブロモメチル−2H−クロメン−2−オン)を得る(ステップr)。
Figure 2015093831
スキーム9は、パーツVの合成経路を示す。4−ハロゲノ−1H−イミダゾールを出発物質とし、イミダゾール窒素の保護を行って、パーツVを得る(ステップs)。スキーム9において、Xはハロゲン原子であり、Pは、トリチル基などのイミダゾール窒素の保護基である。
Figure 2015093831
スキーム10は、一般式(2)で表される化合物において、R21が−COである化合物、すなわち、一般式(21)で表される化合物の合成経路を示す。一般式(21)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。まず、スキーム3で得られたパーツIIIと、スキーム8で得られたパーツIVとを反応させて、イミダゾールのN−アルキル化を行う(ステップt)。次いで、イミダゾール窒素の保護基(P)を脱保護して、一般式(21)で表される化合物を得る(ステップu)。なお、スキーム10において、R,Pはスキーム3の定義と同義である。
Figure 2015093831
スキーム11は、一般式(2)で表される化合物において、R21がハロゲン原子である化合物、すなわち、一般式(22)で表される化合物の合成経路を示す。一般式(22)において、Xはハロゲン原子である。まず、スキーム8で得られたパーツIVと、スキーム9で得られたパーツVとを反応させて、イミダゾールのN−アルキル化を行う(ステップv)。次いで、イミダゾール窒素の保護基(P)を脱保護して、一般式(22)で表される化合物を得る(ステップw)。スキーム11において、X,Pははスキーム9の定義と同義である。
なお、上記スキーム1〜11中の保護基(P〜P)の選択、及び、脱保護の方法は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(Wiley‐Interscience;4版)記載のものを種々選択することができる。
本発明では、このようにして製造された化合物又はその塩から、医薬を調製することもできる。本明細書において「医薬」とは、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を生体内への投与に適した形態で含む組成物であると定義することができる。かかる組成物は適宜、pH調節剤、製薬学的に許容される可溶化剤、安定剤又は酸化防止剤などの追加成分を含んでいてもよい。
また、本発明に係る化合物又はその塩、及びこれらを有効成分として含む本発明に係る医薬は、アルドステロン合成酵素阻害剤として用いることができる。本発明に係るアルドステロン合成酵素阻害剤によれば、血漿中のアルドステロン濃度を選択的に低下できるため、原発性アルドステロン症の治療剤としての有用性が期待される。
本発明に係る医薬の一態様として、例えば、上記一般式(4)においてXが放射性ハロゲン原子の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を医薬として用いた放射性医薬が挙げられる。上記一般式(4)の放射性ハロゲン標識化合物又はその塩を医薬として用いる場合には、未反応の放射性ハロゲン及び不溶性の不純物を、メンブランフィルター、種々の充填剤を充填したカラム、HPLC等により精製することが望ましい。
この本発明の一態様の放射性医薬は、非経口的に、即ち注射によって投与することが好ましく、水溶液であることがより好ましい。本発明の一態様の放射性医薬を生物体内に導入すると、上記一般式(4)で表される化合物がアルドステロン産生領域に集積する。そのため、放射線検出器、シングルフォトン断層撮影スキャナー、陽電子放射断層撮影スキャナー、オートラジオグラフィー等を用いて生物体外から非侵襲的に放射線を検出し、画像化して、アルドステロン産生の亢進又は低下を診断することができる。したがって、本発明の一態様の放射性医薬は、画像診断剤として使用することができ、具体的には、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤やシングルフォトン断層撮影用の画像診断剤の用途に用いることができる。例えば、放射性ハロゲン原子として18F、76Br、124I等の陽電子放出核種を用いた場合は、ポジトロン放出断層撮影用の画像診断剤として用いることができ、放射性ハロゲン原子として123Iを用いた場合は、シングルフォトン断層撮影用の画像診断剤として用いることができる。本発明に係る画像診断剤は、好ましくは、アルドステロン過剰産生に起因する副腎疾患(アルドステロン産生腫瘍等)の画像診断に使用することができる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。なお、下記実施例において、実験に供する各化合物の名称を以下のように定義した。
CDP1340:4−[5−(2−フルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル
CDP1350:1−(3−ブロモ−4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル
CDP1360:1−(2−ヨード−4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル
CDP1500:1−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル
CDP1570:1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル
CDP1940:1−(2H−クロメン−2−オン−6−イルメチル)−5−ヨード−1H−イミダゾ−ル
18F]CDP1340:4−[5−(2−[18F]フルオロエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル
以下の実施例及び比較例に記載した各化合物の合成例において、化合物合成における各ステップは、必要に応じて複数回繰り返し行い、他の合成において中間体等として用いる際に必要な量を確保した。また、以下の各実施例は好適な例について記載したものであり、本発明の範囲を限定する意図ではない。実施例中、各化合物のNMRスペクトルによる分子構造は、1H‐NMRスペクトルで同定した。1H‐NMRスペクトルは、NMR装置として、JNM−ECP−500(日本電子株式会社製)又はAVANCEIII(BRUKER社製)を使用して得た。共鳴周波数は500MHzとし、溶媒は重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシドを用いた。重クロロホルムを用いた場合は、重クロロホルムのシグナルδ7.24を参照として使用し、重ジメチルホルムアミドを用いた場合は、重ジメチルスルホキシドのシグナルδ2.49を参照として使用した。全ての化学シフトはデルタスケール(δ)上のppmであり、そしてシグナルの微細分裂については、略号(s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、dd:ダブルダブレット、dt:ダブルトリプレット、q:カルテット、m:マルチプレット)を用いて示した。
実施例1:CDP1340の合成
CDP1340(化合物11)は、図1に示すスキームに従って合成した。
[ステップ1−1]4−ブロモメチル−3−ヨードベンゾニトリル(化合物2)の合成
3−ヨード−4−メチルベンゾニトリル(化合物1,アルドリッチ社製)(3.00g,12.3mmol)をジクロロエタン(12mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(2.40g,13.5mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(0.808g,4.92mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)にて精製を行い、化合物2(2.10g,6.52mmol,収率52%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.13(d,J=1.6Hz,1H),7.62(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),4.57(s,2H)。
[ステップ1−2](1H−イミダゾール−4−イル)酢酸エチル(化合物4)の合成
1H−イミダゾールメチルカルボン酸塩酸塩(化合物3,和光純薬株式会社製)(5.00g,30.8mmol)をエタノール(250mL)に溶解したのち、硫酸(18mL)を滴下し、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流したのち、氷冷下、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮して化合物4(3.65g,23.7mmol,収率77%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.58(s,1H),6.96(s,1H),4.18(q,J=7.1Hz,2H),3.68(s,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
[ステップ1−3](1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)酢酸エチル(化合物5)の合成
ステップ1−2で得た(1H−イミダゾール−4−イル)酢酸エチル(化合物4)(3.65g,23.7mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(5.0mL,36mmol)、塩化トリチル(9.91g,35.6mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で3.5時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=40/1)にて精製を行い、化合物5(8.60g,21.7mmol,収率92%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.37(m,1H),7.33−7.32(m,9H),7.15−7.13(m,6H),6.77(m,1H),4.14(q,J=7.2Hz,2H),3.61(s,2H),1.23(t,J=7.2Hz,3H)。
[ステップ1−4]2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)エタノール(化合物6)の合成
水素化リチウムアルミニウム(1.09g,28.8mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、ステップ1−4で得た化合物5(7.62g,19.2mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶液(120mL)を滴下し、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、氷冷下、硫酸ナトリウム十水和物と水を加えたのち、セライト濾過を行った。減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1)にて精製を行い、化合物6(4.02g,11.3mmol,収率59%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.36(m,1H),7.36−7.32(m,9H),7.14−7.13(m,6H),6.60(m,1H),3.88(t,J=5.5Hz,2H),2.75(t,J=5.5Hz,2H)。
[ステップ1−5]4−[2−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)エチル]−1−トリチル−1H−イミダゾール(化合物7)の合成
ステップ1−4で得た化合物6(4.02g,11.3mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(3.2mL,23mmol)、tert−ブチルジフェニルクロロシラン(4.4mL,17mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出を行った。合わせたクロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、化合物7(6.43g,10.9mmol,収率96%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.61−7.59(m,4H),7.40−7.30(m,16H),7.14−7.12(m,6H),6.67(m,1H),3.91(t,J=6.5Hz,2H),2.81(t,J=6.5Hz,2H),1.57(s,9H)。
[ステップ1−6]4−{5−[2−(tert−ブチルジフェニルシラニロキシ)エチル]−1H−イミダゾール−1−イルメチル}−3−ヨードベンゾニトリル(化合物8)の合成
ステップ1−5で得た化合物7(6.43g,10.9mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解したのち、ステップ1−1で得た化合物2(2.97g,9.24mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、2時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮して得られた粗生成物をメタノ−ル(50mL)に溶解したのち、ジエチルアミン(2.5mL)を加え、1時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製を行い、化合物8(4.03g,6.81mmol,収率63%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.11(m,1H),7.54−7.34(m,12H),6.98(s,1H),6.36(m,1H),5.03(s,2H),3.77(t,J=6.3Hz,2H),2.63(t,J=6.3Hz,2H),1.03(s,9H)。
[ステップ1−7]4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]−3−ヨードベンゾニトリル(化合物9)の合成
ステップ1−6で得た化合物8(4.03g,6.81mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解したのち、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(14mmol)のテトラヒドロフラン溶液(14mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製を行い、化合物9(2.04g,5.78mmol,収率85%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.16(d,J=1.6Hz,1H),7.56(dd,J=8.1,1.6Hz,1H),7.50(s,1H),7.02(s,1H),6.49(d,J=8.1Hz,1H),5.15(s,2H),3.82(t,J=6.4Hz,2H),2.65(t,J=6.3Hz,2H)。
[ステップ1−8]3−ヨード−4−[5−(2−メタンスルホニロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]ベンゾニトリル(化合物10)の合成
ステップ1−7で得た化合物9(2.04g,5.78mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(1.0mL,6.9mmol)、メタンスルホニルクロリド(0.54mL,6.9mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、0℃で3時間撹拌した。反応溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(0.14mL,1.7mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、0℃で2時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=15/1)にて精製を行い、化合物10(1.78g,4.13mmol,収率71%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.17(d,J=1.4Hz,1H),7.56(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),7.51(s,1H),7.06(s,1H),6.51(d,J=8.0Hz,1H),5.12(s,2H),4.36(t,J=7.0Hz,2H),2.97(s,3H),2.87(t,J=7.0Hz,2H)。
[ステップ1−9]CDP1340(化合物11)の合成
ステップ1−8で得た化合物10(48.3mg,0.112mmol)をポリエチレングリコール(1.0mL)に溶解したのち、フッ化カリウム(33.8mg,0.582mmol)を加え、60℃で一晩撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=100/1)にて精製を行い、CDP1340(15.4mg,0.0434mmol,収率39%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.16(d,J=1.8Hz,1H),7.57(dd,J=8.0,1.8Hz,1H),7.50(s,1H),7.05(s,1H),6.49(d,J=8.0Hz,1H),5.12(s,2H),4.59(dt,J=47,6.0Hz,2H),2.80(dt,J=24,6.0,2H)。
実施例2:[18F]CDP1340の合成
18F]フッ化物イオン含有[18O]水(3850MBq、合成開始時補正値)を、Sep−Pak(登録商標)Light QMA(商品名、日本ウォーターズ株式会社製)に通液し、[18F]フッ化物イオンを吸着捕集した。次いで、該カラムに炭酸カリウム水溶液(42.4μmol/L、0.3mL)及びクリプトフィックス222(商品名、メルク社製)(14mg、37.2μmol)のアセトニトリル(0.7mL)溶液を通液して、[18F]フッ化物イオンを溶出した。これをアルゴンガスの通気下110℃に加熱して水を蒸発させた後、アセトニトリル(0.3mL×2)を加えて共沸させ乾固させた。ここに実施例1で合成した3−ヨード−4−[5−(2−メタンスルホニロキシエチル)−1H−イミダゾール−1−イルメチル]ベンゾニトリル(10mg、28.2μmol)を溶解したアセトニトリル溶液(0.3mL)を加え、110℃で10分加熱した。反応終了後、注射用水(1.0mL)を加え、下記の条件のHPLCに付してCDP1340と保持時間が同じ画分を分取した。
<HPLC条件>
カラム:CAPCELL PAK C18MG(商品名、資生堂社製、サイズ:10mmφ×250mm)
移動相A:水/ジエチルアミン(500:1)
移動相B:アセトニトリル/ジエチルアミン(500:1)
流速:3.0mL/分
検出器:紫外可視吸光光度計(検出波:254nm)
当該画分に水(50mL)を添加した液を逆相カラム(商品名:Sep−Pak C18 Light,Waters社製)に通液し、[18F]CDP1340を当該カラムに吸着捕集した。このカラムを水(40mL)で洗浄した後、ジエチルエーテル(1mL)を通液して[18F]CDP1340を溶出させた後、ジエチルエーテルを留去することで、[18F]CDP1340を得た。得られた放射能は142.5MBq(合成開始後137分)であった。また、下記の条件によるTLC分析を行ったところ、その放射化学的純度は97.8%であった。
<TLC分析条件>
TLCプレート:Silica Gel 60 F254(製品名、メルク社製)
展開相:酢酸エチル/メタノール/ジエチルアミン=100:4:1
RI検出器:Rita Star、raytest社製
実施例3:CDP1350の合成
CDP1350(化合物16)は、図2に示すスキームに従って合成した。
[ステップ3−1]2−ブロモ−4−(ブロモメチル)ベンゾニトリル(化合物13)の合成
2−ブロモ−4−メチルベンゾニトリル(化合物12,アルドリッチ社製)(3.0g,15.3mmol)を1,2−ジクロロエタン(100mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(3.0g,16.8mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(1.0g,6.12mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、5時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)にて精製を行い、化合物13(3.23g,11.7mmol,収率77%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.72(d,J=1.6Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.44(dd,J=1.6, 8.0Hz,1H),4.42(s,2H)。
[ステップ3−2]1−トリチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(化合物15)の合成
4−1H−イミダゾールカルボン酸メチル(化合物14,和光純薬株式会社社製)(2.0g,15.9mmol)をジクロロメタン(70mL)に溶解したのち、トリエチルアミン(2.66mL,17.5mmol)、塩化トリチル(4.88g,19.1mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1→1/1)にて精製を行い、化合物15(5.86g,15.9mmol,定量)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.58(d,J=1.4Hz,1H),7.46(d,J=1.4Hz,1H),7.37−7.34(m,9H),7.13−7.11(m,6H),3.87(s,3H)。
[ステップ3−3]CDP1350(化合物16)の合成
ステップ3−2で得た、化合物15(200mg,0.543mmol)をアセトニトリル(5.0mL)に溶解し、ステップ3−1で得た化合物13(149mg,0.543mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、18時間加熱還流した。反応溶液を減圧濃縮し、メタノール(5mL)、ジエチルアミン(200μL)を加え、さらに2時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製を行い、CDP1350(68.0mg,0.212mmol,収率39%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.82(d,J=0.9Hz,1H),7.71(s,1H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.42(d,J=1.4Hz,1H),7.15(dd,J=1.4,8.0Hz,1H),5.55(s,2H),3.81(s,3H)。
実施例4:CDP1360の合成
CDP1360(化合物19)は、図3に示すスキームに従って合成した。
[ステップ4−1]4−(ブロモメチル)−3−ヨードニトロベンゼン(化合物18)
2−ヨード−4−ニトロトルエン(化合物17,東京化成工業株式会社製)(1.0g,3.80mmol)を1,2−ジクロロエタン(30mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(744mg,4.18mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(62.4mg,0.38mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、4時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/ジクロロメタン=2/1)にて精製を行い、化合物18(610mg,1.78mmol,収率47%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.69(d,J=2.3Hz,1H),8.20(dd,J=2.3,8.4Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),4.61(s,2H)。
[ステップ4−2]CDP1360(化合物19)の合成
実施例3のステップ3−2で得た、化合物15(180mg,0.489mmol)をアセトニトリル(5.0mL)に溶解し、ステップ4−1で得た、4−(ブロモメチル)−3−ヨードニトロベンゼン(化合物18)(167mg,0.489mmol)を加えた。アルゴン雰囲気下で18時間加熱還流したのち、反応溶液を減圧濃縮し、メタノール(5mL)、ジエチルアミン(200μL)を加え、さらに2時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1→酢酸エチル)にて精製を行い、CDP1360(56.5mg,0.176mmol,収率39%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 8.74(d,J=2.3Hz,1H),8.12(dd,J=2.3,8.6Hz,1H),7.87(s,1H),7.71(s,1H),6.61(d,J=8.6Hz,1H),5.57(s,2H),3.80(s,3H)。
実施例5:CDP1500の合成
CDP1500(化合物20)は、図4に示すスキームに従って合成した。
実施例3のステップ3−2で得た、化合物15(100mg,0.271mmol)をアセトニトリル(3.0mL)に溶解したのち、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルブロミド(92.1mg,0.325mmol)を加えた。アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、減圧濃縮し、得られた粗生成物にメタノール(3.0mL)とジエチルアミン(0.15mL)を加え、1時間加熱還流した。反応終了後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製を行い、CDP1200(57.3mg,0.174mmol,収率64%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.77(m,1H),7.55(s,1H),7.37(s,1H),7.05(m,2H),5.49(s,2H),3.84(s,3H),1.29(s,18H)。
実施例6:CDP1570の合成
CDP1570(化合物24)は、図5に示すスキームに従って合成した。
[ステップ6−1]6−メチル−2H−クロメン−2−オン(化合物22)の合成
5−メチルサリチルアルデヒド(化合物21,和光純薬工業株式会社製)(502mg,3.70mmol)をジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶解したのち、酢酸ナトリウム(911mg,11.1mmol)、無水酢酸(1.10mL,11.1mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、5時間半加熱還流した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製を行い、化合物22(291mg,1.82mmol,収率49%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.65(d,J=9.5Hz,1H),7.35−7.33(m,1H),7.27−7.26(m,1H),7.23(m,1H),6.40(d,J=9.5Hz,1H),2.41(s,3H)。
[ステップ6−2]6−ブロモメチル−2H−クロメン−2−オン(化合物23)の合成
ステップ6−1で得た、化合物22(130mg,0.812mmol)をジクロロエタン(5.0mL)に溶解したのち、N−ブロモスクシンイミド(159mg,0.893mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(53.3mg,0.325mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた。水を加え、ジクロロメタンで3回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1→3/1)にて精製を行い、化合物23(126.2mg,0.528mmol,収率65%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.68(d,J=9.6Hz,1H),7.56(dd,J=8.6,2.2Hz,1H),7.52(d,J=2.2Hz,1H),7.32(d,J=8.6Hz,1H),6.46(d,J=9.6Hz,1H),4.53(s,2H)。
[ステップ6−3]CDP1570(化合物24)の合成
実施例3のステップ3−2で得た、化合物15(50.0mg,0.136mmol)をアセトニトリル(1.5mL)に溶解したのち、ステップ6−2で得た、化合物23(38.9mg,0.163mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、一晩加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物にメタノール(1.5mL)、ジエチルアミン(0.075mL)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=50/1)にて精製を行い、化合物24(18.1mg,0.0637mmol,収率47%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.80(d,J=0.9Hz,1H),7.71(s,1H),7.64(d,J=9.6Hz,1H),7.37(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),7.31(d,J=8.6Hz,1H),7.25(d,J=2.1Hz,1H),6.44(d,J=9.6Hz,1H),5.57(s,2H),3.81(s,3H)。
実施例7:CDP1940の合成
CDP1940(化合物27)は、図6に示すスキームに従って合成した。
[ステップ7−1]4−ヨード−1−トリチル−1H−イミダゾール(化合物26)の合成
4−ヨード−1H−イミダゾール(化合物25,和光純薬工業株式会社製)(1.9g,10mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解したのち、氷冷下、トリエチルアミン(2.1mL,15mmol)、塩化トリチル(3.4g,12mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温(25℃)で17時間攪拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで2回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/n−ヘキサン=1/1→クロロホルム)にて精製を行い、化合物26(4.1g,9.3mmol,収率93%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重クロロホルム):δ 7.36−7.34(m,9H),7.31(d,J=1.5Hz,1H),7.13−7.11(m,6H),6.80(d,J=1.5Hz,1H)。
[ステップ7−2]CDP1940(化合物27)の合成
実施例6のステップ6−2で得た、化合物23(0.13g,0.52mmol)をアセトニトリル(4.0mL)とクロロホルム(1.0mL)に溶解したのち、室温(25℃)にて、ステップ7−1で得た、化合物26(0.23g,0.52mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、酢酸(1.0mL)、水(1.0mL)を加え、100℃で1時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えてpHを9としたのち、ジクロロメタンで2回抽出を行った。合わせたジクロロメタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/メタノール=20/1)にて精製を行い、CDP1940(60mg,0.17mmol,収率33%)を得た。
使用NMR装置:AVANCEIII
H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ 8.07−8.05(m,2H),7.47−7.46(m,1H),7.44−7.42(m,1H),7.40−7.38(m,1H),7.09(d,J=1.0Hz,1H),6.50(d,J=9.6Hz,1H),5.29(s,2H)。
評価1:親和性及び選択性の評価
チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞であるV79細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社を介しECACC(European Collection of Cell Cultures)から入手)にヒトCYP11B2を発現させV79−B2を、またヒトCYP11B1を発現させ、V79−B1を作製した。V79−B2又はV79−B1をマイクロプレートに播種し、一晩培養した後、V79−B2にはコルチコステロン,V79−B1には11−デオキシコルチゾールを最終濃度が100nmol/Lになるように培養上清中に添加した。同時に、最終濃度が10−4〜103nmol/Lになるように培養上清中に、(R)−メトミデート((R)−MTO),(R)−4−ヨードメトミデート((R)−IMTO)、(R)−1−(1−フェニルエチル)−1Hイミダゾール−5−カルボン酸フルオロエチルエステル((R)−FETO)又は、実施例1、3〜7で合成したCDP1340,1350,1360,1500,1570,1940をそれぞれ添加した。1時間後にV79−B1の培養上清を回収し、CYP11B1の代謝産物であるコルチゾール濃度をELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)により測定した。また、4時間後にV79−B2の培養上清を回収し、CYP11B2の代謝産物であるアルドステロン濃度をELISAにより測定した。(R)−MTO、(R)−IMTO、(R)−FETO、及び、CDP1340,1350,1360,1500,1570,1940をいずれも添加しなかった場合のアルドステロン濃度、及び、コルチゾール濃度を100%として、阻害曲線を作成し,各化合物の阻害活性(IC50)を算出した。
表1には、(R)−MTO、(R)−IMTO、(R)−FETO、DP1340,1350,1360,1500,1570,1940のアルドステロン産生のIC50,コルチゾール産生のIC50を、平均値±標準偏差で示した。表1中、nは試験数であり、Selectivity factorは、コルチゾール産生のIC50の平均値/アルドステロン産生のIC50の平均値)を示す。
Figure 2015093831
以上の結果から、CDP1340,1350,1360,1500,1570,1940は、既知のステロイド合成酵素阻害剤に比較して、CYP11B2に対する特異性が高いことが示された。
評価2:体内動態分布実験
実施例2で得た[123I]CDP1340を生理食塩水で希釈したものを投与液とした。約3.7MBq,約40μLを2〜3匹のラット(雄,8〜9週齢)へそれぞれ尾静脈注射した後、10分後に断頭し、血液を採取した後、臓器(心臓,肺,胃,肝臓,脾臓,小腸,大腸,腎臓,膀胱,筋肉,脳,副腎,骨,精巣)を摘出して、残全身とともに、重量を計量後、血液、各摘出臓器及び残全身の放射能を測定した。また、断頭の時間点を30及び60分後に変えて同様な操作を行った。表2には、血液及び各摘出臓器における放射能分布(%dose/g)の平均値±標準偏差を示す。
Figure 2015093831
表3〜5には、表2に示した副腎の放射能集積(%ID/g)、並びに、血液、肝臓、腎臓、小腸及び筋肉の各臓器の放射能集積(%ID/g)に対する副腎の放射能集積(%ID/g)の比率を示す。表3が投与後10分の結果を示し、表4が投与後30分の結果を示し、表5が投与後60分の結果を示す。また、比較のため、(R)−1−(1−フェニルエチル)−1Hイミダゾール−5−カルボン酸 [18F]フルオロエチルエステル((R)−[18F]FETO)を用いて同条件で体内分布実験を行った結果も合わせて示した。
Figure 2015093831
Figure 2015093831
Figure 2015093831
表2〜5で示すように、[123I]CDP1340は、副腎には、血液及び周辺組織に対して高い放射能集積が認められた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2015093831
    〔式中、Rは、ハロゲン原子、−CO(Rは炭素数1〜4のアルキル基)、又は、炭素数1〜3のハロアルキル基であり、
    は、水素原子又はハロゲン原子であり、
    は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数3〜5の分岐アルキル基であり、
    は水素原子、シアノ基もしくはニトロ基、Rは水素原子もしくは炭素数3〜5の分岐アルキル基であり、又は、
    とRとが結合して不飽和ラクトンを形成する。
    ただし、R〜Rのうち少なくとも2つが水素原子以外の置換基である。〕
  2. 前記一般式(1)中、Rが−CO(Rが炭素数1〜4のアルキル基)、又は、炭素数1〜3のハロアルキル基であり、R及びRの一方がハロゲン原子、他方が水素原子であり、Rがシアノ基又はニトロ基であり、Rが水素原子である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 前記一般式(1)中、Rが炭素数1〜3の放射性ハロゲン標識ハロアルキル基であり、Rがハロゲン原子であり、Rが水素原子である、請求項2に記載の化合物又はその塩。
  4. 前記一般式(1)中、Rは−CO(Rは炭素数1〜4のアルキル基)であり、R及びRは水素原子であり、R及びRは、独立して炭素数3〜5の分岐アルキル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  5. は、ハロゲン原子、又は、−CO(Rは炭素数1〜4のアルキル基)であり、R及びRは、水素原子であり、RとRとが結合して不飽和ラクトンを形成した、下記一般式(2)で表される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
    Figure 2015093831
    〔式中、R21は、ハロゲン原子、又は、−COであり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。〕
  6. 請求項1乃至5いずれか1項に記載の化合物又はその塩を含む医薬。
  7. 請求項1乃至5いずれか1項に記載のアルドステロン合成酵素阻害剤。
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