JP2015091695A - 一体型シートバック構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造に関連する生産コストを増大させないシートバック構造体を提供する。【解決手段】シートバック構造体24が、中央開口部28の周りに延びるウェブ26と、中央開口部28に隣接してウェブ26の内周の周りに延びる内側フランジ38を含む。シートバック構造体24はまた、ウェブ26の外周の周りに延びる外側フランジ40を含む。内側フランジ38と外側フランジ40とウェブ26とが、シートバック構造体24の周りに延びる溝形材を形成し、シートバック構造体24が単一の材料片から形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、車両シートに、より詳細には、一体(ワンピース)型シートバック構造体に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、「一体型シート構造体」という発明の名称で、2010年2月19日に出願された米国仮出願第61/306,277号の優先権及び利益を主張するものであり、上記仮出願は、その全体が参照により本明細書に含まれるものとする。
車両の座席は、通常、ドライバー又は乗員を支持するためにシートボトム及びシートバックを含む。ある座席構成においては、シートボトムとシートバックの両方が、堅固な構造体と、クッションと、ファブリックカバーとを有する構造組立品を含む。各構造組立品はまた、例えば、リクライニング機構及びヘッドレストサポートなどの様々な補助的な構造体を含み得る。構造組立品は、通常の車両運転時に乗客の重量を支持し、且つ、衝撃時にシートに伝達される負荷を管理するように構成される。
あるシートバック構造体は、金属成形部品から構成される。例えば、シートバック構造体は、各々が金属成形プロセスによって構成された、左サイドメンバーと、右サイドメンバーと、上部クロスメンバーと、下部クロスメンバーとを含むことができる。これらの部材は、完全なシートバック構造体を形成するために、例えば、ボルト連結又は溶接接続によって、互いに連結され得る。
残念なことに、各部材が異なる形状であるため、各部材を形成するのに多数の金型やプレスが使用され、それにより生産コストが増大する。また、部材を(例えば、ボルト締め、溶接等によって)互いに連結するプロセスは、必要とされる固定プロセス及び結合部形成プロセスによって、シートバック構造体の製造に関連するコストをさらに増大させる可能性がある。
本発明は、中央開口部の周りに延びるウェブと、中央開口部に隣接するウェブの内周の周りに延びる内側フランジと含むシートバック構造体に関する。シートバック構造体はまた、ウェブの外周の周りに延びる外側フランジを含む。内側フランジと外側フランジとウェブとが、シートバック構造体の周りに延びる溝形材を形成し、シートバック構造体が単一の材料片から形成される。
本発明はまた、左サイドメンバーと、右サイドメンバーと、上部クロスメンバーと、下部クロスメンバーとを有するウェブを含むシートバック構造体に関する。シートバック構造体はまた、左サイドメンバーと右サイドメンバーと上部クロスメンバーと下部クロスメンバーの内側に沿って延びる内側フランジを含む。シートバック構造体はさらに、左サイドメンバーと右サイドメンバーと上部クロスメンバーと下部クロスメンバーの外側に沿って延びる外側フランジを含む。内側フランジと外側フランジとウェブとが、シートバック構造体の周りに延びる溝形材を形成し、シートバック構造体が単一の材料片から形成される。
本発明はさらに、単一の材料片からシートバック構造体を形成することを含むシートバック構造体の製造方法に関する。シートバック構造体は、中央開口部の周囲に延びるウェブと、中央開口部に隣接してウェブの内周の周りに延びる内側フランジと、ウェブの外周の周りに延びる外側フランジとを含む。内側フランジと、外側フランジと、ウェブとが、シートバック構造体の周囲に延びる溝形材を形成する。
一体型シートバック構造体を使用することができるシートを含む、典型的な車両の斜視図である。 図1に示されたシートの斜視図である。 図2のシート内で使用することができる一体型シートバック構造体の一実施形態の背面斜視図である。 図3のシートバック構造体の正面斜視図である。 図4のシートバック構造体の線5−5に沿って切り取った断面図である。 図4のシートバック構造体の線5A−5Aに沿って切り取った断面図である。 図4のシートバック構造体の線5B−5Bに沿って切り取った断面図である。 リクライニング機構取り付け機構の実施形態の断面図である。 図6のリクライニング機構取り付け機構の正面図である。 リクライニング機構取り付け機構の代替的な実施形態の断面図である。 リクライニング機構取り付け機構の別の実施形態の断面図である。 リクライニング機構取り付け機構の更なる実施形態の正面図である。
図1は、一体型シートバック構造体を使用することができるシートを含む、典型的な車両の斜視図である。図示のように、車両10は、シート14を有する内部12を含む。以下に詳細に説明するように、シート14は、単一の材料片から形成されたシートバック構造体を含む。このような構成は、完全な構造体を形成するために互いに連結された複数の構成部分を含むシートバックに比べて、実質的にシートの製造コストを低減することができる。詳細には、異なる形状の複数の成形された構成部分(例えば、ブラケット、クロスメンバーなど)を有するシートバックは、各構成部分を形成するために、別個のダイ、又は別シリーズのダイを必要とする。理解されるように、製造コストは、各ダイの設計及び組み立てに関連する費用のために、ダイの数に比例して増加する可能性がある。これに対して、本実施形態は、シートバック構造体を単一片の材料(例えば、シートメタル)から形成するために、単一のダイ、又は単一シリーズのダイを使用する。また、シートバック構造体全体が単一のユニットとして形成されるので、個々の構成部分の接合に関連する人件費及び材料費を大幅に低減又は削減することができる。加えて、得られるシートバック構造体は、結合部の数の減少(すなわち、より少ない溶接継手、より少ないボルト連結など)によって、マルチコンポーネント構造体よりも軽くすることができる。その結果、一体型シートバック構造体は、複数の構成部分を連結することによって形成される従来の構造体よりも、軽いだけでなく、製造費を安くすることができる。
図2は、図1に示されるシート14の斜視図である。図示のように、シート14は、シートボトム16と、シートバック18とを含む。本実施形態において、シートボトム16とシートバック18は、堅固な構造体と、1つ以上のクッションと、布カバーとを含む。堅固な構造体は、通常の車両運転中及び車両衝撃(例えば、急加速又は急減速など)時に、乗員の体重を支える働きをする。また、シートボトム構造体は、シートボトム16を車両10の床に固定し、シートバック18用の取付面を提供する。以下に詳細に説明するように、シートバック構造体は、単一の材料片から形成することができ、それにより、複数の構成部分から形成される構造体に比べて製造コストを低減する。
図3は、図2のシート14内で使用することができる一体型シートバック構造体24の実施形態の背面斜視図である。図示のように、シートバック構造体24は、中央開口部28の周りに延びる、例えば図示された成形ウェブ26などのウェブを含む。図示の実施形態において、ウェブ26は、左サイドメンバー30と、右サイドメンバー32と、上部クロスメンバー34と、下部クロスメンバー36とを含み、実質的に矩形の構造体を形成する。シートバック構造体24はまた、中央開口部28に隣接するウェブ26の内周の周りに延びる内側フランジ38を含む。詳細には、内側フランジは、左サイドメンバー30と右サイドメンバー32と上部クロスメンバー34と下部クロスメンバー36の内側に沿って延びる。また、シートバック構造体24は、左サイドメンバー30と右サイドメンバー32と上部クロスメンバー34と下部クロスメンバー36の外側に沿って、ウェブ26の外周の周りに延びる外側フランジ40を含む。以下に詳細に説明するように、内側フランジ38と外側フランジ40とウェブ26とが、シートバック構造体24の周りに延びる溝形材を形成する。溝形材は、シートバック構造体24の強度を高め、それにより、ウェブの一部分の周りに延びるだけの内側フランジ又は外側フランジを有する構造体に比べて、より軽量且つ/又はより丈夫な構造体を提供する。溝形材はまた、シートバック構造体にクッションを取り付けるのに適した領域を提供する。
図示の実施形態において、左右のサイドメンバー30及び32から延びる外側フランジ40は、第1領域42と第2領域44とを含む。第2領域44は、ウェブ26に対してほぼ垂直方向に配向され、それにより、補助的な構成体の正確な取り付けを容易にするように構成された面を提供する。例えば、リクライニング機構は、下部クロスメンバー36に隣接して第2領域44に取り付けることができる。以下に詳細に説明するように、リクライニング機構は、外側フランジ40の第2領域44に様々な取り付け方法によって連結されることができ、それにより、シートバック構造体24がシートボトムシャーシに対して相対的にリクライニングすることを可能にする。これに対し、第2領域44の上方に位置する第1領域42は、ウェブから横方向外側に90度より大きい角度をなす。
シートバック構造体24はまた、重量を増加させずに構造体の構造的剛性を高めるように構成された様々なビードを含む。図示のように、ウェブ26の左サイドメンバー30と右サイドメンバー32は、実質的に垂直なビード46を含む。各サイドメンバーは図示の実施形態においては単一のビードを含むが、代替的な実施形態がより多くの又はより少ないビードを含み得ることを理解すべきである。例えば、各サイドメンバーは、シートバック構造体24の長手方向の剛性を高めるために、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のビードを含むことができる。また、ウェブ26の下部クロスメンバー36は、シートバック構造体24の横方向の剛性を増大させるように構成された水平なビード48を含む。下部クロスメンバー36は図示の実施形態においては単一のビードを含むが、代替的な実施形態がより多くの又はより少ないビードを含み得ることを理解すべきである。例えば、下部サイドメンバー36は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のビードを含むことができる。また、上部サイドメンバー34は、代替的な実施形態において1つ以上のビードを含むことができる。図示された実施形態はまた、左サイドメンバー30と外側フランジ40の間の境界面に沿って、及び、右サイドメンバー32と外側フランジ40の間の境界面に沿って、実質的に垂直なビード50を含む。理解されるように、各ビードの長さ、幅及び形状は、シートバック構造体24の所望の構造的剛性をもたらすように、個々に構成することができる。
図示のように、ウェブ26の上部クロスメンバー34から延びる内側フランジ38は、ヘッドレストガイド54を受け入れるように構成された2つの開口部52を含む。各ヘッドレストガイド54は、ヘッドレスト組立体のヘッドレストロッドを支持するように構成される。以下に詳細に説明するように、ブラケットがウェブ26に連結され、ヘッドレストガイド54を支持するように構成されることができる。このような構成において、上部クロスメンバー34は、ヘッドレストガイド54へのアクセスを容易にするように構成された開口部56を含み、それにより、オペレータ又は自動化システムがヘッドレストガイド54をブラケットに(例えば、溶接接続によって)連結することを可能にする。図示の実施形態においては2つのヘッドレストガイド54が含まれているが、より多くの又はより少ないヘッドレストガイド(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上)が代替的な実施形態において使用され得ることを理解すべきである。
図示の実施形態において、シートバック構造体24は単一の材料片から形成される。詳細には、シートバック構造体24の各特徴(例えば、ウェブ26、内側フランジ38、外側フランジ40、ビード46、48、50など)は、単一の成形作業又は一連の成形作業によって形成される。このように、構造体の構造に関連する製造コストは、完全なシートバック構造体を形成するのに互いに連結される複数の構成部分を使用する構成と比べて、大幅に低減されることができる。また、構成部分を互いに固定するために使用されるファスナー及び/又は溶接継手を不要にするので、図示された一体型シートバック構造体は、マルチコンポーネント構造体より大幅に軽くすることができる。
図4は、図3のシートバック構造体24の正面斜視図である。図示の実施形態において、ブラケット58が、ウェブ26の上部クロスメンバー34に(例えば、溶接接続、ファスナーなどによって)連結され、ヘッドレストガイド54を支持するように構成される。ある実施形態において1は、オペレータ又は自動化システムが、上部クロスメンバー34の前部にある開口部56を通してヘッドレストガイド54をブラケット58に溶接することができ、それによってガイド54をシートバック構造体24に固定する。代替的な実施形態において、ブラケット58は省略されることができ、ヘッドレストガイド54は、上部クロスメンバー34の内側及び外側フランジ38及び40に溶接されるか又は別の方法で連結されることができる。更なる実施形態において、ヘッドレストロッドを支持するように構成された通路が、上部クロスメンバー34内に押し出され、それによりブラケット58とヘッドレストガイド54が不要になる。
図示の実施形態はまた、ブラケット58の両側部に配置された補強要素60を含む。
補強要素60は、より大きな負荷を受ける可能性が高い領域において、シートバック構造体24の構造的剛性を高めるように構成される。理解されるように、補強部材60は、例えば、溶接接続、ファスナー又は接着剤接続によって、ウェブ26及び/又はブラケット58に連結されることができる。代わりに、補強要素60とブラケット58とが単一の材料片から形成されてもよい。ある実施形態において、ブラケット58及び/又は補強要素60は、成形工程中にシートバック構造体24から除去された材料から形成されることができる。例えば、シートバック構造体24は、材料(例えば、鋼、アルミ等)の連続シートから形成されることができる。このような実施形態において、中央開口部28を形成するために、シートの中央部から材料が除去されることができる。シートから除去された材料は、その後、ブラケット58、補強要素60及び/又はシートアセンブリの他の成分(例えば、ヘッドレストガイド54、リクライニング機構サポートなど)に形成されることができる。その結果、車両用シートに関連する材料費は、補助的な構成部分が追加の材料から形成される構成と比べて、大幅に低減されることができる。
図示の実施形態において、内側フランジ38は、フランジ38の一部分の周りに延びるリップ62を含む。詳細には、リップ62は、左サイドメンバー30と右サイドメンバー32と上部クロスメンバー34と下部クロスメンバー36とに隣接して形成される。リップ62は、大幅に重量を増加させることなく、シートバック構造体24に追加の構造的剛性を提供する。また、外側フランジ40は、左サイドメンバー30と右サイドメンバー32と上部クロスメンバー34と下部クロスメンバー36とに隣接して、フランジ40の一部分の周りに延びるリップ64を含む。内側リップ62と同様に、外側リップ64は、シートバック構造体24の剛性を高め、それにより、構造体が車両の衝撃(例えば、急激な加速又は減速)に関連する負荷に耐えることを可能にする。
ある実施形態において、シートバック構造体24は、テーラードブランクから形成されることができる。テーラードブランクは、所望の構造体特性を有するブランクを形成するために、互いに溶接された多層の鋼及び/又は他の材料(例えば、アルミニウムなど)を含む。例えば、ブランクのある領域は、構造的剛性を高めるために、(例えば、追加の材料層をブランクに溶接することによって)厚みを増すことができる。ブランクの他の領域は、複雑な形状の形成を容易にするために、より大きな延性及び/又は展性を有する材料を含むことができる。その結果、テーラードブランクが(例えば、スタンピング工程によって)所望の形状に形成されると、得られた構造体(例えば、シートバック構造体24)は、所望の強度及び構造的剛性を提供しつつ、複雑な幾何学的形状を含むことができる。
図5は、図4のシートバック構造体の線5−5に沿って切り取った断面図である。図示のように、内側フランジ38と外側フランジ40とウェブ32は、シートバック構造体24の周りに延びる溝形材66を形成する。前述のように、溝形材66は、シートバック構造体24の構造的剛性を高め、それにより、ウェブの一部分の周りに延びるだけの内側フランジ又は外側フランジを有する構造体に比べて、より軽量且つ/又はより丈夫な構造体を提供する。図示の実施形態において、内側フランジ38は、ウェブ26から角度68で横方向内側に配向されている。角度68は図示の実施形態において約90度であるが、より大きい角度又はより小さい角度が代替的な実施形態において使用され得ることを理解すべきである。また、外側フランジ40の第1領域42は、ウェブ26から角度70で横方向外側に90度より大きい角度で配向され、それによって垂直な外側フランジよりも堅固な構造体を提供する。理解されるように、角度68及び70は、所望の剛性及び/又は強度を提供するように個々に選択されることができる。同様に、ウェブ26の幅、インナーフランジ38の長さ及び/又は外側フランジ40の長さは、所望の構造体特性を有するシートバック構造体24を提供するように選択されることができる。
図5Aは、図4のシートバック構造体の線5A−5Aに沿って切り取った断面図である。図示のように、溝形材66の形状は、図5に示される溝形材66の形状と実質的に同様であり、それによってシートバック構造体24の構造的剛性を高める一貫した溝形形状を明確にする。また、図示された断面は、実質的に重量を増加させずに構造体24の剛性を高めるビード46及び50の形状を示す。図示された断面は、内側フランジ38に沿って形成されたリップ62と、外側フランジ40に沿って形成されたリップ64とを示す。前述のように、リップ62及び64は、リップに対して垂直な方向に沿って、シートバック構造体24の剛性を高める働きをする。リップ62及び64はまた、取り付けの際にシートバック構造体24を持つことを容易にし、且つ溝形材66内に装着されたクッションを支持する働きをする。
図5Bは、図4のシートバック構造体の線5B−5Bに沿って切り取った断面図である。図示のように、溝形材66の形状は、図5及び5Aに示す溝形材66の形状と実質的に同様であり、それによってシートバック構造体24の構造的剛性を高める一貫した溝形形状をさらに示す。また、フランジ38及び40は、様々な補助的な構造体、例えば、図4を参照して上述したヘッドレストガイド54などを支持する働きをする。さらに、リップ62及び64は、取り付けの際に構造体24を持つことを容易にし、且つ溝形材66内に装着されたクッションを支持するために、シートバック構造体24の剛性を高める働きをする。
図6は、リクライニング機構取り付け機構の実施形態の断面図である。図示のように、外側フランジ40の第2領域44(ウェブ26の左サイドメンバー30又は右サイドメンバー32から延びる)は、開口部72と、開口部72の周囲の周りに延びる嵌合面74とを含む。図示の実施形態では、開口部72は、嵌合面74がリクライニング機構の外周面と接するように、リクライニング機構76を受け入れるように構成される。以下に詳細に説明するように、嵌合面74は、リクライニング機構76を捕捉するために半径方向内向きの方向に圧縮可能である。開口部72と嵌合面74は、シートバック構造体24の他の機構と同じ材料片から形成されるので、図示したリクライナ取り付け機構は、支持構造要素を追加せずに形成することができる。その結果、一体型シートバック構造体24は、リクライニング機構に別個の取り付け機構を使用する構成よりも軽くし、製造費を安くすることができる。
図7は、図6のリクライニング機構取り付け機構の正面図である。図示のように、嵌合面74は延伸部78を含み、延伸部78は、延伸部78が圧縮されると嵌合面を半径方向内側に動かすように構成されている。詳細には、延伸部78に円周方向内向きの力を方向80に加えることにより、嵌合面74が半径方向内側に動かされ、それにより、リクライニング機構76が捕捉される。実施形態によっては、リクライニング機構76に加えられる機械的な力は、機構をシートバック構造体24に固定するのに十分な場合がある。或いは、リクライニング機構76は、嵌合面74が圧縮された後に、外側フランジ40に溶接されるか又は別の方法で固定されることができる。
図8は、リクライニング機構取り付け機構の代替的な実施形態の断面図である。図示のように、外側フランジ40の第2領域44(ウェブ26の左サイドメンバー30又は右サイドメンバー32から延びる)はキャビティ82を含み、キャビティ82はキャビティ82の周囲の周りに延びるリップ84を有する。図示の実施形態において、キャビティ82はリクライニング機構76を受け入れるように構成され、リップ84は機構76を捕捉するために半径方向内向きの方向に曲がるように構成されている。詳細には、リクライニング機構76を捕捉するために、機構76がキャビティ82内に挿入され、その後リップ84の先端部86が半径方向88において内向きに曲げられる。その結果、リクライニング機構76とリップ84の間の接触により、シートバック構造体24に対する機構76の半径方向及び軸方向の動きが妨げられる。また、リクライニング機構76は、シートバック構造体24をリクライニング機構76にさらに固定するために、リップ84の先端部86が半径方向内側に曲げられた後に、外側フランジ40に溶接されるか又は別の方法で固定されることができる。図示の実施形態において、リップ84はシートバック構造体24の他の機構と同じ材料片から形成される。しかし、別の実施形態は、外側フランジ40の第2領域44に溶接されるか又は別の方法で固定された、同様の取り付け機構を含むことができる。
更なる実施形態において、リップ84は、リクライニング機構の環状ばね又は他の構成部分を支持するように構成された追加の部分を含むことができる。例えば、リップ84の先端部86は、環状ばねの内面に接触し、それによってばねをリクライニング機構76に隣接して配置するように構成された軸方向延伸部を含んでもよい。リクライニング機構76と同様に、環状ばねは、外側フランジ40の第2領域44に溶接されるか又は別の方法で固定されることができる。環状ばねがリクライニング機構76に連結されると、ばねはシートバックを低い位置に向かって付勢する働きをする。
図9は、リクライニング機構取り付け機構の別の実施形態の断面図である。図示のように、外側フランジ40の第2領域44は、リクライニング機構76を外側フランジ40に固定するように構成された機械的なロック機構を含む。図示の実施形態において、外側フランジ40は、リクライニング機構76の対応する2つの突起94と相互作用するように構成された、2つの鍵穴ロック92を有する隆起した領域90を含む。この構成では、リクライニング機構76は、まず第一に突起94を受け入れるのに十分な大きさの外側フランジ40の開口部内に突起94を挿入することにより、シートバック構造体24に固定される。リクライニング機構76は、その後、突起94が鍵穴ロック92と係合するまで周方向に回転される。係合すると、突起94とロック92の間の接触により、リクライニング機構76が外側フランジ40に固定される。鍵穴ロック92はシートバック構造体24の他の機構と同じ材料片から形成されるため、図示のリクライナ取り付け機構は、支持構造要素を追加せずに形成されることができる。その結果、一体型シートバック構造体24は、リクライニング機構に別個の取り付け機構を使用する構成よりも軽くし、製造費を安くすることができる。
図示の突起94は実質的にL字形状であるが、他の形状(例えば、多角突起など)が代替的な実施形態において使用され得ることを理解すべきである。また、図示の実施形態において2つの突起94及び鍵穴ロック92が使用されているが、代替的な実施形態がより多くの又はより少ない突起94及びロック92を含み得ることを理解すべきである。例えば、ある実施形態は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の突起94と、対応する数の鍵穴ロック92を含むことができる。また、リクライニング機構76をシートバック構造体24にさらに固定するために、突起94が鍵穴ロック92に係合された後、リクライニング機構76が外側フランジ40に溶接されるか又は別の方法で固定され得ることを理解すべきである。
図10は、リクライニング機構取り付け機構の更なる実施形態の正面図である。図9を参照して上述した実施形態と同様に、外側フランジ40の第2領域44は、リクライニング機構を外側フランジ40に固定するように構成された機械的なロック機構を含む。図示の実施形態において、ロックナット96が、外側フランジ40の第2領域44内に(例えば、スタンピング工程によって)形成される。ロックナット96は、リクライニング機構から延びる突起に係合し、それによってリクライニング機構をシートバック構造体24に固定するように構成される。実施形態によっては、リクライニング機構76に加えられる機械的な力は、機構をシートバック構造体24に固定するのに十分な場合がある。或いは、突起がロックナット96と係合した後、リクライニング機構76は、外側フランジ40に溶接されるか又は別の方法で固定されることができる。ロックナット96はシートバック構造体24の他の機構と同じ材料片から形成されるので、図示のリクライナ取り付け機構は、支持構造要素を追加せずに形成されることができる。その結果、一体型シートバック構造体24は、リクライニング機構に別個の取り付け機構を使用する構成よりも、軽くし、製造費を安くすることができる。
本発明の特定の特徴及び実施形態のみを図示し、説明してきたが、当業者は、特許請求の範囲に記載された主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱せずに、多くの修正及び変更を思い付くであろう(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造体、形状及び割合の変更、パラメータの値(例えば、温度、圧力など)、取り付け方法、材料の使用、色、向きなど)。任意のプロセス又は方法のステップの順番又は順序を、代替的な実施形態に従って変更し、又は再度順序付けることができる。従って、特許請求の範囲は、本発明の真の主旨に含まれる全ての修正及び変更に及ぶよう意図されていることを理解すべきである。さらに、例示的な実施形態を簡潔に説明するために、実際の実施のすべての特徴が記載されていない場合がある(すなわち、本発明を実施するための現在考えられるベストモードに無関係なもの、又は請求項の発明を可能にするのに無関係なもの)。このような実際の実施の開発においては、どのようなエンジニアリング又は設計プロジェクトにおいても同様であるが、多数の実施特有の決定がなされ得ることを理解すべきである。このような開発努力は、手間がかかり、多大な時間を必要とするが、それでもなお、過度の実験なしで本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作及び製造の日常的な仕事であろう。

Claims (20)

  1. シートバック構造体であって、
    中央開口部の周りに延びるウェブと、
    前記中央開口部に隣接して前記ウェブの内周の周りに延びる内側フランジと、
    前記ウェブの外周の周りに延びる外側フランジと
    を備え、
    前記内側フランジと前記外側フランジと前記ウェブが前記シートバック構造体の周りに延びる溝形材を含み、
    前記シートバック構造体が単一の材料片から形成される、シートバック構造体。
  2. 前記外側フランジが、前記ウェブから90度より大きい角度で横方向外側に配向された第1部分を含む、請求項1に記載のシートバック構造体。
  3. 前記外側フランジが、前記シートバック構造体にリクライニング機構を取り付けることを容易にするために、前記ウェブにほぼ垂直に配向された第2部分を含む、請求項2に記載のシートバック構造体。
  4. 前記第2部分が開口部と前記開口部の周囲に延びる嵌合面とを備え、
    前記開口部が前記リクライニング機構を受け入れるように構成され、
    前記嵌合面が前記リクライニング機構を捕捉するために半径方向内向きの方向に圧縮可能である、請求項2に記載のシートバック構造体。
  5. 前記第2部分がキャビティを含み、前記キャビティが前記キャビティの周囲に延びるリップを有し、
    前記キャビティが前記リクライニング機構を受け入れるように構成され、
    前記リップが前記リクライニング機構を捕捉するために半径方向内向きの方向に曲がるように構成される、請求項2に記載のシートバック構造体。
  6. 前記第2部分が、前記リクライニング機構を前記外側フランジに固定するように構成された機械的なロック機構を備える、請求項2に記載のシートバック構造体。
  7. 前記内側フランジの少なくとも一部分に沿って延びる第1リップか、
    前記外側フランジの少なくとも一部分に沿って延びる第2リップか、又は、
    それらの組み合わせ
    を備える、請求項1に記載のシートバック構造体。
  8. 前記ウェブにある実質的に垂直なビードか、
    前記ウェブにある実質的に水平なビードか、
    前記ウェブと前記外側フランジの間の境界面に沿って実質的に垂直なビードか、又は、
    それらの組み合わせ
    を備え、
    各ビードが前記シートバック構造体を補強するように構成されている、請求項1に記載のシートバック構造体。
  9. ヘッドレストロッドを支持するように構成されたヘッドレストガイドを備え、
    前記内側フランジか、前記外側フランジか、又はそれらの組み合わせが、前記ヘッドレストガイドを受け入れるように構成された開口部を含む、請求項1に記載のシートバック構造体。
  10. 前記ウェブに連結され且つ前記ヘッドレストガイドを支持するように構成されたブラケットを備える、請求項9に記載のシートバック構造体。
  11. シートバック構造体であって、
    左サイドメンバーと、右サイドメンバーと、上部クロスメンバーと、下部クロスメンバーとを有するウェブと、
    前記左サイドメンバーと前記右サイドメンバーと前記上部クロスメンバーと前記下部クロスメンバーの内側に沿って延びる内側フランジと、
    前記左サイドメンバーと前記右サイドメンバーと前記上部クロスメンバーと前記下部クロスメンバーの外側に沿って延びる外側フランジと
    を備え、
    前記内側フランジと前記外側フランジと前記ウェブが前記シートバック構造体の周りに延びる溝形材を形成し、
    前記シートバック構造体が単一の材料片から形成される、シートバック構造体。
  12. 前記左サイドメンバー又は前記右サイドメンバーの前記外側フランジが、前記シートバック構造体にリクライニング機構を取り付けることを容易にするために、前記ウェブにほぼ垂直に配向された領域を含む、請求項11に記載のシートバック構造体。
  13. 前記ウェブの左サイドメンバーにある実質的に垂直なビードか、
    前記ウェブの右サイドメンバーにある実質的に垂直なビードか、
    前記ウェブの下部クロスメンバーにある実質的に水平なビードか、
    前記ウェブの左サイドメンバーと外側フランジの間の境界面に沿った実質的に垂直なビードか、
    前記ウェブの右サイドメンバーと外側フランジの間の境界面に沿った実質的に垂直なビードか、又は、
    それらの組み合わせ
    を備え、
    各ビードが前記シートバック構造体を補強するように構成される、請求項11に記載のシートバック構造体。
  14. ヘッドレストロッドを支持するように構成されたヘッドレストガイドを備え、
    前記上部クロスメンバーの前記内側フランジか、前記上部クロスメンバーの前記外側フランジか、又はそれらの組み合わせが、前記ヘッドレストガイドを受け入れるように構成された開口部を含む、請求項11のシートバック構造体。
  15. 前記左サイドメンバーと、前記右サイドメンバーと、前記上部クロスメンバーと、前記下部クロスメンバーの内側フランジに沿って延びる第1リップと、
    前記左サイドメンバーか、前記右サイドメンバーか、前記上部クロスメンバーか、前記下部クロスメンバーか、又はそれらの組み合わせの外側フランジに沿って延びる第2のリップと
    を備える、請求項11に記載のシートバック構造体。
  16. シートバック構造体を製造する方法であって、
    単一の材料片から前記シートバック構造体を形成することを含み、
    前記シートバック構造体が、
    中央開口部の周りに延びるウェブと、
    前記中央開口部に隣接して前記ウェブの内周の周りに延びる内側フランジと、
    前記ウェブの外周の周りに延びる外側フランジと
    を備え、
    前記内側フランジと前記外側フランジと前記ウェブが前記シートバック構造体の周りに延びる溝形材を形成する、方法。
  17. 前記シートバック構造体を形成することが、
    前記中央開口部を形成するために材料を除去することと、
    補強要素を形成するために前記材料を成形することと、
    前記シートバック構造体に前記補強要素を連結することと
    を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記シートバック構造体を形成するが、
    前記内側フランジの少なくとも一部分に沿ってリップを形成することか、
    前記外側フランジの少なくとも一部分に沿ってリップを形成することか、又は、
    それらの組み合わせ
    を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記シートバック構造体を形成することが、前記シートバック構造体にリクライニング機構を取り付けることを容易にするために、前記外側フランジの一部分を前記ウェブにほぼ垂直に配向することを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記シートバック構造体を形成することが、
    前記ウェブに実質的に水平なビードを形成することか、
    前記ウェブに実質的に垂直なビードを形成することか、
    前記ウェブと前記外側フランジの間の境界面に沿って実質的に垂直なビードを形成することか、又は、
    それらの組み合わせ
    を含み、
    各ビードが前記シートバック構造体を補強するように構成される、請求項16に記載の方法。
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