JP2013232999A - モータアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの動力を従動側部材に伝達する機構を安価に構成することができるモータアクチュエータを提供すること。
【解決手段】駆動側はす歯部1312を有する駆動側部材13と、駆動側はす歯部1312に噛合するはす歯部を有する従動側はす歯歯車15と、従動側はす歯歯車15を支持する従動側部材14と、従動側はす歯歯車15の回転に負荷を与える負荷付与部材141,142とを備え、はす歯部同士の噛合および負荷付与部材141,142の負荷により駆動側はす歯部1312が回転するとそれに噛合する従動側はす歯歯車15に軸方向のスラスト力が生じ、そのスラスト力によって従動側はす歯歯車15を支持する従動側部材14が駆動側部材13に押しつけられることによって生ずる摩擦力により、モータ10の動力を一定の結合力で駆動側部材13から従動側部材14に伝達するように構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータの動力を、ロータによって(ロータと一体に)駆動する駆動側部材だけでなく、駆動側部材とは異なる従動側部材に一定の結合力で伝達するモータアクチュエータに関する。
この種のモータアクチュエータとして下記特許文献1に記載のものが公知である。このモータアクチュエータでは、ロータ(駆動側部材)の回転は磁気誘導力によって誘導リング(従動側部材)に一定の結合力で伝達される。
特開2010−279196号公報
しかし、上記特許文献1に記載のような磁気誘導力を用いた構成では、高価なマグネット(ネオジムなどを用いるため材料的なコストが嵩むとともに、外側を磁化させるなどの工法的なコストも嵩む)および非磁性誘電体を用いる必要がある。
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、モータの動力を従動側部材に伝達する機構を安価に構成することができるモータアクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明にかかるモータアクチュエータは、モータのロータによって回転する部材であって、はす歯である駆動側はす歯部を有する駆動側部材と、前記駆動側はす歯部に噛合するはす歯部を有する従動側はす歯歯車と、この従動側はす歯歯車を支持する従動側部材と、前記従動側はす歯歯車の回転に負荷を与える負荷付与部材と、を備え、はす歯部同士の噛合および前記負荷付与部材の負荷により前記駆動側はす歯部が回転するとそれに噛合する前記従動側はす歯歯車に軸方向のスラスト力が生じ、そのスラスト力によって前記従動側はす歯歯車を支持する前記従動側部材が前記駆動側部材に押しつけられることによって生ずる摩擦力により、前記モータの動力を一定の結合力で前記駆動側部材から前記従動側部材に伝達するように構成されていることを要旨とするものである。
上記モータアクチュエータによれば、従来のような高価な磁気誘導型の機構を用いずに従動側部材を動作させることができる。
この場合、前記駆動側部材は前記ロータと一体に設けられるとともに、このロータ内には中央に前記駆動側はす歯部が位置する空間が形成され、前記従動側部材およびそれに支持された従動側はす歯歯車は、前記駆動側はす歯歯車の外側に従動側はす歯歯車が噛合するようにして前記空間内に設けられていればよい。
このように駆動側部材がロータと一体に設けられる構成(ロータ=駆動側部材)である場合、ロータ内に形成された空間に従動側部材およびこの従動側部材に支持される従動側はす歯歯車が配される構成とすれば、駆動側部材(ロータ)、従動側部材、および従動側はす歯歯車を配置するためのスペースを小さくすることができる。
また、前記駆動側はす歯部を周方向等間隔に囲むように複数の前記従動側はす歯歯車が設けられていればよい。
このような構成とすれば、駆動側はす歯部に掛かる力が周方向に均等になり、駆動側はす歯部の倒れを防止することができる。つまり、駆動側部材から従動側部材へ動力が伝達される際のエネルギロスが小さくなる。
また、前記従動側部材には、前記軸方向のスラスト力が働く方向の端面とは反対の端面に出力歯車が設けられ、この出力歯車と噛合する伝達歯車の少なくとも一部は、軸方向において前記従動側部材と重なっていればよい。
ロータが逆転した場合、従動側部材は駆動側部材に押しつけられる方向とは反対の方向に移動しようとする。この場合であっても、当該従動側部材の移動は伝達歯車によって規制される。つまり、上記構成は、従動側部材の回転動力を伝達する伝達歯車を、動力伝達部材としてだけでなく、従動側部材の移動を規制する部材として利用した点で優れるものである。
また、前記従動側部材に伝達された前記モータの動力は、動力伝達列によって減速されて対象物まで伝達されるものであればよい。
このように動力伝達列によって減速される構成であれば、駆動側部材と従動側部材との間の摩擦力を小さく設定できる。
本発明にかかるモータアクチュエータによれば、第一歯車の回転軸と第二歯車の回転軸を近接させて配置することができるため、クラッチ手段を動作させるための伝達列(第二伝達列)の配置スペースが小さくなる。
本実施形態にかかるモータアクチュエータの全体(ケースを取り外した状態)を示した図である。 モータアクチュエータを伝達列に沿って展開した図である。 上ケースが取り外された状態のモータアクチュエータの平面図である。 ロータ、ロータの空間内に収容された回転体、および回転体に支持された従動側はす歯歯車の外観図である(上支持部材を取り外した状態)。 モータの動力が第二伝達列を通じて第一ロック歯車に作用している状態を示した図である。なお、ロータのロータマグネットを省略している。 クラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して上方から見た図である。 クラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して下方から見た図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明における上下とは、図2における左右(上ケース91側を上、下ケース92側を下とする)をいうものとする。また、「原位置」とは、モータ10が駆動していない状態における各構成部材の位置をいう。
本実施形態にかかるモータアクチュエータ1は、駆動源であるモータ10と、モータ10の動力を被駆動体95に伝達する第一伝達列と、第一伝達列による動力の伝達を「継」状態または「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、モータ10の動力を一定の結合力で伝達するトルクリミッタ機構と、このトルクリミッタ機構を介して伝達されるモータ10の動力をクラッチ手段に伝達する第二伝達列と、第二伝達列を付勢する付勢手段と、を備え、これらの部材(後述するプーリ26およびワイヤ27を除く)が上ケース91および下ケース92から構成されるケース90に収容されてなる。以下、図1〜図7を参照して各構成について説明する。
(モータ)
被駆動体95の駆動源であるモータ10は、一方向のみ回転するモータである。本実施形態ではAC同期モータを用いている。モータ10は、磁性体金属よりなり、下側、すなわち下ケース92側が、平坦な底部を有するカップ状に形成されたモータケース11と、そのモータケース11の内側に配置されたステータ12と、このステータ12の内側に配置されたロータ13と、を備える。ロータ13は、カップ状に形成されフェライト磁石等のプラスチック磁石よりなるロータマグネット部をインサート成形して形成された出力軸131を備えている。ロータ13の円筒状のロータマグネット部は、ステータ12と対向して配置されている。ロータマグネット部の開口側の端部には、モータ10の逆回転を防止するロータ側逆回転防止部が形成されており、本実施例では後述する逆回転防止部423との当接により、モータ10の逆回転を防止する。出力軸131は、ロータ軸130を通す貫通孔を備えた軸部と、ロータマグネット部と軸部を繋ぐ接続部とを有している。出力軸131は、接続部より上側に突出しており、軸部とロータマグネット部との円柱状の空間に、後述する回転体14が配置される。ロータ13を回転可能に軸支するロータ軸130は、ステンレス等の金属で形成された固定軸であり、モータケース11に圧入等によって固定され、上ケース91に形成されたロータ軸固定部に嵌合している。ステータ12は、円筒状に形成されされた、ステータコイル及びボビン、ヨークよりなる。ロータ13のロータマグネット部との対向面には突極(極歯)が形成されている。この円筒状に形成されたステータ12の径方向内側にカップ状に形成されたロータ13が配置されている。ステータ12のコイルに電力を供給することにより、その内側に配置されたロータ13がロータ軸130を回転中心として回転する。出力軸131は、ロータ13ととともにロータ軸を回転中心として回転する。出力軸131の上面には、下係合部1311が形成されている。この下係合部1311は第一伝達列を構成する上モータ歯車21の下面に形成された上係合部2111に係合する爪である。また、出力軸131の軸部には、後述する回転体14を回転可能に支持する軸受を、出力軸131の軸部の外周側にラジアル軸受を2箇所、そして軸部の周囲の接続部の上側の平坦な面にスラスト軸受を備えている。上側のラジアル軸受は、ロータ軸線方向において、後述する下モータ歯車41と同じ高さの軸部の外周に形成され、上支持部材142のラジアル軸受として機能している。下側のラジアル軸受は、接続部の上端面より上側の軸部の外周に形成されている。上側のラジアル軸受の外径は、下側のラジアル軸受の外径より小径に形成され、下支持部材141のラジアル軸受として機能する。上側のラジアル軸受と下側のラジアル軸受との間の軸部の外径は、上側のラジアル軸受の外径より小さくしてある。なお、スラスト軸受は、下支持部材141のスラスト軸受として機能し、上側のラジアル軸受より上側の軸部に、上側のラジアル軸受より上側の軸部の外径より小径にして形成したステップ状のスラスト軸受としてもよい。
上記円筒状に形成されたステータ12における軸方向端面の一方側(上側)には支持プレート121が設けられている。支持プレート121は、ロータ13が挿入される箇所(中央部分)を覆わないように、ステータ12の当該端面に合わせて平面視略ドーナツ状(環状)に形成されている。この支持プレート121は、下ケース92の周縁よりも低い位置に配置される。すなわち、下ケース92の側壁上端縁は支持プレート121よりも高い位置に位置する。
支持プレート121は、磁性体よりなる金属板をプレス加工によって形成される。支持プレート121には、第一伝達列(上モータ歯車21、プーリ26、およびワイヤ27を除く)および第二伝達列を構成する各動力伝達部材(歯車)を支持する支持軸の下端が圧入される貫通孔が形成される。また、上記ロータ13が挿入される箇所となる中央の円形の孔は、プレートを構成する板材が切り起こされて形成される。この切り起こされた部分はステータコイルとロータマグネットの間に位置し、モータ10の突極となる。
(第一伝達列)
第一伝達列は、モータ10の動力を被駆動体95まで伝達する出力系統を構成する。かかる第一伝達列は、複数の動力伝達部材を有する。詳しくは、上モータ歯車21と、上モータ歯車21に噛合する入力側歯車22と、クラッチ手段が「継」の状態のとき入力側歯車22の回転に伴って回転する出力側歯車23と、出力側歯車23に噛合する複合歯車24と、複合歯車24に噛合するカム歯車25と、カム歯車25と一体的に回転するプーリ26と、プーリ26の回転によって巻き上げられるワイヤ27と、を有する。このうち、入力側歯車22と、出力側歯車、複合歯車24は、ケース90内部に収容され、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属で形成された支持軸に回転自在に支持されている。なお、入力側歯車22および出力側歯車23は、詳細を後述するクラッチ手段(遊星歯車列に基づく差動歯車機構)を構成する歯車でもある。
上モータ歯車21は、ロータ軸130に支持され、モータ10と同軸線上で回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持された平歯車で、樹脂により形成されており、後述する下モータ歯車41の上(出力軸131の上端側)に支持されている。上モータ歯車21の上面には、被ロック突起211が一体に成形されている。かかる被ロック突起211には、後述する扇形レバー60の上モータ歯車ロック突起62が作用する。また、上モータ歯車21は、下係合部1311と上係合部2111の間にロータ軸130と同軸上に配置されたコイルばねよりなる付勢部材48で軸線方向上向きに付勢されている。上モータ歯車21の下面には、下モータ歯車41と係合する上係合部2111が形成されている。なお、付勢部材48は下係合部1311および上係合部2111と、ロータ軸130の間に位置する。
上モータ歯車21には、入力側歯車22が噛合している。入力側歯車22は、遊星歯車列を構成する一の歯車であっていわゆる太陽歯車である。入力側歯車22は、相対的に大径の大歯部221と相対的に小径の小歯部222とを有し、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属からなる遊星ユニット支持軸220に支持されている。入力側歯車22の大歯部221が上モータ歯車21と噛合しており、上モータ歯車21の回転に伴って入力側歯車22が回転する。
モータ10の動力は上モータ歯車21を介して、出力側歯車23に伝達される。出力側歯車23は、支持プレート121に固定された遊星ユニット支持軸220に支持されている。出力側歯車23は、遊星歯車列を構成する歯車である、三つの遊星歯車231および遊星支持歯車232によって構成される。遊星歯車231は、遊星支持歯車232の上端面から突出して周方向等間隔に設けられた三つの遊星歯車支持軸にそれぞれが回転自在に支持されている。遊星歯車支持軸の上端には、抜け止めリング233が固定され、遊星歯車231の脱落が防止されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231が取り付けられた面とは反対側に歯車部2321を有する。遊星歯車231は、入力側歯車22の小歯部222と噛合している。詳細は後述するが、クラッチ手段が「継」状態にある場合、入力側歯車22の回転に伴って遊星歯車231は入力側歯車22の小歯部222の周りを公転する。かかる遊星歯車231の公転に伴って、遊星歯車231を支持している遊星支持歯車232が回転する。このようにして、入力側歯車22から出力側歯車23へ動力が伝達される。なお、出力側歯車23、遊星歯車231、遊星支持歯車232、遊星歯車支持軸は、いずれも樹脂の成形品である。
遊星支持歯車232には、樹脂で成形された複合歯車24が噛合している。詳しくは、複合歯車24は、上側に相対的に小径の小歯部241および下側に相対的に大径の大歯部242を同軸上に有し、この大歯部242が遊星支持歯車232の歯車部2321と噛合している。これにより、遊星支持歯車232の回転に伴って複合歯車24が回転する。複合歯車24は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる複合歯車支持軸240に支持されている。
複合歯車24には、カム歯車25が噛合している。詳しくは、カム歯車25の歯車部251が、複合歯車24の小歯部241に噛合している。これにより、複合歯車24の回転に伴ってカム歯車25が回転する。カム歯車25は、支持プレート121に固定されたカム歯車支持軸受250に回転可能にこのカム歯車支持軸受250は、ステータ12のステータコイルが巻かれるボビンと一体に樹脂成型で構成され、プレート121に設けられた穴を貫通している。支持されている。カム歯車25の外周に歯車部251が形成された部分の上端面には、カム溝252が形成されている。かかるカム溝252には扇形レバー60の下端面に形成された係合突起61が係合している。この扇形レバー60の構成およびその作用については後述する。
カム歯車25には、プーリ26が固定されている。カム歯車25と一体的にプーリ26が回転するものであれば、その固定方法は特に限定されない。これにより、カム歯車25の回転に伴ってプーリ26が回転する。また、プーリ26は、ケース90外側に露出している。また、プーリ26の外周には、ワイヤ溝261が形成されている。
プーリ26には、ワイヤ27の一端が固定されている。その固定方法は、ワイヤ27の脱落を確実に防止することができるものであれば特に限定されない。プーリ26がワイヤ27を引き込む方向に回転すると、ワイヤ27はプーリ26のワイヤ溝261にはまり込むように巻き上げられる。ワイヤ27の他端側には、被駆動体95(例えば排水口を開閉する弁体)が固定されており、被駆動体95には、常に原位置(弁体が閉となる位置)に戻ろうとする方向のばねによる付勢力や磁気力等の負荷が作用している。ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることによって、被駆動体95が所定の動作を行う。つまり、ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることにより、モータ10の動力が第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達されることになる。なお、被駆動体95を正確に動作させるため、ワイヤ27は伸縮性のない材料で形成されている。なお、プーリ26とワイヤ27を、カム歯車25と同軸上に配置されたカムと、被駆動体95に連結されたロッドに代えてもよい。カムは、円盤状であり、偏芯位置より上側に突出したロッド係合部を備え、ロッドは、カムのロッド係合部に係合する。カムが所定の方向に回転すると、ロッドは被駆動体95を引き込む(巻き上げる)方向に動き、被駆動体95を駆動する。
(クラッチ手段)
クラッチ手段は、第一伝達列による動力の伝達(出力系統)を「継」状態もしくは「断」状態に切り替える役割を果たす。本実施形態におけるクラッチ手段の動作は、入力側歯車22(太陽歯車)、出力側歯車23(遊星歯車231および遊星支持歯車232)、および、固定歯車31(リング歯車)を有する遊星歯車列に基づく差動歯車機構を利用したものである。
既に説明したように、入力側歯車22は、上モータ歯車21に噛合し、上モータ歯車21の回転に伴って回転する。入力側歯車22の小歯部222には、周方向等間隔に配された三つの遊星歯車231が噛合している。遊星歯車231は、遊星支持歯車232上に支持されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231の公転に伴って回転する。
遊星歯車列を構成する入力側歯車22及び遊星歯車支持歯車232は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属からなる遊星ユニット支持軸220に支持されている。リング歯車である固定歯車31の中央には太陽歯車である入力側歯車22の小歯部222が貫通する穴が設けられる。固定歯車31は、外歯部311および内歯部312を有する。固定歯車31の外歯部311は、入力側歯車22の大歯部221の下側に位置し、後述する第二伝達列を構成する一の歯車である第二ロック歯車33と噛合している。つまり、第二ロック歯車33の回転が阻止されている場合、固定歯車31の回転は阻止される。固定歯車31の内歯部312は、三つの遊星歯車231と噛合している。
かかる構成を備えるクラッチ手段において、遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転するか否かは、固定歯車31の回転が阻止されているか否かによって決まる。固定歯車31の回転が阻止されている場合、入力側歯車22が回転すると、固定歯車31の内歯部312が動くことはないから、かかる内歯部312に沿って入力側歯車22の小歯部222に噛合する遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転する。一方、固定歯車31の回転が阻止されていない場合、入力側歯車22が回転し、遊星歯車231が公転しようとしても、固定歯車31が空回りするため、遊星支持歯車232が回転することはない。
つまり、固定歯車31の回転が阻止されていれば、第一伝達列が「継」状態となり、固定歯車31の回転が阻止されていなければ、第一伝達列が「断」状態となる。クラッチ手段によって第一伝達列が「継」状態、すなわち出力系統が「継」状態にあれば、モータ10の動力は、第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達される。一方、クラッチ手段によって第一伝達列が「断」状態、すなわち出力系統が「断」状態にあれば、モータ10の動力はクラッチ手段で切断(入力側歯車22と出力側歯車23との間で切断)され、被駆動体95まで伝達されることはない。
この固定歯車31に作用する部材として、本実施形態におけるクラッチ手段は、さらに、第一ロック歯車32および第二ロック歯車33を備える。第一ロック歯車32は、支持プレート121に固定された第一ロック歯車支持軸320に支持されている。第一ロック歯車32は、外面に径方向外向きに突出した突起(爪)である被ロック部321が形成された円板状の部分および円板状の部分より下側に、円板状の部分の外径より小径な第一ロック歯部322を有する。第二ロック歯車33は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる第二ロック歯車支持軸330に支持されている。相対的に大径の大径第二ロック歯部331および相対的に小径の小径第二ロック歯部332を有する。大径第二ロック歯部331は、第一ロック歯部322に噛合している。小径第二ロック歯部332は、遊星歯車列を構成する固定歯車31の外歯部311に噛合している。扇歯車42のロックレバー422(後述)が第一ロック歯車32の被ロック部321に引っ掛かった状態となると第一ロック歯車32の回転が阻止される。第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となると、それに噛合する第二ロック歯車33、およびそれに噛合する固定歯車31の回転が阻止され、第一伝達列が「継」状態となる。
(トルクリミッタ機構)
トルクリミッタ機構は、ケース90内に構築されたモータ10の動力を一定の結合力でロータ13から回転体14に伝達する構成である。回転体14が本発明における従動側部材に相当し、ロータ13が本発明における駆動側部材に相当する。上述したように、ロータ13が有するロータマグネット132は円筒状に形成されており、その円筒内の中央に出力軸131が位置し、ロータ13のロータマグネットと出力軸131とロータの底面によって環状の空間Sが構成される。この出力軸131の外周面には、はす歯である駆動側はす歯部1312が形成されている。また、空間Sの底にはロータ13と一体的に回転する摺動板133が設けられている。
回転体14は、下支持部材141および上支持部材142を有する。下支持部材141は、ドーナツ状のベース部1411およびこのベース部1411から上方に向かって突出した軸状部1412を有する。上支持部材142は、ドーナツ状のベース部1421および下方に向かって突出した軸状部1422を有する。それぞれの軸状部1412,1422は周方向等間隔に複数(本実施形態では三つ)形成されており、この軸状部1412,1422同士が連結される(例えば一方に突起、他方に孔を形成しておき、突起が孔に圧入されることにより連結される)ことにより、両支持部材のベース部1411,1421同士が所定の間隔を隔てて対向することになる。
この回転体14には、従動側はす歯歯車15が支持される。従動側はす歯歯車15は、外周面にはす歯部が形成された歯車であり、下支持部材141に固定された従動側はす歯歯車支持軸1413に回転自在に支持される。本実施形態では、周方向等間隔に同一形状の三つの従動側はす歯歯車15が設けられている。各従動側はす歯歯車15は、軸状部1412,1422間のちょうど中央に位置する。つまり、従動側はす歯歯車15同士は従動側はす歯歯車支持軸1413を中心に120度離れている。
下支持部材141の軸状部1412と上支持部材142の軸状部1422が連結されると、従動側はす歯歯車15は両支持部材のベース部1411,1421に挟まれた状態となる。つまり、従動側はす歯歯車15の一方の軸方向端面に下支持部材141のベース部1411が接触し、他方の軸方向端面に上支持部材142のベース部1421が接触した状態となる。したがって、従動側はす歯歯車15が回転すると、当該接触による摩擦抵抗が生ずる。つまり、両支持部材は従動側はす歯歯車15の回転に負荷を与える負荷付与部材として機能する。なお、従動側はす歯歯車15の端部と、下支持部材141もしくは上支持部材142の間に板バネやゴム等の付勢部材を設け、これを負荷付与部材としてもよい。
モータ10が駆動しロータ13が回転すると、駆動側はす歯部1312が形成された出力軸131が回転する。駆動側はす歯部1312には従動側はす歯歯車15が噛合しているから、駆動側はす歯部1312が回転すると従動側はす歯歯車15も回転しようとする。駆動側はす歯部1312とはす歯部同士が噛合している従動側はす歯歯車15は、負荷付与部材(下支持部材141および上支持部材142)によって回転に負荷がかけられているため、従動側はす歯歯車15には軸方向のスラスト力(本実施形態では軸方向下向きのスラスト力)が発生する。
当該スラスト力が生ずると、従動側はす歯歯車15を支持する回転体14(下支持部材141および上支持部材142)は軸方向下向きの力を受ける。そのため、下支持部材141の下面が空間Sの底に位置する摺動板133に押しつけられることによる摩擦力が生ずる。したがって、ロータ13が摺動板133とともに回転すると、上記摩擦力によって回転体14も回転する。つまり、当該摩擦力によって追従することが可能な範囲において、ロータ13(駆動側部材)と回転体14は一緒に回転する。換言すれば、モータの動力はロータ13から一定の結合力で回転体14にも伝達されるということである。
(第二伝達列)
第二伝達列は、モータ10の動力をクラッチ手段まで伝達するクラッチ作動系統を構成する。第二伝達列は、下モータ歯車41(本発明における出力歯車に相当する)と、下モータ歯車41に噛合する扇歯車42(本発明における伝達歯車に相当する)と、を備える。第二伝達列は、モータ10の動力を下モータ歯車41と扇歯車42によって減速してクラッチ手段に伝える輪列である。
下モータ歯車41は、回転体14(上支持部材142)とインサート成形により一体的に成形された樹脂製の平歯車であり、上述した上モータ歯車21の下(モータ10の本体側)で支持プレート121の上端面より上側に歯車部が設けられている。
下モータ歯車41には、扇歯車42の扇歯部421が噛合している。扇歯車42はステンレス等の金属よりなる扇歯車支持軸420に回転自在に支持されている。扇歯車支持軸420は、その一端がモータケース11に圧入固定され、他端が上ケース91に固定されている。扇歯車42の扇歯部は180度未満の扇状に形成されている。本実施形態では、扇歯車42における扇歯部421が形成された扇状の部分の一部は、軸方向において回転体14と重なっている。つまり、回転体14の上方への移動は扇歯車42によって阻止される。
また、扇歯車42には、扇歯車支持軸420が挿通される軸状部分から径方向外向きに突出し、樹脂よりなるロックレバー422が一体に成形されている。このロックレバー422は、扇歯部421が形成された扇状の部分と上下方向に重ならない位置に形成されている。また、扇歯車42の回転中心からロックレバー432の先端までの長さは、扇歯部421のピッチ円半径よりも小さい。この構成によっても下モータ歯車41の回転を減速する減速機構を構成している。このロックレバー422が第一ロック歯車32に近づく方向に扇歯車42が回転すると、ロックレバー422が第一ロック歯車32の外面に形成された被ロック部321(後述)に引っ掛かった状態となる。これにより第一ロック歯車32の回転が阻止される。
また、扇歯車42には、扇歯車支持軸が挿通される軸状部分から径方向外向きに突出した第一コイルばね引掛部423が形成されている。この第一コイルばね引掛部423は、扇歯部421が形成された扇状の部分およびロックレバー422と上下方向に重ならない位置に形成されている。
また、扇歯車42には、扇歯部421の一端側から下方に向けて突出した逆回転防止部が形成されている。原位置にあるロータ13が逆転した場合、支持プレート121の上端面より上側に延在して形成されたロータマグネットの上端面における周縁部に形成されたロータ側逆回転防止部と、駆動側歯車42の逆回転防止部425が衝突する。この衝突したときの衝撃によって、逆転したロータ13の回転は正転に修正される。
(付勢手段)
付勢手段は、クラッチ手段を「断」状態とする方向に第二伝達列を付勢するものである。本実施形態ではコイルばね50を用いている。コイルばね50は、一端が扇歯車42に形成された第一コイルばね引掛部423に引っ掛けられ、他端が支持プレート121に固定された第二コイルばね引掛部424に引っ掛けられている(図3参照)。かかるコイルばね50により、扇歯車42はロックレバー422が第一ロック歯車32(被ロック部321)から離れる方向に付勢されている。
(その他の構成)
複合歯車24の上には、扇形レバー60が配されている。扇形レバー60は、複合歯車24が回転自在に支持された軸と同じ複合歯車支持軸240に回転自在に支持されている。扇形レバー60の下面には、係合突起61が形成されている。かかる係合突起61は、カム歯車25の上面に形成されたカム溝252に係合している。また、同じく扇形レバー60の下面からは、上モータ歯車ロック突起62と図示されない傾斜カムが形成されている。これらの機能は次の通りである。カム溝252に係合する係合突起61によってカム歯車25の動作に連動して扇形レバー60が動く。扇形レバー60が所定位置まで動く(ワイヤ27を所定位置まで巻き上げる)と、上モータ歯車ロック突起62が上モータ歯車21の被ロック突起211に作用し、上モータ歯車21の回転を阻止する。これと同時に傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、付勢部材48によって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311の係合が解かれる。つまり、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる(詳細は後述の動作説明参照)。
(モータアクチュエータの動作)
以上の構成を備えるモータアクチュエータ1の動作について、一部上記説明と重複するが以下詳細に説明する。以下の説明では、原位置にある被駆動体95に対しモータ10の動力を伝達する1)動力伝達動作と、モータ10の動力の伝達を遮断し被駆動体95を原位置に戻す2)動力遮断動作に分けて説明する。
1)動力伝達動作
被駆動体95が原位置にある状態(ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられていない状態、すなわち、モータ10の動力が被駆動体95に作用していない状態)では、扇形レバー60の傾斜カムによって、上モータ歯車21が付勢部材48の付勢力に抗して下側に押さえつけられ、上係合部2111と下係合部1311が係合している。この状態からモータ10を一方向に駆動させ、ロータ13が回転すると、ロータ13の出力軸131に形成された下係合部1311に係合する上係合部2111を有する上モータ歯車21が回転する。また、モータ10が駆動すると駆動側はす歯部1312が回転しそれに噛合する従動側はす歯歯車15にスラスト力が生じることによる上記トルクリミッタ機構が機能し、回転体14も回転する。つまり、上モータ歯車21とともに下モータ歯車41も回転する。
回転体14が回転すると、下モータ歯車41に噛合する扇歯部421を有する扇歯車42が回転する。扇歯車42は、コイルばね50の付勢力に抗してロックレバー422が第一ロック歯車32(被ロック部321)に近づく方向に回転する。
ロックレバー422が被ロック部321の移動軌跡内に入り込み、被ロック部321に引っ掛かった状態となると、第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となる。第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となると、第一ロック歯車32の第一ロック歯部322に噛合するそれに噛合する大径第二ロック歯部331を有する第二ロック歯車33の回転が阻止された状態となるとともに、第二ロック歯車33の小径第二ロック歯部332に噛合する外歯部311を有する固定歯車31の回転が阻止された状態となる。
上述したように、固定歯車31は、クラッチ手段の遊星歯車列を構成する。したがって、固定歯車31の回転が阻止された状態となると、クラッチ手段によって第一伝達列による動力の伝達が「継」状態となり、モータ10の動力が第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達可能な状態となる。
一方、モータ10の駆動によって下モータ歯車41とともに回転する上モータ歯車21は、遊星歯車列を構成する入力側歯車22(太陽歯車)の大歯部221と噛合している。したがって、上モータ歯車21の回転に伴い、入力側歯車22が回転する。
入力側歯車22の小歯部222の外側には、出力側歯車23を構成する三つの遊星歯車231が噛合している。周方向に等間隔に並んだ遊星歯車231の外側には、固定歯車31の内歯部312が噛合している。上述のように、固定歯車31は、第二ロック歯車33によって回転が阻止された状態にある。したがって、入力側歯車22が回転すると、その小歯部222の周りを遊星歯車231が公転する。遊星歯車231が公転すると、遊星歯車231を支持する遊星支持歯車232が回転する。つまり、入力側歯車22の回転動力が、全て出力側歯車23に伝達される。
なお、仮に、第一ロック部材32の回転が阻止された状態にない場合、つまり固定歯車31の回転が阻止された状態にない場合に入力側歯車22が回転すると、遊星歯車231を介して固定歯車31が空回りする。遊星支持歯車232以降の動力伝達列には、伝達列自体の負荷や、被駆動体95にかかる負荷が存在するため、入力側歯車22の回転動力が全て固定歯車31側に伝達されてしまうからである。なお、固定歯車31が空回りする回転速度は、第一ロック部材32に設けられた摺動部材323と、上ケース91に設けられた被摺動部911で構成される遠心ブレーキによって抑えられる。摺動部材323はゴム等の弾性体で構成され、第一ロック部材32の回転による遠心力で外周部が外周方向に広がる。外周方向に広がった摺動部材323の外周面は被摺動部911に当接することで、摺動部材323と被摺動部911の摩擦力が発生し、この摩擦力によって固定歯車31が空回りする回転速度が抑えられる。このように本実施形態では、遊星歯車列を利用した差動歯車機構により、クラッチ手段による第一伝達列の「継」状態と「断」状態を切り替えている。
遊星支持歯車232の歯車部2321には、複合歯車24の大歯部242が噛合している。したがって、遊星支持歯車232の回転に伴い、複合歯車24が回転する。
複合歯車24の小歯部241には、カム歯車25の歯車部251が噛合している。したがって、複合歯車24の回転に伴い、カム歯車25が回転する。
カム歯車25が回転すると、カム歯車25の上端に固定されたプーリ26が回転する。プーリ26が回転すると、プーリ26に固定されたワイヤ27がワイヤ溝261に沿って巻き上げられる。ワイヤ27の先端には、被駆動体95が固定されているため、被駆動体95はワイヤ27に引き上げられるように動作する。例えば、被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、ワイヤ27によって弁体が引き上げられることで排水口が開放され、排水が開始される。
このように、モータ10の回転動力は、第一伝達列を介して被駆動体95に伝達される。第一伝達列はクラッチ手段によって「継」状態とされるが、そのクラッチ手段を「継」状態とする動力にもモータ10の回転動力の一部が利用される。
なお、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げは次のように停止する。カム歯車25が所定位置まで回転すると(ワイヤ27が所定量巻き上げられると)、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25から離れる方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211に周方向から当接する。これにより、上モータ歯車21の回転が阻止された状態となる。また、扇形レバー60の傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、付勢部材48によって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311の係合が解かれ、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる。上モータ歯車21の回転が阻止されると、第一伝達列を構成する各部材の動作も停止する。すなわち、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げが停止し、当該巻き上げ位置でプーリ26が保持された状態(被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、排水口の開放が維持される状態)となる。
このようにして、被駆動体95に対しモータ10の動力を伝達する動力伝達動作が完了する。
2)動力遮断動作
上記動力伝達動作が完了した状態から被駆動体95を原位置に戻す場合、モータ10の駆動を停止(モータ10への通電を停止)する。ロータ13の回転が停止すると、従動側はす歯歯車15の回転が停止し、従動側はす歯歯車15の回転によって発生する従動側はす歯歯車15と下支持部材141のベース部1411の接触による摩擦抵抗が低下する。このため、コイルばね50の付勢力に抗して第一伝達列を「継」状態とする方向にクラッチ手段を動作させていたロータ13と回転体14との間の摩擦力による伝達力が消滅する。そうすると、上記摩擦力や第二伝達列を動作させるための負荷をコイルばね50の付勢力が上回り、ロックレバー422が第一ロック歯車32(被ロック部321)から離れる方向に扇歯車42が回転する。つまり、この付勢力によって扇歯車42および下モータ歯車41(回転体14)が原位置に戻る方向に回転する。これにより、第一ロック歯車32の回転が阻止された状態が解消され、クラッチ手段によって第一伝達列が「断」状態となる。
被駆動体95は、自身に作用する外部負荷により、常に原位置に戻ろうとしている。例えば、被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体であって、モータアクチュエータ1の駆動により排水口を開放する方向に弁体を動作させる場合には、弁体は常に排水口を閉鎖する方向に付勢されている。したがって、固定歯車31が自在に回転することができるクラッチ手段が「断」状態となると、被駆動体95にかかる負荷は、第一伝達列を逆行するようにして出力側歯車23(遊星支持歯車232)まで伝達される。このようにして伝達された被駆動体95にかかる負荷に基づくエネルギは、クラッチ手段が「断」状態となっているため、出力側歯車23の空転によって出力(消費)される。これにより、被駆動体95は原位置に戻る。
さらに、カム歯車25が原位置に戻ると、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25に近づく方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211から離れる。これにより、上モータ歯車21の回転が許容された状態となる。また、コイルばね50で軸線方向上向きに付勢されていた上モータ歯車21は、傾斜カムに押さえつけられ、軸線方向下向き移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311が係合し、モータ10の動力が上モータ歯車21にも伝達される状態となる。
このように、モータ10を停止すれば、コイルばね50(付勢手段)の作用によって遊星歯車列を構成する固定歯車31のロックが解除され、クラッチ手段が第一伝達列を「断」状態とする。これにより、被駆動体95は原位置に戻る。
(本実施形態の効果)
上記モータアクチュエータは、はす歯同士の噛合および従動側はす歯歯車15の回転に与える負荷によって従動側はす歯歯車15に生ずるスラスト力により、駆動側部材(ロータ13)と回転体14(従動側部材)とを接触させ、当該接触による摩擦力により回転体14を回転させる構成を備える。そのため、従来のような高価な磁気誘導型の機構を用いずに回転体14を動作させることができる。
また、本実施形態では、駆動側部材がロータ13と一体に構成される(ロータ13=駆動側部材である)ため、ロータ13内に形成された空間Sに回転体14およびこの回転体14に支持される従動側はす歯歯車15が配される構成とすれば、駆動側部材(ロータ13)、回転体14、および従動側はす歯歯車15を配置するためのスペースを小さくすることができる。
また、駆動側はす歯部1312を周方向等間隔に囲むように複数の従動側はす歯歯車15が設けられる構成であるから、駆動側はす歯部1312に掛かる力が周方向に均等になり、駆動側はす歯部1312(出力軸131)の倒れを防止することができる。つまり、駆動側部材から回転体14へ動力が伝達される際のエネルギロスが小さくなる。
また、回転体14は、軸方向において扇歯車の一部と重なっている。そのため、ロータ13が逆転した場合であっても、回転体14の上方への移動は規制される。具体的には、ロータ13が逆転した場合、回転体14は駆動側部材(ロータ13)に押しつけられる方向とは反対の方向、すなわち上方に移動しようとするが、当該回転体14の移動は扇歯車によって阻止される。つまり、上記構成は、回転体14の回転動力を伝達する扇歯車を、動力伝達部材としてだけでなく、回転体14の移動を規制する部材として利用した点で優れる。
また、回転体14に伝達されたモータの動力は、第二伝達列によって減速される構成であるため、駆動側部材(ロータ13)と回転体14との間の摩擦力を小さく設定できる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態では、駆動側部材はロータ13と一体に構成されるものであることを説明したが、駆動側部材はロータ13によって回転するものであればよく、ロータ13と別に構成してもよい。
1 モータアクチュエータ
10 モータ
13 ロータ
1312 駆動側はす歯部
14 誘導回転体
15 従動側はす歯歯車
41 下モータ歯車
42 扇歯車
50 コイルばね
95 被駆動体

Claims (5)

  1. モータのロータによって回転する部材であって、はす歯である駆動側はす歯部を有する駆動側部材と、
    前記駆動側はす歯部に噛合するはす歯部を有する従動側はす歯歯車と、
    この従動側はす歯歯車を支持する従動側部材と、
    前記従動側はす歯歯車の回転に負荷を与える負荷付与部材と、を備え、
    はす歯部同士の噛合および前記負荷付与部材の負荷により前記駆動側はす歯部が回転するとそれに噛合する前記従動側はす歯歯車に軸方向のスラスト力が生じ、そのスラスト力によって前記従動側はす歯歯車を支持する前記従動側部材が前記駆動側部材に押しつけられることによって生ずる摩擦力により、前記モータの動力を一定の結合力で前記駆動側部材から前記従動側部材に伝達するように構成されていることを特徴とするモータアクチュエータ。
  2. 前記駆動側部材は前記ロータと一体に設けられるとともに、このロータ内には中央に前記駆動側はす歯部が位置する空間が形成され、
    前記従動側部材およびそれに支持された従動側はす歯歯車は、前記駆動側はす歯歯車の外側に従動側はす歯歯車が噛合するようにして前記空間内に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータアクチュエータ。
  3. 前記駆動側はす歯部を周方向等間隔に囲むように複数の前記従動側はす歯歯車が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のモータアクチュエータ。
  4. 前記従動側部材には、前記軸方向のスラスト力が働く方向の端面とは反対の端面に出力歯車が設けられ、
    この出力歯車と噛合する伝達歯車の少なくとも一部は、軸方向において前記従動側部材と重なっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータアクチュエータ。
  5. 前記従動側部材に伝達された前記モータの動力は、動力伝達列によって減速されて対象物まで伝達されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータアクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015177558A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 日本電産サンキョー株式会社 モータユニット
JP2018062999A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 日本電産サンキョー株式会社 回転規制装置および排水弁駆動装置

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