JP2002262512A - ギヤードモータ - Google Patents

ギヤードモータ

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JP2002262512A
JP2002262512A JP2001052531A JP2001052531A JP2002262512A JP 2002262512 A JP2002262512 A JP 2002262512A JP 2001052531 A JP2001052531 A JP 2001052531A JP 2001052531 A JP2001052531 A JP 2001052531A JP 2002262512 A JP2002262512 A JP 2002262512A
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JP
Japan
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motor
gear
force
shaft
clutch
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JP2001052531A
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English (en)
Inventor
Susumu Gomi
進 五味
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Nakagawa Electric Ind Co Ltd
Original Assignee
Nakagawa Electric Ind Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを抑えると共に、負荷駆動用モー
タの出力部材への駆動力伝達路上に配設されたクラッチ
手段を安定して伝達/遮断せしめて、操作対象を作動制
御することの出来る、新規な構造のギヤードモータを提
供することを目的とする。 【解決手段】 回転駆動軸112とフライホイル116を連結
せしめる連繋コイルスプリング114を、回転駆動軸112と
フライホイル116の同一中心軸上に配設された連繋回転
軸118に巻きつけて、かかる連繋回転軸118を連繋コイル
スプリング114を介して回転駆動せしめると共に、連繋
回転軸114に対して摺動可能に取り付けられた摩擦歯車2
4によって、クラッチ手段20を継断する切換部材22を、
それ自身が有する付勢力に抗して、クラッチが繋がった
状態に駆動位置せしめるようにする。また、回転駆動軸
112が停止した際には、フライホイル116の慣性回転に基
づいて、連繋回転軸118を回転駆動軸112から独立せしめ
ると共に、切換部材22を、それ自身の有する付勢力によ
って、クラッチが切れた状態に返戻作動せしめるように
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、復帰力を持った外部操作対象へ
の駆動力を継断して、かかる外部操作対象を位置制御す
るためのクラッチ手段を内蔵したギヤードモータに係
り、例えば洗濯機の排水弁の開閉のための駆動源等とし
て好適に採用されるギヤードモータに関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】従来から、小形の電動モータで有効な出力
を得るために、モータ駆動軸に歯車等の減速手段を組付
けたギヤードモータが知られており、民生および一般の
電気機器などに採用されている。その一種として、例え
ば、特開平1−194833号公報や特開平3−198
638号公報に記載されているように、負荷駆動用モー
タにより歯車列等の減速手段を介して出力部材を駆動せ
しめて、該出力部材に連結される復帰力を持った操作対
象を初期位置から作動位置に駆動変位せしめると共に、
かかる操作対象を該作動位置へ保持せしめ、更に該操作
対象の前記復帰力による該作動位置から該初期位置への
返戻作動を許容するギヤードモータが、知られている。
そして、このようなギヤードモータは、例えば、家庭用
洗濯機において排水弁を開閉作動するための駆動手段と
して、好適に採用されている。
【0003】ところで、このようなギヤードモータで
は、操作対象を初期位置から作動位置まで駆動変位せし
めた後、操作対象をかかる作動位置に固定的に保持せし
め、その後、操作対象に対するギヤードモータによる駆
動力や拘束力の作用を解除して、操作対象自身の持つ復
帰力による操作対象の作動位置から初期位置への返戻作
動を許容するようになっていることから、ギヤードモー
タの駆動力を操作対象に伝達/遮断するクラッチ手段が
必要となる。
【0004】そこで、特開平1−194833号公報に
記載されているように、負荷駆動用モータの作動時に負
荷駆動用モータのステータを通る磁束によって、吸着片
をステータに吸着せしめて、かかる吸着によりクラッチ
が繋がった状態となるようにすると共に、負荷駆動用モ
ータが作動していない状態下においてステータを通る磁
束が消滅した時には、吸着片がステータから解放され
て、クラッチが切れた状態となる継断手段が採用されて
いる。
【0005】しかしながら、このような継断手段におい
ては、負荷駆動用モータのステータを通る磁束によって
駆動される吸着片の操作ストロークが小さいことに加え
て、出力が直線的な往復動であって増幅が難しいことか
ら、クラッチ手段の伝達/遮断作動を確実に行うことが
難しいという問題があった。
【0006】また、特開平3−198638号公報に
は、磁気誘導によって回動力が伝達されるように対向配
置された永久磁石と誘導リングの一方を負荷駆動用モー
タで回転駆動せしめる一方、それら永久磁石と誘導リン
グの他方により、クラッチ手段を継断するクラッチ操作
片を駆動せしめる誘導リング式の継断手段が採用されて
いる。
【0007】ところが、このような誘導リング式の継断
手段においては、クラッチ操作片を駆動するために永久
磁石と特定材質の誘導リングを使用することから、製造
コストが高くなるという問題があった。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、製造コストを抑えると共に、負荷駆動用モ
ータの出力部材への駆動力伝達経路上に配設されたクラ
ッチ手段を安定して伝達/遮断(「継断」とも、称す
る)せしめて、操作対象を作動制御することの出来る、
新規な構造のギヤードモータを提供することにある。
【0009】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される各構成要素は、可能な限り任意
の組み合わせで採用することが出来る。また、本発明の
態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限定され
ることなく、明細書全体および図面に記載され、或いは
それらの記載から当業者が把握することの出来る発明思
想に基づいて認識されるものであることが理解されるべ
きである。
【0010】すなわち、本発明の第一の態様は、負荷駆
動用モータにより歯車列等の減速手段を介して出力部材
を駆動せしめて、該出力部材に連結される復帰力を持っ
た操作対象を初期位置から作動位置に駆動変位せしめる
と共に、かかる操作対象を該作動位置へ保持せしめ、更
に該操作対象の前記復帰力による該作動位置から該初期
位置への返戻作動を許容するようにしたギヤードモータ
において、前記負荷駆動用モータの前記出力部材への駆
動力の伝達経路上にクラッチ手段を設けると共に、該ク
ラッチ手段を継断する切換部材と、該切換部材を断状態
となる方向に付勢する付勢手段を設ける一方、少なくと
も前記操作対象の前記作動位置への駆動変位および保持
に際して回転駆動せしめられる所定の回転駆動軸に対し
て連繋コイルスプリングを介してフライホイルを連結せ
しめて、それら回転駆動軸およびフライホイルと同一中
心軸上に配設された連繋回転軸に該連繋コイルスプリン
グを巻き付け、該フライホイルの回転反力に基づいて該
連繋回転軸に該連繋コイルスプリングを巻き締めること
によって該回転駆動軸の回転力を伝達して該連繋回転軸
を回転駆動せしめて、該連繋回転軸に対して摺動可能に
取り付けられた摩擦歯車によって、前記クラッチ手段を
継断する切換部材が付勢力に抗して継状態に駆動位置せ
しめられるようにすると共に、該回転駆動軸が停止した
際に該フライホイルの慣性回転に基づいて前記連繋コイ
ルスプリングを該連繋回転軸から緩ませて該連繋回転軸
を該回転駆動軸から独立させることにより、前記切換部
材を付勢力によって断状態に返戻位置せしめるようにし
たことを、特徴とする。
【0011】このような本態様に従う構造とされたギヤ
ードモータにおいては、回転駆動軸を回転作動せしめる
ことによって、連繋回転軸を連繋コイルスプリングを介
して回転駆動せしめて、該連繋回転軸に取り付けられた
摩擦歯車により、クラッチ手段を継断する切換部材を、
付勢力に抗して、クラッチが繋がった状態に駆動位置せ
しめるようになっている。また、回転駆動軸が停止した
際には、フライホイルの慣性回転に基づいて連繋コイル
スプリングを緩めて連繋回転軸を回転駆動軸から独立し
て回転可能とすることにより、切換部材を、付勢力によ
って、クラッチが切れた状態に返戻作動せしめるように
なっている。
【0012】そこにおいて、本態様に従う構造とされた
ギヤードモータにおいては、クラッチ手段を継断する切
換部材を作動せしめるに際して、連繋コイルスプリング
の連繋回転軸への巻き付き力をフライホイルを用いて巧
く制御して、回転駆動軸から連繋回転軸への回転力の伝
達/遮断を行うと共に、該連繋回転軸の回転力を、摩擦
歯車を利用して、切換部材の駆動力として巧く取り出す
ことが出来るのであり、それによって、負荷駆動用モー
タの出力部材への駆動力伝達経路上に配設されたクラッ
チ手段を安定して伝達/遮断せしめて、操作対象を作動
制御することが出来るのである。
【0013】そして、このようなギヤードモータにおい
ては、切換部材を駆動せしめるに際して、従来の誘導リ
ング式のものに比して、永久磁石や特別な材質の誘導リ
ングを使用する必要もないことから、製造コストを抑え
ることも出来るのである。
【0014】また、本態様に従う構造とされたギヤード
モータにおいては、クラッチ手段を継断する切換部材の
切換作動力が、連繋コイルスプリングの巻き付き力と摩
擦歯車の摩擦力による機械的な力の伝達経路によって伝
達されるようになっていることから、従来の電磁的な力
の伝達経路による誘導リング式のギヤードモータに比し
て、多数の増速歯車で回転速度を上げる必要もなく、切
換部材への駆動力の伝達効率を向上させて、クラッチの
継断作動をより確実に行わせることが出来るのである。
【0015】なお、本態様に係るギヤードモータにおい
て、負荷駆動用モータとしては、従来から公知の各種の
電気モータが採用可能であるが、特に、交流同期モータ
が好適に採用される。
【0016】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされたギヤードモータであって、前記
連繋コイルスプリングにおいて、外力が及ぼされていな
い自由状態下でのコイル内径寸法を、前記連繋回転軸の
外径寸法よりも小さくして、該連繋コイルスプリングを
その弾性によって該連繋回転軸に巻き締めた状態で装着
したことを、特徴とする。このような本態様において
は、回転駆動軸が停止している初期状態で、連繋コイル
スプリングが連繋回転軸に巻き締められていることか
ら、回転駆動軸を回転駆動せしめた際の、回転駆動軸か
ら連繋回転軸への連繋コイルスプリングを介しての回転
力の伝達を、より安定して且つ効率的に行うことが出来
るのである。
【0017】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたギヤードモータにおい
て、前記負荷駆動用モータによって前記回転駆動軸を回
転駆動せしめる一方、前記出力部材の作動位置に応じて
前記負荷駆動用モータの該出力部材への駆動力の伝達を
継断するモータ側クラッチを、前記クラッチ手段よりも
該負荷駆動用モータ側に位置して設けて、前記操作対象
の初期位置から作動位置への駆動に際して、該モータ側
クラッチを継状態とすると共に、該操作対象の作動位置
への保持に際して、該モータ側クラッチを断状態とする
ようにしたことを、特徴とする。このような本態様に従
う構造とされたギヤードモータにおいては、出力部材を
駆動せしめるための負荷駆動用モータを利用して、回転
駆動軸が回転駆動せしめられることから、回転駆動軸の
駆動用モータを別に設ける必要がなく、構造の簡略化と
低コスト化が実現され得る。
【0018】また、本発明の第四の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたギヤードモータにおい
て、前記負荷駆動用モータへの給電路上にスイッチを設
けると共に、該出力部材の作動位置に応じて該スイッチ
を機械的にON/OFFせしめて、外部から該負荷駆動
用モータへの給電を制御することにより、少なくとも前
記操作対象の作動位置への保持に際して該負荷駆動用モ
ータを停止させるようにする一方、前記回転駆動軸を回
転駆動せしめるクラッチ動作用モータを、前記負荷駆動
用モータとは別に設けたことを、特徴とする。このよう
な本態様に従う構造とされたギヤードモータにおいて
は、負荷駆動用モータの給電路上に設けられたスイッチ
を、出力部材の作動位置に応じて機械的にON/OFF
して、外部から負荷駆動用モータへの給電を制御するこ
とにより、外部のスイッチ手段を必要とすることなく出
力部材の作動位置に応じた負荷駆動用モータの回転/停
止を行うことが出来る。また、回転駆動軸を回転駆動せ
しめるクラッチ動作用モータを、負荷駆動用モータとは
別に設けたことから、クラッチの継断作動を、負荷駆動
用モータによって駆動せしめられる出力部材の作動状態
に関係なく制御することが可能となる。なお、回転駆動
軸を回転駆動せしめてクラッチの継断作動を行うクラッ
チ動作用モータは、負荷駆動用モータに比して十分に小
形とすることが出来ることから、負荷駆動用モータの駆
動力が必要とされていない状態下で該負荷駆動用モータ
を停止させることにより、消費電力やモータ発熱を抑え
ることも可能となる。
【0019】また、本発明の第五の態様は、前記第四の
態様に従う構造とされたギヤードモータにおいて、前記
負荷駆動用モータへの給電路を複数並設すると共に、そ
れら各給電路上に独立したスイッチを設けて、前記出力
部材の作動位置に応じてそれら複数のスイッチを異なる
タイミングでON/OFFせしめることにより、前記操
作対象を前記初期位置から前記作動位置に駆動変位せし
める途中に、少なくとも一つの中間作動位置に駆動変位
および保持せしめるようにしたことを、特徴とする。こ
のような本態様に従う構造とされたギヤードモータにお
いては、操作対象を初期位置から作動位置に駆動変位せ
しめる途中に少なくとも一つの中間作動位置に駆動変位
および保持せしめるといった複雑な作動を、永久磁石と
誘導リングで構成された動力伝達機構を必要とすること
なく行うことが出来るのであり、それにより、3以上の
多段位置に操作対象を位置決め制御することの出来る高
性能なギヤードモータを、製造コストを抑えつつ実現す
ることが出来るのである。そして、本態様に従う構造と
されたギヤードモータを採用することにより、例えば、
家庭用洗濯機において排水弁を開閉作動せしめる際に、
排水弁の開閉作動と併せて、本体洗濯槽のブレーキやク
ラッチの作動を制御することも可能となるのである。
【0020】また、本発明の第六の態様は、前記第四又
は第五の態様に従う構造とされたギヤードモータにおい
て、前記クラッチ動作用モータとして、板状の磁性材か
らなるステータにコイルを装着せしめると共に、該ステ
ータに形成された複数の磁極形成部で囲まれた領域に、
永久磁石によって複数の磁極が外周面に設定されたロー
タを配設したプレートモータを採用したことを、特徴と
する。このような本態様に従う構造とされたギヤードモ
ータにおいては、クラッチ動作用モータの配設スペース
を有利に確保することが出来ると共に、フライホイルを
用いた回動力の伝達機構を含めて、ギヤードモータのサ
イズを小さくすることが出来るのである。
【0021】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う構造とされたギヤードモー
タにおいて、前記クラッチ手段を、前記負荷駆動用モー
タの前記出力部材への駆動力の伝達経路上に配設された
前記減速手段の一つとしての遊星歯車機構によって構成
して、該遊星歯車機構における太陽歯車を前記負荷駆動
用モータの出力軸によって回転駆動せしめると共に、該
太陽歯車に噛合された遊星歯車の支軸が固設されたキャ
リアの中心軸上に出力用の連結歯車を固設し、該遊星歯
車が噛合される内歯歯車を有するケースの回転を、前記
切換部材によって、許容状態と阻止状態に切り換えるよ
うにする一方、前記太陽歯車の回転を許容/阻止する係
止手段を設けて、少なくとも前記操作対象の作動位置へ
の保持作動に際して該係止手段によって該太陽歯車の回
転を阻止せしめるようにしたことを、特徴とする。この
ような本態様に従う構造とされたギヤードモータにおい
ては、駆動力の伝達経路の構成手段の一つとして遊星歯
車機構を採用したことにより、大きなギヤ比をコンパク
トに設定することが可能となるのであり、しかも、遊星
歯車機構を利用してクラッチ手段を構成したことによ
り、部品点数の削減による構造の簡略化とコンパクト化
およびコスト低減が図られ得るのである。
【0022】また、クラッチ手段として遊星歯車機構を
採用する場合には、以下の第八の態様が好適に採用され
る。即ち、本発明の第八の態様は、前記第七の態様に従
う構造とされたギヤードモータにおいて、復元力をもっ
て一軸回りに揺動可能に配設された揺動部材に対して、
該復元力に抗した揺動方向への変位によって前記ケース
の外周面に形成された外歯歯車または該外歯歯車に噛合
された歯車に対して係止せしめられて該ケースの回転を
阻止する係止部を設けることにより、前記切換部材を構
成せしめて、前記回転駆動軸から前記連繋コイルスプリ
ングを介して回転駆動せしめられる前記連繋回転軸によ
って該揺動部材の該係止部が該外歯歯車への係止状態に
維持されるようにしたことを、特徴とする。このような
本態様に従う構造とされたギヤードモータにおいては、
揺動部材の係止部によって、遊星歯車機構を構成するケ
ースの外周面に形成された外歯歯車を係止状態に維持す
るという簡単な構造によってクラッチが繋がった状態を
維持することが出来るのであり、その結果、簡単な構造
によって、クラッチの継断作動を安定して行なうことが
可能なギヤードモータが実現され得るのである。また、
この揺動部材によって、クラッチ手段を継断する切換部
材が有利に構成され得る。
【0023】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0024】先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施
形態としての洗濯機における排水弁の開閉駆動用のギヤ
ードモータ10が示されている。かかるギヤードモータ
10は、洗濯機本体に取り付けられる中空箱体構造のハ
ウジング12を有しており、減速手段としての減速歯車
列14と、出力部材としてのプーリ16が、かかるハウ
ジング12に組み付けられている。そして、負荷駆動用
モータ18の回転駆動力を、減速歯車列14を介してプ
ーリ16に伝達し、プーリ16に係止された図示しない
操作対象を、初期位置から作動位置まで復帰力に抗して
駆動変位せしめるようになっていると共に、減速歯車列
14上にクラッチ手段としての遊星歯車機構20を設け
て、かかる遊星歯車機構20を継断する揺動部材として
の揺動歯車22を摩擦車24で駆動せしめるようにされ
ている。
【0025】より詳細には、ハウジング12は、全体と
して略矩形の開口箱形状を有するハウジング本体26と
ハウジング本体26の開口部に重ね合せられて、該開口
部を覆蓋する蓋体28から構成されており、それら、ハ
ウジング本体26と蓋体28が相互にネジ固定されるこ
とにより、外部空間から独立した領域を内部に有する中
空箱体構造をもって形成されている。なお、ハウジング
12を構成する各部材26,28の材質としては、例え
ば、ABS樹脂等の硬質の合成樹脂が好適に採用され
る。また、ハウジング本体26の底部には、段差部が設
けられており、ハウジング本体26の一部が深底部30
とされていると共に、かかる深底部30には、負荷駆動
用モータ18が収容配置されている。
【0026】この負荷駆動用モータ18は、交流同期モ
ータであって、全体として厚肉の中空円板形状を有する
モータハウジング32の内部には、ロータ34が中心軸
上で回転可能に配設されていると共に、ロータ34の周
囲には、円環形状のコイル36がモータハウジング32
に固定された状態で配設されている。また、ロータ34
は、円環ブロック形状の永久磁石38に出力軸40が固
定された構造とされており、出力軸40を軸方向に貫通
して形成された中心孔42において、モータハウジング
32の中心軸上に固設されたロータ支軸44に対して、
回転可能に外挿されている。更に、出力軸40には、係
止爪46が設けられており、かかる係止爪46の近くに
は、係止爪46に対してロータ34の回転方向一方向で
係止される係止ピン47が、一軸回りで揺動可能に配設
されている。そして、これら係止爪46と係止ピン47
によって、出力軸の回転方向を規定する逆転防止機構が
構成されている。また、永久磁石38の外周面には、周
方向に交互に、複数対のN磁極とS磁極が設定されてい
る。また一方、コイル36は、電気絶縁材からなる糸巻
き形状のボビン48に対してワイヤが巻回された構造と
されていると共に、このコイル36に固着された強磁性
材からなるステータ50によって、コイル36の内周面
上において、周方向に所定距離を隔てて位置せしめられ
た複数の磁極部が形成されており、それらの磁極部がロ
ータ34の外周面の磁極に対して径方向で離隔して対向
位置せしめられていることによって、コイル36への通
電により、ステータ50とロータ34の両磁極部間に作
用する磁極に基づいて出力軸40に回転駆動力が及ぼさ
れるようになっている。
【0027】また、減速歯車列14は、回転力継断機構
52,遊星歯車機構20,中間車54および出力車56
を含んで構成されている。そこにおいて、回転力継断機
構52は、上側継断部材58,下側継断部材60および
コイルスプリング62を含んで構成されている。この上
側継断部材58は、同軸上に一体形成された上側ピニオ
ン58aと係止爪58bを有しており、その下面には、
係止部58cが形成されている。また、下側継断部材6
0は、下側歯車60aを有しており、かかる下側歯車6
0aが負荷駆動用モータ18の出力軸40に固設された
出力ピニオン40aに噛合されている。更に、下側継断
部材60の上下両面の中央部分には、軸方向外方に突出
する上側及び下側ボス部60b,60cが一体形成され
ていると共に、下側継断部材60の上面において、上側
ボス部60bの回りには、上側継断部材58の係止部5
8cと係合可能な係止片60dが、軸方向の変位が可能
な状態で形成されている。そして、下側継断部材60の
上側ボス部60bにコイルスプリング62が外挿された
状態で、上側継断部材58と下側継断部材60が互いに
軸方向に離隔して同一中心軸上に対向配設されており、
上側継断部材58の係止部58cと下側継断部材60の
係止片60dが係合された状態において、上側継断部材
58と下側継断部材60が一体的に回転するようになっ
ており、負荷駆動用モータ18の出力軸40に固設され
た出力ピニオン40aの回転駆動力が上側継断部材58
の上側ピニオン58aに伝達されるようになっている。
なお、上側継断部材58の係止部58cと下側継断部材
60の係止片60dの係合は、負荷駆動用モータ18の
正回転方向では維持されるようになっていると共に、逆
回転方向では解除されるようになっている。
【0028】また、遊星歯車機構20は、ケース64と
遊星歯車部材66によって構成されている。ケース64
は、全体として有底円筒形状とされており、その筒壁部
の内周面と外周面には、それぞれ、内歯歯車64aと外
歯歯車64bが形成されていると共に、底壁部には、中
心軸上に中心孔64cが貫設されている。また、遊星歯
車部材66は、互いに軸方向に離隔して対向配置された
キャリアとしての上側および下側円板68,70を有し
ており、それら上側および下側円板68,70が、中心
軸回りで対向面間に跨って配設された複数本の歯車ピン
72によって相互に固定されていると共に、各歯車ピン
72には、それぞれ、遊星歯車74が回転可能に装着さ
れている。更に、上側円板68と下側円板70には、中
心軸上を貫通して延びる中心孔68aと挿通孔70aが
形成されている。そして、遊星歯車部材66がケース6
4に対して回転可能に嵌め込まれた状態で、ケース64
の中心孔64cに上側継断部材58の上側ピニオン58
aが内挿されており、上側ピニオン58aと遊星歯車7
4が噛合されていると共に、遊星歯車74と内歯歯車6
4aが噛合されている。即ち、本実施形態では、上側ピ
ニオン58aによって遊星歯車機構20の太陽歯車が構
成されているのである。また、遊星歯車部材66の上側
円板68の中心軸上には、連結歯車76が上方に突出す
るようにして一体形成されている。
【0029】なお、本実施形態では、遊星歯車機構20
を構成するケース64の回転が阻止された状態におい
て、負荷駆動用モータ18の回転駆動力がプーリ16に
伝達されるようになっていると共に、ケース64の回転
が許容された状態において、負荷駆動用モータ18の回
転駆動力がプーリ16に伝達されないようになってい
る。即ち、ケース64の回転が阻止された状態が、クラ
ッチが繋がった状態とされると共に、ケース64の回転
が許容された状態が、クラッチが切れた状態とされるよ
うになっているのである。
【0030】また、中間車54は、同軸上に一体形成さ
れた中間歯車54aと中間ピニオン54bを有してお
り、中間歯車54aが連結歯車76に噛合されている。
また、出力車56は、半円形状の歯車部56aを有して
おり、円弧状外周面に形成された歯が、中間ピニオン5
4bに噛合されている。更に、歯車部56aの下面に
は、円弧状に湾曲した摺動壁部56bが立設されてい
る。また、かかる摺動壁部56bの周方向一方の端部付
近には、摺動壁部56bとの間に隙間を形成するように
して、突起56dが立設されている。なお、本実施形態
では、突起56dは、摺動壁部56bよりも径方向外方
に位置せしめられている。更に、出力車56の軸部56
eの軸方向下端部には、プーリ16が相対回転不能に組
み付けられており、それによって、負荷駆動用モータ1
8の駆動力が、回転力継断部材52,遊星歯車機構2
0,中間車54および出力車56を介して、プーリ16
に伝達されるようになっている。
【0031】また、中間車54の軸方向下方には、カム
レバー78が、支軸84b回りで揺動可能に配設されて
いる。このカムレバー78は、円筒形状の軸部78aの
外周面上に軸直角方向外方に突出する摺接部78bと突
出部78cを有しており、摺接部78bの突出先端部分
が、出力車56の歯車部56aに突設された摺動壁部5
8bに摺動可能とされている。また、突出部78cの突
出先端部分には、操作部80が一体形成されている。か
かる操作部80は、全体として矩形平板形状とされてお
り、その板面中央部分には、長手方向に延びる貫通孔8
0aが形成されている。そして、突出部78cの突出方
向と操作部80の長手方向が略垂直となるようにして、
操作部80の長手方向一方の端部が突出部78cの突出
先端部分に一体形成されている。また、操作部80の先
端部80b(長手方向他方の端部)は、長手方向中央部
分に形成された傾斜部80cによって、基端部80d
(長手方向一方の端部)よりも、下方に位置せしめられ
ている。そして、操作部80の貫通孔80aが、後述す
る遊星歯車機構20の支軸84aに対して移動可能に外
挿されており、操作部80の上面が下側ボス部60cの
下面に当接されるようになっている。また、軸部78a
の外周面上には、一対の突出片78d,78dが周方向
に所定の隙間を有するようにして一体形成されている。
【0032】ここにおいて、本実施形態では、操作部8
0の基端部80cが、下側ボス部60cに当接されてい
る状態、即ち、摺接部78bが出力車56の摺動壁部5
6bに当接されている状態では、下側継断部材60が操
作部80で上方に持ち上げられて、下側継断部材60の
係止片60dと上側継断部材58の係止部58cが係止
されており、出力ピニオン40aの回転駆動力が連結歯
車76に伝達されるようになっていると共に、操作部8
0の先端部80aが下側ボス部60cに当接されている
状態、即ち、摺接部78bが出力車56の突起56dに
当接した状態では、下側継断部材60が上側継断部材5
8から離隔して下方に位置せしめられて、下側継断部材
60の係止片60dと上側継断部材58の係止部58c
が係止されておらず、出力ピニオン40aの回転駆動力
が連結歯車76に伝達されないようになっている。
【0033】また、カムレバー78の近くには、係止手
段としての係止レバー82が、カムレバー78の揺動中
心軸と平行な中心軸回りで揺動可能に配設されている。
この係止レバー82は、軸直角方向外方に延びる係止爪
82aを有しており、かかる係止爪82aが、上側継断
部材58の係止爪58bに係止されるようになってい
る。また、係止レバー82の軸方向下端部には、突出片
82bが一体形成されており、係止レバー82が配設さ
れた状態下において、かかる突出片82bがカムレバー
78の一対の突出片78d,78dによって形成された
隙間に位置せしめられている。それによって、係止レバ
ー82は、カムレバー78の揺動に対して、連動するよ
うになっている。即ち、本実施形態では、カムレバー7
8の摺接部78bが出力車56の摺動壁部56bに当接
されている状態状態では、係止レバー82の係止爪82
aは、上側継断部材58の係止爪58bに係止されてい
ないことから、上側継断部材58の回転を許容するよう
になっていると共に、カムレバー78の摺接部78bが
出力車56の突起56dに当接した状態では、係止レバ
ー82の係止爪82aは、上側継断部材58の係止爪5
8bに係止されており、上側継断部材58の回転を阻止
し得るようになっている。
【0034】なお、回転力継断機構52と遊星歯車機構
20の支軸84aは、負荷駆動用モータ18のステータ
50と蓋体28の間に跨って配設支持されている。ま
た、中間車54の支軸84bは、ハウジング本体26と
蓋体28の間に跨って配設支持されている。そして、こ
れら各支軸84a,84bは、何れも、負荷駆動用モー
タ18のロータ支軸44と平行に延びる状態で、ハウジ
ング12に固設されている。また、出力車56の軸部5
6eの上面中央部分には、軸方向に所定の長さに亘って
延びる取付穴56fが形成されている。そして、蓋体2
8に一体形成された突部28aが取付穴56fに回転可
能に内挿されると共に、ハウジング本体26の底壁部に
形成された貫通孔26aに出力車56の軸部56eの下
端部が回転可能に内挿されている。また、突部28a
は、支軸84a,84bと互いに平行とされている。
【0035】また、プーリ16は、全体として厚肉の円
板形状を有しており、その上面中央部分には、上面に開
口する取付穴86が形成されており、かかる取付穴86
に出力車56の軸部56eの軸方向下端部が相対回転不
能に組み付けられており、それによって、出力車56と
プーリ16が一体的に回転するようになっている。な
お、プーリ16は、出力車56に組み付けられた状態に
おいて、ハウジング12の外部に位置せしめられてい
る。また、プーリ16の外周面には、周溝88が略2/
3周の長さに亘って形成されており、かかる周溝88
に、ワイヤ90が巻き付けられている。更に、このワイ
ヤ90の一方の端部は、プーリ16に係止されていると
共に、その他方の端部が図示しない操作対象に取りつけ
られるようになっている。そして、プーリ16に負荷駆
動用モータ18の回転駆動力が伝達されると、ワイヤ9
0が巻き取られるようになっており、それによって、図
示しない操作対象を初期位置から作動位置に駆動変位せ
しめるようになっている。また、プーリ16の軸方向下
方には、蓋92が配設されており、蓋92がハウジング
本体26に固定されることにより、プーリ16の外部へ
の露出が防止されている。
【0036】また、ハウジング12内には、調速機構9
4が配設されている。この調速機構94は、調速ピニオ
ン96を有しており、かかる調速ピニオン96が、遊星
歯車機構20を構成するケース64の外周面に形成され
た外歯歯車64bに噛合されていると共に、調速ピニオ
ン96の軸方向上端部には、支持板98が一体形成され
ている。この支持板98には、周上の複数箇所(本実施
形態では2箇所)において、軸方向上方に向って突出す
る支持ピン100,100が固設されており、これら各
支持ピン100に対して、摺動材102が外挿されて取
り付けられている。かかる摺動材102は、全体として
略三日月形乃至は円弧形のブロック形状を有しており、
その周方向一方の端部に貫設された孔104において、
支持ピン100に外挿されることにより、支持ピン10
0回りに回転可能に組み付けられている。そして、各摺
動材102は、支持板98が中心軸回りに回転せしめら
れた際に、支持ピン100回りで遠心力によって径方向
外方に広がるようになっている。なお、摺動材102の
外周面は、周方向に湾曲した摺接面とされており、遠心
力によって径方向外方に広がった際に、蓋体28に一体
形成された円筒形状の摺動筒部106の内周面によつて
形成された摺動面に摺接されるようになっており、操作
対象が作動位置から初期位置に返戻する際のスピードを
調節するようになっている。なお、本実施形態におい
て、摺動材102の上方には、遠心力が働いていない状
態で、摺動材102に径方向内方への付勢力を与える付
勢部材103が配設されている。また、支持板98の外
周面上には、係止片108が一体形成されている。
【0037】なお、調速ピニオン96の支軸84cは、
ハウジング本体26の底壁部と蓋体28の間に跨って配
設支持されており、負荷駆動用モータ18のロータ支軸
44と平行とされている。
【0038】また、ハウジング12内には、クラッチ継
断機構110が配設されている。このクラッチ継断機構
110は、回転駆動軸112,連繋コイルスプリング1
14,フライホイル116,連繋回転軸118および摩
擦車24を含んで構成されている。回転駆動軸112
は、駆動歯車120を有しており、かかる駆動歯車12
0が負荷駆動用モータ18の出力ピニオン40aに噛合
されるようになっている。また、駆動歯車120の上面
中央部分には、円筒部122が一体形成されており、か
かる円筒部122に連繋回転軸118が相対的に回転可
能な状態で同一中心上に内挿配置されている。この連繋
回転軸118は、円筒形状とされており、その軸方向中
央部分には、環状の支持片124が外周面に突設して一
体形成されていると共に、支持片124の上方には、フ
ライホイル116が配設されている。フライホイル11
6は、金属等の高比重材によって形成された浅底の逆カ
ップ形状とされており、その底壁部に形成された貫通孔
126に対して、略円板形状の取付部材128が組み付
けられて固定されている。また、取付部材128の中央
部分には、挿通孔130が形成されており、この挿通孔
130に連繋回転軸118の軸方向上端部が挿入され
て、連繋回転軸118の支持片124の上に取付部材1
28が重ね合せられていることによって、フライホイル
116が連繋回転軸118に対して、中心軸回りで回転
可能に取り付けられている。なお、連繋回転軸118
は、取付部材128の挿通孔130を貫通して軸方向上
方に突出せしめられている。
【0039】また、連繋回転軸118には、ばね鋼等に
よって形成された連繋コイルスプリング114が外挿さ
れており、支持片124よりも下方に配設されている。
この連繋コイルスプリング114は、外力が及ぼされて
いない自由状態下で、コイル内径寸法が連繋回転軸11
8の外径寸法よりも所定寸法小さくされており、連繋回
転軸118に外挿された状態下で、連繋コイルスプリン
グ114自身の弾性に基づいて、該連繋コイルスプリン
グ114が、略全長に亘って、連繋回転軸118に巻き
締められている。また、連繋コイルスプリング114
は、その一方の端部が回転駆動軸112の円筒部122
に固定されていると共に、他方の端部がフライホイル1
16に固着された取付部材128に固定されている。
【0040】さらに、連繋回転軸118には、取付部材
128を貫通して上方に突出せしめられた上端部に対し
て、摩擦車24が組み付けられている。この摩擦車24
は、上側摩擦部材132と下側摩擦部材134および摺
動リング136によって構成されている。下側摩擦部材
134は、全体として円環板形状とされており、その中
心孔に連繋回転軸118が固定されており、連繋回転軸
118と一体的に回転するようになっている。また、上
側摩擦部材132は、全体として逆カップ形状を有して
おり、その中央部分には、軸方向上方に突出する摩擦ピ
ニオン138が一体形成されている。そして、上側摩擦
部材132と下側摩擦部材134が軸方向に重ね合せら
れて、同一中心軸上で相対回転可能に組み付けられてい
る。また、上側摩擦部材132の開口が下側摩擦部材1
34で覆蓋されることによって、上下摩擦部材132,
134の重ね合わせ面間に画成された内部空所には、摺
動リング136が収容配置されている。この摺動リング
136は、C字形状に湾曲された金属板ばねであって、
外力が及ぼされていない自由状態下での外径寸法が、上
側摩擦部材132の周壁部の内径寸法よりも所定寸法だ
け大きくされており、内部空所への配設状態下で、常
時、摺動リング136の外周面が上側摩擦部材132の
周壁部の内周面に対して、摺動可能に当接されている。
また、摺動リング134は、その少なくとも一方の開口
端縁部が下側摩擦部材134に対して周方向に相対変位
不能に係止されている。これにより、上下摩擦部材13
2,134は、摺動リング136の上側摩擦部材132
に対する摺動抵抗よりも小さな回転力が及ぼされた場合
には、一体的に回転せしめられるようになっている一
方、摺動リング136の上側摩擦部材132に対する摺
動抵抗よりも大きな回転力が及ぼされた場合にだけ、摺
動リング136の上側摩擦部材132に対する摺動に基
づいて、中心軸回りに相対回転して、回転駆動力の伝達
を制限し得るようになっている。
【0041】また、摩擦ピニオン138は、揺動歯車2
2に噛合されている。この揺動歯車22は、全体として
扇形形状とされており、円弧状に湾曲した外周面上に設
けられた歯140に対して摩擦ピニオン138が噛合さ
れていると共に、歯140の周方向一方の端部には、ス
トッパ142が形成されており、揺動歯車22の所定量
以上の回動が阻止されるようになっている。また、揺動
歯車22は、径方向中央部分において、段差が形成され
ており、先端部144が基端部146よりも上方に位置
せしめられている。更に、揺動歯車22の基端部146
の上面には、係止片148が上方に突出して一体形成さ
れており、かかる係止片148に係止された付勢手段と
してのコイルスプリング150により、揺動歯車22に
揺動方向一方向への復帰力が付与されている。また、揺
動歯車22の基端部146の周方向一方の端縁部には、
回転方向他方に向って突出する係止部152が一体形成
されており、揺動歯車22がコイルスプリング150の
復帰力に抗して回動せしめられた際に、揺動歯車22の
回動方向とは反対方向に回転する調速ピニオン96の支
持板96に設けられた係止片108に対して、係止部1
52が係止されることとなり、それによって、調速ピニ
オン96の回転を阻止して、調速ピニオン96に噛合さ
れた外歯歯車64bを有するケース64の回転を阻止す
るようになっている。なお、揺動歯車22が初期位置に
位置せしめられている状態において、係止部152は、
回転作動せしめられる調速ピニオン96に干渉しないよ
うになっている。
【0042】要するに、本実施形態では、揺動歯車22
の係止部152が、調速ピニオン96の係止片108に
係止された状態において、遊星歯車機構20を構成する
ケース64の回転が阻止されて、クラッチが繋がった状
態となると共に、揺動歯車22の係止部152が調速ピ
ニオン96の係止片108に係止されていない状態にお
いて、遊星歯車機構20を構成するケース64の回転が
許容されて、クラッチが切れた状態となるのである。
【0043】なお、クラッチ継断機構110および揺動
歯車22の支軸84d,84eは、何れも、ハウジング
本体26の底壁部と蓋体28の間に跨って配設されてい
ると共に、負荷駆動用モータ18のロータ支軸44に平
行とされている。
【0044】次に、上述の如き構造とされたギヤードモ
ータ10における作動を図4〜7に基づいて説明する。
先ず、ギヤードモータ10に電源が接続されていない状
態において、操作対象は初期位置に位置せしめられてい
る。そして、ギヤードモータ10に電源が接続される
と、負荷駆動用モータ18のコイル36に給電されて、
ロータ34が回転する。
【0045】その際、図4に示されているように、カム
レバー78の摺接部78bが出力車56の摺動壁部56
bに当接されていることから、カムレバー78における
操作部80の基端部80dによって、下側継断部材60
がコイルスプリング62の復帰力に抗して、軸方向上方
に押し上げられることとなる。それによって、下側継断
部材60の係止片60dが上側継断部材58の係止部5
8cに係止されるようになっている。また、下側継断部
材60の係止片60dが上側継断部材58の係止部58
cに係止された状態では、係止レバー82の係止爪82
aが上側継断部材58の係止爪58bに係止されておら
ず、上側継断部材58の回転が許容されており、それに
よって、出力ピニオン40aの回転駆動力が、遊星歯車
機構20,中間車54,出力車56を介してプーリ16
に伝達されて、ワイヤ90が巻き取られることとなり、
ワイヤ90に取りつけられた操作対象が初期位置から作
動位置に駆動変位せしめられるのである。
【0046】ここにおいて、本実施形態では、負荷駆動
用モータ18における正転方向が、連繋回転軸118に
外挿された連繋コイルスプリング114を巻き締める方
向に設定されている。そして、負荷駆動用モータ18の
コイル36に給電されて、ロータ34が回転すると、図
5に示されているように、出力ピニオン40aに噛合さ
れた回転駆動軸112も回転することとなり、それによ
って、円筒部122に固定された連繋コイルスプリング
114が連繋回転軸118に対して緩むことなく、一層
巻き締める方向に回転する。その際、連繋コイルスプリ
ング114には、フライホイル116の慣性力が作用す
ることから、加速時だけでなく、定速回転時において
も、連繋コイルスプリング114には、巻き締め方向の
力が及ぼされることとなる。その結果、回転駆動軸11
2と連繋回転軸118が、連繋コイルスプリング114
を介して相互に実質的に一体的に連結された状態となっ
て、摩擦ピニオン138が摺動抵抗により、回転される
のである。それによって、摩擦ピニオン138に噛合さ
れた揺動歯車22が、コイルスプリング150の復帰力
に抗して調速ピニオン96の回転方向と逆方向に回動す
る。これにより、揺動歯車22に設けられた係止部15
2が調速ピニオン96に設けられた係止片108に係止
されて、調速ピニオン96の回転が阻止されることとな
り、調速ピニオン96と噛合されている外歯歯車64b
を有するケース64の回転を阻止するようになる。それ
故、クラッチが繋がった状態となって、負荷駆動用モー
タ18の回転力を、回転力継断機構52,遊星歯車機構
20,中間車54,出力車56を介してプーリ16に伝
達することが可能となり、操作対象を初期位置から作動
位置に駆動変位せしめることが出来るのである。
【0047】また、揺動歯車22の係止部152に調速
ピニオン96の係止片108が係止されて、摩擦ピニオ
ン138の回転が阻止された状態下において、摩擦車2
4を構成する下側摩擦部材134は、摩擦ピニオン13
8が設けられた上側摩擦部材132に対して、摺動リン
グ136の摺動作用に基づいて相対回転が許容されてい
ることから、下側摩擦部材134が上側摩擦部材132
に対して空転することとなる。なお、下側摩擦部材13
4が上側摩擦部材132に対して空転している状態下で
も、負荷駆動用モータ18からのトルクの伝達は維持さ
れることから、揺動歯車22の係止部152が調速ピニ
オン96の係止片108に係止された状態が保持され
る。
【0048】そして、操作対象を作動位置まで駆動変位
せしめると、図6に示されているように、カムレバー7
8の摺接部78bが出力車56の突起56dにより出力
車56の回転方向に押されることとなり、カムレバー7
8が回動中心軸回りで(図6中の矢印の方向)に回動す
る。それによって、カムレバー78の操作部80におけ
る先端部80bが下側ボス部60cに当接せしめられる
こととなる。その結果、コイルスプリング62の復帰力
に抗して軸方向上方に押し上げられていた下側継断部材
60が、コイルスプリング62の復帰力により、軸方向
下方に押し下げられて、上側継断部材58の係止部58
cと下側継断部材60の係止片60dとの係止状態が解
除されることとなり、出力ピニオン40aの回転駆動力
が連結歯車76に伝達されないようになっている。ここ
において、操作対象は、それ自身の有する復帰力によ
り、初期位置に向って返戻作動を開始しようとするが、
摩擦車24を構成する下側摩擦部材134が、摩擦ピニ
オン138が設けられた上側摩擦部材132に対して、
摺動リング136の摺動作用に基づいて相対回転されて
いることから、揺動歯車22に対して負荷駆動用モータ
18の回転力(トルク)を与えることが可能となり、そ
れによって、揺動歯車22の係止部152を調速ピニオ
ン96の係止片108に係止した状態、即ち、クラッチ
が繋がった状態を維持することが出来るのである。ま
た、上側継断部材58の係止部58cと下側継断部材6
0の係止片60dとの係止状態が解除された状態におい
ては、カムレバー78の揺動により係止レバー82が回
動中心軸回りに回動されて、係止レバー82の係止爪8
2aが上側継断部材58の係止爪58bに係止されるよ
うになっており、上側継断部材58の逆方向への回転を
阻止することが出来るのであり、その結果、連結歯車7
6の逆方向への回転を阻止することが可能となり、操作
対象の作動位置への保持が可能となるのである。
【0049】そして、所定の時間が経過した後に、負荷
駆動用モータ18のコイル36への給電が停止される
と、負荷駆動用モータ18のロータ34が、磁力の作用
により、瞬間的に停止されることとなり、かかる停止の
瞬間においてクラッチ継断機構110に制動力が及ぼさ
れることとなる。即ち、かかる制動力が、逆転力となっ
て、連繋コイルスプリング114に対して締め付け方向
とは反対方向に作用することとなり、連繋コイルスプリ
ング114が連繋回転軸118から緩むようになる。特
に、本実施形態では、連繋コイルスプリング114の一
方の端部が、フライホイル116に固着された取付部材
128に固定されていることから、フライホイル116
の慣性モーメントの作用で、連繋コイルスプリング11
4を緩める力が一層有利に得られる。そして、連繋コイ
ルスプリング114が緩むことによって、図7に示され
ているように、連繋回転軸118がフリー状態となり、
その結果、揺動歯車22に及ぼされていた回動力が解除
されて、略0となることから、揺動歯車22が、コイル
スプリング150の復帰力によって、初期位置に瞬間的
に戻ることとなる。それによって、揺動歯車22の係止
部152が、調速ピニオン96の係止片108に係止さ
れていない状態となり、調速ピニオン96の回転が許容
されて、調速ピニオン96に噛合された外歯歯車64b
を有するケース64の回転も許容されるようになってい
る。その結果、クラッチが切れた状態となり、係止レバ
ー82の係止爪82aが上側継断部材58の係止爪58
bに係止されることによって得られた上側継断部材58
の逆回転阻止力がプーリ16に伝達されなくなり、操作
対象が、それ自身が有する復帰力により、作動位置から
初期位置に返戻作動するようになっている。
【0050】ここにおいて、操作対象の返戻作動の開始
時に、カムレバー78の摺接部78bが、出力車56の
突起56dへの当接状態から解除されて、摺動壁部56
bに当接されるようになり、それによって、操作部80
の基端部80dが下側ボス部60cに当接されることと
なり、下側継断部材60がコイルスプリング62の復帰
力に抗して軸方向上方に押し上げられて、上側継断部材
58の係止部58cと下側継断部材60の係止片60d
が係止状態とされることとなる。その結果、操作対象の
作動位置から初期位置への返戻作動時には、上側継断部
材58の係止部58cと下側継断部材60の係止片60
dが係止された状態となっており、負荷駆動用モータ1
8の磁力によるロータ34の位置決め力(ディテントト
ルク)が上側継断部材58に伝達されて、上側継断部材
58の逆方向への回転が阻止されるようになっている。
【0051】なお、操作対象の作動位置から初期位置へ
の返戻作動時には、出力車56,中間車54および遊星
歯車機構20を構成する遊星歯車部材66に設けられた
連結歯車76が逆方向に回転せしめられるが、ケース6
4の回転が許容されていると共に、上側ピニオン58a
(太陽歯車)の逆方向への回転が阻止されていることか
ら、ケース64の回転が調速ピニオン96に伝達され
て、調速ピニオン96が回転するようになっている。そ
して、調速ピニオン96が回転することによって、調速
ピニオン96と一体形成された支持板98が回転せしめ
られ、各摺動材102が支持ピン100回りで、遠心力
によって径方向外方に広がるようになっており、それに
よって、蓋体28に一体形成された摺動筒部106の摺
接面に摺接されて、操作対象の返戻作動時のスピードを
調節することが出来るようになっている。
【0052】従って、このような構造とされたギヤード
モータ10においては、クラッチ手段を継断する揺動歯
車22を駆動せしめるに際して、連繋コイルスプリング
114の連繋回転軸118への巻き付き力を、フライホ
イル116を用いて制御することによって、回転駆動軸
112から連繋回転軸118への回転力の伝達/遮断を
行うと共に、該連繋回転軸118の回転力を、摩擦車2
4を利用することによって、揺動歯車22の駆動力とし
て取り出すことが出来るのであり、その結果、クラッチ
の継断作動を安定して行うことが出来る。
【0053】また、揺動歯車22を駆動せしめるに際し
て、従来の誘導リング式のものに比して、永久磁石や特
別な材質の誘導リングを使用する必要もないことから、
製造コストを抑えることも出来るのである。
【0054】また、クラッチを継断する揺動歯車22の
切換作動力が、連繋コイルスプリング114の巻き付き
力と摩擦車22の摩擦力による機械的な力の伝達経路に
よって伝達されるようになっていることから、従来の電
磁的な力の伝達経路による誘導リング式のギヤードモー
タに比して、多数の増速歯車で回転速度を上げる必要も
なく、揺動歯車22への駆動力の伝達効率を向上させ
て、クラッチの継断作動をより確実に行わせることが出
来るのである。
【0055】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的な記載によって、何等、限
定的に解釈されるものではない。
【0056】例えば、前記実施形態において、遊星歯車
機構20を構成するケース64の回転は、調速ピニオン
96を介して阻止されていたが、揺動歯車22によって
直接に阻止することも可能である。具体的には、図8に
示されているような構造が好適に採用される。即ち、図
8には、本発明の第二の実施形態としてのギヤードモー
タ154が示されている。なお、以下の説明において、
第一の実施形態と同様な部材および部位については、図
中に第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、そ
れらの詳細な説明を省略する。
【0057】本実施形態のギヤードモータ154は、第
一の実施形態のギヤードモータ(10)に比して、揺動
歯車22の係止部152が、ケース64の外周面上に一
体形成された係止片156に対して、直接に係止されて
いる。このような構造を採用することにより、ギヤード
モータ154の部品点数を少なくすることが可能とな
り、それによって、ギヤードモータ154の構造を簡単
にすることが出来るのである。
【0058】また、前記第一の実施形態では、切換部材
として、遊星歯車機構20のケース64の回転を許容/
阻止せしめる揺動歯車22が採用されていたが、その
他、例えば、負荷駆動用モータ18の出力部材に対する
回転駆動力の伝達経路上で回転力伝達軸に固定的に配設
される歯車等に対して係合して、該歯車の回転を許容/
阻止する係合部材を、モータ側クラッチと組み合わせて
採用することにより、切換部材を構成することも可能で
あり、そのような場合には、第一の実施形態において太
陽歯車としての上側ピニオン58aを有する上側継断部
材58の回転を許容/阻止する係止手段としての係止レ
バー82は、設ける必要がない。
【0059】また、第一の実施形態では、負荷駆動用モ
ータ18によって、回転駆動軸112が回転駆動せしめ
られていたが、回転駆動軸を回転駆動せしめるためのク
ラッチ動作用モータを設けることも可能である。その場
合には、クラッチ動作用モータとして、板状の磁性材か
らなるステータにコイルを装着せしめると共に、ステー
タに形成された複数の磁極形成部で囲まれた領域に、永
久磁石によって複数の磁極が外周面に設定されたロータ
を配設したプレートモータを採用することが望ましく、
それによって、クラッチ動作用モータの配設スペースを
有利に確保することが出来ると共に、フライホイルを用
いた回動力の伝達機構を含めて、ギヤードモータのサイ
ズを小さくすることが出来るのである。また、プレート
モータにおいて、コイルを挟んで磁極形成部と反対側に
短絡部を形成することも可能であり、それによって、安
定したモータ作動と出力が発揮されるようになる。
【0060】また、出力部材の作動位置に応じて外部か
ら負荷駆動用モータへの給電を制御するスイッチが負荷
駆動用モータへの給電路上に設けられたギヤードモータ
に対して、本発明を適用することも、勿論可能であり、
そのような場合においては、負荷駆動用モータへの給電
路上に複数のスイッチを設けることも可能であり、それ
ら複数のスイッチを異なるタイミングでON/OFFす
ることによって、操作対象を初期位置から作動位置に駆
動変位せしめる途中で、少なくとも一つの中間作動位置
に駆動変位および保持するといった複雑な作動を行うこ
とが出来るのである。
【0061】また、洗濯機用の排水弁等の操作対象が、
小さな返戻方向の復帰力しか備えていない場合には、操
作対象に返戻方向の復帰力を補助的に及ぼす金属ばね等
の付勢部材を付加的に採用することも可能である。
【0062】また、歯車列の構造や各歯車対の減速比の
他、歯車列を構成する歯車の数等は、前記実施形態のも
のに限定されるものではない。更に、負荷駆動用モータ
のコイルの数や具体的形状は、前記実施形態のものに限
定されるものではない。また、出力部材として、ラック
レバーを採用することも可能である。
【0063】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々成る変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたギヤードモータにおいては、クラッ
チ手段を継断する切換部材に回転駆動力を伝達するに際
して、コイルスプリングの連繋回転軸への巻き付き力を
フライホイルを用いて巧く制御して、回転駆動軸から連
繋回転軸への回転力の伝達/遮断を行うと共に、該連繋
回転軸の回転力を、摩擦歯車を利用して、切換部材の駆
動力として巧く取り出すことが出来ることから、負荷駆
動用モータの出力部材への駆動力伝達経路上に配設され
たクラッチ手段を安定して伝達/遮断せしめることが可
能となり、その結果、操作対象を安定して作動制御する
ことが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのギヤードモー
タの内部構造を示す図である。
【図2】図1に示されたギヤードモータの組立説明図で
ある。
【図3】図1に示されたギヤードモータの組立分解図で
ある。
【図4】図1に示されたギヤードモータに採用されてい
るカムレバーの作動状態を説明する図である。
【図5】図1に示されたギヤードモータに採用されてい
るクラッチ継断機構の作動状態を説明する図である。
【図6】図1に示されたギヤードモータに採用されてい
るカムレバーの他の作動状態を説明する図である。
【図7】図1に示されたギヤードモータに採用されてい
るクラッチ継断機構の他の作動状態を説明する図であ
る。
【図8】本発明の第二の実施形態としてのギヤードモー
タの組立分解図である。
【符号の説明】
10 ギヤードモータ 14 減速歯車列 16 プーリ 18 負荷駆動用モータ 20 遊星歯車機構 22 揺動歯車 24 摩擦車 112 回転駆動軸 114 連繋コイルスプリング 116 フライホイル 118 連繋回転軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷駆動用モータにより歯車列等の減速
    手段を介して出力部材を駆動せしめて、該出力部材に連
    結される復帰力を持った操作対象を初期位置から作動位
    置に駆動変位せしめると共に、かかる操作対象を該作動
    位置へ保持せしめ、更に該操作対象の前記復帰力による
    該作動位置から該初期位置への返戻作動を許容するよう
    にしたギヤードモータにおいて、 前記負荷駆動用モータの前記出力部材への駆動力の伝達
    経路上にクラッチ手段を設けると共に、該クラッチ手段
    を継断する切換部材と、該切換部材を断状態となる方向
    に付勢する付勢手段を設ける一方、少なくとも前記操作
    対象の前記作動位置への駆動変位および保持に際して回
    転駆動せしめられる所定の回転駆動軸に対して連繋コイ
    ルスプリングを介してフライホイルを連結せしめて、そ
    れら回転駆動軸およびフライホイルと同一中心軸上に配
    設された連繋回転軸に該連繋コイルスプリングを巻き付
    け、該回転駆動軸の回転力を該連繋コイルスプリングを
    介して該連繋回転軸に伝達して該連繋回転軸を回転駆動
    せしめることにより、該連繋回転軸に対して摺動可能に
    取り付けられた摩擦歯車によって、前記クラッチ手段を
    継断する切換部材が付勢力に抗して継状態に駆動位置せ
    しめられるようにすると共に、該回転駆動軸が停止した
    際に該フライホイルの慣性回転に基づいて前記連繋コイ
    ルスプリングを該連繋回転軸から緩ませて該連繋回転軸
    を該回転駆動軸から独立して回転可能とすることによ
    り、前記切換部材を付勢力によって断状態に返戻位置せ
    しめるようにしたことを特徴とするギヤードモータ。
  2. 【請求項2】 前記連繋コイルスプリングにおいて、外
    力が及ぼされていない自由状態下でのコイル内径寸法
    を、前記連繋回転軸の外径寸法よりも小さくして、該連
    繋コイルスプリングをその弾性によって該連繋回転軸に
    巻き締めた状態で装着した請求項1に記載のギヤードモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記負荷駆動用モータによって前記回転
    駆動軸を回転駆動せしめる一方、前記出力部材の作動位
    置に応じて前記負荷駆動用モータの該出力部材への駆動
    力の伝達を継断するモータ側クラッチを、前記クラッチ
    手段よりも該負荷駆動用モータ側に位置して設けて、前
    記操作対象の初期位置から作動位置への駆動に際して、
    該モータ側クラッチを継状態とすると共に、該操作対象
    の作動位置への保持に際して、該モータ側クラッチを断
    状態とするようにした請求項1又は2に記載のギヤード
    モータ。
  4. 【請求項4】 前記負荷駆動用モータへの給電路上にス
    イッチを設けると共に、該出力部材の作動位置に応じて
    該スイッチを機械的にON/OFFせしめて、外部から
    該負荷駆動用モータへの給電を制御することにより、少
    なくとも前記操作対象の作動位置への保持に際して該負
    荷駆動用モータを停止させるようにする一方、前記回転
    駆動軸を回転駆動せしめるクラッチ動作用モータを、前
    記負荷駆動用モータとは別に設けた請求項1又は2に記
    載のギヤードモータ。
  5. 【請求項5】 前記負荷駆動用モータへの給電路を複数
    並設すると共に、それら各給電路上に独立したスイッチ
    を設けて、前記出力部材の作動位置に応じてそれら複数
    のスイッチを異なるタイミングでON/OFFせしめる
    ことにより、前記操作対象を前記初期位置から前記作動
    位置に駆動変位せしめる途中に、少なくとも一つの中間
    作動位置に駆動変位および保持せしめるようにした請求
    項4に記載のギヤードモータ。
  6. 【請求項6】 前記クラッチ動作用モータとして、板状
    の磁性材からなるステータにコイルを装着せしめると共
    に、該ステータに形成された複数の磁極形成部で囲まれ
    た領域に、永久磁石によって複数の磁極が外周面に設定
    されたロータを配設したプレートモータを採用した請求
    項4又は5に記載のギヤードモータ。
  7. 【請求項7】 前記クラッチ手段を、前記負荷駆動用モ
    ータの前記出力部材への駆動力の伝達経路上に配設され
    た前記減速手段の一つとしての遊星歯車機構によって構
    成して、該遊星歯車機構における太陽歯車を前記負荷駆
    動用モータの出力軸によって回転駆動せしめると共に、
    該太陽歯車に噛合された遊星歯車の支軸が固設されたキ
    ャリアの中心軸上に出力用の連結歯車を固設し、該遊星
    歯車が噛合される内歯歯車を有するケースの回転を、前
    記切換部材によって、許容状態と阻止状態に切り換える
    ようにする一方、前記太陽歯車の回転を許容/阻止する
    係止手段を設けて、少なくとも前記操作対象の作動位置
    への保持作動に際して該係止手段によって該太陽歯車の
    回転を阻止せしめるようにした請求項1乃至6の何れか
    に記載のギヤードモータ。
  8. 【請求項8】 復元力をもって一軸回りに揺動可能に配
    設された揺動部材に対して、該復元力に抗した揺動方向
    への変位によって前記ケースの外周面に形成された外歯
    歯車または該外歯歯車に噛合された歯車に対して係止せ
    しめられて該ケースの回転を阻止する係止部を設けるこ
    とにより、前記切換部材を構成せしめて、前記回転駆動
    軸から前記連繋コイルスプリングを介して回転駆動せし
    められる前記連繋回転軸によって該揺動部材の該係止部
    が該外歯歯車への係止状態に維持されるようにした請求
    項7に記載のギヤードモータ。
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