JP2015091762A - チュアブル錠用組成物及びチュアブル錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】生理活性物質S−アデノシル−L−メチオニンを含む酵母を含有し、かつ、酵母に起因する独特の風味をマスキングしたチュアブル錠用組成物、及び該組成物を含有するチュアブル錠の提供。
【解決手段】S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母と、糖アルコールと、結晶セルロースと、を含むチュアブル錠用組成物、及び該組成物を含有するチュアブル錠。該組成物は、平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを含むことが好ましい。該結晶セルロースは、20μm〜100μmの平均粒子径、0.1g/cm〜0.45g/cmの嵩密度を有するものであることが好ましい。該糖アルコールは、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、還元水飴及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、チュアブル錠用組成物及びチュアブル錠に関する。
S−アデノシル−L−メチオニン(以下、SAMeと称する場合がある)は、生体組織に広く存在し、核酸、神経伝達物質、リン酸、ホルモン、タンパク質等の合成若しくは代謝におけるメチル基供与体として、又は酵素活性化因子として、数多くの生物反応に関与する物質として知られている。このことからも、SAMeの生理活性を活用するために種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、化学的に極めて不安定な物質であるSAMeを安定して利用可能とするために、(SS)−S−アデノシル−L−メチオニンを産生する微生物を培養した後に、菌体を乾燥し、さらに熟成を行うことを特徴とする(SS)−S−アデノシル−L−メチオニンを含有する微生物乾燥菌体又は微生物エキス、及びその製造方法が開示されている。特許文献1には、得られたSAMe含有乾燥酵母菌体又は菌体エキスを、中鎖脂肪酸トリグリセリド等と組み合わせたソフトカプセル、シュークロース等を組み合わせたチュアブル錠、結晶セルロース等と組み合わせた錠剤、乳糖等と組み合わせた散剤などが開示されている。
また、特許文献2には、遊離塩基の形態で、SAMeの高生産性を有する菌体から選択された、高含有量のS−アデノシル−L−メチオニンを有する乾燥及び/又はマイクロカプセル化サッカロマイセス・セレヴィシエ細胞が開示され、得られたSAMe含有乾燥及び/又はマイクロカプセル化サッカロマイセス・セレヴィシエ細胞を含む、錠剤又はマイクロカプセルが開示されている。
国際公開2009/081833号パンフレット 特表2008−541773号公報
一方、近年、口腔内で崩壊させることにより摂取するチュアブル錠が、水なしで服用できる簡便性の点から広く適用されている。このため、特許文献1に記載されているように、S−アデノシル−L−メチオニンについてもチュアブル錠がいくつか提案されている。
しかしながら、S−アデノシル−L−メチオニンの摂取源としてS−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を用いることが多く、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を含む食品には、酵母に起因した独特な風味がある。このため、錠剤と異なり、口腔内で噛んで崩壊させるチュアブル錠では、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母の独特な風味が服用者の嗜好に合わないことが多く、敬遠される傾向が高い。この結果、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を含むチュアブル錠を、長期にわたって摂取することが困難であった。
従って本発明の目的は、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を含有し、かつ、風味が良好なチュアブル錠を得ることのできるチュアブル錠用組成物及びチュアブル錠を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1] S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母と、糖アルコールと、結晶セルロースと、を含むチュアブル錠用組成物。
[2] さらに、平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを含む[1]に記載のチュアブル錠用組成物。
[3] 結晶セルロースが、20μm〜100μmの平均粒子径を有する[1]又は[2]に記載のチュアブル錠用組成物。
[4] 結晶セルロースが、0.1g/cm〜0.45g/cmの嵩密度を有する[1]〜[3]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[5] 糖アルコールが、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、還元水飴及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[6] S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母の含有率が、組成物の全質量の0.8質量%〜20質量%である[1]〜[5]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[7] 糖アルコールの含有率が、組成物の全質量の5質量%〜20質量%である[1]〜[6]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[8] 結晶セルロースの含有率が、組成物の全質量の3質量%〜25質量%である[1]〜[7]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[9] さらに、アミノ基を有する糖類を含む[1]〜[8]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物。
[10] アミノ基を有する糖類が、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸並びにそれらの塩と、N−アセチルグルコサミンとからなる群より選ばれる少なくとも1種である[9]に記載のチュアブル錠用組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれか1に記載のチュアブル錠用組成物を含有するチュアブル錠。
本発明によれば、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を含有し、かつ、風味が良好なチュアブル錠を得ることのできるチュアブル錠用組成物及びチュアブル錠を提供することができる。
また、本発明によれば、S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母に、糖アルコール及び結晶セルロースを組み合わせるので、S−アデノシル−L−メチオニン含有酵母を含むチュアブル錠であっても風味が良好なチュアブル錠の提供が可能となる。
即ち、チュアブル錠用組成物中の糖アルコールによって、甘味が付与され、かつ吸熱性によりひんやりとした感覚が生じるために、風味改善効果が得られる。また、結晶セルロースによって、チュアブル錠が崩壊した際に生じる口腔内での粘着感を低下させ、良好な咀嚼感が得られることによって、風味のマスキング効果が発揮される。
本発明のチュアブル錠用組成物は、S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母と、糖アルコールと、結晶セルロースと、を含むチュアブル錠用組成物である。
また、本発明のチュアブル錠は、上述したチュアブル錠用組成物を含有するチュアブル錠である。
糖アルコールを含有するチュアブル錠用組成物に結晶セルロースを組み合わせることによって、結晶セルロースの上述した風味のマスキング効果により、糖アルコールの風味改善効果が更に高まり、S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母の独特な風味が緩和され、風味が良好なチュアブル錠が得られると推測される。ただし、本発明はこの推測に拘束されない。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
[チュアブル錠用組成物]
本発明のチュアブル錠用組成物は、S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母と、糖アルコールと、結晶セルロースと、を含み、必要に応じて他の成分を含む。
<S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母>
S−アデノシル−L−メチオニン(SAMe)を含有する酵母(以下、SAMe含有酵母と称する場合がある。)は、SAMeを菌体内で産生する酵母であれば特に制限はない。例えば、SAMeを乾燥質量あたり1質量%以上含有する酵母であることが好ましく、SAMeを乾燥質量当たり5質量%以上含有する酵母であることがより好ましく、SAMeを乾燥質量当たり10質量%以上含有する酵母であることが更に好ましい。
SAMe含有酵母の由来としては、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、
キャンディダ(Candida)属、ピキア(Pichia)属等に属する酵母が挙げられ、サッカロマ
イセス属に属する酵母が好ましい。具体的な例としては、清酒酵母、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母等の微生物が挙げられる。さらに好ましくは、サッカロマイセス・セルビシエ(Saccharomycescerevisiae) K−6株(清酒酵母協会6号)が挙げられる。サッカロマイセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae) K−6株は独立行政法人製品評
価技術基盤機構よりNBRC2346株として入手可能である。
SAMe含有酵母としては、上述した酵母の野生株であってもよく、変異改良された変異株であってもよい。変異株は、UV照射、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)、エチルメタンスルフォネート(EMS)等の薬剤による処理といった当業者に周知の方法で取得することができる。更に、遺伝子組換え等の方法を用いて、SAMeを高生産するように作製された形質転換微生物を用いてもよい。
SAMe含有酵母は、菌体内に高濃度にSAMeを産生蓄積させた後、培養液より遠心分離等の分離手段で酵母菌体を分離し、得られた酵母菌体濃縮物にシクロデキストリン類を添加した後、乾燥させることにより得られたシクロデキストリン類包摂SAMe含有酵母であることが、SAMeを効率よく摂取できる観点から好ましい。シクロデキストリン類包摂SAMe含有酵母としては、特許第4479932号に開示されているものが挙げられる。シクロデキストリン類包摂SAMe含有酵母は、市販品としても入手可能であり、例えば、三菱ガス化学株式会社製の、「SAMe含有乾燥酵母」が挙げられる。
SAMe含有酵母は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
チュアブル錠用組成物におけるSAMe含有酵母の含有率は、SAMe含有酵母中のSAMe含有率によって調整可能であり、SAMe含有酵母の種々の機能性の発揮、例えば、関節痛緩和への有効性と良好な風味の観点から、組成物全質量の0.8質量%〜20質量%であることが好ましく、1.0質量%〜15質量であることがより好ましく、1.2質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
<糖アルコール>
チュアブル錠用組成物における糖アルコールは、甘味料としての機能を有するものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等の単糖アルコール類;マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、還元イソマルツロース(還元パラチノース[登録商標、以下、省略])等の二糖アルコール類;マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類;オリゴ糖アルコール等の四糖以上の糖アルコール類;還元水飴、粉末還元麦芽糖水飴等の糖アルコールなどが挙げられる。
なかでも、吸熱性が高い糖アルコールが風味改善の点で好ましい。吸熱性の高い糖アルコールとしては、具体的には、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、還元水飴及びラクチトールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール及び還元パラチノースからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。吸熱性は、溶解時に熱を奪う指標である溶解熱により評価することができる。
糖アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
チュアブル錠用組成物における糖アルコールの含有率は、風味改善効果と甘味効果の点で、組成物全質量の5質量%〜20質量%であることが好ましく、6質量%〜15質量%であることがより好ましく、8質量%〜12質量%であることが更に好ましい。
<結晶セルロース>
結晶セルロースは、天然セルロースを鉱酸で加水分解して結晶部分を主成分とした成分である。結晶セルロースによる風味のマスキング効果により、SAMe含有酵母を含む本発明のチュアブル錠用組成物で得られるチュアブル錠は服用しやすくなる。結晶セルロースの風味のマスキング効果は、結晶セルロースの平均粒子径及び嵩密度の少なくとも一方を調節することで向上させることができる。
風味のマスキング効果と、チュアブル錠の成形性の観点から、結晶セルロースの平均粒子径は、20μm〜100μmであることが好ましく、30μm〜80μmであることがより好ましく、40μm〜60μmであることが更に好ましい。結晶セルロースの平均粒子径は、ロータップ法で測定した値とするが、市販品の場合にはカタログに記載された値としてもよい。
風味のマスキング効果と、チュアブル錠の成形性の観点から、結晶セルロースの嵩密度は、0.1g/cm〜0.45g/cmであることが好ましく、0.12g/cm〜0.41g/cmであることがより好ましく、0.12g/cm〜0.30g/cmであることがさらに好ましい。なお、結晶セルロースの嵩密度は、第16改正日本薬局方の「結晶セルロース」の嵩密度測定仕様のスコットボリュームメーター(筒井理化学器械(株)社製)で測定することができる。また、市販品の場合には、カタログに記載された値としてもよい。
また、風味のマスキング効果とチュアブル錠の成形性の観点から、結晶セルロースは、20μm〜100μmの平均粒子径と、0.1g/cm〜0.45g/cmの嵩密度とを有することが好ましく、30μm〜80μmの平均粒子径と、0.12g/cm〜0.41g/cmの嵩密度とを有することがより好ましく、40μm〜60μmの平均粒子径と、0.12g/cm〜0.30g/cmの嵩密度とを有することが更に好ましい。
結晶セルロースは、特開平11−152233号公報に記載の方法に準じて作成することができ、また、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、セオラスST−100、セオラスFD−101、セオラスFD−F20、セオラスUF−F702、セオラスFD−301(商品名、何れも旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
結晶セルロースは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結晶セルロースのチュアブル錠用組成物における含有率は、風味のマスキング効果と、チュアブル錠の成形性及び破壊強度との観点から、チュアブル錠用組成物の全質量に対して、3質量%〜25質量%であることが好ましく、6質量%〜20質量%であることがより好ましく、8質量%〜16質量%であることが更に好ましい。
チュアブル錠における風味改善効果の観点から、結晶セルロース及び糖アルコールの合計の含有量は、チュアブル錠用組成物の全質量に対して、10質量%〜50質量%であることが好ましく、15質量%〜35質量%であることがより好ましく、20質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
チュアブル錠における風味改善効果の観点から、結晶セルロースと糖アルコールとの含有量の比は、結晶セルロース/糖アルコール(質量比)として、0.2〜3.0であることが好ましく、0.6〜2.0であることがより好ましく、0.9〜1.7であることが更に好ましい。
チュアブル錠における風味改善効果の観点から、結晶セルロース及び糖アルコールの合計の含有量は、SAMe含有酵母の含有量に対して、結晶セルロース及び糖アルコール/SAMe含有酵母の量比(質量比)として、1.0〜40.0であることが好ましく、4.0〜30.0であることがより好ましく、10.0〜20.0であることが更に好ましい。
<コラーゲンペプチド>
本発明のチュアブル錠用組成物は、さらに平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを含有することができる。平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドは、所謂、低分子量コラーゲンと称されることもあるコラーゲンペプチドであり、種々の機能性、例えば、関節痛緩和効果があると考えられている。一方で、平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドは、ゼラチン様の不快臭又はコラーゲン独特の苦味を有するため、チュアブル錠に配合しても風味の点で飲みにくい傾向があった。本発明に含まれる糖アルコールと結晶セルロースとの組み合わせによる風味改善効果は、平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを更に併用しても充分に発揮される。
コラーゲンペプチドは、平均分子量1500以下の低分子量コラーゲンペプチドであることが、チュアブル錠としての食感とコラーゲンペプチドの高配合の点で好ましい。コラーゲンペプチドの平均分子量は、チュアブル錠としての良好な食感の観点から、1300以下であることがより好ましい。またコラーゲンペプチドの平均分子量は、風味の観点又は加熱処理を行うにあたっての栄養成分保護の観点で300以上であることが好ましく、400以上であることが更に好ましい。
コラーゲンペプチドの平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて確認できる。即ち、GPCで平均分子量を求めるには、あらかじめ分子量が既知で異なる高分子:ポリエチレングリコール(PEG)数種を同条件で測定して得られたリテンションタイムと分子量の関係の検量線を元に算出すればよい。本発明における平均分子量とは、この手法に従ってPEG換算で算出した重量平均分子量を指す。
コラーゲンペプチドは、ゼラチンを酵素又は酸で加水分解して得られたものであり、グリシンを多く含むタンパク質であり、市販品としても入手可能である。コラーゲンとしては、哺乳類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、魚類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであっても、特に限定されるものではない。商品イメージ又は安全性等の観点から、魚類由来のコラーゲンであることが好ましい。魚類由来のコラーゲンの原料としては、海水魚であっても淡水魚であってもよく、マグロ(キハダ)、サメ、タラ、ヒラメ、カレイ、タイ、テラピア、サケ等の皮が挙げられる。哺乳類由来のコラーゲンの原料としては、ブタ、牛などが挙げられる。いずれのコラーゲンペプチドも用途に応じて適宜選択可能であり、例えば、関節痛の緩和の観点から、I型コラーゲンペプチド及びII型コラーゲンペプチドの少なくとも一方であることが好ましい。
また、コラーゲンペプチドを構成するアミノ酸組成及びアミノ酸数については、例えば、アミノ酸を3残基(ペプチド結合2個)有するコラーゲントリペプチドなど、ペプチド結合を2個〜6個有するオリゴペプチドが挙げられる。
コラーゲンペプチドは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コラーゲンペプチドのチュアブル錠用組成物における含有率は、コラーゲンペプチドの種々の機能性、例えば、関節痛の緩和効果と風味の観点から、チュアブル錠用組成物の全質量の20質量%〜50質量%であることが好ましく、25質量%〜40質量%であることがより好ましく、25質量%〜35質量%であることが更に好ましい。
チュアブル錠における風味改善効果の観点から、コラーゲンペプチドの含有量と、結晶セルロース及び糖アルコールの合計の含有量とは、結晶セルロース及び糖アルコール/コラーゲンペプチドの量比(質量比)として、0.3〜1.5であることが好ましく、0.5〜1.2であることがより好ましく、0.8〜1.0であることが更に好ましい。
<アミノ基を有する糖類>
本発明のチュアブル錠用組成物は、さらにアミノ基を有する糖類を含むことができる。アミノ基を有する糖類としては、種々の生理活性を有するものが多く含まれている。
本発明のアミノ基を有する糖類は、風味改善効果を邪魔することなく生理活性を発現するには、無味又は僅かな味を有するものが好適であり、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等及びこれらの塩、コンドロイチン、キチン、キトサン等の多糖類、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、グルコサミン等の単糖類が挙げられる。アミノ基を有する糖類は、本発明のチュアブル用組成物に配合することで、例えば関節痛の緩和効果が期待される。なかでも、アミノ基を有する糖類は、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸並びにこれらの塩と、N−アセチルグルコサミンとからなる群より選択される少なくとも1種であることが、関節痛緩和効果等の観点から好ましい。
アミノ基を有する糖類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ基を有する糖類のチュアブル錠用組成物における含有率は、特に制限はないが、例えば、関節痛緩和効果の観点から、チュアブル錠用組成物の全質量の10質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることがより好ましく、30質量%〜40質量%であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明のチュアブル錠用組成物は、その他の成分を含有することができる。
このような他の成分としては、例えば、多孔質の二酸化ケイ素を挙げることができる。二酸化ケイ素の含有率としては、錠剤への唾液の浸透性を向上させ、錠剤の崩壊速度を増加する観点から、チュアブル錠用組成物全質量に対して0.6質量%以上含有させることが好ましい。0.6質量%以上であれば、初期の崩壊性が充分である。
他の成分として、前述の糖アルコール以外の甘味料を挙げることができる。甘味料としては、不要な反応を生じないという観点、及び少量で十分なマスキングが行える観点で、人工甘味料を使用することが好ましい。このような甘味料としては、例えば先味のマスキングとしてアセスルファムカリウム、中間領域のマスキングとしてスクラロース、後味のマスキングとしてネオテーム等が好ましく使用できる。糖アルコール以外の甘味料の含有率については、特に制限はなく、例えば、組成物の全質量の0.03質量%〜0.2質量%とすることができる。
本発明のチュアブル錠用組成物は、賦形剤を更に含有することができる。賦形剤としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩;ペクチン、アルギン酸ナトリウム等の増粘多糖類;デンプンにエステル化、エーテル化処理、末端還元処理を施したデンプン誘導体;その他に加工澱粉、寒天、ポリビニルアルコール、デキストリンなどが挙げられる。この中でも、溶解性の面から単糖、多糖類、無機塩が好ましく、吸湿性、粒子形成性の観点から、デキストリン、無機塩が更に好ましい。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
更に、本発明のチュアブル錠用組成物は、バインダーを含有することができる。バインダーとしては、特に制限はないが、所望の粒子径、粒子径分布の顆粒を得る観点から、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等の糖類及び、グアーガム、プルラン、アラビアガム等の増粘多糖類等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、平均分子量が大きく還元性をほとんど示さないグアーガム、プルラン、アラビアガム又はこれら1つ以上の組み合わせを使用することができる。
香料としては特に制限はないが、ピーチ香料、ミルク香料、抹茶香料又はコーヒー香料などを挙げることができる。これらは単独で又は2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
このほか、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば、滑沢剤、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香辛料抽出物等が添加されてもよい。また機能性成分としてアガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)も、チュアブル錠の風味に影響を及ぼさない関節痛改善などの生理活性を有するものとして、本発明のチュアブル錠用組成物に好ましく含まれる。
これらの成分は、単独で又は2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
[チュアブル錠]
本発明のチュアブル錠は、上述したチュアブル錠用組成物を含有するものである。本発明のチュアブル錠は、SAMe含有酵母と、糖アルコール及び結晶セルロースとを組み合わせたチュアブル錠用組成物を含有するので、SAMe含有酵母による機能性を備え、かつ、良好な風味を有する。この結果、本発明のチュアブル錠は、食品として飲みやすく、長期にわたり摂取可能である。
チュアブル錠は、チュアブル錠用組成物から造粒物を得る造粒工程を含む製造方法により得ることができる。造粒工程における造粒方法及び造粒条件は、チュアブル錠の製造方法として通常適用される造粒方法及び造粒条件を適用することができる。なお、本発明において造粒とは、粉末状の原料組成物としてのチュアブル錠用組成物が混合して互いに結合して、所定の大きさ及び形状の粒状物(顆粒)となることを意味する。得られた造粒物としては、チュアブル錠用組成物(原料組成物)中での大きさ及び形状と異なる大きさ又は形状であればよい。
チュアブル錠の製造方法における造粒工程は、チュアブル錠を所望の形状及びサイズに粒子化させ易い点から、チュアブル錠用組成物を、70℃〜100℃の温度条件下で造粒することを含むことが好ましい。
所望の粒子化をいっそう達成しやすくするという観点から、造粒の温度は、75℃〜95℃であることが好ましく、80℃〜90℃であることがより好ましい。
造粒の時間は、所望の形状に顆粒化するために一般に、0.01時間〜3時間とし、風味改善及び副生成物発生抑制等の観点から、0.1時間〜2時間以内であることが好ましく、0.2時間〜1時間であることが好ましく、0.3時間〜1.0時間であることがより好ましい。
造粒は、チュアブル錠用組成物(粉体)又はその一部を混合して、得られた混合物を上述した温度条件下で加熱し、乾燥することにより行われる。造粒方法としては、撹拌造粒、押出し造粒、流動層造粒等を挙げることができるが、生産性の観点から流動層造粒であることが好ましい。加熱手段としては、原料組成物が上記温度条件となるように装置内部を加熱できる手段であれば特に制限はない。
造粒では、バインダーを含有するバインダー液を使用することが好ましい。バインダー液は、粉末状の原料組成物に噴霧により付着させることが好ましい。バインダーとしては上述した成分を挙げることができる。バインダー液を構成するための溶媒としては、水性溶媒であればよく、水、エタノール等を挙げることができる。バインダー液におけるバインダーの含有量は、一般に0.1質量%〜1質量%が好ましく適用できる。
造粒時に用いられるバインダー液は、所望の形状及び造粒効率の観点から、原料組成物100質量部に対して10質量部〜20質量部であることが好ましい。
乾燥は、噴霧終了後、至適水分含量となるまで行う。この場合の水分含量としては、後述する最終チュアブル錠の水分含量と必ずしも同一である必要はなく、乾燥工程後の製造工程の有無及びその種類に基づいて設定することができる。
乾燥工程後の造粒物における水分含量は、一般に2質量%〜4質量%であり、打錠まで、又はその後の製品形態への包装工程までの間に吸湿することが一般的である。チュアブル錠の食感を維持する観点から造粒終了時の水分量はより低めの、2質量%〜3質量%としておくことが好ましい。
乾燥条件としては、至適水分含量となるために通常用いられる条件であればよく、例えば、乾燥時間としては0.01時間〜2時間、造粒後の顆粒の再崩壊防止の観点から好ましくは0.02時間〜1時間が適用される。
これら一連の造粒工程で得られた造粒物の大きさについては、一般に、造粒物の投影面積の最大径として100μm〜1000μmの粒状物であり、好ましくは150μm〜500μmの最大径を有する粒状物であるが、本発明では特に制限されない。
本発明では、造粒工程によって得られた造粒物を、その後、所望の形状に成型するため打錠することが好ましい。これにより所望の大きさ及び形状のチュアブル錠に成型することができる。なお、造粒工程と打錠工程とは必ずしも明確に区別されていなくてよく、連続的に行うものであってもよい。打錠方法としては、この目的で一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限はない。また、打錠は、圧縮造粒のように、上述した造粒と一体的に行ってもよい。打錠時の温度としては、造粒後に別工程として行う場合には特に制限はなく、例えば20℃〜40℃のような通常の条件に従って行えばよい。
また打錠の際には、造粒工程で添加されなかった原料組成物の残りがあれば、この残りの原料組成物を添加してもよい。
造粒後に添加が好ましい原料組成物としては、造粒中の成分変化を防止する観点からSAMe含有酵母、造粒中の香りの劣化を防止する観点から香料、又は、錠剤の打錠成型時に必要な原料である滑沢剤等が挙げられる。
チュアブル錠の製造方法では、必要に応じて更に他の工程を含んでもよい。
得られるチュアブル錠の形状としては、球状、ラグビー型、円盤状など、特に制限はない。口溶け感、飲み込み易さ等の観点から、最大径が10mm以下、好ましくは9mm以下の大きさであること、又は円盤状の形状であることが好ましく、これらの大きさと形状の組み合わせであることがより好ましい。また、平板状の形状である場合には、例えば6mm以下、好ましくは5.3mm以下の厚みとすることができる。
得られるチュアブル錠の硬度は、特に制限はないが、噛み易さ、口溶け、輸送安定性などの観点から、錠剤破壊強度測定器による測定で25N以上110N以下であることが好ましく、35N以上100N以下であることがより好ましく、45N以上90N以下が最も好ましい。錠剤の硬度は、造粒後の粉末を打錠する際の打錠圧を調節することによって適宜調整可能である。
得られるチュアブル錠の水分含有率は、特に制限はないが、噛み易さ、口溶けなどの観点から、絶乾法による測定で5質量%以下であることが好ましく、2質量%以上4質量%以下であることがより好ましい。本発明における絶乾法とは、測定対象となるサンプルを密閉容器に採取し、密栓して合計質量を測定し、その後、開栓してサンプルの入った容器を乾燥機に入れ、105℃で4時間乾燥させた後、乾燥機から取り出し、直ちに密栓して室温まで冷却して、再度密栓して合計質量を測定し、この乾燥前後の質量変化により示された値とする。錠剤の水分含有率は、原料粉末を造粒後の乾燥温度、時間、粉末及び錠剤取り扱い時の湿度環境等を制御することによって適宜調整可能である。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明はそれらに何ら限定されない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
[実施例1]
原料組成物として、下記粉末成分Iを、流動層造粒機(フローコーター、フロイント産業社製)に入れ、熱風温度85℃で加熱混合しながら、50分間にわたり、100質量部の粉末成分Iに対して、グアーガム0.3質量%のバインダー液を15.4質量部噴霧し、造粒した(造粒物の大きさ:150μm〜500μmの粒子が全粒子の94質量%)。その後、熱風温度85℃で、水分が2.5質量%になるまで、乾燥を行った。
得られた造粒物を常温に戻し、下記粉末成分IIを更に混合し、得られた混合粉体をロータリー式打錠機にて、打錠し、質量300mg、直径9mmの円盤状のチュアブル錠としての錠剤を得た。
(粉末成分I)
ソルビトール 10.76質量%
還元パラチノース 0.47質量%
デキストリン 26.08質量%
結晶セルロース 14.49質量%
(平均粒子径 50μm、嵩密度 0.29g/cm
微粒二酸化ケイ素 8.69質量%
アセスルファムK 0.05質量%
ネオテーム 0.0057質量%
スクラロース 0.08質量%
(粉末成分II)
SAMe含有酵母 21.73質量%
アガロオリゴ糖 0.14質量%
ミルク香料 8.69質量%
ステアリン酸カルシウム 8.69質量%

上記成分に含まれる水分 残量
計 100質量%
[実施例2〜19]
各成分を表1〜表2記載の配合率とした以外は実施例1と同様にして、チュアブル錠として錠剤を得た。なお、表1〜表2において、各成分の配合率は質量%を表す
[比較例1]
糖アルコールをショ糖に変え、各成分を表2記載の配合量とした以外は実施例1と同様にして、チュアブル錠として錠剤を得た。
[実施例20]
原料組成物として、下記粉末成分Iを、流動層造粒機(フローコーター、フロイント産業社製)に入れ、熱風温度85℃で加熱混合しながら、50分間にわたり、100質量部の粉末成分Iに対して、グアーガム0.3質量%のバインダー液15.4質量部噴霧し、造粒した(造粒物の大きさ:150〜500μmの粒子が全粒子の94質量%以上)。その後、熱風温度85℃で、水分が2.5質量%になるまで、乾燥を行った。
得られた造粒物を常温に戻し、下記粉末成分IIを更に混合し、得られた混合粉体をロータリー式打錠機にて、打錠し、質量300mg、直径9mmの円盤状のチュアブル錠としての錠剤を得た。
(粉末成分I)
I型コラーゲンペプチド(魚由来)
(平均分子量700) 26.67質量%
N−アセチルグルコサミン 33.45質量%
コンドロイチン硫酸塩 2.08質量%
II型コラーゲンペプチド 1.56質量%
ヒアルロン酸 0.07質量%
ソルビトール 9.90質量%
還元パラチノース 0.42質量%
マルチトール 1.6 質量%
結晶セルロース 13.08質量%
(平均粒子径 50μm、嵩密度 0.12g/cm
微粒二酸化ケイ素 1.0 質量%
アセスルファムK 0.02質量%
ネオテーム 0.0026質量%
スクラロース 0.04質量%
(粉末成分II)
SAMe含有酵母 1.5 質量%
アガロオリゴ糖 0.07質量%
ミルク香料 4.0 質量%
ステアリン酸カルシウム 2.0 質量%

上記成分に含まれる水分 残量
計 100質量%
[実施例21〜45]
各成分を表3〜表5記載の配合率とした以外は実施例1と同様にして、チュアブル錠として錠剤を得た。なお、表3〜表5において、各成分の配合率は質量%を表す
[比較例2]
結晶セルロースをデキストリンに変え、各成分を表5記載の配合率とした以外は実施例20と同様にして、チュアブル錠として錠剤を得た。
なお、表1〜表5中、SAMe含有酵母には、三菱ガス化学株式会社、「SAMe含有乾燥酵母」を用いた。SAMe含有酵母中のSAMe含有率は、乾燥質量あたり10質量%以上である。
I型コラーゲンペプチド(平均分子量700)には、マリンコラーゲン(商品名「NatiCol1000」、Weishardt International社)を、I型コラーゲンペプチド(平均分子量3000)には、「マリンマトリックス」(焼津水産化学工業株式会社)を、それぞれ用いた。
II型コラーゲンペプチド(平均分子量1200)及びコンドロイチン硫酸塩には、「SCP(NBC)」(株式会社マルハニチロ食品)を用いた。
結晶セルロースA〜Iは、以下のものを用いた。
結晶セルロースA:平均粒子径50μm、嵩密度0.1g/cm(作製品)
結晶セルロースB:平均粒子径50μm、嵩密度0.12g/cm(旭化成ケミカルズ株式会社、「セオラスST−100」)
結晶セルロースC:平均粒子径50μm、嵩密度0.29g/cm(旭化成ケミカルズ株式会社、「セオラスFD−101」)
結晶セルロースD:平均粒子径30μm、嵩密度0.24g/cm(作製品)
結晶セルロースE:平均粒子径80μm、嵩密度0.24g/cm(作製品)
結晶セルロースF:平均粒子径20μm、嵩密度0.23g/cm(旭化成ケミカルズ株式会社、「セオラスFD−F20」)
結晶セルロースG:平均粒子径90μm、嵩密度0.29g/cm(旭化成ケミカルズ株式会社、「セオラスUF−F702」)
結晶セルロースH:平均粒子径50μm、嵩密度0.41g/cm(旭化成ケミカルズ株式会社、「セオラスFD−301」)
結晶セルロースI:平均粒子径53μm、嵩密度0.46g/cm(作製品)
N−アセチルグルコサミンは、「マリンスウィート」(焼津水産化学工業株式会社製)を用いた。
<評価試験>
(1)チュアブル錠の風味及び食感評価
実施例1〜45及び比較例1〜2で得られた各錠剤を口内で崩壊させたときの風味又は食感について、被験者10人によって、以下の基準に従って評価した。結果を表1〜表5に示す。
i)風味:酵母又はコラーゲンの雑味を感じるか、食品として受け入れられるか20人にアンケートした。最も多い意見を評価結果とした。
A:酵母又はコラーゲンの雑味を全く感じず、充分受け容れられる。
B:酵母又はコラーゲンの雑味をわずかに感じるが、充分受け容れられる。
C:酵母又はコラーゲンの雑味を感じるが、食品として大きく気になるほどではない。
D:酵母又はコラーゲンの雑味を感じるが、普通の体調ならば受け容れられる。
E:酵母又はコラーゲンの雑味を感じる。不味くて全く受け容れられない。
なお、「B」は、甘みに起因した風味であることを示す。
ii)甘さ:甘味の受容性を20人にアンケートした。最も多い意見を評価結果とした。
1:不足
2:やや不足
3:適切
4:やや過多
5:過多
iii)咀嚼感:口腔内での粘着性を感じるか、食品として受け容れられるか20人にア
ンケートした。最も多い意見を評価結果とした。
A:口腔内での粘着性を全く感じず、充分受け容れられる。
B:口腔内での粘着性をわずかに感じるが、充分受け容れられる。
C:口腔内での粘着性を感じるが、食品として大きく気になるほどではない。
D:口腔内での粘着性を感じるが、受け容れられる範囲内。
E:口腔内での粘着性を感じる。口腔内又は歯にくっつき、不快で受け容れられない。
(2) チュアブル錠の錠剤特性
実施例1〜45及び比較例1〜2で得られた各錠剤の錠剤特性は、以下のように、成形性によって評価した。結果をそれぞれ表1〜表5に示す。
i)成形性(欠け又は割れの有無)
実施例1〜45及び比較例1〜2で得られた各錠剤の成形性は、打錠後の錠剤を20粒ステンレス製のビーカーに入れ、別の同じサイズのビーカーと開口部同士を合わせてビニールテープで目止めし、上下に20回振り、錠剤のカケ、割れの発生を評価した。従来の知見から製造工程上と製品輸送中の問題程度が判定できる評価方法である。
A:錠剤のカケ、割れがほとんど発生せず、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
B:錠剤のカケ、割れがわずかに発生するが、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
C:錠剤のカケ、割れが発生するが、製造工程上で破片を除去すれば良いレベルで、製品輸送中は問題ない範囲。
D:錠剤のカケ、割れがやや多く発生するが、製造工程上で破片を除去し、製品輸送中に配慮すれば許容可能な範囲にある。
E:錠剤のカケ、割れの発生頻度が高く、許容できない範囲。
ii)破壊強度(N)
実施例1〜45及び比較例1〜2で得られた各錠剤の硬度は、錠剤破壊強度測定器(富山産業株式会社製「TH−203MP」)を用いて測定したところ、いずれも25N〜110Nの範囲内であった。
iii)水分含有率
得られたチュアブル錠の水分含有率を105℃、4時間乾燥させて測定したところ、実施例1〜実施例45、比較例1〜比較例2のチュアブル錠は、いずれも2質量%以上4質量%以下の範囲内であった。
(3)機能性評価
実施例5、8及び21で得られた各錠剤について、膝関節痛を抱えた被験者に、それぞれ1日あたり5錠、1ヶ月間摂取してもらい、症状の改善に関してのヒアリングを行ったところ、関節痛緩和についても有効であった。
Figure 2015091762
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Figure 2015091762
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表1〜表5の結果から、糖アルコール及び結晶セルロースをSAMe含有酵母と組み合わせたチュアブル錠用組成物から得られた実施例1〜45のチュアブル錠では、雑味のない風味と良好な咀嚼感(口腔内での粘着性の低さ)が共に得られた。このことから、実施例1〜45のチュアブル錠は、良好な風味のチュアブル錠であり、継続して飲みやすいことがわかる。このような良好な風味は比較例1〜2のチュアブル錠では得られていない。
また実施例1〜45のチュアブル錠のうち、更に平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを含有させた実施例6〜44のチュアブル錠でも、良好な風味が維持されていることがわかる。
これらの結果から、本発明によれば、SAMeを含有し、かつ、風味が良好なチュアブル錠を得ることが可能なチュアブル錠用組成物及びチュアブル錠を提供することができる。

Claims (11)

  1. S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母と、
    糖アルコールと、
    結晶セルロースと、
    を含むチュアブル錠用組成物。
  2. さらに、平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを含む請求項1記載のチュアブル錠用組成物。
  3. 結晶セルロースが、20μm〜100μmの平均粒子径を有する請求項1又は請求項2記載のチュアブル錠用組成物。
  4. 結晶セルロースが、0.1g/cm〜0.45g/cmの嵩密度を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  5. 糖アルコールが、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、還元水飴及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  6. S−アデノシル−L−メチオニンを含有する酵母の含有率が、組成物の全質量の0.8質量%〜20質量%である請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  7. 糖アルコールの含有率が、組成物の全質量の5質量%〜20質量%である請求項1〜請求項6のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  8. 結晶セルロースの含有率が、組成物の全質量の3質量%〜25質量%である請求項1〜請求項7のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  9. さらに、アミノ基を有する糖類を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物。
  10. アミノ基を有する糖類が、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸並びにそれらの塩と、N−アセチルグルコサミンとからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項9記載のチュアブル錠用組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項記載のチュアブル錠用組成物を含有するチュアブル錠。
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