JP5331576B2 - ギヤードモータ及びその製造方法 - Google Patents

ギヤードモータ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5331576B2
JP5331576B2 JP2009130346A JP2009130346A JP5331576B2 JP 5331576 B2 JP5331576 B2 JP 5331576B2 JP 2009130346 A JP2009130346 A JP 2009130346A JP 2009130346 A JP2009130346 A JP 2009130346A JP 5331576 B2 JP5331576 B2 JP 5331576B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
induction
rotor
rotor magnet
geared motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009130346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010279196A (ja
Inventor
資之 亀井
肇 山中
Original Assignee
中川電化産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 中川電化産業株式会社 filed Critical 中川電化産業株式会社
Priority to JP2009130346A priority Critical patent/JP5331576B2/ja
Publication of JP2010279196A publication Critical patent/JP2010279196A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5331576B2 publication Critical patent/JP5331576B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Description

本発明は、例えば家庭用洗濯機や食洗機等の排水弁を開閉作動するための駆動手段等として用いられるギヤードモータに関するものである。
家庭用の自動洗濯機等の排水弁等を作動させる駆動手段として、特開平9−19106号公報(特許文献1)に記載されているように、クラッチ機構を内蔵することで、排水弁等の作動対象を作動位置に保持可能としたものがある。一般に、モータと作動対象との間に設けたクラッチを連結した状態で作動対象を変位及び保持させる一方、クラッチを切断することで作動対象がその復元力で返戻されるようになっている。
そして、上記特許文献1に記載されているように、かかるクラッチの操作力を磁気誘導方式で取り出すようにしたものが知られている。モータ駆動される歯車列内に永久磁石と誘導リングによる非接触式の駆動力取出機構を設けたものであり、永久磁石と誘導リングが非接触で追従回転するのを利用して、クラッチ操作力を取り出すものである。
ところが、従来構造の磁気誘導方式を利用したものは、電気モータの駆動力を伝達する歯車列内に永久磁石と誘導リングを設置するスペースを確保しなければならず、ギヤードモータ全体の大型化が避け難いという問題があった。
なお、この問題に対処するために、電気モータのロータマグネットを利用して、電気モータに誘導リングを組み込むことも考えられる。しかし、誘導リングへの駆動力伝達に必要な磁力を得るために、ロータマグネットの磁力を強化すると、脱調を起こしたりして電気モータ作動に不具合が生ずるおそれがある。
また、このような電気モータの作動不具合を回避しつつ電気モータに誘導リングを組み込むために、特開2002−186219号公報(特許文献2)には、別体磁石の採用構造が提案されている。すなわち、電気モータにおいて、フェライトマグネット製のロータマグネットとは別途に、ネオジム−鉄−ボロン系磁石製の誘導用磁石を用い、この誘導用磁石を、ロータマグネットの磁力への影響を抑えつつ、電気モータに組み込む構造が提案されている。しかし、2種類の異なる磁石を各別に製造し、更に組み込むことは、構造の複雑化と製造作業の煩雑化が避けられず、有効な方策ではない。
特開平9−19106号公報 特開2002−186219号公報
本発明の解決課題とするところは、(1)電気モータに脱調を生ずることなく、且つ、(2)電気モータにロータマグネットとは別体のネオジム−鉄−ボロン系磁石の組み付けを必要とすることなく、電気モータに磁気誘導方式のクラッチ操作力取出機構を組み込んだ、新規な構造のギヤードモータ及びその製造方法を提供することにある。
以下、本発明の態様を記載するが、以下に記載の各構成は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、電気モータの回転駆動力を出力部材に伝達/遮断するクラッチ手段を備えており、磁気誘導によって回転力が伝達されるように対向配置された誘導用磁石と誘導リングの一方を該電気モータで回転駆動させると共に、それら誘導用磁石と誘導リングの他方により、該クラッチ手段を継断する係止部材を駆動させるギヤードモータにおいて、前記電気モータのロータにプラスチック磁石が設けられて、該プラスチック磁石に回転中心軸と同心的に環状凹溝が形成されており、該環状凹溝の外周側壁部が該電気モータの駆動用のロータマグネットとされている一方、該環状凹溝の内周側壁部が前記誘導用磁石とされており、これらロータマグネットと誘導用磁石が何れも径方向に着磁されて且つ周方向で異なる磁極が交互に設定されていると共に、該環状凹溝を挟んで径方向に対向位置する該ロータマグネットの内周面と該誘導用磁石の外周面には互いに異なる磁極が同じ周方向位置となるように設定されており、前記誘導リングが該環状凹溝内に配設されて、該環状凹溝を挟んで径方向に対向位置する該ロータマグネットの内周面と該誘導用磁石の外周面との間に該誘導リングが位置されることにより、該誘導リングの外周面と内周面が該ロータマグネットと該誘導用磁石における互いに異なる磁極面に対してそれぞれ隙間を隔てて且つ直接に径方向で対向配置されていることを、特徴とする。
本発明のギヤードモータでは、誘導リングが、誘導用磁石とロータマグネットの両方の磁極に対してそれぞれ径方向で対向配置される。しかも、誘導リングが径方向で対向位置する誘導用磁石の磁極とロータマグネットの磁極は、互いに対応する部分で対を為すように反対磁極が形成されている。これにより、誘導用磁石とロータマグネットの両方の磁極が、相乗的に磁束密度を高め合って、誘導リングに対して磁力を及ぼし得る。
従って、電気モータのステータと協働して回転駆動力を発生するロータマグネットの磁力を必要以上に強くすることなく、誘導用磁石の磁力とロータマグネットの磁力の両方を巧く活用して誘導リングに対して充分な磁束密度を作用させることが出来る。しかも、ロータマグネットと誘導用磁石が何れもプラスチック磁石で形成されることから、高価で着磁の面倒な別体のネオジム−鉄−ボロン系磁石をロータマグネットと別体に準備して電気モータに組み込む必要もない。
それ故、本発明に従えば、電気モータの脱調等の不具合を回避しつつ、且つ、ロータマグネットと別体のネオジム−鉄−ボロン系磁石を組み付ける必要もなく、クラッチや開閉扉等の作動切換に必要な力を取り出す誘導リングを電気モータに組み込んだギヤードモータが実現可能となるのである。即ち、誘導リングを電気モータに組み込んだギヤードモータが、安定した電気モータ作動性能を確保しつつ、簡単な構造と少ない部品点数で容易に製造可能に実現され得るのである。
また、本発明では、前記ロータマグネット及び前記誘導用磁石のうち少なくとも該誘導用磁石が異方性とされており、その磁化容易軸が径方向に向けられて内周面及び外周面にそれぞれ磁極が形成されている態様が採用可能である。これにより、誘導リングに対してより強い磁界を効率的に及ぼすことが可能となる。特に、ロータマグネットと誘導用磁石を何れもプラスチック磁石とした本発明では、それらロータマグネットと誘導用磁石の両方を径方向に磁化容易軸をもって配向させた異方性とすることで、両方の磁石によって誘導リングに及ぼされる磁界の相乗的作用が一層効率的に向上され得る。しかも、電気モータのステータ側磁極に作用するのはロータマグネット側の磁極だけであることから、電気モータの磁力が過剰に大きくなって脱調等の不具合が発生するようなことも回避され得る。特に、脱調等の不具合が問題になり易い場合には、誘導用磁石だけを異方性とし、ロータマグネットを等方性とすることで、電気モータのステータ側磁極に及ぼされる磁力の増大を抑えつつ、誘導リングに及ぼされる磁力の増大を効率的に図ることが可能となる。
更にまた、本発明では、前記ロータマグネットの内周面と前記誘導リングの外周面との径方向対向面間距離に比して、前記誘導用磁石の外周面と該誘導リングの内周面との径方向対向面間距離が小さくされている態様が、好適に採用される。本態様においては、誘導リングに対して、誘導用磁石の磁力の方が、ロータマグネットの磁力よりも効率的に及ぼされ得る。これにより、誘導リングに対して誘導用磁石による支配率を大きくすることで、ロータマグネットによる電気モータへの悪影響を抑えつつ、誘導用磁石による誘導リングの作動効率の向上等の設計変更が容易に実現可能となる。
また、本発明に従う構造とされたギヤードモータにおいては、前記ロータマグネットの外周側に、前記電気モータを構成するステータ側の磁極部が配されて、該ロータマグネットの外周面の前記磁極に対して対向配置されている構成が、採用され得る。これにより、誘導用磁石による磁力の影響を可及的に回避しつつ、ロータマグネットによる磁力を効率的にステータ側の磁極部に及ぼして、電気モータを構成することが出来る。その結果、誘導用磁石を設けたことによる脱調等の不具合が一層効果的に回避されて、電気モータの作動安定性の更なる向上が図られ得る。
さらに、本発明のギヤードモータでは、前記ロータの中心部分には、他部材へ係合されて回転出力を伝達する電気モータの出力軸が形成されていると共に、該出力軸に対して回転可能に外挿されるスリーブが、前記誘導リングに設けられた構造が、採用され得る。この出力軸は、例えばプラスチック磁石で一体成形されても良いし、別体形成された軸部材を、プラスチック磁石の成形型にセットしてインサート成形することで、或いは接着剤や圧入等で後固定することで、一体化しても良い。また、スリーブは、非磁性で且つ導電性の誘導リングに一体形成される他、合成樹脂材料等で別体形成されて誘導リングに固着されていても良いし、誘導リングをインサートしてスリーブを成形する等しても良い。誘導リングのスリーブを電気モータの出力軸に外挿装着することにより、ロータマグネットや誘導用磁石に対して誘導リングを同一中心軸上に一層安定して保持することが可能となる。
ギヤードモータの製造方法に関する本発明の特徴とするところは、前述の如き本発明に従う構造とされたギヤードモータを製造するに際して、前記ロータマグネットと前記誘導用磁石の何れか一方を成形時に着磁して半成形品を得た後、該ロータマグネットと該誘導用磁石の他方の成形型に該半成形品をセットして、該ロータマグネットと該誘導用磁石の他方を成形すると共に、該他方の成形時には、既に着磁された該半成形品の磁力を利用して該他方に対して着磁するギヤードモータの製造方法にある。
本発明方法に従えば、互いに径方向で環状凹溝の僅かな隙間を隔てて対向形成されたロータマグネットと誘導用磁石を、順次に着磁して、先に着磁した一方の磁力を利用して他方を着磁することで、効率的に着磁することが可能となる。特に、ロータマグネットと誘導用磁石を別工程で着磁することにより、それらロータマグネットと誘導用磁石に対して各別に着磁する磁力を調節することも容易となる。なお、本発明において、ロータマグネットと誘導用磁石の他方を成形する際に、既に着磁された半成形品の磁力を利用する場合には、当該半成形品の磁力だけで他方を着磁する態様に限定されるものでなく、当該半成形品の磁力を利用して、当該半成形品に加えて別の磁力発生手段を併せて用いて、他方を着磁することも、勿論可能である。
本発明方法において、ロータマグネットと誘導用磁石のうち何れを先に着磁するかの設定は限定されないが、好適には、誘導用磁石を先に成形して半成形品とすることにより、誘導用磁石の磁力を利用して、ロータマグネットを着磁する。これにより、誘導用磁石に設定した磁力を、ロータマグネットの着磁に際して効率的に利用することが可能となる。
また、ギヤードモータの製造方法に関する本発明は、前述の如き本発明に従う構造とされたギヤードモータを製造するに際して、前記ロータマグネット及び前記誘導用磁石を、それぞれ、成形時に着磁することにより、径方向に向けて磁化容易軸を配向させた異方性とするギヤードモータの製造方法も、特徴とする。
本発明方法に従えば、ロータマグネットと誘導用磁石を、何れも、異方性として効率的に製造することが可能となる。それによって、磁力の大きなプラスチック磁石として、ロータマグネットと誘導用磁石を、一層優れた製造効率をもって製造することが可能となる。なお、本発明方法においては、ロータマグネットと誘導用磁石を同時に成形しても良いし、一方を成形してからその成形品を他方の成形型にセットしてインサート成形することで順次に成形しても良いし、各別に成形したものと後固着しても良い。
本発明に従う構造とされたギヤードモータでは、プラスチック磁石からなるロータマグネットと誘導用磁石を径方向で対向配置させて両者の径方向での磁極対向面間に誘導リングを配設したこと等により、電気モータのロータマグネットの磁力を必要以上に強力にすることなく、誘導リングに作用する磁界強度を効率的に確保することが可能となる。その結果、脱調の不具合や製造の困難化等の問題を回避しつつ、誘導リングを電気モータに組み込んだギヤードモータが実現可能となる。
また、本発明方法に従えば、本発明に従う構造とされたギヤードモータにおいて特徴的なプラスチック磁石からなるロータマグネット及び誘導用磁石を効率的に着磁等して製造することが可能となる。それによって、前述の如き優れた性能のギヤードモータを一層容易に製造することが可能となって、本発明に従う構造とされたギヤードモータの実用性の更なる向上が達成され得る。
本発明の一実施形態としてのギヤードモータの内部構造を示す平面図。 図1に示されたギヤードモータの内部構造を示す展開縦断面図。 図1に示されたギヤードモータの内部構造を示す展開縦断面図。 ロータを示す縦断面図。 誘導用磁石の磁極と駆動用磁石の磁極の位置関係を示す平面図。 本発明で採用可能なロータの他の態様を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3には、本発明の一実施形態としてのギヤードモータ10が示されている。ギヤードモータ10は、中空箱体構造のハウジング12に電気モータ14や減速歯車列16等が収容状態で組み込まれた構造とされている。そして、電気モータ14の回転駆動力が、減速歯車列16を介して、出力部材18に伝達されることにより、出力部材18に連結された操作対象としての排水弁(図示せず)が開閉作動される。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図2及び図3中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、ハウジング12は、全体として多角形の開口箱体形状を有するハウジング本体20の開口が蓋22で覆蓋された構造とされている。ハウジング本体20の底に形成された凹所には、電気モータ14が収容配置されている。
電気モータ14は、従来から公知の交流同期モータであって、ロータ24と、円環形状のコイル26が巻き回されたステータ28を備えている。ロータ24は、図4にも示されているように、プラスチック磁石30と出力軸32が一体的に設けられた構造とされている。
プラスチック磁石30は、ポリアミド系プラスチック磁性材料等の従来から公知の材料で形成されており、全体として中心孔34を備えた厚肉円環ブロック形状とされている。プラスチック磁石30には、軸方向一方の端面に開口して略一定の矩形断面形状で全周に亘って延びる環状凹溝36が中心孔34と同心的に設けられている。この環状凹溝36の内周側壁部によって誘導用磁石38が構成されており、外周側壁部によってロータマグネット40が構成されている。なお、環状凹溝36の溝幅寸法は、誘導用磁石38やロータマグネット40の磁力の大きさ等を考慮して設定される。
誘導用磁石38とロータマグネット40は、それぞれ、径方向に磁化容易軸をもって配向させた異方性とされており、図5に示されているように、径方向に着磁されて且つN極とS極が周方向に交互に設定されている。ロータマグネット40の内周面と誘導用磁石38の外周面には、互いに異なる磁極が同じ周方向位置となるように設定されている。
このように誘導用磁石38の磁極とロータマグネット40の磁極が設定されていることにより、誘導用磁石38とロータマグネット40の径方向対向面間を同じ方向に横切る磁束の数を増やすことが出来る。
一方、出力軸32は、プラスチック磁石30よりも大きな軸方向寸法を有する厚肉円筒形状を呈している。出力軸32の外周面には、軸方向中間部分に円環状の段差面42が形成されており、段差面42よりも上側が小径部44とされている一方、下側が大径部46とされている。小径部44の突出端には、周方向に適当な間隔をあけて複数の係止突起48が設けられている。小径部44の内周面には、軸直角方向に広がる円環状の段差面50が形成されており、この段差面50によって底面が構成された凹所が小径部44の中央部分において軸方向上方に向かって開口している。
出力軸32は、大径部46がプラスチック磁石30の中心孔34に挿通された状態で、プラスチック磁石30に固定される。その際、出力軸32の大径部46の外周面に形成された係止凹部にプラスチック磁石30の内周面に突設された係止凸部が入り込んでおり、出力軸32のプラスチック磁石30からの抜け出しが防止されている。このように出力軸32がプラスチック磁石30に固定されることで、小径部44がプラスチック磁石30の軸方向一方の端面から軸方向外方へ突出したロータ24が形成される。
出力軸32の段差面42は、プラスチック磁石30の中心孔34内で軸直角方向に広がっている。これにより、小径部44の基端側が誘導用磁石38の内側に位置している。
ロータ24は、ステータ28の底壁に突設された回転中心軸としてのロータ支軸52に外挿配置されて、ロータ支軸52回りに回転可能とされている。ロータ支軸52回りに回転可能に配されたロータ24の径方向外方には、ステータ28の磁極部54,56が位置している。
ステータ28は、上側ステータ部材55と下側ステータ部材57から構成されている。上側ステータ部材55は、全体として薄肉円環板形状を呈しており、その内周縁部には、複数の突出片が周方向に適当な間隔で形成されている。複数の突出片は、それぞれ、軸方向下方へ屈曲されている。下側ステータ部材57は、全体として有底円筒形状を呈しており、底壁から切り起こされた複数の突出片が、同心円上で周方向に適当な間隔で立設されている。
これら上側ステータ部材55と下側ステータ部材57が、コイル26を上下に挟むようにして固定的に組み付けられることで、ステータ28がコイル26に固定されている。この状態で、上側ステータ部材55の複数の突出片と下側ステータ部材57の複数の突出片は、コイル26の内周面上において、周方向で相互に離隔して同一円周上に位置している。
そして、上側ステータ部材55の複数の突出片と下側ステータ部材57の複数の突出片によって、コイル26の内周面上において、周方向に所定距離を隔てて位置する複数の磁極部54,56が形成されている。複数の磁極部54,56には、コイル26への通電により、互いに異なる磁極が形成される。複数の磁極部54,56は、ロータマグネット40の外周面の磁極に対して径方向で対向位置している。そして、コイル26へ交番電流を通電すると、ステータ28とロータマグネット40の両磁極間に作用する磁力に基づいて、ロータ24に回転駆動力が及ぼされて、ロータ24が回転する。
このようなロータ24は、以下に説明する製造方法で製造することが望ましい。先ず、誘導用磁石38を射出成形する。誘導用磁石38の射出成形は磁場中で行う。これにより、誘導用磁石38が成形と同時に着磁される。着磁の際、径方向に向けて磁化容易軸を配向させて異方性としている。成形が終わると、半成形品としての誘導用磁石38を成形型から取り出す。
続いて、成形型から取り出した誘導用磁石38を、ロータマグネット40の成形型にセットして、ロータマグネット40を射出成形する。ロータマグネット40の着磁は、誘導用磁石38の磁力を利用して、ロータマグネット40の成形と同時に行う。着磁の際、径方向に向けて磁化容易軸を配向させて異方性としている。このようにロータマグネット40を着磁しながら射出成形することで、誘導用磁石38とロータマグネット40が同心軸上で一体的に設けられた構造のプラスチック磁石30が製造される。なお、ロータマグネット40は、環状凹溝36の底壁に相当する部分も備えた形状とされているが、環状凹溝36の底壁に相当する部分は、誘導用磁石38が備えていても良い。
このように製造されたプラスチック磁石30を出力軸32の成形型にセットし、出力軸32を射出成形する。これにより、出力軸32とプラスチック磁石30が一体的に設けられた構造のロータ24が製造される。
ロータ24の出力軸32の上方には、駆動ピニオン58が配設されている。駆動ピニオン58には、径方向外方へ突出する係止爪60が設けられている。また、駆動ピニオン58の軸方向下端面には、周方向に適当な間隔をあけて複数の係止突起62が形成されている。
駆動ピニオン58は、ロータ支軸52に挿通配置されて、出力軸32の上方に配設される。駆動ピニオン58と出力軸32の軸方向間には、ロータ支軸52に外挿配置された圧縮コイルスプリング64が位置している。圧縮コイルスプリング64は、軸方向上端部分が駆動ピニオン58の軸方向下端面に開口形成された凹所66内に位置した状態で、出力軸32の内周面に形成された段差面50に載置されている。
駆動ピニオン58の近くには、伝達車68が支軸70回りで回転可能に配されている。この伝達車68は、伝達歯車72と伝達ピニオン74が同一中心軸線上に一体形成された構造とされており、伝達歯車72が駆動ピニオン58と噛合わされている。
伝達車68の上方には、クラッチ手段としての遊星歯車機構76が配されている。遊星歯車機構76は、ケース78と従動体80を含んで構成されている。ケース78は、全体として浅底の有底円筒形状を呈しており、その筒壁部には、内歯歯車82と外歯歯車84が形成されている。
一方、従動体80は、円板状のキャリア86を備えている。キャリア86の下面には、複数本の歯車ピン88が周方向に適当な間隔をあけて突設されている。キャリア86の上面中央には、連結ピニオン90が突設されている。
従動体80は、ケース78に嵌め込まれて組み付けられる。キャリア86に突設された歯車ピン88には、遊星歯車92が回転可能に装着される。遊星歯車92は、内歯歯車82に噛合わされている。
ケース78は、伝達車68に重ね合わされて、支軸70回りで回転可能に配される。伝達ピニオン74は、ケース78の底壁部分に形成された貫通孔を通じてケース78内に位置する。伝達ピニオン74は遊星歯車92に噛合わされている。即ち、遊星歯車機構76の太陽歯車が伝達ピニオン74によって構成されている。
遊星歯車機構76の近くには、中間車94が支軸96回りに回動可能な状態で配設されている。中間車94は、中間歯車98と中間ピニオン100が同一中心軸線上に一体形成された構造とされており、中間歯車98が連結ピニオン90に噛合わされている。
中間車94の近くには、出力歯車102が一軸回りに回動可能に配設されている。出力歯車102は中間ピニオン100に噛合わされている。出力歯車102の中心軸には、出力部材18がねじ止めされている。
出力部材18には、軸方向下方へ突出する摺動壁104が設けられている。また、出力部材18には、摺動壁104よりも径方向外方に位置して、操作突起106が立設されている。
この出力部材18に対して、排水弁が連結されている。なお、排水弁には、初期位置に戻る方向への復帰力が常時及ぼされている。
中間車94の上方には、切換部材108が支軸96回りで揺動可能に配されている。この切換部材108は、揺動中心軸から径方向外方に突出する操作突起110を備えている。また、切換部材108には、操作突起110の突出方向とは異なる方向に延び出す延出板状部112が形成されている。延出板状部112の突出先端部分には、切換部材108の揺動中心軸回りの周方向に延びる操作片114が設けられている。操作片114には、切換部材108の揺動中心軸線回りの周方向に延びるガイド孔116が形成されている。また、操作片114は、周方向中央部分において基端側から延出端へ行くに従って次第に厚さ寸法が小さくなっている。これにより、操作片114の下面は、延出端側となる周方向一端側が基端側となる周方向他端側よりも上方に位置している。
このような切換部材108は、支軸96回りに揺動可能に配された状態で、操作片114のガイド孔116がロータ支軸52に遊挿される。これにより、操作片114の下面が駆動ピニオン58の上面に摺動可能に当接されている。
切換部材108が一方の揺動端に位置している状態では、駆動ピニオン58が操作片114の基端部に当接して、駆動ピニオン58が圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗して下方に押されている。これにより、駆動ピニオン58が出力軸32に接近変位して、駆動ピニオン58の係止突起62と出力軸32の係止突起48がロータ24の回転方向で係止されることにより、駆動ピニオン58と出力軸32が一体的に回転可能となる。その結果、電気モータ14の回転駆動力が駆動ピニオン58に伝達される。なお、駆動ピニオン58と出力軸32が一体的に回転可能な状態では、蓋22に設けられた係合突起118が、駆動ピニオン58の係止爪60に干渉しない。
一方、切換部材108が他方の揺動端に位置している状態では、駆動ピニオン58が操作片114の延出端部に当接して、駆動ピニオン58が圧縮コイルスプリング64の付勢力によって出力軸32から上方へ離隔変位する。これにより、駆動ピニオン58の係止突起62と出力軸32の係止突起48の係止状態が解除されて、電気モータ14の回転駆動力が駆動ピニオン58に伝達されない。また、駆動ピニオン58の係止爪60が蓋22の係合突起118に対して駆動ピニオン58の逆回転方向で係止される。その結果、駆動ピニオン58の逆回転が阻止される。
また、ハウジング12内には、調速機構120が配設されている。調速機構120は、支軸121回りに回転可能に配された調速車122を備えている。調速車122は、調速ピニオン124と調速歯車126が同一中心軸線上で一体形成された構造とされており、調速ピニオン124が遊星歯車機構76の外歯歯車84に噛合わされている。
調速車122の中心軸の上端部分には、摺動体128が弾性支持片130により周方向一方に向かって延びるように片持ち支持された支持部材132が、調速車122と一体的に回転可能に組み付けられている。これにより、調速車122が弾性支持片130の延び出している周方向の一方とは反対の方向に回転した場合、その遠心力で、摺動体128が弾性支持片130の付勢力に抗して調速車122の軸直角方向外方(径方向外方)に変位する。
また、調速車122の径方向外方に位置するようにして、摺動体128が摺動可能な筒状部134が蓋22に一体形成されている。そして、摺動体128が筒状部134の内周面に摺動することにより、調速車122の回転速度が調節される。
調速機構120の近くには、ストッパ歯車136が支軸138回りで回転可能に配されている。ストッパ歯車136は調速歯車126に噛合わされている。ストッパ歯車136には、ストッパ突起140が設けられている。
また、ロータ24の上方には、誘導リング142が配設されている。誘導リング142は、従来から公知の磁性材によって形成されており、全体として逆カップ形状を呈している。誘導リング142には、誘導リング142の上底部分144の中央を中心軸方向に貫通した状態で、スリーブ146が一体的に設けられている。スリーブ146における誘導リング142の上底よりも上方に突出している部分には、誘導ピニオン148が形成されている。
このような誘導リング142は、スリーブ146の中心孔がロータ24の出力軸32の小径部44に外挿されて、スリーブ146が出力軸32に形成された段差面50に載置された状態で、且つ、ロータ24の出力軸32回りに回転可能な状態で、ロータ24の上方に配設される。出力軸32の小径部44の突出端は、スリーブ146の軸方向上端面よりも上方に突出している。
誘導リング142がロータ24の上方に配設された状態で、誘導リング142の筒壁部分150は、環状凹溝36内に位置しており、誘導リング142の上底部分144は、誘導用磁石38の上方に位置している。即ち、スリーブ146が出力軸32の段差面50に載置された状態で、誘導リング142は誘導用磁石38に覆い被さっており、筒壁部分150が誘導用磁石38とロータマグネット40の径方向対向面間に位置している。この状態で、誘導用磁石38の外周面と誘導リング142の筒壁部分150の内周面との径方向対向面間距離が、ロータマグネット40の内周面と誘導リング142の筒壁部分150の外周面との径方向対向面間距離よりも小さくされている。
誘導リング142の近くには、伝動車152が支軸154回りに回転可能な状態で配されている。伝動車152は、伝動ピニオン156と伝動歯車158が同一中心軸線上で一体形成された構造とされており、伝動歯車158が誘導ピニオン148に噛合わされている。
伝動車152の近くには、支軸160回りに揺動可能な状態で係止部材162が配されている。係止部材162には、揺動中心軸の中心軸線回りに広がる略扇形形状とされた扇状突出片164が設けられている。扇状突出片164の円弧状外周面には、噛合歯166が形成されており、この噛合歯166が伝動ピニオン156に噛合わされている。
扇状突出片164には、係止片168が設けられており、この係止片168には、コイルスプリング170の一端が係止されている。コイルスプリング170の他端は、ハウジング本体20に設けられた係止片172に係止されている。これにより、係止部材162に対して、コイルスプリング170の付勢力が揺動方向一方に常時及ぼされている。
係止部材162には、扇状突出片164とは異なる方向に突出する係止突起174が設けられている。係止部材162がコイルスプリング170の付勢力に抗して回動された場合、係止突起174がストッパ歯車136のストッパ突起140に係合する。これにより、調速車122の回転作動が阻止されて、ケース78の回転が阻止される。なお、係止部材162が初期位置にある状態では、係止突起174は、ストッパ歯車136のストッパ突起140に係合しない。
また、係止部材162には、扇状突出片164や係止突起174とは異なる方向に突出するストッパ片176が設けられている。このストッパ片176は、係止部材162が初期位置に位置する状態で、ハウジング本体20に設けられたストッパ突起178に当接する。
上述の如きギヤードモータ10は、電気モータ14に電源が供給されると、ロータ24が回転し始める。なお、電気モータ14に電源が供給されていない初期状態では、排水弁は初期位置にある。
初期状態からのロータ24の回転作動時には、切換部材108の操作突起110が出力部材18の摺動壁104に摺動しており、切換部材108の操作片114の基端部において駆動ピニオン58が圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗して軸方向下方に押し下げられている。これにより、駆動ピニオン58の係止突起62が出力軸32の係止突起48に係止される。
電気モータ14の回転駆動力は、ロータ24の誘導用磁石38と誘導リング142の間での磁気誘導と、ロータ24の出力軸32とスリーブ146との間での摩擦によって、誘導リング142に伝達されて、係止部材162がコイルスプリング170の付勢力に抗して回動する。これにより、係止部材162の係止突起174がストッパ歯車136のストッパ突起140に係合して、調速車122の回転が阻止される。その結果、ケース78の回転が阻止される。
ケース78の回転が阻止されることにより、電気モータ14の回転駆動力が、駆動ピニオン58,遊星歯車機構76,中間車94及び出力歯車102を介して、出力部材18に伝達される。これにより、出力部材18に連結された排水弁が初期位置から作動位置に向かって駆動変位する。このことから明らかなように、駆動ピニオン58,遊星歯車機構76,中間車94及び出力歯車102によって、減速歯車列16が構成されている。
排水弁が作動位置まで駆動変位すると、切換部材108の操作突起110が出力部材18の操作突起106により、出力部材18の回転方向に押される。これにより、切換部材108が支軸96回りで揺動して、切換部材108の操作片114の延出端部が駆動ピニオン58に当接し、駆動ピニオン58が、圧縮コイルスプリング64の付勢力によって、軸方向上方に押し上げられる。その結果、駆動ピニオン58の係止突起62と出力軸32の係止突起48の係合状態が解除されて、電気モータ14の回転駆動力が駆動ピニオン58に伝達されなくなる。
排水弁は、それ自身が有する復帰力によって、初期位置に向かって返戻作動を開始しようとする。しかしながら、誘導用磁石38と誘導リング142の間での磁気誘導作用と、ロータ24の出力軸32とスリーブ146との間での摩擦作用とに基づくトルクの伝達により、係止部材162の係止突起174がストッパ歯車136のストッパ突起140に係合された状態が維持される。また、駆動ピニオン58の係止爪60が蓋22の係合突起118に係止されることにより、駆動ピニオン58の逆方向への回転が阻止される。その結果、出力歯車102の逆方向への回転が阻止されて、排水弁の作動位置への保持が可能となる。
所定の保持時間が経過した後、電気モータ14への電源の供給が停止されると、ロータマグネット40の磁極と、ステータ28の磁極を形成する磁極部54,56との間での磁力がロータ24の回転に対する制動力として作用する。その結果、ロータ24は、ロータ24自身の有する慣性力と、ロータマグネット40の磁極とステータ28の磁極部54,56の間に及ぼされる磁力との釣り合いがとれた位置まで回転して、一旦停止する。その後、ロータ24は、慣性力がなくなっていることにより、ロータマグネット40とステータ28の磁気吸引作用に基づいて逆方向に回転し、ロータマグネット40とステータ28の磁気吸引作用に基づく安定した位置まで戻って停止する。
ロータ24が正方向で制動されて、一旦停止するまでの正方向への回転時には、誘導用磁石38と誘導リング142の間における磁気誘導作用に基づいて係止部材162の係止突起174がストッパ歯車136のストッパ突起140に係合した状態が維持される。
一方、ロータ24が一旦停止すると、誘導用磁石38と誘導リング142の間での磁気誘導作用に基づくトルクの伝達が行われなくなり、コイルスプリング170の付勢力によって、係止部材162が初期位置に向かって移動する。なお、ロータ24の逆回転方向と係止部材162が初期位置に向かって揺動する際の誘導リング142の回転方向は同じとされている。
係止部材162が初期位置に向かって揺動すると、係止部材162の係止突起174がストッパ歯車136のストッパ突起140に係合されていない状態となり、調速車122の回転が許容されて、ケース78の回転も許容される。これにより、駆動ピニオン58の係止爪60が蓋22の係合突起118に係止されることで得られた駆動ピニオン58の逆回転阻止力が、出力部材18に伝達されなくなる。その結果、排水弁が、それ自身が有する復帰力によって、作動位置から初期位置に返戻作動する。
排水弁の返戻作動の開始時には、切換部材108の操作突起110が、出力部材18の操作突起106への当接状態から解除されて、摺動壁104に摺動される。これにより、切換部材108の操作片114の基端部が駆動ピニオン58に当接される。その結果、駆動ピニオン58が圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗して軸方向下方に押し下げられて、駆動ピニオン58の係止突起62が出力軸32の係止突起48に係合される。
係止部材162が初期位置に位置すると、係止部材162のストッパ片176がハウジング本体20のストッパ突起178に当接する。これにより、伝動車152の回転、延いては、誘導ピニオン148の回転が阻止される。
排水弁の作動位置から初期位置への返戻作動時には、出力部材18,出力歯車102,中間車94及び連結ピニオン90が逆方向に回転する。しかし、ケース78の回転が許容されていると共に、伝達ピニオン74(太陽歯車)の逆方向への回転が阻止されていることから、ケース78の回転が調速ピニオン124に伝達されて、調速車122が回転する。調速車122が回転すると、摺動体128が遠心力によって調速車122の径方向外方に広がって筒状部134の内周面に摺動する。その結果、排水弁の返戻作動時のスピードが調節される。
このような構造とされたギヤードモータ10においては、誘導用磁石38の外周面と、誘導用磁石38と一体的に設けられたロータマグネット40の内周面には、同じ周方向位置で対を為すように反対磁極が形成されている。これにより、誘導リング142の筒壁部分150を径方向に貫く磁束の数を増やして、誘導リング142に十分な大きさの磁束密度を作用させることが出来る。その結果、誘導リング142を電気モータ14に組み込んだギヤードモータ10を、安定した電気モータ14の作動性能を確保しつつ、簡単な構造と少ない部品点数でもって容易に実現することが出来る。
また、誘導用磁石38とロータマグネット40の何れもが、異方性とされており、磁化容易軸が径方向に向けられて内周面及び外周面にそれぞれ磁極が形成されている。これにより、誘導リング142に対してより強い磁界を効率的に及ぼすことが出来る。
また、誘導用磁石38の外周面と誘導リング142の筒壁部分150の内周面との径方向対向面間距離が、ロータマグネット40の内周面と誘導リング142の筒壁部分150の外周面との径方向対向面間距離よりも小さくされている。これにより、誘導用磁石38の磁力を、ロータマグネット40の磁力よりも、誘導リング142に対して効率的に及ぼすことが出来る。その結果、電気モータ14の作動安定性を確保しつつ、誘導用磁石38による誘導リング142の作動効率を向上させることが可能となる。
また、ロータマグネット40の外周面に形成された磁極とステータ28の磁極部54,56が径方向で対向位置している。これにより、誘導用磁石38による磁力の影響を回避して、ロータマグネット40による磁力を効率的にステータ28の磁極部に及ぼすことが出来る。その結果、電気モータ14の作動安定性を一層向上させることが可能となる。
また、スリーブ146が出力軸32の段差面50に載置された状態で、誘導リング142の筒壁部分150が誘導用磁石38とロータマグネット40の径方向対向面間に位置している。これにより、誘導リング142の回転中心軸が延びる方向とロータ24の回転中心軸が延びる方向を一致させ易くなる。その結果、誘導リング142の回転中心軸がロータ24の回転中心軸に対して傾いてしまうことを防止して、誘導リング142の回転作動の安定化を図ることが出来る。
また、誘導用磁石38の磁力を利用してロータマグネット40を着磁している。これにより、ロータマグネット40を効率的に着磁することが出来る。
また、プラスチック磁石30は、着磁された誘導用磁石38がロータマグネット40の成型型内にセットされて、ロータマグネット40が着磁されながら誘導用磁石38と一体成形されることで製造される。これにより、誘導用磁石38の磁極とロータマグネット40の磁極の位置合わせを容易にすることが出来る。
また、このように製造されたプラスチック磁石30と出力軸32を一体成形することでロータ24が製造されているので、ロータの製造も容易になる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、例えば、前記実施形態では、先に成形された誘導用磁石38に対してロータマグネット40が一体成形された構造のプラスチック磁石30を備えたロータ24が採用されていたが、図6に示すように、ロータマグネット40と誘導用磁石38を同時に射出成形して、ロータマグネット40と誘導用磁石38を一体成形した構造のプラスチック磁石180を備えたロータ182を採用しても良い。本発明のプラスチック磁石の材質は特に限定されるものではないが、好適にはフェライト系が採用されて、製作工程の簡略化や製造コスト低減等が図られる。
また、出力部材18として、外周面に開口して周方向に連続して延びる溝に対してワイヤが巻き付けられた構造のワイヤ巻上プーリを採用しても良い。この場合、ワイヤ巻上プーリは、出力歯車102に対して、一体的に回転可能に組み付けられる。なお、出力歯車102を採用せず、ワイヤ巻上プーリに対して、中間車94の中間ピニオン100に噛合わされる噛合歯を設けて、中間車94の回転がワイヤ巻上プーリに対して直接に伝達されるようにしても良い。
また、出力部材18や出力歯車102の代わりに、中間ピニオン100に噛合わされるラックが形成されたラックレバーを採用しても良い。
10:ギヤードモータ,14:電気モータ,18:出力部材,24:ロータ,30:プラスチック磁石,32:出力軸,36:環状凹溝,38:誘導用磁石(半成形品),40:ロータマグネット,52:ロータ支軸(回転中心軸),76:遊星歯車機構,142:誘導リング,146:スリーブ,162:係止部材

Claims (8)

  1. 電気モータの回転駆動力を出力部材に伝達/遮断するクラッチ手段を備えており、磁気誘導によって回転力が伝達されるように対向配置された誘導用磁石と誘導リングの一方を該電気モータで回転駆動させると共に、それら誘導用磁石と誘導リングの他方により、該クラッチ手段を継断する係止部材を駆動させるギヤードモータにおいて、
    前記電気モータのロータにプラスチック磁石が設けられて、該プラスチック磁石に回転中心軸と同心的に環状凹溝が形成されており、該環状凹溝の外周側壁部が該電気モータの駆動用のロータマグネットとされている一方、該環状凹溝の内周側壁部が前記誘導用磁石とされており、これらロータマグネットと誘導用磁石が何れも径方向に着磁されて且つ周方向で異なる磁極が交互に設定されていると共に、該環状凹溝を挟んで径方向に対向位置する該ロータマグネットの内周面と該誘導用磁石の外周面には互いに異なる磁極が同じ周方向位置となるように設定されており、前記誘導リングが該環状凹溝内に配設されて、該環状凹溝を挟んで径方向に対向位置する該ロータマグネットの内周面と該誘導用磁石の外周面との間に誘導リングが位置されることにより、該誘導リングの外周面と内周面が該ロータマグネットと該誘導用磁石における互いに異なる磁極面に対してそれぞれ隙間を隔てて且つ直接に径方向で対向配置されていることを特徴とするギヤードモータ。
  2. 前記ロータマグネット及び前記誘導用磁石のうち少なくとも該誘導用磁石が異方性とされており、その磁化容易軸が径方向に向けられて内周面及び外周面にそれぞれ磁極が形成されている請求項1に記載のギヤードモータ。
  3. 前記ロータマグネットの内周面と前記誘導リングの外周面との径方向対向面間距離に比して、前記誘導用磁石の外周面と該誘導リングの内周面との径方向対向面間距離が小さくされている請求項1又は2に記載のギヤードモータ。
  4. 前記ロータマグネットの外周側に、前記電気モータを構成するステータ側の磁極部が配されて、該ロータマグネットの外周面の前記磁極に対して対向配置されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のギヤードモータ。
  5. 前記ロータの中心部分には、他部材へ係合されて回転出力を伝達する電気モータの出力軸が形成されていると共に、該出力軸に対して回転可能に外挿されるスリーブが、前記誘導リングに設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載のギヤードモータ。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のギヤードモータを製造するに際して、
    前記ロータマグネットと前記誘導用磁石の何れか一方を成形時に着磁して半成形品を得た後、該ロータマグネットと該誘導用磁石の他方の成形型に該半成形品をセットして、該ロータマグネットと該誘導用磁石の他方を成形すると共に、該他方の成形時には、既に着磁された該半成形品の磁力を利用して該他方に対して着磁することを特徴とするギヤードモータの製造方法。
  7. 前記ロータマグネットと前記誘導用磁石のうち、前記誘導用磁石を先に成形して前記半成形品とする請求項6に記載のギヤードモータの製造方法。
  8. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のギヤードモータを製造するに際して、
    前記ロータマグネット及び前記誘導用磁石を、それぞれ、成形時に着磁することにより、径方向に向けて磁化容易軸を配向させた異方性とすることを特徴とするギヤードモータの製造方法。
JP2009130346A 2009-05-29 2009-05-29 ギヤードモータ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5331576B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009130346A JP5331576B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 ギヤードモータ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009130346A JP5331576B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 ギヤードモータ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010279196A JP2010279196A (ja) 2010-12-09
JP5331576B2 true JP5331576B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=43425621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009130346A Expired - Fee Related JP5331576B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 ギヤードモータ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5331576B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013233000A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Nidec Sankyo Corp モータアクチュエータ
CN117097073A (zh) * 2023-08-30 2023-11-21 余姚市雀美电机有限公司 带有齿轮机构的无刷电机

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3722129B2 (ja) * 1996-01-31 2005-11-30 富士ゼロックス株式会社 モータの製造方法
JP4034512B2 (ja) * 2000-12-13 2008-01-16 日本電産サンキョー株式会社 ギアードモータ
JP2002101583A (ja) * 2000-09-20 2002-04-05 Fujitsu General Ltd 電動機
JP2002233176A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Asmo Co Ltd 電動アクチュエータ
JP2002374654A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd クラッチ動作手段
JP2003333817A (ja) * 2001-12-10 2003-11-21 Aichi Steel Works Ltd Dcブラシモータ装置
JP4820422B2 (ja) * 2009-01-30 2011-11-24 株式会社三栄水栓製作所 水栓用の水力発電機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010279196A (ja) 2010-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013233000A (ja) モータアクチュエータ
KR101198232B1 (ko) 하이브리드 인덕션모터
JP5331576B2 (ja) ギヤードモータ及びその製造方法
CN104953757B (zh) 排水阀驱动装置
CN104242594A (zh) 电动机
JP6528731B2 (ja) スタータ
JP4603954B2 (ja) ギヤードモータ
JPH0223049A (ja) 永久磁石式回転電機
EP0867612B1 (en) A starter for an internal combustion engine
JP2016005411A (ja) アクチュエータ
KR20190104891A (ko) 배수밸브 구동장치
JP2003061306A (ja) ギヤードモータ
JP5977070B2 (ja) モータ
JP2013232997A (ja) モータアクチュエータ
JP5089374B2 (ja) 同期モータの逆回転防止機構
KR102158255B1 (ko) 배수밸브 구동장치
KR100456917B1 (ko) 모터 및 기어드 모터
JP2013232999A (ja) モータアクチュエータ
JP3716227B2 (ja) ギヤードモータ
JP4363864B2 (ja) ギヤードモータ
JP4603826B2 (ja) モータ駆動式排水弁
JP5887938B2 (ja) スタータ
JP2009165237A (ja) ギヤードモータ
CN110375102B (zh) 排水阀控制装置
JP4603739B2 (ja) モータ式駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees