JP2015093816A - ガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法 - Google Patents

ガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法 Download PDF

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Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
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Abstract

【課題】ガラス微粒子堆積体のガラス原料収率を向上させることができるガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法を提供する。
【解決手段】バーナー22が形成する火炎内でガラス原料23を火炎熱分解反応させてガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を出発ロッド11に堆積させてガラス微粒子堆積体Mを作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、堆積工程において、バーナー22から噴出するガラス原料23の液体原料用ポート31aを1つのバーナー22あたり少なくとも2つ設け、少なくとも1つの液体原料用ポート31aの面積をバーナー22の火炎形成部の面積の2.25×10−4以下とし、ガラス原料23を液体状態で各液体原料用ポート31aに供給し、各液体原料用ポート31aの外周から外側1.0mm以内の位置に噴出ガスポート31bの内周が配置され、各噴出ガスポート31bからガスを噴出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、OVD法(外付け法)、VAD法(気相軸付け法)、MMD法(多バーナー多層付け法)などによりガラス微粒子を出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法およびこのガラス微粒子堆積体を加熱して透明化するガラス母材の製造方法に関する。
従来、ガラス母材の製造方法としては、OVD法やVAD法等によりガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程と、このガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を作製する透明化工程とを含む製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、プリフォーム(ガラス母材)の形成時に用いられる、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)等のハロゲン化物を含有しないケイ素含有化合物を酸化させる精密バーナーが開示されている。
特許文献2にはSiClやGeClまたはOMCTS等のケイ素含有化合物を加水分解反応または酸化反応させる線状バーナーが開示されている。
特表平11−510778号公報 米国特許6743011号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のバーナーにおいては、バーナーの火炎内で生成されたガラス微粒子を出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を製造する際の、ガラス原料収率の向上に改善の余地があった。
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ガラス微粒子堆積体のガラス原料収率を向上させることができるガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、
反応容器内に出発ロッドとガラス微粒子生成用のバーナーを設置し、前記バーナーにガラス原料を導入し、前記バーナーが形成する火炎内でガラス原料を火炎熱分解反応させてガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記堆積工程において、前記バーナーから噴出するガラス原料の出射口を1つのバーナーあたり少なくとも2つ設け、前記出射口のうち少なくとも1つの出射口の面積を前記バーナーの火炎形成部の面積の2.25×10−4以下とし、前記ガラス原料を液体状態で各前記出射口に供給し、各前記出射口の外周から外側1.0mm以内の位置にガス噴出口の内周が配置され、前記ガス噴出口からガスを噴出する。
また、本発明のガラス母材の製造方法は、
上述のガラス微粒子堆積体の製造方法によってガラス微粒子堆積体を製造し、当該製造したガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を製造する透明化工程を有する。
本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体のガラス原料収率を向上させることができる。
本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置の一形態を示す構成図である。 (a)は、図1に示す製造装置においてガラス微粒子を生成するバーナーの一形態を示すバーナー面の平面図であり、(b)は、バーナーの原料ポートを示すバーナー面の拡大図である。 図2(b)に示す原料ポートに液体原料を供給するとともにその外側からガスを供給した状態を示すバーナーの一部拡大断面図である。 本発明の変形例に係るバーナーの原料ポートを示すバーナー面の拡大図である。 図1に示す製造装置においてガラス微粒子を生成するバーナーの別の形態を示すバーナー面の平面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、
(1)反応容器内に出発ロッドとガラス微粒子生成用のバーナーを設置し、前記バーナーにガラス原料を導入し、前記バーナーが形成する火炎内でガラス原料を火炎熱分解反応させてガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記堆積工程において、前記バーナーから噴出するガラス原料の出射口を1つのバーナーあたり少なくとも2つ設け、前記出射口のうち少なくとも1つの出射口の面積を前記バーナーの火炎形成部の面積の2.25×10−4以下とし、前記ガラス原料を液体状態で各前記出射口に供給し、各前記出射口の外周から外側1.0mm以内の位置にガス噴出口の内周が配置され、前記ガス噴出口からガスを噴出する。
この構成によれば、ガラス微粒子生成用バーナーの各出射口から噴出するガラス原料の投入量を減らすことができ、ガラス原料の反応を促進させて、ガラス微粒子堆積体のガラス原料収率を向上させることができる。また、液体状態でガラス原料を供給するので、沸点が高温のガラス原料を気化させるための高価な処理装置を備える必要がなく、ガラス微粒子堆積体の製造コストを抑えることができる。さらに、液体原料を噴出する出射口外側のごく近傍からガスを噴出するので、効率よくガラス原料を霧化できる。
(2)前記堆積工程において、前記1つのバーナーあたり5つ以上の前記出射口を設けることが好ましい。
この構成によれば、ガラス原料の反応をさらに促進させて、ガラス原料収率をさらに向上させることができる。
(3)前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の1.00×10−4以下とすることが好ましい。
この構成によれば、ガラス原料を火炎内で広げる事ができるので、ガラス原料の反応を促進させることができる。
(4)前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の2.50×10−5以下とすることが好ましい。
(5)前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の4.00×10−6以下とすることが好ましい。
(6)前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から酸素ガスを含むガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化することが好ましい。
この構成によれば、酸素ガスを含むガスを液体原料の出射口外側のごく近傍から噴出することにより、ガラス原料の酸化反応を促進することができる。
(7)前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から855m/s以上の流速となるガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化することが好ましい。
この構成によれば、ガラス原料の噴霧液径を小さくすることができ、霧化したガラス原料の気化効率を上げることができる。
(8)前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から1283m/s以上の流速となるガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化することが好ましい。
(9)前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から噴出する前記ガスに含まれる酸素分子数を各前記出射口から噴出する前記ガラス原料の中に含まれるSi原子数以上とすることが好ましい。
この構成によれば、ガラス原料をSiOへ酸化反応させる効率を上げることができる。
(10)前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から噴出する前記ガスに含まれる酸素分子数を各前記出射口から噴出する前記ガラス原料の中に含まれるSi原子数の1.5倍以上とすることが好ましい。
(11)前記堆積工程において、前記バーナーに供給する前記ガラス原料をシロキサンとすることが好ましい。
この構成によれば、ガラス微粒子を生成する際にHCl等の有害物質が発生することなく、ガラス微粒子堆積体の製造コストを抑えることができる。
(12)前記堆積工程において、前記バーナーに供給する前記ガラス原料をオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)とすることが好ましい。
また、本発明のガラス母材の製造方法は、
(13)上記の(1)から(12)のいずれかのガラス微粒子堆積体の製造方法によってガラス微粒子堆積体を製造し、当該製造したガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を製造する透明化工程を有する。
この構成によれば、ガラス微粒子堆積体のガラス原料収率を向上させることができるガラス母材の製造方法を提供することができる。
(14)前記堆積工程における前記出発ロッドへのガラス微粒子の堆積をOVD法、VAD法、MMD法のいずれかにより行うことが好ましい。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るガラス微粒子堆積体の製造方法およびガラス母材の製造方法の実施形態の例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に示す製造方法としては、OVD(Outside Vapor Deposition)法を例に説明するが、本発明はOVD法に限定されるものではない。OVD法と同様にガラス原料から火炎熱分解反応を利用してガラスを堆積させる方法、例えば、VAD(Vapor Phase Axial Deposition)法やMMD(Multiburner Multilayer Deposition)法等に本発明を適用することも可能である。
図1は、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を実施する製造装置1の構成図である。製造装置1は、反応容器2と、昇降回転装置3と、原料供給装置21と、ガラス微粒子生成用のバーナー22と、各部の動作を制御する制御部5を備えている。
反応容器2は、ガラス微粒子堆積体Mが形成される容器であり、容器の側面に取り付けられた排気管12を備えている。
昇降回転装置3は、支持棒10および出発ロッド11を介してガラス微粒子堆積体Mを昇降動作、および回転動作させる装置である。昇降回転装置3は、制御部5から送信されてくる制御信号に基づいて支持棒10の動作を制御している。昇降回転装置3は、ガラス微粒子堆積体Mを回転させながら昇降させる。
支持棒10は、反応容器2の上壁に形成された貫通穴を挿通して配置されており、反応容器2内に配置される一方の端部(図1において下端部)には出発ロッド11が取り付けられている。支持棒10は、他方の端部(図1において上端部)を昇降回転装置3により把持されている。
出発ロッド11は、ガラス微粒子が堆積されるロッドであり、支持棒10に取り付けられている。
排気管12は、出発ロッド11およびガラス微粒子堆積体Mに付着しなかったガラス微粒子を反応容器2の外部に排出する管である。
バーナー22には、液体原料23を原料供給装置21により供給する。なお、図1において、火炎形成用ガスを供給するガス供給装置は省略されている。
原料供給装置21は、液体原料23を貯留する原料容器24と、液体原料23を供給するポンプ25と、液体原料23をバーナー22へ導く供給配管26と、原料容器24とポンプ25と供給配管26の一部とを含む温度調整する温調ブース27からなる。
ポンプ25は、バーナー22から出射される液体原料23を供給配管26を介してバーナー22へ供給する装置である。ポンプ25は、制御部5から送信されてくる制御信号に基づいてバーナー22へ供給する液体原料23の供給量の制御を行なっている。
供給配管26は、液体原料23をバーナー22へ導く配管である。供給配管26の温度を高温に保持するために、供給配管26の外周およびバーナー22の外周の一部には、発熱体であるテープヒータ28が巻き付けられることが好ましい。このテープヒータ28が通電されることで供給配管26やバーナー22が加熱され、バーナー22から出射される液体原料23の温度を原料反応に適した温度に上昇させることができる。例えば液体原料23がオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)液であれば30〜170℃の温度に上昇させてもよい。
バーナー22は、液体原料23を火炎中において気化させて、さらに気化した原料を酸化反応させることでガラス微粒子30を生成し、生成されたガラス微粒子30を出発ロッド11に噴きつけて堆積させる。
制御部5は、昇降回転装置3、原料供給装置21等の各動作を制御している。制御部5は、昇降回転装置3に対して、ガラス微粒子堆積体Mの昇降速度および回転速度を制御する制御信号を送信している。また、制御部5は、原料供給装置21のポンプ25に対して、バーナー22から出射する液体原料23の流量を制御する制御信号を送信している。
ガラス原料や火炎形成ガスを噴出するために、バーナー22として、例えば、円筒形のマルチノズル構造のものやあるいは線状のマルチノズル構造のものが用いられる。
図2(a)は、マルチノズル構造を有するバーナー22の一形態に係るバーナー面の平面図を示している。
図2(a)に示すバーナー22は、バーナー面の中央部に、液体原料23を噴出する原料ポート31を有している。原料ポート31内には、液体原料23を噴出する液体原料用ポート(ガラス原料の出射口の一例)31aと、その周囲に噴出ガスポート(ガス噴出口の一例)31bが存在する。噴出ガスポート31bは、その内周が液体原料用ポート31aの外周から外側1.0mm以内に配置されるように、設置されている。原料ポート31は、液体原料用ポート31aから噴出した液体原料に噴出ガスポート31bから噴出したガスを当てることによって、液体原料を霧化する。原料ポート31の外周には、シールガスポート32が設けられている。さらに、シールガスポート32の周囲には、燃焼用ガスを噴出する燃焼ガスポート33が同心円状に複数個配置されている。
中心の原料ポート31の液体原料用ポート31aからは、例えば、液体原料23としてOMCTSなどに代表されるシロキサン液が噴出される。中心の原料ポート31の噴出ガスポート31bからは、例えば、窒素(N)、酸素(O)、アルゴン(Ar)等のガスがそれぞれ単体で、もしくは混合されて噴出される。シールガスポート32からはシールガスとして例えば不活性ガスである窒素(N)やアルゴン(Ar)ガスが供給される。また、燃焼ガスポート33は、例えば内周側のポート33aから可燃性ガスである水素(H)が噴出され、外周側のポート33bから助燃性ガスである酸素(O)が噴出される。
図2(b)に示すように、本実施形態においては、バーナー22の中央部に、原料ポート31が2つ設けられている。各原料ポート31の液体原料用ポート31aには、シロキサンが液体状態で供給されて、このシロキサン液が液体原料用ポート31aから噴出される。原料ポート31を2つ以上とすることで、1つの液体原料用ポート31aから噴出する原料の量を下げることができ、原料をSiOへ化学変化させる効率を上げることができる。特に原料液を噴霧状態にしてバーナー火炎に出射する場合、噴霧液径を小さくすることができるため、原料液の気化効率を上げることができる。ガラス原料の噴出口(液体原料用ポート31a)の数が多いほどその効果は高くなり、5つ以上とすれば、さらに気化効率を高めることができる。但し、多すぎると、バーナーの価格が高価になる。
図2(a)の破線部分は、バーナー22における火炎形成部35を示している。火炎形成部35は、同心円状に配置された最外周のポート33bの外側までの面積を有している。本実施形態においては、液体原料用ポート31aのうち任意の1つ(少なくとも1つであり、本実施形態ではすべて)の液体原料用ポート31aの面積を火炎形成部35の面積に対して2.25×10−4以下となるように設定している。1つの液体原料用ポート31aの面積が火炎形成部35の面積に対して2.25×10−4よりも大きいとガラス微粒子堆積体Mを作製する際のガラス原料収率の向上が見込めない。
さらに好ましくは、各液体原料用ポート31aの面積を火炎形成部35の面積に対して1.00×10−4以下に設定する。さらに好ましくは、各液体原料用ポート31aの面積を火炎形成部35の面積に対して2.50×10−5以下、さらに好ましくは4.00×10−6以下とする。
なお、1つの液体原料用ポート31aの面積の下限値は、加工精度の限界値で決まる。
図3に示すように、原料ポート31は、液体原料用ポート31aと噴出ガスポート31bを有し、噴出ガスポート31bは、その先端部が、内周の液体原料用ポート31aに向けて傾斜する形状を有している。これにより、ガスの噴射方向が、液体原料用ポート31aの中心軸に向けて傾けられ、ガスが液体原料用ポート31aから噴出されるシロキサン液に衝突するようになっている。液体原料用ポート31aから噴出されたシロキサン液はガスの衝突により霧化され、火炎内においてバーナー22の径方向に略均一に広がることとなる。
本実施形態においては、原料ポート31中の外周側に設けられた噴出ガスポート31bから、酸素ガスを含むガスが855m/s以上の流速で噴出され、各液体原料用ポート31aから噴出されるシロキサン液に衝突することで、シロキサンの噴霧液径を小さくすることができる。さらに好ましくは、噴出ガスポート31bから1283m/s以上の流速となるようにガスを噴出する。
さらに、本実施形態においては、原料ポート31中の外周側に設けられた噴出ガスポート31bから噴出するガスに含まれるO分子数を各液体原料用ポート31aから噴出する液体原料23に含まれるSi原子数以上とするように設定されている。ガスに含まれるO分子数を液体原料23に含まれるSi原子数以上とすることにより、液体原料23をSiOへ酸化反応させる効率を上げることができる。さらに好ましくは、噴出ガスポート31bから噴出するガスのO分子数を各液体原料用ポート31aから噴出する液体原料23のSi原子数の1.5倍以上とする。
これにより、バーナー22では、火炎形成ガスによって発生した酸水素火炎中にシロキサン液が噴出されてガスの衝突により霧化され、酸水素火炎の熱により気化するとともに、気化した原料が火炎中の酸素と反応し、熱分解酸化反応によってガラス微粒子30として酸化珪素(SiO)粒子が生成される。生成されたガラス微粒子30が出発ロッド11に堆積されて、所定外径のガラス微粒子堆積体Mが作製される。
次に、ガラス微粒子堆積体およびガラス母材の製造方法の手順について説明する。
[堆積工程]
OVD法(外付け法)によってガラス微粒子の堆積を行い、ガラス微粒子堆積体Mを製造する。先ず、図1に示すように、昇降回転装置3に支持棒10を取り付け、さらに支持棒10の下端部に出発ロッド11を取り付けた状態で、出発ロッド11および支持棒10の一部を反応容器2内に納める。
続いて、ポンプ25は、制御部5から送信されてくる制御信号に基づき、供給量を制御しながら液体原料23をバーナー22に供給する。
バーナー22に、液体原料23、ガス、および酸水素ガス(火炎形成ガス)を供給し、噴霧状態の液体原料23を酸水素火炎内で気化させた後、酸化反応させることでガラス微粒子30を生成する。
そして、バーナー22は、火炎内で生成したガラス微粒子30を回転および昇降する出発ロッド11に継続的に堆積させていく。
昇降回転装置3は、制御部5からの制御信号に基づいて、出発ロッド11および出発ロッド11に堆積されたガラス微粒子堆積体Mを昇降及び回転させる。
[透明化工程]
次に、得られるガラス微粒子堆積体Mを不活性ガスと塩素ガスの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中で1550℃に加熱して透明ガラス母材を得る。このようなガラス母材の製造を繰り返し行う。
以上説明したように、本実施形態においては、堆積工程において、ガラス原料(液体原料23)の出射口である液体原料用ポート31aが1つのバーナー22あたり2つ設けられているとともに、2つの液体原料用ポート31aのうちそれぞれ1つあたりの液体原料用ポート31aの面積を火炎形成部の面積に対して2.25×10−4以下としている。また、ガラス原料は液体状態で液体原料用ポート31aに供給され、各液体原料用ポート31aの外周から外側1.0mm以内の位置に噴出ガスポート31bの内周が配置され、噴出ガスポート31bからガスが噴出される。液体原料用ポート31aを2つ以上とすることで、各液体原料用ポート31aから噴出する液体原料23の投入量を減らすことができ、液体原料23をSiOへ化学反応させる際のガラス原料収率を向上させることができる。特に、液体原料23を噴霧状態にしてバーナー22で形成された火炎内に出射する際に、液体原料23の噴霧液径を小さくすることができるため、噴霧された液体原料23をバーナー火炎の熱により気化する効率を高めることができる。
また、本実施形態においては、1つの液体原料用ポート31aの面積を火炎形成部35の面積に対して1.00×10−4以下、さらに好ましくは2.50×10−5以下、さらに好ましくは4.00×10−6以下とする。このようにすることで、自由噴流により液体原料23が火炎の中心から火炎の外周方向に広がりやすくなるため、原料と酸素の撹拌が促進されて原料の酸化反応をさらに進めることができる。さらに液体原料23を噴霧状態にしてバーナー22で形成された火炎内に出射する場合は、前記構成とすることで液体原料23の噴霧液径を小さくする効果も発揮され、液体原料23の気化効率が高まり、原料反応効率を高めることができる。
また、OMCTSは標準沸点が175℃と非常に高温であるため、OMCTSを気化させてガス状態でバーナー22に供給するためには別途高価な処理装置を備える必要がある。したがって、本実施形態においては、OMCTSを液体状態でバーナー22に供給し、バーナー22から噴出されるOMCTS液の周囲(液体原料用ポート31aの外周に対して外側1.0mm以内)からガスを吹き付けることによりOMCTS液を霧化させている。この構成によれば、沸点が高温のガラス原料であるOMCTSを気化させるための高価な処理装置を備える必要がなく、ガラス微粒子堆積体Mの製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態においては、各液体原料用ポート31aの外周近傍の噴出ガスポート31bから855m/s以上の流速となるガスを噴出して、各液体原料用ポート31aから噴出される液体原料23を霧化している。これにより、液体原料23の噴霧液径を小さくすることができ、ミスト状の液体原料23の気化効率を上げることができる。
また、各液体原料用ポート31aの外周近傍の噴出ガスポート31bから1283m/s以上の流速となるガスを噴出することで、上述の効果をさらに高めることができる。
また、本実施形態によれば、各液体原料用ポート31aの外周近傍の噴出ガスポート31bから噴出するガスに含まれる酸素分子数を各液体原料用ポート31aから噴出する液体原料23の中に含まれるSi原子数以上としている。これにより、液体原料23をSiOへ酸化反応させる効率を上げることができる。また、各液体原料用ポート31aの外周近傍の噴出ガスポート31bから噴出するガスに含まれる酸素分子数を各液体原料用ポート31aから噴出する液体原料23の中に含まれるSi原子数の1.5倍以上とすることで、上述の効果をさらに高めることができる。
本実施形態においては、液体原料23として、ハロゲンフリーの原料であるシロキサン、好ましくはOMCTS液を用いている。従来、ガラス原料として用いられたSiClは、以下の式(1)に基づきSiOガラス微粒子が生成される。
SiCl+2H0→ SiO+4HCl …式(1)
この場合、副産物として環境へ悪影響を及ぼすHCl(塩酸)が生成されるため、塩酸を無害化する処理装置が必要となり、ガラス母材を製造するためのランニングコストが非常に高くなってしまう。
一方、本実施形態のように、例えばOMCTS等に代表されるシロキサン液を用いた場合は、以下の式(2)に基づきSiOガラス微粒子が生成される。
[SiO(CH]+16O→4SiO+8CO+12H0 …式(2)
このように、バーナーに供給するガラス原料として、シロキサン、より好ましくはOMCTSを用いると、塩酸のような有害物質が排出されない。そのため、有害物質を除去または無害化するための処理装置を設ける必要がなく、ガラス母材の製造コストを抑えることができる。
上記実施の形態においては、バーナー22の中央部に、液体原料用ポート31aと噴出ガスポート31bを有する原料ポート31が2つ設けられる構成としているがこの例に限られない。例えば、図4(a)に示すように、バーナー中央部に、5つの原料ポート31Aが同心円状に設けられる構成としてもよい。また、図4(b)に示すように、バーナー中央部に、5つの原料ポート31Bが一列に配置された構成としてもよい。さらに、図4(c)に示すように、バーナー中央部に、10個の原料ポート31Cが同心円状に設けられる構成としてもよい。
このように、1つのバーナー22あたり5つ以上の原料ポート31A,31B,31Cを設けることにより、作製されるガラス微粒子堆積体Mのガラス原料収率をさらに高めることができる。
また、上記実施の形態においては、円柱状のバーナー22を用いているが、この例に限られない。例えば、図5に示すように、線状バーナー122を用いることもできる。
線状バーナー122においては、バーナー122の短手方向の中央部に、複数の原料ポート131がバーナー122の長手方向に沿って一列に配置されている。原料ポート131の構造は、上記の原料ポート31と同じである。一列に配列された原料ポート131の両側には複数のシールガスポート132が配列されている。さらに、シールガスポート132の外側には、複数の燃焼ガスポート133が2列で配列されている。上記の実施形態と同様に、中心の原料ポート131の液体原料用ポート(ガラス原料の出射口の一例)からは、例えば、液体原料23としてOMCTSなどに代表されるシロキサン液が噴出される。液体原料用ポートの周囲には、噴出ガスポートが存在し、例えば、窒素(N)、酸素(O)、アルゴン(Ar)等のガスがそれぞれ単体で若しくは混合されて噴出される。シールガスポート132からはシールガスとして、例えば窒素(N)やアルゴン(Ar)ガスが供給される。また、2列に配列された燃焼ガスポート133のうち内側のポート133aから可燃性ガスである水素(H)が噴出され、外側のポート133bから助燃性ガスである酸素(O)が噴出される。
図5の破線部分は、バーナー122における火炎形成部135を示している。火炎形成部135は、両端に配置されたポート133bの外側までの面積を有している。上記の実施形態と同様に、線状バーナー122においても、原料ポート131のうち任意の1つの原料ポート131の液体原料用ポートの面積を火炎形成部135の面積に対して2.25×10−4以下となるように設定している。
なお、さらに好ましくは、各原料ポート131の液体原料用ポートの面積を火炎形成部135の面積に対して1.00×10−4以下に設定する。さらに好ましくは、各原料ポート131の液体原料用ポートの面積を火炎形成部35の面積に対して2.50×10−5以下、さらに好ましくは4.00×10−6以下とする。
図5に示すような線状バーナー122によれば、上記の実施形態と同様に、各原料ポート131から噴出する液体原料23の投入量を減らすことができ、液体原料23をSiOへ化学反応させる際のガラス原料収率を向上させることができる。特に、液体原料23を噴霧状態にして線状バーナー122で形成された火炎内に出射する際に、液体原料23の噴霧液径を小さくすることができるため、噴霧された液体原料23をバーナー火炎の熱により気化する効率を高めることができる。
また、上記実施の形態においては、シロキサン液の一例としてOMCTSを例にとって説明したが、DMCPS等、他のシロキサンでも上記実施の形態と同様の効果を有する。
また、SiClのようなシロキサン以外の原料であっても、ガラス原料収率を上げる効果は同様にある。
図1に示す製造装置を使用してOVD法によってガラス微粒子の堆積、すなわちガラス微粒子堆積体Mの製造を行う[堆積工程]。また、得られるガラス微粒子堆積体Mを不活性ガスと塩素ガスとの混合雰囲気中で1100℃に加熱した後、He雰囲気中で1550℃に加熱して透明ガラス化を行う[透明化工程]。
出発ロッドとして、直径36mm、長さ400mmの純石英ガラスを用いる。バーナーの全ての液体原料用ポートにはトータルで16.5g/分となるOMCTS液を供給する。1つのバーナーに5つの液体原料用ポートがある場合は、1ポート当たりに投入されるSi原子流量は0.044mol/分となる。火炎形成ガスとしてH(流量:20〜70SLM)およびO(流量:30〜70SLM)を、バーナーシールガスとしてAr(流量1〜8SLM)を供給する。
上記の堆積工程において、バーナー単体あたりの原料ポートの数X、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Y、各液体原料用ポートの外周近傍(噴出ガスポート)から噴出するガス中のO分子流量Z(mol/分)、各噴出ガスポートから噴出するガスの流速W(m/s)を適宜変更して、出発ロッドへのガラス微粒子の堆積を行い、作製されるガラス微粒子堆積体の原料収率A(%)及び各実施例の設備コストを相対的に評価する。なお、火炎形成部の面積は、図3および図5に示すバーナーの破線部分の面積で定義する。また、各実施例では、バーナーに複数設置されている液体原料用ポート及び噴出ガスポートの出口面積は、その実施例のバーナーにおける液体原料用ポート同士で等しく、噴出ガスポート同士で等しい。各実施例において、噴出ガスポートの内周は液体原料用ポートの外周から0.9mm離れて位置している。一方、比較例において、噴出ガスポートの内周は液体原料用ポートの外周から1.1mm離れて位置している。また、原料収率Aとは、バーナーに投入されるOMCTS液が100%石英ガラス微粒子に化学反応する場合のSiO質量に対する、実際に出発ロッドおよびガラス微粒子堆積体に堆積するガラス微粒子の質量比である。また、バーナーAとして図3に示すマルチノズル型のバーナーを用い、バーナーBとして図5に示す線状バーナーを用いる。
その結果を表1に示す。
Figure 2015093816
[実施例1]
実施例1から、バーナー単体あたりの原料ポートの数が2つ、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合が2.50×10−5、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量が0.027mol/分、各噴出ガスポートから噴出するガスの流速が513m/sとすると、原料収率が50%になるという結果が得られる。
[比較例1]
一方、比較例1のように、バーナー単体あたりの原料ポートの数が1つで、液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合が2.50×10−5よりも大きく、例えば4.00×10−4であり、噴出ガスポートの内周が液体原料用ポートの外周より1.1mm離れている場合、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zおよび各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wが実施例1と同じ値であっても、原料収率は20%に留まるという結果が得られる。
この結果から、バーナー単体あたりの原料ポートの数を2つ以上にし、液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合を2.25×10−4よりも小さくし、噴出ガスポートの少なくとも一部を液体原料用ポートの外周から1.0mm以内に設置することで、原料収率が大きく向上することが確認できる。
[実施例2〜5]
実施例2〜5においては、実施例1よりもバーナー単体あたりの原料ポートの数Xを増やし、実施例2は原料ポートが5つ、実施例3は原料ポートが10個、実施例4は原料ポートが50個、実施例5は原料ポートが100個のバーナーを用いる。なお、実施例2〜5において、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Y、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zおよび各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wは、実施例1と同一の値を用いる。
その結果、表1に示すようにバーナー単体あたりの原料ポートの数が増えるほど原料収率が向上することが確認できる。なお、実施例4,5では、バーナーとして、図5の線状バーナーを使用している。
[実施例6〜8]
実施例6〜8においては、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Yを変更して、実施例6は2.25×10−4、実施例7は1.00×10−4、実施例8は4.00×10−6であるバーナーを用いる。なお、実施例6〜8において、バーナー単体あたりの原料ポートの数Xと、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zおよび各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wは、実施例2と同一の値を用いる。
その結果、表1の実施例6に示すように、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合を2.25×10−4以下とすることで、比較例1と比べて原料収率が十分に向上することが確認できる。また、実施例2、6〜8の結果から、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Yを小さくしていくほど、原料収率が向上することが確認できる。
[実施例9〜12]
実施例9〜12においては、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zおよび各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wの値を変更し、実施例9は0mol/分及び513m/s、実施例10は0.045mol/分および856m/s、実施例11は0.067mol/分および1284m/s、実施例12は0.089mol/分および1711m/sとする。なお、実施例9〜12において、バーナー単体あたりの原料ポートの数Xと、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Yは、実施例2と同一の値を用いる。
その結果、表1に示すように、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zを増やすことで、比較例1と比べて原料収率が十分に向上することが確認できる。具体的には、実施例10のように、ガス中のO分子流量(0.045mol/分)を液体原料として噴出されるOMCTS中のSi原子流量(0.044mol/分)以上とすることで、原料収率が大きく向上する。また、実施例11,12のようにガス中のO分子数をOMCTS中のSi原子数の1.5倍以上とすると原料収率がさらに向上することから、分子流量Zを増やすほど原料収率が向上することが確認できる。また、実施例9はO分子流量が0mol/分の例であるが、各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wが比較例1と同じ値であっても、原料収率は実施例9の方が圧倒的に高いことがわかる。このことから、バーナー単体あたりの原料ポートの数が2つ以上で、液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合が2.25×10−4以下であり、噴出ガスポートを液体原料用ポートの外周から1.0mm以内の範囲に設置させる事が原料収率の向上に重要であることがわかる。
[実施例13〜15]
実施例13〜15においては、噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wについて、実施例13は152m/s、実施例14は856m/s、実施例15は2158m/sとする。なお、実施例13〜15において、バーナー単体あたりの原料ポートの数Xと、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Yと、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zは、実施例2と同一の値を用いる。
その結果、表1に示すように各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wを152m/s以上とすることで、比較例1と比べて原料収率が十分に向上することが確認できる。また、実施例2,13〜15の結果から、流速Wを上げるほど原料収率が向上することが確認できる。
[比較例2,3]
比較例2、3は、比較例1と同じく原料ポートの数を1つとし、各パラメータを変更する例である。上記の実施例9〜15から、各噴出ガスポートから噴出するガスのO分子流量Zを増やすか、各噴出ガスポートから噴出するガスの流速Wを上げると原料収率が向上するという結果が得られている。しかし、表1の比較例2および3に示すように、バーナー単体あたりの原料ポートの数が1つであって、1つの液体原料用ポートの面積の火炎形成部の面積に対する割合Yが大きく、噴出ガスポートの内周が液体原料用ポートの外周から1.0mmより大きく離れていると、各パラメータを変更した効果は若干あるものの、原料収率を実施例の値ほどに向上させることはできない。
[比較例4]
比較例4は原料を気化させた状態でバーナーに供給する例であるが、高価な気化器(図示省略)が必要となるため、原料を液体で供給する場合(実施例1〜15、比較例1〜3)と比べて、設備コストが1.3倍になることがわかる。また、気化状態の原料を液体原料用ポートから出射し、その外周からO分子流量0.027mol/分を含むガスを導入すると、バーナー近傍でガラス粒子が生成されて、ガラス粒子がバーナーに堆積してしまい、バーナーが詰まる問題が生じる。このため原料収率は測定不可能となる。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1:製造装置
2:反応容器
3:昇降回転装置
5:制御部
10:支持棒
11:出発ロッド
21:原料供給装置
22:バーナー
23:液体原料
24:原料容器
25:ポンプ
26:供給配管
27:温調ブース
28:テープヒータ
30:ガラス微粒子
31:原料ポート
31a:液体原料用ポート(ガラス原料の出射口の一例)
31b:噴出ガスポート(ガス噴出口の一例)
32:シールガスポート
33:燃焼ガスポート
35:火炎形成部
122:線状バーナー
131:原料ポート
132:シールガスポート
133:燃焼ガスポート
135:火炎形成部
M:ガラス微粒子堆積体

Claims (14)

  1. 反応容器内に出発ロッドとガラス微粒子生成用のバーナーを設置し、前記バーナーにガラス原料を導入し、前記バーナーが形成する火炎内でガラス原料を火炎熱分解反応させてガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する堆積工程を有するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
    前記堆積工程において、前記バーナーから噴出するガラス原料の出射口を1つのバーナーあたり少なくとも2つ設け、前記出射口のうち少なくとも1つの出射口の面積を前記バーナーの火炎形成部の面積の2.25×10−4以下とし、前記ガラス原料を液体状態で各前記出射口に供給し、各前記出射口の外周から外側1.0mm以内の位置にガス噴出口の内周が配置され、前記ガス噴出口からガスを噴出する、ガラス微粒子堆積体の製造方法。
  2. 前記堆積工程において、前記1つのバーナーあたり5つ以上の前記出射口を設ける、請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  3. 前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の1.00×10−4以下とする、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  4. 前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の2.50×10−5以下とする、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  5. 前記堆積工程において、前記1つの出射口の面積を前記火炎形成部の面積の4.00×10−6以下とする、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  6. 前記堆積工程において、前記ガス噴出口から酸素ガスを含むガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  7. 前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から856m/s以上の流速となるガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化する、請求項6に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  8. 前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から1283m/s以上の流速となるガスを噴出して、各前記出射口から噴出される前記ガラス原料を霧化する、請求項6に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  9. 前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から噴出する前記ガスに含まれる酸素分子数を各前記出射口から噴出する前記ガラス原料の中に含まれるSi原子数以上とする、請求項7または請求項8に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  10. 前記堆積工程において、各前記ガス噴出口から噴出する前記ガスに含まれる酸素分子数を各前記出射口から噴出する前記ガラス原料の中に含まれるSi原子数の1.5倍以上とする、請求項7または請求項8に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  11. 前記堆積工程において、前記バーナーに供給する前記ガラス原料をシロキサンとする、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  12. 前記堆積工程において、前記バーナーに供給する前記ガラス原料をオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)とする、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法によってガラス微粒子堆積体を製造し、当該製造したガラス微粒子堆積体を加熱して透明なガラス母材を製造する透明化工程を有する、ガラス母材の製造方法。
  14. 前記堆積工程における前記出発ロッドへのガラス微粒子の堆積をOVD法、VAD法、MMD法のいずれかにより行う、請求項13に記載のガラス母材の製造方法。
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