JP2015091152A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト増および消費電力の増大を招かずに、駆動軸の回転が規制された状態を維持する機能を有したモータを提供することを目的とする
【解決手段】軸方向に移動可能なロータ112と、ロータ112を回転させるためのステータコイルとを備え、ロータ112は、軸方向において上側ケーシング102に接触する第1の状態と、ステータコイル118にロータ112を回転させるための電流を供給した際にロータ112が上側ケーシング102から離間した状態で回転する第2の状態をとる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非駆動時にロータの動きが規制される機能を有するモータに関する。
例えば、自動車用のパワースライドドア(PSD)を電動で駆動する機構が知られている。この機構では、非駆動時にドアが利用者の意図に反して動かないようにするために、ドアの動きをロックする機能が必要とされる。この機能を実現する仕組みとして、電磁クラッチを用いたものが知られている。電磁クラッチについては、例えば特許文献1乃至3に記載されたものが知られている。
特許文献4には、電磁コイルを用いてロータを軸方向で動かすことで、第1軸と第2軸の駆動力の伝達のON/OFF、および駆動力を伝達しない状態において一方の軸の回転が行えないように規制する機構が記載されている。その他に非駆動時に駆動軸の回転を規制する仕組みとして、機械的なクラッチ機構をモータと別に用いる構成が知られている。
特開2009−121607号公報 特開2004−232811号公報 特開2005−307604号公報 特開2010−11532号公報
電磁クラッチを用いた機構は、モータとは別に電磁クラッチ、電磁クラッチ用の電源および制御回路が必要であり、部品点数が多くなり、また当該機構が占める容積が大きくなるという問題がある。パワースライドドアは、車体側面の狭い空間に配置されるものであり、また最近では、小型車にも採用されており、容積が大きくなることは好ましくない。また、部品点数が多くなることは、コストの点で好ましくない。また、電磁クラッチを別に用いる構成は、電磁クラッチを駆動するための電力を消費するので、消費電力が増大するという問題がある。
特許文献4に記載の技術は、モータを駆動するための電磁コイルとは別にロータを軸方向に移動させるための電磁コイルが必要であり、またそのための電源および制御系が必要となる。このため、電磁クラッチを用いる場合と同様な問題がある。
また、機械的なクラッチ機構をモータと別に用いる構成も、モータ以外の部品が多く必要であり、また駆動用以外の電力が必要になり、コスト増や消費電力の点で問題がある。
このような背景において、本発明は、コスト増および消費電力の増大を招かずに、駆動軸の回転が規制された状態を維持する機能を有したモータを提供することを目的とする
請求項1に記載の発明は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記ロータは、軸方向において他の部材に接触する第1の状態と、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給した際に当該電流により生じる電磁力により前記ロータが軸方向で動き前記他の部材から離間する第2の状態が可能なことを特徴とするモータである。
請求項1に記載の発明は、ロータを軸方向で移動可能とすることで、2つの状態をとることができる。第1の状態では、ロータを軸方向で移動させて他の部材(例えば、モータケーシングやモータケーシングに固定された部材)に接触させる。第1の状態では、ロータが他の部材に接触するので、ロータの回転が規制され、ロータが回転できない、あるいは回転に対する抵抗力が発生する状態となる。なお、軸方向というのは、ロータの回転軸の方向のことをいう。
ロータを他の部材に接触させるためにロータに加えられる力は、ロータを軸方向で動かす力であればよく、具体的には、弾性部材等を用いた付勢力、磁力、重力等を挙げることができる。
第1の状態において、ロータを回転させるための駆動電流をコイルに流すと、ロータを回転させようとする力が生じる。この際、ステータの極とロータの極とが正対する位置にロータを束縛しようとする電磁力が軸方向においてロータに作用する。この電磁力により、ロータは上記他の部材から離れ、自在に回転可能となって回転し、第2の状態となる。ここで、ステータの極というのは、ステータコア等のロータを回転させるための界磁の形成を行う部分のことをいう。ロータの極というのは、ロータコアやロータマグネット等のステータの極が生成する界磁の作用を受ける部分のことをいう。
第1の状態、つまりロータの回転が規制されている状態は、ロータと他の部材との接触により生じるので、その状態を維持するための電力は必要とされない。また、第1の状態を維持するために、駆動用とは別のコイルや複雑なブレーキ機構、更に別装置となる電磁クラッチ等を必要としない。
以下、上述したステータコアとロータコアとが正対する位置にロータを束縛しようとする電磁力が軸方向においてロータに作用する原理について説明する。まず、ロータの軸方向における位置には、最も効率よく回転が生じる位置がある。この位置は、ロータの極とステータの極とが径方向で正対する位置である、
例えば、一例としてインナーロータ型のブラシレスモータを考える。この場合、ロータコア(あるいはロータマグネット)とステータコアとが径方向で正対している状態(例えば、対向する面積が最大の状態)において、最も効率良く回転が生じる。そして、この状態からロータを徐々に軸方向でずらしてゆくと、徐々に回転の効率が低下する。ここで、回転が最も効果的に行われる状態では、ロータとステータとの間に形成される磁路が最も短くなる。これは、磁路が短くなるにつれて、回転に寄与しない発散する磁束が減り、また磁気抵抗が減少するからである。
さて、2つの系の間が磁場を介して相互作用する場合、この2つの系の間の磁路がより短くなるようにこの2つの系の間に力が働く。これは磁力が生じる基本原理であるが、例えば、ブラシレスモータにおけるステータとロータの間にも同様な原理が作用する。ただ、この場合、単なる磁力ではなく、ステータ側の磁極は、コイルを用いているので、磁路が最短になるように、電磁力(電気磁気的な相互作用により生じる力)がロータとステータとの間に働く。
すなわち、ブラシレスモータにおいて、ステータコアとロータコアが正対する位置から軸方向でずれている場合、ステータのコイルに通電し、ロータを回転させようとすると、より磁路が短くなる位置関係である両者が正対する状態となるように、ロータをステータに対して軸方向で動かそうとする電磁力が生じる。つまり、ロータを回転させようとする力以外に、ステータコアに対して、ロータコアを径方向において正対する位置に束縛しようとする電磁力が生じる。ここで、ロータが軸方向で移動可能であると、ロータコアとステータコアとが径方向において正対するように、上記の電磁力によりロータが軸方向で動く。この軸方向で作用する電磁力を利用して、請求項1に記載の発明における第1の状態から第2の状態への遷移が生じる。
上記の説明では、ブラシレスモータを例に挙げて説明したが、上述したステータの極がロータの極を径方向において互いに正対する位置となるように、ロータが束縛される電磁力は、原理的にどのような形式のモータであっても発生する。なお、第1の状態において、コイルに微弱なアイドリング電流等が流れていてもよい。
請求項1に記載の発明が適用可能なモータの形態として、ブラシレスモータ以外にブラシモータが挙げられる。また、請求項1に記載の発明が適用されるモータの形態は、インナーロータ型であってもよいし、アウターロータ型であってもよい。また、ロータに磁極がない誘導モータの場合もステータの極とロータの極とは電磁的に相互作用を及ぼし合うので、両者が径方向においてより正対する位置関係になろうとする上述した電磁力が生じる。したがって、請求項1に記載の発明は、三相誘導モータ等の誘導モータに適用することもできる。
請求項1と同様の原理を用いた発明は、請求項2に記載の発明のように把握することもできる。すなわち、請求項2は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記ロータは、軸方向において他の部材に接触し回転が規制される第1の状態と、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給した際に当該電流により生じる電磁力により前記ロータが軸方向において前記他の部材から離間する向きに移動し、前記規制が弱くなるあるいは解除される第2の状態が可能なことを特徴とするモータである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記ロータと軸に垂直な方向で対向するステータを備え、前記第1の状態において、前記ロータの極と前記ステータの極とは軸方向においてずれた位置関係にあり、前記第2の状態において、前記ロータの極と前記ステータの極との軸方向におけるずれが前記第1の状態より小さくなることを特徴とする。
請求項1に係る説明で述べたように、本発明では、ロータの極とステータの極との軸方向における位置が正対する位置からずれている状態において、駆動用のコイルにロータを回転させるための電流を流すと、ロータの極をステータの極と正対する位置に移動させようとする電磁力がロータに働く。この電磁力により、上記のずれがより解消される軸位置にロータが移動する。すなわち、ステータの極とロータの極との軸方向における位置がずれている状態(第1の状態)において、駆動電流をコイルに流し、ロータを回転させようとすると、ロータを軸方向で移動させる電磁力が働き、軸方向における位置のずれがより小さい位置にロータが移動する。ここで、第2の状態において、ロータは、必ずしもステータと正対しなくてもよく、わずかなずれが残っていてもよい(勿論、ずれが解消してもよい)。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、軸方向において、前記ロータを前記他の部材の方向に移動させようとする付勢力が前記ロータに作用していることを特徴とする。請求項4に記載の発明において、付勢力は例えば付勢手段により与えられる。付勢手段は、ばね等の弾性体が挙げられるが、弾性的にロータを軸方向で押すことができる手段であれば利用できる。例えば、付勢手段として、空気圧、油圧、磁力等を用いることも可能である。また、特に付勢手段を設けず、重力等のロータに作用する力を付勢力として利用することも可能である。
請求項4に記載の発明によれば、第1の状態において、付勢力により、ロータが他の部材に押し付けられる。この際、ロータの極とステータの極との軸方向における位置にずれが生じた状態となり、また他の部材に接触することで、ロータの回転が規制される。そして、コイルに駆動電流を流し、ロータを回転させようとすると、軸方向におけるずれがより小さくなるように、ロータに電磁力が働き、ロータが他の部材から離れる方向に移動する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1の状態において、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給すると、前記ロータを前記他の部材から軸方向において引き離す電磁力が前記ロータに作用し、前記電磁力が前記付勢力よりも大きいことを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、ロータを回転させるための駆動電流をコイルに流すと、ロータが他の部材から離れる方向に動き、ロータの回転が可能となる。そして、駆動電流のコイルへの供給を停止すると、電磁力が消失し、付勢力により、ロータが他の部材の側に移動してそこに接触し、ロータの回転が規制される状態となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータは、永久磁石が内部に埋め込まれた埋め込み磁石型であることを特徴とする。埋め込み磁石型は、ロータとステータとの間で作用する電磁場の磁束密度が表面磁石型に比較して各段に大きい。このため、駆動時にロータを軸方向で束縛する電磁力は、表面磁石よりも埋め込み磁石型の方が強い。このため、埋め込み磁石型の方が、第1の状態と第2の状態の切り替えをより確実に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータは、リラクタンス型であることを特徴とする。ブラシレスモータのロータの常用形態として、表面磁石型(Surface Permanent Magnet Motor:SPM)、埋め込み磁石型(Interior Permanent Magnet Motor:IPM)、およびリラクタンス型がある。表面磁石型では、ロータとステータの間に永久磁石の強い吸引力が常に働いている。埋め込み磁石型では、コイルに通電することにより、ロータとステータとの軸方向に強い吸引力が生じる。リラクタンス型モータでは、永久磁石がないため、コイルに通電する時だけ、ロータとステータの間に軸方向吸引力が生じる。リラクタンス型は、ロータを回転される時だけ、ロータを軸方向で束縛する磁力を発生させるため、第1の状態と第2の状態の切り替えを確実に行える。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータの回転中心に固定されたシャフトと、前記ロータを軸方向で移動可能で、且つ、回転自在な状態で支持する軸受とを備えることを特徴とする。請求項8に記載の発明によれば、ロータが軸方向で移動した際に、シャフトもロータと一緒に移動する。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータに対して回転ができず、且つ、軸方向への移動が可能なシャフトが前記ロータの回転中心に配置されていることを特徴とする。請求項8に記載の発明によれば、シャフトは、ロータと共に回転し、また回転を停止するが、ロータが軸方向で移動した際には、シャフトはロータと一緒に移動せず、シャフトに対してロータが軸方向で移動する。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータと前記他の部材との接触は、噛み合い構造によるものであることを特徴とする。請求項10に記載の発明によれば、噛み合い構造により、ロータが回転しないように規制される。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発明において、前記ロータと前記他の部材との接触は、摩擦によるものであることを特徴とする。請求項11に記載の発明によれば、ロータが他の部材に接触した際、摩擦によりロータの回転が規制される。この場合、条件によっては、第1の状態において、外力によりロータを摩擦に逆らって強制的に回転させることが可能となる。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コイルが前記ロータに配置されており、前記コイルに接続され、前記ロータと共に回転する整流子と、前記整流子に接触するブラシ給電機構とを備えることを特徴とする。請求項12に記載の発明によれば、本発明を利用したブラシモータを得ることができる。
本発明によれば、コスト増および消費電力の増大を招かずに、駆動軸の回転が規制された状態を維持する機能を有したモータが提供される。
実施形態の側断面図(A)および(B)である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態の斜視図である。 実施形態のロータの斜視図(A)および(B)である。 実施形態のロータコアにおける埋め込まれた磁石の配置図である。 実施形態の側断面図(A)および(B)である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態のロータの斜視図(A)および(B)である。 実施形態のシャフト部分の斜視図(A)および(B)である。 実施形態のステータ側の斜視図である。 実施形態の側断面図(A)および(B)である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態の斜視分解図である。 実施形態のロータの斜視図(A)および(B)である。 実施形態の上側ケーシングの斜視図である。 実施形態の側断面図である。 実施形態の側断面図(A)および(B)である。 実施形態のロータの正面図である。
1.第1の実施形態
(構造)
図1には、本発明を利用したブラシレスモータ100が示されている。ブラシレスモータ100は、埋め込み磁石型(Interior Permanent Magnet Motor:IPM)の同期モータである。埋め込み磁石型の同期モータについては、例えば、モータ技術実用ハンドブック(日刊工業新聞社 2001年3月23日 諸般1冊発行)の500頁〜508頁に記載されている。
図1(A)には、駆動用の電流を供給していない状態が示され、図1(B)には、駆動用の電流を供給している状態が示されている。ブラシレスモータ100は、ケーシング101を有している。ケーシング101は、軸方向の長さが短く、軸方向の両端が蓋をされた略円筒形状を有している。ケーシング101は、上側ケーシング102と下側ケーシング103により構成されている。図2〜図4にも上側ケーシング102と下側ケーシング103が示されている。上側ケーシング102と下側ケーシング103とは、略有底筒状の形状を有し、互いの開放部分を向い合せに結合することで、ケーシング101が構成されている。
ケーシング101の軸中心には、軸受104,105により、回転軸となるシャフト106が軸方向に移動可能で、且つ、回転自在な状態で保持されている。ここでは、軸受104,105としてすべり軸受が用いられている。
シャフト106には、ロータコア107が固定されている。図2,図3および図5にもロータコア107が示されている。ロータコア107は、板状の軟磁性材料(この例では、電磁鋼鈑)を軸方向で複数積層した構造を有している。ロータコア107には、板状の磁石108が4枚埋め込まれている(図2、図3および図5参照)。図6には、4枚の板状の磁石108の極性設定の一例が示されている。
ロータコア107の積層構造は、リベット109によって固定されている。また、リベット109によって、ロータコア107の軸方向における端面に、回転抑制部材110が取り付けられている。回転抑制部材110は、略環状の形状を有し、また軸方向に突出した環状の凸部を有している。そして、この環状の凸部の頂部に環状に沿って設けられた歯列111(図3参照)が設けられている。歯列111は、軸方向において、上ケーシング102の側に設けられた歯列116(図2参照)と噛み合うことが可能な形状を有している。
ここで、ロータコア107,板状の磁石108,リベット109および歯列111を有した回転抑制部材110により、ロータ112が構成されている。すなわち、ロータ112の回転中心には、シャフト106が固定され、シャフト106が軸受104,105で回転自在に支持されることで、ロータ112が、ケーシング101に対して回転自在な状態で支持されている。また、ロータ112はシャフト106と共に、ケーシング101に対して、軸方向において動くことが可能になっている。
シャフト106には、リング部113が設けられている。リング部113の一方の面(図1における上面)にロータコア107を固定し、他方の面(図1における下面)は、すべり軸受114に滑ることが可能な状態で接触している。すべり軸受114は、シャフト106のリング部113がすべり軸受114に対して滑って回転することを許容する。また、すべり軸受114は、シャフト106に対して軸方向で滑ることが可能である。
すべり軸受け114は、フランジ114aを有している。フランジ114aの一方の面(図1における上面)は、シャフト106のリング部113に滑ることが可能な状態で接触している。すべり軸受け114のフランジ114aの他方の面(図1における下面)は、皿ばね115に接触している。皿ばね115は、フランジ114と下側ケーシング103の内面(底面)に接触し、すべり軸受114を介して、ロータ112とシャフト106を上側ケーシング102の方向に弾性的に押す付勢手段として機能する。
上側ケーシング103の内側(図1の内側上面)には、環状の歯列111に噛み合うことが可能な環状の歯列116(図2参照)が設けられおり、この環状の歯列116に向かって、皿ばね114によって、ロータ112が軸方向において弾性的に押されている。なお、皿ばね114の付勢力は、後述する駆動電流供給時にロータ112を図1の下の方向に引っ張る電磁力より相対的に弱くなるように設定されている。
ケーシング101の内側には、ステータコア117が固定されている。ステータコア117は、一般的なブラシレスモータにおけるものと同じものであり、環状の形状を有し、軸中心の方向に突出した複数の突極117a(図3参照)を有している。突極117aには、駆動コイルとなるステータコイル118が巻回されている。ステータコイル118に駆動電流が供給され、その極性が切り換えられることでロータ112が回転する。駆動の原理および駆動電流の切り替えタイミング等は、一般的な埋込磁石型のブラシレスモータの場合と同じである。
(停止状態)
まず、ステータコイル118にロータ112を回転させるための駆動電流を供給していない図1(A)状態を説明する。この状態において、ロータ112に作用する力は、皿ばね115からの付勢力のみである。そのため、すべり軸受114を介して、皿ばね115によって、ロータ112は、上側ケーシング102の方向に押され、ロータ112側の環状の歯列111がケーシング101の側の環状の歯列116に接触し、両者は噛み合う。すなわち、ロータ112が上側ケーシング102に軸方向で接触する。
この図1(A)の状態において、シャフト106を回転させようとしても、皿ばね115からの付勢力によって環状の歯列111と116とが噛み合っているので、ロータ112はケーシング101に対して回転できない。つまり、図1(A)の状態では、ロータ112(シャフト106)が回転できないようにブレーキが掛った状態となっている。
また、図1(A)の状態において、ロータコア107とステータコア117とは、径方向において正対せず、軸方向においてずれた位置関係となっている。すなわち、図1(A)の状態において、ロータコア107は、ステータコア117に対して、上側ケーシング102の方向に偏った位置にある。言い換えると、軸に垂直な方向(図1(A)の視点)から見て、ステータコア117からロータコア107が上側ケーシング102の方向に少し突出している。
(回転状態)
図1(A)の状態において、ステータコイル118にロータ112を回転させるための駆動電流を供給すると、図1(B)の状態に移行し、ロータ112が回転する。以下、この動作について詳細に説明する。まず、図1(A)の状態において、ステータコイル118にロータ112を回転させるための駆動電流を供給すると、ステータコア117とロータコア107との対向面積がより大きくなるようにステータコア117に対して軸方向の力(電磁力)が作用する。これは、ステータコア117とロータコア107との間に形成される磁場の磁気抵抗がより小さくなるように、ロータコア107に軸方向の力が作用する現象として理解できる。この力は、ステータコイル118に流れる駆動電流とロータコア107に埋め込まれた板状の磁石108との間で作用する電磁力によって生じる。
この例の場合、ロータ112は、軸方向においてケーシング101(つまり、ステータコア117)に対して動くことが可能な構造となっている。また、図1(A)の状態において、意図的にロータコア107の位置をステータコア117から軸方向でずれるように設定している。このため、図1(A)の状態において、ステータコイル118に駆動電流を流すと、ロータコア107とステータコア117の軸方向におけるずれが解消されるように軸方向における電磁力が生じる。ここで、皿ばね115のロータ112を押し上げる付勢力が、上記の電磁力よりも小さくなるように設定されているので、上記の電磁力が皿ばね115の付勢力に打ち勝ち、ロータ112が図1の下方に向かって移動する。
この際、環状の歯列116から歯列111が離れるので、歯列111と116の噛み合いが解除され、ロータ112が上側ケーシング102から分離し、ロータ112が回転できる状態となる。そして、ステータコイル118に供給される駆動電流によるロータ112の回転が生じる。この状態が図1(B)に示されている。
そして、図1(B)の状態において、ステータコイル118への駆動電流の供給を停止すると、皿ばね115の付勢力に打ち勝って、ロータコア107を図1の下の方向に引っ張っていた電磁力が消失する。その結果、皿ばね115の付勢力が支配的となり、図1(B)の状態からロータ112が図1の上の方向に動き、図1(A)の状態に移行する。すなわち、回転状態において、駆動電流の供給を止めると、環状の歯列111と116が噛み合い、ロータ112が回転できないようにブレーキが掛った停止状態となる。
以上述べたように、駆動電流をONにすると、ロータ112が回転できないようにブレーキが掛った状態から、ロータ112が軸方向に動くことで、当該ブレーキが外れ、ロータ112が回転を開始する。そして、駆動電流をONの状態からOFFにすると、ロータ112が皿ばねの力で軸方向に動き、環状の歯列111が環状の歯列116に噛み合って、ロータ112が回転しないようにブレーキが掛った状態になる。
(優位性)
本実施形態では、軸方向に移動可能なロータ112と、ロータ112を回転させるためのステータコイル118とを備え、ロータ112は、軸方向において上側ケーシング102に接触する第1の状態と、ステータコイル118にロータ112を回転させるための電流を供給した際にロータ112が上側ケーシング102から離間した状態で回転する第2の状態とをとることができる。
第2の状態では、ロータ112(シャフト106)が回転しないようにブレーキが掛った状態となるが、このブレーキが掛った状態を維持するための電力は必要とされない。また、従来のブラシレスモータに比較して部品の増加は僅かであり、電磁クラッチや複雑なブレーキ機構を必要としない。このためコスト増が抑えられる。また、従来のブラシレスモータに比較して、容積の増加は僅かである。
2.第2の実施形態
第2の実施形態は、本発明を利用したブラシレスモータにおいて、シャフトが軸方向に移動しない形態の例である。図7には、本発明を利用したブラシレスモータ200が示されている。ブラシレスモータ200は、埋め込み磁石型同期モータ(Interior Permanent MagnetMotor:IPM)である。
図7(A)には、ブラシレスモータ200に駆動用の電流を供給していない状態が示され、図7(B)には、ブラシレスモータ200に駆動用の電流を供給している状態が示されている。ブラシレスモータ200は、図1のブラシレスモータ100とステータの部分は同じ構造を有し、ロータおよびシャフトの部分の構造が図1のブラシレスモータ100と異なっている。
よって、以下の説明において、ステータの部分は、図1のブラシレスモータ100と同じ符号を付して説明している。ブラシレスモータ200は、ケーシング101を有している。ケーシング101は、軸方向の長さが短い円筒形状を有している。ケーシング101は、上側ケーシング102と下側ケーシング103により構成されている(図8および図9も参照)。上側ケーシング102と下側ケーシング103とは、略有底筒状の形状を有し、互いの開放部分を向い合せに結合することで、ケーシング101が構成されている。
ケーシング101の軸中心には、玉軸受201,202により、回転軸となるシャフト203が軸方向に移動不可能で、且つ、回転自在な状態で保持されている。なお、同様な機能が得られるのであれば、軸受は、玉軸受に限定されない。
図11に示すように、シャフト203には、軸方向に延長する複数の凸部(凸条)203aが設けられている。なお、図11には、シャフト203に後述するコイルばね206を取り付けた状態が示されている。凸部203aは、筒形状のスリーブ204の内側に係合している。すなわち、図8に示すように、スリーブ204の内側には、シャフト203の凸部203aが緩く嵌る(軸方向に移動な可能な状態で嵌る)軸方向に延長する溝204aが設けられている。シャフト203の外側にスリーブ204を被せると、凸部203aと溝204aとが軸方向において相対的に移動可能な状態で噛み合うので、シャフト203に対して、スリーブ204は回転することができず、且つ、軸方向には移動可能な状態となる。
スリーブ204の外側には、ロータコア107が固定されている。ロータコア107は、図1のロータコア107と同じものである。ロータコア107には、図1の場合と同様に4枚の板状の磁石108が埋め込まれ(図8参照)、更にリベット109によって回転抑制部材110が取り付けられている。回転抑制部材110は、略環状の形状を有し、環状に沿って設けられた歯列111を有している。歯列111は、軸方向において、ケーシング101の側に設けられた歯列116と噛み合うことが可能な形状を有している(図9参照)。
スリーブ204,ロータコア107,板状の磁石108,リベット109および歯列111を有した回転抑制部材110により、ロータ205が構成されている。ロータ205は、シャフトと共に回転し、またシャフト203に対して軸方向で移動が可能になっている。
スリーブ204における回転抑制部材110がある側と反対側の端部(図7(A)の下側の端部)内側には、内径が拡径され段部204b(図9も参照)が設けられている。この段部204bにコイルばね206の一方の端部が接触している。コイルばね206の他端は、シャフト203に固定されたリング207に接触している。シャフト203は、玉軸受201,202によってケーシング101に対して軸方向で動けず、回転が自在な状態で保持されている。この構造において、リング207はケーシング101に対して軸方向で動かない。このため、コイルばね206によって、スリーブ204は、上側ケーシング102の方向に弾性的に押された状態(付勢された状態)となっている。コイルばね206の付勢力は、駆動時にロータ205を軸方向に動かそうとする電磁力より弱くなる設定とされている。
ステータコイル118にロータ205を回転させるための駆動電流を流さない状態(非駆動状態)においては、コイルばね206の付勢力が優勢であり、コイルばね206によりスリーブ204が上側ケーシング102の方向に押される。ロータ205は、スリーブ204と一体であり、スリーブ204はシャフト203に対して軸方向に移動可能であるので、コイルばね206の付勢力によりロータ205は上側ケーシング102に押しつけられ、環状の歯列111と116が接触し噛み合う。すなわち、ロータ112が上側ステータ102に回転できない状態で接触する。この状態が図7(A)に示されている。この状態では、ロータ205(シャフト203)がケーシング101に対して回転しないようにブレーキが掛けられている。
図7(A)の状態では、図1の場合と同様に、ステータコア117とロータコア107とが軸方向でずれており、軸に垂直な方向(図7(A)の視点)から見て、ロータコア107がステータコア117から上側ケーシング102の側にずれている。
そして、図7(A)の状態において、ステータコイル118にロータ205を回転させるための駆動電流を流し、駆動状態とすると、ステータコア117とロータコア107との軸方向におけるずれに起因する電磁力がロータコア107に作用する。この電磁力は、ステータコア117とロータコア107との軸方向におけるずれを解消するようにする力であり、ロータコア107を下側ケーシング103の側に動かそうとする力である。この電磁力が作用することで、ロータ205が下側ケーシング103の方向に動き、それによりコイルばね206が縮み、回転抑制部材110側の環状の歯列111が上側ケーシング102側の環状の歯列116から離れる。この結果、ロータ205が回転できるようになり、ステータコイル118に流れる駆動電流によりロータ205が駆動されて回転する。この状態が図7(B)に示されている。
ここで、駆動電流の供給を止めると、上記の電磁力が消失し、コイルばね206の付勢力により、ロータ205が上側ケーシング102の方向に移動する。この結果、回転抑制部材110側の環状の歯列111が上側ケーシング102側の環状の歯列116に接触し、ロータ205が回転できない図7(A)の状態に移行する。この例では、図7(A)⇔図7(B)の遷移において、シャフト203が軸方向に動かず、シャフト203に対してスリーブ204が軸方向に摺動することで、ロータ205が軸方向で移動する。
3.第3の実施形態
第3の実施形態は、第1の実施形態における回転抑制部材の構造および回転抑制部材と接触する相手部材の構造を変更したものである。本実施形態において、図1〜図6と同じ符号の部分は、図1〜図6に関連して説明した部分と同じである。また、ロータコア107とステータコア117の位置関係や皿ばね115を用いた付勢力を与える構造等は、第1の実施形態の場合と同じである。
図13には、ブラシレスモータ300が示されている。ブラシレスモータ300は、埋め込み磁石型同期モータ(Interior Permanent Magnet Motor:IPM)であり、モータとしての基本構造は、図1に示すブラシレスモータ100と同じである。図13(A)には、ステータコイル118に駆動電流を流していない状態が示され、図13(B)には、ステータコイル118に駆動電流を流している状態が示されている。
ブラシレスモータ300では、ロータコア107に回転抑制部材として制動摩擦部材301がリベット109により固定されている。制動摩擦部材301は、環状を有し、軸方向に突出した摩擦接触部301aを有している。摩擦接触部301aは、皿ばね115の付勢力により、上側ケーシング102の内側に接触することが可能である。
ステータコイル118に駆動電流を流していない状況では、ロータコア107とステータコア117との間に作用する軸方向における電磁力は生じない。このため、皿ばね115の付勢力により、ロータ112が上側ケーシング102の方向に押され、摩擦接触部301aが上側ケーシング102に接触する。そして、この際の摩擦力によりロータ112が回転しないよう制動が掛った状態となる。この状態が図13(A)に示されている。この形態では、摩擦接触部301aと上側ケーシング102との間における摩擦力を上回る力でシャフト106を強制的に外力により回そうとすると、摩擦部分で滑りが生じ、抵抗を受けながらロータ112が回転する。
そして、図13(A)に示す状態において、ステータコイル118に駆動電流を流すと、ロータコア107とステータコア117との間に軸方向における電磁力が作用し、その力が皿ばね115の付勢力に打ち勝ち、ロータ112が上側ケーシング102から離れる。そして、摩擦接触部301aが上側ケーシング102から離れ、ロータ112が規制なく回転できるようになり、ステータコイル118に流れる駆動電流により、ロータ112が回転する。この状態が図13(B)に示されている。
4.第4の実施形態
以下、本発明をブラシモータに利用した場合の一例を説明する。図18には、本発明を利用したブラシモータ400が示されている。ブラシモータ400は、略筒形状を有し、軸方向の前後に蓋をした構造のケーシング401を備えている。ケーシング401には、すべり軸受402,403を介して回転軸となるシャフト404が回転自在で、且つ、軸方向において移動可能な状態で保持されている。
ケーシング401の内側には、給電用のブラシ405が固定されている。ブラシ405には、電極端子406が接続されている。電極端子406は、ケーシング401の外側に突出している。ブラシ405と電極端子406とは、+側と−側が用意されている。
ケーシング401の内側には、1組の界磁マグネット407,408が配置されている。界磁マグネット407,408は、軸中心側が後述するロータと干渉しない曲面形状を有し、互いに極性が逆になるように着磁されている。
シャフト404には、ロータコア409が固定されている。ロータコア409は、軸中心から離れる3方向に延長した3つの突極を有した形状の電磁鋼板を軸方向で複数積層した構造を有している。ロータコア409の各突極には、ロータコイル410が巻回されている。
シャフト404には、整流子411が固定されている。整流子411には、ロータコイル410が接続され、整流子411の表面には、ブラシ405が接触している。このあたりの構造は、通常のブラシモータの場合と同じである。
ロータコア409の3つの突極の先端は、突極面とされ、突極面は、隙間を有した状態で界磁マグネット407,408に対向することが可能な位置関係にある。
ロータコア409の軸方向の端部には、回転抑制部材412が固定されている。回転抑制部材412は、軸方向に延長し、ケーシング401の端部内側401aに接触可能とされている。図18には、回転抑制部材412がケーシング410の端部内側401aに接触している状態が示されている。ここで、ロータコア409,ロータコイル410,回転抑制部材412により、ロータ420が構成されている。
シャフト404には、すべり軸受413が取り付けられている。すべり軸受413に対して、シャフト404は回転が可能で、且つ、軸方向で移動が可能である。すべり軸受413には、皿ばね414が接触している。皿ばね414は、ケーシング401の端面内側401bにも接触し、皿ばね414によりすべり軸受413は図18の上の方向の付勢されている。なお、皿ばね414がすべり軸受413を図の上の方向に押す付勢力は、後述する駆動時に発生するロータ420を皿ばね414の方向に動かそうとする電磁力よりも小さくなるように設定されている。
図18には、電極端子406から駆動用の直流電流を供給しない状態が示されている。この状態では、皿ばね414の作用により、すべり軸受413が図の上の方向に押され、すべり軸受413は整流子411を図の上の方向に押している。整流子411は、シャフト404に固定されているので、結果的に皿ばね414により、ロータ420が図の上の方向に押され、回転抑制部材412がケーシング401の端面内側401aに接触する。この状態において、界磁マグネット407,408とロータコア409とは軸方向でずれており、図18の視点で見て、界磁マグネット407,408よりもロータコア409がケーシング401の端部内側401aの方向に突出している。
図18に示す状態において、電極端子406に駆動用の直流電圧を加えると、ロータコイル410に駆動電流が流れ、ブラシモータの原理により、ロータ420が回転しようとする。この際、ロータコア409と界磁マグネット407,408との間で磁路が形成され、ロータコア409を図の下の方向に動かそうとする電磁力が働く。すなわち、図18の状態においてロータコイル410に駆動電流が流れると、ステータの極(この場合は、界磁マグネット407、408)とロータコア409との軸方向におけるずれが解消されるように、ロータ420を軸方向で動かそうとする電磁力が作用する。
ロータ420は、シャフト404と共にケーシング401に対して軸方向に動くことができるので、上記の電磁力により、ロータ420は、図18の状態から皿ばね414の付勢力に打ち勝って、皿ばね414の方向に移動する。この結果、回転抑制部材412がケーシング401の端部内側401aから離れ、ロータ420が回転する。
また、電極端子406に加えた駆動用の直流電圧をOFFにすると、ロータ420を図の下の方向に動かそうとする電磁力が消失し、皿ばね414の付勢力が優勢となる。その結果、ロータ420が図の上の方向に移動し、回転抑制部材412がケーシング401の端部内側401aに接触し、ロータ420が回転しないようにブレーキが掛かった状態に移行する。
5.第5の実施形態
以下、本発明をリラクタンス型モータに適用した場合の一例を説明する。リラクタンス型モータについては、例えば、モータ技術実用ハンドブック(日刊工業新聞社 2001年3月23日 諸般1冊発行)の82頁〜95頁に記載されている。図19には、リラクタンス型モータ500が示されている。なお、図19(A)には非駆動時の状態が示され、図19(B)には駆動時の状態が示されている。
リラクタンス型モータ500が図1に示すブラシレスモータ100と異なるのは、ロータの構造である。なお、固定子その他の構造は、ブラシレスモータ100と同じである。以下、特に第1の実施形態の場合との違いを説明しない部分は、第1の実施形態の場合と同じである。なお、リラクタンス型モータ100の駆動は、上述した参考文献等に記載された公知の方向により行われる。
リラクタンス型モータ500は、ロータ501を有している。ロータ501の回転中心には、回転軸となるシャフト106が固定されている。シャフトの106の構造および皿ばね115で上側ケーシング102の方向に付勢される構造は、図1の場合と同じである。すなわち、ロータ501は、シャフト106と共に軸方向で移動可能であり、また皿ばね115により、上側ケーシング102の方向に付勢されている。また、ロータ501の上側ケーシング102の側の端面には、図1の場合と同様な回転抑制部材110が固定されている。回転抑制部材110の機能は、図1の場合と同じである。
図20には、ロータ501を軸方向から見た状態が示されている。ロータ501は、略円柱形状を有する軟磁性材料により構成され、複数のスリット(隙間)502が形成されている。すなわち、リラクタンス型モータ500のロータ501は、スリット502が形成されたコア材で構成され、ロータマグネットを構成する永久磁石を備えていない。スリット502は、図示する形状を有し、回転子501の一方の端面から他方の端面に向かって軸方向に延在している。
ロータ502の回転中心(円柱形状の軸中心)には、シャフト106が貫通する軸孔503が設けられている。図示するようなデザインでスリット502が形成されることで、回転子501に磁束が通り易い部分(低磁気抵抗部分)と磁束が通り難い部分(高磁気抵抗部分)が形成されている。
ステータコア117に巻回されたステータコイル118に駆動電流を供給すると、回転磁場が生成される。この回転磁場の磁束の流れが、上述した回転子501の低磁気抵抗部分と高磁気抵抗部分に周期的に作用することで、ロータ501を回転させるトルク(リラクタンストルク)が発生する。すなわち、ロータ501に作用する回転磁場は、より磁気抵抗(リラクタンス)が低くなる様にロータ501に力を及ぼす。この際、ロータ501には、スリット501に起因する低磁気抵抗部分と高磁気抵抗部分とがあるので、ロータ501が回転可能であると、回転磁場の磁束がロータ501の低磁気抵抗部分を通るように、回転磁場の回転に従ってロータ501を回転させようとするトルクが生じる。このトルクがリラクタンストルクである。また、リラクタンストルクが発生している状況において、リラクタンストルクが効果的に作用するように、第1の実施形態の場合と同様にロータ501を軸方向で束縛する電磁力が働く。
ステータコイル118に駆動電流を流していない非駆動時において、上述したロータ501を軸方向で束縛する電磁力は発生しない。よってこの状態において、ロータ501は、皿ばね115の付勢力により上側ケーシング102の方向に押され、環状の歯列111と116とが接触し噛み合い、ロータ501の回転が規制された状態となる。この状態が図19(A)に示されている。
また、図19(A)の状態において、図示するようにステータコア117とロータ(ロータコア)501とが軸方向でずれ、軸に垂直な方向から見て、ロータ501がステータコア117から図の上方向に突出するように設定されている。すなわち、非駆動時において、ステータコア117とロータ501が径方向(軸に垂直な方向)で正対せず、軸方向でずれるように設定されている。
図19(A)の状態において、ステータコイル118に駆動電流を供給し、ロータ501を回転させようとすると、上述したリラクタンストルクが発生する。ここで、リラクタンストルクが最も効果的に作用するのは、ステータコア117とロータ501が径方向で正対した状態、言い換えると、ステータコア117とロータ501との径方向における対向面積が最大となる状態である。
上述したように、図19(A)の状態において、ステータコア117とロータ501とは軸方向でずれているので、リラクタンストルク発生時には、上記のずれがより小さくないようにロータ501を軸方向に動かそうとする力(電磁力)が作用する。この電磁力が作用することで、ロータ501が図19(A)の位置から、皿ばね115を押し戻す方向(上側ケーシング102から離れる方向)に移動する。この結果、環状の歯列111と116との噛み合いが解除され、図19(B)の状態となり、ロータ501がリラクタンストルクにより回転する。なお、この状態において、ステータコア117とロータ501とは軸方向のずれが図19(A)の場合よりも小さくなる。
そして、図19(B)の状態において、ステータコイル118に供給している駆動電流を切ると、リラクタンストルクが消滅し、ロータ501を上側ケーシングから離れる方向に移動させている電磁力が消滅する。この結果、皿ばね115の付勢力により、ロータ501が上側ケーシング102の方向に押され、図19(A)の状態に移行する。すなわち、ステータコイル118に駆動電流を流し、ロータ501を回転させている状態において、駆動電流を切ると、皿ばね115の付勢力によりロータ501が上側ケーシング102の方向に移動し、ロータ501の回転が規制された状態に移行する。
なお、リラクタンス型モータは、図7や図13の構造に適用することもできる。また、リラクタンス型モータには、同期式リラクタンス型モータ、可変式リラクタンス型モータ、スイッチトリラクタンス型モータ、可変式リラクタンス型ステッピングモータ等の形式があるいが、いずれの形式でも本発明を適用することができる。
6.応用技術
一例であるが、本発明は、自動車用のパワースライドドア(PSD)や電動開閉ドアの駆動用モータに利用することができる。この場合、駆動電流ONでドアの開閉動作が行われ、駆動電流OFFで当該OFF時の状態を維持するためのブレーキが掛った状態となる。ここで、ブレーキが掛った状態において、電力は必要とされない。
また、本発明は各種ロボットの関節機構の駆動用モータとして利用することもできる。例えば、ロボットアームの関節に本発明のモータを用いた場合、ある角度まで動かした段階で、駆動電流をOFFにすると、その角度で関節の状態を維持するようにブレーキが掛った状態となる。この際、その状態を維持する電力を必要としない。
7.その他
ロータの構造として、ロータの外周面に磁石を配置した表面磁石型のものを用いることもできる。この場合、軸方向で回転子に働く電磁力は、埋め込み磁石型の場合に比較して小さくなる。そのため、それに対応した設計を行う必要がある。
例えば、図13に示す構造において、制動摩擦部材301を皿ばねや板ばね等の弾性部材で構成し、第2の状態、すなわち図13(B)の状態において、制動摩擦部材301が上側ケーシング102から完全に離間せず、上側ケーシングに接触する構成も可能である。この場合、第1の状態でロータの回転を規制する規制力が相対的に強く働き、第2の状態で当該規制力が相対的に弱くなる。この構成は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記ロータは、軸方向において他の部材に接触する第1の状態と、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給した際に当該電流により生じる電磁力により前記ロータが軸方向で動き前記ロータの前記他の部材に対する接触が前記第1の状態よりも弱くなる第2の状態が可能なモータとして把握される。
図1や図7に示す構造において、環状の歯列111と116の形状を、ロータ112を外力により無理に回転させよとすると回転が可能な形状とすることも可能である。この場合、第1の状態において、あるレベルまではブレーキが掛かりロータの回転が生じないが、ロータ112を回転させようとする力があるレベルを超えると、環状の歯列116に対して環状の歯列111がすべり、外力によるロータ112の回転が可能となる。このような歯列の形状としては、断面形状が三角の歯やラチェット歯の形状を利用したものが挙げられる。また、ロータ112と上側ケーシング102との接触構造として、噛み合う歯による構造と摺動摩擦による構造とを組み合わせたものを利用することもできる。
図1に記載のブラシレスモータ100または図13に記載のブラシレスモータ300において、ロータ112を上側ケーシング102の方向に押し付ける付勢手段がケーシング101の外にある構成も可能である。この場合、シャフト106が付勢手段により、図の上の方向に押され(あるいは引っ張られ)、ロータ112が上側ケーシング102の方向に押し付けられる。また、シャフト106が軸方向で移動できず、またケーシング101が軸方向で移動可能な配置状態とした場合において、シャフト106に対して、ケーシング101を図の下の方向に付勢する構造も可能である。この場合、ステータコイル118に駆動電流を供給していない状態では、ロータ112と上側ケーシング102が接触する。そして、ステータコイル118に駆動電流を供給すると、ケーシング101がシャフト106(ロータ112)に対して相対的に図の上の方向に動き、ロータ112の上側ケーシング102への接触が解除され、ロータ112が回転する。
本明細書で開示する発明によれば、新規な構造のモータを得ることができる。以下、本明細書で開示する発明の摘要を記載する。本明細書で開示する発明は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給しない状態において、前記ロータは軸方向における第1の位置にあり、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給している状態において、前記ロータは回転すると共に軸方向における前記第1の位置とは異なる第2の位置にあることを特徴とするモータである。この発明によれば、新規な構造のモータを得るという課題が解決される。
本明細書で開示する発明は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給しない状態と前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給している状態とでは、軸方向における前記ロータの位置が異なることを特徴とするモータである。この発明によれば、新規な構造のモータを得るという課題が解決される。
本明細書で開示する発明は、軸方向に移動可能なロータと、前記ロータを回転させるためのコイルとを備え、前記ロータには軸方向における付勢力が作用し、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給しない状態では、前記付勢力により前記ロータが軸方向における第1の位置にあり、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給している状態では、前記付勢力に抗して前記ロータが前記第1の位置と異なる軸方向における第2の位置に移動すると共に前記ロータが回転することを特徴とするモータである。この発明によれば、新規な構造のモータを得るという課題が解決される。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
100…ブラシレスモータ、101…ケーシング、102…上側ケーシング、103…下側ケーシング、104…軸受、105…軸受、106…シャフト(回転軸)、106a…フランジ、107…ロータコア、108…板状の磁石、109…リベット、110…回転抑制部材、111…環状の歯列、112…ロータ、113…リング部、114…すべり軸受、114a…フランジ、115…皿ばね、116…環状の歯列、117…ステータコア、117a…極歯、118…ステータコイル、200…ブラシレスモータ、201…玉軸受、202…玉軸受、203…シャフト、203a…凸部、204…スリーブ、204a…溝、204b…段部、205…ロータ、206…コイルばね、207…リング、300…ブラシレスモータ、301…制動摩擦部材、301a…摩擦接触部、400…ブラシモータ、401…ケーシング、402…すべり軸受、403…すべり軸受、404…シャフト、405…ブラシ、406…電極端子、407…界磁マグネット、408…界磁マグネット、409…ロータコア、410…ロータコイル、411…整流子、412…回転抑制部材、413…すべり軸受、414…皿ばね、420…ロータ、500…リラクタンス型モータ、501…ロータ、502…スリット、503…軸孔。

Claims (12)

  1. 軸方向に移動可能なロータと、
    前記ロータを回転させるためのコイルと
    を備え、
    前記ロータは、軸方向において他の部材に接触する第1の状態と、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給した際に当該電流により生じる電磁力により前記ロータが軸方向で動き前記他の部材から離間する第2の状態が可能なことを特徴とするモータ。
  2. 軸方向に移動可能なロータと、
    前記ロータを回転させるためのコイルと
    を備え、
    前記ロータは、軸方向において他の部材に接触し回転が規制される第1の状態と、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給した際に当該電流により生じる電磁力により前記ロータが軸方向において前記他の部材から離間する向きに移動し、前記規制が弱くなるあるいは解除される第2の状態が可能なことを特徴とするモータ。
  3. 前記ロータと軸に垂直な方向で対向するステータを備え、
    前記第1の状態において、前記ロータの極と前記ステータの極とは軸方向においてずれた位置関係にあり、
    前記第2の状態において、前記ロータの極と前記ステータの極との軸方向におけるずれが前記第1の状態より小さくなることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
  4. 軸方向において、前記ロータを前記他の部材の方向に移動させようとする付勢力が前記ロータに作用していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ。
  5. 前記第1の状態において、前記コイルに前記ロータを回転させるための電流を供給すると、前記ロータを前記他の部材から軸方向において引き離す電磁力が前記ロータに作用し、
    前記電磁力が前記付勢力よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のモータ。
  6. 前記ロータは、永久磁石が内部に埋め込まれた埋め込み磁石型であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモータ。
  7. 前記ロータは、リラクタンス型であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモータ。
  8. 前記ロータの回転中心に固定されたシャフトと、
    前記シャフトを軸方向で移動可能で、且つ、回転自在な状態で支持する軸受と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のモータ。
  9. 前記ロータに対して回転ができず、且つ、軸方向への移動が可能なシャフトが前記ロータの回転中心に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のモータ。
  10. 前記ロータと前記他の部材との接触は、噛み合い構造によるものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のモータ。
  11. 前記ロータと前記他の部材との接触は、摩擦によるものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のモータ。
  12. 前記コイルが前記ロータに配置されており、
    前記コイルに接続され、前記ロータと共に回転する整流子と、
    前記整流子に接触するブラシ給電機構と
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
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